JPS6322993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅等の棒状化粧料の不用意な突出
を防止した繰り出し容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より口紅等の棒状化粧料の繰り出し容器
は、螺旋繰り出し機構を利用し、棒状化粧料の出
没を回動操作によつて行つている。

しかし、ハンドバツク等に収納して携帯した
時、繰り出し口が下方に向いて振動や衝撃が働い
た時、不用意に螺旋繰り出し機構が回動し、棒状
化粧料が繰り出され、キヤツプ内天面に当接して
棒状化粧料の先端を損傷したりする事があつた。

尚、本出願人は実願昭59−33669号（実開昭60
−147311号公報）に於いて、蓋体を被嵌した際中
筒の嵌挿部に切り欠かれ屈曲した舌片を蓋体が嵌
着した時押圧し、棒状化粧料をを保持している収
納皿より垂下した脚筒と係着させ、蓋体嵌着時に
は、収納皿及び棒状化粧料の摺動を阻止する構造
の棒状化粧料容器。又、実願昭59−33670号（実
開昭60−147312号公報）に於いては、蓋体の嵌挿
部に窓孔を開孔し、内壁に係止片を突設させ、外
周には窓孔より突出する嵌着突部を有したリング
体を内挿し、蓋体が嵌着した時嵌着突部を押圧
し、棒状化粧料を保持している収納筒より垂下し
た脚筒と係止片を係着させ、蓋体嵌着時には収納
皿及び棒状化粧料の摺動を阻止する構造の棒状化
粧料容器を提案している。又、実公昭40−22282
号公報に於いても同様の提案がなされている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記構成の棒状化粧料容器に於いて、通常蓋体
と中筒の嵌挿部のクリアランスは、0.1mm〜0.2mm
程であり、蓋体内壁による舌片及び嵌着突部の押
圧距離は、0.2mm〜0.3mmと微小なものであつた。

そこで、蓋体を嵌着しても係着が確実でなかつ
たり、逆に蓋体を抜脱したのに係着が解除されな
いという誤動作がおこる事があつた。又、係合を
確実にする為、脚筒外周には周溝を刻設してある
が、係合する突部が周溝間に当接した時、蓋体の
嵌合具合が強くなる事があつた。

本案は、以上の点に鑑みて考案された棒状化粧
料容器である。

〔問題点を解決する為の手段〕

螺施繰り出し機構を有する構成に於いて、棒状
化粧料１を収嵌保持する収納皿２より垂下した脚
筒３の外壁に多数本の係止溝４を刻設する。該脚
筒３及び収納皿２を摺動自在に収納するスリーブ
５に係止窓６を穿設する。該スリーブ５に連設し
た中筒７は、蓋体８が抜脱自在に嵌挿する嵌挿部
９を有し、該嵌挿部９には突出窓１０を穿設す
る。該中筒７の嵌挿部９に嵌挿止着する係止リン
グ１１は、中筒７の突出窓１０より突出する押圧
突部１２を突出させ、下端を内方向へ屈曲した係
止部１３とした前記スリーブ５の係止窓６を貫通
して、脚筒３の係止溝４に係止する弾性を有し、
屈曲する舌片１４を垂下させている。

〔作用〕

本考案は以上構成である為、蓋体８は中筒７の
嵌挿部９に嵌挿した時、内壁が中筒７内の係止リ
ング１１の舌片１４に突設し、中筒７の突出窓１
０より突出していた押圧突部１２を押圧して嵌着
する。中筒７の突出窓１０より突出していた押圧
突部１２の蓋体８の内壁に押圧された押圧距離
は、下方の係止部１３が脚筒３方向へ突入する部
位では、舌片１４の屈曲する部位より押圧突部１
２までの距離と、屈曲する部位より係止部１３ま
での距離との比例により増幅するものである。

従つて、蓋体８が屈曲する部位に近い押圧突部
１２を押圧する距離が微小でも、屈曲する部位よ
り距離のある係止部１３では移動量が増幅され、
脚筒３に刻設された係止溝４と確実に係着及び解
除が行われるものである。

〔実施例〕

棒状化粧料１を収嵌保持する収納皿２は、下端
内壁に螺合片１５が螺設され、下端外壁には係合
突部１６が突設し、更に外側壁には多数本の係止
溝４を水平に刻設した脚筒３を垂下している。

スリーブ５は、前記係合突部１６が係合するガ
イド溝１７が縦方向に穿設され、前記収納皿２及
び脚筒３を摺動自在に収納し、更に側壁には係止
窓６が穿設されている。

ネジ体１８は、外壁に前記脚筒３の螺合片１５
と螺合する螺条１９が螺設されている。又、下方
には前記スリーブ５の下端に周設された突条２０
と係合す凹状溝２１が環状に刻設され、更に下方
は外筒２２に挿嵌止着する尾部２３となつてい
る。

尚、前記外筒２２は、スリーブ５のガイド溝１
７が穿設された部位を収納している。

中筒７は、蓋体８を抜脱自在に嵌着させる嵌挿
部９に嵌挿突部２４が複数ケ所突設され、更に突
出窓１０が穿設され、スリーブ５の中程に係着し
ている。

この中筒７の挿嵌部９内には、係止リング１１
が挿嵌止着されている。この係止リング１１に
は、下端が内方向へ屈曲して、前記スリーブ５の
係止窓６を貫通して脚筒３の係止溝４に係止する
係止部１３となつた舌片１４が垂下している。こ
の舌片１４には、中筒７の突出窓１０より突出す
る押圧突部１２が突出している。

尚、他の実施例として、スリーブ５と中筒７は
一体構成としても良い。

〔考案の効果〕

本考案の実施例は、以上構成の棒状化粧料繰り
出し容器である。

通常の使用に際しては蓋体８を抜脱し、スリー
ブ５を保持して外筒２２の回動操作をすれば、ス
リーブ５に回動を阻止された脚筒３は、その内壁
に螺設された螺合片１５が外筒２２と連動するネ
ジ体１８と螺合している為、螺合作用により上下
動し、収納皿２に保持された棒状化粧料１をスリ
ーブ５より出没させる事ができるものである。

又、使用後、棒状化粧料１をスリーブ５内に収
納して蓋体８を中筒７の嵌挿部９に嵌挿すれば、
係止リング１１の押圧突部１２を押圧する事によ
り、舌片１４下端で移動量の増幅された係止部１
３が脚筒３の係止溝４に係合する。この時、係止
部１３が係止溝４間に当接してしまつた場合、舌
片１４は弾発しながら屈曲し、蓋体８の嵌合具合
の変化は表われない。そして衝撃などで脚筒３が
僅かに摺動した時、係止突部１６は確実に係止溝
４へ係合するものである。即ち、蓋体８をした状
態でハンドバツク内に入れて携帯し、振動や衝撃
が作用しても棒状化粧料１が収納皿２と共にスリ
ーブ５内より突出する事を防止できるものであ
る。

更に、蓋体８の嵌着及び抜脱は、弾性を有した
押圧突部１２を押圧する際の弾発に快い感応をも
たらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の正面断面図。第２図
は、本考案実施例の繰り出した状態の正面断面
図。第３図は、本考案の他の実施例の正面半断面
図。第４図は、係止リングの斜視図。第５図は、
要部拡大図。 １〜棒状化粧料、２〜収納皿、３〜脚筒、４〜
係止溝、５〜スリーブ、６〜係止窓、７〜中筒、
８〜蓋体、９〜嵌挿部、１０〜突出窓、１１〜係
止リング、１２〜押圧突部、１３〜係止部、１４
〜舌片、１５〜螺合片、１６〜係合突部、１７〜
ガイド溝、１８〜ネジ体、１９〜螺条、２０〜突
条、２１〜凹状溝、２２〜外筒、２３〜尾部、２
４〜嵌着突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 棒状化粧料１を収嵌保持する収納皿２より垂
   下し、外壁に多数本の係止溝４が水平に刻設さ
   れた脚筒３と、 該脚筒３及び収納皿２を摺動自在に収納し、
   側壁に係止窓６が穿設されたスリーブ５と、 該スリーブ５に連設し、蓋体８が抜脱自在に
   嵌挿する嵌挿部９を有し、該嵌挿部９には突出
   窓１０が穿設された中筒７と、 該中筒７の嵌挿部９内に挿嵌止着し、突出窓
   １０より突出する押圧突部１２が突出し、下端
   が前記スリーブ５の係止窓６を貫通して脚筒３
   の係止溝４に係止する係止部１３となつた弾性
   を有して屈曲する舌片１４が垂下した係止リン
   グ１１と、 から構成される事を特徴とする螺旋繰り出し
   機構を有する棒状化粧料容器。 (2) 中筒７とスリーブ５を一体構造とした、実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の棒状化粧料容
   器。