JPH038176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、アイライナー、まゆ墨、口紅等の棒
状化粧料のカートリツジ式繰り出し容器に係る。

〔従来の技術〕

従来より棒状化粧料は軟質であるため、棒状化
粧料の詰め替えを行う際、棒状化粧料を破損して
しまつたり、その化粧料で手や衣服を汚してしま
つたりする事があつたので、予め収納皿に保持し
た棒状化粧料をカートリツジ内に収納し、このカ
ートリツジをホルダーより抜脱する事により棒状
化粧料を交換できるようにした構成は数多く提案
されている。

このカートリツジの構成としては、ホルダーに
繰り出し機構を内装し、繰り出し機構により昇降
動する押圧棒によりカートリツジ内の棒状化粧料
を出没させる構成のものと、カートリツジ自身に
繰り出し機構を内装し、ホルダーに装着して回転
操作を行い、棒状化粧料を出没させる構成のもの
とに大きく分類できる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ホルダーの押圧棒を昇降動させる事により出没
を操作する構成のカートリツジの場合、棒状化粧
料を消費し終えたカートリツジを抜脱し、押圧棒
が繰り出された状態のホルダーへ新しい棒状化粧
料が充填されたカートリツジを装填すると、新し
い化粧料が一気に繰り出され、保持していた手な
どに当接して棒状化粧料を折つてしまう事があつ
た。

また、螺旋繰り出し機構を内蔵した構成のカー
トリツジの場合には、携帯時などの振動や衝撃で
棒状化粧料がカートリツジの先端より不用意に繰
り出されて、棒状化粧料を破損したりする事があ
つた。更に、カートリツジ自体に螺旋繰り出し機
構を内装した構成であるため、カートリツジ単体
で繰り出し操作を行えてしまうものもあつた。こ
れはカートリツジ式繰り出し容器の商品価値を半
減させてしまうものであつた。

〔課題を解決する為の手段〕

棒状化粧料１を保持する収納皿２は、下端外壁
に係合突部３を突設し、更に下端より切り欠き部
４を穿設して係合突部３を突設した側壁が内方向
に屈曲可能に構成した脚体５を垂下する。この収
納皿２を摺動自在に収納するガイド筒６は、側壁
に前記係合突部３が貫通するガイド溝７を縦方向
に穿設し、先端に棒状化粧料１の繰り出し口１３
を設けた先筒８を止着する。このガイド筒６に回
動自在にしかし抜脱自在に保持される螺旋筒９
は、内壁に前記ガイド溝７を貫通した係合突部３
が螺合し、底面に弾性を有して当接する螺旋溝１
０及び、空転溝１１を螺設する。この空転溝１１
は、螺旋溝１０の下端に連続し環状に刻設する。
上記収納皿２、ガイド筒６、及び外部に露出した
先筒８と螺旋筒１０よりカートリツジＡを構成す
る。

ホルダーＢは、前記螺旋筒１０を抜脱自在に保
持する外筒１２と、この外筒１２内に摺動自在に
内装され、前記脚体５の係合突部３が螺旋筒１０
の空転溝１１に係合している時、脚体５の下端面
を弾性を有して押圧する押圧棒１４とから構成す
る。

そして、カートリツジＡをホルダーＢへ抜脱自
在に挿入嵌着させてカートリツジ式繰り出し容器
を構成する。

〔作用〕

カートリツジＡが単体の時、カートリツジＡは
先筒８と螺旋筒９が外部に露出しているため、先
筒８を保持しての螺旋筒９の回動操作が可能とな
つている。しかし、カートリツジＡ内の収納皿２
より垂下した脚体５の係合突部３が下死点、つま
り空転溝１１に係合しており、しかも係合突部３
が底面に弾性を有して当接しているため、先筒８
を保持して螺旋筒１０を回転操作しても、収納皿
２はその係合突部３が、先筒８に止着されたガイ
ド筒６のガイド溝７に係合して回動を阻止された
状態となつているものの、係合突部３が空転溝１
１の底部に弾性を有して当接しているため、螺旋
溝１０との接合部に位置しても螺旋溝１０に突入
する事なく空転溝１１内を移動し続ける。従つ
て、螺合作用による昇降動が発生せず、棒状化粧
料１が繰り出されない。

ここで、カートリツジＡをホルダーＢに挿嵌す
ると、ホルダーＢ内の押圧棒１４はカートリツジ
Ａ内の収納皿２の脚体５に当接し、収納皿２を上
方に弾発する。そして、先筒８を保持してホルダ
ーＢを回動させると、先筒８に止着されたガイド
筒６のガイド溝７に回動を阻止された係合突部３
は、ホルダーＢに保持された螺旋筒９の空転溝１
１内を移動する。しかし、収納皿２はホルダーＢ
の押圧棒１４によつて上方に弾発されているた
め、係合突部３が螺旋溝１０の接合点に位置する
と押圧棒１４の弾発力により脚体５を内方向に屈
曲させて係合突部３が螺旋溝１０に突入する。そ
の結果、係合突部３は螺旋溝１０の底面に弾性を
有して当接、螺合し、回転しない係合突部３と回
転する螺旋溝１０の螺合作用が生じ、収納皿２、
つまり棒状化粧料１が昇降動するものである。

また、係合突部３が螺旋溝１０に螺合して収納
皿２の昇降動が始まると、ホルダーＢの押圧棒１
４より収納皿２が離れてしまう。つまり、押圧棒
１４は係合突部３を空転溝１１より螺旋溝１０に
突入させるためのみに収納皿２を押圧するもので
ある。

同様に、収納皿２を下死点まで繰り下げれば収
納皿２の係合突部３は再び空転溝１１に突入す
る。

〔実施例〕

棒状化粧料１を保持する収納皿２は、下端に脚
体５を垂下している。この脚体５の下端外壁に
は、係合突部３を突設している。更に、脚体５の
下端よりは、縦方向に切り欠き部４を設けて係合
突部３が弾性を有して内方向に屈曲するよう構成
されている。

この棒状化粧料１及び収納皿２は、先筒８及び
ガイド筒６内に摺動自在に内装されている。この
先筒８は、ガイド筒６の先端に止着され、先端に
棒状化粧料１の繰り出し口１３が穿設されてい
る。このガイド筒６の側壁には、前記係合突部３
が貫通して収納皿２を回動不能にするガイド溝７
が縦方向に穿設されている。また、ガイド筒６の
後端には、鍔部１６を周設している。

この先筒８とガイド筒６の鍔部１６との間に
は、螺旋筒９を回動自在に脱落不能に保持してお
り、ガイド筒６は螺旋筒９内に内装されている。
この螺旋筒９の内壁には、前記脚体５の係合突部
３が螺合する螺旋溝１０を螺設している。この螺
旋溝１０は、係合突部３が底面に弾性を有して当
接するよう構成されている。更に、螺旋筒９の下
端内壁には、螺旋溝１０と連続した空転溝１１が
環状に刻設されている。この空転溝１１は螺旋溝
１０よりも僅かに深く刻設されており、螺旋溝１
０との接合部に段部を構成している。尚、この空
転溝１１には、底面に係合突部３を当接させても
させなくても良い。以上がカートリツジＡであ
る。

次に、このカートリツジＡを抜脱自在に保持す
るホルダーＢについて説明する。カートリツジＡ
の螺旋筒９が挿入される外筒１２内には、カート
リツジＡの後端が当接する中筒１８が挿入止着さ
れている。更に中筒１８の前方には、カートリツ
ジＡの螺旋筒９を外方向より抜脱可能に弾性保持
する板状スプリング１７を内装止着している。こ
の板状スプリング１７は、外筒１２の先端に止着
された抜け止め筒１９によつて脱落を阻止されて
いる。更に中筒１８の後方には、摺動体２０が摺
動自在に内装されており、スプリング２１によつ
て上方に弾発されている。この摺動体２０には、
中筒１８を貫通し中筒１８より上方に突出する押
圧棒１４が植設されている。この押圧棒１４の先
端は、ホルダーＢに装着されたカートリツジＡの
収納皿２より垂下した脚体５の係合突部３が螺旋
筒９の空転溝１１に係合している時のみ脚体５の
下端面を押圧するよう構成されている。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、カートリツジＡ
の収納皿２が下死点の時には、係合突部３が空転
溝１１に係合しており、しかも空転溝１１は螺旋
溝１０より深く刻設されているため、カートリツ
ジＡ単体で先筒８を保持して螺旋筒９を回転させ
たとしても、係合突部３が空転溝１１内を移動す
るばかりで棒状化粧料１が繰り出てこない構成と
なつている。従つて、カートリツジＡ単体で携帯
しても振動や衝撃で収納皿２が摺動してしまい、
棒状化粧料１が先筒８より繰り出てしまう事故を
防止できるものとなつている。しかも、カートリ
ツジＡ単体では使用する事ができず、ホルダーＢ
がどうしても必要となるため、カートリツジ式繰
り出し容器の商品価値を高める事ができる。しか
もホルダーＢへの装着時、カートリツジＡの螺旋
筒９を板状スプリング１７で弾性保持するだけ
で、カートリツジＡの保持と回動トルクの伝達を
行うことができ、ホルダーＢの構成を簡単にでき
る。

尚、ホルダーＢの押圧棒１４は、脚体５を押圧
して係合突部３を空転溝１１より螺旋溝１０に突
入させるためのみに存在しており、繰り出し機構
に何等関係ないため、カートリツジＡをホルダー
Ｂに装着した時、不意に棒状化粧料１が繰り出さ
れてしまうような事もなく、繰り出し操作感に影
響を与えるような事もない。

また、収納皿２が螺旋溝１０に螺合している状
態では、脚体５が僅かに内方向に屈曲して、係合
突部３が螺旋溝１０の底面に弾性を有して当接
し、収納皿２が上下摺動するため、適度な摺動抵
抗を得ることができ、良好な繰り出し操作感にす
る事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例のカートリツジとホル
ダーの正面断面図。第２図は、カートリツジをホ
ルダーに装着した状態の正面断面図。第３図は、
使用状態の正面断面図。第４図は、螺旋筒の正面
断面図。第５図は、要部拡大断面図。 １……棒状化粧料、２……収納皿、３……係合
突部、４……切り欠き部、５……脚体、６……ガ
イド筒、７……ガイド溝、８……先筒、９……螺
旋筒、１０……螺旋溝、１１……空転溝、１２…
…外筒、１３……繰り出し口、１４……押圧棒、
１６……鍔部、１７……板状スプリング、１８…
…中筒、１９……抜け止め筒、２０……摺動体、
２１……スプリング、Ａ……カートリツジ、Ｂ…
…ホルダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状化粧料１を保持し、下端外壁に係合突部３
   を突設し、更に下端より切り欠き部４を穿設し
   て、係合突部３を突設した側壁が内方向に屈曲可
   能に構成した脚体５を垂下した収納皿２と、該収
   納皿２を摺動自在に収納し、側壁に前記係合突部
   ３が貫通するガイド溝７を縦方向に穿設し、先端
   に、棒状化粧料１の繰り出し口１３を設けた先筒
   ８を止着したガイド筒６と、該ガイド筒６に回動
   自在にしかし抜脱不能に保持され、内壁に前記ガ
   イド溝７を貫通した係合突部３が螺合し、底面に
   弾性を有して当接する螺旋溝１０及び、空転溝１
   １を螺設し、該空転溝１１を螺旋溝１０の下端に
   連続し環状に刻設した螺旋筒９とからなり、前記
   先筒８及び螺旋筒９が外部に露出したカートリツ
   ジＡを、 前記螺旋筒９を抜脱自在に保持する外筒１２
   と、該外筒１２内に摺動自在に内装され、前記脚
   体５の係合突部３が螺旋筒９の空転溝１１に係合
   している時、脚体５の下端面を弾性を有して押圧
   する押圧棒１４とからなるホルダーＢへ抜脱自在
   に挿入嵌着させる事を特徴とするカートリツジ式
   繰り出し容器。