JPS6318983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧料を保持する中皿を昇降筒と保
持筒の２つの部品に分離する構造としたことを特
徴とする回転繰り出し化粧棒容器の改良に係る。

従来より実公昭34−27691号公報、及び実公昭
53−370号公報に於いて提案されているように、
化粧料を保持する中皿を昇降筒と昇降筒の２つの
部品に分離した構造の回転繰り出し化粧棒容器
は、棒状の化粧料を収納した保持筒と共に容易に
取り換えができるという利点を有していた。中で
も実公昭53−370号公報に提案された棒状化粧料
容器の構造に於いては、保持筒を昇降筒に押し込
んで係着するものである。しかし容易に抜け取れ
たりする事がないようある程度の強さは必要であ
る為、嵌合する際の押圧力で昇降筒内に保持筒が
確実に係着される前に昇降筒が容器体内へ降下し
てしまうこともあつた。又、実公昭37−27619号
公報に提案された棒状化粧料容器の構造に於いて
はガイド筒の内面に押止されて弾性変形する把持
爪の摺動低抗が、回転繰り出し操作時にその回動
具合に大きな影響を与え滑らかな動きを得る事が
できなかつた。更に化粧料を保持した保持筒の凹
状溝へ昇降筒の把持爪を弾性変形させて係着させ
る押圧時に昇降筒を繰り下げてしまうと、把持筒
は弾性変形できずに係着が行えなくなるという事
故が起こることがあつた。

本案は以上の点に鑑がみて考案されたものであ
り、以下、その実施例を図によつて説明する。

化粧棒１を保持する中皿２は、外側壁に係合突
部３が突設している。この中皿２を摺動自在に収
納するガイド筒５は、中皿２の係合突部３が貫通
するガイド溝４が穿設されている。このガイド筒
５には、係合突部３が螺合する螺旋溝７が螺設さ
れた螺旋筒８が回動自在に抜脱下能に被嵌してい
る。この螺旋筒８は、被い筒６内に挿嵌止着して
いる。また、ガイド筒５の下方は外筒９に挿嵌止
着しており、この外筒９上端には、蓋体（図示し
ない）を抜脱自在に被嵌する中筒１０を挿嵌止着
している。以上説明した周知の回転繰り出し化粧
棒容器に於いて、中皿２と化粧棒１に保持される
保持筒１１と、この保持筒１１を抜脱可能に保持
し、係合突部３によつてガイド溝４及び螺旋溝７
に係合する昇降筒１２とに分割する。この保持筒
１１は、下方に突入部１３を設けており、この突
入部１３に凹状溝１４が環状に刻設されている。
また、昇降筒１２は、前記保持筒１１の突入部１
３が突入する突入孔１５を穿設しており、更に、
この突入孔１５と連続して六角形状の係合孔１６
が穿設されている。この昇降筒１２の内側壁上端
には、保持筒１１の凹状溝１４と係合する係合ビ
ード１７が周設され、更に、上端より複数本の切
り欠きが縦状に施され、把持部１９となつてい
る。この把持部１９は、保持筒１１の突入部１３
の突入時に拡開する様構成されている。

又、ガイド筒５のガイド溝４は、保持筒１１の
上端が僅かに被い筒６より露出した時点で、即
ち、使用時の上死点で一時繰り出しが阻止される
よう昇降筒１２の係合突部３が当接する当接段部
２０が設けられている。この当接段部２０より上
方には、被い筒６より昇降筒１２の把持部１９が
露出するストローク分だけストレート溝２１が穿
設されている。このストレート溝２１は、ガイド
溝４の中心より右側に片寄つて設けられている。
また、ストレート溝２１の上端左側には、水平に
係着受け溝２２が更に連設されている。

本考案実施例は以上構成である。

従つて保持筒１１を昇降筒１２より抜脱する時
は、係合突部３がガイド溝４の右側を摺動するよ
う保持筒１１を保持してストレート溝２１へ係合
突部３を進入させ、昇降筒１２の把持部１９が露
出するストローク分上昇させた上で保持筒１１を
持つて引き上げると、把持部１９はガイド筒５よ
り露出している為に容易に拡開し、簡単に抜脱で
きるものである。

尚、このようにストレート溝２１内を係合突部
３が繰り上がる時、螺旋筒８の螺旋溝７は右巻き
である為に係合突部３は左側を摺動し、上端の係
着受け溝２２で係止する。この為、保持筒１１を
昇降筒１２へ係着するよう押圧しても昇降筒１２
はストレート溝２１を降下したりすることはな
い。又、係着後に回転操作により中皿２を降下さ
せる時、係合突部３はストレート溝２１の右側を
摺動する為に係着受け溝２２より離脱し降下する
ものである。

尚、通常使用時にガイド溝４よりなんらかの操
作ミスでストレート溝２１に係合突部３が進入す
るのを防ぐためにストレート溝２１の左端に感応
突部２３を突設させておくと、係合突部３が感応
突部２３に当接する為に不用意な抜脱操作をして
しまう事故を防げるものである。

本案は以上説明したように、化粧棒１を保持し
た中皿２が昇降筒１２と保持筒１１という２つの
部品に分離する構造の化粧棒容器に於いて昇降筒
１２の係合突部３が係着受け溝２２へ係止する構
造としたもので、保持筒１１を昇降筒１２へ確実
に係着せしめてから係合突部３をガイド溝４へ降
下させる事のできる優れた化粧棒容器を提供する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例に於ける化粧棒収納時
の部分正面断面図。第２図は、繰り上げ時の部分
正面断面図。第３図は、保持筒を昇降筒に係着時
の部分正面断面図。 １……化粧棒、２……中皿、３……係合突部、
４……ガイド溝、５……ガイド筒、６……被い
筒、７……螺旋溝、８……螺旋筒、９……外筒、
１０……中筒、１１……保持筒、１２……昇降
筒、１３……突入部、１４……凹状溝、１５……
突入孔、１６……係合孔、１７……係合ビード、
１８……切り欠き、１９……把持部、２０……当
接段部、２１……ストレート溝、２２……係着受
け溝、２３……感応突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 化粧棒１を保持し外側壁に係合突部３が突設し
   た中皿２と、 前記中皿２の係合突部３が貫通するガイド溝４
   が穿設されたガイド筒５と、 前記ガイド筒５に抜脱不能に、しかし回動自在
   に被嵌し、中皿２の係合突起３と係合する螺旋溝
   ７が刻設された螺旋筒８とが主な構成部品として
   構成される繰り出し化粧棒容器に於いて、 中皿２が化粧棒１を保持し、下方の突入部１３
   に凹状溝１４が環状に刻設された保持筒１１と、
   前記突入部１３が突入する突入孔１５が穿設さ
   れ、その周壁が複数本の縦状の切り欠き１８が施
   こされて把持部１９となつた昇降筒１２とから構
   成され、 更にガイド筒５のガイド溝４へ使用時の上死点
   へ中皿２が上昇した時に係合突部３が当接する当
   接段部２０が構成され、更にこの当接段部２０よ
   り上方にストレート溝２１が穿設され、その上端
   に係着受け溝２２が穿設されたことを特徴とする
   繰り出し化粧棒容器。