JPS6237529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカートリツジ式固型化粧料容器の改良
に関するもので、化粧料の交換に際し化粧料に直
接手を触れずにワンタツチで交換できるととも
に、化粧料を保護し、折損事故を防止するカート
リツジ式固型化粧料容器を提供することを目的と
するものである。

従来、アイシヤドウ、アイライナー、口紅及び
眉墨等の棒状固型化粧料を収容するための多数の
各種容器が使用されているが、この種の化粧料は
粘性及び弾性に乏しく折損事故を生じ易いもので
あるから、繰出機構を有する本体に対して芯を収
容するカートリツジ部を確実に装着すると共に、
化粧料の芯をカートリツジの保護筒内で円滑に摺
動せしめなければならず、カートリツジ部の構造
が複雑に成つたり、また繰出部本体とカートリツ
ジ部との着脱が面倒になる等の問題を有してい
た。

本考案は上記問題に鑑み、各種繰出機構を有す
る容器本体の先端に化粧料の芯を収容したカート
リツジの後端を圧入装着又は螺着し、ワンタツチ
で着脱できるようにするとともに、該カートリツ
ジに対し、化粧料の芯を好ましい摺動抵抗を持つ
ように内挿した保護筒を常時後退方向に弾性付勢
して収容したカートリツジ式固型化粧料容器を提
供せんとするものである。

今、本考案の実施例を図面に従つて説明する
に、第１図乃至第３図は第１の実施例を示すもの
である。

１は繰出機構部であり、円筒状外筒２の後部に
隔壁３を設けて形成された嵌合部４の周壁には該
内周を一周する突条５が形成されており、該突条
５に対して上記嵌合部４に先端段部７を回動自在
に嵌合した有底筒状のネジ筒６の該段部７外周に
形成した凹条８を嵌入係止し、抜出を阻止して成
る。当該ネジ筒６の内周には一条又は複数条の螺
条９が先端部から後端部迄形成され、前記隔壁３
の六角形の軸孔１０に対し、摺動自在に貫挿した
六角形断面を有する繰出棒１１の後端に一体的に
形成して成る摺動端部材１２の螺溝１３を螺合す
る。また上記繰出棒１１の先端は外筒２の隔壁３
の前部内周に圧入固着した筒状の板バネ部材１４
の中心軸部に向つて伸びるもので、該板バネ部材
１４に軸方向に切起し形成し、内径方向に弧状に
突出した板バネ１５を円周方向に複数個配設して
成りカートリツジ装着部１６を構成する。

１７が上記カートリツジ装着部１６に取り付け
外されるカートリツジであり、口先筒１８は中腹
外周に形成した段部から後方が、前記板バネ部材
１４に対し、板バネ１５の弾性挾持圧に抗して挿
入され、適切な挾持力を持つて保持固定される挿
入筒部１９に成ると共に、前半部が芯口２０に向
つて細径に成るテーパ筒部１９ａに成るもので、
芯口２０の内方に続く摺動孔２１は僅かに大径と
成り、更に中腹部より後方に向つて大径と成る内
段部２２が形成される。

２３は上記摺動孔２１に対して摺動自在に内挿
すると共に、内径が上記芯口２０より僅かに小径
に成る芯筒であり、該芯筒２３には固型化粧料の
芯ａが成型後挿入するか又は溶解した化粧料を流
し込み後固化充填して収容せしめられ、その後端
に押棒２４の大径先端部２５を芯筒２３内面と好
ましい摺動抵抗を持つように内挿して成る。

また、上記押棒２４の尾端大径部２６と前記内
段部２２間には口先筒１８と芯筒２３の間に位置
してコイルスプリング２７が介装され、押棒２４
を常時後方に弾性付勢して成り、内段部２２後端
に嵌着した止め輪２８によつて突出を阻止するも
ので該止め輪２８に穿設した軸孔２９は、前記繰
出棒１１が貫挿可能に成る。

なお、上記固型化粧料の芯ａは芯筒２３の内壁
に対しガタ付くことなく内挿され、適当な摺動摩
擦抵抗をするものである。

上記構成に成るカートリツジ式固型化粧料容器
は繰出機構部１に対してカートリツジ１７を装着
して使用するもので、外筒２を持つてネジ筒６を
回すと、外筒２と一体的に成る隔壁３の軸孔１０
に回動を阻止された繰出棒１１と、該繰出棒１１
と一体的に成る摺動部材１２の螺溝１３と螺合し
て成るネジ筒６の螺条９との螺合作用により、繰
出棒１１がカートリツジ装着部１６内を進退して
なる。

従つて該繰出棒１１を一杯に後退せしめた状態
で、カートリツジ装着部１６にカートリツジ１７
の挿入筒部１９を挿入し、板バネ１５間に挾圧保
持すると、繰出棒１１の先端が止め輪２８の軸孔
２９から侵入し、押棒２４の尾端大径部２６と当
突した状態（第１図参照）でセツトされる。

この状態からネジ筒６を回動して繰出棒１１を
進出すると第２図に示すように、繰出棒１１に押
された押棒２４はコイルスプリング２７の弾性に
抗して芯筒２３内を口端方向に摺動し、固型化粧
料の芯ａの後端を押圧する。

然るに当該芯筒２３は先端を口先筒１８の芯口
２０内段部に当突係止して移動しないため、芯ａ
が筒端から突出し、芯口２０から繰り出されるか
ら使用者は適量丈繰り出して使用することができ
る。

次に使用後芯ａを口先筒１８内へ収容する場合
は、ネジ筒６を逆に回動して繰出棒１１を後退せ
しめることにより、第３図に示す如くコイルスプ
リング２７の弾性復帰により押棒２４が繰出棒１
１の後退に従つて移動すると共に、該押棒２４に
外挿した芯筒２３が芯ａと一体となつて摺動孔２
１内を滑つて後退する。このとき芯ａは芯筒２３
端部より適量突出したままの状態で芯口２０より
没入するものである。次に、再度使用するときは
突出した状態で第２図の様に繰出され、芯ａの先
端が消費減量したならば更に繰出操作することに
より芯筒２３内の芯ａを押出し適量を突出させ
る。

したがつて、固型化粧料の芯ａは使用時又は収
納時の何れの時も使用長さ丈芯筒２３端部から突
出するだけで、常時殆んどの部分を芯筒２３に収
容するようになり、外部からの衝撃に対して保護
されるものである。

また、カートリツジ１７の交換に際してカート
リツジ１７を繰出機構部１から外した状態では芯
ａはコイルスプリング２７の弾性によつて後退
し、口先筒１８内に完全に収容されている為、手
等を汚損することがなく極めて衛生的である。

次に、第４図は本考案の他の実施例を示すもの
であり、前述第１の実施例と同一の部分について
は同一符号を付して説明を省略し、異なる部分に
ついてのみ述べる。

２ａは後端ボス部３０にネジ筒６ａを回動自在
に連結した外筒であり、外筒６ａに対して有底の
尾筒３１が外挿嵌着せしめられる。

上部ボス部３０に一端を内挿固着すると共にネ
ジ筒６ａの尾端から他端を突出した溝筒３２は該
尾端をワツシヤ３３を介してネジ筒６ａの外周方
向にカシメ加工３４し、該ネジ筒６ａのボス部３
０からの抜落を阻止して成ると共に、一側に対し
軸方向にスリツト溝３５を形成する。

当該溝筒３２に対し摺動自在に内挿した繰出棒
１１ａは先端を前記外筒２ａの前部に形成したカ
ートリツジ装着部１６に侵入すると共に後端の一
側に突設した係合突起１３ａを上記スリツト溝３
５から外径方向に突出し、前記ネジ筒６ａの内周
に螺設した螺溝９ａに嵌入して成る。

また外筒２ａの先端内周には雌ネジ３６を螺設
すると共に、カートリツジ１７の挿入筒部１９内
段部外周に螺設した雄ネジ３７を着脱自在に螺合
し、繰出機構部１に対し、カートリツジ１７を着
脱するようになる。

上記構成になるカートリツジ式固型化粧料容器
も前述の実施例と同様に、カートリツジ１７を外
筒２ａのカートリツジ装着部１６に挿入螺着して
交換使用するもので、外筒２ａを持つて尾筒３１
を回動すると、溝筒３２によつて回動を阻止され
た繰出棒１１ａが係合突起１３ａとネジ筒６ａの
螺合作用により進退し、カートリツジ１７内の固
型化粧料の芯ａを芯口２０より出没せしめるもの
である。

なお、第５図はカートリツジ１７の拡大した横
断面を示し、口先筒１８の摺動孔２１に対し軸方
向に一本又は数本の条溝３８を形成すると共に芯
筒２３の外周に該条溝３８に対応する突条３９を
形成し、摺動自在に内挿するもので、芯筒２３の
回動を阻止することができるため使用中に化粧料
の芯ａが回動することがなく、より使い易くする
ことができる。

以上説明したように、本考案のカートリツジ式
固型化粧料容器は固型化粧料の芯を芯筒に内挿し
た状態で口先筒に対し繰出又は収容のための摺動
を行ない、芯は芯筒から使用量丈突出するもので
あるから常時保護筒としての芯筒内に保護収容さ
れ、外部からの衝撃によつて折損することがな
い。また、カートリツジをワンタツチで簡単に繰
出機構部を有する本体に着脱でき、芯に直接手を
触れることがない為、衛生的であると共に、カー
トリツジ取外し時にはコイルスプリングの弾性に
よつて芯が口先筒内に収容されるようになる為、
化粧料によつて衣服等を汚損することがない等の
特徴を有し、本考案実施後の実用的効果は極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案カートリツジ式固型化粧料容器の
実施例であり、第１図は第１の実施例を示す使用
開始時状態の一部切欠した正断面図、第２図及び
第３図はそれぞれ繰出時及び収納時の状態を示す
同要部正断面図、第４図は第２の実施例を示す正
断面図、第５図はカートリツジの拡大横断面であ
る。 １……繰出機構部、２，２ａ……外筒、６，６
ａ……ネジ筒、９……螺条、１０……軸孔、１
１，１１ａ……繰出棒、１２……摺動端部材、１
３，９ａ……螺溝、１３ａ……係合突起、１４…
…板バネ部材、１６……カートリツジ装着部、１
７……カートリツジ、１８……口先筒、２０……
芯口、２３……芯筒、２４……押棒、２７……コ
イルスプリング、２８……止め輪、３１……尾
筒、３２……溝筒、３３……ワツシヤ、３６……
雌ネジ、３７……雄ネジ、３８……条溝、３９…
…突条、ａ……固型化粧料の芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 繰出機構部の先端に形成した嵌合凹部に、該機
   構部の繰出作用により繰出棒が進退するように成
   るカートリツジ装着部に対し、カートリツジ後部
   を挿入挾着又は螺合して装着するカートリツジの
   口先筒内に前半部には芯口より僅かに大径に成る
   と共に軸方向の条溝を有する摺動孔と中腹部より
   後方に向つては大径と成る内段部を形成し、前記
   摺動孔には、前記条溝に対応する突条を形成する
   と共に固型化粧料の芯を充填収容した芯筒を摺動
   自在に内挿し、該芯筒に対し上記芯の後端に当接
   し、且つ芯筒の内周と適宜摺動抵抗を有する押し
   棒を延設し、更に前記内段部には押棒後端に設け
   た尾端大径部に後端を係止されたコイルスプリン
   グを弾装し、且つ内段部後端には繰出棒が貫挿す
   る軸孔を穿設した止め輪を形成して構成し、前記
   繰出機構部に対しカートリツジを装着したとき、
   該繰出機構の繰出棒が止め輪を貫挿し上記押棒の
   尾端大径部に当接するように成ることを特徴とす
   るカートリツジ式固型化粧料容器。