JPH038194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棒状化粧料を収嵌保持した中皿の容
器からの突出量を可変できる棒状化粧料繰り出し
容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、実公昭37−27619号公報、実開昭59
−174110号公報により、棒状化粧料を収嵌保持し
た中皿の容器よりの突出量を変化させ、棒状化粧
料を抜き取り易くした構成が提案されている。ま
た、本出願人も実開昭60−173223号公報により、
中皿の突出量を可変できる棒状化粧料容器を提案
している。この種の構成は、通常の使用状態時に
は中皿の突出量を少なくしてデザイン上まとまり
のある形状とし、棒状化粧料の装着、抜脱時には
中皿が更に繰り上り、棒状化粧料を装着、抜脱し
易くし、更に中皿に付着した汚れを払拭し易くす
るものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、実公昭37−27619号公報及び実開昭59
−174110号公報に於ける構成では、繰り出し機構
のうち、中皿のピンが係合する縦溝の上方に、中
皿のピンが通常使用状態の上死点位置で係止する
突部を設け、更に中皿を繰り出すと、中皿のピン
がこの突部を乗り越え、更に中皿が突出する様に
なつていた。従つて、中皿を強く繰り出してしま
うと、通常上死点位置で係止せずに棒状化粧料装
着位置まで繰り出されてしまうものであつた。

また、実開昭60−173223号公報に於ける構成で
は、通常使用状態で中皿のピンが突入する事がな
い位置に中皿が更に繰り上がるストレート溝を設
けている為、不用意に中皿が棒状化粧料装着位置
まで繰り上がらないものとなつている。しかし、
その操作として、通常上死点位置で中皿をわずか
にひねりながら繰り出し操作を行わなければなら
ず、その操作に馴れが必要であつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

棒状化粧料１を収嵌保持し、側壁に螺合片１１
が突出した中皿１２，１３。この中皿１２，１３
を摺動自在に内装し、螺合片１１が貫通して中皿
１２，１３の回動を阻止するガイド溝１６を縦状
に穿設したガイド筒１４。このガイド筒１４に回
動自在に保持され、中皿１２，１３の螺合片１１
が螺合する螺旋溝２５を螺設した螺旋筒２３。こ
の螺旋筒２３を内壁に止着したスリーブ２７。前
記ガイド筒体１４下端を止着した回動操作筒体３
２。上記の構成要素から成る棒状化粧料容器に於
いて、ガイド筒１４のガイド溝１６には、中皿１
２，１３の上端がスリーブ２７よりわずかに突出
する位置で螺合片１１が突入する水平溝１７を連
設する。また、ガイド溝１６には、中皿１２，１
３の螺合片１１が突入し、中皿１２，１３を更に
突出させるストレート溝１９をガイド溝１６と直
列に連設する。そして、螺旋筒２３の螺旋溝２５
をガイド筒１４のストレート溝１９まで延長して
螺設し、この端部に水平部２６を設ける。

〔作用〕

通常の使用状態では、回動操作筒３２を回動操
作すると、スリーブ２７に止着された螺旋筒２３
と回動操作筒３２に止着されたガイド筒１４によ
つて螺合作用で棒状化粧料１が繰り出されるもの
である。そして、棒状化粧料１を繰り上げてゆく
と、中皿１２，１３の螺合片１１はガイド溝１６
の一方の側壁に摺接しながら上昇し、最後に水平
溝１７に突入して上死点となる。

棒状化粧料１を装着する場合には、棒状化粧料
１を繰り上げ、上死点に位置させる。そして、ス
リーブ２７より突出した中皿１２，１３を繰り出
し操作方向と反対方向に回転させ、螺合片１１を
水平溝１７より脱出させる。この状態で中皿１
２，１３を上方に引き上げると、螺合片１１がス
トレート溝１９に突入し、中皿１２，１３が更に
繰り上げられるものである。

そして、回動操作筒３２を繰り出し方向に回転
させ螺合片１１を螺旋溝２５の水平部２６に突入
させる。この状態では、棒状化粧料１装着時に中
皿１２，１３に対して下向きの応力が働いても中
皿１２，１３の螺合片１１が螺旋溝２５の水平部
２６に位置する為、中皿１２，１３が下方向に摺
動してしまう様な事もない。また、棒状化粧料１
を装着後、回転操作筒３２を回転させて、棒状化
粧料１の繰り下げ操作を行えば、棒状化粧料１を
繰り下げる事ができ、次回より繰り上げ操作を行
うと、螺合片１１は、ガイド筒１４の水平溝１７
に突入する。

〔実施例〕

棒状化粧料１を収嵌保持する収嵌筒２は、外側
壁に凹状溝３が周設されいる。この凹状溝３の下
方は、突入部４となり、上方は突出した鍔部５に
なつている。前記収嵌筒２の突入部４が突入し、
上端に鍔部５が当接する突入孔６を穿設した昇降
筒７は、突入孔６内壁上端に前記収嵌筒２の凹状
溝３と係合する係合ビード８が周状に突出し、更
に複数ケ所に縦状の切り欠き９が施こされ、昇降
筒７上端に握持爪１０を構成している。この握持
爪１０は、外方向に拡開可能となつており、収嵌
筒２が容易に挿脱できる様になつている。また、
昇降筒７の外壁下端には、螺合片１１が突出して
いる。尚、上記の様な２重式の中皿１２でなく、
第４図に示す様に、収嵌筒２と昇降筒７を一体に
した中皿１３にする事も可能である。

この昇降筒７を内装するガイド筒１４は、上下
端に開口した収容孔１５を穿設している。この収
容孔１５は、前記昇降筒７が上下摺動可能でしか
も昇降筒７上端の握持爪１０が摺接して拡開不能
となる内径になつている。また、側壁には、ガイ
ド溝１６が縦状に穿設され、昇降筒７の螺合片１
１が貫通している。このガイド溝１６上端には、
右側に水平に折曲した水平溝１７を連設してお
り、昇降筒７の螺合片１１が突入して２重式の中
皿１２の通常上死点位置１８となつている。ま
た、このガイド溝１６より更に上方に、ストレー
ト溝１９を連設しており、昇降筒７の螺合片１１
が突入して２重式の中皿１２の棒状化粧料装着位
置２０となつている。更にガイド溝１６下端に
は、左側に水平に折曲した水平溝２１を連設して
おり、昇降筒７の螺合片１１が突入して２重中皿
１２の下死点位置２２となつている。また、ガイ
ド筒１４外側壁には、螺旋筒２３を回動自在に抜
脱不能に保持する保持溝２４が刻設されている。
尚、上記ガイド溝１６の構成は、一体の中皿１３
の場合も同様の構成となつている。

この螺旋筒２３は、前記ガイド溝１６を貫通し
た昇降筒７の螺合片１１が螺合する螺旋溝２５を
螺設している。この螺旋溝２５は、ガイド筒１４
のストレート溝１９の位置まで螺設されており、
螺旋溝２５の上端には、水平部２６を設けてい
る。この螺旋筒２３は、ガイド筒１４を被うスリ
ーブ２７に挿入止着されている。

このスリーブ２７は、先端に棒状化粧料１及び
収嵌筒２上端が出没する出没孔２８が開口してい
る。また、スリーブ２７は、螺旋筒２３を内壁に
止着する事によつて、前記ガイド筒１４を回動自
在に内装している。

尚、ガイド筒１４は、昇降筒７の螺合片１１が
上方の水平溝１７に位置した時、収嵌筒２の上端
がスリーブ２７よりわずかに突出し、ストレート
溝１９に位置した時、収嵌筒２の殆どが露出する
様構成している。

また、ガイド筒１４が挿入止着される中筒２９
は、上部に蓋体３０が抜脱可能に嵌合する嵌合部
３１を設けている。この中筒２９の下部は、回動
操作筒３２に挿入止着され、回転操作筒３２とガ
イド筒１４を連結している。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、中皿１２，１３をひねつ
て上方に引き上げ、回動操作筒３２を回転させ、
中皿１２，１３をその位置で固定させるという簡
単な操作で、中皿１２，１３の容器からの突出量
を可変でき、しかも、通常使用状態では、中皿１
２，１３の螺合片１１がガイド筒１４の水平溝１
７，２１の間を往復しており、螺合片１１がスト
レート溝１９に突入して中皿１２，１３が不意に
棒状化粧料装着位置２０まで繰り上がつてしまう
様な事はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の棒状化粧料収納時の
部分正面断面図。第２図は、棒状化粧料繰り上げ
時の部分正面断面図。第３図は、棒状化粧料装着
時の部分正面断面図。第４図は、その他の実施例
の部分正面断面図。第５図は、ガイド筒と螺旋筒
の関係図。 １……棒状化粧料、２……収嵌筒、３……凹状
溝、４……突入部、５……鍔部、６……突入孔、
７……昇降筒、８……係合ビード、９……切り欠
き、１０……握持爪、１１……螺合片、１２，１
３……中皿、１４……ガイド筒、１５……収容
孔、１６……ガイド溝、１７，２１……水平溝、
１８……通常上死点位置、１９……ストレート
溝、２０……棒状化粧料装着位置、２２……下死
点位置、２３……螺旋筒、２４……保持溝、２５
……螺旋溝、２６……水平部、２７……スリー
ブ、２８……出没孔、２９……中筒、３０……蓋
体、３１……嵌合部、３２……回動操作筒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状化粧料１を収嵌保持し、側壁に螺合片１１
   が突出した中皿１２，１３と、該中皿１２，１３
   を摺動自在に内装し螺合片１１が貫通して中皿１
   ２，１３の回動を阻止するガイド溝１６を縦状に
   穿設したガイド筒１４と、該ガイド筒１４に回動
   自在に保持され中皿１２，１３の螺合片１１が螺
   合する螺旋溝２５を螺設した螺旋筒２３と、該螺
   旋筒２３を内壁に止着したスリーブ２７と、前記
   ガイド筒１４下端を止着した回転操作筒３２とよ
   り成る構成に於いて、 ガイド筒１４のガイド溝１６には、中皿１２，
   １３の上端がスリーブ２７よりわずかに突出する
   位置で螺合片１１が突入する水平溝１７を連設
   し、更に、中皿１２，１３の螺合片１１が突入し
   て中皿１２，１３を更に突出させるストレート溝
   １９をガイド溝１６と直列に連設しており、螺旋
   筒２３の螺旋溝２５をガイド筒１４のストレート
   溝１９まで延長して螺設し、螺旋溝２５の上端に
   水平部２６を設けた事を特徴とする棒状化粧料繰
   り出し容器。