JP2006085043A - 画像形成装置 - Google Patents

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秀行 赤木
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Noritaka Kuroda
能孝 黒田
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Abstract

【課題】いわゆる電子写真方式を採用し、静電潜像を担持する像担持体と、トナー粒子を収容したトナー収容体とを備えた画像形成装置に関し、耐久性が高い像担持体を備え、小径のトナー粒子を用いても高画質な画像を得る。
【解決手段】像担持体11の、被転写面30にトナー像が転写された後の表面11bに残留した残留物を、表面11bに接触することで表面11bから掻き取るクリーニング部材151を備え、像担持体11が、最表面に架橋構造を有する樹脂を含有した保護層111を有するものであり、トナー収容体141は、トナー粒子の他に、体積平均粒子径D50vが0.5μm以上4.0μm以下の範囲内にある、平均形状係数SFの値が130以上の樹脂粒子を収容したものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、いわゆる電子写真方式を採用し、静電潜像を担持する像担持体と、トナー粒子を収容したトナー収容体とを備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式では、像担持体の表面を帯電器によって帯電させ帯電後の像担持体表面に露光光を照射することによりその表面に静電潜像を得、現像器を用いてその静電潜像をトナーによって現像し像担持体表面にトナー像を形成し、像担持体表面に形成されたトナー像を、転写手段によって所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写し最終的に記録媒体上に定着することによって、定着トナー像からなる画像を形成する。
記録媒体や中間転写体に転写を終えた像担持体表面には、未転写のトナーや帯電の際に生じた放電生成物などの異物が存在するため、高画質な画像を得るためには、これらの異物を次の画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
残留トナー等の異物を除去するクリーニング方式としては、像担持体表面に先端を接触させることで異物を掻き取る方式が多くとられている。ここでは、板状のクリーニングブレードの先端を像担持体表面に圧接させる方式を例にあげて説明する。このクリーニングブレードを用いた方式では、像担持体の表面は、クリーニングブレードによって削り取られるとともに、そのクリーニングブレードにより堰き止められた残留トナー粒子によっても研磨され、異物はその表面から除去される。したがって、高画質な画像を得るためには、残留トナー粒子がクリーニングブレード先端と像担持体表面との間をすり抜けてしまうことを防止する必要がある。
ところで、重合法などで作製されたトナー粒子は、小径になればなるほど球形に近くなる傾向があり、小径のトナー粒子を用いると、現像性や転写性が向上し高画質な画像が得られることが知られている。ところが、小径のトナー粒子は球形に近くなることで転がりやすく、像担持体表面に接触するクリーニング部材先端と像担持体表面との間をすり抜けやすく、小径のトナー粒子を用いるほど、像担持体表面のクリーニングが困難になる。
また、像担持体の表面には、帯電器、現像器、転写手段等により電気的、機械的な外力が直接加えられる。このため、像担持体の表面には磨耗や傷に対する耐久性が要求される。この耐久性を確保するため、保護層にシロキサン系樹脂を含有したトナー像担持体が提案されている(例えば特許文献1参照。)。保護層にシロキサン系樹脂を含有したトナー像担持体は、表面の硬度が高く耐久性は向上するものの、今度は、クリーニングブレードによる削り取りが困難になり、帯電の際に生じた放電生成物等が除去しにくくなって、高画質な画像を得ることが困難になる。また、表面を放電生成物で覆われた像担持体は、その表面における摩擦抵抗が高くなり、クリーニングブレード先端に摩耗やカケが発生し、クリーニング性が低下して高画質な画像を得ることが困難になる。
特許第3264218号公報
本発明は、上記事情に鑑み、耐久性が高い像担持体を備え、小径のトナー粒子を用いても高画質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、トナー粒子を収容したトナー収容体とを備え、その像担持体を帯電し、帯電した像担持体を露光することによりその像担持体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像に、そのトナー収容体に収容されたトナー粒子を供給することでその静電潜像を現像しその像担持体の表面にトナー像を得、得られたトナー像を所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を、その表面に接触することでその表面から掻き取るクリーニング部材を備え、
上記像担持体が、最表面に架橋構造を有する樹脂を含有した保護層を有するものであり、
上記トナー収容体は、トナー粒子の他に、体積平均粒子径D50vが0.5μm以上4.0μm以下の範囲内にある、
SF=100×πML2/4A 式1
ただし、式1中のMLは粒子の絶対最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。
上記式1で表される平均形状係数SFの値が130以上の樹脂粒子を収容したものであることを特徴とする。
ここにいう体積平均粒子径D50vとは、樹脂粒子の体積による粒径分布の大粒子側から計算した50%目の粒子径となる体積平均粒子径のことである。
本発明の画像形成装置によれば、上記トナー収容体に収容されている上記樹脂粒子は、トナー粒子とともに上記像担持体表面へ供給され、粒径が小さいため上記クリーニング部材先端と像担持体表面との間(以下、この間をニップ領域と称することにする)に入り込むものの、上記樹脂粒子は上記平均形状係数SFの値が130以上のものであることから形状が非球形であり、このため上記クリーニング部材先端をすり抜けずにニップ領域に滞留する。像担持体表面に存在する放電生成物は、この滞留した樹脂粒子に付着し、像担持体表面から除去される。上記像担持体は、上記保護層を有するものであるため耐久性が高い。このため、上記クリーニング部材で放電生成部を完全に除去しきれなくても、上記樹脂粒子によって放電生成物を除去することができるため、上記トナー収容体が小径のトナー粒子を収容したものであっても、放電生成物に起因する画像流れといった画質欠陥の発生が抑えられる。したがって、本発明の画像形成装置によれば、小径のトナー粒子を用いても高画質な画像を得ることができる。
ここで、上記保護層が、電荷輸送性物質及び架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有したものであってもよいし、あるいは、
架橋構造を持った、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送性物質とを含有したものであってもよい。
また、上記クリーニング部材は、上記像担持体表面に先端を圧接させたクリーニングブレードであってもよいし、あるいは
上記像担持体表面に毛の先端を接触させながら回転するクリーニングブラシであってもよい。
上記クリーニング部材が上記クリーニングブレードである場合には、上記樹脂粒子によって放電生成物を除去することができるため、像担持体表面における摩擦抵抗が放電生成物によって高まることを防止することができ、クリーニングブレード先端に摩耗やカケが生じることが抑えられ、良好なクリーニング性を維持することができる。
上記クリーニングブレードは、先端部分の反発弾性率が20%以下のものであることや、先端部分のJISA硬度が80°以上のものであることが好ましい。
ここにいう反発弾性率もJISA硬度もJIS K6301に準ずるものであり、各値は25℃における測定値である。反発弾性率を20%以下にすることで、ブレード先端の引っかかりに起因した振動、いわゆるスティック&スリップの発生を抑制することができ、上記樹脂粒子の、ニップ領域における滞留性が向上し、上記樹脂粒子による放電生成物の除去効果がより発揮される。また、上記先端部分の硬度を高めることで、ブレード先端における像担持体回転方向下流側への歪み量が抑えられ、上記樹脂粒子はブレード先端に堰き止められる。堰き止められた上記樹脂粒子には、ブレード先端による像担持体回転方向上流側へ向けての押し戻し力が作用し、上記樹脂粒子の、ニップ領域における滞留性が向上し、上記樹脂粒子による放電生成物の除去効果がより発揮される。
また、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、潤滑剤微粒子が表面にその一部を露出させた状態で内包された上記樹脂粒子を収容したものであることや、あるいは、
上記トナー収容体が、トナー粒子および上記樹脂粒子の他に、脂肪酸金属塩および高級アルコールのうちの少なくともいずれか一方の潤滑剤粒子を収容したものであることが好ましい。
前者の場合であっても後者の場合であっても、上記像担持体表面および上記クリーニングブレード先端の双方に潤滑剤被膜が形成され、上記クリーニングブレード先端の摩耗がより抑えられる。更に上記クリーニングブレード先端のスティック&スリップの発生を抑制することができ、上記樹脂粒子の、ニップ領域における滞留性が向上し、上記樹脂粒子による放電生成物の除去効果がより発揮される。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー収容体は、トナー粒子および上記樹脂粒子の他に、モース硬度が3以上であって、個数平均粒子径が0.03μm以上0.8μm以下の範囲内にある無機粒子を収容したものであることが好ましい。
上記非球形無機粒子も上記トナー粒子とともに上記像担持体表面へ供給され、粒径が小さいためニップ領域に入り込む。ここで、形状が非球形であればあるほど、上記クリーニングブレードにより堰き止められニップ領域に滞留しやすい。ニップ領域に滞留した無機粒子は研磨効果を発揮し、上記像担持体表面に付着した放電生成物を掻き取る。掻き取られた放電生成物は上記樹脂粒子表面に付着することで像担持体表面に再付着することなく、したがって、放電生成物が像担持体表面からより確実に除去される。
また、上記樹脂粒子と、研磨効果を発揮するこの無機粒子を併用する効果として、ニップ領域に入り込んだ無機粒子は上記樹脂粒子表面に一部を表面に露出させた状態で埋没することで、無機粒子の凝集を抑制することができ、像担持体表面が傷つくことを防止することができるとともに放電生成物等の付着物除去性を向上させることができる。
本発明によれば、耐久性が高い像担持体を備え、小径のトナー粒子を用いても高画質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転する感光体ドラム11が配備されている。図1に示す感光体ドラム11の表面は、中間転写ベルト30に接している。中間転写ベルト30が感光体ドラム11に接する領域には、中間転写ベルト30を感光体ドラム11と挟み込むように一次転写ロール20が配備されており、この領域が1次転写領域である。
ここで、図1とともに図2も用いて、本実施形態の画像形成装置の説明をさらに進める。
図2は、図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。
図2に示す画像形成装置1は、回転軸11aを中心にして時計回りに回転する感光体ドラム11を備え、この感光体ドラム11の周囲には、帯電器12、露光器13、現像器14、転写ロール20、クリーニング装置15、および除電ランプ16も備えられている。
感光体ドラム11は、円筒上のAl基板の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を積層してなるものであって、保護層の表面は、この感光体ドラム11の最表面に相当する。この図2では、これら複数の層のうち最表面に位置する保護層111が示されている。この保護層111は、詳しくは後述するが、架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有した、電荷輸送能を有する層であり、硬度が高く図2に示す感光体ドラム11の耐久性が高められている。
帯電器12は、感光体ドラム11の表面に接触した状態で回転する帯電ロール121と、その帯電ロール121に電力を供給する電源122を備えている。この電源122は、帯電ロール121に、直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスを印加する。帯電ロール121は、感光体ドラム11に接触して回転する半導電性のものであり、感光体ドラム11との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体ドラム11を帯電させる。なお、帯電ロール121に代えてブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適用可能である。また、帯電ロール121やブレード状の帯電部材については感光体ドラム11に対し、接触状態に限らずある程度の空隙(100μm以下)を有した近接状態として配置しても構わない。
露光器13は、感光体ドラム11の表面に向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。この画像情報は、画像読み取り装置31にて読み取った情報を処理部32で処理することにより得られたものである。
現像装置14は、トナー粒子を収容したトナー収容体141と、トナー収容体141中のトナー粒子を担持して感光体ドラム11の表面に接した状態で回転する現像ロール142を有する。また、トナー収容体141には、トナー粒子の他に、トナー粒子よりも遙かに小さい樹脂粒子が収容されている。ここではこれ以上のトナー収容体141についての説明は省略し、トナー収容体141についての詳しい説明は後述することにする。感光体ドラム11の表面には、この現像装置14によってトナー像が形成される。
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、感光体ドラム11の表面は、まず、帯電器12によって一様に帯電される。次に、露光器13によって画像情報に基づくレーザー光が照射され、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に、トナー収容体141に収容されたトナー粒子が現像ロール142によって供給され、感光体ドラム11の表面にはトナー像が形成される。こうして形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム11の表面から中間転写ベルト30の表面(被転写面)に転写される。各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、図1に示す一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像が転写される面側に圧接配置された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42間が二次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで二次転写領域へと送り込まれる。二次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写位置を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側にはベルトクリーナ70が設けられており、中間転写ベルト30上の残留トナーは、このベルトクリーナ70によって中間転写ベルト30上から除去される。
一方、図2示す感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bには、放電生成物や、1次転写領域において中間転写ベルト30表面へ移行することができなかった残留トナーが存在する。放電生成物は、感光体ドラム11の表面を帯電器12によって帯電する際に生じた異物であり、感光体ドラム11の表面11bに付着している。また、トナー収容体141に収容された樹脂粒子は、トナー粒子の表面に付着した状態でトナー粒子とともに感光体ドラム表面11bへ供給されるが、粒径が小さいため、感光体ドラム表面11bで、トナー粒子から離脱し、感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bに残留している。
図2に示すクリーニング装置15は、これらの残留トナーや放電生成物といった異物を除去するための装置であり、1次転写領域よりも感光体ドラム回転方向下流側であって帯電ロール121よりも感光体ドラム回転方向上流側の位置に配備されたものである。このクリーニング装置15は、クリーニングブレード151と廃トナー搬送オーガ152を備えている。
クリーニングブレード151は、感光体ドラム11の回転軸11aの延在方向に延びる板状のものであって、ブレードホルダ1511によって保持されている。以下、クリーニングブレード151の、ブレードホルダ1511によって保持されている部分をブレード後端と称し、反対側の端をブレード先端と称する。このブレード先端151aは、感光体ドラム11の、中間転写ベルト30にトナー像が転写された後の保護層111に圧接している。クリーニングブレード151は、感光体ドラム11が回転することで、感光体ドラム11の保護層111を削り取るとともにトナー粒子を堰き止めようとする。また、クリーニングブレード151は、樹脂粒子を堰き止める。詳しくは後述するが、クリーニングブレード151によって堰き止められた樹脂粒子は、ブレード先端151aと感光体ドラム表面11bとの間(以下、この間をブレードニップ領域と称することにする)に入り込みブレードニップ領域に滞留する。感光体ドラム表面に付着した放電生成物は、ブレードニップ領域に滞留した樹脂粒子によって除去される。感光体ドラム11から除去された異物は、廃トナー搬送オーガ152によりクリーニング装置15の外まで搬送される。
ブレード先端151aは、反発弾性率が20%以下であるとともにJISA硬度が80°以上である。ここにいう反発弾性率およびJISA硬度はいずれもJIS K6301に準ずるものであり、それらの値は25℃における測定値である。反発弾性率を20%以下にすることで、ブレード先端151aの、感光体ドラム表面11bとの引っかかりに起因した振動、いわゆるスティック&スリップの発生を抑制することができ、樹脂粒子の、ブレードニップ領域における滞留性が向上し、樹脂粒子による放電生成物の除去効果がより発揮される。また、ブレード先端151aの硬度を高めることで、ブレード先端151aにおける感光体ドラム回転方向下流側への歪み量が抑えられ、樹脂粒子はブレード先端151aに堰き止められる。堰き止められた樹脂粒子には、ブレード先端151aによる感光体ドラム回転方向上流側へ向けての押し戻し力が作用し、樹脂粒子の、ブレードニップ領域における滞留性が向上し、樹脂粒子による放電生成物の除去効果がより発揮される。
このクリーニングブレード15の材料としては公知のゴム材料を用いることができる。例えばウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。その中で耐摩耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いる事が好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられる。ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製する。次いで、このウレタンプレポリマーに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
なお、クリーニングブレード151に代えて、回転軸の延在方向に沿って回転軸の全周に回転軸の半径方向に延びる毛を有するクリーニングブラシを用い、その毛の先端を感光体ドラム表面11bに接触させて異物を除去してもよい。
クリーニング装置15によってクリーニングされた感光体ドラム11は、除電ランプ16によって除電される。
続いて、図2に示すトナー収容体141について詳述する。
図2に示すトナー収容体141に収容されたトナー粒子は、
SF=100×πML2/4A 式1
ただし、式1中のMLはトナー粒子の絶対最大長を示し、Aはトナー粒子の投影面積を示す。
上記式1で表される平均形状係数SFの値が100以上145以下の範囲内にあるものであれば、特に製造方法により限定されるものではない。例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法,混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法,結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法,結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法,結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものであってもよい。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法などで製造されたものであってもよい。ただし、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法で製造されたものが好ましく、乳化重合凝集法で製造されたものが特に好ましい。
トナー粒子は結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。体積平均粒子径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、上記平均形状指数SFの値が小さければ小さいほど、現像性、転写性が向上し、高画質の画像を得ることができる。上記平均形状指数SFの値は、好ましくは125〜140である。上記平均形状指数SFの値が125未満のトナー粒子では、形状が真球に近くなりすぎて転がりやすく、ブレード先端をすり抜けてしまうトナー粒子の量が無視できなくなる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
また、着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
図2に示すトナー収容体141には、トナー粒子の他、外添剤の一つである樹脂粒子が収容されている。この樹脂粒子は、体積平均粒子径D50vが0.5μm以上4.0μm以下の範囲内にある、上記式1で表される平均形状係数SFの値が130以上のものである。ここでの体積平均粒子径D50vの値はコールターカウンターを用いて測定した値であり、平均形状係数SFの値はルーゼックス画像解析装置を用いて、100個の樹脂粒子の、絶対最大長ML及び投影面積Aを測定し、これらの測定値に基づいて上記式1から算出した平均値である。
この樹脂粒子は、上述のごとくトナー粒子とともに感光体ドラム表面11bへ供給され、粒径が小さいため、ブレード先端151aと感光体ドラム表面11bとの間のブレードニップ領域に入り込むものの、この樹脂粒子は平均形状係数SFの値が130以上のものであることから形状が非球形であり、このためブレード先端をすり抜けずにブレードニップ領域に滞留する。感光体ドラム表面に存在する放電生成物は、この滞留した樹脂粒子に付着し、感光体ドラム表面から除去される。その結果、感光体ドラム11が硬度の高い保護層111を有するためクリーニングブレード151で放電生成部を完全に除去しきれなくても、この樹脂粒子によって放電生成物を除去することができるため、トナー収容体141が小径のトナー粒子を収容したものであっても、放電生成物に起因する画像流れといった画質欠陥の発生が抑えられる。また、この樹脂粒子によって放電生成物を除去することができるため、感光体ドラム表面11bにおける摩擦抵抗が放電生成物によって高まることを防止することができ、ブレード先端151aに摩耗やカケが生じることが抑えられ、良好なクリーニング性を維持することができる。
体積平均粒子径D50vが0.5μmを下回ると十分な放電生成物等の付着物除去効果を発揮しにくい上、トナー粒子に付着し続けて、感光体ドラム上での離脱が妨げられることがある。反対に4.0μmを超えると転写されやすくなったり、またブレードニップ領域に侵入しにくくなり、ブレードニップ領域に滞留しにくい為やはり付着物除去機能が期待できなくなる。
また、平均形状指数SFの値が130未満であると、真球に近くなりすぎて樹脂粒子が感光体ドラム表面上を転がりやすく、ブレード先端をすり抜けやすくなってしまう。すなわち、ブレードニップ領域に留まりにくく付着物除去機能が不十分となる。なお、平均形状係数SFの値は135以上であることがより好ましい。
この樹脂粒子の、トナー粒子に対する配合割合は、トナー粒子100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲が適当である。0.05重量部を下回ると、樹脂粒子の付着物除去効果を十分に得ることができず、10重量部を超えるとトナー飛散が生じやすくなる。なお、前記配合割合の好ましい範囲は0.2〜4.0重量部である。
この樹脂粒子は、無機材料、有機材料のいずれを主成分(母粒子)とすることもできるが、有機材料を主成分とするものであることが好ましい。無機材料を主成分とする場合、比重が有機材料より大きいものが多く、その場合、安定して感光体ドラム表面へ、トナー粒子とともに供給することが難しくなる。また、無機材料を主成分とする場合、硬度が有機材料より高くなる傾向にあり、硬度が大きいと、感光体ドラムの摩耗やクリーニングブレードの劣化を促進してしまう恐れがある。
この有機材料としては、特に限定はしないが、例えば、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。特に代表的な樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂をあげることができる。さらに、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ロジン等があげられる。
この樹脂粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、樹脂微粒子を凝集し融合して作製することが望ましい。具体的には、樹脂微粒子分散液に無機金属塩等の凝集剤を添加して凝集粒子分散液を調製し、樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して樹脂粒子を得るものである。ここで用いる樹脂微粒子分散液は、水や有機溶剤等の液状媒体中で、例えば乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の不均一分散系における重合法により、容易に調製することができる。また、予め溶液重合法や塊状重合法等で均一に重合した樹脂微粒子の重合体を、その重合体が溶解しない溶媒に安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など、任意の方法により樹脂微粒子分散液を得ることができる。樹脂微粒子分散液の調製に用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩系、4級アンモニウム塩系等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、及び、種々のグラフトポリマー等をあげることができるが、特に制限されない。また、ここで用いる凝集剤は、凝集融合合一法でトナーを製造するときに使用されるものでよい。なお、この樹脂粒子の製造方法は上記の凝集融合合一法に限定されることはなく、重合させた樹脂を粉砕して製造する樹脂粉砕法を採用することも可能である。
また、この樹脂粒子に、その表面にその一部を露出させた状態で潤滑剤微粒子を内包させることが好ましい。樹脂粒子の表面で一部を露出させたこの潤滑剤微粒子によって、感光体ドラム表面およびブレード先端の双方に潤滑剤被膜が形成され、クリーニングブレード先端の摩耗がより抑えられる。
この潤滑剤微粒子の材料としては、高級アルコール、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;これらの変性物;があげられる。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸のカドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛;カプロン酸鉛;リノール酸亜鉛;リノール酸コバルト;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩;及びこれらの混合物等があげられる。これらの材料は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
潤滑剤微粒子の添加量は、樹脂微粒子100重量部に対して潤滑剤微粒子を0〜100重量部の範囲が適当である。100重量部を超えると、製造効率が低下したり、トナー飛散が生じやすくなる。なお、潤滑剤微粒子の添加量のより好ましい範囲は5〜20重量部である。
潤滑剤微粒子を内包した樹脂粒子の製造方法は、樹脂微粒子分散液と潤滑剤微粒子分散液に凝集剤を添加して凝集粒子分散液を調製した後、樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し融合させる方法であってもよいが、樹脂微粒子だけを凝集した後、潤滑剤微粒子分散液を添加して凝集粒子表面に潤滑剤微粒子を付着させ、次いで融合させる方法であってもよい。凝集粒子を加熱して融合させる条件は、得られる樹脂粒子の形状や強度などを考慮して適宜選択することができる。さらに、液状媒体中での電気的凝集法、高分子凝集剤等を用いる物理的凝集法などであってもよい。
また、樹脂粒子に潤滑剤微粒子を内添するのではなく、トナー粒子の外添剤として潤滑剤微粒子を用いてもよい。外添剤として潤滑剤微粒子を用いても、感光体ドラム表面およびブレード先端の双方に潤滑剤被膜が形成され、クリーニングブレード先端の摩耗がより抑えられる。この外添剤としての潤滑剤微粒子の材料は、脂肪酸金属塩や高級アルコールが好適に用いられる。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸のカドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛;カプロン酸鉛;リノール酸亜鉛;リノール酸コバルト;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩;及びこれらの混合物等があげられるが、中でもステアリン酸亜鉛が潤滑効果が高く好ましい。その他の潤滑剤微粒子の材料として、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;これらの変性物;等を併用しても良い。
さらに、図2に示すトナー収容体141には、トナー粒子および樹脂粒子の他、外添剤の一つである非球形無機粒子が収容されている。この非球形無機粒子は、モース硬度が3以上であって、個数平均粒子径が0.03μm以上0.8μm以下の範囲内にあるものである。この非球形無機粒子もトナー粒子とともに感光体ドラム表面へ供給され、粒径が小さいためブレードニップ領域に入り込むが、上記樹脂粒子と同じく形状が非球形であるため、クリーニングブレードにより堰き止められブレードニップ領域に滞留する。ブレードニップ領域に滞留した非球形無機粒子は研磨効果を発揮し、感光体ドラム表面に付着した放電生成物を掻き取る。掻き取られた放電生成物は上記樹脂粒子表面に付着することで像担持体表面に再付着することなく、したがって、放電生成物が像担持体表面からより確実に除去される。
モース硬度3以上とすることで掻き取り力が向上する。個数平均粒子径が0.03μmよりも小さい場合はブレード先端をすり抜け研磨効果を発揮できず、また0.8μmよりも大きい場合は感光体ドラムを傷つけてしまう。
この非球形無機粒子としては、上記特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、以下のような物が例示できる。シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ、炭酸カルシウム素、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、この非球形無機粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理を行うことが好ましい。
また、トナー粒子の外添剤として帯電制御剤を用いてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
トナー粒子とこれまで説明した各種の外添剤を、ヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合してから、トナー収容体に収容することが好ましい。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、各種の外添剤を湿式にて外添することも可能である。
カラートナー粒子の場合には、トナー収容体141に、キャリアと混合して収容されることが好ましいが、そのキャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナー粒子との混合割合は、適宜設定することができる。
なお、トナー粒子は、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
続いて、図1に示す画像形成装置1に用いることができる感光体ドラム11が有する保護層111について詳述する。
本実施形態の画像形成装置においては、感光体ドラム11の耐久性を高めるため、保護層111は架橋構造を有する樹脂を含有したものであり、電気特性、画質維持性などの観点から電荷輸送性材料をさらに含む(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ものであることが好ましい。架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、特にフェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂の他に、必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、保護層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、保護層の形成方法の詳細については後述するが、保護層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む保護層形成用溶液が用いられる。
また、保護層111は、架橋構造を持った、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送性物質とを含有したものであってもよい。ここで、当該フェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為より好ましい。
(P2/P1)≦0.2 式2
ただし、式2中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。
上記式2で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、以下のように推察する。すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体ドラム中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体ドラムの電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体ドラムは、感光体ドラム中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。そして、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)を0.2以下にすることで、電気特性に優れ、高画質化が達成できると考えられる。なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体ドラムの電気特性が不十分となり、画質が低下する。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物があげられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等があげられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1m1−(R1m2−Y]m3 (I)
上記式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2n1−(R2n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3(3-a)ab (III)
式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β−2−、−CγH2γ−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H4)−(C6H4)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等があげられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X2n1−(R2n2−(Z)n3G]n4 (IV)
上記式(IV)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は2〜4の整数を示す。
上記一般式(I)〜(IV)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
Figure 2006085043
ここで、上記式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記式(I)〜(IV)で示される化合物における−[(X1m1−(R1m2−Y]、−[(X2n1−(R2n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3(3-a)a]で示される部位と結合手を有する。kは0又は1を示す。
また、保護層111には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等があげられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等があげられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等があげられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の個数平均粒子径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層111には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30(4-c)c (VII−1)
上記式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカッ
プリング剤があげられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等をあげることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層111には、その強度を高めるために、一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31(3-d)d2 (VII−2)
上記式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層111には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2006085043
上記式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンをあげることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、感光体ドラム表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子をあげることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等があげられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体ドラムの表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体ドラム表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。 また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等をあげることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体ドラムを作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等があげられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物があげられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」があげられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
保護層は、上述した構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。
保護層は、上述した電荷輸送材料を用いて形成されることから、保護層形成用塗布液に触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂があげられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等があげられる。
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体ドラムの生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とすることが好ましい。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまう。そこで、保護層のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。すなわち、保護層のIRスペクトルが上記式2で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃が、さらに100〜140℃がより好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、一般式(I)で示される化合物において、(−(X1m1−(R1m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。 さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等があげられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等があげられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物があげられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等があげられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等があげられる。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸があげられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものをあげることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等をあげることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子をあげることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子があげられる。
Figure 2006085043
上記式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子としては、上記の中でも、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子がより好ましく、下記一般式(VII−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捕らえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、赤外吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすように保護層を形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、保護層の25℃における酸素透過係数を下げることは困難であるが、吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすようにすると共に、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たすようにすることで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体が得られる。
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
以下、実施例と比較例を用いて詳しく説明するが、以下に説明する実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
(感光体ドラムIの作製)
4部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3部を添加、混合撹拌して下引き層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径60mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
ついで、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角 (2θ±0.2°) が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3° 、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニンの1部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学) 1部、および酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を前記下引層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
さらに、下記構造(a)のベンジジン化合物2部、下記構造(b)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量 39,000) 3部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体ドラムIとする。この感光体ドラムIは、上述の保護層111が省略されたものである。
Figure 2006085043
(感光体ドラムIIの作製)
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E) 0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
構成材料
下記に示す化合物1 2.0部
メチルトリメトキシシラン 2.0部
テトラメトキシシラン 0.5部
コロイダルシリカ 0.3部
フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製) 0.5部
Figure 2006085043
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を加え、このコーティング液を感光体ドラムIの電荷輸送層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、140℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約5umの保護層を形成した。これを感光体ドラムIIとする。この感光体ドラムIIの最表面は架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有した保護層によって構成されており、耐久性が高められている。
(感光体ドラムIIIの作製)
下記に示す化合物2を5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−4852、群栄化学社製)を7部、メチルフェニルポリシロキサンを0.03部、及びイソプロパノ−ルを20部混合して溶解し、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬コーティング法で感光体ドラムIの電荷輸送層上に塗布し、135℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成した。これを感光体ドラムIIIとする。この感光体ドラムIIIの最表面はメチロール基を有するフェノール誘導体を含有した保護層によって構成されており、耐久性が高められている。
Figure 2006085043
以下の説明において、各物性値の測定は以下の方法にて行った。
<各粒子の体積平均粒子径D50v>
コールターカウンター社製粒度測定機Multisizer(アパーチャー径100μm、体積平均径)を用いて測定し、粒子の体積による粒径分布の大粒子側から計算した50%目の粒子径となる粒子径をD50vとして求めた。
<各粒子の個数平均粒子径>
粒子の個数平均粒子径はFE-SEM(撮影条件:加速電圧5KV)を用いて倍率10000倍に拡大した粒子像を撮影し、得られた画像情報を画像解析装置に導入して画像解析を行うことにより求めた。また、平均粒径の値は、無作為にサンプリングした100個の粒子を測定して得られたデータを元に、個数平均粒子径として算出した。
<各粒子の平均形状係数SF>
トナー粒子の画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、円相当径を測定することで、トナー粒子の絶対最大長ML及びトナー粒子の投影面積Aの値を得、上記式1に基づいて平均形状係数SFを算出した。なお、真球の場合はSF=100となる。
[トナー母粒子の作製]
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370g,n−ブチルアクリレート30g,アクリル酸8g,ドデカンチオール24g,四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液(1)の調整)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
(着色剤分散液(2)の調整)
Cyan顔料B15:3 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
(着色剤分散液(3)の調整)
Magenta顔料R122 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
(着色分散液(4)の調整)
Yellow顔料Y180 90g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
(離型剤分散液)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100g
カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、個数平均粒子径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
<トナー母粒子Kの調整>
樹脂微粒子分散液 234部
着色剤分散液(1) 30部
離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、D50vが4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50vは5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子Kを得た。このトナー母粒子の体積平均粒子径D50vは5.9μmであり、平均形状係数SFは132であった。
<トナー母粒子Cの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Cを得た。トナー母粒子Cの体積平均粒子径D50vは5.8μmであり、平均形状係数SFは131であった。
<トナー母粒子Mの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Mを得た。トナー母粒子Mの体積平均粒子径D50vは5.5μmであり、平均形状係数SFは135であった。
<トナー母粒子Yの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Yを得た。トナー母粒子Yの体積平均粒子径D50vは5.9μmであり、平均形状係数SFは130であった。
[キャリヤの作製]
フェライト粒子(個数平均粒子径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
[樹脂粒子の作製]
(滑性粒子分散液aの調整)
イオン交換水1300g中にステアリン酸亜鉛(ZNS−P:旭電化工業(株)製)100g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)4gを入れ、乳化分散させた。その後、ゴーリンホモジナイザーにて130℃に加熱、500kg加圧の条件で30分間運転し、その後冷却して取り出し、滑性粒子分散液aを得た。その時の滑性粒子の個数平均粒子径は0.45μm、滑性粒子分散液aの固形分濃度は7.0重量%であった。
(滑性粒子分散液bの調整)
ステアリン酸亜鉛の代わりに高級アルコール(UNILIN 700:東洋ペトロライト(株)製)を用いる以外は滑性粒子分散液aと同様にして、個数平均粒子径0.35μmの滑性粒子分散液bを得た。この時の滑性粒子の個数平均粒子径は0.35μm、滑性粒子分散液bの固形分濃度は6.8重量%であった。
(樹脂粒子Aの調整)
トナー母粒子の作製において調整した樹脂微粒子分散液と同じ分散液260gにポリ塩化アルミニウム(PAC100W:浅田化学社製)1.8gを添加し、更にイオン交換水900gを加え、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて混合、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで攪拌した。その後、30分保持した後、コールターカウンター(コールター社製)で粒子サイズを測定すると3.1μmであった。その後、この分散液に0.1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7に調整した後、攪拌を継続しながら、80℃まで加熱し、30分間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒子径D50vを測定すると3.4μmであった。この樹脂粒子を濾別しイオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥して樹脂粒子Aを得た。
上記洗浄後の樹脂粒子Aの分散液を用い、樹脂粒子Aの体積平均粒子径D50vを測定したところ0.5μm以上4.0μm以下である3.2μmであった。また、その平均形状係数SFは130以上である145であった。
(樹脂粒子Bの調整)
上記樹脂微粒子分散液260gにポリ塩化アルミニウム(PAC100W:浅田化学社製)1.8gを添加し、更にイオン交換水900gを加え、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて混合、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで攪拌した。その後、30分間保持した後、コールターカウンター(コールター社製)で粒子サイズを測定すると5.7μmであった。その後、この分散液に0.1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7に調整した後、攪拌を継続しながら、80℃まで加熱し、30分間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒子径D50vを測定すると5.8μmであった。この樹脂粒子を濾別しイオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥して樹脂粒子Bを得た。
得られた樹脂粒子Bの体積平均粒子径D50vは、4.0μmよりも大きく5.9μmであった。また、その平均形状係数SFは135であった。
(樹脂粒子Cの調整)
上記樹脂微粒子分散液260gにポリ塩化アルミニウム(PAC100W:浅田化学社製)1.8gを添加し、更にイオン交換水900gを加え、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて混合、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで攪拌した。その後、30分保持した後、コールターカウンター(コールター社製)で粒子サイズを測定すると1.2μmであった。その後、この分散液に0.1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7に調整した後、攪拌を継続しながら、80℃まで加熱し、30分間保持した。冷却後、コールターカウンターで体積平均粒子径D50vを測定すると1.4μmであった。この樹脂粒子を濾別しイオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥して樹脂粒子Cを得た。
得られた樹脂粒子Cの体積平均粒子径D50vは、0.5μm以上4.0μm以下である3.2μmであった。また、その平均形状係数SFは130以上である134であった。
(樹脂粒子Dの調整)
樹脂粒子Aの調製において、樹脂粒子Aの洗浄前のスラリーに滑性粒子分散液aとポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、TAC100W)を室温で添加した。これを4回水洗し、凍結乾燥して樹脂粒子Dを得た。この樹脂粒子Dは、潤滑剤微粒子が表面にその一部を露出させた状態で内包されたものである。
得られた樹脂粒子Dの体積平均粒子径D50vは、0.5μm以上4.0μm以下である3.4μmであった。また、その平均形状係数SFは130以上である147であった。
(樹脂粒子Eの調整)
樹脂粒子Aの調製において、樹脂粒子Aの洗浄前のスラリーに滑性粒子分散液bとポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、TAC100W)を室温で添加した。これを4回水洗し、凍結乾燥して樹脂粒子Eを得た。この樹脂粒子Eも、潤滑剤微粒子が表面にその一部を露出させた状態で内包されたものである。
得られた樹脂粒子Eの体積平均粒子径D50vは、0.5μm以上4.0μm以下である3.4μmであった。また、その平均形状係数SFは130以上である148であった。
(実施例1)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子A 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部を加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤1(KYMC)を得た。
試験機には、図1に示す画像形成装置の構成と同様な構成の富士ゼロックス製DocuCenter Color 500を用いた。各トナー像形成ユニットの感光体ドラムを、架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有した保護層を有する感光体ドラムIIに変更するとともに現像器のトナー収容体には現像剤1を収容し、低温低湿(10℃、20%RH)及び高温高湿(28℃、80%)条件下でカラーモードで各2万枚、計4万枚の走行試験を行い、「画像流れ」「クリーニング性」「ブレードダメージ」「感光体摩耗」の評価を行った。また、クリーニングブレードはDocuCenter Color 500オリジナルクリーニングブレード材質を用い当接圧3.5gf/mm、当接角23°に設定した。このクリーニングブレードのJISA硬度は77°、反発弾性は51%である。
以下に、「画像流れ」「クリーニング性」「ブレードダメージ」「感光体摩耗」の評価基準を以下に示す。
(画像流れ)
走行試験中の高温高湿下で画像密度30%のハーフトーン画像を採取し官能評価を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎→画像流れ未発生
○→1晩放置後極軽微に発生、10枚以内で消滅
×→画像流れが部分的に発生、10枚以内で消滅しない
××→画像流れがほぼ全面で発生、10枚以内で消滅しない
(クリーニング性)
低温低湿下での走行中のプリント画像中のクリーニング不良画像の有無を評価するとともに、感光体ドラム表面にA3サイズの画像密度100%画像を定期的に形成し未転写のままクリーニングさせクリーニング後の感光体ドラム表面における残留トナーの有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎→プリント画像中、未転写画像共にクリーニング性問題なし
○→プリント画像中クリーニング性問題なし、未転写画像に機微にクリーニング不良発生
×→プリント画像中クリーニング不良発生
(ブレードダメージ)
ブレードダメージは、レーザー顕微鏡により(キーエンス(株)VK8500)ブレード先端のダメージ状態を観察し官能評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:摩耗小
○:摩耗中
×:摩耗大
(感光体摩耗)
感光体ドラムの、初期の膜厚と4万枚走行後の膜厚の差分により感光体ドラムの摩耗レートを求めた。
◎:摩耗レート 〜1.5nm/1000回転
○:摩耗レート 〜3nm/1000回転
×:摩耗レート 3nm/1000回転
結果を表1に示す。
Figure 2006085043
(実施例2)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子C 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部を加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤2(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤2を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、潤滑剤微粒子が表面にその一部を露出させた状態で内包された樹脂粒子D 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部を加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤3(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤3を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、潤滑剤微粒子が表面にその一部を露出させた状態で内包された樹脂粒子E 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部を加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤4(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤4を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
クリーニングブレードを、ブレード先端のJISA硬度が82°,反発弾性が20%のものに代え、当接圧3.5gf/mm、当接角20°に設定した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す
(実施例6)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、潤滑剤微粒子を内包した樹脂粒子D 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部と、非球形無機粒子であるアルミナ(モース硬度9,個数平均粒子径0.1μm、非球形、住友化学社製AKPX)0.5部とを加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより非球形無機粒子(アルミナ)が外添された現像剤5(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤5を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子D 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部と、非球形無機粒子である酸化セリウム(モース硬度7,個数平均粒子径0.6μm、非球形、三井金属鉱業社製 E10)0.7部を加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより非球形無機粒子(酸化セリウム)が外添された現像剤6(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤6を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子A 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部と、潤滑剤粒子であるステアリン酸亜鉛(SZ−TF、旭電化工業(株)製)0.1部とを加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)が外添された現像剤7(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤7を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子A 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部と、潤滑剤粒子である高級アルコール(UNILIN 700:東洋ペトロライト(株)製)0.3部とを加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより潤滑剤粒子(高級アルコール)が外添された現像剤8(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤8を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子A 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部、非球形無機粒子であるアルミナ(モース硬度9,個数平均粒子径0.1μm、非球形、住友化学社製AKPX)0.5部と、潤滑剤粒子であるステアリン酸亜鉛(SZ−TF、旭電化工業(株)製)0.1部とを加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより非球形無機粒子(アルミナ)と潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)それぞれが外添された現像剤9(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤9を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
上記トナー母粒子K、C、M、Yのそれぞれ100部にメタチタン酸(個数平均粒子径40nm、i−ブチルトリメトキシシラン処理)1部、樹脂粒子A 1部をヘンシェルミキサーで周速30m/s×12分間ブレンドを行った後シリカ(個数平均粒子径12nm、ジメチルジメトキシシラン処理、気相酸化法)1.5部と、非球形無機粒子である酸化セリウム(モース硬度7,個数平均粒子径0.6μm、非球形、三井金属鉱業社製 E10)0.7部と、潤滑剤粒子であるステアリン酸亜鉛(SZ−TF、旭電化工業(株)製)0.1部とを加えさらに周速15m/s×5分間ブレンドし、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより非球形無機粒子(酸化セリウム)と潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)それぞれが外添された現像剤10(KYMC)を得た。現像器のトナー収容体にこの現像剤10を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
各トナー像形成ユニットの感光体ドラムを、メチロール基を有するフェノール誘導体を含有した保護層を有する感光体ドラムIIIに変更した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
非球形の樹脂粒子Aを添加しない以外は実施例1における現像剤1(KYMC)の作製と同様にして現像剤11を得た。現像器のトナー収容体に、この非球形の樹脂粒子Aを添加していない現像剤11を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
非球形の樹脂粒子Aを添加しない以外は実施例8における潤滑剤粒子が外添された現像剤7(KYMC)の作製と同様にして現像剤12を得た。現像器のトナー収容体に、この非球形の樹脂粒子Aは添加せずに潤滑剤粒子は外添させた現像剤12を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
非球形の樹脂粒子Dを添加しない以外は実施例7における非球形無機粒子が外添された現像剤6(KYMC)の作製と同様にして現像剤13を得た。現像器のトナー収容体に、この非球形の樹脂粒子Dは添加せずに非球形無機粒子は外添させた現像剤13を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
樹脂粒子Aを粒径が大きな樹脂粒子Bに代えた以外は実施例1における現像剤1(KYMC)の作製と同様にして現像剤14を得た。現像器のトナー収容体に、粒径が大きな樹脂粒子Bを外添させた現像剤14を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
樹脂粒子Aに代えてポリメチルメタクリレート(綜研化学社製PMMA、体積平均粒子径=1.5μm、SF=116)1.2部を添加した以外は実施例1における現像剤1(KYMC)の作製と同様にして現像剤15を得た。現像器のトナー収容体に、真球に近い形状のポリメチルメタクリレートを外添させた現像剤15を収容した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
各トナー像形成ユニットの感光体ドラムを、保護層を省略した感光体ドラムIに変更した以外は実施例1で用いた画像形成装置と同じ画像形成装置を用い、実施例1で行った走行試験と同様な走行試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、各実施例においては、画像流れ、クリーニング性、ブレードダメージ、感光体摩耗、クリーニング性いずれの評価も良好であり総合評価も総て良好であった。一方、非球形の樹脂粒子を添加しなかった比較例1〜3では、いずれも画像流れが生じている。また、比較例1〜3のうち潤滑剤微粒子を外添させた比較例2を除いてブレードダメージも発生している。さらに、粒径が大きな非球形の樹脂粒子を外添させた比較例4および球形の樹脂粒子を外添させた比較例5においても、画像流れとブレードダメージの双方が生じている。以上のことから、粒径が小さく非球形の樹脂粒子を外添することで、画像流れとブレードダメージの双方の発生を防止することができることがわかる。また、ブレードダメージが生じるとクリーニング性が低下することから、粒径が小さく非球形の樹脂粒子を外添することで、クリーニング性の向上にもつながる。さらに、各実施例および比較例1〜5と比較例6とを比較することで、保護層を有する感光体ドラムを用いると感光体摩耗が抑えられ、感光体ドラムの耐久性が上がることがわかる。
また、潤滑剤粒子が内包された非球形の樹脂粒子を外添させた実施例3,4、および潤滑剤粒子を外添させた実施例8,9では、感光体ドラムの摩耗レートが少なく、ブレード先端と感光体ドラム表面との間の潤滑効果が高められていることがわかる。一方、非球形無機粒子を外添させた実施例6,7では、画像流れの発生が完全に抑えられている代わりに、感光体ドラムの摩耗レートが多少高い。この結果は、非球形無機粒子の研磨効果によって感光体ドラム表面が削られ、放電生成物が完全に除去されたことによる結果と考える。また、高硬度低反発弾性率のクリーニングブレードを用いた実施例5でも、画像流れの発生が完全に抑えられている。この結果は、他の実施例に比べて実施例5では、クリーニングブレードによる放電生成物の掻き取り効果が高かったことによる結果と考える。さらに、潤滑剤粒子と非球形無機粒子との双方を外添させた実施例10,11では、感光体ドラムの摩耗レートを適度に抑えつつ画像流れの発生を完全に抑え込んでいる。
以上説明したように、本発明によれば、耐久性が高い像担持体を備え、小径のトナー粒子を用いても高画質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。
符号の説明
1…画像形成装置、10…トナー像形成ユニット、11…感光体ドラム、11a…回転軸、11b…表面、111…保護層、12…帯電器、121…帯電ロール、13…露光器、14…現像器、141…トナー収容体、142…現像ロール、15…クリーニング装置、151…クリーニングブレード、151a…ブレード先端、16…除電ランプ、20…1次転写ロール、30…中間転写ベルト、40…一括転写装置、50…定着装置、60…用紙トレイ、70…ベルトクリーナ

Claims (5)

  1. 静電潜像を担持する像担持体と、トナー粒子を収容したトナー収容体とを備え、該像担持体を帯電し、帯電した像担持体を露光することにより該像担持体表面に静電潜像を形成し、該静電潜像に、該トナー収容体に収容されたトナー粒子を供給することで該静電潜像を現像し該像担持体の表面にトナー像を得、得られたトナー像を所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を、該表面に接触することで該表面から掻き取るクリーニング部材を備え、
    前記像担持体が、最表面に架橋構造を有する樹脂を含有した保護層を有するものであり、
    前記トナー収容体は、トナー粒子の他に、体積平均粒子径D50vが0.5μm以上4.0μm以下の範囲内にある、
    SF=100×πML2/4A 式1
    ただし、式1中のMLは粒子の絶対最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。
    上記式1で表される平均形状係数SFの値が130以上の樹脂粒子を収容したものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニング部材が、前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を掻き取る、該表面に先端を圧接させた該先端部分の反発弾性率が20%以下のクリーニングブレードであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニング部材が、前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を掻き取る、該表面に先端を圧接させた該先端部分のJISA硬度が80°以上のクリーニングブレードであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記保護層が、電荷輸送性物質及び架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有したものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記保護層が、架橋構造を持った、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送性物質とを含有したものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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