JP2007033617A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、像担持体表面から、放電生成物を像担持体の中心軸の延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去する。
【解決手段】像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面110に残留した残留トナー粒子を表面110から除去するクリーニング手段71と、クリーニング手段71よりも像担持体表面110の循環移動方向上流側で像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面110に接した複数の繊維752を有する繊維体75とを備え、トナー収容体41は、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面110に残留した残留トナー粒子を表面110から除去するクリーニング手段71と、クリーニング手段71よりも像担持体表面110の循環移動方向上流側で像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面110に接した複数の繊維752を有する繊維体75とを備え、トナー収容体41は、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式では、中心軸の周りを所定方向に循環移動する像担持体表面を帯電器によって帯電し帯電後の像担持体表面に露光光を照射することにより像担持体表面に静電潜像を形成しその静電潜像を現像器によってトナーで現像して像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成サイクルによって、像担持体表面に形成されたトナー像を、所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する。
所定の被転写面に転写を終えた像担持体表面には、未転写のトナーや外添剤、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留するため、これらを次のトナー像形成サイクルに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
トナー等の残留物を除去するクリーニング方式としては、種々の方式が提案されているが、像担持体表面との摺擦によって機械的に残留物を除去する方式が有効である。
ところが、この機械的な除去方式を採用すると、像担持体表面に機械的な外力が加えられる。また、像担持体表面には、帯電器、現像器、転写手段等によっても電気的、機械的な外力が直接加えられる。このため、像担持体の表面には磨耗や傷に対する耐久性が要求され、この耐久性を確保するため、表面が硬い像担持体(例えば、特許文献1等参照)を用いる傾向にある。
しかしながら、表面が硬い像担持体を用いると、今度は、像担持体表面から残留物を機械的に除去することが困難になる。帯電の際に生じた放電生成物は像担持体表面に付着しており、特に、放電生成物が像担持体表面から除去しにくくなる。放電生成物が吸湿すると画像流れが引き起こされるため、放電生成物は十分に除去しなくてはならない。
そこで、従来より、像担持体表面を、研磨粒子を分散配置させた研磨部材で研磨したり(特許文献2および3参照)、あるいは複数の繊維を有する繊維体で摺擦する(特許文献4〜6参照)ことで、像担持体表面をから放電生成物を除去する技術が提案されている。
特許第3264218号公報
特開2002−162878号公報
特開2003−15489号公報
特開平1−161279号公報
特開平5−107993号公報
特開2002−244522号公報
しかしながら、特許文献2および3に記載された、研磨粒子を分散配置させた研磨部材では、像担持体の中心軸の延在方向に関し、ミクロ的に見ると研磨粒子が存在する場所と存在しない場所とがあり、研磨部材による研磨能力が像担持体の中心軸の延在方向で不均一になってしまうといった問題がある。
また、特許文献4〜6に記載された技術では、繊維体によって像担持体表面から放電生成物を掻き取ることを狙った技術であるが、残留トナー粒子が繊維体と像担持体表面との間に介在していると、放電生成物の掻取能力が高められる。しかしながら、残留トナー粒子は、像担持体表面の、現像によってトナーが移行してきた画像部には存在するものの、トナーが移行してこなかった非画像部には基本的には存在しない。このため、特許文献4〜6に記載されたいずれの技術においても、繊維体による掻取能力が像担持体の中心軸の延在方向で不均一になってしまうといった問題がある。また、繊維体による掻取能力を高めようとして、繊維体を像担持体表面に強く押し付ければ押し付けるほど、像担持体表面に対する機械的なストレスが上昇し、表面が硬い像担持体とはいってもその表面に必要以上の磨耗や傷が生じ、繊維体自身の劣化も加速される。特に、特許文献4および5に記載された技術は、繊維体を、クリーニング手段よりも像担持体表面の循環移動方向下流側に配置した技術であり、繊維体による掻取能力不足が懸念される。このため、繊維体を像担持体表面に強く押し付ける必要が生じ、像担持体表面が必要以上に磨耗したり傷ついたり、繊維体自身も劣化しやすい。また、繊維体を像担持体表面に強く押し付け放電生成物を掻き取ったとしても、繊維に掻き取った放電生成物が飽和しやすく、長期にわたって良好な掻取性を維持することが困難である。
本発明は上記事情に鑑み、像担持体表面から、放電生成物を像担持体の中心軸の延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去する工夫が施された画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、トナー粒子の集まりを収容したトナー収容体を備え、所定方向に循環移動する像担持体表面を帯電し帯電後の像担持体表面に露光光を照射することによりその像担持体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像にそのトナー収容体に収容されたトナー粒子を供給することでその静電潜像を現像してトナー像を得、そのトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナー粒子をその表面から除去するクリーニング手段と、
上記クリーニング手段よりも上記像担持体表面の循環移動方向上流側で上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接した複数の繊維を有する繊維体とを備え、
上記トナー収容体は、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものであることを特徴とする。
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナー粒子をその表面から除去するクリーニング手段と、
上記クリーニング手段よりも上記像担持体表面の循環移動方向上流側で上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接した複数の繊維を有する繊維体とを備え、
上記トナー収容体は、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものであることを特徴とする。
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記像担持体表面に接する面であってもよいし、あるいは記録媒体の記録面であってもよい。また、ここにいう体積平均粒径D50とは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積についてそれぞれ小径側から累積分布を描いた場合に、累積が50%になる粒径である。
本発明の画像形成装置によれば、残留トナー粒子を除去するクリーニング手段よりも上流側に上記繊維体を配置したため、像担持体表面が循環することで上記繊維体に向けて残留トナー粒子や、正極帯電研磨粒子および負極帯電研磨粒子双方の残留研磨粒子が運ばれてくる。残留トナー粒子や残留研磨粒子は、上記繊維体の繊維によって捕捉され、その繊維に保持される。像担持体表面に付着した放電生成物は、上記繊維体の繊維に保持された残留トナー粒子の他、残留トナー粒子よりも高い研磨能力を有する残留研磨粒子によって像担持体表面から効果的に掻き取られる。
ここで、残留トナー粒子については、像担持体表面の、現像によってトナーが移行してきた画像部とトナーが移行してこなかった非画像部(背景部)とのうちの画像部にしか基本的には存在しないが、残留研磨粒子については、画像部にはトナー粒子と同極に帯電した研磨粒子(トナー粒子が負帯電型のものであれば上記負極帯電研磨粒子)が存在し、非画像部にはトナー粒子と逆極に帯電した研磨粒子(トナー粒子が負帯電型のものであれば上記正極帯電研磨粒子)が存在する。そのため、残留研磨粒子は、上記繊維体の繊維に、像担持体の中心軸の延在方向に均一に保持される。さらに、詳細に検討してみると、像担持体表面に連続してトナー像形成を行った場合、最初のトナー像形成では非画像部(背景部)だった所が、次のトナー像形成では画像部になることがある。こうなると、最初、非画像部から上記繊維体の繊維に、トナー粒子と逆極に帯電した研磨粒子が保持され、次いで、この保持された研磨粒子によって、画像部からトナー粒子と同極に帯電した研磨粒子が静電捕獲され、残留研磨粒子が上記繊維体の繊維にミクロ的に見ても密に保持されて、放電生成物が、像担持体の中心軸の延在方向により均一かつ十分に掻き取られると推定する。
こうして掻き取られた放電生成物は、繊維に捕捉された残留トナー粒子に付着する。繊維に捕捉されていた残留トナー粒子は、上記繊維体に新たに運ばれてきた像担持体表面上の残留トナー粒子と入れ替わり、像担持体表面へ戻る。像担持体表面に戻った残留トナー粒子は、像担持体表面が循環することで下流側のクリーニング手段に向かい、クリーニング手段によって像担持体表面から除去される。すなわち、上記繊維体に一端捕捉され放電生成物が付着した残留トナー粒子は、最終的にクリーニング手段によって像担持体表面から除去される。このように、本発明の画像形成装置では、上記繊維体の繊維によって捕捉された残留トナー粒子の入れ替えが行われるので、上記繊維体に放電生成物が飽和してしまうことが抑えられる。一方、残留トナー粒子よりもはるかに小さい残留研磨粒子は、上記繊維体の繊維に保持され続け、放電生成物を上記像担持体表面から効果的に掻き取り続ける。
しかも、上記正極帯電研磨粒子にしても上記負極帯電研磨粒子にしても、体積平均粒径D50が0.1μm以上2.0μm以下の研磨粒子であるため、放電生成物が像担持体表面から十分に掻き取られる。すなわち、上記研磨粒子は、上記トナー保持部内では、トナー粒子の表面に付着した状態にあり、その状態で現像によって像担持体表面に移行してくる。体積平均粒径D50が0.1μm未満の研磨粒子であると研磨能力が不足するとともに、像担持体表面に移行してきたトナー粒子から研磨粒子が離脱しにくくなる。上記繊維体の繊維が、研磨粒子が表面に付着したトナー粒子を保持したものであると、掻き取った放電生成物がトナー粒子に付着することで放電生成物によってトナー粒子表面の研磨粒子が覆われてしまい、十分な研磨効果を発揮することができなくなる。また、トナー粒子から離脱したとしても上記繊維体の繊維に埋没しやすく、十分な研磨効果を発揮することができない。一方、体積平均粒径D50が2.0μmを越える研磨粒子であると、上記トナー保持部内で研磨粒子がトナー粒子から離脱してしまい研磨粒子が像担持体表面に移行してこなかったり、あるいは研磨粒子がトナー粒子に付着して像担持体表面に移行し上記繊維体の繊維に保持されたとしても、今度は上記繊維体の繊維から研磨粒子が離脱しやすく、十分な研磨効果を発揮することができない。
また、本発明の画像形成装置において、上記繊維体が、太さが10μm以下の複数の繊維を有するものであることが好ましい。
こうすることで、上記繊維体の、上記像担持体表面に接した面がポーラス形状面になり、像担持体表面が、このポーラス形状面で摺擦される。その結果、太さが10μm以下の複数の繊維に残留トナー粒子や残留研磨粒子が安定して保持され、像担持体表面から、放電生成物が像担持体の中心軸の延在方向により均一かつより十分に長期にわたって除去される。加えて、上記繊維体が、上記像担持体表面の循環移動方向に1.5mm以上の幅をもったものであることがより好ましい。
また、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、モース硬度がいずれも3以上である上記正極帯電研磨粒子および上記負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものであることも好ましい。
モース硬度が3以上であることで、十分な研磨効果が得られる。
また、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、少なくともいずれか一方が無機微粒子がその一部を表面に露出した状態で内包した樹脂粒子である上記正極帯電研磨粒子および上記負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものであることも好ましい。
こうすることで、上記無機微粒子で研磨性を確保する一方、上記樹脂粒子で帯電制御等の他の効果を得ることができる。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、トナー粒子の体積平均粒径D50に対して2/3以下である粒径のトナー粒子の個数割合が10個数%以下であるトナー粒子の集まりを収容したものであることも好ましい。
体積平均粒径D50に対して2/3以下である、いわゆる小粒径のトナー粒子では、上記繊維体の繊維における入れ替えが起こりにくくなり、上記繊維体の繊維にトナー粒子が堆積してその繊維に残留研磨粒子が捕獲されにくくなってしまう。このため、小粒径のトナー粒子の割合を10個数%以下に抑えることが好ましい。
またさらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、脂肪酸金属塩および高級アルコールの少なくとも一方を含むトナー粒子の集まりを収容したものであることも好ましい態様である。
この態様によれば、トナー粒子に含まれる脂肪酸金属塩または/および高級アルコールによって、残留研磨粒子の、像担持体表面からの離型性が向上し、残留研磨粒子が上記繊維体の繊維に積極的に移行すると推定する。
また、本発明の画像形成装置において、上記像担持体が、最表面に、電荷輸送機能を有する構造単位と架橋構造とを持った樹脂を含有した保護層を有するものであることも好ましい。
上記像担持体が上記保護層を有するものであることで、上記繊維体の往復動摺擦によって像担持体表面が磨耗したり傷ついたりすることが抑えられ、像担持体の長寿命化が得られる。
本発明によれば、像担持体表面から、放電生成物を像担持体の中心軸の延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去する工夫が施された画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、回転軸10aを中心にして時計回りに回転するドラム状の感光体10を備え、この感光体10の周囲には、帯電器20、露光器30、現像器40、転写ロール50、クリーニング装置70、および除電ランプ80も備えられている。
図1に示す感光体10は、円筒上の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層と電荷輸送層を含む感光層、および保護層101を積層してなるものである。保護層101は、この感光体10の最表層になる層であって、この図1では、この保護層101が模式的に示されている。感光体10が回転軸10aを中心にして回転することで、最表層(感光体10の表面110)は、回転軸10aの周りを循環移動する。ここでは感光体10についてのこれ以上の説明は省略し、詳細については後述する。
帯電器20は、非接触帯電方式のコロトロン帯電器である。この帯電器20には、帯電器制御部21による制御のもと、帯電器高圧電源22から帯電バイアスが印加される。また帯電器は接触型の帯電ロールなど公知の帯電方式を採用してもよい。露光器30は、感光体10の表面110に向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。現像器40は、トナー粒子およびトナー粒子よりも微粒子の研磨粒子を含む現像剤を収容した現像剤収容体41と、現像剤収容体41中のトナー粒子を担持して感光体10の表面に対向した状態で回転する現像ロール42を有する。現像剤収容体41に収容された現像剤中のトナー粒子は負極に帯電する負極帯電型のトナー粒子である。また、現像剤収容体41に収容された現像剤中の研磨粒子には、正に帯電する正極帯電研磨粒子と負に帯電する負極帯電研磨粒子との2種類の研磨粒子があり、これら2種類の研磨粒子の体積平均粒径D50は、いずれも0.1μm以上2.0μm以下である。ここにいう体積平均粒径D50とは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積についてそれぞれ小径側から累積分布を描いた場合に、累積が50%になる粒径である。現像剤収容体41は、これら2種類の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものである。トナー粒子は、現像器40内で負極性に帯電され、感光体10の表面110に静電的に移行する。
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、まず、感光体表面110にトナー像を形成するトナー像形成サイクルが実行される。このトナー像形成サイクルでは、感光体10の表面110が、帯電器20によって一様に帯電された後、露光器30によって画像情報に基づくレーザー光が照射され、感光体10の表面110に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器40によって現像され、感光体10の表面110にはトナー像が形成され、トナー像形成サイクルが終了する。
図1では、記録用紙Pが図の右から左に向かって搬送されてくる。搬送されてきた記録用紙は、感光体10と転写ロール50の間に送り込まれる。図1に示す画像形成装置1では、感光体10と転写ロール50によって挟み込まれた領域が転写領域になる。転写ロール50には、トナー粒子の帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加されており、トナー像形成サイクルによって感光体表面110に形成されたトナー像は、この転写領域において、感光体10の表面110から記録用紙Pに転写される。本実施形態の画像形成装置1では、記録用紙Pの表面が本発明にいう所定の被転写面に相当する。なお、図1に示す画像形成装置1では、転写ロール50を用いた直接転写方式が採用されているが、転写ロール50に代えて転写コロトロンを用いてもよい。また、記録用紙Pを静電的に吸着して搬送し感光体上のトナー像を転写する転写ベルト方式を採用してもよい。さらに、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式を採用してもよい。
また、図1に示す画像形成装置1は、転写領域よりも用紙搬送方向下流側に定着器90を備えている。この定着器90は、加熱機構を有する定着ロール91と、定着ロール91に対向するように設けられた圧力ロール92とを備えている。互いに対向する定着ロール91と圧力ロール92の間には、転写領域を通過した記録用紙Pが搬送されてくる。記録用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール91の加熱機構により溶融され圧力ロール92からの圧力を受けて記録用紙Pに定着し、定着トナー像からなる画像が形成される。
一方、感光体10の、転写領域を通過した表面110には、転写領域において記録用紙Pへ移行することができなかった残留トナー粒子や、その残留トナー粒子に付着していた正極帯電研磨粒子や負極帯電研磨粒子等が残留している。さらに、帯電器20における放電現象に伴い、感光体表面110にはO3やNOxに代表される放電生成物が付着し、感光体10の、転写領域を通過した表面110には、この放電生成物も残留している。放電生成物が感光体表面110に多く残留していると、残留している放電生成物が雰囲気中の水分とイオン結合して感光体表面10の電気抵抗が低下し、所謂白抜けという現象や画像流れという現象が引き起こされる。
図1に示すクリーニング装置70は、これらの残留物を除去するための装置であって、転写領域よりも感光体回転方向(感光体表面の循環移動方向)下流側であって帯電器20よりも感光体回転方向上流側の位置に配備されたものである。このクリーニング装置70は、2本のクリーニングブラシ71,72と、2本の回収ロール73と、2枚のスクレーパ部材74を有する。2本のクリーニングブラシ71,72はいずれも、感光体10の回転軸10aと平行に延びた中心軸711,721から放射状に延びた導電性の毛712,722を有する。これらのクリーニングブラシ71,72は、感光体10の回転方向に並んで配備されており、以下、必要に応じて、感光体10の回転方向上流側に配備されたクリーニングブラシを第1クリーニングブラシ71と称し、回転方向下流側に配備されたクリーニングブラシを第2クリーニングブラシ72と称することにする。いずれのクリーニングブラシ71,72も、毛712,722の先端が感光体表面110および回収ロール73の周面の双方に食い込んだ状態で中心軸711,721を中心にして回転する。
第1クリーニングブラシ71には、現像器40の現像剤収容体41に収納されたトナー粒子の帯電極性とは逆極性の正側のバイアスが印加されており、第2クリーニングブラシ72には、負側のバイアスが印加されている。感光体10の、転写領域を通過した表面110には両極性の残留トナーが存在しており、負極に帯電した、残留トナー粒子や研磨粒子(負極帯電研磨粒子)は、第1クリーニングブラシ71の毛712に電気的に引き寄せられるとともにこの毛712によって掻き取られる。一方、正極に帯電した、残留トナー粒子や研磨粒子(正極帯電研磨粒子)は、第2クリーニングブラシ72の毛722に電気的に引き寄せられるとともにこの毛722によって掻き取られる。すなわち、2本のクリーニングブラシ71,72は、感光体の、転写領域を通過した表面110に残留した残留トナー粒子をその表面110から除去するものであり、本発明にいうクリーニング手段の一例に相当する。
クリーニングブラシ71,72は、クリーニング性能の経時劣化が少なく、板状のクリーニングブレードを用いるよりも、特に高速機においては有利である。また図1に示すクリーニングブラシ71,72は積極的に電界を利用するクリーニング方式であるため、電気的作用を利用せず機械的に掻き取るクリーニングブレードでは困難である球状トナーのクリーニングに対しても優位性がある。
クリーニングブラシ71,72の毛712,722に移行した残留トナー粒子や研磨粒子は印加バイアスの作用によってその毛712,722に保持される。回収ロール73も、感光体10の回転軸10aと平行に延びた中心軸721を中心にして回転するものであり、クリーニングブラシ71,72の毛712,722に保持された残留トナー粒子等を回収する。スクレーパ部材74は、回収ロール73によって回収された残留トナー粒子等を回収ロール73から掻き落とす。スクレーパ部材74によって掻き落とされた残留トナー粒子等は、クリーニング装置70の外まで搬送される。
クリーニング補助部材75は、第1クリーニングブラシ71よりも、感光体回転方向上流側に配備されたものである。このクリーニング補助部材75は、感光体10の回転軸10aの延在方向に延びた保持部材751に多数の微細繊維752が保持されたものであり、本発明にいう繊維体の一例に相当する。多数の微細繊維752それぞれは、太さが10μm以下でのものであり、感光体表面110に接している。クリーニング補助部材75の、感光体表面110に接した面は、多数の微細繊維752によってポーラス状になっている。またクリーニング補助部材75の幅(感光体回転方向の長さ)は1.5mm以上あり、微細繊維752は、感光体回転方向に1.5mm以上の当接幅をもって接している。
クリーニング補助部材75は、残留トナー粒子を除去するクリーニングブラシ71,72よりも上流側に配置されているため、感光体10が回転することでこのクリーニング補助部材75に向けて残留トナー粒子や、正極帯電研磨粒子および負極帯電研磨粒子双方の残留研磨粒子等が運ばれてくる。残留トナー粒子や残留研磨粒子は、クリーニング補助部材75の微細繊維752によって捕捉され、その微細繊維752に保持される。従来の一般的なクリーナであるクリーニングブレードでは、感光体表面への接触が線接触であるため残留トナー粒子や残留研磨粒子が接触部(ブレードエッジ先端部)より離脱しやすく研磨効果は向上しないが、このクリーニング補助部材75は感光体表面110に対して、感光体回転方向に1.5mm以上にわたって接触し、しかもクリーニング補助部材75の、感光体表面110に接した面が、多数の微細繊維752によってポーラス状になっているため、捕捉された残留トナー粒子や残留研磨粒子は、その面に安定して保持され、十分な研磨効果が発揮される。
感光体表面110に付着した放電生成物等の付着物や、放電に伴う感光体10の表面劣化層は、微細繊維752に保持された残留トナー粒子の他、残留トナー粒子よりも高い研磨能力を有する残留研磨粒子によって像担持体表面から効果的に掻き取られる。ここで、残留トナー粒子については、感光体表面110の、現像によってトナーが移行してきた画像部とトナーが移行してこなかった非画像部(背景部)とのうちの画像部にしか基本的には存在しないが、残留研磨粒子については、画像部にはトナー粒子と同極に帯電した研磨粒子(トナー粒子が負帯電型のものであれば負極帯電研磨粒子)が存在し、非画像部にはトナー粒子と逆極に帯電した研磨粒子(トナー粒子が負帯電型のものであれば正極帯電研磨粒子)が存在する。そのため、残留研磨粒子は、微細繊維752に、感光体10の回転軸10aの延在方向に均一に保持される。さらに、詳細に検討してみると、感光体表面110に連続してトナー像形成を行った場合、最初のトナー像形成では非画像部(背景部)だった所が、次のトナー像形成では画像部になることがある。こうなると、最初、非画像部から微細繊維752に、トナー粒子と逆極に帯電した研磨粒子が保持され、次いで、この保持された研磨粒子によって、画像部からトナー粒子と同極に帯電した研磨粒子が静電捕獲され、残留研磨粒子が微細繊維752によりミクロ的に見ても密に保持されて、放電生成物等が、感光体10の回転軸10aの延在方向により均一かつ十分に掻き取られると推定する。
こうして掻き取られた放電生成物等は、微細繊維752に捕捉された残留トナー粒子に付着する。残留トナー粒子は、微細繊維752に安定して保持されてはいるものの、新たな残留トナー粒子がクリーニング補助部材75に運ばれてくると、微細繊維752に保持されている残留トナー粒子と、新たに運ばれてきた感光体表面110上の残留トナー粒子との間で入れ替わりが起こり、感光体表面110へ戻る。感光体表面110に戻った残留トナー粒子は、感光体表面110が循環することで下流側のクリーニングブラシ71,72に向かい、クリーニングブラシ71,72によって感光体表面110から除去される。すなわち、微細繊維752に一端捕捉され放電生成物等が付着した残留トナー粒子は、最終的にクリーニングブラシ71,72によって感光体表面110から除去される。このように、微細繊維752によって捕捉された残留トナー粒子の入れ替えが行われるので、微細繊維752に放電生成物等の掻取物が飽和してしまうことが抑えられる。一方、残留トナー粒子よりもはるかに小さい残留研磨粒子は、微細繊維752に保持され続け、放電生成物等を感光体表面110から効果的に掻き取り続ける。なお、微細繊維752に保持された微細研磨粒子の中には、感光体表面110へ戻る残留トナー粒子に再付着するものあり、また、残留研磨粒子においても残留トナー粒子のような入れ替えが若干は生じ、2本のクリーニングブラシ71,72によって感光体表面110から除去される残留研磨粒子もある。
また、正極帯電研磨粒子にしても負極帯電研磨粒子にしても、体積平均粒径D50が0.1μm以上2.0μm以下の研磨粒子であるため、放電生成物等が感光体表面110から十分に掻き取られる。すなわち、研磨粒子は、現像器40の現像剤収容体41内では、トナー粒子の表面に付着した状態にあり、その状態で現像によって感光体表面110に移行してくる。体積平均粒径D50が0.1μm未満の研磨粒子であると研磨能力が不足するとともに、感光体表面110に移行してきたトナー粒子から研磨粒子が離脱しにくくなる。クリーニング補助部材75の微細繊維752が、研磨粒子が表面に付着したトナー粒子を保持したものであると、掻き取った放電生成物等がトナー粒子に付着することで放電生成物等によってトナー粒子表面の研磨粒子が覆われてしまい、十分な研磨効果を発揮することができなくなる。また、トナー粒子から離脱したとしても微細繊維752に埋没しやすく、十分な研磨効果を発揮することができない。一方、体積平均粒径D50が2.0μmを越える研磨粒子であると、現像剤収容体41内で研磨粒子がトナー粒子から離脱してしまい研磨粒子が感光体表面110に移行してこなかったり、あるいは研磨粒子がトナー粒子に付着して感光体表面110に移行し微細繊維752に保持されたとしても、今度は微細繊維752から研磨粒子が離脱しやすく、十分な研磨効果を発揮することができない。
ここで、クリーニング補助部材75の微細繊維752を構成する繊維の太さは1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上8μm以下であることがより好ましい。繊維太さが10μmよりも大きくなると、残留トナー粒子や残留研磨粒子の均一保持性が低下するとともに、感光体表面110との摺擦時に残留トナー粒子等の、微細繊維752からの離脱や繊維間への埋没が発生しやすくなり、摺擦による感光体10のリフレッシュ性能の低下が生じる。反対に、1μmより細い場合は摺擦によるストレスで微細繊維752自体の損傷が生じやすくなる。またクリーニング補助部材75の、感光体表面110への当接幅があまり大きくなりすぎても、残留トナー粒子等が微細繊維752から離脱しやすくなる。このため、当接幅の上限としては特に限定はないが、画像形成装置の大型化の観点より10mm以下とすることが好ましい。微細繊維712の材質としては、例えばポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、またはこれらの各合成繊維の樹脂を用いた複合繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、などが用いられる。これらの微細繊維をシート状にする加工方法としては、糸を編み二次元的材料を構成する方法と、繊維から直接布を作る方法とがあり、後者は繊維を相互に接着させたり、機械的に絡ませたりしてシート状に加工するものであり、これを不織布と呼んでいる。いずれの方法を用いてもよいが、微細繊維の密度が大きく柔軟性に富み、繊維間に残留トナー粒子等を良好に保持出来るという点で不織布が望ましい。
また、保持部材751は、微細繊維712のバックアップ材として用いることが好ましく、微細繊維712を保持部材751の表面に貼り付けて、その表面が感光体表面110に所定の圧力で押し当てられていることが望ましい。保持部材751としては、発砲ウレタン、ウレタンゴム、シリコーンゴム、などの弾性体があげられる。保持部材751によって感光体表面110に微細繊維752を押し付ける圧力としては、4.9〜58.8mN/mmの範囲であることが好ましい。更に好ましい範囲は9.8〜39.2mN/mmである。押し付け圧が4.9mN/mmより低いと充分な摺擦機能を発揮することが出来ず、58.8mN/mmより高いと感光体表面110との摺擦が強すぎて微細繊維752自体および感光体10の劣化を招き、さらには却ってフィルミング等を誘発する。
続いて、図1に示す感光体に使用することができる感光体について詳述する。
図2は、図1に示す感光体の断面構造を示す模式図である。
図2には、円筒上の導電性支持体102の表面に形成された下引層103、その下引層103の表面に形成された電荷発生層104、その電荷発生層104の表面に形成された電荷輸送層105、および保護層101が示されている。
本実施形態の感光体としては、有機感光体や、アモルファスシリコン感光体やセレン系感光体などの無機系の感光体など公知の感光体を用いる事ができるが、コスト、製造性および廃棄性等の点で優れた利点を有する有機感光体が好適に用いられる。更に、感光体には、揺動摺擦による感光体表面の傷などに対する耐性を持たせたるため、高強度表面保護層を設けることが好ましく、保護層を構成する材料として電荷輸送能を有する構造単位と架橋構造とを有する樹脂を含有することが更に好ましい。
以下、保護層について説明する。保護層を構成する材料としては、耐磨耗性を向上させ十分な硬度を確保するために、架橋構造を有する樹脂が少なくとも用いられる。このような材料を用いない場合には、表面の硬度が低く十分な耐磨耗性が得られないため、傷が発生したり磨耗が進行し易く、高速で使用する場合や、非常に長期に渡って画像形成を行う場合、高品質の画質を得られない。
なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、保護層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。
保護層の形成方法の詳細については後述するが、保護層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。なお、架橋構造を有する樹脂としては、保護層の硬度を確保する点から種々の材料を用いることができるが、特性上、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、これらの中でもフェノール系樹脂とシロキサン系樹脂が耐久性の点で好ましい。さらに好ましくはメチロール基を有するフェノール誘導体を架橋したフェノール系樹脂、および、架橋構造を有するシロキサン系樹脂から選択される少なくとも1種である。
さらに、電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を有している(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。この場合、積層構成型の感光体では、保護層が電荷輸送層の一部として機能することもできる。このような電荷輸送能を有する構造単位としては、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料であることが好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては下記一般式(I)〜(V)で示される化合物又はその誘導体が強度、安定性に優れ特に好ましい。
F−[D−Si(R1)(3-a)Qa]b (I)
上記一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R1は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β-2−、−CγH2γ-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H4)−(C6H4)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキ シ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X1)n1R2−ZH]n2 (II)
上記一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、n1は0又は1を、n2は1〜4の整数を、ZHは水酸基、チオール基、アミノ基又はカルボキシル基を示す。
F−[(X2)n3−(R3)n4−(Z)n5G]n6 (III)
上記一般式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R3はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n3、n4及びn5はそれぞれ独立に0又は1を、n6は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R1)(3-a)Qa]b (I)
上記一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R1は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β-2−、−CγH2γ-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H4)−(C6H4)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキ シ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X1)n1R2−ZH]n2 (II)
上記一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、n1は0又は1を、n2は1〜4の整数を、ZHは水酸基、チオール基、アミノ基又はカルボキシル基を示す。
F−[(X2)n3−(R3)n4−(Z)n5G]n6 (III)
上記一般式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R3はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n3、n4及びn5はそれぞれ独立に0又は1を、n6は1〜4の整数を示す。
上記一般式(IV)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Tは2価の基を、Yは酸素原子又は硫黄原子を、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を、R7は1価の有機基を、m1は0又は1を、n7は1〜4の整数を、それぞれ示す。但し、R6とR7は互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。Tの具体例としては、炭素数1のアルキレン基などが挙げられる。
上記一般式(V)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Tは2価の基を、R8は1価の有機基を、m2は0又は1を、n8は1〜4の整数を、それぞれ示す。Tの具体例としては、炭素数1のアルキレン基などが挙げられる。
上記一般式(I)〜(V)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
上記一般式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記式(I)〜(V)で示される化合物における−D−Si(R1)(3-a)Qa、−(X1)n1R2−ZH、−(X2)n3−(R3)n4−(Z)n5G、−(T)m1−O−CR4(CHR5R6)(Y−R7)、−(T)m2−OCOO R8で示される部位と結合手を有する。kは0又は1を示す。
また、保護層が、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有することが好ましい。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の体積平均粒子径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30)(4-c)Qc (VII−1)
上記一般式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
Si(R30)(4-c)Qc (VII−1)
上記一般式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層には、その強度を高めるために、一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31)(3-d)Qd)2 (VII−2)
上記一般式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
B−(Si(R31)(3-d)Qd)2 (VII−2)
上記一般式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
上記一般式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
更に、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、体積平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、体積平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講 演予稿集p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In2O3、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」以上三共ライフテック株式会社製、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
保護層は、上述した構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。保護層形成用塗布液には触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO3)2等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、トン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間は長いほど好ましい。
硬化処理の際の硬化温度は100〜190℃が好ましく、110〜170℃がより好ましく、130〜160℃がさらに好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下であることが好ましい。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、上記一般式(II)で示される化合物において、(−(X1)n1R2−ZH)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類、ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス (アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセ トナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチルコバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
上記一般式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子としては、上記の中でも、一般式(VII−4)で示される2座配位子がより好ましく、一般式(VII−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012f m/s・Pa以下であることがさらに好ましい。ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性ととらえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、トナー像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
保護層の膜厚は、0.1〜6μmが好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。
次に、現像剤収容体41について詳述する。上述の如く、現像剤収容体41は、正極帯電研磨粒子と負極帯電研磨粒子との2種類の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものである。
まず、研磨粒子について詳述する。
研磨粒子の帯電極性については、以下の方法で判定することができる。
スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂(共重合比80:20、三洋化成社製) 94重量部
カーボンブラック(BPL、キャボット社製) 6重量部
上記組成よりなる混合物を、押出機により加熱混練し、冷却して混練物Aを得る。粉砕後、これを更に分級して、平均粒径約7μmのトナー母粒子を得る。このトナー母粒子100部に対し、研磨粒子1.5部をブレンダーにて混合し、帯電極性測定用トナーとする。更にラボ環境(22℃、50%RH)下でスチールショットキャリア(パウダーテック製、平均粒径100μm)とターブラブレンダーにより60秒間撹拌混合した後ブローオフ法帯電量測定し、研磨粒子外添なしのトナー母粒子を基準として相対的な帯電量の増減で極性を判定する。
スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂(共重合比80:20、三洋化成社製) 94重量部
カーボンブラック(BPL、キャボット社製) 6重量部
上記組成よりなる混合物を、押出機により加熱混練し、冷却して混練物Aを得る。粉砕後、これを更に分級して、平均粒径約7μmのトナー母粒子を得る。このトナー母粒子100部に対し、研磨粒子1.5部をブレンダーにて混合し、帯電極性測定用トナーとする。更にラボ環境(22℃、50%RH)下でスチールショットキャリア(パウダーテック製、平均粒径100μm)とターブラブレンダーにより60秒間撹拌混合した後ブローオフ法帯電量測定し、研磨粒子外添なしのトナー母粒子を基準として相対的な帯電量の増減で極性を判定する。
2種類の研磨粒子の体積平均粒径D50は、上述の如くいずれも0.1μm以上2.0μm以下の範囲であるが、0.1μm以上1.0μm以下の範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.2μm以上0.8μm以下の範囲である。この研磨粒子の体積平均粒径D50は、例えば,レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。
また、2種類の研磨粒子のモース硬度はいずれも3以上である。モース硬度が3以上であることで、十分な研磨効果が得られる。
研磨粒子には、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ、炭酸カルシウム素、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
無機微粒子の帯電性は、トナー種、あるいはキャリア種により一概には規定できないが、トナー種またはキャリア種に応じて上記無機微粒子から適時選択することができる。また無機微粒子に通常使用される種々の公知の帯電制御剤で表面処理を施し帯電性を制御してもかまわない。正帯電制御剤としては、第4級アンモニウム系化合物、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、ポリアミン系化合物、イミダゾール誘導体等があげられ、また、負帯電制御剤としては、含クロムモノアゾ錯体、サルチル酸金属錯化合物、含クロル有機染料等があげられる。
また、研磨粒子には、無機微粒子の一部を表面に露出した状態で内包した樹脂粒子である複合粒子を用いることもできる。なお、無機微粒子の一部が表面に露出した状態とは、複合粒子を電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡等で観察した場合に、複合粒子表面に、無機微粒子に起因する凸形状の存在が確認できる状態を意味する。
複合粒子を構成する樹脂粒子の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、公知の各種の樹脂から適宜選択することができる。しかし、熱可塑性樹脂は、複合粒子全体の硬度を充分高めることができない場合があるため、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。これは、複合粒子に、長期に渡って安定した研磨効果を付与するためには、現像器40中における撹拌等のストレス下でも複合粒子が変形せず、また、複合粒子表面近傍に存在する無機微粒子の埋没を防止する必要があるためである。
熱可塑性樹脂の例としては、具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
なお、これら樹脂を利用した複合粒子の作製に際して、ジビニルベンゼン等の架橋成分も併用すれば、複合粒子の硬度をより高めることもできる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂、等が挙げられる。
これらの樹脂の中では、電子付与能を有する窒素原子を含有する樹脂を用いることが好ましく、窒素原子を含有する樹脂の中でも特に、熱硬化性であり、電子付与能が高いメラミン樹脂を用いることが好ましい。
一方、複合粒子を構成する無機微粒子としては、感光体表面の放電生成物等の付着物に対する研磨能力を有するものであれば特に限定されないが、例えば、モース硬度が3〜9の範囲内であることが好ましく、粒径(1次粒径)が5〜500nmの範囲内であることが好ましい。また、形状としては特に限定されないが、不定形、球形、立方体等が挙げられる。上記のような無機微粒子としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム等をあげることができるが、帯電付与能力を調整する目的からシリカを用いることが好ましい。
本実施形態においては、複合粒子として、正に帯電する正極帯電のものと、負に帯電する負極帯電のものとの2種類が必要であるが、複合粒子の帯電性をトナーの正規の極性と逆極性にする場合には、トナーの正規の極性に対して、複合粒子を構成する樹脂粒子材料として、トナーの正規の極性と反対側へシフトさせた帯電特性の材料を選択すればよい。ただし、この場合、極端に帯電性の強い材料であると、トナー自体の帯電劣化を起こす場合があるので、例えば複合粒子を構成する無機微粒子(無機材料)として、樹脂粒子の極性と反対側へシフトさせた帯電特性を有する材料を選択することも有効である。すなわち、相対的な電位差で表せば、例えば、トナーの正規の極性がマイナスであるとすると、正規の極性に帯電したトナーと樹脂粒子と無機微粒子との間の相対的な電位差の関係は、正規の極性に帯電したトナー<樹脂粒子>無機微粒子となる。
なお、上述したような、トナーの正規の極性(マイナス)と樹脂粒子と無機微粒子との間の相対的な電位差の関係を満たす樹脂粒子と無機微粒子との好適な組合せの一例としては、強い正帯電性を有するメラミン樹脂と、強い負帯電性を有するシリカとの組合せや、強い正帯電性を有するフェノール樹脂と、強い負帯電性を有するシリカとの組合せや、強い正帯電性を有するフェノール樹脂と、強い負帯電性を有するシリカとの組合せ等が挙げられる。
一方、トナーの正規の極性と同極性にする場合にも、上述したような考え方で樹脂粒子と無機微粒子とを適宜選択すれば、トナーの正規の極性と同極性に帯電させた複合粒子を得ることができる。
複合粒子は、例えば、サスペンジョン重合、乳化重合、懸濁重合などの重合方法を利用して粒状樹脂を製造する方法、モノマーもしくはオリゴマーを貧溶媒中に分散して、架橋反応を行いつつ表面張力により粒状化する方法、低分子成分と架橋剤とを溶融混練などにより、混合反応させた後、風力、機械力により、所定の粒度に粉砕する方法等の公知の樹脂粒子の製造過程において、無機微粒子を混入させることで得ることができる。例えば、単量体等の樹脂粒子成分の前駆体を少なくとも含む溶液に、無機微粒子を分散させた後、重合や架橋反応等により複合粒子を得ることができる。
また、無機微粒子による複合粒子表面の凹凸形状は、例えば、〔1〕使用する無機微粒子の使用量や粒径を調整したり、〔2〕液相中で、樹脂粒子成分の前駆体(単量体等)と無機微粒子とからなる凝集体を形成後、この凝集体の重合や架橋反応による収縮を利用して、内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、〔3〕樹脂粒子成分と無機微粒子とからなる潤湿状態の粒子を形成後、乾燥時の樹脂マトリックスの収縮を利用して内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、あるいは、〔4〕樹脂粒子成分のみからなるコア粒子を形成後、樹脂粒子と無機微粒子とからなる被覆層を形成したりすること等によって調整することができる。
以下に、シリカ微粒子(無機微粒子)とメラミン樹脂(樹脂粒子成分)とからなる複合粒子を例に、複合粒子の製造例を詳細に説明する。
まず、水性媒体に数nm〜数十nm程度の平均粒径を有するコロイダルシリカとメラミン化合物とアルデヒド化合物と含む溶液を懸濁しながら、塩基性条件下でメラミン化合物とアルデヒド化合物と反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調整する(工程(a))。
続いて、工程(a)で得られた水溶液に酸触媒を加えることによって、シリカ微粒子がメラミン樹脂中に分散した球状の複合粒子を析出させる(工程(b))。
ここで、上記工程(a)で使用するメラミン化合物としては、メラミン、メラミンのアミノ基の水素をアルキル基、アルケニル基、フェニル基で置換した置換メラミン化合物など公知のものが使用できる。この中では安価なメラミンが最も好ましい。
また、上記工程(a)で使用されるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールなどが挙げられるが、安価でメラミン化合物との反応性が良いホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドが好ましい。
また、アルデヒド化合物は、前記メラミン化合物1モルに対して有効アルデヒド基当たり1.1〜6.0モル、特に1.2〜4.0モルとなるように配合することが好ましい。
上記工程(a)で使用されるコロイダルシリカとしては、平均粒径が好ましくは5〜70nmの範囲内のものが使用できる。また、沈降性シリカパウダー、気相法シリカパウダーなどのパウダー状のコロイダルシリカを使用することもできるが、好ましくは媒体中で一次粒子レベルまで安定分散させたコロイダルシリカのゾルを使用するのが良い。
コロイダルシリカの平均粒径が70nmを超える場合は、前記工程(b)で析出する複合粒子の形状が球状になり難くなる場合がある。また、5nmに満たないと、複合粒子の粒度分布をシャープに制御し難くなる場合がある。工程(b)を経て得られた複合粒子の平均粒径は、一般的にメラミン系樹脂濃度が低いほど、またコロイダルシリカの平均粒径が小さいほど小さくなる。
コロイダルシリカの添加量は、メラミン化合物100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲が好ましく、1〜50重量部の範囲がより好ましい。添加量が0.5重量部未満では、工程(b)で複合粒子を得ることが困難になる場合がある。また、添加量が100重量部を超えても複合粒子が得られるが、この場合、微小で球状でない凝集粒子が副生するので好ましくない場合がある。
以上、シリカ微粒子とメラミン樹脂とからなる複合粒子を例として、複合粒子自体の具体的な製造過程について説明したが、次に、無機微粒子や樹脂粒子成分の種類に関係無く、ここにいう複合粒子に共通する事項について説明する。
まず、複合粒子は、その表面を下記一般式で示されるようなシランカップリング剤等のカップリング剤で表面処理しておいてもよい。
R1Si(X)3 (a)
R1R2Si(X)2 (b)
R1R2R3SiX (c)
なお、上記各式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基またはパーフルオロアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、Xは塩素原子、アルコキシ基、NCO基、またはアセトキシ基を表す。
R1Si(X)3 (a)
R1R2Si(X)2 (b)
R1R2R3SiX (c)
なお、上記各式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基またはパーフルオロアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、Xは塩素原子、アルコキシ基、NCO基、またはアセトキシ基を表す。
このような表面処理により、感光体表面のコメットやフィルミングの発生防止、トナーへの分散性や密着性、さらには疎水性の制御に伴う帯電の安定性、電荷交換性等の向上効果がより一層期待される。
これらの中でも、帯電量の増加という点で、一般式(a)で示されるものが好ましく、特にCH3(CH2)nSi(OCH3)3(ただし、n=5〜19)が好ましい。また、同様の理由で、R1が炭素数7〜16のアルキル基またはパーフルオロアルキル基であるものが好ましい。このような、カップリング剤による処理は、例えば、カップリング剤を含有する溶液中に複合粒子を浸漬し、乾燥する方法の場合は、均一な被覆を形成することができるので好ましい。前記カップリング剤の付着量は、複合粒子に対して0.1〜25重量%の範囲であることが好ましい。
次に、トナー粒子について説明する。トナー粒子は、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法,混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法,結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法,結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法,結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに被覆層を形成してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
また、トナー粒子の粒度分布はある程度の範囲に制御されていることが望ましい。具体的には、トナー粒子の体積平均粒径をD50とした場合、トナー粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(2/3)×D50以下である粒子数の割合が、10個数%以下であることが好ましい。すなわち、現像剤収容体41は、トナー粒子の体積平均粒径D50に対して2/3以下である粒径のトナー粒子の割合が10個数%以下であるトナー粒子の集まりを収容したものであることが好ましい。体積平均粒径D50に対して2/3以下である、いわゆる小粒径のトナー粒子では、微細繊維752における入れ替えが起こりにくくなり、微細繊維752にトナー粒子が堆積して微細繊維752に残留研磨粒子が捕獲されにくくなってしまう。このため、小粒径のトナー粒子の割合を10個数%以下に抑えることが好ましく、5個数%以下であることが更に好ましい。
なお、ここにいうトナー粒子の体積平均粒径も、上述の研磨粒子の体積平均粒径と同じく、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。
尚、粒度分布を制御する方法として、公知の分級器・篩分器を用いてもよいし、前述の重合を用いてシャープな分布のトナーを作製してもよい。
さらに、脂肪酸金属塩および高級アルコールの少なくとも一方を含むトナー粒子を用いることが好ましい。すなわち、現像剤収容体41は、脂肪酸金属塩および高級アルコールの少なくとも一方を含むトナー粒子の集まりを収容したものであることが好ましい。こうすることで、トナー粒子に含まれる脂肪酸金属塩または/および高級アルコールによって、残留研磨粒子の、感光体表面110からの離型性が向上し、残留研磨粒子が微細繊維752に積極的に移行すると推定する。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸のカドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛;カプロン酸鉛;リノール酸亜鉛;リノール酸コバルト;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩;及びこれらの混合物等が挙げられるが、中でもステアリン酸亜鉛が潤滑効果が高く好ましい。
続いて、本発明の第2実施形態の画像形成装置について説明する。以下、図1に示す画像形成装置の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図3は、本発明の第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。
図3に示す画像形成装置1と図1に示す画像形成装置とを比較すると、クリーニング装置70の構成が異なっている。すなわち、図1に示す画像形成装置のクリーニング装置には、クリーニング補助部材75の下流に、2本のクリーニングブラシ71,72が配備されているが、図3に示す画像形成装置1のクリーニング装置70には、これら2本のクリーニングブラシ71,72に代えて1枚の板状のクリーニングブレード79が配備されている。図3に示すクリーニングブレード79は、感光体10の表面110に先端エッジ部791を接触させた状態で、感光体10の回転軸10aの延在方向に延びるものである。このクリーニングブレード79は、感光体10の表面110に残留した残留トナー粒子を感光体10が回転することで、電気的作用を利用せず機械的に掻き取る。
図3に示す画像形成装置1にも、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容した現像剤収容体41が配備されている。したがって、トナー粒子よりも高い研磨能力を有する残留研磨粒子が、画像部であっても非画像部であっても帯電極性は異なるものの存在し、微細繊維752に静電凝集する。この結果、残留研磨粒子が微細繊維752にミクロ的に見ても密に保持されて、放電生成物が感光体表面110から、感光体10の回転軸10aの延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去される。
なお、クリーニングブラシやクリーニングブレード等の残留トナー成分を除去するクリーニング手段として、磁気ブラシなど公知のクリーニング手段を広く用いることができる。
(実施例)
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
[現像剤の作製]
<トナー母粒子Aの作製>
スチレン−nブチルアクリレート共重合樹脂(Tg=58℃、Mn=4000、Mw=25000) 100部
カーボンブラック(キャボット社製:モーガルL) 3部
上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散してトナー母粒子Aを得た。得られたトナー母粒子Aをレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、体積平均粒径D50は6.8μmであった。なお、以下の体積平均粒径D50の測定もここでの測定と同じである。また、個数平均粒径d50は5.8μmであった。
<トナー母粒子Bの作製>
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
[現像剤の作製]
<トナー母粒子Aの作製>
スチレン−nブチルアクリレート共重合樹脂(Tg=58℃、Mn=4000、Mw=25000) 100部
カーボンブラック(キャボット社製:モーガルL) 3部
上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散してトナー母粒子Aを得た。得られたトナー母粒子Aをレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、体積平均粒径D50は6.8μmであった。なお、以下の体積平均粒径D50の測定もここでの測定と同じである。また、個数平均粒径d50は5.8μmであった。
<トナー母粒子Bの作製>
(樹脂微粒子分散液)
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、,アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、,アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤を調整した。
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤を調整した。
(離型剤分散液)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径SD50が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径SD50が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
(トナー母粒子Bの調整)
上記樹脂微粒子分散液 234部
上記着色剤分散液 30部
上記離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒径D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26重量部の上記樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子Bを得た。このトナー母粒子Bの体積平均粒径D50は5.7μmであり、平均形状係数SFは132であった。なお、個数平均粒径d50は5.1μmであった。
上記樹脂微粒子分散液 234部
上記着色剤分散液 30部
上記離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒径D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26重量部の上記樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子Bを得た。このトナー母粒子Bの体積平均粒径D50は5.7μmであり、平均形状係数SFは132であった。なお、個数平均粒径d50は5.1μmであった。
<研磨粒子A>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.135μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子を得た。
<研磨粒子B>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにデシルトリメトキシシラン処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.2μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子Bを得た。
<研磨粒子D>
体積平均粒径D50が0.6μm、モース硬度7の酸化セリウム(三井金属鉱業社製 E10)を研磨粒子Dとして用意した。
<研磨粒子E>
体積平均粒径D50が0.3μm、モース硬度6のチタン酸ストロンチウム(境化学工業社製 ST−03)を研磨粒子Eとして用意した。
<研磨粒子F>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、体積平均粒径7.9nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.7に調整した混合物fを得た。
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.135μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子を得た。
<研磨粒子B>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにデシルトリメトキシシラン処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.2μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子Bを得た。
<研磨粒子D>
体積平均粒径D50が0.6μm、モース硬度7の酸化セリウム(三井金属鉱業社製 E10)を研磨粒子Dとして用意した。
<研磨粒子E>
体積平均粒径D50が0.3μm、モース硬度6のチタン酸ストロンチウム(境化学工業社製 ST−03)を研磨粒子Eとして用意した。
<研磨粒子F>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、体積平均粒径7.9nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.7に調整した混合物fを得た。
次に、上記混合物fを撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。次に温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約20分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子である研磨粒子Fを得た。この研磨粒子Fの体積平均粒径D50は0.3μmであった。
得られた研磨粒子Fをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが研磨粒子Fの表面付近に偏在していることが確認された。また、研磨粒子Fの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<研磨粒子G>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、体積平均粒径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した混合物gを得た。
<研磨粒子G>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、体積平均粒径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した混合物gを得た。
その後、上記混合物gを撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
次に、温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約25分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子である研磨粒子Gを得た。この研磨粒子Gの体積平均粒径D50は1.65μmであった。
得られた研磨粒子Gをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが研磨粒子Gの表面付近に偏在していることが確認された。また、研磨粒子Gの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<研磨粒子H>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.4に調整した混合物hを得た。
<研磨粒子H>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.4に調整した混合物hを得た。
その後、上記混合物hを撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
次に、温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約30分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子である研磨粒子Hを得た。この研磨粒子Hの体積平均粒径D50は2.3μmであった。
得られた研磨粒子Hをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが研磨粒子Hの表面付近に偏在していることが確認された。また、研磨粒子Hの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<研磨粒子I>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.08μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子Iを得た。
<キャリヤ>
フェライト粒子(体積平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をまず10分間スターラーで撹拌させて被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
<現像剤の調整>
現像剤は前記トナー母粒子A100部または前記トナー母粒子B100部に、体積平均粒径15nmのデシルシラン処理の疎水性チタニア0.8部、体積平均粒径30nmの疎水性シリカ(NY50、日本アエロジル社製)1.5部、及び下記の表1に示す研磨粒子及び滑性粒子をヘンシェルミキサーを用い周速32m/秒で10分間ブレンドを行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去しトナーを作製した。
<研磨粒子I>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕することにより、体積平均粒径D50が0.08μm、モース硬度7のシリカ粒子である研磨粒子Iを得た。
<キャリヤ>
フェライト粒子(体積平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をまず10分間スターラーで撹拌させて被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
<現像剤の調整>
現像剤は前記トナー母粒子A100部または前記トナー母粒子B100部に、体積平均粒径15nmのデシルシラン処理の疎水性チタニア0.8部、体積平均粒径30nmの疎水性シリカ(NY50、日本アエロジル社製)1.5部、及び下記の表1に示す研磨粒子及び滑性粒子をヘンシェルミキサーを用い周速32m/秒で10分間ブレンドを行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去しトナーを作製した。
また、キャリア100部とトナー6部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤1〜12までを調整した。
[感光体Aの作製]
4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170重量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部を添加、混合撹拌して下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径84mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
[感光体Aの作製]
4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170重量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部を添加、混合撹拌して下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径84mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
電荷発生材料として、塩化ガリウムフタロシアニンを用い、その15重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10重量部およびn−ブチルアルコール300重量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散し、分散駅を得た。この分散液を、上記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60重量部とをテトロヒドロフラン230重量部及びモノクロロベンゼン100重量部に十分に溶解混合して得られた塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、130°で40分乾燥することにより、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
構成材料
下記に示す化合物(1) 1:2部
メチルトリメトキシシラン:2部
テトラメトキシシラン:0.5部
コロイダルシリカ:0.3部
フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製):0.5部
構成材料
下記に示す化合物(1) 1:2部
メチルトリメトキシシラン:2部
テトラメトキシシラン:0.5部
コロイダルシリカ:0.3部
フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製):0.5部
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を加えコーティング液とし、このコーティング液を上記電荷輸送層の上に浸漬塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で40分加熱処理して硬化し、膜厚約4μmのシロキサン系樹脂からなる保護層を形成した。得られた感光体を感光体Aとした。
[感光体Bの作製]
下記に示す化合物(2)を2部、レジトップPL4852(群栄化学製)を2部をイソプロピルアルコール10部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。この保護層形成用塗布液を電荷輸送層作製までは感光体Aと同様に作製した感光体の電荷輸送層上に浸漬塗布し、室温で30分風乾した後、135℃で50分乾燥させ、膜厚4μmのフェノール系樹脂からなる保護層を形成した。得られた感光体を感光体Bとした。
[感光体Bの作製]
下記に示す化合物(2)を2部、レジトップPL4852(群栄化学製)を2部をイソプロピルアルコール10部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。この保護層形成用塗布液を電荷輸送層作製までは感光体Aと同様に作製した感光体の電荷輸送層上に浸漬塗布し、室温で30分風乾した後、135℃で50分乾燥させ、膜厚4μmのフェノール系樹脂からなる保護層を形成した。得られた感光体を感光体Bとした。
[実施例1]
試験機として、富士ゼロックス社製DocuCenter1010を図1に示す画像形成装置のように改造したものを用いた。すなわち、感光体にはシロキサン系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Aを組み込んだ。また、クリーニング装置には、クリーニングブラシ、回収ロール、スクレーパ部材、およびクリーニング補助部材を備えた図1に示すクリーニング装置を用いた。詳細を以下に示す。
(1)第1クリーニングブラシ
ブラシ材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール(約17μm)、電気抵抗:1×108Ω、毛足長さ:3mm、繊維密度:120,000本/inch2、感光体への食い込み量:約0.75mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆方向、ブラシ印加バイアス:+240V
(2)第2クリーニングブラシ
ブラシ印加バイアスを−240Vに代えた以外は、上記第1クリーニングブラシと同じものである。
(3)回収ロール
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、クリーニングブラシへの食い込み量:1.0mm、周速:70mm/s、回転方向:クリーニングブラシの回転方向に対して同方向、印加バイアス:第1クリーニングブラシに接する回収ロールは+640V,第2クリーニングブラシに接する回収ロールは−640V
(4)スクレーパー部材
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロールへの食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mm
(5)クリーニング補助部材
微細繊維布として水流絡合法で作製した繊維径(太さ)6μmの不織布(ポリエステル/ナイロン、日本バイリーン製WP8085)を、保持部材として用意した高さ3mm、幅4mmのパッド状の発泡ウレタンに貼り付け、感光体への食いこみ量を1.5mmに設定し、感光体表面へのクリーニング補助部材の押し付け圧力は25℃の測定環境下において19.6mN/mmとした。
ここで用いた画像形成装置の仕様を表2に示す。
試験機として、富士ゼロックス社製DocuCenter1010を図1に示す画像形成装置のように改造したものを用いた。すなわち、感光体にはシロキサン系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Aを組み込んだ。また、クリーニング装置には、クリーニングブラシ、回収ロール、スクレーパ部材、およびクリーニング補助部材を備えた図1に示すクリーニング装置を用いた。詳細を以下に示す。
(1)第1クリーニングブラシ
ブラシ材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール(約17μm)、電気抵抗:1×108Ω、毛足長さ:3mm、繊維密度:120,000本/inch2、感光体への食い込み量:約0.75mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆方向、ブラシ印加バイアス:+240V
(2)第2クリーニングブラシ
ブラシ印加バイアスを−240Vに代えた以外は、上記第1クリーニングブラシと同じものである。
(3)回収ロール
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、クリーニングブラシへの食い込み量:1.0mm、周速:70mm/s、回転方向:クリーニングブラシの回転方向に対して同方向、印加バイアス:第1クリーニングブラシに接する回収ロールは+640V,第2クリーニングブラシに接する回収ロールは−640V
(4)スクレーパー部材
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロールへの食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mm
(5)クリーニング補助部材
微細繊維布として水流絡合法で作製した繊維径(太さ)6μmの不織布(ポリエステル/ナイロン、日本バイリーン製WP8085)を、保持部材として用意した高さ3mm、幅4mmのパッド状の発泡ウレタンに貼り付け、感光体への食いこみ量を1.5mmに設定し、感光体表面へのクリーニング補助部材の押し付け圧力は25℃の測定環境下において19.6mN/mmとした。
ここで用いた画像形成装置の仕様を表2に示す。
以上説明した画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤2を収容した。現像剤2を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
この画像形成装置を用いて、低温低湿(10℃、20%RH)及び高温高湿(28℃、80%)でそれぞれ10万枚の耐久試験を行った。ここでの耐久試験では、極端に画像密度の少ない領域(背景部)と画像密度の多い領域(画像部)とを有する原稿の画像形成を行い、感光体摩耗、フィルミング、および像流れの3つについて評価を行った。これらの結果を総合評価とともに表3に示す。
各評価に関する詳細は以下の通りである。
〔感光体摩耗量〕
感光体の磨耗に関しては試験前と試験後の感光体の膜厚を試験環境毎に渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて判断した。表2に示す値は感光体1000回転あたりの摩耗量を示す。
〔フィルミング〕
耐久試験後の感光体上の付着物の有無を観察し、目視による官能評価を行った。また画像密度30%のハーフトーン画像を採取し画質への影響の有無の官能評価を行った。判断基準は以下の通りである。
◎→感光体付着物がなく、画質上も未発生
○→感光体付着物はあるが、画質上は未発生
×→感光体付着物があり、画質上も発生
〔像流れ〕
2万枚プリント毎に12時間以上放置後、水溶性である放電生成物を除去するため感光体表面の一部分のみを水拭きした。その後、ハーフトーン画像をプリントし、反射型濃度測定機(X−rite)により、感光体表面の水拭きした箇所と水拭きしていない箇所とに対応する画像部分の濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。ΔSADの値が小さいほど、像流れが生じていないことになる。尚、ハーフトーン画像は像流れの検出精度を通常よりも向上させるため画像密度30%の300線の万線スクリーンのハーフトーン画像にて判断した。
◎:ΔSADが0.15以下
○:ΔSADが0.15を超え0.3未満
△:ΔSADが0.3を超え0.4未満
×:ΔSADが0.4以上
[実施例2]
感光体を、フェノール系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Bに代えた以外は、実施例1と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例3]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤1を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
〔感光体摩耗量〕
感光体の磨耗に関しては試験前と試験後の感光体の膜厚を試験環境毎に渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて判断した。表2に示す値は感光体1000回転あたりの摩耗量を示す。
〔フィルミング〕
耐久試験後の感光体上の付着物の有無を観察し、目視による官能評価を行った。また画像密度30%のハーフトーン画像を採取し画質への影響の有無の官能評価を行った。判断基準は以下の通りである。
◎→感光体付着物がなく、画質上も未発生
○→感光体付着物はあるが、画質上は未発生
×→感光体付着物があり、画質上も発生
〔像流れ〕
2万枚プリント毎に12時間以上放置後、水溶性である放電生成物を除去するため感光体表面の一部分のみを水拭きした。その後、ハーフトーン画像をプリントし、反射型濃度測定機(X−rite)により、感光体表面の水拭きした箇所と水拭きしていない箇所とに対応する画像部分の濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。ΔSADの値が小さいほど、像流れが生じていないことになる。尚、ハーフトーン画像は像流れの検出精度を通常よりも向上させるため画像密度30%の300線の万線スクリーンのハーフトーン画像にて判断した。
◎:ΔSADが0.15以下
○:ΔSADが0.15を超え0.3未満
△:ΔSADが0.3を超え0.4未満
×:ΔSADが0.4以上
[実施例2]
感光体を、フェノール系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Bに代えた以外は、実施例1と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例3]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤1を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤1を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は19.3個数%であった。
[実施例4]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤3を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例4]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤3を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤3を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例5]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤4を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例5]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤4を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤4を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例6]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤5を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例6]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤5を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤5を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例7]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤6を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例7]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤6を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤6を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例8]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤7を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例8]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤7を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤7を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例9]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤8を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例9]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤8を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤8を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[実施例10]
クリーニング補助部材を、繊維径11μmの不織布(セルロース繊維、日本バイリーン製8830CR)を用いたものに代えた以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例11]
クリーニング補助部材を、繊維径2μmの超極細繊維編物、トレシー(東レ(株)社製)を用いたものに代えた以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例1]
感光体を、シロキサン系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Aに代えるとともに、クリーニング装置からクリーニング補助部材を取り外した以外は、実施例3と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
クリーニング装置からクリーニング補助部材を取り外した以外は、実施例3と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例3]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤9を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例10]
クリーニング補助部材を、繊維径11μmの不織布(セルロース繊維、日本バイリーン製8830CR)を用いたものに代えた以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例11]
クリーニング補助部材を、繊維径2μmの超極細繊維編物、トレシー(東レ(株)社製)を用いたものに代えた以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例1]
感光体を、シロキサン系樹脂からなる保護層を最表面に有する感光体Aに代えるとともに、クリーニング装置からクリーニング補助部材を取り外した以外は、実施例3と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
クリーニング装置からクリーニング補助部材を取り外した以外は、実施例3と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例3]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤9を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤9を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[比較例4]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤10を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例4]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤10を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤10を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は4.3個数%であった。
[比較例5]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤11を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例5]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤11を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤11を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は19.3個数%であった。
[比較例6]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤12を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6]
実施例2で用いた画像形成装置における現像器の現像剤収容体に、表1に示す現像剤12を収容した以外は、実施例2と同じ画像形成装置(表2参照)を用いて、実施例1と同様な試験および評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤12を収容した現像剤収容体では、トナー母粒子の小径側粒子比率(粒径が(2/3)×D50以下の粒子数/全粒子数)は19.3個数%であった。
比較例1および2では、クリーニング装置からクリーニング補助部材を取り外したことにより、感光体表面の磨耗は大幅に抑えられたものの、放電生成物の除去をクリーニングブラシに頼るしかなく、像流れおよびフィルミングの発生が全く抑えられていない。また、トナー粒子の帯電極性(負)に対して、逆極の帯電特性を有する研磨粒子(正極帯電研磨粒子)と同極の帯電特性を有する研磨粒子(負極帯電研磨粒子)とのうちの逆極である正極帯電研磨粒子のみが混合された現像剤を用いた比較例3では、特に、低画像密度部(背景部)に像流れやフィルミングが発生し、同極である負極帯電研磨粒子のみが混合された現像剤を用いた比較例4では、反対に、高画像密度部(画像部)に像流れやフィルミングが発生している。さらに、体積平均粒径D50が2.0μmを越える負極帯電研磨粒子が混合された現像剤を用いた比較例5では、高画像密度部(画像部)に像流れが発生し、体積平均粒径D50が0.1μmを下回る正極帯電研磨粒子が混合された現像剤を用いた比較例6では、反対に低画像密度部(背景部)に像流れが発生している。
これらの比較例に対して、体積平均粒径D50が0.1μm以上2.0μm以下の正極帯電研磨粒子及び負極帯電研磨粒子の双方が混合された現像剤を用いた各実施例ではいずれも、高画像密度部(画像部)であっても低画像密度部(背景部)であっても、像流れやフィルミングの発生が抑えられている。
以上のことから、本発明の画像形成装置は、感光体表面から、放電生成物をその回転軸の延在方向に均一かつ十分に長期にわたって除去することができるといえる。
また、各実施例を詳細に分析すると、トナー母粒子の小径側粒子比率が実施例中唯一10個数%を越えていた実施例3は、その小径側粒子比率が4.3個数%と低かった他の実施例に比べて結果が劣っており、トナー母粒子の小径側粒子比率は低い(10個数%以下)であることが好ましいといえる。また、繊維径(太さ)が太い(10μmを越える)クリーニング補助部材を用いた実施例10に比べて繊維径が細い(6μmの)クリーニング補助部材を用いた残りの実施例の方が、像流れの発生がより抑えられており、繊維径(太さ)をあまり太くしない(10μm以下に抑える)方が好ましいともいえる。さらに、脂肪酸金属塩あるいは高級アルコールの滑性粒子を含むトナー粒子の現像剤を用いた実施例8および9では、他の実施例に比べて像流れやフィルミングの発生がより抑えられており、これらの滑性粒子をトナー粒子に含ませておくことも好ましいといえる。またさらに、負極帯電研磨粒子にいわゆる複合粒子を用いた実施例5および6でも、他の実施例に比べて像流れやフィルミングの発生がより抑えられており、研磨粒子として複合粒子を用いることも好ましいといえる。作用効果は必ずしも明らかではないが、複合粒子表面の研磨剤により感光体表面の放電生成物やフィルミング物質の掻き取り性を確保させつつ、掻き落とした放電生成物を複合粒子の樹脂部分で保持することで研磨力の維持が向上しているものと推定する。
1 画像形成装置
10 感光体
101 保護層
110 表面
20 帯電器
30 露光器
40 現像器
41 現像剤収容体
50 転写ロール
70 クリーニング装置
71,72 クリーニングブラシ
73 回収ロール
74 スクレーパ部材
75 クリーニング補助部材
751 保持部材
752 繊維
80 除電ランプ
90 定着器
10 感光体
101 保護層
110 表面
20 帯電器
30 露光器
40 現像器
41 現像剤収容体
50 転写ロール
70 クリーニング装置
71,72 クリーニングブラシ
73 回収ロール
74 スクレーパ部材
75 クリーニング補助部材
751 保持部材
752 繊維
80 除電ランプ
90 定着器
Claims (1)
- トナー粒子の集まりを収容したトナー収容体を備え、所定方向に循環移動する像担持体表面を帯電し帯電後の像担持体表面に露光光を照射することにより該像担持体表面に静電潜像を形成し、該静電潜像に該トナー収容体に収容されたトナー粒子を供給することで該静電潜像を現像してトナー像を得、該トナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナー粒子を該表面から除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段よりも前記像担持体表面の循環移動方向上流側で前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接した複数の繊維を有する繊維体とを備え、
前記トナー収容体は、体積平均粒径D50がいずれも0.1μm以上2.0μm以下である正に帯電する正極帯電研磨粒子および負に帯電する負極帯電研磨粒子双方の研磨粒子が混在したトナー粒子の集まりを収容したものであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005214077A JP2007033617A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005214077A JP2007033617A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007033617A true JP2007033617A (ja) | 2007-02-08 |
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ID=37792991
Family Applications (1)
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JP2005214077A Withdrawn JP2007033617A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005214077A patent/JP2007033617A/ja not_active Withdrawn
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