JP2018141875A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、かつ、低印字比率の画像を長時間印刷する場合においても、画像濃度及び画像均一性の低下が少なく、環境安定性に優れたトナーを提供すること。【解決手段】トナー粒子及びチタン酸金属粒子を含有するトナーであって、トナー粒子の表面におけるチタン酸金属粒子の個数基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、小粒子側からの累積値が50個数%となる粒径をD50とし、小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、D50が10nm以上90nm以下であり、D90のD10に対する比(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが2.00以上10.00以下であり、トナーの粘弾性測定において40℃における貯蔵弾性率G’の値が1.0×107Pa以上1.0×1010Pa以下であることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、及びトナージェット方式に用いられるトナーに関する。
複写機及びプリンターが広く普及するに従い、トナーに要求される性能もより高度になっている。近年では、省エネルギー性に加え、プリントオンデマンド(POD)と呼ばれる、製版工程を経ずに直接印刷するデジタル印刷技術が注目されている。
このプリントオンデマンド(POD)は、小ロット印刷、1枚毎に内容を変えた印刷(バリアブル印刷)、分散印刷にも対応していけることから、従来のオフセット印刷に対してアドバンテージがある。トナーを用いた画像形成方法のPOD市場への適用を考えた場合、長時間にわたり高速で且つ、多量に出力する場合であっても高品質な画質のプリント成果物を安定的に得ることが求められる。
長時間にわたり高速で且つ、多量に出力する場合であっても高品質な画質のプリント成果物を得るためには、帯電性、転写性、及び現像剤の流動性の変化が少ないトナーが強く求められている。
これらの特性が変化する要因としては、長時間の印刷によりトナー粒子表面の外添剤が埋め込まれることや、複写機本体内の温湿度が変化することによるトナーの特性変化などが挙げられる。そこで、長時間の印刷によってもトナー粒子に埋め込まれにくく、さらに温湿度による特性変化の少ない外添剤が求められている。
そこで、外添剤として従来広く用いられてきたシリカ粒子とは異なる組成をもつ外添剤が種々検討されている。特にチタン酸ストロンチウム粒子は、結晶構造、形状、帯電特性がシリカ粒子とは大きく異なるため注目されている材料である。
特許文献1では、立方体又は直方体形状を有し、SrO/TiO(モル比)が0.80以上0.95未満であり、一次粒子の粒度分布が狭いチタン酸ストロンチウム微粒子を外添剤として含むトナーの提案がなされている。
また、特許文献2では、チタン化合物の加水分解物とストロンチウム化合物とを、過酸化水素の存在下で湿式反応させることを特徴とする、平均粒子径0.1μm以上のチタン酸ストロンチウム化合物の製造方法が開示されている。
特開2015−137208号公報 特開平5−58633号公報
特許文献1で提案されたチタン酸ストロンチウム粒子をトナーの外添剤として使用した場合、初期の帯電性、転写性、及び環境安定性は良好であるが、長時間の印刷後において、帯電性及び転写性の低下に起因した画像濃度及び画像均一性の低下が生じることがあった。また、加えて環境安定性が低下することがあった。特に、低印字比率の画像を印刷する場合においてその傾向が顕著であった。
本発明は、該課題を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、低温定着性に優れ、かつ、低印字比率の画像を長時間印刷する場合においても、画像濃度及び画像均一性の低下が少なく、環境安定性に優れたトナーを提供するものである。
本発明は、
トナー粒子及びチタン酸金属粒子を含有するトナーであって、
該トナー粒子の表面における該チタン酸金属粒子の個数基準での粒度分布において、
小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、
小粒子側からの累積値が50個数%となる粒径をD50とし、
小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、
該D50が、10nm以上90nm以下であり、
該D90の該D10に対する比(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが、2.00以上10.00以下であり、
該トナーの粘弾性測定において、40℃における貯蔵弾性率G’の値が、1.0×10Pa以上1.0×1010Pa以下であることを特徴とするトナーである。
本発明によれば、低温定着性に優れ、かつ、低印字比率の画像を長時間印刷する場合においても、画像濃度及び画像の均一性の低下が少なく、環境安定性に優れたトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明のトナーは、トナー粒子及びチタン酸金属粒子を含有するトナーであって、
該トナー粒子の表面における該チタン酸金属粒子の個数基準での粒度分布において、
小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、
小粒子側からの累積値が50個数%となる粒径をD50とし、
小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、
該D50が、10nm以上90nm以下であり、
該D90の該D10に対する比(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが、2.00以上10.00以下であり、
該トナーの粘弾性測定において、40℃における貯蔵弾性率G’の値が、1.0×10Pa以上1.0×1010Pa以下であることを特徴とする。
本開示のトナーが、上記課題を解決するに至った理由を、本発明者らは以下のように推測している。
特許文献1に記載されたチタン酸ストロンチウム粒子は、シリカ粒子と比較して、帯電性、転写性、及び環境特性の変化が少ない。特に一次粒子の粒径が90nm以下であるとその傾向が顕著であり、近年のPOD印刷に求められるトナーの特性を満たすために有効な材料である。
しかしながら、長時間にわたり印刷をした場合、トナーに強いストレスがかかり、外添したチタン酸ストロンチウム粒子がトナー粒子表面に埋め込まれ、初期の特性を維持することが困難となる。その結果、トナーの特性が使用開始時に比べ低下する。この傾向は低印字比率で印刷を行う際に顕著である。
近年、省エネルギーの観点からトナーの粘度は低く設計される傾向にあり、チタン酸金属粒子が長時間の印刷によって従来よりも埋め込まれやすい傾向にある。
トナーに強いストレスがかかった場合においても、トナーの耐久性を高めるには、外添剤であるチタン酸金属粒子のトナー粒子表面への埋め込みを抑制することが必要である。
本発明のトナーに用いられるチタン酸金属粒子は、従来トナーに用いられてきたチタン酸金属粒子と比較して、個数基準の粒度分布が広いことに特徴を有する。
本発明において、「粒度分布」の記載は、特に断りのない限り、個数基準での粒度分布
を意味する。
該粒度分布が狭い場合、トナー粒子の表面からのチタン酸金属粒子の高さがほぼ同じになる。そのため、現像器内などでトナーがストレスを受けた場合、トナー粒子表面上のチタン酸金属粒子はどれも同じように負荷を受けるため、各チタン酸金属粒子が同程度の速度でトナー粒子に埋め込まれる。
そのため、ある一定時間が経過すると全てのチタン酸粒子が帯電性及び転写性に係る効果を発現できなくなる深さまで埋め込まれてしまい、長時間印刷後の帯電性及び転写性が低下する。
一方、粒度分布が広い場合は、トナー粒子表面のチタン酸金属粒子の高さもばらついた状態になる。印刷初期においては、より高い側(より大粒径側)のチタン酸金属粒子のみがストレスを受け止め、高さの低い側(小粒径側)の粒子はストレスを受けずに存在できる。
つまり、長時間の印刷過程において、チタン酸金属粒子がトナー粒子に埋め込まれるタイミングに差が生じるため、長期間にわたって帯電性及び転写性に係る効果を維持することができ、画像濃度及び画像均一性の低下を抑制することができる。
一方、トナーの粘弾性測定において、40℃における貯蔵弾性率G’の値は、1.0×10Pa以上1.0×1010Pa以下である。また、貯蔵弾性率G’の値は、5.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であることが好ましい。
本発明者らの検討によると、トナー粒子表面のチタン酸金属粒子のトナー粒子中への埋め込まれやすさと、トナーの常温から40℃付近における貯蔵弾性率G’の値とに相関関係があることが判明した。
これは、長時間の印刷において、現像器内の温度が40℃程度まで昇温することと、トナー粒子表面のチタン酸金属粒子が外部からストレスを受けた際にトナーの有する弾性による復元力の大きさとが対応するためではないかと推測している。
該貯蔵弾性率G’の値が上記範囲である場合、トナー粒子は優れた低温定着性を発揮しつつも、広い粒度分布を有するチタン酸金属粒子により、長時間の印刷後でも帯電性を維持することが可能となる。
該貯蔵弾性率G’の値が1.0×10Pa未満である場合、トナー粒子の弾性が低いため、チタン酸金属粒子の粒度分布が広くても急速にチタン酸金属粒子が埋め込まれてしまう。その結果、長時間の印刷において、該チタン酸金属粒子の埋め込みが抑制されず、帯電性及び転写性が低下し、その結果、画像濃度及び画像均一性が低下する。
一方、該貯蔵弾性率G’の値が1.0×1010Paを超える場合、チタン酸金属粒子の埋め込みは発生しないものの、低温定着性が低下する。
該貯蔵弾性率G’の値を上記範囲に制御するための因子としては、例えば、結着樹脂の種類、ガラス転移温度(Tg)及び軟化点(Tm);ワックスの融点及び含有量;並びに、トナー粒子表面に存在する外添剤の種類及び含有量などが挙げられる。これらを、適宜調整することにより、貯蔵弾性率G’の値を上記範囲に制御することができる。
また、トナーの粘弾性測定において、損失正接(tanδ)の値が、40.0℃以上80.0℃以下の範囲にピークを有することが好ましく、45.0℃以上75.0℃以下の範囲にピークを有することがより好ましく、45.0℃以上70.0℃以下の範囲にピークを有することがより好ましい。
損失正接(tanδ)の値が上記温度範囲にピークを有する場合、低温定着性と耐熱保存性の両立したトナーとすることができる。
該損失正接(tanδ)の値は、例えば、結着樹脂の種類、ガラス転移温度(Tg)及び軟化点(Tm);ワックスの融点及び含有量;並びに、トナー粒子表面に存在する外添剤の種類及び含有量などにより、上記範囲にピークを有するように調整することができる。
該チタン酸金属粒子は、3元系の組成を有し、トナーの外添剤に使用されるシリカ粒子にはない結晶構造をとり、帯電性に優れる。特に低湿環境下において、過剰な帯電をリークさせる抵抗特性をもち、帯電性を環境によらず安定化させることができる。
該チタン酸金属粒子としては、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、チタン酸マグネシウム粒子などのチタン酸アルカリ土類金属粒子;チタン酸カリウム粒子などのチタン酸アルカリ金属粒子が挙げられる。
これらのうち、帯電性が各種環境下において安定している点から、ペロブスカイト結晶構造を有する、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、及びチタン酸マグネシウム粒子が好ましく、より好ましくはチタン酸ストロンチウム粒子である。
ここで、トナー粒子の表面における該チタン酸金属粒子の個数基準での粒度分布において、小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし小粒子側からの累積値が50個数%となる粒径をD50とし、小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90と定義する。
チタン酸金属粒子は、該D50が、10nm以上90nm以下である。また、該D50は、25nm以上80nm以下であることが好ましい。
先述したようにチタン酸金属粒子のトナー粒子表面からの高さにばらつきがあることが重要であるため、チタン酸金属粒子の粒度分布は一次粒子ではなく凝集体も含む二次粒子を基準に計算する。
D50が上記範囲にあるとき、帯電性や環境安定性を効果的に発揮することができる。
D50が10nm未満である場合、チタン酸金属粒子の取り扱いが難しく、トナー化することが容易ではない。
D50が90nmを超える場合、粒子1個あたりの比表面積が減少するため、低湿環境下において過剰な帯電をリークさせるための面積が低下する。そのため、帯電性、及び環境安定性が低下する。
チタン酸金属粒子は、該D90の該D10に対する比(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが、2.00以上10.00以下である。また、該(D90/D10)は、2.00以上5.00以下であることが好ましく、2.20以上3.00以下であることがより好ましい。
(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが2.00未満である場合、トナー粒子の表面からのチタン酸金属粒子の高さがほぼ同じになり、長時間の印刷後において、帯電性及び転写性の低下に起因した画像濃度及び画像均一性の低下が生じ、加えて環境安定性が低下する。
粒度分布指標Aが10.0を超える場合、詳細な理由は不明であるが、やはり帯電性及び環境安定性が低下する。
また、該D90の該D50に対する比(D90/D50)で表される粒度分布指標Bは、1.50以上5.00以下であることが好ましく、1.50以上3.50以下であることがより好ましい。粒度分布指標Bの数値が大きい場合、大粒径側の粒度分布がより広いことを示している。
粒度分布指標Bが上記範囲にある場合、高温高湿環境下における帯電性及び環境安定性がより向上する。
該D50、粒度分布指標A及び粒度分布指標Bを制御する因子としては、チタン酸金属粒子の製造時における一次粒子径及び粒度分布、表面処理剤の種類及び添加量、並びに外添条件などが挙げられる。
トナー粒子の表面におけるチタン酸金属粒子の平均円形度は、0.650以上0.900以下であることが好ましく、0.700以上0.850以下であることがより好ましい

また、該チタン酸金属粒子の円形度分布において、円形度が0.90以上の粒子の割合が15%以下(より好ましくは12%以下)、かつ、円形度が0.60以下の粒子の割合が10%以下(より好ましくは8%以下)であることが好ましい。
チタン酸金属粒子の平均円形度及び円形度分布が上記範囲内である場合、長時間にわたり印刷された後の外添剤の埋め込みがさらに抑制できる。
該平均円形度が0.650未満である場合や、円形度が0.60以下の粒子の割合が10%を超える場合、チタン酸金属粒子の形状において、不定形の割合が多いことを示している。この場合、トナー粒子の表面におけるチタン酸金属粒子の分散性が低下する傾向にある。
一方、平均円形度が0.900を超える場合、チタン酸金属粒子の形状において、球形の割合が多いことを示している。形状が球形に近づくと、長時間の印刷時においてチタン酸金属粒子が受けるストレスや荷重をトナー粒子の小さい面積で受けることになるため、外添剤が埋め込まれやすくなる傾向にある。
該チタン酸金属粒子の平均円形度及び円形度分布は、例えば、後述する常圧加熱反応法によってチタン酸金属粒子を製造する際の酸化チタン源とチタン以外の金属源との混合比率、アルカリ水溶液添加時の反応温度、反応時間などにより上記範囲に調整することができる。
なお、チタン酸金属粒子の平均円形度及び円形度分布は一次粒子ではなく凝集体も含む二次粒子を基準に算出する。
トナー粒子表面のチタン酸金属粒子による被覆率は、2%以上であることが好ましい。
該被覆率が2%以上である場合、長時間の印刷後における、帯電性の維持及び環境安定性の効果が発現しやすくなる。また、トナー粒子からチタン酸金属粒子が脱離した際の画像不良を抑制する観点から、該被覆率は、2%以上40%以下であることがより好ましい。
該被覆率は、例えば、トナー粒子に対するチタン酸金属粒子の含有量、チタン酸金属粒子の一次粒子径、トナー粒子とチタン酸金属粒子を混合する際の混合条件などにより上記範囲に調整することができる。
チタン酸金属粒子は、脂肪酸及びその金属塩、シリコーンオイル、シランカップリング剤、並びにチタンカップリング剤などの疎水化剤で表面処理されていることが、帯電性及び環境安定性の向上、特に高温高湿環境下における帯電性を向上させる観点から好ましい。
また、チタン酸金属粒子は、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率の低下開始点と低下終了点でのメタノール濃度(体積%)の中間値で表される疎水化度が、20体積%以上80体積%以下であることが好ましく、25体積%以上80体積%以下であることがより好ましい。
該疎水化度が上記範囲である場合、長時間の印刷後における帯電性、特に高温高湿環境下における帯電性を向上させやすい。
該疎水化度は、疎水化剤による表面処理の条件を調整することで、上記範囲に制御することができる。
チタン酸金属粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
含有量が0.1質量部以上である場合、トナー粒子の表面においてチタン酸金属粒子が被覆され、帯電の環境安定性に寄与できる面積が確保されやすい。
トナー粒子とチタン酸金属粒子との混合に用いられる装置は、特に限定されるものでは
なく、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)などの公知の混合機を用いることができる。
チタン酸金属粒子は、例えば、常圧加熱反応法により製造することができる。
このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、チタン以外の金属源としては水溶性酸性金属化合物を用いるとよい。そして、該原料の混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。また、チタン酸金属粒子の形状を制御する方法として、乾式で機械的処理を施す方法もある。
以下、該常圧加熱反応法について説明する。
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、硫酸法で得られたSO含有量が1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を塩酸でpHを0.8以上1.5以下に調整して解膠したものを用いる。
一方、チタン以外の金属源としては、金属の硝酸塩又は塩酸塩などを使用することができる。
硝酸塩としては例えば、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸カリウムなどを使用することができる。塩酸塩としては例えば、塩化ストロンチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、及び塩化カリウムなどを使用することができる。
これらの中でも、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウムの硝酸塩や塩酸塩を使用して製造した場合、得られるチタン酸金属粒子はペロブスカイト結晶構造を有するため、帯電の環境安定性がさらに向上する点で好ましい。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
該製造方法において、得られるチタン酸金属粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、メタチタン酸を塩酸で解膠する際のpH、酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度、添加速度、反応時間及び撹拌条件などが挙げられる。特に、アルカリ水溶液の添加後に、氷水中に投入するなどして急激に系の温度を低下させて反応を停止させると、結晶成長が飽和する中途で強制的に反応を停止でき、広い粒度分布を得やすい。また、撹拌速度を低下する、撹拌方法を変更する、などして反応系の状態を不均一な状態にすることでも、広い粒度分布を得ることができる。
これらの因子は、目的の粒子径及び粒度分布のチタン酸金属粒子を得るため適宜調整することができる。なお、反応過程に於ける炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させるなど、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
反応時の酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合は、チタン以外の金属をMで示し、その酸化物をMOで示したとき、MO/TiOのモル比で、0.90以上1.40以下であることが好ましく、1.05以上1.20以下であることがより好ましい。ただし、XはMがアルカリ土類金属であるときは1、Mがアルカリ金属のとき2である。
O/TiO(モル比)が0.90未満の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる。相対的にチタン以外の金属源は水への溶解度が高いのに対し酸化チタン源は水への溶解度が低いため、MO/TiO(モル比)が0.90未満の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる傾向にある。
反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして0.050モル/L以上1.300モル/L以下であることが好ましく、0.080モル/L以上1.200モル/L以下であることがより好ましい。
反応初期の酸化チタン源の濃度を高くすることで、チタン酸金属粒子の一次粒子の個数平均粒径を小さくすることができる。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、100℃以上ではオートクレーブなどの圧力容器が必要であり、実用的には60℃以上100℃以下の範囲が適切である。
また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸金属粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸金属粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し0.001当量/h以上1.2当量/h以下であることが好ましく、より好ましくは0.002当量/h以上1.1当量/h以下である。これらは、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
該製造方法においては、常圧加熱反応によって得たチタン酸金属粒子をさらに酸処理することが好ましい。常圧加熱反応を行って、チタン酸金属粒子を製造する際に、酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合がMO/TiO(モル比)で、1.40を超える場合、反応終了後に残存した未反応のチタン以外の金属源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成しやすい。また、表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための表面処理をする際に、不純物の影響で表面処理剤を均一に被覆しにくくなる。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うとよい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5以上7.0以下に調整することが好ましく、pH4.5以上6.0以下に調整することがより好ましい。
酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸などを酸処理に用いることができる。硫酸を用いると、水への溶解度が低い金属硫酸塩が発生しやすい。
トナー粒子は、必要に応じて、結着樹脂、着色剤、ワックス、荷電制御剤などを含有してもよい。
結着樹脂としては、下記重合体又は樹脂を用いることが可能である。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが例示できる。
これらの中で、低温定着性と帯電性の両立の観点から、ポリエステル樹脂又はスチレン系共重合体を用いることが好ましい。
長時間印刷後の画像濃度の安定性の観点から、全結着樹脂中のポリエステル樹脂の含有量が、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、「ポリエステル構造」を樹脂鎖中に有している樹脂である。
該ポリエステル構造を構成する成分としては、例えば、2価以上のアルコールモノマーと、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸モノマーとが挙げられる。
2価以上のアルコールモノマーとしては、以下が例示できる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなど。
これらの中では、芳香族ジオールが好ましく、ポリエステル樹脂を構成する全アルコールモノマー中の芳香族ジオールの含有割合は、80モル%以上100モル%以下であることがより好ましい。
一方、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物又は2価以上のカルボン酸エステルなどの酸モノマーとしては、以下が例示できる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;又は、これらのエステルなど。
これらの中では、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、これらの無水物、又はこれらのエステル化物などが好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、帯電性の観点から、0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、1mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましい。
該酸価は、樹脂に用いるモノマーの種類や配合量を調整することにより、上記範囲とすることができる。具体的には、樹脂製造時のアルコールモノマーと酸モノマーの配合比、又は分子量を調整するとよい。
また、アルコールモノマーと酸モノマーの縮重合後に、末端アルコールを多価酸モノマー(例えば、トリメリット酸)で反応させてもよい。
結着樹脂は単独の樹脂を用いてもよいが、複数の異なる樹脂を組み合わせて用いることもできる。
特に、軟化点の異なる2種類以上の樹脂を組み合わせることで、上記貯蔵弾性率G’を上記範囲に調整することが比較的容易になる。
結着樹脂の軟化点は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、70℃以上180℃以下であることが好ましく、80℃以上160℃以下であることがより好ましい。
トナー粒子は、ワックスを含有してもよい。
該ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリ
スタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
これらの中でも、低温定着性及び耐ホットオフセット性の両立の観点から、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス、又はカルナバワックスのような脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。ワックスの含有量が、上記範囲にあるとき、高温でのホットオフセット性を維持しやすい。
また、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度(融点)が、50℃以上140℃以下であることが好ましく、60℃以上105℃以下であることがより好ましい。
トナー粒子は、着色剤を含有してもよい。
該着色剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
着色剤は、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したもの。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バッ
トイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。
該荷電制御剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
トナーは、チタン酸金属粒子以外に、必要に応じて他の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
チタン酸金属粒子以外の外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が好適に例示できる。
該無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上を目的とする場合は、BET法を用いて測定された比表面積が50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、耐久性の安定化を目的とする場合は、BET法を用いて測定された比表面積が10m/g以上50m/g以下であることが好ましい。
流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粒子を併用してもよい。
該チタン酸金属粒子以外の外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子と該外添剤との混合には、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いるとよい。
トナーは、一成分現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させる点で、また、長期にわたり安定した画像を形成させるという点で、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。
磁性キャリアとしては、例えば、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、又はそれらの酸化物粒子;フェライトなどの磁性体;該磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)など、一般に公知のものが使用できる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、二成分系現像剤中のトナー含有量は、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上13質量%以下であることがより好ましい。
トナー粒子の製造方法は、粉砕法、乳化凝集法、溶融混練法、及び溶解懸濁法など従来公知の方法で製造することが可能であり、特に限定されない。
粉砕法でトナー粒子を製造するための製造方法の一例を以下に説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤及びワックス
などを、所定量秤量して配合し、混合する。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤及びワックスなどを分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーのようなバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、及びニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロールなどで圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、得られた冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルのような粉砕機で粗粉砕する。その後、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ株式会社製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕するとよい。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)のような分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
上記方法で製造されたトナー粒子に、チタン酸金属粒子、及び、必要に応じ選択された外添剤を加えて混合してもよい。
トナー及びその他材料に係る各種物性の測定方法を以下に説明する。
チタン酸金属粒子の物性は、トナーをサンプルとして測定してもよい。また、チタン酸金属粒子が外添されたトナーから、チタン酸金属粒子やトナー粒子の物性を測定する場合は、トナーからチタン酸金属粒子や他の外添剤を分離して測定してもよい。
例えば、トナーをメタノールに超音波分散させてチタン酸金属粒子や他の外添剤を外して、24時間静置する。沈降したトナー粒子と上澄み液に分散したチタン酸金属粒子や他の外添剤とを分離、回収し、十分に乾燥させることで、トナー粒子を単離することができる。また、上澄み液を遠心分離で処理することで、チタン酸金属粒子を単離することができる。
<トナー粒子表面におけるチタン酸金属粒子の粒径、粒度分布、平均円形度、円形度分布、被覆率の算出方法>
上記チタン酸金属粒子に係る物性は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(SEM;S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー粒子の表面画像を、画像解析ソフト(Image−Pro Plus ver.5.0、(株)日本ローパー)により解析して算出する。
トナー粒子表面に存在するチタン酸金属粒子を上記SEM装置にて観察する。
観察する際はなるべくトナー粒子表面が平坦であるような箇所を選ぶことにする。
チタン酸金属粒子とそれ以外の外添剤との区別は同視野のトナー粒子表面のエネルギー分散型X線分光法(EDX)分析を用いて行い、トナー粒子表面においてチタン酸金属粒子のみを抽出した画像について二値化を行い、以下の解析を行う。
得られた画像から円相当径の累積頻度において、小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10、累積値が50個数%となる粒径をD50、累積値が90個数%となる粒径をD90とする。
同様の操作を10個のトナー粒子に対して行い、その平均値を求める。
求められた値より、D50、粒度分布指標A:D90/D10、粒度分布指標B:D90/D50をそれぞれ算出する。
また、チタン酸金属粒子のみを抽出した画像から平均円形度、及び円形度が0.90以上の粒子の割合、0.60以下の粒子の割合を求める。
同様の操作を10個のトナー粒子に対して行い、それらの平均値を求める。
また、被覆率については、上記で二値化した画像において、トナー粒子表面の面積に対する前記チタン酸金属粒子の占める面積の割合として算出する。
なお、これらの測定においてチタン酸金属粒子の物性は一次粒子ではなく凝集体も含む二次粒子を基準に計算する。
<チタン酸金属粒子の疎水化度の測定方法>
チタン酸金属粒子の疎水化度は、下記方法で測定する。
まず、メタノール濃度(体積%)が既知の含水メタノール液70mLを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡などを除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。
次いで、チタン酸金属粒子0.1gを精秤して、上記含水メタノール液が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s−1(400rpm)の速度で攪拌する。なお、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを1.5mL/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、メタノール滴下透過率曲線を作成する。
チタン酸金属粒子の疎水化度は光の透過率の低下開始点と低下終了点のメタノール濃度(体積%)の中間値を疎水化度として算出する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の(1)〜(7)の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビ
ルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの貯蔵弾性率G’、及び損失正接(tanδ)の測定方法>
トナーの貯蔵弾性率G’及び損失正接(tanδ)は、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いて測定する。
測定試料としては、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径25mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
該試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から110℃に15分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度まで冷却し、測定を開始する。
この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットする。
また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto
Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
(1)直径25mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする。(3)印加歪初期値(Strain)を1.0%に設定する。
(4)100〜200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。なお、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を40.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)150.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を20.0% of Current Strainと設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラ
ス(Sample Modulus)が1.0×10Pa以上である。
<結着樹脂の軟化点(Tm)の測定方法>
結着樹脂の軟化点は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って測定する。
本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
また、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。
なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度(融点)の測定方法>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックス約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。
測定温度範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。
なお、測定においては、一旦200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30℃以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度(融点)を求める。
<無機微粒子のBET比表面積の測定方法>
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行う。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar300
0 Version4.00」を用いて行う。本装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を無機微粒子のBET比表面積とする。
なお、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、無機微粒子に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と外添剤の窒素吸着量Va(モル/g)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル/g)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、外添剤の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル/g)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる。この直線をBETプロットという。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きの値と切片の値が算出できる。これらの値を上記の数式に代入して、得られた連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、ここで算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm)から、下記の式に基づいて、無機微粒子のBET比表面積S(m/g)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5mL)の風袋の質量を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約0.1gの外添剤を入れる。
無機微粒子を入れた該試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。なお、真空脱気の際には、無機微粒子が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。試料セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、試料セル内に窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋の質量との差から外添剤の正確な質量を算出する。なお、この際に、試料セル内の外添剤が大気中の水分などで汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、無機微粒子が入った該試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、本装置の分析ポートに試料セルをセットする。なお、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、本装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入して無機微粒子に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。なお、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、上述したように無機微粒子のBET比表面積を算出する。
<樹脂の酸価の測定方法>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
以下、製造例及び実施例により本発明を説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<チタン酸金属粒子1の製造例>
硫酸法で製造されたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、3モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし脱硫処理を行い、その後、5モル/L塩酸によりpH5.6まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みのケーキに水を加えTiOとして1.90モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.4とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.90モルを採取し、3Lの反応
容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液をSrO/TiO(モル比)で1.15となるよう2.185モル添加した後、TiO濃度1.039モル/Lに調整した。
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを40分かけて添加し、その後、95℃で45分撹拌を続けたのち、氷水中に投入し急冷させて反応を終了した。
該反応スラリーを70℃まで加熱し、pH5.0となるまで12モル/L塩酸を加え1時間撹拌を続け、得られた沈殿をデカンテーションした。
得られた沈殿物を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えてpH2.5に調整したのち、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加して10時間撹拌を行った。5モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中に8時間乾燥してチタン酸金属粒子1を得た。得られたチタン酸金属粒子1の疎水化度は40%であった。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子2〜10、17及び18の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後の混合溶液におけるTiO濃度、水酸化ナトリウム水溶液の滴下時間、滴下後の撹拌時間、及び急冷の有無を表1に記載したように変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子2〜10、17及び18を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子11の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、n−オクチルトリエトキシシランの固形分の濃度を8.0質量%に変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子11を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子12の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、n−オクチルトリエトキシシランの代わりにイソブチルトリメトキシシランに変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子12を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子13の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、塩化ストロンチウムの代わりに塩化カルシウムに変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子13を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子14の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、塩化ストロンチウムの代わりに塩化マグネシウムに変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子14を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子15の製造例>
チタン酸金属粒子1の製造例において、塩化ストロンチウムの代わりに塩化カリウムに変更した以外は同様にして、チタン酸金属粒子15を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子16の製造例>
硫酸法で製造されたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、3モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし脱硫処理を行い、その後、5モル/L塩酸によりpH5.6まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みのケーキに水を加えTiOとして1.90モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH2.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.90モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液をSrO/
TiO(モル比)で1.17となるよう2.185モル添加した後、TiO濃度1.257モル/Lに調整した。
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを60分かけて添加し、その後、95℃で45分撹拌を続けたのち、氷水中に投入し急冷させて反応を終了した。
該反応スラリーを70℃まで加熱し、pH5.0となるまで12モル/L塩酸を加え1時間撹拌を続け、得られた沈殿をデカンテーションした。
得られた沈殿物を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えてpH2.5に調整したのち、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加して10時間撹拌を行った。5モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中に8時間乾燥してチタン酸金属粒子16を得た。物性を表1に示す。
<チタン酸金属粒子の製造例19>
硫酸法で製造されたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、3モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし脱硫処理を行い、その後、5モル/L塩酸によりpH5.6まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みのケーキに水を加えTiOとして1.90モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.4とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.90モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液をSrO/TiO(モル比)で1.15となるよう2.185モル添加した後、TiO濃度1.443モル/Lに調整した。
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを50分かけて添加し、その後、95℃で30分撹拌を続けたのち、氷水中に投入し急冷させて反応を終了した。
該反応スラリーを70℃まで冷却し、pH5.0となるまで12モル/L塩酸を加え1時間撹拌を続け、得られた沈殿をデカンテーションした。
得られた沈殿物を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えてpH2.5に調整したのち、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加して10時間撹拌を行った。5モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中に8時間乾燥してチタン酸金属粒子19を得た。物性を表1に示す。
Figure 2018141875
表1中の処理剤において、「A」はn−オクチルトリエトキシシランを、「B」はイソブチルトリメトキシシランを示す。
<結着樹脂の製造例>
(ポリエステル樹脂1の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
60.8部(0.155モル;多価アルコール総モル数に対して80mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
13.6部(0.039モル;多価アルコール総モル数に対して20mol%)
・テレフタル酸:
20.8部(0.129モル;多価カルボン酸総モル数に対して80mol%)
・無水トリメリット酸:
6.6部(0.032モル;多価カルボン酸総モル数に対して20mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。
そして、モノマー総量100部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.5部添加した。
次に反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、そのまま反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた。得られたポリエステル樹脂1の軟化点(Tm)は100℃、酸価は10mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂2の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
60.8部(0.155モル;多価アルコール総モル数に対して80mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
13.6部(0.039モル;多価アルコール総モル数に対して20mol%)
・テレフタル酸:
20.8部(0.129モル;多価カルボン酸総モル数に対して80mol%)
・無水トリメリット酸:
0.66部(0.003モル;多価カルボン酸総モル数に対して2mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。
そして、モノマー総量100部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.0部添加した。
次に反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第一反応工程)。
・無水トリメリット酸:
5.94部(0.029モル;多価カルボン酸総モル数に対して18mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤): 0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した反応物の軟化点が150℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、ポリエステル樹脂2を得た。得られたポリエステル樹脂2の軟化点(Tm)は160℃、酸価は6mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂3の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
60.4部(0.153モル;多価アルコール総モル数に対して80mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
13.9部(0.038モル;多価アルコール総モル数に対して20mol%)
・テレフタル酸:
18.6部(0.112モル;多価カルボン酸総モル数に対して70mol%)
・無水トリメリット酸:
3.4部(0.016モル;多価カルボン酸総モル数に対して10mol%)
・コハク酸:
3.8部(0.032モル;多価カルボン酸総モル数に対して20mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。
そして、モノマー総量100部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.5部添加した。
次に反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、そのまま反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が80℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた。得られたポリエステル樹脂3の軟化点(Tm)は80℃、酸価は18mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂4の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
15.5部(0.039モル;多価アルコール総モル数に対して20mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
57.2部(0.158モル;多価アルコール総モル数に対して80mol%)
・テレフタル酸:
19.1部(0.115モル;多価カルボン酸総モル数に対して70mol%)
・無水トリメリット酸:
5.2部(0.025モル;多価カルボン酸総モル数に対して15mol%)
・コハク酸:
2.9部(0.025モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。
そして、モノマー総量100部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.5部添加した。
次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、そのまま反応させて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が70℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた。得られたポリエステル樹脂4の軟化点(Tm)は70℃、酸価は35mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂5の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
64.7部(0.164モル;多価アルコール総モル数に対して90mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
6.6部(0.018モル;多価アルコール総モル数に対して10mol%)
・テレフタル酸:
12.6部(0.076モル;多価カルボン酸総モル数に対して50mol%)
・無水トリメリット酸:
7.1部(0.033モル;多価カルボン酸総モル数に対して22mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。
そして、モノマー総量100部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.0部添加した。
次に反応槽内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第一反応工程)。
・無水トリメリット酸:
9.0部(0.042モル;多価カルボン酸総モル数に対して 28.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤): 0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させて、ASTM D36−86に従って測定した反応物の軟化点が170℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、ポリエステル樹脂5を得た。得られたポリエステル樹脂5の軟化点は175℃、酸価は10mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂H1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
73.4部(0.186モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
21.6部(0.130モル;多価カルボン酸総モル数に対して82mol%)
・アジピン酸:
2.3部(0.016モル;多価カルボン酸総モル数に対して10mol%)
・ジ(2−エチルヘキシル酸)スズ(II): 0.8部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量し投入した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
2.7部(0.013モル;多価カルボン酸総モル数に対して8mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま12時間反応させ、温度を下げることで反応を止め、(第2反応工程)、ポリエステル樹脂H1を得た。得られたポリエステル樹脂H1は、軟化点は140℃、酸価は25mg/KOHであった。
<トナー1の製造例>
・ポリエステル樹脂1 80.0部
・ポリエステル樹脂H1 20.0部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.1部
・フィッシャートロプシュワックス(融点:90℃) 5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5minで混合した後、温度130℃、バレル回転数200rpmに設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s−1とした。得られたトナー粒子1は、重量平均粒径(D4)が6.4μmであった。
得られたトナー粒子1(100.0部)に、ヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径15nmの疎水性シリカ微粒子(1.0部)、及び、チタン酸金属粒子1(1.0部)を添加した。得られた添加物をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s−1、回転時間5minで混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させて、トナー1を得た。
<トナー2〜10、15〜21、及び23〜24の製造例>
トナー1の製造例において、チタン酸金属粒子1を表2に記載のものに変更した以外は同様にして、トナー2〜10、15〜21、及び23〜24を得た。
<トナー11の製造例>
トナー1の製造例において、ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂2に変更し、トナー粒子2を製造した。そして、該トナー粒子2を用いた以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー11を得た。
<トナー12の製造例>
トナー1の製造例において、ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂3に変更し、トナ
ー粒子3を製造した。そして、該トナー粒子3を用いた以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー12を得た。
<トナー13の製造例>
四つ口容器中にイオン交換水710部と0.1モル/LのNaPO水溶液850部を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/LのCaCl水溶液68部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン 122.0部
・n−ブチルアクリレート 36.0部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 13.0部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.8部
・フィシャートロプシュワックス(融点:78℃) 15.0部
上記材料を、アトライター(日本コークス工業株式会社製)を用いて3時間撹拌し、各成分を重合性単量体中に分散させ、単量体混合物を調製した。
単量体混合物に重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート20.0部(トルエン溶液50%)を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、撹拌機の回転数を10,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内部温度を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら6時間反応させた。
次いで、容器内を温度80℃に昇温して4時間維持し、その後毎分1℃の冷却速度で徐々に30℃まで冷却し、スラリーを得た。
該スラリーを含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。
さらに、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均粒径(D4)が6.5μmのトナー粒子4を得た。
得られたトナー粒子4(100.0部)に、ヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径15nmの疎水性シリカ微粒子(1.0部)、及び、チタン酸金属粒子1(1.0部)を添加した。得られた添加物をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s−1、回転時間5minで混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー13を得た。
<トナー14の製造例>
(ポリエステル樹脂1分散液の調製)
100.0部のポリエステル樹脂1、及びイオン交換水400.0部を、アンモニアによりpHを8.5に調整し、150℃の加熱条件でキャビトロン(ユーロテック社製)を運転し、ポリエステル樹脂分散液1(固形分:20質量%)を得た。
(ポリエステル樹脂H1分散液の調製)
100.0部のポリエステル樹脂H1、及びイオン交換水400.0部を、アンモニアによりpHを8.5に調整し、150℃の加熱条件でキャビトロン(ユーロテック社製)を運転し、ポリエステル樹脂H1分散液(固形分:20質量%)を得た。
(着色剤分散液の調製)
・C.I.ピグメントブルー15:3 1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 150部
・イオン交換水 9000部
以上を混合し、溶解した後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて分散した。
得られた着色剤分散液における着色剤粒子の体積平均粒径D50は0.16μm、着色剤濃度は23質量%であった。
(ワックス分散液の調製)
・フィッシャートロプシュワックス 40部
(融点:90℃)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 5部
・イオン交換水 155部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50製)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(盟和商事製)で分散処理し、体積平均粒径D50が210nmであるワックスを分散させてなるワックス分散液(ワックス濃度:20質量%)を調製した。
・ポリエステル樹脂1分散液 500部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合及び分散した。これにポリ塩化アルミニウム0.15部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散操作を継続した。
その後、
・着色剤分散液 30.5部
・ワックス分散液 25部
以上を追加し、さらにポリ塩化アルミニウム0.05部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散操作を継続した。
その後、丸型ステンレス製フラスコに攪拌機及びマントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌機の回転数を調整しながら、60℃まで昇温し、60℃で15分間保持した。その後、0.05℃/分で昇温しながら10分ごとに、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン・コールター社製)にて粒径を測定した。得られた樹脂粒子の体積平均粒径が5.0μmとなったところで、ポリエステル樹脂2分散液(調製方法は、ポリエステル樹脂1分散液の調製において、ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂2に変更すること以外は同一である。)75部(追加樹脂)を3分間かけて投入した。
投入後30分間保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、5時間目で球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して樹脂粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、重量平均粒径(D4)が6.5μmのトナー粒子5を得た。
得られたトナー粒子5(100.0部)に、ヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径15nmの疎水性シリカ微粒子(1.0部)、及び、チタン酸金属粒子1(1.0部)を添加した。得られた添加物をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s−1、回転時間5minで混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー14を得た。
<トナー22の製造例>
トナー1の製造例において、チタン酸金属粒子1の添加量を0.2部に変更した以外は同様にして、トナー22を得た。
<トナーの製造例25>
トナー1の製造例において、ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂4に変更し、トナー粒子6を製造した。そして、該トナー粒子6を用いた以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー25を得た。
<トナーの製造例26>
トナー1の製造例において、ポリエステル樹脂1をポリエステル樹脂5に変更し、トナ
ー粒子7を製造した。そして、該トナー粒子7を用いた以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー26を得た。
なお、トナー1〜26などの物性を表2に示す。
Figure 2018141875
トナー1〜26と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(個数平均粒径35μm)とで、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)を用い、0.5s−1、及び5分間の条件で混合し、二成分現像剤1〜26を得た。
<実施例1>
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800又はその改造機を用い、以下の評価を実施した。
該画像形成装置は、像坦持体として静電潜像を形成させる感光体を有し、感光体の静電潜像を二成分現像剤によりトナー像として現像する現像工程を有する。
さらに、現像されたトナー像を中間転写体に転写し、その後に中間転写体のトナー像を紙に転写する転写工程を有し、紙上のトナー像を熱により定着する定着工程を有する。
この画像形成装置のシアンステーションの現像器に、二成分現像剤1を投入し、下記評
価を行った。
<低温定着性の評価>
常温常湿度環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)において、単色モードで紙上のトナー載り量が1.2mg/cmになるように調整し、未定着画像を作成した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、画像印字比率35%で画像を形成した。
その後、低温低湿度環境下(温度15℃、相対湿度10%以下)において、プロセススピードを450mm/secに設定し、定着温度を120℃から順に5℃ずつ上げて該未定着画像を定着させ、オフセットが生じない下限温度を低温定着温度とした。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
A:160℃未満 (優れている)
B:160℃以上180℃未満 (効果が得られている)
C:180℃以上 (効果が得られていない)
<帯電性及び転写性の評価>
上記画像形成装置の改造機を用いた。改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。
FFh画像(ベタ画像)におけるトナーの紙上への載り量が0.45mg/cmとなるように、調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
該評価では、画像比率1%で、1万枚の耐久画像出力試験を行った。試験環境は、常温常湿(NN)環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)、常温低湿(NL)環境下(温度23℃、相対湿度5%)、高温高湿(HH)環境下(温度32℃、相対湿度80%)とした。
1万枚の連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行うこととした。評価紙は、コピー普通紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
初期(1枚目)と1万枚の連続通紙時の画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。また、評価結果を表3に示す。
(画像濃度の評価)
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、初期(1枚目)及び耐久後(1万枚目)のFFh画像部(ベタ部)の画像濃度を測定し、両画像濃度の差の絶対値を下記基準でランク付けした。表3中では初期濃度を「α」、耐久後濃度を「β」、両画像濃度の差の絶対値を「γ」、と表現している。
A:0.05未満 (非常に優れている)
B:0.05以上0.10未満 (良好である)
C:0.10以上0.15未満 (効果が得られている)
D:0.15以上 (効果が得られていない)
(画像均一性の評価)
上記1万枚の耐久出力後にFFh画像(ベタ画像)を出力し、2cm角の画像をデジタルマイクロスコープにて取り込み、取り込んだ画像をImage−J(開発元:Wayne Rasband (NIH))にて8bitグレースケール変換を行った後、濃度ヒストグラムを計測し、その標準偏差を求めた。その標準偏差の値に応じ以下の評価基準にてランク付けを行った。
A:標準偏差2.0未満 (非常に優れている)
B:標準偏差2.0以上4.0未満 (かなり優れている)
C:標準偏差4.0以上6.0未満 (効果が得られている)
D:標準偏差6.0以上 (遠目で不均一性を感じる)
<環境安定性の評価>
上記NN環境下の画像濃度に対する、HH環境下とNL環境下における画像濃度の変化率を環境安定性の評価基準とした。
初期(1枚目)における、NN環境下の画像濃度をDNNi、HH環境下での画像濃度をDHHi、NL環境下での画像濃度をDNLiとしたとき、下記式で初期画像濃度環境変化率Viを求めた。
Vi(%)={(DHHi−DNLi)/DNNi}×100
同様に耐久後(1万枚目)において、NN環境下の画像濃度をDNNf、HH環境下での画像濃度をDHHf、NL環境下での画像濃度をDNLfとしたとき、下記式で耐久後画像濃度環境変化率Vfを求めた。
Vf(%)={(DHHf−DNLf)/DNNf}×100
これらVi、Vfの値に対し、以下の評価基準でランク付けを行った。
A:35%未満 (非常に優れている)
B:35%以上50%未満 (優れている)
C:50%以上60%未満 (効果が得られている)
D:60%以上 (効果が得られていない)
Figure 2018141875
<実施例2〜22、及び、比較例1〜4>
実施例1において、二成分現像剤1を、二成分現像剤2〜26に変更する以外は同様にして、評価を行った。結果を表3に示す。

Claims (9)

  1. トナー粒子及びチタン酸金属粒子を含有するトナーであって、
    該トナー粒子の表面における該チタン酸金属粒子の個数基準での粒度分布において、
    小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、
    小粒子側からの累積値が50個数%となる粒径をD50とし、
    小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、
    該D50が、10nm以上90nm以下であり、
    該D90の該D10に対する比(D90/D10)で表される粒度分布指標Aが、2.00以上10.00以下であり、
    該トナーの粘弾性測定において、40℃における貯蔵弾性率G’の値が、1.0×10Pa以上1.0×1010Pa以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記チタン酸金属粒子が、チタン酸マグネシウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子からなる群より選ばれた少なくとも1つである、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記チタン酸金属粒子が、ペロブスカイト結晶構造を有する、請求項1又は請求項2に記載のトナー。
  4. 前記D90の前記D50に対する比(D90/D50)で表される粒度分布指標Bが、1.50以上5.00以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記トナー粒子の表面における前記チタン酸金属粒子の平均円形度が、0.650以上0.900以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記トナー粒子の表面における前記チタン酸金属粒子の円形度分布において、円形度が0.90以上の粒子の割合が15%以下であり、かつ、円形度が0.60以下の粒子の割合が10%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子表面の前記チタン酸金属粒子による被覆率は、2%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記チタン酸金属粒子は、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率の低下開始点と低下終了点でのメタノール濃度の中間値で表される疎水化度が、20体積%以上80体積%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 前記トナーの粘弾性測定において、損失正接の値が、40.0℃以上80.0℃以下の範囲にピークを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナー。
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