JP7098509B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などに用いられるトナーに関する。
近年の電子写真画像形成装置には、高精細、高品位、高画質の他に、さらなる高速、長期にわたる高信頼性、長寿命といった特性が求められている。特に、長寿命化においては、長期耐久使用においても品質が大きく変化しないことが重要であり、トナーにおいては様々な外添剤が提案されている。
中でも、長期に安定した流動性を維持することを目的に、大粒径の外添剤をトナー粒子に添加した提案が多数なされている。
例えば、特許文献1では、ゾルゲル法により形成されたシリカ粒子を添加することが提案されている。特許文献2では、抵抗率が低く帯電の立ち上がりの速い酸化チタンを大粒径の外添剤とともに外添することが提案されている。
特許第5724401 特開2017-138590号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなシリカ粒子は帯電の立ち上がりが遅く、下記に示すような段ムラに対し、問題が発生する場合がある。段ムラとは、特に高速機においてスリーブやドラムの偏心の影響やギアの振動の影響により発生する画像弊害である。具体的にはスリーブ一周の中でも摺擦が強く、帯電しやすい部分と摺擦が弱く、帯電が低い部分がありこれが、段ムラという形で画像に表れていた。段ムラは高速印刷時やハーフトーンなどの低濃度の画像においてより顕著に発生する可能性がある。よって、トナーとしては帯電の立ち上がりの速いものが求められるが、上述したシリカ粒子では十分な効果が得られない。
また、特許文献2にあっても更なる高速化のためには段ムラの改善の余地があった。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、耐久安定性を有しながら、高速印刷時においても低濃度画像の段ムラを抑制し高品位な画像を得ることのできるトナーを供給することを目的とする。
本発明は、トナー粒子と外添剤を含有するトナーであって
外添剤が外添剤Aと外添剤Bを含有し
外添剤Aの個数平均粒径が70nm以上250nm以下であり
該外添剤Aは、有機無機複合粒子であり、
外添剤Bのゼータ電位が-45.0m以上-10.0mV以下であり、
該外添剤Bは、粒子の表面に、下記式(1)で表される部分構造aを有する粒子であり、
CF 3 -Si-O 3/2 式(1)
X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される該外添剤Bの表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下であり、
印加電圧の周波数を1MHzとして測定される、該外添剤Aの体積抵抗率をTA、該外添剤Bの体積抵抗率をTBとしたときに、TAが5.0×103Ω・m以上9.0×103Ω・m以下であり、下式
4.70≦TA/TB≦10.00
を満たすことを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、高い耐久性を有し、高速印刷において低濃度画像の段ムラを改善したトナーを供給することが出来る。
本発明は、トナー粒子と外添剤を含有するトナーであって、
(1)該外添剤が外添剤Aと外添剤Bを含有し、
(2)該外添剤Aの個数平均粒径が70nm以上250nm以下であり、
(3)該外添剤Bのゼータ電位が-45.0mv以上-10.0mV以下であり、
(4)該外添剤Aの体積抵抗率をTA、該外添剤Bの体積抵抗率をTBとしたときに
TAが5.0×103Ω・m以上9.0×103Ω・m以下であり、下式
4.70≦TA/TB≦10.00
を満たすことを特徴とする。
本発明者らの検討によれば、本発明のトナーを用いることにより、高い耐久性を有し、高速印刷において低濃度画像の段ムラを改善したトナーを供給することが出来る。
先述の通り、耐久性向上のために大粒径の外添剤を添加することでトナーの帯電ムラが大きくなり、更なる高速印刷においては低濃度画像の段ムラが課題であった。これを改善するために抵抗率の低い外添剤を併用することで一定の効果がみられていたが更なる高速印刷においては十分ではなかった。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、こういった微小な帯電変化が生じるような状況であっても、安定した帯電特性を得るには外添剤の粒径、抵抗率、ゼータ電位等の特性を詳細に設計する必要があることが分かった。以下に詳細を記述する。
低抵抗率の外添剤は帯電の減衰が早い。一方で一般的に低抵抗率外添剤は高誘電率でもあり帯電の立ち上がりにも優れる。逆に高抵抗の外添剤は帯電の減衰が遅い反面帯電の立ち上がりも遅い。そのため高抵抗率外添剤と低抵抗率外添剤では電荷の発生や減衰の速度に差が発生する。この電荷の発生や減衰の速度の差により低抵抗体外添剤と高抵抗外添剤を近接させた際に分極という相互作用が発生し、分極発生時には高抵抗外添剤表面において電荷の変化が起こる。例えば、低抵抗率外添剤の電荷が減衰している際には、近接する高抵抗外添剤の表面は負の電荷が付与され帯電される。これは電子写真プロセスにおいてはスリーブ摺擦ムラにより摺擦の弱い部分が存在した際に電荷の付与が少なく濃度が薄い部分ができてしまうことになってしまうが、分極により高抵抗外添剤は電荷の減衰が抑えられトナーの帯電ムラが小さくなり段ムラを防ぐことが出来きる。
一方、低抵抗率外添剤に電荷が付与されている際には、近接する高抵抗外添剤の表面には分極により正の電荷が付与される。これは電子写真プロセスにおいてはスリーブ摺擦ムラにより摺擦が強く過剰に帯電が付与されている状況に関して、高抵抗率外添剤が過剰に帯電してしまうことを分極により防ぐことにより濃度が高く出すぎることを防ぐことが出来る。
上記効果が発現するためには具体的には、トナー粒子と外添剤を含有するトナーであって、該外添剤が外添剤Aと外添剤Bを含有することが重要である。ここで、外添剤Aは高抵抗外添剤、外添剤Bは低抵抗外添剤を表す。
該外添剤Aに関して、該外添剤Aの個数平均粒径が70nm以上250nm以下であることが重要である。該外添剤Aの粒径が70nm未満であると所望の耐久性を得ることが出来ない。250nmより大きいとトナー粒子への固着が困難となり画像濃度低下などの弊害が発生する。
また、該外添剤Aの体積抵抗率をTA、該外添剤Bの体積抵抗率をTBとしたときにTAが5.0×103Ω・m以上9.0×103Ω・m以下であり、4.70≦TA/TB≦10.00であることが重要である。TAが5.0×103Ω・m未満であると電荷の損失が大きく帯電性が低下し画像濃度が低下してしまう。9.0×103Ω・mより大きいとチャージアップが発生しやすくなり画像濃度が低下してしまう。
TA/TBは高抵抗外添剤と低抵抗外添剤の抵抗率の比を表しており、上記範囲において分極による電荷移動が発生する。TA/TBが4.70未満であると分極が発生せず帯電ムラ抑制効果がみられない。TA/TBが10.00より大きいということはTBが低いということを意味し、帯電時に該外添剤Bの帯電が過剰に減衰してしまい画像濃度が低下してしまう。
該外添剤Aは上記特性を満たす微粒子であればどのようなものでも構わないが、有機無機複合粒子であることが好ましい。有機成分、無機成分の比を振ることによりTAの制御が容易となる。
有機無機複合微粒子は、例えばWO 2013/063291の実施例の記載に従って以下のように製造することができる。後述の実施例中の外添剤A-1~A-5も下記製造によるものである。
オーバーヘッド撹拌モーター、凝縮器、および熱電対を装備された、250mLの四首丸底フラスコに、コロイド状シリカ分散液、蒸留水、およびメタクリルオキシプロピル-トリメトキシシランを投入した。温度を65℃に上昇させ、120rpmで撹拌した。窒素ガスをこの混合物に通して、30分泡立たせた。3時間後にエタノールを溶解させた2,2’-アゾビスイソブチロニトリルラジカル開始剤を加え温度を75℃に上昇させた。ラジカル重合を5時間進行させ、その後に1,1,1,3,3,3-ヘキサメチレルジシラザンをこの混合物に加えた。3時間反応させたのち、170メッシュの篩を通して濾過し、分散液を120℃で一晩乾燥させた。圧延機を用いて粉砕し有機無機複合粒子を得ることが出来る。有機無機複合粒子表面の有機成分と無機成分の比を制御するにはコロイド状シリカ分散液とメタクリルオキシプロピル-トリメトキシシランの投入量を変更することで制御が可能である。例えば、メタクリルオキシプロピル-トリメトキシシラン/コロイド状シリカ中に含まれるシリカ量比をMmps/MSiと定義すると、Mmps/MSiが小さくなると粒径は小さく、無機成分の比は大きくなる。また、使用するコロイド状シリカ(コロイダルシリカ)の粒径を変更することによりこれらを制御することが可能である。コロイド状シリカの粒径は10nm以上30nm以下が、得られる有機無機複合粒子の粒径、形状の観点から好ましい。
該外添剤Bに関して、該外添剤Bのゼータ電位が-45.0mv以上-10.0mV以下であることが重要である。
該外添剤Bのゼータ電位は上記範囲内であることが重要であり、この範囲において分極による段ムラの抑制が顕著である。該外添剤Bのゼータ電位が-45.0mV未満であるとチャージアップなどにより画像濃度が低下し、-10.0mVより大きいと分極による段ムラ抑制効果がみられない。
また、該外添剤Bの粒径は10nm以上80nm以下であることが好ましい。この範囲において分極効果大きくなる。
加えて、TBは9.0×102Ω・m以上1.5×103Ω・m以下であることが好ましい。この範囲において画像濃度と段ムラ抑制効果のバランスが良い。
該外添剤Bはチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、および酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの材料であるとTBが所望の範囲に制御できる。
この中で、チタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法としては、特に制限を受けないが、例えば、以下の方法で製造される。
一般的なチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法として、酸化チタンと炭酸ストロンチウムとの固相反応後、焼結する方法が挙げられる。この製造方法において採用される公知の反応は下記式によって表すことができる。
TiO2+SrCO3→SrTiO3+CO2
すなわち、酸化チタンと炭酸ストロンチウムを含む混合物を洗浄、乾燥後、焼結させて、機械粉砕、分級を行い、作製される。この時、原材料、及び焼成条件を調整することにより、チタン酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、および酸化チタンを含有する複合無機微粉体を得ることができる。原料である炭酸ストロンチウムは、SrCO3組成を有する物質であれば、特に制限されず、何れの市販のものも用いることができる。また、原料である酸化チタンは、TiO2組成を有する物質であれば特に制限されない。前記酸化チタンの例には、硫酸法によって得られたメタチタン酸スラリー(未乾燥の含水酸化チタン)、酸化チタン粉体、などが含まれる。前記焼結は、温度500℃以上1300℃以下で行うことが好ましく、更に好ましくは650℃以上1100℃以下である。焼成温度が1300℃以下であると、粒子間での焼結による2次凝集化が起こり難く粉砕工程における負荷を抑えられる。また、焼成温度が600℃以上であると、未反応成分を抑えられ、安定したチタン酸ストロンチウム微粒子の製造が可能となる。また、好ましい焼成時間は0.5時間以上16時間以下であり、更に好ましくは1時間以上5時間以下である。焼成時間が16時間以下であると同様に得られるチタン酸ストロンチウム粒子の2次凝集が起こり難く、焼成時間が0.5時間以上であると未反応成分が抑えられ、安定したチタン酸ストロンチウム微粒子の製造が可能となる。
一方、焼結工程を経ないチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法として、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成する方法がある。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5以上1.0以下とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、水酸化ナトリウムの如きアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃以上100℃以下が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3時間以上7時間以下であることが好ましい。
該外添剤Bは粒子の表面に、CF3-Si-O3/2で表される部分構造aを有する粒子であり、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される該外添剤Bの表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下であることが好ましい。このような構造を有することにおいて該外添剤Bのゼータ電位が上記範囲内に制御できる。
該外添剤Bの表面処理は該部分構造aを得るため、シランカップリング剤による表面被覆を用いることが出来る。シランカップリング剤として、フルオロアルキルシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤などを用いることが出来る。処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に該外添剤Bの基体を添加し、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方式や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と該外添剤Bの基体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方式などがあげられる。
該部分構造aの存在割合を制御するために、他のシランカップリング剤を組み合わせて処理を施す手法、シリコーンオイルなどの疎水化剤で表面被覆を行った後、処理する手法があげられる。複数種のシランカップリング剤を混合し撹拌することで、カップリング剤間の結合が進行し、該外添剤Bの表層をより島状に処理しやすくなるため、処理の方法として好ましい。
該外添剤Aと該外添剤Bの添加量に関して、該外添剤Aの含有量が該トナー粒子100質量部に対し0.2質量部以上5.0質量部以下であり、該外添剤Bの含有量が該外添剤Aの含有量の0.02倍以上1.00倍以下であることが好ましい。この範囲において画像濃度と段ムラ抑制効果の双方が高いレベルとなる。
このとき、該トナー粒子の体積抵抗率をTTとしたときにTTが2.0×103Ω・m以上5.0×103Ω・m以下であり、TT/TBが4.70未満であることが好ましい。該外添剤Aと該外添剤Bの相互作用がもっとも支配的ではあるが該トナー粒子表面と該外添剤Bも相互作用が発生する可能性がある。このとき、上記範囲であると該トナー粒子表面と該外添剤Bの間で分極による相互作用が発生せず段ムラ抑制効果がより大きくなる。
本発明のトナー粒子に用いられる結着樹脂について記載する。
結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることが出来る。
本発明のトナーは更に磁性体もしくは着色剤を含有してもよい。
磁性体としては以下のものを例示できる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物が挙げられる。
トナー粒子の体積抵抗率の制御のため添加量は結着樹脂100質量部に対して10質量部以上100質量部以下が好ましく、30質量部以上80質量部以下がさらに好ましい。
本発明に用いられる着色剤の例を以下に挙げる。
黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック,グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。
本発明のトナーには、その帯電性を安定化させるために荷電制御剤を用いても良い。荷電制御剤としては、本発明に用いられる結着樹脂の末端に存在する酸基あるいは水酸基と中心金属が相互作用し易い、有機金属錯体、キレート化合物が有効である。その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、例えば、粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、分散重合法等の公知の製造方法を用いることが出来る。
例えば、粉砕法で作製するには
i)トナーを構成する結着樹脂及び着色剤としての磁性体酸化鉄粒子、並びに必要に応じてワックス、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分に混合し、
ii)得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を分散又は溶解せしめ、
iii)冷却固化後、粉砕し、及び
iv)分級を行うことによって、本発明に係るトナー粒子を得ることが出来る。
またトナーの形状及び表面性の制御のために、粉砕あるいは分級後に、連続的に機械的衝撃力を加える表面処理装置内を通過させる表面処理工程を有することが好ましい。この表面処理工程の処理時間を制御することによりトナーの表面形状を制御し、トナーの付着力を制御することが可能である。
さらに所望の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明に係るトナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
表面改質装置としては、例えばファカルティー(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)が挙げられる。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
本発明のトナーは、該外添剤Aと該外添剤B以外の外添剤を含有してもよい。
好ましい他の外添剤としてはケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、以下のものを例示できる。AEROSIL130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84(以上、日本アエロジル社)Ca-O-SiLM-5、MS-7、MS-75、HS-5、EH-5(以上、CABOT Co.社)Wacker HDK N 20、V15、N20E、T30、T40(以上、WACKER-CHEMIE GMBH社)D-C Fine Silica(ダウコーニングCo.社)、Fransol(Fransil社)の商品名で市販されているものがあり、本発明ではこれらも好適に用いることができる。
<トナー粒子、外添剤の体積抵抗率の測定方法>
測定試料は25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナー粒子もしくは外添剤を直径24.0mm、厚さ5.0±1.0mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。成型の際の圧力は30Nで10分保持する。
誘電体測定システム(1260型+1296型 ソーラトロン製)を用いて印加電圧0.7Vで1MHで測定を行った。
<外添剤Bのゼータ電位の測定方法>
外添剤Bのゼータ電位はゼータサイザーNano-Zs(シスメックス(株)社製)を用いて測定を行った。
分散液として、非イオン性界面活性剤であるTritonX-100(キシダ化学(株)社製)を5.0質量%に希釈したTritonX-100水溶液9.9gに、外添剤Bを0.1gを加え、超音波分散機(日本理化学器械(株)社製)にて5分間分散させて、分散液を調製した。この分散液をスポイトにて、上記装置付属のDTS1060C-Clear Disposable Zeta Cellに気泡が入らないように入れる。このセルを測定器に装着し、25℃にてゼータ電位を測定した。この測定を行い、3回の算術平均値を本発明におけるゼータ電位とした。
<外添剤A、外添剤B及び他の外添剤の定量方法>
トナー粒子に複数の外添剤が外添されているトナーにおいて、各外添剤の含有量を測定する場合、トナー粒子から外添剤を取り除き、さらに、複数種の外添剤を単離・回収する必要がある。
具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー5gをサンプル瓶に入れ、メタノールを200ml加える。
(2)超音波洗浄機で5分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離す
る。または、磁性トナーの場合はネオジム磁石をサンプル瓶の底にあてて磁性トナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
(4)上記(2)、(3)を所望のサンプル量が得られるまで行う。
上記操作により、外添された外添剤はトナー粒子から単離される。この回収された水溶液を遠心分離器にかけ、各外添剤を比重ごとに分離、回収する。次いで、溶媒を除去し真空乾燥機で十分に乾燥させ質量を測定することで各外添剤の含有量を得ることができる。
<外添剤A、外添剤B及び他の外添剤の個数平均粒径の測定方法>
有機無機複合微粒子、チタン酸ストロンチウム及び他の外添剤の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。有機無機複合微粒子、チタン酸ストロンチウム及び他の外添剤が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤A、外添剤B及び他の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、外添剤A、外添剤B及び他の外添剤の大きさによって適宜調整する。
<有機無機複合微粒子表面における無機微粒子の被覆率の測定方法>
本発明における外添剤Aでは有機無機複合粒子を用いることが出来る。その際、有機無機複合粒子の無機微粒子存在率は、XPS(X線光電子分光分析)により測定される、有機無機複合微粒子表面に存在する無機微粒子がシリカの場合、シリカ由来のケイ素(以下、Siと省略する。)原子量から算出される。XPSはサンプル表面の深さ方向で数nm以下の領域の原子を検出する分析方法である。そのため有機無機複合微粒子の表面の原子を検出することが可能である。
サンプルホルダーとしては、装置付属の75mm角のプラテン(サンプル固定用の約1mm径のねじ穴が具備されている)を用いた。そのプラテンのネジ穴は貫通しているため、樹脂等で穴をふさぎ、深さ0.5mm程度の粉体測定用の凹部を作成する。その凹部に測定試料をスパチュラ等で詰め込み、すり切ることでサンプルを作製した。
XPSの装置及び測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al-Kα
X線条件:100μ25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件より測定を行った。
解析方法は、まず炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、100eV以上105eV以下にピークトップが検出されるケイ素2p軌道に由来するピーク面積から、アルバック-ファイ社提供の相対感度因子を用いることで、構成元素の総量に対するシリカに由来するSi量を算出する。
まず有機無機複合微粒子の測定を行う。また同様の方法で有機無機複合微粒子を作成する際に用いた無機成分の粒子を測定する。無機成分がシリカの場合は、シリカ粒子を測定した際のSi量に対する有機無機複合微粒子を測定した際のSi量の割合を本発明における有機無機複合微粒子表面における該無機微粒子の存在率とする。今回の測定ではシリカ粒子としては、製造例に記載しているゾルゲルシリカ粒子(個数平均粒子径120nm)を用いて算出を行った。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
<トナー粒子1の製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂:100質量部
・磁性酸化鉄粒子:60質量部
・フィッシャートロプッシュワックス(サゾール社製C105):2質量部
・荷電制御剤(保土谷化学社製、T-77):2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、2軸押出機(商品名:PCM-30、池貝鉄工所社製)を用いて、吐出口における溶融物温度が150℃になるように、温度を設定し、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、粉砕機(商品名:ターボミルT250、ターボ工業社製)を用いて微粉砕した。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径(D4)7.2μmのトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2、3の製造例>
使用する非晶性ポリエステル樹脂、磁性酸化鉄粒子、フィッシャートロプッシュワックス、荷電制御剤の量を表1の様に変更した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子2、3を得た。
Figure 0007098509000001
<外添剤A-1~A-5の製造例>
実施例において用いる外添剤A-1~A-5としては、WO 2013/063291の実施例1に従って製造したものを用意した。表2に物性を示す。
<外添剤A-6の製造例>
酸化ケイ素粒子をゾルゲル法にて製造して、得られた酸化ケイ素粒子100質量部に対してヘキサメチルシラザン10質量部で表面処理を行って、個数平均粒径が110nmの外添剤A-6を得た。表2に物性を示す。
Figure 0007098509000002
<外添剤B-1の製造例>
ステップS101:
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加え
pH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗
を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした
後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
ステップS102:
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiO2として1.88モルを採取し、3Lの反応
容器に投入した。
ステップS103:
該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.16モル添加し、S
rO/TiO2モル比が1.15となるようにした。
ステップS104:
TiO2濃度を1.039モル/Lに調整した。
ステップS105:
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液4
40mLを45分間かけて添加した。
ステップS106:
温度95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
ステップS107:
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分間撹拌
を続けた。
ステップS108:
得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾
燥した。
ステップS109:
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン(株)製 ノビルタ
NOB-130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/秒で10分
間処理を行った。
ステップS110:
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿を
デカンテーション洗浄した。
ステップS111:
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した。
ステップS112:
次に、固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%の
トリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後に添加し、10時間撹拌
保持を続けた。
ステップS113:
5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた。
ステップS114:
ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し外添剤B-1を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-2の製造例>
ステップS103において、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加し、SrO
/TiO2モル比が1.35となるようにしたこと、ステップS112において、「4.6質量%」のトリフロロプロピルトリメトキシシランの代わりに「6.9質量%」のトリフロロプロピルトリメトキシシランを用いたこと、以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-2を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-3の製造例>
ステップS109における処理時間を、「10分間」から「15分間」へ変更したこと、ステップS112において、「固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後に添加し、10時間撹拌保持」する代わりに「固形分に対して4.4質量%のイソブチルトリエトキシシランと4.0質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを3時間撹拌混合した後に添加し、8時間撹拌保持」したこと、以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-3を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-4の製造例>
ステップS104において、TiO2濃度を0.945モル/Lに調整した以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-4を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-5の製造例>
ステップS104において、TiO2濃度を0.938モル/Lに調整した以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-5を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-6の製造例>
ステップS112において、「固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後に添加し、10時間撹拌保持」する代わりに「固形分に対して、10.0質量%イソブチルトリメトキシシランを添加し、5時間撹拌保持」したこと、以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-6を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-7の製造例>
ステップS112において、「固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後に添加し、10時間撹拌保持」する代わりに「何も添加せず、1時間撹拌保持」したこと、以外は外添剤B-1の製造例と同様にして、外添剤B-7を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-8の製造例>
原料となる合成ルチル鉱を粉砕したものとコークスを混合し、温度1000℃付近に昇温した流動床塩化炉内に入れ、供給される塩素ガスと発熱反応を行って粗四塩化チタンを得た。得られた粗四塩化チタンから不純物を分離精製し、四塩化チタン水溶液を得た。この四塩化チタン水溶液を室温に保持しながら、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.0に調整してコロイド状の水酸化チタンを析出させ、引き続き65℃の温度で4時間熟成してルチル核を有するスラリー状の酸化チタン母粒子とした。このスラリーに硫酸を加えpH3とした後、固形分に対して5.5質量%のイソブチルトリメトキシシランと5.5質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを添加し、1時間かけて温度を60℃に昇温した。この後、濾過、洗浄して、得られた湿ケーキを温度120℃で一昼夜熱処理し、粉砕して外添剤B-8を得た。表3に物性を示す。
<外添剤B-9の製造例>
濃度0.92規定のNaOH水溶液を約90℃に保持し、40℃に加熱保持したTiCl4水溶液(TiCl4濃度0.485mol/l)と、予め未溶解分を除去し約95℃に加熱保持したBaCl2/NaOH水溶液(BaCl2濃度0.265mol/リットル、NaOH濃度2.73mol/リットル)とを、反応容器内に連続的に供給した。混合水溶液の温度を約90℃で一定としたあと、固形分に対して10.0質量%イソブチルトリメトキシシランを添加し、1時間撹拌保持して粒子状のチタン酸バリウムを生成した。熟成後、デカンテーションを行って上澄みと沈殿物を分離し洗浄して固体反応物を回収した。回収した固体反応物を大気雰囲気下において100℃で加熱することにより乾燥した。さらに900℃に30分加熱して外添剤B-9を得た。表3に物性を示す。
Figure 0007098509000003
<トナー1の製造例>
トナー粒子1を100.0質量部に対し、外添剤A-1を1.0質量部、外添剤B-1を0.1質量部、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(一次粒子の個数平均粒子径:10nm)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーで3200rpmで2分間混合し、トナー1を得た。トナー1の物性を表4に示す。
<トナー2~21の製造例>
使用するトナー粒子と外添剤Aの種類と添加量、外添剤Bの種類と添加量、及び疎水性シリカ微粉体の添加量を表3の様に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー2~21を得た。得られたトナー2~21の物性を表4に示す。
Figure 0007098509000004
〔実施例1〕
トナー1を以下の様に、高速印刷における評価を行った。評価結果を表5に示す。
<トナーの耐久性の評価>
HP LaserJet Enterprise M609dnをプロセススピードを410mm/secに改造して使用した。
トナー1を所定のプロセスカートリッジに400g充填した。高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)に24時間放置したのち、評価を行った。
上記装置を用い、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計10000枚の画出し試験を実施した。10000枚目での画像濃度を測定し、同時に画像不良の発生の有無を確認した。画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm丸のベタ黒画像の反射濃度を測定した。
A:1.30以上
B:1.20以上1.30未満
C:1.10以上1.20未満
D:1.00以上1.10未満
E:1.00未満
<トナーのハーフトーン段ムラの評価>
HP LaserJet Enterprise M609dnをプロセススピードを410mm/secに改造して使用した。
トナー1を所定のプロセスカートリッジに400g充填した。低温低湿環境下(15.0℃,10%RH)に24時間放置したのち、評価を行った。
上記装置を用い、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計100枚の画出しを行った後、トナーの載り量を0.20mg/cm2としたハーフトーン画像を出力し反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、画像の反射濃度を紙の長手方向に3cm刻みに測定した。得られた濃度の最大値と最小値の差を段ムラの指標とした。
A:濃度の最大値と最小値の差が0.04未満
B:濃度の最大値と最小値の差が0.04以上0.07未満
C:濃度の最大値と最小値の差が0.07以上0.10未満
D:濃度の最大値と最小値の差が0.10以上0.13未満
E:濃度の最大値と最小値の差が0.13以上
<トナーの現像性の評価>
HP LaserJet Enterprise M609dnをプロセススピードを410mm/secに改造して使用した。
トナー1を所定のプロセスカートリッジに400g充填した。高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)に24時間放置したのち、評価を行った。
上記装置を用い、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計100枚の画出し試験を実施した。100枚目での画像濃度を測定し、同時に画像不良の発生の有無を確認した。画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm丸のベタ黒画像の反射濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.30以上1.40未満
C:1.20以上1.30未満
D:1.10以上1.20未満
E:1.10未満
〔実施例2~17〕
トナー2~17を実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例1~4〕
トナー18~21を実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 0007098509000005

Claims (6)

  1. トナー粒子と外添剤を含有するトナーであって
    外添剤が外添剤Aと外添剤Bを含有し
    外添剤Aの個数平均粒径が70nm以上250nm以下であり
    該外添剤Aは、有機無機複合粒子であり、
    外添剤Bのゼータ電位が-45.0m以上-10.0mV以下であり、
    該外添剤Bは、粒子の表面に、下記式(1)で表される部分構造aを有する粒子であり、
    CF 3 -Si-O 3/2 式(1)
    X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される該外添剤Bの表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下であり、
    印加電圧の周波数を1MHzとして測定される、該外添剤Aの体積抵抗率をTA、該外添剤Bの体積抵抗率をTBとしたときに、TAが5.0×103Ω・m以上9.0×103Ω・m以下であり、下式
    4.70≦TA/TB≦10.00
    を満たすことを特徴とするトナー。
  2. 印加電圧の周波数を1MHzとして測定される、該トナー粒子の体積抵抗率をTTとしたときに、TTが2.0×103Ω・m以上5.0×103Ω・m以下であり、TT/TBが4.70未満である請求項1に記載のトナー。
  3. 該外添剤Bの粒径が10nm以上80nm以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該外添剤Aの含有量が該トナー粒子100質量部に対し0.2質量部以上5.0質量部以下であり、該外添剤Bの含有量が該外添剤Aの含有量の0.02倍以上1.00倍以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. TBが9.0×102Ω・m以上1.5×103Ω・m以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 該外添剤Bはチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー。
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