JPH064837Y2 - カートリッジ式液状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、カートリッジ式化粧料容器の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来、液状化粧料容器において、液状化粧料をカートリ
ッジ筒に収容し、このカートリッジ筒を交換することに
より長期間化粧料容器を使用できるようにしたものがあ
り、また、カートリッジ筒を軸後端部を外して軸内に収
容した後、カートリッジ筒の先端の密封部分を適宜開口
して化粧液を塗布部分まで導出して化粧するものが提案
されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のものにおいてカートリッジ筒
を容器後端より挿入するものは、一旦挿入後、化粧料が
なくなっても取替えることができず、このカートリッジ
筒を適宜取替えるためには、カートリッジ筒収納部分を
手指により把握できる程の長軸として、この長軸部分を
外しカートリッジ筒を取換えなければならず、外観上嵌
合部分が軸に現われて体裁が悪くその取換操作も軸部分
を外した上交換するという煩しさがある。

この考案は、上記従来のものを改良するものであって、
カートリッジ筒の交換を容易にし、しかも軸表面に不必
要な線を生じないようにするものである。

（課題を解決するための手段） そのために、カートリッジ式化粧料容器において、カー
トリッジ筒後端に摺動自在に係止する尾栓筒を、本体後
端開口部より後方に十分引出し、その後これとともにカ
ートリッジ筒を首軸より容易に取外して交換するもので
ある。

（作用） 上記の構成を具えるので、まずカートリッジ筒を本体内
に挿入するには、尾栓筒をカートリッジ筒後端より嵌合
し、カートリッジ筒外周に設ける係止部を尾栓筒の内方
突起が越える位置まで押入し、この尾栓筒とカートリッ
ジ筒が摺動自在に結合した状態で、本体の後端開口部よ
り本体内に挿入の上、更に尾栓筒後部を押圧すると、カ
ートリッジ筒先端は本体の導出筒に嵌着固定され、同時
に閉塞部が開口されるものであり、尾栓筒を適宜本体後
端に脱着自在とすることによりカートリッジ筒の本体後
端よりの脱出を防止し固定を確実にする。

なお、尾栓筒はカートリッジ筒と結合したまま交換して
もよく、また、カートリッジ筒の交換に当り取出したカ
ートリッジ筒より上記尾栓筒を外せるようにすることも
できる。

次に、カートリッジ筒の交換に当っては、本体後端に嵌
着する尾栓筒を引出すと、尾栓筒のみが尾栓筒の内方突
起とカートリッジ筒の係止部を係合するまで引出され、
その後は両者係合した状態で共に後退し、カートリッジ
筒先端が本体の導出筒より引抜かれ、充分に後方に摺動
して延長する尾栓筒を把握して容易にカートリッジ筒を
引出し、これを交換することができるのである。

（実施例） この考案を図に示す実施例により更に説明する。第１図
より第３図までは第１実施例を示し、図において同一部
品符号は同一部品を示すものである。

(1)は、キャップであり、キャップ(1)内には中筒(2)が
収容され、中筒(2)の開放端には内周リブ(2a)が設けら
れ、このリブ(2a)は、中栓(4)外周に設ける段径部(4a)
とその先端部により形成される凹溝(4b)内に摺動できる
ように嵌合係止して中栓(4)をキャップ(1)内に収容す
る。

中栓(4)はスプリング(3)を介して中筒(2)内に収容さ
れ、スプリング(3)に抗してキャップ(1)内に挿入される
開口周縁は、キャップ(1)を被嵌する首軸(7)の先端周縁
に当接し、首軸(7)内に収容する塗布部分よりの化粧料
の蒸散を防止する。首軸(7)には前記のとおり先端より
適宜スポンジ状、筆穂状よりなる塗布体(5)を突出し、
塗布体(5)を保持するホルダー(6)を介して、液状化粧料
の導出を調整する周囲に環状溝を有するアジャスター
(8)に連結される。なお、アジャスター(8)の先端部には
首軸(7)内壁との間に空気孔(16)が設けられ、後端には
一体に導出筒(8a)が形成されて、この導出筒(8a)にカー
トリッジ筒(13)が嵌合できるようになっている。

上記カートリッジ筒(13)は、内部に液状化粧料を収容
し、開口端(13b)には止栓(12)を嵌着し、これにボール
(14)を密嵌して開口端(13b)を閉鎖している。カートリ
ッジ筒(13)の後端は小径部(13c)を構成し、その外周に
環状リブ(13a)を突設する。

上記カートリッジ筒(13)の小径部(13c)に摺動自在に嵌
着する尾栓筒(15)は、（第３図）先端開口部内方に内方
突起(15c)を突出させ、側面には軸方向に複数のスリッ
ト(15b)を形成する。このスリット(15b)はカートリッジ
筒(13)のみを交換するに当りカートリッジ筒(13)の外周
に接して摺動する尾栓筒(15)の内方突起(15c)がカート
リッジ筒(13)の環状リブ(13a)をのり越えることができ
るように弾性を与えるためである。首軸(8)内を摺動す
る尾栓筒(15)は、開口部外周に突出部(15d)を設け、突
出部(15d)が首軸(8)の内壁面に当接して尾栓筒(15)先端
の必要以上の拡開を防止し、尾栓筒(15)の内方突起(15
c)とカートリッジ筒(13)の環状リブ(13a)の係合を確保
する。

尾栓筒(15)は、首軸(8)後端開口部を閉鎖する後端部と
ほぼ同径の把握部(15e)を具え、その前方外周には首軸
(7)内壁に形成する雌ネジ(11c)に螺合する雄ネジ(15a)
を構成する。(11)は首軸(7)と一体の本体であり、(10)
は本体(11)内にアジャスター(8)を嵌挿固定する気密パ
ッキンである。パッキン(10)の後端縁は、本体(11)内壁
より突出する係止リブ(11a)により固定され、キャップ
(1)はその開口端内周に設ける突起(1a)と首軸(7)外周の
環状リブ(11b)が係止してキャップ(1)の脱落を防止す
る。

この考案の第１実施例は、上記のように構成されるか
ら、本体(11)内にパッキン(10)により緊密に保持される
アジャスター(8)の後端の導入出筒(8a)に、あらかじめ
尾栓筒(15)の先端を嵌挿してなるカートリッジ筒(13)収
容の上、尾栓(15e)を挿入すると、導出筒(8a)の後端が
カートリッジ筒(13)の開口部より内方に挿入され、止栓
(12)に密嵌するボール(14)をカートリッジ筒(13)内に落
下させて開口部を開放させる。この開放によりカートリ
ッジ筒(13)内の液状化粧料を中継芯(9)を通り塗布体(5)
までに導入せるものである。落下するボール(14)は、カ
ートリッジ筒(13)内を転動して液状化粧料の固化、沈澱
と凝固を阻止する。そして、カートリッジ筒(13)を交換
するため尾栓(15e)を把持して筒外に引出すと、比較的
弱い力でまず尾栓筒(15)のみが引出され、カートリッジ
筒(13)の環状リブ(13a)に尾栓筒(15)の内方突起(15c)が
係止し、更に、尾栓筒(15)の露出側面を把持して尾栓筒
(15)とともにカートリッジ筒(13)を引出すと、導出筒
(8)にカートリッジ筒(13)の開口部が密嵌されていて
も、手指の把持部分が尾栓筒(15)の側面全体にわたるの
で充分容易にこの導出筒(8)との嵌合から脱出すること
ができ、尾栓筒(15)とカートリッジ筒(13)が係止したま
まのものと交換することができ、また、カートリッジ筒
(13)のみを交換するには、スリット(15b)により尾栓筒
(15)の先端を拡開することができるので、それらの分離
を図ることができ、この尾栓筒(15)を新しいカートリッ
ジ筒(13)の後端より挿入すれば、カートリッジ筒(13)の
環状リブ(13a)を尾栓筒(15)の内方突起(15c)がのり越え
て、両者連結することができるものである。

第４図に示すものは、この考案の第２実施例であり、第
１実施例がキャップ(1)を本体(11)に係止リブ(11a)によ
り係止し、首軸(7)が本体(11)と同一材であり、カート
リッジ筒(13)がボールシールであって、尾栓筒(15)の外
周には突出部(15d)を具え、カートリッジ筒(13)を尾栓
筒(15)の摺動する部分を小径としたものであるに対し
て、第２実施例は、キャップ(1)は内部に板バネ(17)を
収容し、これにより首軸(7)と嵌着させるとともに、本
体(11)を金属により構成し、これに樹脂製の首軸(7)を
嵌着し、カートリッジ筒(13)を同径の円筒体により形成
し、開口部を同時成形により薄膜(13d)により閉鎖する
ものとした上、後端には栓(13e)を嵌着して止栓(12)の
嵌合なく液状化粧料の充填を容易とし、更には尾栓筒(1
5)の突出部(15d)を具えないものであり、こうすること
により第１実施例の効果に加え、全体の組立を簡単と
し、コストの減少を図ることができるものである。

第２実施例は上記構成をもつので、第１実施例同様にカ
ートリッジ筒(13)と尾栓筒(13)を嵌着連結した上、主体
(1)後端より挿入すると、導出筒(8a)の後端が斜断され
ているため、カートリッジ筒(13)の先端に形成の薄膜(1
3d)が導出筒(8a)の開口により破られ、導出筒(8a)とカ
ートリッジ筒(13)内部が連通し、化粧料が塗布体(5)に
導出されるものであり、この時のボール(14)は、転動し
て液状化粧用料の沈澱、凝固と固化を防止するためにの
み封入される。

その上、第１実施例と第２実施例はともにキャップ(1)
内の中筒(2)とスプリング(3)を介して中栓(4)を収容し
てあるため、キャップ(1)を首軸(7)に被蓋する場合、首
軸(7)先端周縁に中栓(4)開口端縁が弾性により当接し、
塗布部(5)の密封を確保でき、中栓(4)の可動範囲が中筒
(2)で規制されているためキャップ(1)と首部(7)の係合
が外れた時に、スプリング(3)の弾発力で、飛び外れる
ことがなく、また、中栓(4)、スプリング(3)と中栓(2)
を先に組付けして、中栓の動きを確認した後、キャップ
(1)に中栓(2)を固着することにより確実に組付けするこ
とができる。

（考案の効果） 以上のとおり、この考案は尾栓筒を十分に引出した後、
カートリッジ筒の交換を行うものであるから、本体後端
の僅かな範囲に尾栓部分が露出するだけで本体の体裁を
良好なものとし、しかも、カートリッジ筒の交換を容易
にできるという優れた効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例の縦断面図、第２図は第
１実施例の要部拡大断面図、第３図は尾栓筒の斜視図を
示し、第４図は第２実施例の縦断面図である。 ８……アジャスター ８ａ……導出筒、１１……本体 １１ｃ……雌ネジ １３……カートリッジ筒 １３ａ……環状リブ、１４……ボール １５……尾栓筒、１５ａ……雄ネジ １５ｂ……スリット、１５ｃ……内方突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カートリッジ筒後端外周に係止部を突設
   し、この係止部に係止する内方突起を有する尾栓筒を、
   上記カートリッジ筒に摺動自在に嵌着するとともに、尾
   栓筒後端の尾栓を本体後端開口部に脱着自在に嵌合して
   なるカートリッジ式液状化粧料容器。