JPS6137664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅容器等に採用して好適なカート
リツジ式容器に関する。

従来から口紅容器としては数多くのものが提案
されてきたが、これまでのものは化粧料と、この
化粧料を繰出す機構および容器本体とが一体化し
た構造となつており、したがつて化粧料を使い終
わると容器外体も使い捨てにしており、非常に不
経済であつた。

本考案の目的は、上述した不都合に鑑みなされ
たもので、化粧料を収納したカートリツジ体を容
器外体に対して着脱可能な構成としたことから、
化粧料終了時カートリツジ体を交換するだけで良
く、容器外体はそのまま残して使用することがで
き、経済的に有利なカートリツジ式容器を提供す
るものである。以下、図に示す実施例を用いて本
考案の詳細を説明する。

図は本考案に係るカートリツジ式容器の一実施
例を示す断面図で、同図において、符号１で示す
ものは筒状の容器外体つまり袴筒で、この袴筒１
の後端内周面には合成樹脂材から成る尾栓２のフ
ランジ部２ａが圧入固着されており、また、この
尾栓２の小径部２ｂには、その先端外周面にロー
レツト２ｃが刻設されていると共に、このローレ
ツト２ｃと前記フランジ部２ａとの間には突条２
ｄ（又は小突起）が周設されている。なお、前記
袴筒１の先端内周面には、リング体３が固着され
ている。このリング体３は弾性を有し、その先端
は前記袴筒１の先端より前方へ突出するごとく形
成され、また、この突出端３ａにはキヤツプ４が
被着されるごとく構成されている。

一方、５はカートリツジ体で、このカートリツ
ジ体５は、中筒６，ブツシユ７，ねじ筒８，回止
筒９，芯チヤツク１０および化粧料１１とから構
成される。これをさらに詳述するに、ブツシユ７
は、前記中筒６の後端内周面に固着され、その内
周面には前記尾栓２の突条２ｄに対応してこの突
条２ｄが回転可能に嵌入する嵌入溝７ａが設けら
れており、この突条２ｄと嵌入溝７ａとの係合に
よつて前記カートリツジ体５の袴筒１からの抜け
を防止している。また、ねじ筒８は中筒６の内側
に固着されており、その内周面にはねじ溝８ａが
螺設されている。さらに、回止筒９は、ねじ筒８
の内側に配置されると共に、その後端内周面には
前記尾栓２のローレツト２ｃに噛み合う溝９ａが
周設されており、このローレツト２ｃと溝９ａと
の噛合により、前記カートリツジ体５の袴筒１に
対する回転を阻止している。また、回止筒９には
前記ねじ筒８の後端に対応する位置から略先端近
傍にかけて形成された摺動溝９ｂが円周方向の互
いに相対する位置に一対設けられており、さらに
回止筒９の先端部には抜け防止用のストツパ９ｃ
が突設されている。また、この回止筒９内には合
成樹脂製の芯チヤツク１０が摺動自在に収納され
ている。この芯チヤツク１０の外周面の適宜位置
には、前記回止筒９の摺動溝９ｂ内に摺動可能に
嵌入すると共にその先端が前記ねじ筒８のねじ溝
８ａ内に螺入し、袴筒１の回動操作に伴なつて前
記ねじ溝８ａ内を螺進する突起１０ａが突設され
ており、またこの芯チヤツク１０の先端環状部１
０ｂ内には化粧料１１の後端が嵌着保持されてい
る。

なお、１２は芯チヤツク１０に着脱自在に装着
されてなる型キヤツプで、この型キヤツプ１２
は、芯チヤツク１０の後方端穴より化粧料中味を
溶融充填するときの受型と成り、繰出して先端迄
出すと自動的に芯チヤツク１０から外れるように
構成されている。

以上のように構成された容器を使用するにあた
つては、まずキヤツプ４を袴筒１から取外した
後、例えば、中筒６を一方の手で押えた状態で他
方の手で袴筒１を時計方向へ回動する。すると、
この袴筒１に固着されている尾栓２が回転すると
同時に、この尾栓２とローレツト２ｃを介して噛
合関係にある回止筒９を回転し始める。この回止
筒９が回転すると芯チヤツク１０がその突起１０
ａとねじ筒８のねじ溝８ａとの螺合作用により前
方へ螺進し、中筒６から化粧料１１を突出させ
る。なお、化粧料１１の突出量が多いときは袴筒
１を先程とは逆に反時計方向へ回動すればよく、
また使用途中で化粧料１１を突出したままの状態
で袴筒１からカートリツジ体５を抜いた場合、化
粧料１１は突出したままの状態になつてしまう
が、そのまま再び袴筒１に差込めば元に戻るの
で、何ら不都合はない。また、カートリツジ体５
は、ブツシユ７の嵌入溝７ａと尾栓２の突条２ａ
との係合関係により、袴筒１に対してその抜けが
防止された状態となつているが、前記カートリツ
ジ体５を幾分強い力をもつて袴筒１から引つ張る
ことにより、袴筒１から容易に取外すことが可能
である。したがつて、化粧料１１を使い終わつた
場合は、カートリツジ体５のみを袴筒１から取外
して新しいものと交換すればよく、袴筒１はその
まま残して使用できる。

以上説明したように本考案に係るカートリツジ
式容器によれば、化粧料を収納したカートリツジ
体を容器外体に対して着脱可能な構成としたこと
から、化粧料終了時において容器外体より安価に
製造できるカートリツジ体のみを交換し、高価な
容器外体はそのまま残して使用できるので、経済
的に非常に有利であるし、しかも好みに応じた
種々の色を揃える場合にあつても、容器外体は１
つだけ用意すれば、後は色違いの化粧料を有する
カートリツジ体のみを所望に応じて揃えるだけで
良いので、使用者に対してそれ程経済的な負担を
かけない。また、カートリツジ式であるから、化
粧料の交換も容易で、さらに交換時化粧料に手を
触れることなくできるので、手とか服等が汚損さ
れる心配はない。またさらに、容器の部品点数も
従来とあまり変らず、また大きさも変らないの
で、容器自体のコストもそれ程高価とはならず、
また容器の大きさもコンパクトにできるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るカートリツジ式容器の一実施
例を示す断面図である。 １……袴筒、２……尾栓、２ｂ……小径部、２
ｄ……突条、５……カートリツジ体、６……中
筒、７……ブツシユ、７ａ……嵌入溝、８……ね
じ筒、８ａ……ねじ溝、９……回止筒、９ｂ……
摺動溝、１０……芯チヤツク、１０ａ……突起、
１１……化粧料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (イ) 化粧料を保持した芯チヤツク１０と、 (ロ) 前記芯チヤツク１０を摺動自在に内挿する
   と共に軸方向の摺動溝９ｂを設け回止筒９
   と、 (ハ) 前記回止筒９を回転自在に内挿すると共に
   前記芯チヤツク１０に突設した突起１０ａが
   前記摺動溝９ｂを通つて螺入するねじ溝８ａ
   を設けたねじ筒８と、 (ニ) 前記ねじ筒８を内挿固着すると共に後端に
   ブツシユ７を固着した中筒６と、 (ホ) 前記中筒６の一部を露出して内挿する袴筒
   １と、 (ヘ) 前記袴筒１の後端に固着した尾栓２と、 (ト) 前記尾栓２の先端に設けられると共に前記
   ブツシユ７を貫挿して前記回止筒の後端が着
   脱自在且つ回転不能に取付けられた小径部２
   ｂとから成ることを特徴とするカートリツジ
   式化粧料容器。 (2) 小径部２ｂとブツシユ７とに互いに着脱自在
   且つ回転自在に係合する周方向の突条２ｄと嵌
   入溝７ａを設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のカートリツジ式化粧
   料容器。