JPH0246813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は口紅、リツプクリーム、スチツクアイ
シヤドウ、スチツクフアンデーシヨン等の棒状製
品を収納する口紅等の収納容器に関する。

「従来の技術」 従来の口紅収納容器は、先端外周部にキヤツプ
嵌合部が形成されたハカマ部材と、このハカマ部
材内に下端部が挿入固定された軸心方向の切欠部
が形成された内筒部材と、この内筒部材の外周部
を覆うように取付けられた、螺旋溝が形成された
螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒部
材と、前記内筒部材内に上・下移動可能に備えら
れた口紅を支持する皿部材と、この皿部材の外周
部に形成された前記内筒部材の切欠部および螺旋
部材の螺旋溝と係合する係合ピンとから構成され
ていた。

このため、口紅が十分にある場合は、一方の手
の指でハカマ部材を持ち、他方の手の指で外筒部
材を持つて回動させることにより、皿部材を上・
下移動させて口紅を外筒部材の上部より出没させ
ることができるが、皿部材に支持された口紅が少
なくなつた場合には、口紅の先端部が外筒部材の
上部より十分に突出しなくなるので使用できず、
口紅が約三分の一くらい残つた状態でも捨てて、
新しいものに買い代えなければならないという欠
点があつた。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、皿部
材に支持された口紅等が少なくなつた場合に、口
紅等を皿部材の底部より上方へ押し上げて使用で
きるようにした、操作がきわめて容易で、かつ不
用意に口紅等が皿部材の底部より押し上げられる
ことのない口紅等の収納容器を得るにある。ま
た、本考案は従来と同様にハカマ部材と外筒部材
とを持つて回動させることにより、口紅等の出没
操作をできるとともに、口紅等が少なくなつた場
合に特別な治具を用いることなく、口紅等を突出
させることができ、かつ美観が損われるのを防止
できる口紅等の収納容器を得るにある。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は上部外周部にキヤツプ嵌合部が形成さ
れた底部が閉塞あるいは開口するハカマ部材と、
このハカマ部材内に下端部が回動不能に挿入され
た内筒部材と、この内筒部材内に上・下移動可能
に備えられた底面に貫通孔あるいは移動可能な底
板を有する口紅等を支持する皿部材と、前記内筒
部材の外周部を覆う外筒部材と、この外筒部材と
前記ハカマ部材とを持つて回動させることにより
前記皿部材を上・下移動させる上・下移動機構
と、前記ハカマ部材の底部に外方へ突出しないよ
うに回動可能に取付けられた外側面に挿入溝を有
する操作板と、前記皿部材を最下部に位置させ前
記操作板を回動させることにより前記皿部材に支
持された口紅等を上方へ押し上げることのできる
前記ハカマ部材内に備えられた押し上げ機構と、
前記外筒部材の外周部を覆い前記ハカマ部材のキ
ヤツプ嵌合部と嵌合するとともに、該ハカマ部材
の底部が挿入されるように嵌合するかあるいはハ
カマ部材内に反開口部側が挿入されるキヤツプ
と、このキヤツプの内底部および上面に形成され
た前記操作板の挿入溝と係合する操作片とからな
ることを特徴としている。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細
に説明する。

第１図ないし第３図の実施例において、１はハ
カマ部材で、このハカマ部材１は円筒状のハカマ
部材本体２と、このハカマ部材本体２の底部より
挿入固定された、略中央部に貫通孔３が形成され
た底部材４と、前記ハカマ部材本体２の上部より
挿入固定された、上部外周部にキヤツプ嵌合部５
が形成されたキヤツプ嵌合部材６とから構成され
ている。

７は前記ハカマ部材１の底部材４とキヤツプ嵌
合部６との間に挿入される挿入片８が形成され
た、外部より器具を用いて回転させることのでき
る挿入溝９を有する操作板である。

１０は前記ハカマ部材１内に下端部が挿入固定
された内筒部材である。１１は前記内筒部材１０
の外周部を覆う外筒部材で、この外筒部材１１は
螺旋部材１２と、この螺旋部材１２の外周部を覆
う外筒部材本体１３とから構成されている。１４
は前記内筒部材１０内に上・下移動可能に備えら
れた底部に貫通孔１５が形成された口紅１６を支
持する皿部材である。

１７は前記皿部材１４を上・下移動させる上・
下移動機構で、この上・下移動機構１７は、前記
内筒部材１０に軸心方向に形成した切欠部１８
と、前記外筒部材１１の螺旋部材１２に形成した
螺旋溝１９と、前記皿部材１４の外周部に形成し
た前記切欠部１８および螺旋溝１９と係合する係
合ピン２０とから構成されている。

２１は前記皿部材１４の収納時に前記操作板７
の回動によつて、前記皿部材１４に支持された口
紅１６を上方へ押し上げることのできる押し上げ
機構で、この押し上げ機構２１は前記操作板７と
一体成形されたねじ棒２２と、このねじ棒２２と
螺合し、前記内筒部材１０等に回動不能で、かつ
軸心方向に上・下移動可能で前記皿部材１４の貫
通孔１５を貫通する押し上げ杆２３とから構成さ
れている。

２４は前記ハカマ部材１のキヤツプ嵌合部５と
嵌合し、前記外筒部材１１の外周部を覆うととも
に、使用時にハカマ部材１を挿入させることので
きるキヤツプで、このキヤツプ２４の内部上壁面
には前記操作板７の螺旋溝９と係合するドライバ
ー状の操作片２５が固定されている。

上記構成の口紅収納容器にあつては、通常の使
用状態は従来と同様にキヤツプ２４を外した後、
一方の手の指でハカマ部材１を持ち、他方の手の
指で外筒部材１１を持つて回動させることによ
り、皿部材１４が螺旋溝１９に沿つて上・下移動
し、皿部材１４に支持された口紅１６が外筒部材
１１の上部より出没する。また、外したキヤツプ
２４を第２図に示すように、ハカマ部材１に嵌合
させて同様に使用することもできる。

次に使用により、口紅１６が外筒部材１１の上
部より十分に突出しない状態まで使用した場合に
は、第３図に示すようなに皿部材１４を最下端部
まで収納した状態で、キヤツプ２４とハカマ部材
１とを持つてそれらを押付けるようにして回動さ
せることにより、操作板７の螺旋溝９と操作片２
５とが係合して、操作板７が回転する。操作板７
の回転により、押し上げ機構２１の押し上げ杆２
３が上昇し、皿部材１４に支持された口紅１６が
上方へ押し上げられる。この口紅１６の押し上げ
操作後に従来と同様に操作することにより、口紅
１６を外筒部材１１の上端部より突出させること
ができ、皿部材１４にたくさんの口紅１６を残す
ことなく、使用することができる。

「本考案の異なる実施例」 次に第４図ないし第１１図に示す本考案の異な
る実施例につき説明する。なお、これらの実施例
の説明に当つて、前記本考案の実施例と同一構成
部分には同一符号を付して重複する説明を省略す
る。

第４図および第５図の実施例において、前記本
考案の実施例と主に異なる点は、内壁面に螺旋溝
１９を形成した外筒部材１１Ａにした点で、この
ように構成することにより、螺旋部材が不用とな
り、部品点数の削減によるコストの低減を図るこ
とができる。

第６図の実施例において、前記第１図ないし第
３図に示す本考案の実施例と主に異なる点は、押
し上げ機構２１Ａで、この押し上げ機構２１Ａは
操作板７と一体成形された円柱以外の形状に形成
された軸２６と、この軸２６と一体的に回動しか
つ軸心方向に摺動可能な皿部材４に支持された口
紅１６を押し上げることのできる押し上げ部材２
７と、この押し上げ部材２７の外周部に形成した
係合片２８と係合するねじ部２９が内壁面に形成
されたハカマ部材１あるいは内筒部材１０に固定
されたねじ筒３０とから構成されている。このよ
うに構成しても前記本考案の実施例と同様な作用
効果が得られる。

第７図の実施例において、前記第６図に示す本
考案の実施例と主に異なる点は、内壁面に螺旋溝
１９を形成した外筒部材１１Ａにした点で、この
ように構成することにより、螺旋部材が不用とな
り、部品点数の削減によるコストの低減を図るこ
とができる。

第８図の実施例において、前記第６図に示す本
考案の実施例と主に異なる点は、皿部材１４に摺
動可能な底板３１を備えさせた点で、この底板３
１の外周部には下方へ突出する戻り防止片３２が
形成されている。このように構成しても前記実施
例と同様な作用効果が得られる。

第９図の実施例において、前記第８図に示す本
考案の実施例と主に異なる点は、内壁面に螺旋溝
１９を形成した外筒部材１１Ａにした点で、この
ように構成することにより、螺旋部材が不用とな
り、部品点数の削減によるコストの低減を図るこ
とができる。

第１０図および第１１図の実施例において、前
記本考案の実施例と主に異なる点は、ハカマ部材
に対し、内筒部材１０を軸心方向にのみ摺動もで
きるようにするとともに、該内筒部材１０をキヤ
ツプ２４Ａをハカマ部材１内へ挿入することによ
り、上方へ摺動するように構成した点で、このよ
うに構成することにより、全体の高さを不使用時
には低くでき、使用時には高くすることができ
る。この実施例では、キヤツプ２４Ａの上壁外壁
面に操作片２５を形成する。

なお、前記実施例では口紅を収納する口紅収納
容器について説明したが、本考案はこれに限ら
ず、リツプクリーム、スチツクアイシヤドウ、ス
チツクフアンデーシヨン等の棒状製品を収納する
ものに使用することができる。

また、前記実施例では上・下移動機構１７とし
て内筒部材１０に切欠部１８と、外筒部材１１に
螺旋溝１９とを形成したものについて説明した
が、本考案はこれに限らず、内筒部材１０に螺旋
状の切欠部を形成し、外筒部材１１の内壁面に垂
直方向の垂直溝を形成した上・下移動機構を用い
ても良い。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあつ
ては次に列挙する効果がある。

(1) 皿部材に収納された口紅等が使用により減少
した場合に、口紅等を押し上げられるようにし
たので、容器に収納された口紅等を有効に使用
することができる。したがつて、経済的であ
る。

(2) 口紅等の押し上げは皿部材を収納状態にした
後、ハカマ部材の底部に備えられた操作板をキ
ヤツプの操作片によつて回転させることにより
行なうので、不必要に口紅等が押し上げられて
しまい、口紅等が皿部材より外れてしまうなど
の不具合を防止できる。

(3) 皿部材からの口紅等の押し上げ操作と、通常
の口紅の突出操作とが異なるので、間違つて操
作することなく、使用し初めの口紅を誤操作に
よつて突出させてしまうなどの不具合を確実に
防止することができる。

(4) 操作板が底面に位置しているので、通常の口
紅収納容器と同様な形状に見せることができる
デザイン上の不具合がない。

(5) キヤツプに操作片を備えているので、操作板
を回動させる場合に、回動させる操作片をさが
さなくても良く、いつでもどこでも使用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図および第３図は動作状態を示す断面図、第４図
および第５図、第６図、第７図、第８図、第９
図、第１０図および第１１図はそれぞれ本考案の
異なる実施例を示す説明図である。 １：ハカマ部材、２：ハカマ部材本体、３：貫
通孔、４：底部材、５：キヤツプ嵌合部、６：キ
ヤツプ嵌合部材、７：操作板、８：挿入片、９：
挿入片、１０：内筒部材、１１：外筒部材、１
２：螺旋部材、１３：外筒部材本体、１４：皿部
材、１５：貫通孔、１６：口紅、１７：上・下移
動機構、１８：切欠部、１９：螺旋溝、２０：係
合ピン、２１：押し上げ機構、２２：ねじ棒、２
３：押し上げ杆、２４，２４Ａ：キヤツプ、２
５：操作片、２６：軸、２７：押し上げ部材、２
８：係合片、２９：ねじ部、３０：ねじ筒、３
１：底板、３２：戻り防止片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部外周部にキヤツプ嵌合部が形成された底
   部が閉塞あるいは開口するハカマ部材と、この
   ハカマ部材内に下端部が回動不能に挿入された
   内筒部材と、この内筒部材内に上・下移動可能
   に備えられた底面に貫通孔あるいは移動可能な
   底板を有する口紅等を支持する皿部材と、前記
   内筒部材の外周部を覆う外筒部材と、この外筒
   部材と前記ハカマ部材とを持つて回動させるこ
   とにより前記皿部材を上・下移動させる上・下
   移動機構と、前記ハカマ部材の底部に外方へ突
   出しないように回動可能に取付けられた外側面
   に挿入溝を有する操作板と、前記皿部材を最下
   部に位置させ前記操作板を回動させることによ
   り前記皿部材に支持された口紅等を上方へ押し
   上げることのできる前記ハカマ部材内に備えら
   れた押し上げ機構と、前記外筒部材の外周部を
   覆い前記ハカマ部材のキヤツプ嵌合部と嵌合す
   るとともに、該ハカマ部材の底部が挿入される
   ように嵌合するかあるいはハカマ部材内に反開
   口部側が挿入されるキヤツプと、このキヤツプ
   の内底部および上面に形成された前記操作板の
   挿入溝と係合する操作片とからなることを特徴
   とする口紅等の収納容器。 ２ 皿部材の底板の外周部には下方へ突出した戻
   り防止片が形成されていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の口紅等の収
   納容器。 ３ 上・下移動機構は内筒部材に形成した軸心方
   向の切欠部と、外筒部材に形成した螺旋溝と、
   皿部材の外周部に形成された前記切欠部および
   螺旋溝と係合する係合ピンとで構成されている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項記載の口紅等の収納容器。 ４ 上・下移動機構は内筒部材に形成した螺旋状
   の切欠部と、外筒部材に形成した軸心方向の垂
   直溝と、皿部材の外周部に形成された前記切欠
   部および垂直溝と係合する係合ピンとで構成さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項または第２項記載の口紅等の収納容
   器。 ５ 内筒部材は軸心方向に摺動可能に備えられて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項ないし第４項いずれかに記載の口紅等の
   収納容器。 ６ 押し上げ機構は操作板と一体成形されたねじ
   棒と、このねじ棒と螺合し、内筒部材内に回動
   不能でかつ軸心方向に上・下移動可能な押し上
   げ杆とからなることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項ないし第５項いずれかに記載
   の口紅等の収納容器。 ７ 押し上げ機構は操作板と一体成形された円柱
   以外の形状の軸と、この軸と一体的に回動しか
   つ軸心方向に摺動可能な皿部材に支持された口
   紅等を押し上げることのできる押し上げ部材
   と、この押し上げ部材の外周部に形成したねじ
   部あるいは係合片と係合するねじ部が内壁面に
   形成されたハカマ部材あるいは内筒部材に固定
   されたねじ筒とからなることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項ないし第６項いずれ
   かに記載の口紅等の収納容器。