JP2019015776A - 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】画像出力を繰り返し行った場合であっても感光体の電気特性安定性が極めて高く、特に画像欠陥の内、残像の発生を極めて抑制し、長期に亘って安定した画像を出力することが可能な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体21上に、下引き層20および感光層23、24をこの順に有し、下引き層20が、少なくとも金属酸化物微粒子、バインダーおよび4−メチルサリチル酸のようなサリチル酸誘導体を含有し、金属酸化物微粒子の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であり、下引き層20体積抵抗率が0.001×10Ω・cm以上0.02×10Ω・cm以下であり、下引き層20の厚さが2μm以上20μm以下である電子写真感光体。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能や様々な利点を有することから、無機感光体に代わり複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。この理由としては、例えば(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等が挙げられる。
一方、最近画像形成装置の小型化から電子写真感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり電子写真感光体に対して長寿命化や長期に亘って静電特性が変動しないといった静電特性の安定性などが切望されるようになってきた。
通常の電子写真感光体は導電性支持体上に下引き層、感光層の順に積層されたものが一般的に知られており、感光層としては電荷発生層、電荷輸送層の順に積層されたものが一般的である。これらの構成成分は有機化合物からなるものが多く、電子写真プロセスにおける帯電・露光プロセスの繰り返しによって有機化合物が徐々に変質し、静電特性の劣化が生じる一因となっている。また、前述のような多層構成の電子写真感光体においては、各層の電荷輸送機能および各層界面の電荷注入性が繰り返し使用による静電特性の劣化と関係があることがわかっている。例えば、電荷発生層で使用している電荷発生材料のHOMO準位と電荷輸送層で使用している電荷輸送材料のHOMO準位とにアンマッチがある場合には、繰り返し使用による静電特性の変化が生じることが知られている。同様に、下引き層の電荷輸送性が悪い場合や電荷発生層と下引き層間での電荷注入性が悪い場合には、前述の場合と同様に繰り返し使用による静電特性の変化が生じる。また、下引き層は電子写真感光体の帯電性に深く関係しており、下引き層に関連する帯電特性の安定性が悪い場合には繰り返し使用による電子写真感光体の帯電性の変化が生じる。
下引き層に関連する静電特性および帯電特性は相反する特性であり、これら機能の両立は非常に難しく、これまではいずれかの特性を改善するために、もう一方の特性の低下を招くことが多かった。これらの機能を両立させる手段として、アミノ基を含有するシランカップリング剤を用いて電荷注入阻止機能を向上させる手段(例えば、特許文献1、2参照)や、下引き層に電子輸送性物質やアクセプター性化合物などの添加剤を含有させる手法(例えば、特許文献3、4)などが提案されている。特に特許文献4では、導電性支持体上にアクセプター性化合物(ヒドロキシアントラキノン系化合物やアミノヒドロキシアントラキノン系化合物)が付着した金属酸化物微粒子を含有する下引き層を設けたものを用いることを提案している。これにより、長期使用時にも安定した電気特性を得ることができ、また電子写真感光体周りの部材から発生した異物や電子写真装置外部から進入したゴミなどが突き刺さっても、リークの発生が十分に防ぐことができる。しかし、ヒドロキシアントラキノン系化合物やアミノヒドロキシアントラキノン系化合物は結晶性が高いため、これらを金属酸化物微粒子に付着させた場合、金属酸化物微粒子同士が凝集しやすい。そのため、下引き層中での分散状態が不均一となるため、長期的な使用における電気特性の安定性は十分とはいえない。
本発明の目的は、画像出力を繰り返し行った場合であっても感光体の電気特性安定性が極めて高く、特に画像欠陥の内、残像の発生を極めて抑制し、長期に亘って安定した画像を出力することが可能な電子写真感光体を提供することにある。
前記課題は、下記構成1)により解決される。
1)導電性支持体上に、下引き層および感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、
前記下引き層が、少なくとも金属酸化物微粒子、バインダーおよび下記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を含有し、
前記金属酸化物微粒子を体積充填率50vol%の圧密粉体としたとき、前記圧密粉体の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であり、
前記下引き層の5×10V/mの電界強度での体積抵抗率が0.001×10Ω・cm以上0.02×10Ω・cm以下であり、かつ
前記下引き層の厚さが2μm以上20μm以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。
(式中XおよびXは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、水酸基、カルボキシル基またはカルボニル基を表し、前記XおよびXは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明によれば、画像出力を繰り返し行った場合であっても感光体の電気特性安定性が極めて高く、特に画像欠陥の内、残像の発生を極めて抑制し、長期に亘って安定した画像を出力することが可能な電子写真感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の一例を説明するための断面図である。 本発明の電子写真感光体の別の例を説明するための断面図である。 本発明の電子写真感光体の別の例を説明するための断面図である。 本発明の電子写真感光体の別の例を説明するための断面図である。 画像形成装置の一例を示す概略図である。 プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 実施例で用いたチタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルである。
本発明者は鋭意検討した結果、電子写真感光体の導電性支持体と接する層(所謂下引き層)の構成成分および体積抵抗率が、繰り返し使用による感光体の電気特性の安定性と関係していることを突き止め、とりわけ画像欠陥の一つである残像の発生抑制に対して際だった効果があることを見出し、本発明に至った。
また、下引き層由来の静電特性の変化を抑制し、長期に亘って高い機能を維持させるためには、下引き層の体積抵抗率を調整し、所望の極性の電荷を選択的に輸送すると共に、当該極性の電荷輸送性を高く設定し、且つ所望しない極性の電荷の輸送性を極力低減することが重要となる。一般に知られている積層型の電子写真感光体は負帯電型を示し、感光層はp型半導体特性を示すことが知られている。そのため、下引き層としてはn型半導体で有ることが好ましい。そのため、n型半導体の特性を示すような材料・組成・膜のモルホロジーの選定が重要となる。
(下引き層の構成成分)
下引き層の構成成分は、少なくとも金属酸化物微粒子、バインダーおよび前記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を含む。
(金属酸化物微粒子)
本発明においては、下引き層に所望の極性の電荷輸送性を付与し、所望の体積抵抗率を得るために、下引き層中に金属酸化物微粒子を分散させることを特徴としている。ここで用いることができる金属酸化物微粒子としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン等が例示され、必要に応じて2種以上を併用することができる。このうち、下引き層の表面抵抗率を制御することを勘案した場合には比較的導電性が高く、大気雰囲気中で経時安定性に優れた金属酸化物種を選択することが好ましい。一般的に金属酸化物微粒子は大気中で安定な特性を示すことが知られているが、特に長期に亘って安定な電気特性を示すものとして、酸化チタン、酸化亜鉛が好適である。特に酸化亜鉛は13族元素をドープすることによって容易に抵抗率を調整することが可能であり、下引き層の電荷輸送性の制御に対してはさらに好適に用いることが可能である。ドープする13族元素としては硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウムが例示されるが、電気特性の安定性の観点からはアルミニウム・ガリウムが好適に用いられ、後述する下引き層の抵抗率制御ならびに下引き層の緻密性の観点から、アルミニウムが最適である。
酸化亜鉛微粒子中の13族元素の含有量としては、酸化亜鉛1モルに対して、元素換算で、0.001〜0.2モルの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.1モルであり、特に好ましくは0.02〜0.1モルの範囲である。13族元素の含有量が0.001モル未満であると、酸化亜鉛微粒子の電気特性安定性が低下しやすくなり好ましくない。また、0.2モルを超えると電気特性安定性や、微粒子導電性向上効果が飽和することが多く、効果的な位置に拡散されない過剰の添加元素が粒界に化合物となって析出しやすくなるため、各種電子写真感光体特性の低下を招く恐れがあるため好ましくない。
本発明における下引き層の体積抵抗率を得ることができるのであれば、前記金属酸化物微粒子をそのまま使用してもよいし、分散性向上等を目的として反応性有機基を有する化合物を用いて表面修飾を行ってもよい。前記反応性有機基としては、金属酸化物表面の水酸基等と反応性を有せばよく、有機金属カップリング剤が一般的に用いられる。有機金属カップリング剤としてはヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート) チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のチタネートカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムカップリング剤などが挙げられる。有機金属カップリング剤は、1種類を単独で使用してもよいし、異なる2種以上のカップリング剤を併用してもよい。
有機金属カップリング剤の被覆量は増強したい機能や母体粒子の分散性にもよるが、金属酸化物微粒子に対して好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜15質量%である。被覆量が0.01質量%未満である場合には機能増強や分散性向上の効果が得にくくなり、被覆量が30質量%を超える場合には有機金属カップリング剤が余剰に金属酸化物微粒子に付着した状態となり、これにより電子写真感光体特性の低下などが生じるため好ましくない。
金属酸化物微粒子表面に有機金属カップリング剤を被覆する方法としては、例えば金属酸化物微粒子をヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機にいれて攪拌しながら、前記の有機金属カップリング剤、またはこれらの水あるいはアルコール溶液を添加し、均一になるように攪拌した後に、乾燥する乾式法や、金属酸化物微粒子を水またはアルコール中に分散させたスラリーを準備し、攪拌しながら前記有機金属カップリング剤または有機金属カップリング剤水溶液、アルコール溶液を添加し、十分に攪拌した後に濾過、洗浄、乾燥する湿式法などがあり、いずれを用いてもよい。
金属酸化物微粒子の平均一次粒子径としては、50nm以上200nm以下であることが電荷輸送性の観点から好ましい。金属酸化物微粒子の平均一次粒径が50nm未満の場合には、均質な下引き層が得られやすく、特性の安定性が図れる一方で、粒子―粒子間の電荷輸送形態はホッピング伝導を採ることが多いため、粒径が小さい場合にはホッピング伝導回数の増加に伴う電荷輸送性の低下や、後述する導電性支持体との接触部での電荷トラップの形成頻度上昇などによって、繰り返し使用に伴う静電特性の変動を引き起こしたり、電荷輸送性の低下に伴う残像などの画像欠陥を発生させる可能性があるため好ましくない。また、200nmを超える場合には下引き層の塗膜不均質となりやすく、下引き層の電気特性の不均質性を引き起こし、地汚れや画像ムラなどの画像欠陥を引き起こしやすくなるため好ましくない。
金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡により3000倍乃至10000倍の観察像を得、ランダムに選択した200個の粒子を画像解析ソフトにより算出した粒子経とした。
下引き層中の金属酸化物微粒子の含有量としては、本発明における体積抵抗率を得ることが可能であれば特に限定されないが、下引き層に占める金属酸化物微粒子の割合が少なすぎる場合には本発明における体積抵抗率を得にくく、また、下引き層に占める金属酸化物微粒子の割合が多すぎる場合には下引き層の製膜性の低下や電子写真感光体の帯電性の低下などを引き起こすことが懸念される。下引き層中に占める金属酸化物微粒子の割合が30vol%〜65vol%程度の場合には本発明における体積抵抗率に制御することが容易であるとともに、下引き層の製膜性や静電特性の劣化も小さくなることが期待できる。
下引き層に占める金属酸化物微粒子の割合を定量する方法としては、元素分析およびそのマッピングを用いて行うことができる。ここで、元素分析/マッピング方法としては、例えばエネルギー分散型X線検出器/走査型電子顕微鏡(EDS−SEM)などを用いることができる。該EDS−SEMは被観察体を細く絞られた電子線で走査し、放出される二次電子量を検出することによって被観察体表面像を詳細(一般に50倍〜30万倍)に観察すると同時に、電子線照射により発生する特性X線を検出することにより、表面の微小領域の元素比率の分析や、特定元素のマッピングなどを行う装置である。
金属酸化物微粒子含有量は、前記手法による電子写真感光体の断面の元素分析/マッピングによって定量することが可能である。まず電子写真感光体の断面構造をミクロトーム、FIB等の一般に用いられる方法で露出させた後に、前記記載の方法で電子写真感光体断面の金属酸化物微粒子の構成元素のマッピングを行い、金属酸化物微粒子構成元素検出面積を観察面積で除することによって、観察断面における金属酸化物微粒子の占める面積割合を得る。次いで、その面積比率を体積比率に換算(面積比率の3/2乗)することにより、該金属酸化物微粒子の下引き層に占める割合を得ることができる。
前記金属酸化物微粒子の下引き層中への分散方法としては、後述する下引き層用塗工液中で一般に用いられる分散方法で分散するとよい。分散方法としては、例えばボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散等が例示される。
(金属酸化物微粒子の体積抵抗率の測定)
前記金属酸化物微粒子の体積抵抗率の測定方法としては、所定量の粉体の圧密粉体を所定の圧力を用いて作製した後に、圧密粉体上下端に電極を設け、所定の電圧を印加した場合の電流値を測定する方法が挙げられる。本発明においては圧密粉体作製時に二水準の圧力を適用して供試体を作製し、各圧密粉体の体積充填率と各圧密粉体の体積抵抗率とを算出した後に、体積充填率50vol%における体積抵抗率を指数関数近似から求めたものを金属酸化物微粒子の体積抵抗率とした。下記に測定条件を記載する。
・供試体に用いる金属酸化物微粒子量:1.0g
・供試体形状:円柱(直径20mm)
・供試体作製時の圧力:10MPa,20MPa
・供試体電極:タングステン
・印加電圧:0.1V
また、体積充填率は以下の式で定義される。
Rv=(W/C)/V
Rv:体積充填率
W:サンプル重量(g)
C:真比重(g/cm
V:充填体積(cm
本発明では、金属酸化物微粒子を体積充填率50vol%の圧密粉体としたとき、前記圧密粉体の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であることが必要である。さらに好ましい前記圧密粉体の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である。
(サリチル酸誘導体)
本発明で使用されるサリチル酸誘導体は、下記一般式(1)で表される。
(式中XおよびXは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、水酸基、カルボキシル基またはカルボニル基を表し、前記XおよびXは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、金属酸化物微粒子表面で錯体を形成して安定化し、分散安定性ならびに電気特性安定性を金属酸化物微粒子に付与する。
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体において、XおよびXは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、水酸基、カルボキシル基またはカルボニル基を表し、好ましくは、水素原子、炭素数4以上のアルキル基、アルコキシ基またはアラルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子、炭素数4〜20の鎖状アルキル基、炭素数5〜14の環状アルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基である。
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の具体例を以下に挙げるが、本発明は下記例に限定されない。2−ヒドロキシ安息香酸、3−メチルサリチル酸、4−メチルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3−エチルサリチル酸、4−エチルサリチル酸、5−エチルサリチル酸、3−ブチルサリチル酸、4−ブチルサリチル酸、5−ブチルサリチル酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ホルミルサリチル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、3−メトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリチル酸、5−アセチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸等。
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は単独または複数を組み合わせて用いることができ、2種類以上のサリチル酸誘導体を組み合わせて使用する場合には、酸価の近い化合物を選択して使用することが好ましい。
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の使用量は、金属酸化物微粒子100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。また、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、好ましいものとして、4−メチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ブチルサリチル酸、5−ブチルサリチル酸等が挙げられる。
また、前記金属酸化物微粒子を下引き層中に良好に分散させることを目的として、分散剤、界面活性剤、その他のキレート剤を用いることが可能である。分散剤、界面活性剤、その他のキレート剤としては、公知のものを適宜採用できる。
(バインダー)
バインダーは、後述する感光層を下引き層上に塗布することを考慮して、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂をバインダーとして適用することが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種または2種以上を選択して使用することができる。バインダーの量は、金属酸化物微粒子100質量部に対して例えば10〜200質量部であり、好ましくは20〜100質量部である。バインダーの添加は、金属酸化物微粒子の分散前後のどちらでも構わない。バインダーの添加量が少なすぎると金属酸化物微粒子の良好な分散膜が製膜が困難になり、多すぎると良好な電子輸送機能が発現されない。
(分散方法)
前記金属酸化物微粒子の下引き層中への分散方法としては、後述する下引き層用塗工液中で一般に用いられる分散方法で分散するとよい。分散方法としては、例えばボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散等が例示される。
前記サリチル酸誘導体を用いることにより、下引き層中に金属酸化物微粒子を良好に分散させることが可能であるが、さらに分散性を高くすることを目的として分散助剤や界面活性剤を用いることが可能である。分散助剤、界面活性剤としては、一般に用いられている材料を使用することができる。分散助剤、界面活性剤の配合量としては、金属酸化物微粒子の粒径によって異なるが、金属酸化物性微粒子重量に対して0.5〜30質量%が適しており、1〜15質量%がより好ましい。分散助剤、界面活性剤がこれよりも少ないと金属酸化物微粒子の分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じる懸念がある。これら材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
(有機溶媒)
下引き層用塗工液に用いる溶剤は、通常用いられるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。
(その他添加剤)
下引き層用塗工液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7− テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
(成膜方法)
下引き層形成の際に用いる塗工方法としては、一般に用いられている塗工方法であれば特に限定されず、塗工液の粘性、所望とする下引き層の膜厚などによって適宜塗工方法を選択するとよい。例えば、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いることができる。
下引き層は前記塗工液を用いて塗工した後に、必要に応じてオーブン等で加熱乾燥させてもよい。下引き層の乾燥温度は、下引き層用塗工液に含有される溶剤の種類によって異なるが、80〜200℃であることが好ましく、100〜150℃がさらに好ましい。乾燥温度が低すぎると残留溶媒などが生じ、高すぎると有機材料などの劣化が生じ、良好な下引き層の機能を発現できない。
本発明における下引き層の厚さとしては、獲得したい電子写真感光体の電気特性や寿命を考慮すると、2μm以上20μm以下であることが必要であり、好ましくは3μm以上15μm以下である。下引き層が薄い場合には電子写真感光体表面の帯電極性と逆極性の電荷が導電性支持体から感光層中に流れ込むことによって、帯電性不良に起因する字汚れ状の画像欠陥が生じるため好ましくない。また、下引き層が厚すぎる場合には残留電位の上昇などの光減衰機能が低下したり、繰り返し安定性が低下したりするなどの欠陥が生じやすいため好ましくない。
(下引き層の体積抵抗率)
本発明では、下引き層の5×10V/mの電界強度での体積抵抗率が0.001×10Ω・cm以上0.02×10Ω・cm以下であることが必要であり、この範囲外では所望の効果を得ることができない。
さらに好ましい前記体積抵抗率は、0.005×10Ω・cm以上0.015×10Ω・cm以下である。
(下引き層の体積抵抗率の測定)
次に下引き層の体積抵抗率の測定方法について記載する。
下引き層の体積抵抗率は、一般に知られる方法で測定することができ、例えばJIS−C2139:2008(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)などに準拠して測定することができる。一般に電子写真感光体はシリンダー形状を示すものが多く、前記文献の方法では測定が困難な場合は下記に示す方法で測定してもよい。
<供試体作製方法>
導電性支持体上に下引き層を設け、その下引き層の塗膜表面に面積既知の電極を積層することで供試体を作製する。電極面積としては100mm程度で有ることが好ましいが、測定に使用する直流電圧源の容量および電流計の精度に基づいて決定するとよい。電極材料としては、一般に用いられる金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、プラチナ、クロム、亜鉛、炭素等が挙げられる。対抗電極は互いに同種金属であることが好ましい。電極作成方法としては、下引き層の構成成分が変質しない方法であれば特に限定はされないが、真空蒸着法が下引き層の変質が生じにくく、好ましい。
<測定方法>
電界印可電源としては十分安定な直流電圧源であれば特に限定されない。また電圧印可時の供試体通過電流の測定には微少電流計を使用するのが好ましい。
電圧印可極性は負帯電用電子写真感光体を評価する場合には負電圧印可とし、正帯電用電子写真感光体を評価する場合には正電圧印可とすることが好ましい。60秒以上の測定を実施し、60秒における電流値に基づいて体積抵抗率を算出することが好ましい。
本発明においては上記記載の方法を用いて下記条件で測定を行うことができる。
・電流−電圧計 : Keithley社製 ソースメジャーユニット タイプ2410
・電極金属 : 金
・電極面積 : 100mm
・測定雰囲気 : 25℃/50%Rh
・測定時間 : 70秒 (電圧印可後60秒後の電流値から体積抵抗率を算出)
・電界強度:5×10V/m
(感光層)
次に感光層について説明する。
〔積層構成の場合〕
積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、感光層の層構成としては、図2に示すように、少なくとも導電性支持体21上に下引き層20、電荷発生層23、電荷輸送層24が積層された構成を取る。積層順については特に限定されず、図4に示すような、導電性支持体21上に下引き層20、電荷輸送層24、電荷発生層23をこの順で積層することもできるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、図2に示すように電荷発生層23の上に電荷輸送層24を積層することが好ましい。また、電荷発生層23、電荷輸送層24の他に耐摩耗性向上等を目的として感光層最表面に表面層25を設けてもよい。また、図3に示すように、下引き層20と電荷発生層23との間に密着性向上等を目的として中間層22を設けてもよい。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリアリールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部、好ましくは10〜300質量部が適当である。バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
<電荷輸送層>
前記電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、電荷輸送物質又は高分子電荷輸送物質とバインダー樹脂を主成分とする層である。
(バインダー樹脂)
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の材料を適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
(電荷輸送物質)
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質が挙げられる。前記正孔輸送物質または電子輸送物質は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量としては、電荷輸送層全質量に対して20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、電荷輸送層全質量に対して20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%より大きいと、電子写真プロセスから感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に磨耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても磨耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
(高分子電荷輸送物質)
電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を適用してもよい。高分子電荷輸送物質とは、前述のバインダー樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、公知の材料が使用できるが、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルの中から選ばれる少なくともいずれかの重合体であることが好ましい。特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートが、磨耗耐久性・電荷輸送性の観点から好ましい。
前記高分子電荷輸送物質は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、磨耗耐久性や製膜性等の観点から前述するバインダー樹脂と併用してもよい。電荷輸送性の両立の観点から、前記高分子電荷輸送物質とバインダー樹脂を併用する場合、高分子電荷輸送物質の含有量としては電荷輸送層全質量に対して40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
(電荷輸送層の形成方法)
前記電荷輸送層は、前記電荷輸送物質及び前記バインダー樹脂、又は、前記高分子電荷輸送物質及び無機微粒子を適当な溶剤に溶解乃至分散し、これを塗布し、乾燥することによって形成できる。
前記電荷輸送層の構成成分はいずれも常温常圧下で固体であるものが多いため、塗工液作製においては各構成成分と親和性の高い溶媒を用いる。ここで用いられる溶剤としては、一般に塗装・塗工に用いられる公知の溶剤であれば特に限定されない。用いる溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
電荷輸送層形成の際に用いる塗工方法としては、特に制限はなく、一般に用いられている塗工方法を用いることができ、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚みなどによって適宜塗工方法を選択するとよい。例えば、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などが例示される。
また、電荷輸送層には、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記電荷輸送層の厚みとしては、解像度・応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
前記の手段によって形成した電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、上述のような溶媒を膜中から取り除く必要がある。熱エネルギーとしては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いることができ、塗工面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満の場合は、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることが確認されている。一方、170℃より高い温度で処理した場合、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。また、感光層中の揮発性成分が外部に霧散するなどした場合には、所望の電気特性を得られなくなるなどのことがあるため好ましくない。
<保護層について>
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることがある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
また、感光体の保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料を添加することができる。用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層で使用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
〔単層構成の場合〕
単層構造の感光層は、図1に示すように、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する単層感光層26を備える。単層感光層26は電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂および無機微粒子を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
バインダー樹脂としては先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。なお、高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100質量部に対する電荷発生物質の量は5質量部〜40質量部が好ましく、電荷輸送物質の量は190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記単層感光層26は、電荷発生物質、バインダー樹脂、電荷輸送物質をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒とともに分散機等で分散して塗工液を作成し、この塗工液を導電性支持体21上に浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート等の手法により塗工して形成できる。
前記単層感光層26の厚みは、5μm〜25μmが好ましい。
(添加材料)
本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記感光層、前記表面層の各層に一般に市販されている酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加してもよい。これら添加剤の添加量は、目的に応じて適宜選択するとよく、添加する層の総質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
(導電性支持体)
前記導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工して導電性層を形成したものについても、本発明において導電性支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の支持体として良好に用いることができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記電子写真感光体が、本発明の前記電子写真感光体である。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−帯電工程及び帯電手段−
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
−露光工程及び露光手段−
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして2色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−−定着工程及び定着手段−−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着部材としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
−−クリーニング工程及びクリーニング手段−−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−−除電工程及び除電手段−−
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−−リサイクル工程及びリサイクル手段−−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−−制御工程及び制御手段−−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、図面に基づいて本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジについて詳しく説明する。
本発明の画像形成装置は、前述のように、本発明の前記電子写真感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなるものである。
なお、場合により、静電潜像を直接記録媒体に転写し現像する画像形成装置では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図5は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体1上に静電潜像を形成するために画像露光部5が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体1上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット6が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、ローラ8によって記録媒体が送り出され、感光体上で可視化されたトナー像を記録媒体9上に転写するために転写チャージャ10が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、記録媒体9を感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ14、クリーニングブレード15が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
更に必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ2、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
また本発明の画像形成装置は、プロセスカートリッジを搭載し、このプロセスカートリッジを着脱自在としてもよい。
プロセスカートリッジの一例を図6に示す。
前記プロセスカートリッジとは、感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図6のプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、時計回りに回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段106により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
次に実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
<比較例1>
下引き層用塗工液は下記材料を混合した金属酸化物微粒子分散前スラリーを作製し、作製したスラリーをφ0.5のジルコニアビーズと振動ミルを用いて2時間攪拌することによって調整した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 12質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 8質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 80質量部
(PT−401,粒径70nm,粉体抵抗4.1×10Ω・cm,石原産業社製)
・メチルエチルケトン 120質量部
なお、実施例および比較例において、粉体抵抗とは、金属酸化物微粒子を体積充填率50vol%の圧密粉体としたときの、前記圧密粉体の体積抵抗率を意味し、粒径とは、平均一次粒子径を意味する。
電荷発生層用塗工液は下記材料を混合した分散前スラリーを作製し、φ1のガラスビーズとビーズミルを用いて8時間攪拌することによって調製した。
〔電荷発生層用塗工液〕
・チタニルフタロシアニン 8質量部
・ポリビニルブチラール(エスレックBX−1 積水化学工業社製) 5質量部
・メチルエチルケトン 400質量部
・図7に、用いたチタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示す。
前述の通り調整した下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、および下記の通り調合した電荷輸送層用塗工液を用いて、φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次、塗布、乾燥することにより、5.0μmの厚さの下引き層、0.2μmの厚さの電荷発生層、35μmの厚さの電荷輸送層を形成した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10質量部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(2)の電荷輸送性化合物 7質量部
・テトラヒドロフラン 100質量部
・反応性シリコーン化合物 0.5質量部
(両末端メタクリル変性ポリシロキサン:X−22−164A、信越シリコーン製)
<実施例1>
比較例1の下引き層用塗工液中を下記の組成とすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 12質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 8質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 80質量部
(PT−401,粒径70nm,粉体抵抗4.1×10Ω・cm,石原産業社製)
・4−メチルサリチル酸(化合物1) 1.6質量部
・メチルエチルケトン 120質量部
<実施例2>
比較例1の下引き層用塗工液中を下記の組成とすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 12質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 8質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 80質量部
(PT−401,粒径70nm,粉体抵抗4.1×10Ω・cm,石原産業社製)
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸(化合物2) 1.6質量部
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例2>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・酸化亜鉛 80質量部
(FINEX−25,粒径60nm,粉体抵抗3.4×10Ω・cm,堺化学工業社製)
<実施例3>
実施例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・酸化亜鉛 80質量部
(FINEX−25,粒径60nm,粉体抵抗3.4×10Ω・cm,堺化学工業社製)
<実施例4>
実施例2の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を得た。
・酸化亜鉛 80質量部
(FINEX−25,粒径60nm,粉体抵抗3.4×10Ω・cm,堺化学工業社製)
<実施例5>
実施例4の下引き層の膜厚を15μmとした以外は実施例4と同様にして電子写真感光体を得た。
<比較例3>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・Alドープ酸化亜鉛(AZO) 80質量部
(Pazet CK−K,粒径13nm,粉体抵抗5.0×10Ω・cm,ハクスイテック社製)
<比較例4>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・酸化亜鉛 80質量部
(FINEX−30,粒径35nm,粉体抵抗2.8×10Ω・cm,堺化学社製)
<比較例5>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・酸化亜鉛 80質量部
(Zano10,粒径32nm,粉体抵抗6.4×10Ω・cm,ユミコア社製)
<比較例6>
比較例1の下引き層用塗工液を下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 10.0質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 6.7質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 83.3質量部
(CR−EL,粒径250nm,粉体抵抗7.2×10Ω・cm,石原産業社製)
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例7>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・Alドープ酸化チタン 80質量部
(ZanoAl,粒径32nm,粉体抵抗8.8×10Ω・cm,石原産業社製)
<実施例6>
実施例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・Alドープ酸化チタン 80質量部
(ZanoAl,粒径32nm,粉体抵抗8.8×10Ω・cm,石原産業社製)
<実施例7>
実施例2の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を得た。
・Alドープ酸化チタン 80質量部
(ZanoAl,粒径32nm,粉体抵抗8.8×10Ω・cm,石原産業社製)
<比較例8>
比較例1の下引き層用塗工液を下記のものとすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 12質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 8質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例9>
比較例1の下引き層用塗工液を下記のものとすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 12質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 8質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸 1.6質量部
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例10>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・Alドープ酸化亜鉛 80質量部
(PazetCK,粒径41nm,粉体抵抗5.0×10Ω・cm,ハクスイテック社製)
<比較例11>
比較例1の下引き層用塗工液中の酸化チタンを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
・Gaドープ酸化亜鉛(GZO) 80質量部
(PazetGk40,粒径31nm,粉体抵抗1.9×10Ω・cm,ハクスイテック社製)
<比較例12>
比較例1の下引き層用塗工液を下記のものとすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 20.0質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 13.3質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化亜鉛 66.6質量部
(FINEX−25,粒径60nm,粉体抵抗3.4×10Ω・cm,堺化学工業社製)
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例13>
比較例1の下引き層用塗工液を下記のものとすること以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 8.0質量部
(ベッコゾール1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 5.3質量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
・酸化亜鉛 86.7質量部
(FINEX−25,粒径60nm,粉体抵抗3.4×10Ω・cm,堺化学工業社製)
・メチルエチルケトン 120質量部
<比較例14>
実施例4の下引き層の膜厚を1.5μmとした以外は実施例4と同様にして電子写真感光体を得た。
<比較例15>
実施例4の下引き層の膜厚を25μmとした以外は実施例4と同様にして電子写真感光体を得た。
前述の通り作製した実施例1〜7および比較例1〜15の電子写真感光体について、下記試験を実施した。
<実機疲労後の静電特性および出力画像の評価>
リコー製RICOH MP C5503の感光体ユニットから帯電ユニットを除く部材(クリーニングブレード等)を取り除いた改造感光体ユニットを用いてランニング試験に用いた。実施例、比較例で作製した感光体を取り付けた改造感光体ユニットをRICOH MP C5503改造機にセットし、通紙を行わず帯電、現像のみを繰り返し実施できるようにした。帯電条件としては、帯電ローラーを用い、直流電圧に交流電圧を重畳させた交番電圧を印加し、交流電圧のピークツーピーク電圧Vppは約1.9[kV]、周波数fは約1700[Hz]、直流電圧は−750[V]、電子写真感光体の回転速度は230mm/secに設定した。現像条件としては、655nmのLDを用い、書き込みパターンを100%書き込みパターン(全ベタ)とした。本条件で10万枚の通紙(5%テストパターン/帯電−露光電位差550V/電子写真感光体静電容量110pF/cm)と同等の静電疲労を電子写真感光体に負荷するためには、約2.1時間の連続通紙によって達成できることが通過電荷量計算から示される。本評価では通紙枚数10万枚相当の静電疲労試験を上述の改造機を用いて実施し、以下に示す評価機を用いて画像評価を実施した。
画像評価には、画像出力時の初期空転プロセスをなくすように改造したRICOH MP C5503改造機を用いた。トナーとしてはImagioトナータイプ27を用い、用紙としてはNBSリコー社製MyPaper(A4サイズ)を用いた。スタート時の感光体表面電位は−750Vとし、前記静電疲労前後における機内電位(帯電後電位および露光部電位)の評価を行った。出力画像としては、ハーフトーン出力を3枚連続で行い、出力画像のドット再現状態を目視および顕微鏡で確認した。機内電位の測定結果および、画像評価結果を表1に示す。
なお表1には、下引き層の5×10V/mの電界強度での体積抵抗率(塗膜抵抗)を併せて示した。
注1)比較例8、9は、露光部電位が高いため評価を断念した。
注2)残像評価
ランク5:残像無し
ランク4.5:ごく僅かな残像発生
ランク4:僅かに残像発生
ランク3:明確な残像発生
ランク2:明瞭な残像発生(ランク1とランク3の間)
ランク1:残像発生部濃度異常
表1の結果から、実施例で得られた電子写真感光体に関しては、いずれも露光部電位が小さく、試験前後の差も小さく、また、優れた画像評価値が得られている。したがって、実施例で得られた電子写真感光体は、画像出力を繰り返し行った場合であっても感光体の電気特性安定性が極めて高く、特に画像欠陥の内、残像の発生を極めて抑制し、長期に亘って安定した画像を出力することが可能であることが示された。
一方で、比較例1〜7では、前記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を含有していないので、特に試験前後の露光部電位の差が大きくなった。また、比較例8、9のように金属酸化物微粒子を含まない下引き層を用いた場合には初期残留電位が非常に大きくなり、前記試験に供することができなかった。これは下引き層に電荷輸送機能を有する構成成分が含まれていないことによると考えられる。また、比較例10に示すようにガリウムドープ酸化亜鉛を用いた場合であっても、サリチル酸誘導体を用いない場合には試験前後での露光部電位差が非常に大きく、長期の使用に耐えうる構成となっていない。本現象の詳因は不明だが、金属酸化物微粒子分散性の不良に加えて、金属酸化物微粒子表面を有機材料で被覆していないため粒子由来の電荷トラップの影響が大きいためと推定される。比較例11、12は初期露光部電位および試験後の露光部電位のいずれも大きくなる傾向を有し、特に比較例4のサリチル酸誘導体を適用しない場合には特に試験前後の露光部電位の差が大きくなる。これは金属酸化物微粒子の抵抗率が高いものを適用した場合には初期電位が高くなり、画像濃度が小さくなるという不具合を生じさせ、さらに本発明のサリチル酸誘導体を適用しない場合には試験前後の差が特に大きくなる傾向が発現することを示唆するものと思われる。本露光部電位の結果を反映して画像濃度が低下する結果が得られている。
また、試験後の出力画像に関しては実施例の感光体はすべての感光体で試験前後で殆ど差がなく、優れた安定性を示すことが示された。一方で比較例10、12に関しては試験後の出力画像はドット形成が十分できておらず、画像流れが発生している。
また、比較例13は、下引き層の体積抵抗率が本発明で規定する下限未満であるため、地肌汚れが発生した。
比較例14は、下引き層の厚さが本発明で規定する下限未満であるため、地肌汚れが発生した。
比較例15は、下引き層の厚さが本発明で規定する上限を超えているため、残像の評価が悪化した。
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 ローラ
9 記録媒体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
20 下引き層
21 導電性支持体
22 中間層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層
26 単層感光層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
106 転写手段
107 クリーニング手段
特開平08−166679号公報 特開平11−133649号公報 特開2012−58597号公報 特開2006−030700号公報

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に、下引き層および感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、
    前記下引き層が、少なくとも金属酸化物微粒子、バインダーおよび下記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を含有し、
    前記金属酸化物微粒子を体積充填率50vol%の圧密粉体としたとき、前記圧密粉体の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下であり、
    前記下引き層の5×10V/mの電界強度での体積抵抗率が0.001×10Ω・cm以上0.02×10Ω・cm以下であり、かつ
    前記下引き層の厚さが2μm以上20μm以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    (式中XおよびXは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、水酸基、カルボキシル基またはカルボニル基を表し、前記XおよびXは同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記金属酸化物微粒子が、酸化亜鉛微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記金属酸化物微粒子の平均一次粒子径が、50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のXおよび/またはXが、水素原子、炭素数4以上のアルキル基、アルコキシ基またはアラルキル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記金属酸化物微粒子が、13族元素がドープされた酸化亜鉛微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有する画像形成装置であって、 前記電子写真感光体が、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段および転写プロセス後に前記電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段から選択された少なくとも一つの手段とを有するプロセスカートリッジを搭載し、前記プロセスカートリッジが着脱自在であるとともに、前記電子写真感光体が、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段および転写プロセス後に前記電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段から選択された少なくとも一つの手段とを有するプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。

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