JPS6127545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧品をカートリツジ式とした棒状化
粧品繰出し容器に関する。

この種容器で、化粧品をカートリツジ式とすれ
ば、化粧品が消耗したとき、化粧品を充填保持し
ている中皿のみ交換ですみ、容器本体はそのまま
利用できるので、経済的でもありまた便利でもあ
る。

本考案はこの点に着目し、中皿を簡易な仕組み
のカートリツジ式に構成し、中皿のみの交換で化
粧品の消耗に対処できるようにした棒状化粧品繰
出し容器を提供することを目的とする。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。添付図において、１は下部のカツプ状の基筒
部２上にこれより外径が稍々小径の中筒３を直立
させた主筒、４は該主筒１の中筒３外面に嵌合さ
れた回転筒、そして５が中筒３内に嵌合されて該
中筒３内を昇降する筒状体の受皿である。

この種容器の化粧品繰出し機構は極く周知なの
で簡単に概略を説明すると、前記主筒１の中筒３
の下部から上部にかけての両側には縦方向の細長
な受皿案内孔６，６があり、また回転筒４の下部
から上部にかけての内周面には略一周する２条の
螺溝７，７が対称的に形成してあり、そして受皿
５の外面両側には第５図に示すように前記中筒３
の受皿案内孔６，６を通して回転筒４の螺溝７，
７に夫々係合される突子８，８がある。

従つて、回転筒４を一方の手で把持し、他方の
手の指で主筒１の基筒部２をつまみ、この基筒部
２を介し主筒１を回転筒４に対し例えば右回りに
回転させると、受皿５は突子８，８が螺溝７，７
に係合しているので螺進することになる。しか
し、突子８，８は同時に中筒３の受皿案内孔６，
６に係合しているので、結局この受皿５は主筒１
と回転筒４の相対回転動により上方に移動するこ
とになり、従つてこの受皿５が化粧品を保持して
いれば、化粧品は中筒３の上端開口から上方外部
に繰り出される。主筒１と回転筒４の相対回転動
を逆方向とすれば、上記と逆の動作で化粧品は内
部に繰り込まれる。第１図は化粧品の繰り出し
時、第２図は化粧品の繰り入れ時の図である。

ここで本考案では、受皿５に着脱可能に筒体状
の中皿９を係挿組合せ、この中皿９で棒状化粧品
１０を保持するよう構成し、また第５図に示すよ
うに、中筒３の受皿案内孔６，６を、下部の一部
を残して上部を、一側に偏らせて幾分拡径し且つ
上端に抜けさせて、この大径部６′，６′に中皿案
内路とする。つまり受皿案内孔６，６の一部に中
皿案内路６′，６′の機能を併備させる。この場
合、第６図のように両側に平均的に拡径させても
よい。

即ち、前記受皿５の下部内周面には下向き段部
１１が形成してあり、一方中皿９は下部外面に係
合突条１２を周設し、また第５図に示すようにこ
の突条１２上方の外面両側から前記中皿案内路
６′，６′に係合する大径で突出長の短かい係合突
子１３，１３を突設しており、従つて、突子８，
８と１３，１３の位置を稍々ずらせて中皿９を受
皿５内に嵌挿させた組立て状態で、突子１３，１
３は受皿５の上端面に当接し、このとき係合突条
１２が受皿５の下向き段部１１に係合して中皿９
と受皿５とは固く一体に係嵌した状態となる。即
ち、中皿９は中皿案内路６′，６′に案内されて受
皿５と同体に昇降する。中皿９の化粧品保持構造
は任意でよく、図示例は中皿９内面に周方向適宜
間隔で数条の縦条１４を突起させて内周面を凹凸
とし、これにより化粧品１０を固定した場合を示
している。尚、１５は化粧品成形用ケースを示
し、化粧品１０はこのケース１５を中皿９に取付
け、内面に離型剤を塗布し逆さの状態で充填固化
し、容器装着時に除去される。

上記構成で、中皿９の交換は次の如くする。第
２図は化粧品１０を容器内に規定に繰り入れた状
態で、この状態では受皿５の突子８，８は第５図
に示すように受皿案内孔６，６下端部より幾分上
方にあり、一方中皿９の突子１３，１３は中皿案
内路６′，６′の下端部に位置している。この第２
図状態からさらに、受皿５を強制的に下方に、つ
まり化粧品繰入れ方向にその突子８，８が受皿案
内孔６，６下端に当接するまで繰入れ作動する。
すると受皿５は基筒部２に入り込み下方に移動す
るが、中皿９はその突子１３，１３が中皿案内路
６′，６′下端部で係止されて下方に移動できず、
従つて第３図のように係合突条１２は下向き段部
１１から外れ、中皿９は受皿５との係嵌状態が解
かれる。そこで今度は、受皿５を化粧品繰出し方
向に、つまり上方に移動させればよい。すると第
４図のように、中皿９は外方に突出し、しかもこ
のとき受皿５との係嵌状態が解かれているので容
易に手で取り外すことができる。この後、新らし
い化粧品を充填固着した中皿９を、受皿５に強制
的に挿入して両者を固く係合させればよい。尚１
６は外カバーを示す。

第７図は他の実施例を示し、この例で細長な受
皿案内孔６，６に沿つてその裏面部に溝状と中皿
案内路６′，６を凹設しており、この例によつて
も同様に目的が達成できる。

上記本考案によれば、何ら特別の操作を必要と
せず、単に通常の化粧品繰入れ操作を更に僅かに
進める操作により中皿９の受皿５に対する係嵌状
態を解き、従つてこの後は化粧品繰出し操作で中
皿９を外部に繰出してこれを交換すればよいの
で、交換動作は何の面倒もなく極く簡便である。
しかも構造的には、受皿５に装脱可能に中皿９を
設け、またこの中皿９の案内路６′，６′を中筒３
に設ければよいので簡単であり、しかも中皿案内
路６′，６′は受皿案内孔６，６に重合させて形成
するので、実質的に２条の案内孔ですみ、加工が
容易でありまた中筒３の強度上の懸念もない。更
に第５図、第６図の実施例において、突子８，８
の先端は螺溝７，７に係合しており、且つ突子１
３，１３が案内路６′，６′で位置決めされればこ
の突子８，８も自ずと決置決めされるので、この
突子８，８の大径の中皿案内路６′，６′部分にお
ける案内の安定性に問題はない。又前記したよう
に、化粧品１０は成形用ケース１５を利用して中
皿９に充填固着し、容器に装着時このケース１５
を除去するが、このときケース１５への離型剤塗
布が不充分だつたり部分的であつたりすると化粧
品１０を折損することがあるが、上記本考案によ
ればこのような場合なども容易に対処できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案棒状化粧品繰出し容
器の半部縦断面図を示し、第１図ａは化粧品を繰
り出した場合、同図ｂはａ図の要部拡大図、第２
図は化粧品を繰入れた場合、第３図は中皿と受皿
との係嵌状態を解いた場合、第４図は中皿交換の
ための繰出し時を示す図で、第５図は同容器の主
筒の分解斜視図、第６図と第７図は夫々異なる他
実施例を示す一部図と主筒の分解斜視図である。 １……主筒、２……基筒部、３……中筒、４…
…回転筒、５……受皿、９……中皿、１０……棒
状化粧品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部のカツプ状の基筒部２から外径が稍々小径
   の中筒３を直立させ、該中筒３の両側に縦方向の
   細長な受皿案内孔６，６、および該案内孔６，６
   の下部の一部を残して拡径するか又は該案内孔
   ６，６の内面を溝状に凹設して一方のものは上端
   に抜けさせて大径の中皿案内路６′，６′を形成し
   た主筒１と、内周面に対称的な２条の螺溝７，７
   を形成して前記中筒３外面に嵌合され、化粧品繰
   出し時および繰入れ時に主筒１に対し相対的に逆
   方向に回転操作される回転筒４と、下部内周面に
   下向き段部１１を形成した筒状体であつて前記中
   筒３内に嵌挿され、その対向した外側両面から突
   設した係合突子８，８を前記受皿案内孔６，６を
   通して前記螺溝７，７に係合され、化粧品繰出し
   時上昇し化粧品繰入れ時下降する受皿５と、下部
   外面に受皿５の前記下向き段部１１に係合する嵌
   合突条１２を、また上部の対向した両側外面から
   前記中皿案内路６′，６′に係合する大径の係合突
   子１３，１３を突設して受皿５に嵌合組合され、
   化粧品１０を保持してこの受皿５と同体に昇降す
   る中皿９とからなり、中皿９交換時に、受皿５を
   基筒部２内に繰入れ下降させ、このとき中皿９を
   その係合突子１３，１３を中皿案内路６′，６′下
   端に係止し残置させてこの両者５，９の係嵌状態
   を解くことを特徴とした棒状化粧品繰出し容器。