JP2016139064A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂、着色剤、ワックス、有機無機複合微粒子および無機微粒子Aを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、分散された樹脂粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程と、該凝集粒子を融合させる工程により得られる融合粒子を含有するトナー粒子であり、
該無機微粒子Aは個数平均粒径Daが60nm以上300nm以下であり、
該有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子に無機微粒子Bが埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm以上350nm以下であり、該有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Bに由来する凸部が複数存在し、
該無機微粒子Aによる該トナーの表面被覆率をCa(%)、該有機無機複合微粒子による該トナーの表面被覆率をCb(%)としたとき、
5≦Ca、かつ15≦Cb、かつ20≦Ca+Cb≦90であり、
該無機微粒子Aによる該トナー粒子の表面被覆率の変動係数が0.45以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
該トナー粒子は、分散された樹脂粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程と、該凝集粒子を融合させる工程により得られる融合粒子を含有するトナー粒子であり、
該無機微粒子Aは個数平均粒径Daが60nm以上300nm以下であり、
該有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子に無機微粒子Bが埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm以上350nm以下であり、該有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Bに由来する凸部が複数存在し、
該無機微粒子Aによる該トナーの表面被覆率をCa(%)、該有機無機複合微粒子による該トナーの表面被覆率をCb(%)としたとき、
5≦Ca、かつ15≦Cb、かつ20≦Ca+Cb≦90であり、
該無機微粒子Aによる該トナー粒子の表面被覆率の変動係数が0.45以下であることを特徴とするトナーに関する。
該トナー粒子は、分散された樹脂粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程と、該凝集粒子を融合させる工程により得られる融合粒子を含有するトナー粒子であり、
該無機微粒子Aは個数平均粒径Daが60nm以上300nm以下であり、
該有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子に無機微粒子Bが埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm以上350nm以下であり、該有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Bに由来する凸部が複数存在し、
該無機微粒子Aによる該トナー粒子の表面被覆率をCa(%)、該有機無機複合微粒子による該トナーの表面被覆率をCb(%)としたとき、
5≦Ca、かつ15≦Cb、かつ20≦Ca+Cb≦90であり、
該無機微粒子Aによる該トナー粒子の表面被覆率の変動係数が0.45以下であることを特徴とする。
本発明のトナーは個数平均粒径Daが60nm以上300nm以下の無機微粒子Aを含むことを特徴とする。該無機微粒子Aの個数平均粒径Daが60nm未満であるとスペーサー効果が弱まることで耐久後の転写性が低下する。個数平均粒径Daが300nmを超えるとトナーから該無機微粒子Aが離脱しやすくなり、帯電性が低下する。
本発明のトナーは、樹脂微粒子に無機微粒子Bが埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Bに由来する凸部が複数存在する有機無機複合微粒子を含むことが必要である。
樹脂粒子分散液は、例えば、以下のようにして調製される。即ち、前記樹脂粒子における樹脂が、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等行うことにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
凝集粒子を形成する凝集工程は、結着樹脂粒子、着色剤粒子、及び必要に応じてワックス粒子等を少なくとも含む水系媒体中で、結着樹脂粒子、着色剤粒子、及びワックス粒子等を含む凝集粒子を形成する工程である。
融合工程は、得られた凝集粒子を加熱して融着する工程である。融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、前記pH調整剤、前記極性界面活性剤、前記非極性界面活性剤等を適宜投入することができる。
得られたトナー粒子について、前述した無機微粒子A、有機無機複合微粒子を含む外添剤を添加することによってトナーを得ることができる。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
<1.樹脂の酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は以下の方法により測定する。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定する。具体的には、以下の手順に従う。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、脱イオン水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mlの脱イオン水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ内に充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得る。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
外添剤微粒子の個数平均粒径の測定は、日立超高分解能電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM)S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いて行う。
無機微粒子A、有機無機複合微粒子の被覆率は以下の手法で算出する。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に「1.」で得られたトナー粒子を吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナー粒子を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
被覆率の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率を精度良く測定することが出来る。
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を10000(10k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。撮影するトナー粒子については、トナー粒子の最大長Lが、0.8×D4≦L≦1.2×D4の範囲にあるトナー粒子を選択する。これは、体積平均粒径に近い平均的なトナー粒子を用いることを目的としている。
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー粒子100粒子以上について画像を得る。
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を画像処理することで表面被覆率を算出する。
ソフトImage−ProPlus5.1J
被覆率(%)=(P/S)×100)
有機無機複合微粒子は、WO2013/063291の実施例の記載にしたがって製造することができる。
無機微粒子A1の製造には、燃焼炉は、内炎と外炎が形成できる二重管構造の炭化水素−酸素混合型バーナーを用いた。バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが接地され、原料の珪素化合物が導入される。二流体ノズルの周囲から炭化水素−酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎及び外炎を形成する。可燃性ガスと酸素の量及び流量の制御により、雰囲気と温度、火炎の長さ等が調整される。火炎中において珪素化合物からシリカ微粒子が形成され、さらに所望の粒径になるまで融着させる。その後、冷却後、バグフィルター等により捕集することによって得られる。
撹拌機、滴下ロート及び温度計を有するガラス製反応器に、アルコール溶媒としてメタノールを693.0g、水を46.0g、及び28質量%のアンモニア水を55.3g添加して、メタノール、水及びアンモニアの混合溶液を作製した。
無機微粒子A2の製造例において、反応温度および滴下時間を変更することによって個数平均粒径の異なる無機微粒子A3乃至A8を得た。個数平均粒径について表2にまとめる。
撹拌器、温度計、流出用冷却機を備えた反応装置にプロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)20質量部、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(3モル付加物)80質量部、テレフタル酸20質量部、イソフタル酸20質量部およびテトラブトキシチタン0.50質量部を入れ、190℃でエステル化反応を行った。その後、無水トリメリット酸(TMA)1質量部を加え、220℃に昇温すると共に系内を徐々に減圧し、150Paで重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1の酸価は12mg/KOH、軟化点は110℃であった。
・ポリエステル樹脂1 200質量部
・イオン交換水 500質量部
上記材料をステンレス製の容器に入れ、温浴下95℃まで加熱溶融し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて7800rpmで十分撹拌しながら、0.1N炭酸水素ナトリウムを加えpHを7.0よりも大きくする。その後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3質量部とイオン交換水297質量部の混合溶液を徐々に滴下し乳化分散することでポリエステル樹脂粒子分散液1を得た。このポリエステル樹脂粒子分散液1の粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれるポリエステル樹脂粒子分散液1の個数平均粒径は、0.25μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・イオン交換水 500質量部
・ワックス(炭化水素ワックス;吸熱ピークが最大となる温度77℃) 250質量部
上記材料をステンレス製の容器に入れ、温浴下95℃まで加熱溶融し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて7800rpmで十分撹拌しながら、0.1N炭酸水素ナトリウムを加えpHを7.0よりも大きくする。その後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5質量部とイオン交換水245質量部の混合溶液を徐々に滴下し乳化分散を行った。このワックス粒子分散液に含まれるワックス粒子の粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれるワックス粒子の個数平均粒径は、0.35μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・C.I.ピグメントブルー15:3 100質量部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5質量部
・イオン交換水 400質量部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤粒子分散液に含まれる着色剤粒子の粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の個数平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・ポリエステル樹脂粒子分散液1 500質量部
・着色剤粒子分散液 50質量部
・ワックス粒子分散液 50質量部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5質量部
反応器(容積1リットルフラスコ、バッフル付きアンカー翼)にポリエステル樹脂粒子分散液1、ワックス粒子分散液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを仕込み、均一に混合する。一方、500mLビーカーに着色剤粒子分散液を均一に混合しておき、これを撹拌しながら反応器に徐々に添加し混合分散液を得る。得られた混合分散液を撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.5質量部、滴下し凝集粒子を形成させた。
このトナー粒子1 100質量部と、無機微粒子A1 4.5質量部と、有機無機複合微粒子1 2.5質量部とを混合し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)に投入した。回転数30s−1、混合時間10minの条件で混合して、トナー1を得た。トナー1は、平均円形度が0.960、重量平均粒径(D4)が5.7μmであった。無機微粒子A1によるトナーの表面被覆率Caは18%、変動係数は0.35、有機無機複合微粒子1によるトナーの表面被覆率Cbは33%であった。表3に物性を示す。
トナー製造例1の外添工程において、外添する無機微粒子と有機無機複合微粒子を表3に記載のものに変更するほかは同様にしてトナー2乃至23を得た。物性を表3に示す。
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、トナーを表4のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2乃至23を得た。
得られた二成分系現像剤1乃至23を用いて、以下の評価を行った。結果を表5に示す。
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255改造機を用いた。上記二成分系現像剤を、画像形成装置のシアン用現像器に入れて後述の評価を行った。 改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。
A:非常に良好(濃度差0.05未満)
B:良好(濃度差0.05以上0.1未満)
C:普通(濃度差0.1以上0.2未満)
D:悪い(濃度差0.2以上)(本発明では許容できないレベル)
評価紙に印字比率100%のベタ画像を印刷することによって画像評価を行った。トナー表面の外添剤が埋め込まれスペーサー効果が低下するとトナーの付着性が増大し画像ムラとなって現れる。
A:画像に全くムラが見られない。
B:画像にムラがほとんどない。
C:画像にムラがいくつか見られる。
D:画像に白抜けしている部分がある。(本発明では許容できないレベル)
(耐久前後での帯電安定性)
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255改造機を用いた。上記二成分系現像剤を、画像形成装置のシアン用現像器に入れて後述の評価を行った。 改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。
摩擦帯電量(mC/kg)=Q/(W1−W2)
A:初期と5万枚後の摩擦帯電量差が、5未満(非常に良好)
B:初期と5万枚後の摩擦帯電量差が、5以上10未満(良好)
C:初期と5万枚後の摩擦帯電量差が、10以上15未満(本発明において許容レベル)
D:初期と5万枚後の摩擦帯電量差が、15以上(本発明では許容できないレベル)
上記高温高湿環境における耐久試験後の評価をした後、剤をサンプリングし、高温高湿環境下で120時間放置したのち、同様に帯電量を測定し放置前後で比較した。
A:120時間放置前後の帯電量差が、5未満(非常に良好)
B:120時間放置前後の帯電量差が、5以上10未満(良好)
C:120時間放置前後の帯電量差が、10以上15未満(本発明において許容レベル)
D:120時間放置前後の帯電量差が、15以上(本発明では許容できないレベル)
Claims (2)
- 結着樹脂、着色剤、ワックス、有機無機複合微粒子および無機微粒子Aを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、分散された樹脂粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程と、該凝集粒子を融合させる工程により得られる融合粒子を含有するトナー粒子であり、
該無機微粒子Aは個数平均粒径Daが60nm以上300nm以下であり、
該有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子に無機微粒子Bが埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm以上350nm以下であり、該有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Bに由来する凸部が複数存在し、
該無機微粒子Aによる該トナーの表面被覆率をCa(%)、該有機無機複合微粒子による該トナーの表面被覆率をCb(%)としたとき、
5≦Ca、かつ15≦Cb、かつ20≦Ca+Cb≦90であり、
該無機微粒子Aによる該トナー粒子の表面被覆率の変動係数が0.45以下であることを特徴とするトナー。 - 該無機微粒子Aのトナー粒子100質量部に対する質量部数をWa、該有機無機複合微粒子のトナー粒子100質量部に対する質量部数をWbとしたとき、Wa≧Wbであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
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