JPS6330339Y2

JPS6330339Y2 -

Info

Publication number: JPS6330339Y2
Application number: JP1983191969U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-13
Filing date: 1983-12-13
Publication date: 1988-08-15
Also published as: JPS6097516U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、リツプステイツク（棒状口紅）等の
棒状化粧料を収納するための繰出容器に関するも
のである。

従来、口紅、チツクなどの棒状化粧料を回転操
作によつて繰り出すようにした繰出容器として
は、たとえば、周壁に軸線方向に沿つて延びる長
孔が形成された内筒と、この内筒の外側に回転自
在に挿入され内周にらせん溝が形成された案内筒
と、前記内筒の長孔を介して案内筒のらせん溝に
係合する突起が設けられた中皿とを主体として構
成され、該中皿の突起をらせん溝によつて押し上
げ、押し下げることにより、中皿に保持した棒状
化粧料を繰り出すようにしたものがある。

ところで、従来のこの種の繰出容器は、中皿に
棒状化粧料を一体に取り付ける構造のものであ
り、この棒状化粧料を交換する工夫がなされてい
なかつたため、化粧料を使い尽くしたら容器ごと
使い捨てなければならず、比較的高価な容器を繰
り返し使用することができなかつた。また、口紅
などもその種類に応じてそれぞれ別個に専用の口
紅容器が必要であり、たとえば洋服もしくは和
服、または洋服、和服の色などに合わせて使用す
る口紅の色を変える場合、口紅の色が10種類ある
とそれぞれ口紅を入れた容器が10個も必要である
という不満があつた。

本考案は、このような背景に基づいて提案され
たもので、その目的とするところは、棒状化粧料
を容易に交換し得て、同一容器によつて何種類も
の棒状化粧料を使用できる繰出容器を提供しよう
とするものである。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
を参照して説明すれば、この繰出容器は、周壁１
に軸線方向に沿つて延びる長孔２が形成された円
筒状の内筒３と、この内筒３の外側に回転自在に
挿入され内周にらせん溝４が形成された案内筒５
と、この案内筒５のらせん溝４に内筒３の長孔２
を介して係合する突起６を外周壁７ａに設けた筒
状の嵌合筒７とを有し、前記内筒３または案内筒
５のいずれか一方を回転させることにより、嵌合
筒７を昇降動させる基本構成となつている。そし
て、この嵌合筒７内には、棒状化粧料Ａを充填し
収容するための中皿８が一体に嵌め込まれ、嵌合
筒７の昇降によつて棒状化粧料Ａを繰り出すよう
になつている。

前記内筒３は、有底円筒状に形成され、この周
壁１の相対向する位置に前記長孔２が形成されて
おり、これら長孔２のうちのひとつは、第１図に
示すように上端に達し開口している。また、この
内筒３の下部周壁は外側に膨出した大径部１０と
され、この大径部１０の外径は前記案内筒５の外
径とほぼ等しくされる。

さらに、前記内筒３の周壁１には、該周壁１に
沿つて水平に延びる２つの水平溝１１が、それぞ
れ長孔２の下端に連通して設けられ、この水平溝
１１の先端からは周壁下端に向かつてガイド溝１
２が延出されている。また、前記水平溝１１に
は、嵌合筒７の突起６を係止するための凸部１３
が形成される。

ここで、第２図により前記水平溝１１、ガイド
溝１２、凸部１３の構造についてさらにくわしく
説明する。

前記水平溝１１は、その幅l₁が嵌合筒７の突起
６の外径よりもわずかに大きい長さに形成されて
おり、この水平溝１１の先端の下側周縁１１ａに
凸部１３が突出形成されている。またこの水平溝
１１の上側周縁１１ｂは、ガイド溝１２の上端周
縁までなだらかに延び、水平溝１１の先端近くか
ら上方へ向かつて傾斜したテーパー面を形成して
いる。

また、前記ガイド溝１２は、その幅w₁が長孔
２の幅w₂とほぼ等しい長さに形成され、下端１
２ａが半円形状に形成されている。なお、前記凸
部１３の長孔２側の縁部は、この長孔２に向かつ
て下り勾配に傾斜した傾斜面１３ａとされてい
る。

さて、内筒３について第３図および第４図によ
り説明を補足しておくと、この内筒３の下部内周
壁には、嵌合筒７の突起６をガイド溝１２内に挿
入して嵌合筒７を第４図に示すように押し下げた
ときに、中皿８の下端を押し上げて嵌合筒７と中
皿８との嵌合を解く段部１４が形成されている。
この段部１４は、内筒３の内方へ環状に突出して
いる。

ついで、第１図により、案内筒５、嵌合筒７、
中皿８について説明を補足する。

案内筒５は、その内周面の相対向する位置にら
せん溝４が形成されたもので、その取付けは、内
筒３の外周に挿入して、内周面の係合溝１５を内
筒上端の周突条１６に嵌合することにより行な
う。

また嵌合筒７および中皿８は、上下端を開口し
た円筒状に形成され、中皿８の方が嵌合筒７より
も長寸に形成される。この中皿８の中央部には、
外側に膨出した膨出部１７が形成され、また中皿
８の下端外周には嵌合リブ１８が対向する位置に
突設されている。そして、これら膨出部１７と嵌
合リブ１８との間に前記嵌合筒７が嵌め込まれる
ようになつている。なお、前記嵌合リブ１８の下
端は、第３図および第４図に示すように、中皿８
の下端に向かつて先細りになるようにテーパー面
１８ａとされている。また、この中皿８には、中
皿８の内方への弾性変形を容易にするために中皿
８の下端から発する切欠き１９が形成されてい
る。

また、図中、符号２５で示すものは、棒状化粧
料成形用カプセルで、このカプセル２５内に化粧
料原液が充填固化されて化粧料が形成される。

次に、以上のように構成された繰出容器の使用
方法ならびに作用について説明する。

繰出容器を通常使用する場合には、第３図など
に示すように組み立てた繰出容器の内筒３あるい
は案内筒５のいずれか一方を回転させれば良い。
この操作によつて、嵌合筒７の突起６が案内筒５
のらせん溝４によつて押し上げ、押し下げられ、
かつ長孔２を伝つて上下に移動させられ、嵌合筒
７内に嵌合した中皿８が昇降して、棒状化粧料Ａ
が繰り出されるのである。

また、この棒状化粧料Ａを詰め換える場合につ
いて、第２図ないし第５図を参照して説明する。

第２図および第３図に示すように、嵌合筒７の
突起６が水平溝１１の凸部１３に係止された状態
から、たとえば内筒３を中皿８が下がるように強
くまわす。すると、前記突起６が凸部１３を乗り
越えてガイド溝１２内に挿入され、このガイド溝
１２を伝つて嵌合筒７、中皿８が下降する。そし
て中皿８の下端の嵌合リブ１８を内筒３内の段部
１４に当接させて、中皿８と嵌合リブ１８との係
合を外す。すなわち、嵌合リブ１８のテーパー面
１８ａを段部１４に当接させて中皿８を下げ、こ
の中皿８の下端をテーパー面１８ａの作用によつ
て内方へ曲げるとともに、第４図に示すように、
嵌合筒７をｔだけ下降させて、嵌合リブ１８との
係合を外すのである。

そして、この嵌合リブ１８との係合が外れた状
態のまま、中皿８を上昇させ、化粧料Ａごと中皿
８を繰出容器の上側（口縁側）から引き抜き、第
５図に示すように、中皿８に充填した他の棒状化
粧料Ｂをカプセル２５ごと嵌合筒７内に嵌め込
む。すると、この棒状化粧料Ｂを保持している中
皿８の係合リブ１８が、嵌め込まれた時点で嵌合
筒７に係合し、中皿８が嵌合筒７に一体に嵌め込
まれる。また、前記カプセル２５は、中皿８を下
降させることにより容易に取り外すことができ
る。

なお、中皿８の嵌合は、該中皿８の下端に切欠
１９があるので容易に行なうことができる。

つまり、本考案の繰出容器は、通常使用時に
は、水平溝１１内の凸部１３に、嵌合筒７の突起
６が係止されて中皿８の下降が制限され、棒状化
粧料を取り換えるときにのみ、突起６をガイド溝
１２内に挿入することによつて、嵌合筒７と中皿
８との嵌合を外し、この中皿８を上げて棒状化粧
料Ａの交換ができるのである。

しかして、前述した操作により、容器内部で中
皿８と嵌合筒７との嵌合を外すことができるの
で、手を汚すことなく化粧料を取り出せ、また、
中皿８を大きな力で引き抜く必要もない。

第６図は、本考案の他の実施例を示すもので、
内筒３の段部１４に嵌合筒７を嵌め入れる周溝３
０を設けたもので、このような構造によつても前
述の実施例と同様の作用効果を得ることができ、
しかも、嵌合筒７をさらに下降できるので、一
層、嵌合リブ１８の係合解除を確実に行なうこと
ができる。

また第７図は、本考案の別の実施例を示すもの
で、水平溝１１の上側周縁１１ｂに、嵌合筒７の
突起６を係止する凸部１３を設けたものである。
そして、このような構造によつても前述した最初
の実施例と同様の作用効果を得ることができる。

以上説明したように、本考案の繰出容器によれ
ば、棒状化粧料の交換を容易に行なうことができ
るので、化粧料を使い尽くしたときなどに、別の
新しい化粧料をつめかえて容器を繰り返し使用す
ることができ、したがつて１個の繰出容器をたと
えば、金銀などの高価な材質で造つたりしても、
これを使い捨てすることなく何回でも使用でき
る。

また、各種類の色の口紅をカプセルに入れて用
意しておけば、好みの色を選んでひとつの繰出容
器で使用することができる。

さらに、本考案では、嵌合筒の突起を係止する
ための凸部が長孔の下端に連通して形成された水
平溝の上側周縁もしくは下側周縁に突出形成され
ているので、らせん溝に対して垂直に延びる力の
水平成分の力を加えるだけで、前記突起を凸部を
乗り越えさせることができ、したがつて、凸部を
乗り越えさせる際（中皿の交換の際）に、過大の
力を要さずに内筒と案内筒とを回転操作すること
ができ、円滑に中皿の取り外し位置まで嵌合筒を
セツトすることができる。

また、本考案では、内筒の下部内周壁に、嵌合
筒の突起をガイド溝内に挿入して嵌合筒を押し下
げたときに、中皿の下端を押し上げて嵌合筒と中
皿との嵌合を解く環状の段部を突出形成し、しか
も、前記中皿に、該中皿の下端から発する切欠き
を形成したから、中皿と嵌合筒との係合を解除さ
せる際には、中皿の下端を段部に当接させて、中
皿の下部周壁を内側に弾性変形させつつ、嵌合筒
との係合を解除することができ、簡単に中皿の交
換作業を実施することができる。

そして前記により、小さい力で嵌合筒の突起
を、凸部を乗り越えさせてガイド溝に繰り入れた
り、繰り出したりすることができ、また中皿を嵌
合筒から取り外す際にも大きな力を要さずに、こ
れらの係合を解除することができるといつた長所
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は分解斜視図、第２図は水平溝と
ガイド溝の構造を説明するために示した正面図、
第３図および第４図はそれぞれ中央縦断面図、第
５図はカプセルの装着状態を説明するために示し
た中央縦断面図、第６図は本考案の他の実施例を
示す中央縦断面図、第７図は本考案の別の実施例
を示す第２図同様の正面図である。１……周壁、２……長孔、３……内筒、４……
らせん溝、５……案内筒、６……突起、７ａ……
外周壁、７……嵌合筒、Ａ……棒状化粧料、８…
…中皿、１０……大径部、１１……水平溝、１２
……ガイド溝、１３……凸部、l₁……水平溝の
幅、１１ａ……下側周縁、１１ｂ……上側周縁、
w₁……ガイド溝の幅、w₂……長孔の幅、１７…
…膨出部、１８……嵌合リブ、１８ａ……テーパ
ー面、１９……切欠き、２５……カプセル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

周壁１に軸線方向に沿つて延びる長孔２が形成
された内筒３と、この内筒３の外周に回転自在に
挿入され内周にらせん溝４が形成された案内筒５
と、前記内筒３内に昇降自在に挿入されるととも
に外周壁に内筒３の長孔２を介して案内筒５のら
せん溝４に係合する突起６が形成された筒状の嵌
合筒７とを有し、該嵌合筒７内には、棒状化粧料
Ａを収容するための中皿８が一体に嵌め込まれ、
一方、前記内筒３の周壁１には、周壁１の周方向
に沿つて延びる水平溝１１が前記長孔２の下端に
連通して形成されるとともに、この水平溝１１の
先端からは周壁下端に向かつてガイド溝１２が延
出され、かつ、前記水平溝１１の下側周縁もしく
は上側周縁には、嵌合筒７の突起６を係止するた
めの凸部１３が突出形成され、さらに、前記内筒
３の下部内周壁には、嵌合筒７の突起６をガイド
溝１２内に挿入して嵌合筒７を押し下げたとき
に、中皿８の下端を押し上げて嵌合筒７と中皿８
との嵌合を解く環状の段部１４が突出形成されて
おり、しかも、前記中皿８には、該中皿８の下端
から発する切欠き１９が形成されていることを特
徴とする繰出容器。