本発明の画像形成方法について説明する。
図1に本発明の画像形成方法を適用することのできる画像形成装置を、図2に画像形成装置の本体に着脱可能なプロセスカートリッジの概略図を示す。図1は中間転写体を介さずにトナー像を転写材に転写する例を示すが、本発明は中間転写体を備えた画像形成装置にも適用できる。
本実施例の画像形成装置14は、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタである。7は像担持体としての回転ドラム型の感光体であり、所定の周速度にて回転駆動される。
感光体7は回転する過程において帯電ローラ8により所定の極性、所定の電位、に一様に帯電処理される。1は露光手段としてのレーザービームスキャナである。スキャナ1は、不図示のイメージスキャナやコンピュータ等の外部機器から入力される画像情報に応じて変調したレーザー光を出力して、感光体7の帯電処理した面を走査露光する。この走査露光により感光体7表面の電荷が除電され感光体7の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。Bはプロセスカートリッジであり、現像ローラ9aから感光体7表面にトナーが供給されて静電潜像がトナー像として現像される。3aは、転写材2が積載して収納される給紙カセットである。給紙開始信号に基づいてピックアップローラ3bが駆動されて給紙カセット3a内の転写材2が一枚ずつ分離して給紙される。その転写材2は、搬送手段3を介して、感光体7と転写ローラ4とで形成された転写部位に所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体7上のトナー像の先端部が転写部位に到達するタイミングで、転写材2の先端部が転写部位に到達するように搬送手段3で転写材2の搬送が制御される。転写部位に導入された転写材2は、この転写部位で搬送され、その間、転写ローラ4は不図示の転写バイアス印加電源によって転写バイアス電圧が印加される。転写ローラ4はトナーと逆極性の転写バイアス電圧が印加されることで転写部位において感光体7の表面側のトナー像が転写材2の表面に転写される。転写部位においてトナー像が転写された転写材2は感光体7の表面から分離されて、定着手段5で定着処理される。
一方、転写材が感光体7から分離した後の感光体7の表面はクリーニング手段10でクリーニングされ、繰り返し画像形成動作に供される。定着手段5を通った転写材2は、排紙口から排紙トレイ6上に排出される。
なお後述する暗減衰は、感光体7表面にトナーが現像されてから、転写部位においてトナー像が転写材2に転写されるまでの間に、感光体7において生じる現象を示している。
本発明者等は、高画質化が求められる電子写真装置において、長期に渡り、高画質画像を得るためには、トナー及び感光体両面からアプローチする必要があると考えた。
本発明の一つとして、トナー粒子表面に、個数平均粒径(DA)が70nm以上500nm以下であり、且つメタノール中に分散させた時のゼータ電位ζが−50mV以上−15mV以下である外添剤を添加したトナーを用いる必要がある。
トナー劣化を抑制させる為の手段としては、従来より大粒径の外添剤を添加することは知られていた。しかしながら、こういった外添剤は、トナー間の物理的な接触を低減することに主眼が置かれているために、暗減衰等の電位の変動に対する対応という観点では、それほど重要視されていなかった。そのため、従来のテキスト文字を出力する装置においては、大きな問題とはならなかったが、高精細画像を出力する観点からは問題となりうる場合がある。
こういった背景から、本発明者らは、外添剤の物理的特性と電気的特性を鋭意検討した結果、個数平均粒径(DA)が70nm以上500nm以下であり、且つメタノール中に分散させた時のゼータ電位ζ(A)が−50mV以上−15mV以下である外添剤を添加することで、電位変動に対しても一定の効果がある外添剤を見出した。
ゼータ電位とは、溶液中の微小粒子の周囲に形成されるイオン固定層とイオン拡散層とよばれる電気二重層中の、液体流動が起こり始める「滑り面」の電位として定義される。
微小粒子の表面特性により、このゼータ電位の絶対値は正(正帯電性)や負(負帯電性)の値を示す。また、この絶対値が大きいほど微小粒子表面の電荷が大きいことを示す。
そのため、トナー粒子表面に、ある粒子径で且つ特定のゼータ電位を有する外添剤を付着させる事で、この外添剤A起因の電荷層がトナー表面に形成され、トナー間の電位の安定化に寄与するものと考えられる。その結果、感光体上で、多少の電位変動が生じても、飛び散り等につながり難くなると思われる。
よって、外添剤Aの個数平均粒径(DA)は70nm以上500nm以下、好ましくは85nm以上170nm以下であることが特徴である。
この範囲に制御することで、トナー間の物理的な接触を低減でき、トナー劣化抑制に効果を発揮すると共に、上述したような、トナー表面に電荷層を形成しやすくなるものと考えられる。
外添剤Aの個数平均粒径(DA)が70nm未満の場合は、トナー粒子表面から外添剤の突出が十分でなく、電荷層が十分に形成されない。また、トナー劣化も発生しやくすなるため、長期間の使用によって、ライン画像周辺の飛び散りが悪化しやくなる。一方、500nmよりも大きい場合は、トナーから離脱しやすくなり、離脱粒子起因の画像欠陥が発生しやすくなる。
また、この外添剤Aのゼータ電位ζ(A)が−50mVよりも小さい場合は、トナー表面の電荷層の負帯電性が大きくなり過ぎ、トナー間の電気的な反発力が強くなってくる。そのため、潜像を忠実に再現できなくなり、ライン画像がやや太くなるような状況が発生し、ライン再現性が悪化する。一方、−15mVよりも大きい場合は、電荷層が十分に形成されないため、耐久初期から、飛び散りが悪化し、画質悪化につながる。
また、該像担持体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された感光層を有し、該下引き層の体積抵抗率が1×1011以上1×1016Ω・cm以下であり、かつ有機電子輸送性化合物を含有することも特徴である。
現在、プロセスカートリッジや電子写真装置に用いられる感光体としては、有機光導電性物質を含有する感光体が主流である。感光体は、一般的に、支持体および支持体上に形成された感光層を有する。そして、支持体側から感光層側への電荷注入を抑制し、黒ポチなどの画像欠陥の発生を抑えることを目的として、支持体と感光層との間に下引き層が設けられていることが多い。
近年、電荷発生物質は、より高い感度を有するものが用いられている。しかしながら、電荷発生物質が高感度化するのに伴い、電荷の発生量が多くなることにより電荷が下引き層、下引き層と感光層との界面で電荷が滞留しやすくなり、繰り返し使用により、その現象が顕著になる。
この下引き層の体積抵抗率が1×1011Ω・cm以上1×1016Ω・cm以下であり、かつ有機電子輸送性化合物が含有することで、電荷の滞留を抑え、感光体の表面電位の低下(減衰)が抑えられる。また、有機電子輸送性化合物を含有することで、上述したトナー表面の電荷層を安定化でき、感光体とトナーとの付着性が向上し、非画像部へのトナー飛び散りをより抑制できるものと考えられる。
該下引き層の体積抵抗率が1×1011Ω・cm未満の場合には、表面電位の低下が発生しやすくなり、耐久初期のトナー飛び散りが悪化する。一方、1×1016Ω・cmよりも大きい場合は、露光後現像までに電子が十分に移動できないため、現像コントラストが十分に得られず、画像濃度が低下する。
このように、特定の機能を有する外添剤を添加したトナーと、下引き層を制御した像担持体とを組み合わせることで、印字画像周辺のトナー飛び散りや画像欠陥を抑えた高画質画像を長期に渡り安定的に出力出来るのである。
また、本発明のトナーは、トナー粒子をメタノール中に分散させた時のトナー粒子のゼータ電位ζ(T)と、外添剤Aをメタノール中に分散させた時の外添剤Aのゼータ電位ζ(A)との差の絶対値|ζ(T)−ζ(A)|が5mV以上50mV以下、好ましくは5mV以上45mV以下であることが好ましい。
ゼータ電位の差が一定量有するトナー粒子と外添剤Aとを用いるということは、トナー粒子表面と外添剤Aとで、一定の電位差を有することを意味する。一般的にトナー粒子に外添剤を添加した場合、ファンデルワールス力のような分子間力、静電引力、液架橋力等が発生することが知られている。このように、トナー粒子と外添剤Aとに一定の引力を作用させることが出来るため、多少電位が変動しても、隣り合うトナー間で、トナー粒子とトナー粒子に付着している外添剤Aとの凝集力により、飛び散り等を抑制できる。
また、本発明の外添剤Aは有機無機複合微粒子であり、該有機無機複合微粒子の表面には、無機微粒子に由来する凸部が複数存在し、該有機無機複合微粒子の体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましい。
また、この有機無機複合微粒子は、倍率20万倍で測定したときの形状係数SF−2が103以上120以下であることが好ましい。微粒子表面に凸部を有する構造を取ることで、トナー粒子表面へのアンカリング効果が得られ易く、トナー粒子からの外添剤の離脱を抑制できる。また、凸部は、前記有機無機複合微粒子の無機微粒子に由来する凸部であることが好ましい。無機微粒子に由来する凸部があることで、アンカリング効果が促進される。
なお有機無機複合微粒子の表面に無機微粒子が存在していれば良く、樹脂粒子内部における無機微粒子の有無は特に限定されない。なお、有機無機複合微粒子のSF−2値は、前記有機無機複合微粒子表面の無機微粒子存在比率で制御することが出来る。
例えば、無機微粒子としてシリカを用いる場合、表面シリカ存在比率は50%以上80%以下であることが好ましい。
さらに、有機無機複合微粒子の体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上であることが、本発明のゼータ電位ζ(A)を制御する上で好ましい。
また、本発明のトナーは、該トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下の該有機無機複合微粒子を含有することが、トナー劣化を抑制する上で好ましい。
本発明で用いられる有機無機複合微粒子としては、上記特性を有していれば、特に制限は無いが、例えば、WO 2013/063291の実施例の記載に従って製造することができる。
また、本発明で用いられる有機無機複合微粒子に用いられる材料として特に制限は無いが、ビニル系樹脂粒子に無機微粒子としてシリカ、酸化チタン、アルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物粒子を用いることが好ましく、シリカを用いることがより好ましい。
本発明のトナー母粒子に用いられる結着樹脂について以下に説明する。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂成分を合成する際に用いることができるアルコール成分及び酸成分は以下の通りである。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェールA、芳香族ジオールとしては、下記式(1)で表わされるビスフェノール及びその誘導体、下記式(2)で示されるジオール類、が挙げられる。
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は2〜10である。)
酸成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物、またさらに炭素数6以上18以下のアルキル基またはアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物。3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂は通常一般に知られている縮重合によって得られる。
一方、ビニル系樹脂或いはビニル系重合体ユニットを生成する為のビニル系モノマーとしては、次の様なものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
さらに、以下のものが挙げられる。マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、ビニル系樹脂或いはビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類(日本化薬社製「MANDA」)。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下、さらに好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、樹脂成分に低温定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記ビニル系樹脂或いはビニル系重合体ユニットの重合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエイト、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート。
本発明の結着樹脂は、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂が一部反応したハイブリッド樹脂であってもよい。
本発明の結着樹脂が、ハイブリッド樹脂である場合、ビニル系樹脂及び/またはポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系樹脂と反応し得るものとしては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物が挙げられる。ビニル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
結着樹脂として用いる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの耐久性と、定着性の観点から50℃以上75℃以下である事が好ましく、同様の観点から、軟化点は80℃以上150℃以下であることが好ましい。
結着樹脂として用いる樹脂は、1種類であっても良いが、複数種併用してもよく、低温定着性と耐久性の両立の観点から、Tgや軟化点の異なる複数種の樹脂を併用して用いることが好ましい。
本発明のトナーは離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては定着時の離型性を高められるものであれば制限はないが、以下に好ましい離型剤について説明する。
例えばポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。また、これらの離型剤を、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものなどがある。
離型剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋アドレ株式会社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
該離型剤を添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いが結着樹脂の製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。また、これらの離型剤は単独で使用しても、併用しても良い。
該離型剤は結着樹脂の総量100.0質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下で添加することが好ましい。
該離型剤の融点ピーク温度は、トナーの耐久性と低温定着性の観点から、60℃以上180℃以下であることが好ましく、70℃以上110℃以下であることがより好ましい。
本発明のトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を含有してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、炭素数4以上18以下の脂肪族ジオールと、炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を縮重合させて得られる脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、フマル酸、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。
本発明のトナーは磁性トナーが好ましい。磁性トナーとして用いる場合は、着色剤としては磁性酸化鉄を用いることが好ましい。
磁性酸化鉄としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物が挙げられる。
磁性酸化鉄はトナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
これらの磁性体は個数平均粒子径が0.01μm以上2.0μm以下、好ましくは0.05μm以上0.50μm以下のものが好ましい。
本発明の着色剤が磁性酸化鉄である場合、トナーが含有する磁性酸化鉄の量は、トナーの低温定着性と帯電立ち上がり性の観点から、結着樹脂100質量部に対し、30質量部以上120質量部以下が好ましく、40質量部以上110質量部以下がさらに好ましい。
また必要に応じて、トナーの色味調整のために従来公知の顔料や染料を併用しても良い。
本発明のトナーが非磁性トナーである場合に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
本発明のトナーは、その帯電安定性をさらに良好となる点で、電荷制御剤を含有することが好ましい。
電荷制御剤としては、本発明に用いられる結着樹脂の末端に存在する酸基あるいは水酸基と中心金属が相互作用し易い、有機金属錯体、キレート化合物が好ましい。
例えば、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。
具体的な例としては、Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業(株))が挙げられる。
また電荷制御剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のトナーは帯電立ち上がり性の観点から、磁性一成分系現像剤として用いることが好ましい。これは磁性一成分系現像システムでは、現像ブレード等の帯電部材からトナーが受ける摺擦力が高まり易く、トナー間での摩擦が誘発され、より帯電立ち上がり性が良好となることによる。
さらに本発明のトナーには、外添剤Aに加え、無機微粉体等の流動性向上剤を使用することができる。流動性向上剤としては、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の如きフッ素系樹脂微粒子;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粒子シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粒子であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカとである。
その中でも、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粒子に疎水化処理した処理シリカ微粒子が好ましく用いられる。処理シリカ微粒子は、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上98以下であることが好ましい。
シリカ微粒子の疎水化方法としては、シリカ微粒子と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が挙げられる。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個当りのSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
シリカ微粒子は、シリコーンオイルによって処理されても良く、また、シリコーンオイルと上記有機ケイ素化合物とを併用して処理されていても良い。シリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上1000mm2/s以下であるものが好ましい。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルによるシリカ微粒子の疎水化処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粒子を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)で加熱し、表面のコートを安定化させたものがより好ましい。
無機微粉体は、トナー粒子100.0質量部に対して0.1質量部以上8.0質量部以下用いることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上4.0質量部以下である。
トナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体である。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン微粒子が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子が挙げられる。
本発明のトナー粒子の製法は特に限定されず、樹脂成分並びに必要に応じて、着色剤、離型剤及び電荷制御剤等のトナー構成材料を均一混合した後に溶融混練し、得られた混練物を冷却後、粉砕、分級し、流動性改質剤等をヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明の現像剤を得る、いわゆる粉砕法を用いることができる。
また他の手法として、乳化重合法や懸濁重合法などのいわゆる重合法によりトナー粒子を製造することができる。
少なくとも、溶融混練工程及び粉砕工程を経て得られるトナー粒子を製造する方法としては、以下の方法を用いることができる。樹脂成分並びに必要に応じてワックス、着色剤、荷電制御剤、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する。混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。また、本発明において、外添工程は多段外添を行ってもよい。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株));スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
本発明に使用される像担持体に関して、以下説明する。
本発明の像担持体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する像担持体である。
感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であることが好ましい。さらに、電子写真特性の観点から、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であることが好ましい。
〔支持体〕
支持体としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄といった金属又は合金で形成されている導電性支持体を用いることが可能である。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスといった絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金の金属の薄膜で形成した支持体、又は酸化インジウム、酸化スズといった導電性材料の薄膜で形成した支持体が挙げられる。
導電性支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化といった電気化学的な処理、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、又は切削処理を施してもよい。
〔導電層〕
導電性支持体と下引き層の間には導電層を設けても良い。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液を用いて形成される層である。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上35μm以下であることがより好ましい。
〔下引き層〕
下引層は、支持体上または、前述の導電層上に設けられる。本発明において、下引き層の体積抵抗率は1×1011以上1×1016Ω・cm以下であり、かつ有機電子輸送性化合物を含有する必要がある。
有機電子輸送性化合物は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基のいずれかの重合性官能基を有し、電子輸送性物質と架橋剤を含む組成物の重合物、あるいは、該電子輸送物質と結着樹脂を含む組成物を含有することが本発明の効果を高める点でより好ましい。
下引き層の体積抵抗率を上記範囲であれば、結着樹脂にイオン性物質を少量含有してもよく、または、下引き層は更に導電性粒子を含有してもよい。その場合、体積抵抗率が本願の発明の範囲に入る範囲であることが、発明の効果発現のため必要で、必要に応じて、含有量、導電性粒子を選択することができる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
電子輸送物質の含有量は、該組成物の全質量に対して30質量%以上70質量%以下が本願の発明効果の発現の観点でより好ましい。
〔電子輸送性物質〕
電子輸送性物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物が挙げられる。電子輸送物質は、重合性官能基を有する電子輸送性物質であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、又はメトキシ基が挙げられる。以下に、電子輸送物質の具体例として、下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで示される化合物を示す。
式(A1)〜(A11)中、R11〜R16、R21〜R30、R31〜R38、R41〜R48、R51〜R60、R61〜R66、R71〜R78、R81〜R90、R91〜R98は、R101〜R110は、R111〜R120は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環を示す。アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つがO、S、NH又はNR121(R121はアルキル基)で置き換わっていても良い。置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基である。Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合、R30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合、R48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合、R60は存在しない。
式(A)中、α、β、及びγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。l及びmは、それぞれ独立に、0又は1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、又はフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。R11〜R16の少なくとも1つ、R21〜R30の少なくとも1つ、R31〜R38の少なくとも1つ、R41〜R48の少なくとも1つ、R51〜R60の少なくとも1つ、R61〜R66の少なくとも1つ、R71〜R78の少なくとも1つ、R81〜R90の少なくとも1つ、R91〜R98の少なくとも1つ、R101〜R110の少なくとも1つ、R111〜R120の少なくとも1つは、式(A)で示される1価の基を有する。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、O、S、NR122(式中、R122は、水素原子、又はアルキル基を示す。)で置き換わっても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、又はアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、O又はS又はNR123(式中、R123は、水素原子又はアルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。
上記式(A1)〜(A11)のいずれかで示される電子輸送物質の中でも、R11〜R16の少なくとも1つ、R21〜R30の少なくとも1つ、R31〜R38の少なくとも1つ、R41〜R48の少なくとも1つ、R51〜R60の少なくとも1つ、R61〜R66の少なくとも1つ、R71〜R78の少なくとも1つ、R81〜R90の少なくとも1つ、R91〜R98の少なくとも1つ、R101〜R110の少なくとも1つ、R111〜R120の少なくとも1つは、式(A)で示される1価の基を有する電子輸送物質がより好ましい。
以下に重合性官能基を有する電子輸送性物質の具体例を示す。表中、Aaは、Aと同様な構造式で表され、その1価の基の具体例をA及びAaの欄に示す。表中、γが「−」である場合は、水素原子を示し、そのγの水素原子は、α又はβの欄に示す構造に含めて表示する。
(A2)〜(A6)、(A9)のいずれか構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。(A1)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)、又はジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成可能である。(A7)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)又はシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成可能である。(A8)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することが可能である。(A10)の構造を有する誘導体は、例えば特許第3717320号公報記載の公知の合成方法を用いて、ヒドラゾン構造を有するフェノール誘導体を、有機溶媒中、過マンガン酸カリウム等の適当な酸化剤で酸化することによって合成可能である。(A11)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)又はジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体とヒドラジンとの反応で合成可能である。
(A1)〜(A11)のいずれかで示される化合物には、架橋剤と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基)を有する。(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体に重合性官能基を導入して、(A1)〜(A11)のいずれかで示される化合物を合成する方法として、以下のような方法が挙げられる。例えば、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体を合成した後、直接重合性官能基を導入する方法がある。また、重合性官能基又は重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、例えばパラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基を有するアリール基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl3触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基を有するアルキル基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A11)のいずれかの構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCO2を作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
耐溶剤性が高く、強固な架橋構造を形成する観点から、重合性官能基を有する電子輸送物質としては、同一分子内に2つ以上重合性官能基を有することが好ましい。
〔架橋剤〕
次に重合性官能基を有する架橋剤について述べる。
架橋剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を使用することができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
本発明に用いられる架橋剤はイソシアネート化合物、アミノ化合物が好ましい。
本発明に用いられるイソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基が3〜6個有しているものが好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体等の変性体各種が挙げられる。
中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)の形を取る。Xはイソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記(H1)〜(H6)で示される基がより好ましい。
以下表12に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
本発明の下引き層は、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を更に含有してもよい。重合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
式(D)中、R1は、水素原子又はアルキル基を示す。Y1は、単結合、アルキレン基又はフェニレン基を示す。W1は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、又はメトキシ基を示す。
式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。上記式(D)で示される構造単位は、以下に示す特徴的な構造の中に有してもよいし、特徴的な構造以外に有してもよい。特徴的な構造を以下の(E−1)〜(E−5)に示す。(E−1)は、アセタール樹脂の構造単位である。(E−2)は、ポリオレフィン樹脂の構造単位である。(E−3)は、ポリエステル樹脂の構造単位である。(E−4)は、ポリエーテル樹脂の構造単位である。(E−5)は、ポリアミド樹脂の構造単位である。
上記式中、R201〜R210は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す。R201がC4H9(ブチル基)である場合はブチラールと示す。
式(D)で示される構造単位を有する樹脂(以下樹脂Dとも称する)は、例えば、シグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、又はメトキシ基)を有するモノマーを重合させることで得られる。
また、樹脂Dは、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製、ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、電子輸送層の均一性の観点からより好ましい。
樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は5000〜400000の範囲であることがより好ましい。
樹脂中の重合性官能基の定量法は、例えば水酸化カリウムを用いたカルボキシル基の滴定、亜硝酸ナトリウムを用いたアミノ基の滴定、無水酢酸と水酸化カリウムを用いた水酸基の滴定、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を用いたチオール基の滴定が挙げられる。また、重合性官能基導入比率を変化させた試料のIRスペクトルから得られる検量線法が挙げられる。
以下表13に、樹脂Dの具体例を示す。
下引き層の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましく、0.5μm以上5.0μm以下がより好ましい。
〔電荷発生層〕
感光層には、電荷発生層が形成される。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、フタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、及びヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンといったビニル化合物の重合体及び共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することが好ましい。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜でもよい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
〔正孔輸送層〕
電荷発生層上には正孔輸送層が形成される。
正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンが挙げられる。又は、正孔輸送物質としては、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、及びスチリル化合物が好ましい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂が好ましい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000が好ましい。
正孔輸送層において、正孔輸送物質と結着樹脂との質量比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10が好ましく、10/8〜6/10がより好ましい。
正孔輸送層の膜厚は、3μm以上40μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上16μm以下である。正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
また、正孔輸送層上に保護層を形成してもよい。保護層には、導電性粒子又は電荷輸送物質と、結着樹脂とを含有させることが好ましい。また、保護層は、潤滑剤といった添加剤をさらに含有してもよい。また、結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該結着樹脂以外に導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線)により重合させて得られる硬化性樹脂であってもよい。保護層の膜厚は、1μm以上10μm以下が好ましい。
上記各層を形成する方法としては、各層を構成する材料を溶剤に溶解及び/又は分散させて得られた塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって形成する方法が好ましい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法が挙げられる。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<外添剤Aの定量方法>
トナー粒子に複数の外添剤が外添されているトナーにおいて、外添剤Aの含有量を測定する場合、トナー粒子と外添剤とを分離し、さらに、分離された外添剤から定量したい粒子を単離・回収する必要がある。
具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー5gをサンプル瓶に入れ、メタノールを200mL加え、更に「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加える。
(2)超音波洗浄機で5分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。
(4)上記(2)、(3)を計3回行う。
上記操作により、外添剤はトナー粒子から単離される。この回収された水溶液を遠心分離器にかけ、外添剤Aを分離、回収する。次いで、溶媒を除去し真空乾燥機で十分に乾燥させ質量を測定することで外添剤Aの含有量を得る。
<他の外添剤であるシリカ微粒子の定量方法>
(1)トナー中のシリカ微粒子の含有量の定量(標準添加法)
トナー3gを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製する。波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、珪素(Si)の強度を求める(Si強度−1)。なお、測定条件は使用するXRF装置で最適化されたものであれば良いが、一連の強度測定はすべて同一条件で行うこととする。
次に、トナー粒子に、一次粒子の個数平均粒径が12nmのシリカ微粒子を、トナー粒子に対して1.0質量%添加して、コーヒーミルにより混合する。
この際、混合するシリカ微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のものであれば、本定量に影響なく使用することができる。
混合後、上記と同様にペレット化したのちに、上記同様にSiの強度を求める(Si強度−2)。同様の操作を、シリカ微粒子を、トナーに対して2.0質量%、3.0質量%添加混合したサンプルにおいても、Siの強度を求める(Si強度−3,Si強度−4)。
Si強度−1乃至4を用いて、標準添加法により、トナー中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
<外添剤Aの個数平均粒径(D1)の測定方法>
外添剤Aの個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<外添剤A及びトナー粒子のゼータ電位の測定方法>
水中に分散させたときの外添剤Aのゼータ電位(ζ(A))とトナー粒子のゼータ電位(ζ(T))とは、ゼータサイザーNano−Zs(シスメックス(株)社製)を用いて測定を行った。
例えば、外添剤Aが外添されたトナーから、トナー粒子、外添剤Aのゼータ電位を測定する場合は、トナーからトナー粒子と外添剤Aとを分離してそれぞれ測定することができる。トナーをメタノールに超音波分散させて外添剤Aを外して、24時間静置する。
沈降したトナー粒子と上澄み液に分散した外添剤Aとを分離、回収し、十分に乾燥させることで、それぞれ単離することができる。トナーに他の外添剤が外添されている場合は、上澄み液を遠心分離法で分離して単離することで測定することも可能である。
外添剤Aのゼータ電位(ζ(A))は、以下のような手順で測定を行う。
分散液として、メタノール9.9gに、微粒子0.1gを加え、超音波分散機(日本理化学器械(株)社製)にて5分間分散させて、分散液を調製する。ただし、分散液中に、目視にて外添剤Aの白沈及び浮遊物が存在する場合には、適宜、TritonX−100水溶液の添加量を調整する。この分散液をスポイトにて、上記装置付属のDTS1060C−Clear Disposable Zeta Cellに気泡が入らないように入れる。このセルを測定器に装着し、25℃にてゼータ電位を測定した。この測定を行い、3回の算術平均値を本発明におけるζ(A)とする。
トナー粒子のゼータ電位ζ(T)は、以下のような手順で測定を行う。
分散液として、メタノール9.9gに、トナー粒子0.1gを加え、超音波分散機(日本理化学器械(株)社製)にて5分間分散させて、分散液を調製する。この分散液をスポイトにて、上記装置付属のDTS1060C−Clear Disposable Zeta Cellに気泡が入らないように入れる。このセルを測定器に装着し、25℃にてゼータ電位を測定した。この測定を行い、3回の算術平均値を本発明におけるζ(T)とする。
<外添剤Aの体積抵抗率の測定方法>
外添剤Aの体積抵抗率は、以下のようにして測定する。
装置としてはケースレーインスツルメンツ社製6517型 エレクトロメータ/高抵抗システムを用いる。6517に直径25mmの電極を接続し、電極間に外添剤Aを0.1乃至0.5g乗せて1.0乃至2.0N(102乃至204g)の荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
6517でサンプルに1,000Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、以下の式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R÷L
R:抵抗値(Ω)
L:電極間距離(cm)
<外添剤Aの形状係数SF−2の測定方法>
走査型電子顕微鏡(SEM)「S−4800」(日立製作所製)を用いて、外添剤Aが外添されたトナーの観察を行う。
20万倍に拡大した視野において、画像処理ソフト「Image−Pro Plus5.1J」(MediaCybernetics社製)を使用し、100個の外添剤Aの一次粒子の周囲長および面積を算出した。
下記の式にて各外添剤AのSF−2を算出し、100個の粒子における平均値を、本発明で規定するSF−2とした。
SF−2=(粒子の周囲長)2/粒子の面積×100/4π
<結着樹脂の軟化点Tmの測定方法>
軟化点は、以下のようにして測定される。樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度Tmである。
測定試料は、約1.0gのサンプルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<結着樹脂のガラス転移温度(Tg)及び離型剤の融点の測定方法>
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)及び離型剤の融点は、示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
測定試料として、結着樹脂約3mgを精密に秤量したものを用いる。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度Tgとする。また、2回目の昇温過程で得られるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を、融点とする。
<磁性酸化鉄の粒径>
透過型電子顕微鏡(TEM)H−700H、H−800、H−7500(いずれも日立製作所製)又は走査型電子顕微鏡(SEM)S−800又はS−4700(いずれも日立製作所製)を用い、磁性酸化鉄を20,000倍以上100,000倍以下で撮影し、1倍以上5倍以下の焼き付け倍率として、任意の倍率で試料を観察することができる。粒径は、0.03μm以上の粒子100個をランダムに選び出して、各粒子の最大長(μm)を計測し、その平均をもって個数平均粒径とする。
<磁性酸化鉄の磁気特性>
磁性酸化鉄の磁気特性は、振動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業株式会社製)を用い、外部磁場を79.6kA/m(1kOe)として測定することができる。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(商品名;非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(商品名;日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<像担持体の下引き層の体積抵抗率の測定方法>
下引き層の体積抵抗率を測定する方法を説明する。図3(A)は、第一中間層の体積抵抗率を測定する方法を説明するための上面図であり、図3(B)は、第一中間層の体積抵抗率を測定する方法を説明するための断面図である。
下引き層の体積抵抗率は、常温常湿環境下(温度23℃±3℃、湿度50%±5%RH)において測定する。下引き層202の表面に銅製テープ203(住友スリーエム(株)製、型番No.1181)を貼り、これを下引き層202の表面側の電極とする。また、支持体(導電性支持体)201を下引き層202の裏面側の電極とする。銅製テープ203と支持体201との間に電圧を印加するための電源206、及び、銅製テープ203と支持体201との間を流れる電流を測定するための電流測定機器207を設置する。また、銅製テープ203に電圧を印加するため、まず銅製テープ203の上に銅線204を載せる。そして、銅線204が銅製テープ203からはみ出さないように銅線204の上から銅製テープ203と同様の銅製テープ205を貼り、銅製テープ203に銅線204を固定する。銅製テープ203には、銅線204を用いて電圧を印加する。
銅製テープ203と支持体201との間に電圧を印加しないときのバックグラウンド電流値をI0(A)とし、直流電圧(直流成分)のみの電圧を−1V印加したときの電流値をI(A)とする。そして、下引き層202の膜厚d(cm)、下引き層202の表面側の電極(銅製テープ203)の面積をS(cm2)とするとき、下記式(3)
ρ=1/(I−I0)×S/d(Ω・cm) ・・・(3)
で表される値を下引き層202の体積抵抗率ρ(Ω・cm)とする。
この測定では、絶対値で1×10-6A以下という微小な電流量を測定するため、電流測定機器207としては、微小電流の測定が可能な機器を用いて行うことが好ましい。そのような機器としては、例えば、横河ヒューレットパッカード製のpAメーター(商品名:4140B)や、アジレントテクノロジー(株)製のハイレジスタンスメーター(商品名:4339B)が挙げられる。
なお、下引き層の体積抵抗率は、導電性支持体上に下引き層のみを形成したサンプルで測定してもよく、また、電子写真感光体から下引き層上の各層を剥離して、導電性支持体上に下引き層のみを残した構成で測定しても、同様の値を示す。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例1〜18のうち、実施例15〜18は参考例である。
<トナー用結着樹脂(a−1)の製造例>
・ビスフェールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 40.0mol部
・ビスフェールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加)60.0mol部
・テレフタル酸 60.0mol部
・無水トリメリット酸 20.0mol部
・アクリル酸 10.0mol部
上記ポリエステルモノマーの混合物70質量部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で撹拌する。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:90.0mol部、ブチルアクリレート:10.0mol部)30質量部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0mol部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してハイブリッド樹脂であるトナー用樹脂(a−1)を得た。得られた樹脂(a−1)の軟化点は110℃、Tgは58℃であった。
<有機無機複合微粒子(b−1)乃至(b−7)の製造例>
有機無機複合粒子は、WO 2013/063291の実施例の記載に従って製造することができる。
後述の実施例において用いる有機無機複合微粒子としては、表14に示すシリカを用いて、WO 2013/063291の実施例1に従って製造したものを用意した。得られた有機無機複合微粒子(b−1)乃至(b−7)は、いずれも樹脂粒子の表面に無機微粒子(シリカ)由来の凸部を有している。
<有機樹脂微粒子(b−8)の製造例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、シクロヘキシルメタクリレート80質量部、メチルメタクリレート20質量部、メチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部を仕込んだ。さらに、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を加えた。窒素雰囲気下、反応温度80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1質量部をさらに添加し、6時間重合反応行い、重合溶液を得た。
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計を備えた4つ口のセパラブルフラスコにヘキサン500質量部を仕込み、これに上記重合溶液を100.0質量部仕込み、95℃下の条件下において10時間加熱撹拌しながら脱溶剤を行った。得られた樹脂分散液を濾別して樹脂成分を得、樹脂成分は樹脂分を99.5%以上になるまで50℃で乾燥し、有機樹脂微粒子b−8を得た。
<無機微粒子(b−9)の製造例>
酸素ガスをバーナーに30Nm3/hで供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに50Nm3/hで供給して火炎を形成する。これに原料である四塩化ケイ素を100kg/hで投入しガス化させ、滞留時間を0.010secに設定し、火炎加水分解反応を行わせ、生成したシリカ粉末を回収する。その後、得られたシリカ粉末を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、700℃で加熱処理を施し焼結、凝集させることで合一微粒子を得た。
<無機微粒子(b−10)の製造例>
無機微粒子(b−10)は、湿式法で一般的なゾルゲル法により得た。
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えたガラス性反応器に、アルコール溶媒としてメタノール693.0g、水46.0gおよび5.4質量%アンモニア水溶液を55.3g添加し、メタノール,水,アンモニアの混合溶液を調製する。得られた混合溶液を反応温度45℃に調整し、反応温度を保ちながら撹拌し、テトラメトキシシランの滴下時間を8時間として滴下する。なお、アンモニア水はテトラメトキシシランよりも1時間早く滴下が終了するよう調整する。滴下終了後、1時間撹拌することで加水分解反応させ、ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール‐水分散液を得た。
次に、該分散液を75℃に加熱し、メタノールを1320g留去し、その後、1320gの水を加える。そして、該分散液を90℃に加熱してメタノールを532.4g留去することにより、ゾルゲルシリカ微粒子の水性分散液を得た。
該水性分散液にメチルイソブチルケトンを1584g添加した後、100℃/15時間でメタノールと水を留去した。
得られたゾルゲルシリカのメチルイソブチルケトン分散液を25℃まで冷却した後、表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを322g(SiO2単位1モルに対して0.24モル)添加し、110℃/5時間反応させることにより、表面処理を施す。
この分散液から溶媒を80℃で減圧留去することにより、無機微粒子(b−10)を得た。
<無機微粒子(b−11)の製造例>
無機微粒子(b−11)は、ヒュームド法により得られた原体BET100、一次粒子径25nmのシリカを用いた。
<有機樹脂微粒子(b−12)の製造例>
温度計、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中にイソプロピルアルコール286質量部を仕込み、スチレン810質量部、2−エチルヘキシルアクリレート120質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸70質量部、イソプロピルアルコール401質量部及び水2575質量部の混合懸濁溶液と、メチルエチルケトン755質量部、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)35質量部の混合溶液とを78℃で2時間かけて同時に滴下して重合した。更に、同一温度にて4時間熟成した後、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを蒸留除去した後、固液分離を行い、乾燥することで有機樹脂微粒子(b−12)を得た。
<トナー粒子(c−1)の製造例>
・トナー用結着樹脂(a−1) 100質量部
・磁性酸化鉄粒子 60質量部
(平均粒径0.13m、Hc=11.5kA/m、σs=88Am2/kg、σr=14Am2/kg)
・離型剤 フィッシャートロプッシュワックス(サゾール社製、C105、融点105℃) 2質量部
・荷電制御剤 (T−77:保土ヶ谷化学社製) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子(c−1)を得た。
次に、像担持体の具体的な製造方法について示す。
<像担持体(d−1)の製造例>
直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003)を導電性支持体とした。
次に、支持体上に導電層を形成した。導電層は金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)が被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子214質量部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325)132質量部、および、メタノール40質量部、1−メトキシ−2−プロパノール58質量部を、直径0.8mmのガラスビーズ450質量部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(モメンティブ社製、トスパール120)を分散液に添加し、更に、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(東レダウコーニング社製、SH28PA)を分散液に添加した。この分散液を撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30.2μmの導電層を形成した。
次に、下引き層塗布液として、下記式(Y−1)に示す電子輸送性化合物3.0質量部、結着樹脂として共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)3.5質量部をメタノール(キシダ化学(株)製、特級)25.0質量部、および、n−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)6.5質量部に混合し、撹拌して溶解させて下引き層塗布液を調製した。
下引き層塗布液を上記導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を20分間温度120℃で乾燥させることによって、膜厚が1.0μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10質量部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5質量部およびシクロヘキサノン250部を、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、分散処理時間:3時間の条件で分散処理を行い、次に、酢酸エチル250質量部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(9−1)示される化合物、及び下記式(9−2)で示される化合物をそれぞれ4部ずつ、及びビスフェノールZ型のポリカーボネート(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)の10質量部を、ジメトキシメタンの50質量部及びo−キシレンの50質量部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。この正孔輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間温度120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、導電性支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、正孔輸送層の順に積層した電子写真感光体を作成した。また、上記と同様に、導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、3.0×1015Ω・cmであった。
<像担持体(d−2)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−101)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H5)5.0質量部をジメチアセトアミド50質量部とメチルエチルケトン50質量部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、1.2×1015Ω・cmであった。
<像担持体(d−3)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−101)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H5)5.0質量部、樹脂として式(D25)0.5部をジメチアセトアミド50質量部とメチルエチルケトン50質量部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、1.0×1015Ω・cmであった。
<像担持体(d−4)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−117)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H1)5.5質量部、樹脂として式(D25)0.5質量部をTHF50質量部と1−メトキシ−2−プロパノール50質量部の混合溶媒に溶解し、撹拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、3.8×1014Ω・cmであった。
<像担持体(d−5)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−107)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H1)5.5質量部、をTHF50質量部と1−メトキシ−2−プロパノール50質量部の混合溶媒に溶解した。酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)5.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が1.3μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、4.1×1012Ω・cmであった。
<像担持体(d−6)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−107)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H1)5.5質量部、樹脂として式(D25)0.5質量部をTHF50質量部と1−メトキシ−2−プロパノール50質量部の混合溶媒に溶解した。酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)5.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、2.3×1012Ω・cmであった。
<像担持体(d−7)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:上記式(Y−1)に示す電子輸送化合物3.0質量部、結着樹脂としてN−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5質量部をメタノール(キシダ化学(株)製、特級)25.0質量部、および、n−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)6.5質量部に混合し、撹拌して溶解させて下引き層塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間100℃で加熱し、溶媒を蒸発させ、膜厚が1.1μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、6.5×1011Ω・cmであった。
<像担持体(d−8)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:式(A−107)に示す電子輸送化合物4.0質量部、架橋剤として式(B1:保護基H1)5.5質量部をTHF50質量部と1−メトキシ−2−プロパノール50質量部の混合溶媒に溶解した。更に、酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)9.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が1.4μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、7.2×1011Ω・cmであった。
<像担持体(d−9)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:結着樹脂として共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)4.5質量部をメタノール(キシダ化学(株)製、特級)25.0質量部、および、n−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)6.5質量部に混合し、撹拌して溶解させた。更に、酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)2.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間100℃で加熱し、溶媒を蒸発させ、膜厚が1.0μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、7.1×1012Ω・cmであった。
<像担持体(d−10)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:上記式(Y−1)に示す電子輸送化合物3.0質量部、結着樹脂としてN−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5質量部をメタノール(キシダ化学(株)製、特級)25.0質量部、および、n−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)6.5質量部に混合し、撹拌して溶解させた。更に、酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)5.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間100℃で加熱し、溶媒を蒸発させ、膜厚が1.3μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、4.5×1010Ω・cmであった。
<像担持体(d−11)の製造例>
像担持体d−1の作製において、下引き層の作製を以下のように変更した以外は、像担持体d−1と同様に作製した。
下引き層:結着樹脂としてN−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5質量部をメタノール(キシダ化学(株)製、特級)25.0質量部、および、n−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)6.5質量部に混合し、撹拌して溶解させた。更に、酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製)5.0質量部、直径0.8mmのガラスビーズ25質量部とを加えて混合液とした。この混合液を、ペイントシェーカーで16時間分散処理し、ガラスビーズを除去することによって下引き層塗布液とした。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間100℃で加熱し、溶媒を蒸発させ、膜厚が1.3μmの下引き層を形成した。
導電性支持体、導電層、下引き層の順に積層した状態で、下引き層の体積抵抗率を前述の方法で測定したところ、6.2×1010Ω・cmであった。
〔実施例1〕
・トナー粒子(c−1) 100質量部
・有機無機複合微粒子(b−1) 1.0質量部
・シリカ微粒子(ヒュームドシリカBET:200m2/g) 0.8質量部
上記をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM−75型)で混合し目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T−1)を得た。
得られたトナーの諸物性を表14に示す。なおトナー粒子のゼータ電位は−63mVであった。
本実施例において評価に用いるマシンは、市販の磁性一成分方式のプリンターHP LaserJet Enterprise600 M603dn(ヒューレットパッカード社製:プロセススピード350mm/s)を用いた。この評価機において、表15に示したように、トナーをトナー(T−1)に、像担持体を像担持体(d−4)に変更し、下記の評価を実施した。
<トナー飛び散り評価>
低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)において、4ドットの横ラインを176ドットスペースおきに印字した横ラインパターンの画像を、81.4g/m2のA4サイズの紙を使用し出力した。印刷モードは、2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計1000枚の画出し試験を実施し、トナー飛び散り評価を実施した。評価は1枚目(初期)と1000枚目(耐久後半)の画像を25倍のルーペを用い観察した。
飛び散りの判断基準を以下に示す。本発明においては、ランクC以上であることが好ましい。評価結果を表16に示す。
A:倍率25倍のルーペで観察した際、画像周辺の飛び散り発生がない。
B:倍率25倍のルーペで観察した際、画像周辺の飛び散り数合計が1個以上3個以下である。
C:倍率25倍のルーペで観察した際、画像周辺の飛び散り数合計が4個以上7個以下である。
D:倍率25倍のルーペで観察した際、画像周辺の飛び散り数合計が8個以上10個以下である。
E:倍率25倍のルーペで観察した際、画像周辺の飛び散り数合計が11個以上であり、目視でも飛び散りの発生箇所は1箇所以上ある。
<画像欠陥評価>
上記飛び散り評価と同様の方法で、20,000枚の耐久評価を行い、初期・1,000枚目・2,000枚目・5,000枚目・10,000枚目・20,000枚目にべた黒画像を通紙した。これら、べた黒画像を観察して、各画像について、発生している白ポチの個数を測定した。
6枚の画像上にある白ポチの総数から、以下の基準に従って、評価した。本発明においては、ランクC以上であることが好ましい。評価結果を表16に示す。
A:白ポチが発生せず
B:6枚のべた黒画像合計で1個の白ポチが発生
C:6枚のべた黒画像合計で2個以上4個以下の白ポチが発生
D:6枚のべた黒画像合計で5個以上の白ポチが発生
<ライン再現性評価>
低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)において、81.4g/m2のA4サイズの紙に、2ドットの横ラインを176ドットスペースおきに10本印字した。同様に、4ドットの横ラインを10本出力し、これらトータル20本のライン画像で、ライン再現性評価を実施した。評価は25倍のルーペを用い観察した。
ライン再現性の判断基準を以下に示す。本発明においては、ランクC以上であることが好ましい。評価結果を表16に示す。
A:すべてのライン画像が鮮明である。
B:2ドットのライン画像中1〜3本に乱れ有るが、4ドットライン画像は鮮明である。
C:2ドットのライン画像中4本以上に乱れ有るが、4ドットライン画像は鮮明である。
D:4ドットのライン画像中1〜3本に乱れ有る。
E:4ドットのライン画像中4本以上に乱れ有る。
<初期の画像濃度評価>
低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)において、81.4g/m2のA4サイズの紙に、べた黒画像を出力した。そして画像部の画像濃度をランダムに10点測定し、最その平均濃度を測定した。
画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、画像部の反射濃度を測定することにより測定した。
初期の画像濃度の判断基準を以下に示す。本発明においては、ランクB以上であることが好ましい。評価結果を表16に示す。
A:濃度平均値 1.40以上
B:濃度平均値 1.35以上1.40未満
C:濃度平均値 1.35未満
<実施例2〜18>
外添剤Aの種類と添加量を表14に記載のように変えた以外は実施例1と同様にして、トナー(T−2)〜(T−11)を作製した。得られたトナーの諸物性を表14に示す。
これらトナーと像担持体の種類を表15に記載のように変え、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表16に示す。
<比較例1〜6>
外添剤Aの種類と添加量、及び他の外添剤としてBET:200m2/gのヒュームドシリカの添加量を表14に記載ように変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー(T−12)〜(T−13)を作製した。得られたトナーの諸物性を表14に示す。
これらトナーと像担持体の種類を表15に記載のように変え、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表16に示す。