JP2005352310A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005352310A
JP2005352310A JP2004174526A JP2004174526A JP2005352310A JP 2005352310 A JP2005352310 A JP 2005352310A JP 2004174526 A JP2004174526 A JP 2004174526A JP 2004174526 A JP2004174526 A JP 2004174526A JP 2005352310 A JP2005352310 A JP 2005352310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner image
blade
toner
image forming
photosensitive drum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004174526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4674447B2 (ja
Inventor
Wataru Yamada
渉 山田
Katsumi Nukada
克己 額田
Kazuhiro Koseki
一浩 小関
Noriyuki Yamashita
敬之 山下
Mitsuhide Nakamura
光秀 中村
Tatsuya Soga
達也 曽我
Hideyuki Akagi
秀行 赤木
Satoshi Shigesaki
聡 重崎
Makoto Sakanobe
真 坂廼邉
Kenichi Mishina
憲一 三品
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
Akiya Sugiura
聡哉 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004174526A priority Critical patent/JP4674447B2/ja
Publication of JP2005352310A publication Critical patent/JP2005352310A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4674447B2 publication Critical patent/JP4674447B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、耐摩耗性の高いトナー像担持体を採用しながらもトナー像担持体の表面に残留した残留物の除去効率を高く維持する。
【解決手段】架橋構造を有する化合物を含む表面層111によって表面が構成されたトナー像担持体11と、それぞれが、トナー像担持体11の回転軸101の延在方向に延びた板状のものであってトナー像担持体11の、被転写面にトナー像が転写された後の表面に当接した、その延在方向に延びた当接部1511,1521を有する、トナー像担持体11の回転方向に並んで配備された複数のクリーニングブレード151,152とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置、特には、表面にトナー像を担持して回転するトナー像担持体の回転軸の延在方向に延びた板状のものであってそのトナー像担持体の表面に当接した、その延在方向に延びた当接部を有するクリーニングブレードを備えたものに関する。
従来、電子写真方式では、回転するトナー像担持体のその表面を帯電させ帯電後のトナー像担持体表面に露光光を照射することによりその表面に静電潜像を得、その静電潜像をトナーや外添剤を含む現像剤のうちのトナーによって現像しトナー像担持体表面にトナー像を形成し、トナー像担持体表面に形成されたトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着する画像形成プロセスによって、定着トナー像からなる画像を形成する。
所定の被転写面に転写を終えたトナー像担持体表面には、未転写のトナーや外添剤、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留するため、これらを次の画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
トナー等の残留物を除去するクリーニング方式としては、トナー像担持体の回転軸の延在方向に延びた板状のクリーニングブレードをトナー像担持体表面に当接させる方式が簡便で安価なことより多くとられている。このクリーニングブレードを用いた方式では、トナー像担持体の表面は、クリーニングブレードによって削り取られ、トナー像担持体の表面に残留した残留物が除去される。ここで、トナー像担持体表面の対摩耗性が低いと、必要以上にその表面が削り取られ、トナー像担持体の寿命を短かくしてしまう問題がある。そこで、対摩耗性に優れるトナー像担持体の提案が数多くなされている(例えば、特許文献1〜7等参照。)。
特許第2575536号公報 特開平9−190004号公報 特開平11−38656号公報 特開平11−184106号公報 特開平11−316468号公報 特開2000−171990号公報 特開2001−13702号公報
しかしながら、耐摩耗性の高いトナー像担持体を用いると、今度は、トナー像担持体表面がクリーニングブレードによって削り取られにくくなり、残留物の除去効率が落ちてしまう問題が生じる。
本発明は上記問題点を解決し、耐摩耗性の高いトナー像担持体を採用しながらもトナー像担持体の表面に残留した残留物の除去効率を高く維持することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、表面にトナー像を担持して所定方向に回転するトナー像担持体のその表面に担持されたトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
架橋構造を有する化合物を含む表面層によって表面が構成されたトナー像担持体と、
それぞれが、上記トナー像担持体の回転軸の延在方向に延びた板状のものであってそのトナー像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に当接した、その延在方向に延びる当接部を有する、そのトナー像担持体の回転方向に並んで配備された複数のクリーニングブレードとを備えたことを特徴とする。
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記感光体表面に接する面であってもよいし、あるいは記録媒体の記録面であってもよい。
本発明の画像形成装置によれば、複数のクリーニングブレードが備えられていることで、上記トナー像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を効率よく除去することができる。また、トナー像担持体の、上記複数のクリーニングブレードそれぞれの当接部が当接する表面を構成する表面層が、架橋構造を有する化合物を含むものであるため、高い対摩耗性を有する。したがって、本発明の画像形成装置によれば、耐摩耗性の高いトナー像担持体を採用しながらも残留物の除去効率を高く維持することができる。
また、本発明の画像形成装置において、上記複数のクリーニングブレードのうち少なくとも一つのクリーニングブレードは、上記当接部の表面硬度が、JIS−A硬度で80度以上99度以下のものであることが好ましい。
このような硬度を有するクリーニングブレードは、十分に硬いクリーニングブレードであり、表面が十分な機械的強度を有する上記トナー像担持体と組みあわせることで、トナー像担持体の長寿命化を実現しつつ、残留物を効率よく掻き取ることができ、さらに、上記当接部における必要以上の摩耗やカケの発生がより確実に抑えられる。
また、本発明の画像形成装置において、上記複数のクリーニングブレードのうち互いに隣り合うクリーニングブレードは、上記当接部の表面硬度がJIS−A硬度で5%以上異なるものであることや、あるいは
上記当接部の、30℃における反発弾性率の差が5%以上あるものであることが好ましい。
ここにいう5%とは、JIS−A硬度の値あるいは反発弾性率の値の高い方の値を基準とした場合のパーセンテージである。
トナー像担持体表面に残留した残留物の中には、未転写のトナーや外添剤、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留しており、残留物の種類によってブレードに要求される特性が異なる。そこで、上記複数のクリーニングブレード間で、硬度差をもたせたり、あるいは反発弾性率に差をもたせることで、複数種類の残留物の除去に確実に対応することができる。すなわち、残留物を上記トナー像担持体表面から除去する除去効率の点から見れば、クリーニングブレードには硬さと反発弾性が要求される。硬いクリーニングブレードは、トナー像担持体表面を削り取る能力が高い。また、反発弾性率が高いクリーニングブレードは、残留物を堰き止めて除去する能力が高い。例えば、残留物中のトナー粒子と放電生成物を比較すると、トナー粒子は粒径が大きく放電生成物は粒径が小さい。硬いクリーニングブレードは、粒径が大きなトナー粒子を除去するのに向いているが、反発弾性率が低いと粒径が小さな放電生成物は、ブレードの上記当接部とトナー像担持体表面との隙間をすり抜け、放電生成物を除去しきれない。一方、反発弾性率が高いクリーニングブレードは、硬度が低いとトナー粒子を除去する能力は劣るものの、粒径が小さな放電生成物を確実に堰き止めて除去することができる。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記複数のクリーニングブレードのうち少なくとも一つのクリーニングブレードは、上記当接部に粒状物が分散配置されたものであることも好ましい。
すなわち、上記当接部に研磨効果を高める粒状物を分散配置させておけば、上記当接部が摩耗することで、上記トナー像担持体の表面に研磨効果を高める粒状物が供給され、研磨効果が向上する。また、上記当接部に潤滑効果を高める粒状物を分散配置させておけば、上記当接部が摩耗することで、上記トナー像担持体の表面に潤滑効果を高める粒状物が供給され、上記トナー像担持体表面と上記当接部との間の潤滑効果が向上する。
またさらに、本発明の画像形成装置において、上記クリーニングブレードは、材質が異なる複数の層が厚さ方向に積層されたものであって、上記当接部を構成する層の硬度がその複数の層のうちJIS−A硬度で最も高い態様であることも好ましい。
この態様によれば、上記当接部の硬度が最も高いため、残留物を効率よく掻き取ることができる他、上記当接部における必要以上の摩耗やカケの発生が確実に抑えられる。また、上記当接部を構成する層以外の層を、上記当接部を構成する層に比べ弾性に富むものにすることで、クリーニングブレードの永久変形を防止することができる。
なお、上記複数のクリーニングブレードは、上記トナー像担持体への当接圧が各クリーニングブレードで異なるものであることや、
上記回転方向の最上流側に位置するクリーニングブレードの当接圧が他のクリーニングブレードの当接圧よりも低く設定されていることや、
上記クリーニングブレードと、上記トナー像担持体の、そのクリーニングブレードが当接した部位からそのトナー像担持体の回転方向下流側に延びるトナー像担持体の接線とで挟まれた当接角が、各クリーニングブレードで異なるものであることや、
上記回転方向の最上流側に位置するクリーニングブレードの上記当接角が他のクリーニングブレードよりも小さく設定されていることが、複数種類の残留物の除去に確実に対応することができ、より好ましい。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー像担持体の回転軸の延在方向に、上記クリーニンブレードの当接部とそのトナー像担持体の表面とを相対的に往復動させる往復動機構を備えたことも好ましい。
ここにいう往復動機構は、上記トナー像担持体を上記延在方向の所定位置に留めたまま上記クリーニングブレードを上記延在方向に往復動させるものであってもよいし、上記クリーニングブレードを上記延在方向の所定位置に留めたまま上記トナー像担持体を上記延在方向に往復動させるものであってもよいし、両者を上記延在方向にタイミングをずらして往復動させるものであってもよい。
上記クリーニングブレードの当接部は、上記トナー像担持体の表面に当接されているため、クリーニングを長期間行うと、その当接部に残留物が付着してしまうことがある。また、上記トナー像担持体表面と上記当接部との間に残留物が挟み込まれたままになってしまうこともある。これらのようになると、クリーニングブレードによる残留物の除去効率が低下してしまうが、上記クリーニンブレードの当接部と上記トナー像担持体表面とを相対的に往復動させることで、上記当接部に刺激が与えられ、残留物が付着することや残留物の挟み込みが防止される。
また、本発明の画像形成装置において、上記表面層が、電荷輸送能を有するものであることが好ましい。
なお、電荷輸送能を有する表面層が、少なくとも一種以上の酸化防止剤を含有するものであることがより好ましい。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー像担持体の1000回転当たりの摩耗量が15nm以下であることが好ましく、
上記表面層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含むものであることや、
上記表面層が、
F−[D−Si (R2(3-a)ab (I)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表し、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表す。)
上記一般式(I)で示される構造単位を有する化合物、もしくはその化合物から
の誘導体を含むものであることや、あるいは
上記表面層が、
F−(R1−ZH)m (II)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を表す。)
上記一般式II)で示される構造単位を有する化合物から誘導された誘導体を
含むものであることが好ましい。
ここで、上記有機基Fが、
Figure 2005352310
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Aは−Si (R1(3-a)aで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基から誘導され、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わす基、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
上記一般式(III)で示されるものであることが好ましい。
また、上記シロキサン系樹脂もしくはその前駆体が、
B―(Si(R2(3-a)a2 (IV)
(式中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を表す。)
上記一般式(IV)で示される有機ケイ素化合物もしくはその加水分解物もしくはその加水分解縮合物を少なくとも1種以上含むものであってもよく、あるいは
上記シロキサン系樹脂が、
Figure 2005352310
(式中、A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を表す。)
上記一般式(V)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその環状化合物からの誘導体を少なくとも1種以上含むものであってもよい。
また、本発明の画像形成装置において、上記表面層が、フッ素原子を含有した化合物を少なくとも1種以上含むものであってもよく、あるいは
上記表面層が、アルコール系溶剤又はケトン系溶剤に可溶な樹脂を少なくとも1種以上含むものであってもよい。
なお、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含む表面層が、少なくとも一種以上の金属キレート化合物を含有するものであることや、
少なくとも一種以上の多座配位子を含有するものであってもよい。
また、この画像形成装置が、所定方向に回転するトナー像担持体を帯電し、帯電したトナー像担持体を露光することによりそのトナー像担持体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナー粒子で現像してそのトナー像担持体表面にトナー像を担持させるものであって、
トナー粒子の最大直径をL、トナー粒子の投影面積をAとし、トナー粒子の球状係数を
SF=(2πL2/4A)×100
で表したとき、そのSFの値が140未満でかつ、トナー粒子の平均粒径を、粒度分布を基にして分割された粒度範囲に対して体積に関し小径側から累積分布を描いて累積50%となる体積平均粒径Dで表したとき、その体積平均粒径Dの値が2μm以上8μm以下の範囲内に入るトナー粒子を収容したトナー収容部を有し、上記トナー像担持体に、そのトナー収容部に収容されたトナー粒子を用いてトナー像を形成する現像器、もしくは
上記クリーニングブレードの先端と上記トナー像担持体の表面との潤滑性を向上させる潤滑性付与剤を含有するトナーを収容したトナー収容部を有し、上記トナー像担持体に、そのトナー収容部に収容されたトナーを用いてトナー像を形成する現像器を備えたことが好ましい。
なお、潤滑性付与剤が、ステアリン酸亜鉛であることがより好ましい。
また、上記トナー像担持体の表面に接触あるいは近接した状態でその表面を帯電させる帯電器を備えたものであってもよい。
なお、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いることや、
CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニンを用いることや、あるいは、
CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°、28.3° に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンを用いることが好ましい。
本発明の画像形成装置によれば、耐摩耗性の高いトナー像担持体を採用しながらもトナー像担持体の表面に残留した残留物の除去効率を高く維持することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転する感光体ドラム11が配備されている。各感光体ドラム11は、円筒状の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を積層してなるものであって、表面層の表面は、この感光体ドラム11の表面に相当する。表面層は、架橋構造を有する化合物を含む層であり、図1に示す感光体ドラム11は対摩耗性が非常に高いものである。これらの感光体ドラム11の表面は、中間転写ベルト30に接している。中間転写ベルト30が感光体ドラム11に接する領域には、中間転写ベルト30を感光体ドラム11と挟み込むように1次転写ロール20が配備されており、この領域が1次転写領域である。
ここで、図1とともに図2も用いて、本実施形態の画像形成装置の説明をさらに進める。
図2は、図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットの概略構成を中心に示した図である。
図2に示すトナー像形成ユニット10は、感光体ドラム11の他に、帯電装置12、露光器13、現像装置14、クリーニング装置15、および除電器16を備えている。また、図2には、感光体ドラム11の表面層111が模式的に示されている。図2に示すトナー像形成ユニット10では、トナー像形成サイクルが実施される。
図1に示す画像形成装置1には、接触帯電方式が採用されており、図1に示す帯電装置12は、感光体ドラム11の表面に接触した状態で回転する帯電ロール121と、その帯電ロール121に帯電バイアスを供給する電源122と、その電源122を制御する制御部123を有する。帯電ロール121は、電気抵抗が103Ω〜108Ωに調整された材料から構成された単層構造の物である。この帯電ロール121に用いる材料としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させ用いることができる。さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層構造にして用いることもできる。この帯電ロール121には、電源122から直流電圧に振動電圧が重畳された帯電バイアスが供給される。帯電バイアスが供給された帯電ロール121は、感光体ドラム11との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体ドラム11を帯電させる。なお、帯電ロール121に代えてブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適応可能である。また、帯電ロール121やブレード状の帯電部材については感光体ドラム11に対し、接触状態に限らずある程度の空隙(100μm以下)を有した近接状態として配置しても構わない。
露光器13は、感光体ドラムの表面に向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。
現像装置14は、トナー粒子およびトナー粒子よりも微粒子の潤滑性付与粒子を含む現像剤を収容した現像剤収容体141と、現像剤収容体141中のトナー粒子を担持して感光体ドラム11の表面に接した状態で回転する現像ロール142を有する。現像剤収容体141に収容されたトナー粒子は、小径な真球に近い形状のものである。すなわち、現像剤収容体141に収容されたトナー粒子の最大直径をL、トナー粒子の投影面積をAとし、トナー粒子の球状係数を
SF=(2πL2/4A)×100
で表したとき、そのSFの値が140未満でかつ、トナー粒子の平均粒径を、粒度分布を基にして分割された粒度範囲に対して体積に関し小径側から累積分布を描いて累積50%となる体積平均粒径Dで表したとき、その体積平均粒径Dの値が2μm以上8μm以下の範囲内に入るものである。上記球状係数SFの値が140を超えるトナー粒子は、真球が潰れたりゆがんだ形状のトナー粒子であり、トナーの転写効率が低下し、均一な画質の画像が得にくくなる。また、上記体積平均粒径Dは、コールターカウンターTAII(ベックマンコールター社製)、マルチサイザーII(ベックマンコールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして得られものであり、その値が2μmを下回るトナー粒子であると、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがある。一方、その値が8μmを越えるトナー粒子であると、画像の解像性が低下する。感光体ドラム11の表面には、この現像装置14によってトナー像が形成される。なお、現像剤にはこの他、トナー粒子よりも粒径が大きい粒子も含まれている。
ここで、図2に示すトナー像形成ユニット10で実施されるトナー像形成サイクルについて簡単に説明する。
図2に示すトナー像形成ユニット10においてトナー像形成サイクルが行われる際には、矢印R方向に回転する感光体ドラム11の表面は、まず、帯電装置12によって一様に帯電される。次に、露光器13によって画像情報に基づくレーザー光が照射され、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置14によって現像され、感光体ドラム11の表面にはトナー像が形成される。こうして形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム11の表面から、矢印C方向に移動する中間転写ベルト30の表面に転写される。感光体ドラム10の、1次転写領域を通過した表面は、後述するクリーニング装置15が配備された領域を経由した後、除電器16によって除電され、一連のトナー像形成サイクルが終了する。こうしたトナー像形成サイクルが各トナー像形成ユニット10ごとに実施され、各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、図1に示す一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像担持面側に圧接配置された2次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42の間が2次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで2次転写領域へと送り込まれる。2次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写位置を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側にはベルトクリーナ70が設けられており、中間転写ベルト30上の残留トナーは、このベルトクリーナ70によって中間転写ベルト30上から除去される。
一方、図2示す感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面層111には、1次転写領域において中間転写ベルト30表面へ移行することができなかった残留トナーや、その残留トナーに付着していた潤滑性付与粒子、さらには、帯電において生じた放電生成物など、複数種類の異物が残留している。図1および図2に示すクリーニング装置15は、これら複数種類の異物を除去するための装置であって、1次転写領域よりも感光体ドラム回転方向下流側であって帯電領域よりも感光体ドラム回転方向上流側の位置に配備されたものである。このクリーニング装置15は、2枚のクリーニングブレード151,152、これらクリーニングブレード151,152それぞれに設けられたスプリングバネ153,154、これらクリーニングブレード151,152それぞれを保持するブレードホルダ1551,1561、および図示省略した廃トナー搬送オーガを備えている。これら2枚のクリーニングブレード151,152は、感光体ドラム11の回転方向に並んで配備された弾性体である。2枚のクリーニングブレード151,152はいずれも、感光体ドラム11の回転軸11aの延在方向に延びる板状のものであって、ブレードホルダ1551,1561によって保持されている。以下、クリーニングブレード151,152の、ブレードホルダ1551,1561によって保持されている部分を後端と称し、反対側の端を先端と称する。いずれのクリーニングブレード151,152においても、後端と先端を結ぶ方向の自由長は9mmであり、厚さは2mmである。また、クリーニングブレード151,152の先端エッジ部1511,1521は、感光体ドラム11の、中間転写ベルト30にトナー像が転写された後の表面層111に当接している。したがって、この先端エッジ部1511,1521が本発明にいう当接部の一例に相当する。
クリーニングブレードの、所定方向に回転する感光体ドラムに対する配設方式としては、カウンター式(ドクター方向)とワイパー式が知られている。カウンター方式は、感光体ドラムの表面に先端エッジ部を当接させその表面から垂直に立ち上がる垂線に対して感光体ドラムの回転方向下流側に傾いた姿勢でクリーニングブレードを配設する方式である。一方、ワイパー方式は、その回転方向上流側に傾いた姿勢でクリーニングブレードを配設する方式である。図2に示す2枚のクリーニングブレード151,152の配設方式はいずれもカウンター方式である。
図3は、図2に示す2枚のクリーニングブレードを拡大して模式的に示す図である。
図3には、残留したトナー粒子81、潤滑性付与粒子82、および放電生成物83といった3種類の異物が示されている。図3に示す2枚のクリーニングブレード151,152のうち、左側に示すクリーニングブレードが、感光体ドラム11の回転方向(図中の矢印参照)上流側に配備されたものであり、以下、上流側ブレード151と称することにする。また、右側に示すクリーニングブレードが、感光体ドラム11の回転方向下流側に配備されたものであり、以下、下流側ブレード152と称することにする。これらのブレード151,152はいずれも、感光体ドラム11の表面に、図2に示すスプリングバネ153,154の付勢力によって所定の当接力で所定の当接角θ1,θ2をもって当接している。ここにいう当接角θ1,θ2とは、各ブレード151,152と、感光体ドラム11の、各ブレード151,152が当接した部位から感光体ドラム11の回転方向下流側に延びる感光体ドラムの接線とで挟まれた角度をいう(以下、同じ)。カウンター方式を採用したクリーニングブレードでは、当接角は5°以上50°以下であることが好ましく、クリーニング性、及びブレードめくれの観点から10°以上35°以下であることがより好ましい。また、当接力は、0.5〜7g/mmが好ましく、クリーニング性、及び感光体ドラムの回転トルクの観点から1g〜5g/mmがより好ましい。本実施形態によれば、2枚のクリーニングブレード151,152が備えられていることで、感光体ドラム11にクリーニングブレードを必要以上に強く当接させなくても残留物を効率よく除去することができる。
なお、図2に示すスプリングバネ153,154を用いることで、ブレードの永久ひずみにに由来するブレード寿命を延ばすことができるが、本発明では、これらのスプリングバネ153,154を省略しブレードを固定的に取り付けてもよい。
クリーニングブレードの主な物性としては、ゴム硬度、反発弾性、ヤング率などがあげられ、クリーニング対象により、それらの物性を必要に応じ変更して用いることが好ましい。ただし、これらの物性は互いに影響を及ぼしあっているため、単独で変更することは難しくすべてのクリーニング対象に最適なクリーニングブレードを作成することは困難であるため、本実施形態では2枚のブレードを用いている。なお、クリーニングブレードの枚数は2枚に限らず3枚以上であってもよい。
クリーニングブレードの材料にはとくに限定はないが、耐摩耗性にすぐれ機械的強度が高いブレードを得るために、たとえばポリエチレンアジぺート、ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオールなどのポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートとからなるウレタンプレポリマーおよびたとえば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの架橋剤を原料とすることが好ましい。かかるウレタンプレポリマーとしては、たとえばNCO基の含有量が4〜10重量%程度、70℃での粘度が1000〜3000cP程度のものが好ましく用いられる。
図3に示す上流側ブレード151は、JIS−A硬度で80度以上99度以下の硬度であって、30℃における反発弾性率が15%以上60%以下のウレタン樹脂からなるものである。一方、下流側ブレード152は、JIS−A硬度で65度以上の硬度を有するものの、上流側ブレード151のウレタン樹脂のJIS−A硬度よりも5%以上低い硬度のものであって、上流側ブレード151のウレタン樹脂の30℃における反発弾性率よりも5%以上高い反発弾性率を有するウレタン樹脂からなるものである。ここでのJIS−A硬度の値は、高分子計器株式会社製のアナログ型硬度計A型によって測定された値であり(以下、同じ)、反発弾性率の値は、JIS K 6255で規格化されている方法によって測定された値である(以下、同じ)。また、ここにいう5%とは、JIS−A硬度の値あるいは反発弾性率の値の高い方の値を基準とした場合のパーセンテージである。
すなわち、上流側ブレード151は、下流側ブレード152よりも硬く、JIS−A硬度で80度以上という非常に硬いブレードであるため、感光体ドラム11の表面を非常に効率良く削り落とすことができ、図3に示す3種類の異物81〜83の中でトナー粒子81を除去するのに適したブレードである。しかしながら、上流側ブレード151は、下流側ブレード152に比べ反発弾性率が低いことから、下流側ブレード152と同じ当接力で上流側ブレードの先端エッジ部1511を当接させたとしても、先端エッジ部1511が感光体ドラム11の表面に突き当たった状態となる。このため、上流側ブレード151は、相対的に粒径が大きなトナー粒子81は堰き止められるものの、粒径が小さな潤滑性付与粒子82や放電生成物83は先端エッジ部1511と感光体ドラム表面との間をすり抜けやすく、潤滑性付与粒子82や放電生成物83を除去しきれない。図3には、上流側ブレード151の先端エッジ部1511と感光体ドラム表面との間をすり抜けた潤滑性付与粒子82や放電生成物83が示されている。潤滑性付与粒子82は、先端エッジ部1511と感光体ドラム表面との間をすり抜けることで、潤滑剤の代わりとして機能し、上流側ブレード151の先端エッジ部1511におけるカケやめくれが防止される。なお、図1に示す感光体ドラム11は、対摩耗性が非常に高いものであるが、ブレードの硬度が99度よりも大きいと、ブレードの剛性が強すぎて、感光体ドラム11が必要以上に削り取られ、感光体ドラム11の寿命が短くなってしまう。一方、下流側ブレード152では、上流側ブレード152に比べ反発弾性率が高いことから、先端エッジ部1521が感光体ドラム11の表面に沿って弾性変形し、粒径が小さな潤滑性付与粒子82や放電生成物83であっても下流側ブレード152手前でこれらを堰き止めて除去することができる。したがって、図1に示す画像形成装置1では、上流側ブレード151によって主としてトナー粒81子が除去され、下流側ブレード152によって主として潤滑性付与粒子82や放電生成物83が除去される。除去されたトナー粒子81等は、不図示の廃トナー搬送オーガによりクリーニング装置15の外まで搬送される。
また、図3に示す上流側ブレード151の先端エッジ部1511には、潤滑効果を高める微粒子が分散配置されており、下流側ブレード152の先端エッジ部1521には、研磨効果を高める微粒子が分散配置されている。クリーニングブレードによる残留物の除去を行うと先端エッジ部はどうしても摩耗する。上流側ブレード151の先端エッジ部1511が摩耗することで、感光体ドラム表面に潤滑効果を高める微粒子が供給され、感光体ドラム表面と先端エッジ部1511との間の潤滑効果が向上する。また、下流側ブレード152の先端エッジ部1521が摩耗することで、感光体ドラム表面に研磨効果を高める微粒子が供給され、研磨効果が向上する。
微粒子が分散配置されたクリーニングブレードを得るには、たとえば以下のような方法を採用することができる。まず、所望の配合量となるように調整したブレード材料の原料(ここでは架橋硬化する原料を用いる)を混合撹拌装置を使用して1〜3分間程度撹拌、混合して混合液とし、これを120〜160℃程度で100〜300rpm程度で回転している、たとえば遠心成形機の成形ドラム型内へ注入したのち、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度にあげ、注入された混合液が成形ドラム型の内面に均一に拡がって注入時に巻き込まれた気泡がその表面に浮かび上がった状態とする。なお、ここで成形ドラム型内に注入する混合液の量は、所望の厚さのブレードが得られるように調整すればよい。つぎに、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度、温度を120〜160℃程度に維持しながら、ブレード材料が架橋硬化する前に、たとえばスプレーガンなどを用いて微粒子が均一に分散された懸濁液をブレード材料に噴霧したのち、成形ドラム型を回転させながら該ブレード材料を硬化させて微粒子を少なくとも先端エッジ部に存在させる。微粒子が均一に分散された懸濁液を得るための媒体は、微粒子およびブレード材料との相互作用を呈さないものであればよく、とくに限定がないが、たとえばブレード材料を得る際に通常用いられている、消泡を促進する作用を呈する、たとえばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルなどが消泡作用、相溶性に優れているため特に好ましい。微粒子は均一に分散されていればよいが、該懸濁液における微粒子の配合量によって存在させる微粒子の量を調整することができるので、該微粒子は、媒体100部(重量部、以下同様)に対して1〜20部程度配合されていることが好ましい。また、ブレード材料の原料中に所望量の微粒子を直接混合、分散した後、成形することもできる。懸濁液をブレード材料に噴霧する際のエアー圧や噴霧量は、先端エッジ部に存在させようとする微粒子の量などに応じて調整すればよいが、通常エアー圧は1〜10kg/cm2程度、噴霧量は0.5〜5mg/cm2程度であることが好ましい。懸濁液をブレード材料に噴霧する時期は、ブレード材料が成形ドラム型内で均一に拡がったのち、ブレード材料の表面に気泡が浮かび上がった状態で、該ブレード材料が硬化する前であればよく、たとえば微粒子をブレード部材の内部へ含浸させる場合の所望の深さなどによって異なるので一概には決定することができないが、成形ドラム型内へブレード材料を入れたのち、通常2〜10分間程度経過した頃が好ましい。かくしてえられたクリーニングブレードの先端エッジ部には、微粒子が強固に付着したり、内部に浸漬している。
なお、上流側ブレード151および下流側ブレードの配設方式はいずれもカウンター方式であるが、本発明においてはワイパー方式を用いてもよく、ワイパー方式を用いた場合はブレードめくれ等の問題が少ないため、当接角は特に制限されることはない。また当接力は0.5〜15g/mmが好ましく、クリーニング性、及び感光体ドラムの回転トルクの観点から2g〜10g/mmがより好ましい。ただし、クリーニング性向上の観点からすると、複数あるブレードのうちいずれかのブレードはカウンター方式で配設することが好ましい。また、下流側ブレード152にはトナー粒子81が到達する確率が低く、感光体ドラム11の回転トルクの上昇などの問題が発生しやすいため、最上流以外のブレードはワイパー式、もしくは最上流のブレードよりも低い当接力にすることが好ましい。
また、図2に示すクリーニング装置15は、各クリーニングブレード151,152を往復動させる往復動機構も備えている。
図4は、クリーニングブレードの延在方向を図の左右にとって図2に示すクリーニング装置を示した図である。
図4には、上流側ブレード151が示されるとともに、その上流側ブレード151を往復動させる往復動機構157も示されている。下流側ブレード152を往復動させる往復動機構の構成も、上流側ブレード151を往復動させる往復動機構157の構成と同じであるため、ここでは、上流側ブレード151を往復動させる往復動機構157について説明し、下流側ブレード152を往復動させる往復動機構についての説明は省略する。
図4には、ブレードホルダ1551によって保持された上流側ブレード151が示されている。図4に示すブレードホルダ1551の長手方向(図4の左右方向)両端部にはガイド1552が設けられており、これらのガイド1552には、ガイドピン1553が挿通されている。ブレードホルダ1551は、このガイドピン1552を中心に回動自在なものである。また、ブレードホルダ1551は、クリーニングブレード151を保持した状態でガイドピン1553に案内されて、クリーニングブレード151の長手方向、すなわち図1に示す感光体ドラム11の回転軸101の延在方向に往復動自在なものである。ブレードホルダ1551の一端側(図4では右端側)には圧縮スプリングバネ1554が配備されており、ブレードホルダ1551は他端側(図4では左端)に向かって付勢されている。ブレードホルダ1551のその他端側には、突き出しピン1555が配備されている。
図4に示す往復動機構157は、傾斜カム1571と、その傾斜カム1571を回転駆動する駆動モータ1572と、その駆動モータ1572を制御する往復動動作制御部1573を有する。ブレードホルダ1551に設けられた突き出しピン1555の突出端は、傾斜カム1571のカム面の、その傾斜カム1571の回転中心Lから偏心した位置に圧縮スプリングバネ1554の付勢力によって当接している。そのため、駆動モータ1572によって傾斜カム1571が回転駆動されると、ブレードホルダ1551は図4の左右方向に往復動する。図4には、傾斜カム1571のカム面によって最も右側へ移動した状態のブレードホルダ1551が示されており、この状態から傾斜カム1571が回転すると、ブレードホルダ1551は左側に移動し、その後再び図4に示す状態に戻る。感光体ドラム11の表面に圧接している上流側ブレード151の先端エッジ部1511は、ブレードホルダ1551のこのような往復動作によって、感光体ドラム11の表面に対して、感光体ドラム11の回転軸101の延在方向に往復動する。
ここで、クリーニングブレードの往復動動作を行うと感光体ドラム11に振動が伝わることは免れず、トナー像形成サイクルが実行されている間にも往復動動作を行うと、露光器13によるレーザ光の照射の際に、往復動動作による振動によってレーザ光のスポットの位置がブレて静電潜像に乱れが生じる恐れがある。このため、上流側ブレード151の往復動作も、下流側ブレード152の往復動動作も、トナー像形成サイクルが実行されていない間に行うことが好ましい。トナー像形成サイクルが実行されていない間とは、画像形成装置電源投入後の立ち上げ動作時、画像形成Jobの前サイクル動作時、作像間のインターイメージ、画像形成Jobの後サイクル動作時や感光体ドラム11の回転停止時などが上げられるが、これらの中でも画像形成速度の影響の少ない、画像形成装置電源投入後の立ち上げ動作時、画像形成Jobの後サイクル動作時、後サイクル動作後の感光体ドラム回転停止時にクリーニングブレードの往復動動作を行うことがより好ましい。
クリーニングブレードの先端エッジ部は、感光体ドラム表面に当接されているため、クリーニングを長期間行うと、その先端エッジ部に残留物が付着してしまうことがある。また、感光体ドラム表面と先端エッジ部との間に残留物が挟み込まれたままになってしまうこともある。これらのようになると、クリーニングブレードによる残留物の除去効率が低下してしまうが、クリーニンブレードを往復動させることで、先端エッジ部に刺激が与えられ、残留物が付着することや残留物の挟み込みが防止される。
なお、図4に示す往復動機構157によってクリーニングブレードを往復動させたが、感光体ドラム11をその回転軸101の延在方向に往復動させてもよい。
続いて、本発明の第2実施形態の画像形成装置について説明する。第2実施形態の画像形成装置と図1に示す画像形成装置の違いはクリーニングブレードにある。以下、図1に示す画像形成装置1の構成要素の機能と同じ機能を有する構成要素には今まで用いた符号を付し、重複する説明は省略して説明する。
第2実施形態の画像形成装置も4つのトナー像形成ユニットを備えており、各トナー像形成ユニットには、所定方向に回転する感光体ドラムと、その感光体ドラムの回転方向に並んで配備された、上流側ブレード151と下流側ブレード152が配備されている。
図5は、感光体ドラムの回転方向に並んで配備された2枚のクリーニングブレードを拡大して模式的に示す図である。
図5でも、図3と同様に、左側に上流側ブレード151を示し、右側下流側ブレード152を示す。いずれのブレード151,152も、感光体ドラム11の回転軸の延在方向に延びる板状のものであって、ブレードホルダ1551,1561によって保持されている。各ブレード151,152の先端エッジ部1511,1521は、感光体ドラム11の、中間転写ベルト30にトナー像が転写された後の表面に当接している。
図3に示す2枚のブレードはいずれも単層構造のものであるのに対し、この図5に示す2枚のブレード151,152はいずれも、厚さ方向に特性の異なるウレタン樹脂材料を複数の層状に密着積層して構成されたものである。すなわち、図5に示す2枚のブレード151,152はいずれも2層構造のものであり、以下、先端エッジ部1511,1521を構成する層を第1層1514,1524と称し、その第1層1514,1524に密着した層を第2層1515,1525と称することにする。
互いに密着積層された第1層1514,1524と第2層1515,1525とをJIS−A硬度で比較すると、第1層1514,1524は、第2層1515,1525のウレタン樹脂に比べて高硬度のウレタン樹脂からなる層であり、第2層1515,1525は、第1層1514,1524のウレタン樹脂よりも低硬度のウレタン樹脂からなる層である。また、第1層1514,1524と第2層1515,1525とを反発弾性率で比較すると、第2層1515,1525は第1層1514,1524よりも30℃における反発弾性率が高い層である。このように、第2層1515,1525を第1層1514,1524よりも反発弾性率が高いものとすることで、図3に示す単層構造のブレードより、長期間の使用によるブレードの永久変形(へたり)を抑えることができる。
図5に示す2枚のブレード151,152はいずれも、遠心成形機を用いて作製されたものである。遠心成形機を用いたブレードの作製にあたっては、まず、第1層と第2層とのいずれか一方の層を遠心成形した後、その上に他方の層を遠心成形することで、各層とも所望の厚さに密着積層された状態の積層構造物を得る。次いで、その積層構造物を所望の形状に裁断することによって、2層構造のクリーニングブレードが得られる。
図5に示す2枚のブレード151,152のいずれにおいても、第1層1514,1524の厚さは0.3mmであり、第2層1515,1525の厚さは1.7mmである。なお、第1層1514,1524の厚さは、0.3mmに限らず、0.05mm以上0.5mm以下であれば好ましい。また、第2層1515,1525の厚さも、1.7mmに限らず、クリーニングブレードの安定的な押圧力を得るために、第1層1514,1524の厚さの3倍以上であれば好ましい。すなわち、第1層1514,1524の厚さが0.3mmであれば、第2層1515,1525の厚さは0.9mm以上であることが望ましい。なお、第1層1514,1524と第2層1515,1525の間に接着層を設け3層構造とし、その接着層によって第1層1514,1524と第2層1515,1525を貼り合わせたクリーニングブレードであってもよく、あるいは4層以上の積層構造にしてもよい。クリーニングブレードの積層構造を3層以上の積層構造にした場合でも、先端エッジ部を構成する第1層の硬度をJIS−A硬度で最も高くなるようにすることが好ましい。
また、図5に示す上流側ブレード151と下流側ブレード152とを比較すると、上流側ブレード151の方が下流側ブレードに比べて、感光体ドラム表面に、低い当接力で小さな当接角θ1をもって当接している。なお、本発明においては両者の当接力を同じにしてもよく、当接角も同じにしてもよい。
以上説明したように、2枚のクリーニングブレード間で硬度差をもたせたり、反発弾性率に差をもたせたり、当接力や当接角に差をもたせることで、複数種類の残留物の除去に確実に対応することができる。
以上、2つの画像形成装置について説明したが、これまで説明した画像形成装置に用いることができる感光体ドラム11について詳述する。
上述のごとく、感光体ドラム11は、円筒状の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を積層してなるものである。導電性支持体としては、円筒状のもの他に、ベルト状であってもよい。例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。感光体ドラムがレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、支持体表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。Raが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、本発明による被膜を形成しても画質が粗くなって不適である。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、基材の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
また、注入阻止、接着性改善、干渉縞防止などの目的で陽極酸化処理や、酸性溶液処理、ベーマイト処理、ホーニング処理などを行ってもよい。陽極酸化処理はアルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
酸性溶液処理は、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液を用いて以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11重量%の範囲、クロム酸が3〜5重量%の範囲、フッ酸が0.5〜2重量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18重量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
ベーマイト処理は、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
下引層に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。さらに、従来より下引層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。また、下引層中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため95重量%以下、好ましくは90重量%以下で使用される。混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等をもちいる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。下引層の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。また、下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。下引層は省略することもできるが、特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った支持体は、支持体の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引層を形成することが好ましい。
電荷発生層は、電荷発生材料と結着樹脂を含有して形成される。電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フラトシアニン顔料等既知のもの全て使用することができるが、とくに金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007及び、特開平5−279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472及び、特開平5−140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び、特開平5−43813開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができる。この分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。また分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生層の厚みは、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
Figure 2005352310
(式中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換又は未置換のアリール基を示し、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
Figure 2005352310
(式中R15、R15'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R16'、R17、R17'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。mおよびnは0〜2の整数である。)
Figure 2005352310
(式中R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。)
電荷輸送層の結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。また、電荷輸送層は塗布方法によって形成される。この塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による劣化を防止する目的で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、下記一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
なお、単層型感光層の場合は、前記の電荷発生物質と結着樹脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10から85重量%程度、好ましくは20から50重量%とする。単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。また、下記一般式(I)で示される化合物を加えてもよい。塗布に用いる溶剤や塗布方
法は、上記と同様のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
表面層には、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたものを用いることができる。この表面層も、電荷輸送層と同じく通常の塗布方法によって形成される。表面層は、架橋構造を有する化合物を含む層であり、架橋構造を有するシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。このうち特に、一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが強度、安定性に優れ特に好ましい。
F−[D−Si (R2(3-a)ab (I)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
F−(R1−ZH)m (II)
(式中Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。)
一般式(I)、(II)で示される化合物のさらに好ましいものとして、有機基Fが特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものをあげる事ができる。
Figure 2005352310
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Aは−Si (R1(3-a)aで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
また、上記一般式(III)におけるAr1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示し、具体的には、以下の構造群1に示されるものが好ましい。
Figure 2005352310
さらに、上記構造群1中のArは下記構造群2から選択されるものが好ましく、Z’は下記構造群3から選択されるものが好ましい。
Figure 2005352310
Figure 2005352310
(ここで、上記構造群1〜3中のR6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択される。R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲンから選択される。mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、t,t’は1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(III)の定義で既に示した−D−Aで表わされる置換基を示す。)
また、上記構造群3中のWは以下の構造群4で示されるものが好ましい。
Figure 2005352310
(ここで、s’は0〜3の整数を示す。)
また、上記一般式(III)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は上記Ar1〜Ar4のm=1の構造があげられ、k=1の時は上記Ar1〜Ar4のm=0の構造が挙げられる。
さらに、一般式(III)の具体例としては、以下の表1から表3に示すIII−1からIII−61のものをあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
またさらに、一般式(II)の具体例としては、以下の構造式(II)−1から構造式(II)−16に示すようなものをあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
Figure 2005352310
また、強度、膜抵抗などの種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VI)で示される化合物を添加することもできる。
Si (R2(4-c)c (VI)
(式中R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。)
一般式(VI)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤があげられる。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等をあげることができる。膜の強度を向上させるためには3および4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、製膜性を向上させるためには2および1官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング材より作成されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239 (以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208 (以上、東レダウコーニング社製)、などを用いることができる。
また、強度を高めるために一般式(VII)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることが好ましい。
B―(Si(R2(3-a)a2 (VII)
(式中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
具体的には、以下の表4に示すような構造式VII−1から構造式VII−16のものをあげることができるがものを好ましいものとしてあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005352310
また、ポットライフの延長、膜特性のコントロールのため、下記一般式(V)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2005352310
(A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を示す)
上記一般式(V)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物として、市販の環状シロキサンをあげることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
またさらに、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、摩耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的で種々の樹脂を添加することができる。特にシロキサン系の樹脂の場合はアルコールに溶解する樹脂を加えることが好ましい。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは1〜30%であり、5〜20%が最も好ましい。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
さらに、感光体ドラムの表面における耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、併用してもよい。微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30の酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲、好ましくは0.1〜30重量%の範囲で用いられる。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体ドラムの表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体ドラム表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集p89”に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等をあげることができる。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つものが、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。例えばヒンダートフェノール系として「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
またさらに、アルコール系、ケトン系の溶剤に溶解する樹脂、もしくは該樹脂以外の成分に溶解する樹脂を添加することで、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、摩耗量コントロール、ポットライフの延長などの効果が得られる。アルコール系、ケトン系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。
添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは5〜30%である。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。また、それらの樹脂は単独で用いてもよいが、それらを混合して用いてもよい。
表面層を形成するには、電荷輸送層表面に塗布するコーティング液を準備する。このコーティング液もしくはコーティング液作成時に触媒を添加もしくは用いることが好ましい。用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらに以下に示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3 PCH2 CH2 SO3 H)2 ,Th(O3 PCH2 CH2 COOH)2 などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4 などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3 )2 などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。また、コーティング液の作成の際に、光機能性化合物、反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いると、塗工液の安定性が向上する傾向にあるため好ましい。ここで用いられる系に不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。これらの固体触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。また、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法にしたがって容易に除去することができる。反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。反応時間が前記上限値を超えるとゲル化が起こりやすくなる傾向にある。
コーティング液を作成するにあたり系に不溶な触媒を用いた場合は、強度、液保存安定性などを向上させる目的で、さらに系に溶解する触媒を併用することが好ましい。そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
また、有機アルミニウム化合物以外には、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機ズズ化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウム化合物;等も使用することができるが、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。これらの触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10Wt%が特に好ましい。
また、有機金属化合物を触媒として用いた場合は、ポットライフ、硬化効率の面から、ともに多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限られることはない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、好ましくは下記一般式(VIII)で表される2座配位子が挙げられる。また、下記一般式(VIII)中のR5とR6とが同一のものが特に好ましい。R5とR6とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、コーティング剤のさらなる安定化を図ることができる。
Figure 2005352310
(式中、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、もしくはフッ化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。ケイ素含有コーティング剤の製造は、無溶媒下で行うこともできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは、1〜20重量部とするのが好ましい。電荷輸送層表面に塗布されたケイ素含有コーティング液(塗工液)を硬化させる際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、得られるケイ素樹脂の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは80〜200℃であり、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。また、塗工液の硬化により得られる有機層を高湿度状態に保つことは、有機層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて有機層に表面処理を施して疎水化することもできる。
なお、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体の電荷輸送層として用いることもできる。その場合、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。こうして、感光体ドラム表面を電荷輸送層によって構成することもでき、感光体ドラム表面を構成する電荷輸送層は、本発明にいう表面層の一例に相当する。
続いて、これまで説明した画像形成装置に用いることができる現像剤について詳述する。
トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー母材は結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。平均粒径は2〜12μmのトナー、好ましくは3〜9μmのトナー母材を用いることができる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。また、トナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
トナーに添加される潤滑剤としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。但し、平均粒径としては0.1〜10μmの範囲で、上記化学構造のものを粉砕して、粒径をそろえてもよい。トナーへの添加量は好ましくは0.05〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲である。
トナーには、感光体ドラム表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができる。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると感光体ドラム表面に傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記滑性粒子の添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
[感光体ドラムの作製]
(感光体ドラムA)
円筒状のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとしたのち、洗浄工程として脱脂処理を行い、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりAl基板表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、円筒上のAl基板表面に7μmの陽極酸化膜(下引層)を形成した。
次いで、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1部および酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散処理することで塗布液を得た。得られた塗布液を陽極酸化膜上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造の、電荷輸送性化合物(1) 2部および高分子化合物(粘度平均分子量 39,000) 3部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体ドラムAとする。この感光体ドラムAの表面は、電荷輸送層によって構成されているが、この電荷輸送層には架橋構造を有する化合物が含まれていない。
Figure 2005352310
(感光体ドラムB)
感光体ドラムA上、すなわち電荷輸送層表面上に下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E:ローム・アンド・ハース社製)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
構成材料
下記構造の化合物(1) 2.0部
メチルトリメトキシシラン 2.0部
テトラメトキシシラン 0.5部
コロイダルシリカ 0.3部
Figure 2005352310
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、架橋構造を有する化合物を含む、膜厚約5μmの表面層を形成した。これを感光体ドラムBとする。
(感光体ドラムC)
下引層の形成までは感光体ドラムAと同様に作成した。次いで、感光体ドラムAの作製において用いたクロロガリウムフタロシアニン1部を、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニン1部とした以外は、感光体ドラムAの作製における電荷発生層の形成と同じようにして、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、感光体ドラムAの作製における電荷輸送層の形成と同じようにして、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、感光体ドラムBの作製において用いた化合物(1)を下記構造の化合物(2)とした以外は、感光体ドラムBの作製における表面層の形成と同じようにして、やや弱めの架橋構造を有する化合物を含む、膜厚7μmの表面層を形成した。これを感光体ドラムCとする。
Figure 2005352310
(感光体ドラムD)
ホーニング処理を施した円筒状のAl基板上にジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)100部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)10部、イソプロパノール400部、及びブタノール200部からなる溶液を浸漬塗布し、150℃にて、10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引層を形成した。
次いで、感光体ドラムAの作製において用いたクロロガリウムフタロシアニン1部を、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン1部とした以外は、感光体ドラムAの作製における電荷発生層の形成と同じようにして、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、感光体ドラムAの作製において用いた電荷輸送性化合物(1) 2部を、下記構造の電荷輸送性化合物(2) 2部とした以外は、感光体ドラムAの作製における電荷輸送層の形成と同じようにして、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体ドラムDとする。この感光体ドラムDの表面は、電荷輸送層によって構成されているが、この電荷輸送層には架橋構造を有する化合物が含まれている。
Figure 2005352310
(感光体ドラムE)
酸化亜鉛(SMZ−017N:テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(A1100:日本ユニカー社製)2部を添加し、5時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行い、表面処理酸化亜鉛を得た。得られた表面処理酸化亜鉛を蛍光X線により分析した結果、Si元素強度は亜鉛元素強度の1.8×10-4であった。
続いて、前記表面処理を施した酸化亜鉛35部と、硬化剤として用意したブロック化イソシアネート スミジュール3175(住友バイエルンウレタン社製)15部と、ブチラール樹脂 BM−1(積水化学社製)6部と、メチルエチルケトン44部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、トスパール130(GE東芝シリコン社製)17部を添加し、下引層塗布用の塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて円筒状のAl基板上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引層を得た。表面粗さRzは、東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aを使用し、測定距離2.5mm、走査速度0.3mm/secで測定した結果、Rz値は0.24であった。
次いで、感光体ドラムCの作製における電荷発生層の形成と同じようにして、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した後、感光体ドラムAの作製における電荷輸送層の形成と同じようにして、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、下記に示す構成材料を、n−ブチルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E:ローム・アンド・ハース社製)0.5部を加え、室温で攪拌することにより0.5時間加水分解を行った。
構成材料
上記化合物(1) 2.0部
メチルトリメトキシシラン 2.0部
Me(MeO)2−Si−(CH24−Si−Me(OMe)2 0.5部
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン 0.1部
ヘキサメチルシクロトリシロキサン 0.3部
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部、エスレックBX−L(積水化学社製)0.5部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、架橋構造を有する化合物を含む、膜厚約5umの表面層を形成した。これを感光体ドラムEとする。
(感光体ドラムF)
電荷輸送層の形成までは感光体ドラムEと同様に作成した。次いで、
HOCH2−C(CH2OCOCH=CH23
で示される硬化性アクリル樹脂30部と、光重合開始剤として用意した2?メチルチオキサントン5.2部とを溶解し、更にヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送材料として上記化合物例(II)−1を21部溶解したものを前記電荷輸送層上に浸漬塗布して膜を形成させ、続いて高圧水銀灯にて800mW/cm2の光強度で60秒間光硬化を行い、その後120℃で2時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの表面層を形成した。これを感光体ドラムFとする。
(感光体ドラムG)
ホーニング処理を施した円筒状のアルミ基板上に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)、およびブタノール45部からなる溶液を浸漬塗布し、150℃にて、10分間加熱乾燥し、膜厚1.0μmの下引層を形成した。
次いで、感光体ドラムDの作製において用いたヒドロキシガリウムフタロシアニン15部を、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部および酢酸n−ブチル300部と混合し、ガラスビーズとともに横型サンドミルで0.5時間分散した後、得られた塗布液を前記下引層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造の電荷輸送性化合物(3) 2部、上記構造の高分子化合物(粘度平均分子量 39,000) 3部を、テトラヒドロフラン15部とクロロベンゼン5部の混合溶剤に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で60分熱風乾燥し、膜厚22.5μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2005352310
さらに、下記化合物(3)および化合物(4)それぞれ2部を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E:ローム・アンド・ハース社製)0.05部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解行った。
Figure 2005352310
Figure 2005352310
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液体2部に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.04部を加えさらにポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製エスレックBX−L)1部を添加した塗布液を電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、105℃で60分熱風乾燥し、やや弱めの架橋構造を有する化合物を含む、膜厚4.5μmの表面層を形成した。これを感光体ドラムGとする。
[クリーニングブレードの作製]
(ブレードA)
硬度90度(JIS A)、30℃での反発弾性18%、ヤング率159Kgf/cm2、引き裂き強度68Kgf/cmの物性を有する単層構造のウレタンブレードを作製した。このブレードをブレードAとする。
(ブレードB)
硬度78度(JIS A)、30℃での反発弾性35%、ヤング率100Kgf/cm2、引き裂き強度70Kgf/cmの物性を有する単層構造のウレタンブレードを作製した。このブレードをブレードBとする。
(ブレードC)
硬度75度(JIS A)、30℃での反発弾性55%、ヤング率86Kgf/cm2、引き裂き強度84Kgf/cmの物性を有する単層構造のウレタンブレードを作製した。このブレードをブレードCとする。
(ブレードD)
硬度65度(JIS A)、30℃での反発弾性36.5%、ヤング率50Kgf/cm2、引き裂き強度43Kgf/cmの物性を有する単層構造のウレタンブレードを作製した。このブレードをブレードDとする。
(ブレードE)
ブレードCの作成時にさらに疎水性シリカ(粒径50nm)を5wt%添加し、硬度67度(JIS A)、30℃での反発弾性34%、ヤング率55Kgf/cm2、引き裂き強度45Kgf/cmの物性を有するウレタンブレードを単層構造のウレタンブレードを作製した。このブレードをブレードEとする。
(ブレードF)
2層構造のウレタンブレードを作製した。感光体ドラムに当接する先端エッジ部を構成する層(第1層)は、硬度86度(JIS A)、30℃での反発弾性20%の物性を有するウレタンゴムである。また、第1層に接する第2層は、硬度75度(JIS A)、30℃での反発弾性51%の物性を有するウレタンゴムである。なお、これら2つの層を合わせたこのウレタンブレードの厚さは2mmである。このブレードをブレードFとする。
[現像剤の作製]
<トナー母粒子の製造>
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g、および四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、ガラス転移温度Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液(1)の調整)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
(着色剤分散液(2)の調整)
Cyan顔料B15:3 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
(着色剤分散液(3)の調整)
Magenta顔料R122 60g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
(着色分散液(4)の調整)
Yellow顔料Y180 90g
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
(離型剤分散液の調整)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100g
カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製) 5g
イオン交換水 240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
ここで、体積平均粒径Dと球状係数SFの求め方について説明する。体積平均粒径Dは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲に対して体積に関し小径側から累積分布を描いて累積50%となる値である。この体積平均粒径Dを求めるにあたり、マルチサイザー(日科機社製)を用い、アパーチャー径100μmのもので粒度分布を得、得られた粒度分布に基づいて体積平均粒径Dを求めた。また、球状係数SFは、粒子の最大直径をL、粒子の投影面積をAとした場合、SF=(2πL2/4A)×100で表せる。この球状係数SFを求めるにあたり、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り
込み、円相当径を測定して、最大直径L及び投影面積Aを得、球状係数SFを求めた。
(トナー母粒子K1の調整)
上記樹脂微粒子分散液 234部
着色剤分散液(1) 30部
上記離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径Dが4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒径Dは5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1の体積平均粒径Dは5.9μmであり、球状係数SFは132であった。
(トナー母粒子C1の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子C1を得た。このトナー母粒子C1の体積平均粒径Dは5.8μmであり、球状係数SFは131であった。
(トナー母粒子M1の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1の体積平均粒径Dは5.5μmであり、球状係数SFは135であった。
(トナー母粒子Y1の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1の体積平均粒径Dは5.9μmであり、球状係数SFは130であった。
(トナー母粒子K2の調整)
pH調整における調整値を5.0に変更した以外はトナー母粒子K1の調整と同様な調整を行い、トナー母粒子K2を得た。トナー母粒子K2の体積平均粒径Dは5.8μmであり、球状係数SFは109であった。
(トナー母粒子C2の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子K2と同様にしてトナー母粒子C2を得た。このトナー母粒子C2の体積平均粒径Dは5.7μmであり、球状係数SFは110であった。
(トナー母粒子M2の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子K2と同様にしてトナー母粒子M2を得た。このトナー母粒子M2の体積平均粒径Dは5.6μmであり、球状係数SFは114であった。
(トナー母粒子Y2の調整)
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子K2と同様にしてトナー母粒子Y2を得た。このトナー母粒子Y2の体積平均粒径Dは5.8μmであり、球状係数SFは108であった。
(トナー母粒子K3の調整)
まず、テレフタル酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物−シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル(ガラス転移温度Tg:62℃、数平均分子量Mn:12000,重量平均分子量Mw:32000) 100部と、カーボンブラック 4部と、カルナウバワックス 5部とをエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、トナー母粒子K3を得た。このトナー母粒子K3の体積平均粒径Dは5.9μmであり、球状係数SFは145であった。
<トナー母粒子C3の調整>
カーボンブラックのかわりにシアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3)を用いる以外はトナー母粒子K3と同様にしてトナー母粒子C3を得た。このトナー母粒子C3の体積平均粒径Dは5.6μmであり、球状係数SFは141であった。
<トナー母粒子M3の調整>
カーボンブラックのかわりにマジェンタ着色剤(R122)を用いる以外はトナー母粒子K3と同様にしてトナー母粒子M3を得た。このトナー母粒子M3の体積平均粒径Dは5.9μmであり、球状係数SFは149であった。
<トナー母粒子Y3の調整>
カーボンブラックのかわりにイエロー着色剤(Y180)を用いる以外はトナー母粒子K3と同様にしてトナー母粒子Y3を得た。このトナー母粒子Y3の体積平均粒径Dは5.8μmであり、球状係数SFは144であった。
<キャリヤの製造>
フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
<現像剤1の調整>
上記トナー母粒子K1,C1,M1,Y1それぞれ100部に対して、ルチル型酸化チタン(粒径20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1部、シリカ(粒径40nm,シリコーンオイル処理,気相酸化法)2.0部、研磨効果を発現する酸化セリウム(平均粒径0.7μm)1部、および高級脂肪酸アルコール(分子量700の高級脂肪酸アルコールとステアリン酸亜鉛を重量で5:1の割合でジェットミルで粉砕し、平均粒径8.0μmとしたもの)0.3部を5Lヘンシェルミキサーで周速30m/sで15分間ブレンドさせ、その後45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。また、上記キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーによって40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤1を得た。
<現像剤2の調整>
トナー母粒子として、現像剤1のトナー母粒子よりも径が小さめで球形により近い上記トナー母粒子K2,C2,M2,Y2を用い、酸化セリウム(平均粒径0.7μm)の代わりに、その酸化セリウム(平均粒径0.7μm)よりは研磨効果が劣る酸化アルミニウム(平均粒径0.1μm)を用いた以外は現像剤1の調整と同様の調整を行い、現像剤2を得た。
<現像剤3>
トナー母粒子として、現像剤1のトナー母粒子よりも球状係数SFが大きなトナー母粒子を含む上記トナー母粒子K3,C3,M3,Y3を用いる以外は現像剤2の調整と同様の調整を行い、現像剤3を得た。
(実施例1)
フルカラータンデム方式を採用し、各トナー像形成ユニットが接触型帯電器を備える富士ゼロックス製プリンターDocuCentre Color 400CPを表5に示すように改造した。
Figure 2005352310
すなわち、各トナー像形成ユニットの感光体ドラムを、架橋構造を有する化合物を含む表面層によって表面が構成された、対摩耗性が高い感光体ドラムBに変更し、上流側ブレードと下流側ブレードを配備させた。上流側ブレードはブレードAをカウンター式で配設した。この上流側ブレードの感光体ドラム表面への当接角θは22°であり、当接力は30kN/m2である。一方、下流側ブレードはブレードDをワイパー式で配設した。この上流側ブレードの感光体ドラム表面への当接角θは28°であり、当接力は50kN/m2である。したがって、上流側ブレードの方が下流側ブレードに比べて硬度は高く、反発弾性率は低い。また、現像剤には、トナー粒子が小径で球形に近い現像剤1を用いた。
次いで、改造したプリンターを用いて、高温高湿(28℃、75%RH)の環境下で1万枚の画像形成テストを行った。この高温高湿の環境下でのトナーのクリーニング性として、テスト終了後に、クリーニング不良による帯電器の汚れの有無を目視観察した。また、1枚目(初期)の形成画像の画質と、1万枚目の形成画像の画質を評価した。その後、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下でも1万枚の画像形成テストを行い、低温低湿の環境下における1枚目(初期)の形成画像の画質と、1万枚目の形成画像の画質も評価した。さらに、両テスト終了後の感光体ドラムの摩耗率(nm/1000回転)を求めた。また、両テスト終了後の感光体ドラム表面への付着物の有無も目視観察した。結果を表6に示す。
Figure 2005352310
表中の画質の項目における○は良好であったことを示し、△は部分的に欠陥があったこと(実用上は問題ないレベル)を示し、×は欠陥が有ったこと(目視で容易に発見できるレベル)を示す。また、感光体への付着の項目における○は付着物が無かったことを示し、△は部分的に付着物があったこと(画質上は問題ないレベル)を示し、×は付着物があったこと(画質上問題になるレベル)を示す。さらに、クリーニング性の項目における○は帯電器が汚れていなかったことを示し、△は僅かに汚れがあったももの実用上は問題ないことを示し、×は帯電器が汚れていたことを示す。
(実施例2)
表5に示すように、下流側ブレードを、粒状物が分散配置されたブレードEに代え、カウンター式で配設させた(当接角θ:20°、当接力:20kN/m2)以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでも現像剤1を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例3)
表5に示すように、感光体ドラムを、感光体ドラムBの表面層とは組成が異なり、弱めの架橋構造を有する化合物を含む表面層を有する感光体ドラムCに代えるとともに、下流側ブレードの当接力を40kN/m2に変更した以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでは現像剤1のトナー粒子よりも径が小さめで球形により近い現像剤2を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例4)
表5に示すように、感光体ドラムを、架橋構造を有する化合物を含む電荷輸送層によって表面が構成された感光体ドラムDに代えた以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでは球状係数SFが大きなトナー粒子を含む現像剤3を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例5)
表5に示すように、感光体ドラムを、感光体ドラムBの表面層とは組成が異なるものの架橋構造を有する化合物を含む表面層を有する感光体ドラムEに代えた以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでも現像剤3を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例6)
表5に示すように、感光体ドラムを、感光体ドラムBの表面層とは組成が異なり、弱めの架橋構造を有する化合物を含む表面層を有する感光体ドラムFに代えるとともに、下流側ブレードの当接力を40kN/m2に変更した以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでも現像剤3を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例7)
表5に示すように、下流側ブレードの配設方式をワィパー式に変更し、当接角θを28°、当接力を50kN/m2とした以外は実施例2と同様にプリンターの改造を行い、現像剤1を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例8)
表5に示すように、上流側ブレードを、下流側ブレードの硬度よりは高いもののブレードAよりは硬度が少し低いブレードBに代えた以外は実施例4と同様にプリンターの改造を行い、ここでは現像剤2を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例9)
表5に示すように、ブレードの反発弾性率が下流側ブレードよりも上流側ブレードの方が高くなるよう、上流側ブレードをブレードCに代えた以外は実施例5と同様にプリンターの改造を行い、現像剤3を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例10)
表5に示すように、感光体ドラムを、感光体ドラムBの表面層とは組成が異なるものの架橋構造を有する化合物を含む表面層を有する感光体ドラムGに代えるとともに、下流側ブレードをブレードFに代え、当接角θを22°、当接力を30kN/m2とした以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、現像剤2を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例11)
表5に示すように、感光体ドラムを、実施例10と同様に感光体ドラムGに代えるとともに、上流側ブレードをブレードBに代えた以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、現像剤2を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例12)
ここでも、富士ゼロックス製プリンターDocuCentre Color 400CPを表5に示すように改造した。すなわち、各トナー像形成ユニットの感光体ドラムを、感光体ドラムAの表面層とは組成が異なるものの架橋構造を有する化合物を含む表面層を有する感光体ドラムGに変更し、上流側ブレードと下流側ブレードを配備させた。上流側ブレードおよび下流側ブレードにはいずれも、先端エッジ部を構成する層の硬度が最も高いブレードFをカウンター式(当接角θ:22°、当接力:30kN/m2)で配設した。なお、上流側ブレードと下流側ブレードとの間隔は感光体ドラム上で8mmに設定した。また、ブレードホルダによって保持されたいずれのブレードの自由長も9mmに設定した。現像剤には現像剤2を用いた。
次いで、改造したプリンターを用いて、高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、1万枚の画像形成テストを行った。このテストを行う前と行った後それぞれで、感光体ドラムにA3サイズの100%カバレッジ画像を10回形成させそれぞれ未転写のままクリーニングを行わせ、クリーニング性の評価を行った。また、このテスト終了後の感光体ドラム表面を目視観察し、フィルミングの発生の有無を確認した。さらに、テスト終了後、プリンターを同じ高温高湿環境下に20時間放置し、20時間放置後に画像形成を再度行わせ、1ドット細線の再現性を確認することで、画像流れの評価を行った。また、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下でも1万枚の画像形成テストを行い、テスト終了前後に、クリーニング性の評価を行った。さらに、高温高湿環境下のテストおよび低温低湿環境下のテストの両テスト終了後の感光体ドラムの摩耗率(nm/1000回転)を求めた。結果を表7に示す。
Figure 2005352310
表中のクリーニング性の各項目における◎は、カバレッジ画像を未転写のまま10回形成させた後、下流側ブレードをすり抜ける残留トナーはなかったことを示し、○は、実用上は問題ないレベルでの残留トナーのすり抜けが確認されたことを示し、△は残留トナーのすり抜けが部分的にかなりのレベルで確認されたことを示し、×は残留トナーのすり抜けが全面にわたって確認されたことを示す。また、フィルミングの項目における○はフィルミングが未発生だったことを示し、△は目視で分かるか分からない程度のわずかなフィルミングが発生したことを示し、×は目視ではっきりと確認することができるフィルミングが発生したことを示す。さらに、画像流れの項目における○は再現性が良好であったことを示し、△は細線がにじみ再現性が低下したことを示し、×は細線が途切れ再現性が不良であることを示す。
(実施例13)
表5に示すように、図2に示すクリーニング装置の構成と同じ構成のクリーニング装置を配備させた。すなわち、上流側ブレードと下流側ブレードそれぞれに往復動機構を配備させた。こうした以外は、実施例12と同様にプリンターの改造を行い、ここでも現像剤2を用いて、実施例12と同様のテストおよび評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例14)
表5に示すように、上流側ブレードの当接角を下流側ブレードの当接角よりも小さい19°に変更するとともに当接力も20kN/m2に変更した以外は実施例13と同様にプリンターの改造を行い、ここでも現像剤2を用いて、実施例12と同様のテストおよび評価を行った。結果を表7に示す。
(比較例1)
表5に示すように、感光体ドラムを、架橋構造を有する化合物を含む層によって表面が構成されていない感光体ドラムAに代えた以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、現像剤1を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例2)
表5に示すように、下流側ブレードを省略しクリーニングブレードを1枚構成にした以外は実施例1と同様にプリンターの改造を行い、ここでは現像剤2を用いて、実施例1と同様のテストおよび評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例3)
表5に示すように、感光体ドラムを、架橋構造を有する化合物を含む層によって表面が構成されていない感光体ドラムAに代えた以外は実施例12と同様にプリンターの改造を行い、現像剤2を用いて、実施例12と同様のテストおよび評価を行った。結果を表7に示す。
表6および表7から、各実施例においては、感光体ドラムの摩耗量が15nm/1000回転に抑えられ、残留物の除去が良好に行われたことがわかる。一方、架橋構造を有する化合物を含む層によって表面が構成されていない感光体ドラムAを用いた比較例1(表6参照)および比較例3(表7参照)では、感光体ドラムの摩耗が著しい。また、これらの比較例では、クリーニングブレードによって感光体ドラムの周方向に溝が掘られ、クリーニングブレードの当接位置よりも下流側へ、その溝を通って残留物が抜けてしまい、クリーニング性も低下している。また、クリーニングブレードを1枚しか設けなかった比較例2(表6参照)では、感光体ドラムの摩耗は低く抑えられているものの残留物の除去が不充分である。
以上のことから、本発明の画像形成装置によれば、耐摩耗性の高いトナー像担持体を採用しながらもトナー像担持体の表面に残留した残留物の除去効率を高く維持することができることが確認された。
本発明の第1実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットの概略構成を中心に示した図である。 図2に示す2枚のクリーニングブレードを拡大して模式的に示す図である。 クリーニングブレードの延在方向を図の左右にとって図2に示すクリーニング装置を示した図である。 感光体ドラムの回転方向に並んで配備された2枚のクリーニングブレードを拡大して模式的に示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 トナー像形成ユニット
11 感光体ドラム
101 回転軸
111 表面層
12 帯電装置
13 露光器
14 現像装置
141 現像剤収容体
15 クリーニング装置
151 上流側ブレード
152 下流側ブレード
1511,1521 先端エッジ部
1514,1524 第1層
1515,1525 第2層
157 往復動機構
16 除電器
20 1次転写ロール
30 中間転写ベルト
40 一括転写装置
50 定着装置
60 用紙トレイ
70 ベルトクリーナ

Claims (7)

  1. 表面にトナー像を担持して所定方向に回転するトナー像担持体の該表面に担持されたトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    架橋構造を有する化合物を含む表面層によって表面が構成されたトナー像担持体と、
    それぞれが、前記トナー像担持体の回転軸の延在方向に延びた板状のものであって該トナー像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に当接した、該延在方向に延びた当接部を有する、該トナー像担持体の回転方向に並んで配備された複数のクリーニングブレードとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数のクリーニングブレードのうち少なくとも一つのクリーニングブレードは、前記当接部の表面硬度が、JIS−A硬度で80度以上99度以下のものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記複数のクリーニングブレードのうち互いに隣り合うクリーニングブレードは、前記当接部の表面硬度がJIS−A硬度で5%以上異なるものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記複数のクリーニングブレードのうち互いに隣り合うクリーニングブレードは、前記当接部の、30℃における反発弾性率の差が5%以上あるものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記複数のクリーニングブレードのうち少なくとも一つのクリーニングブレードは、前記当接部に粒状物が分散配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニングブレードは、材質が異なる複数の層が厚さ方向に積層されたものであって、前記当接部を構成する層の硬度が該複数の層のうちJIS−A硬度で最も高いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー像担持体の回転軸の延在方向に、前記クリーニンブレードの当接部と該トナー像担持体の表面とを相対的に往復動させる往復動機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
JP2004174526A 2004-06-11 2004-06-11 画像形成装置 Expired - Fee Related JP4674447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174526A JP4674447B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174526A JP4674447B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005352310A true JP2005352310A (ja) 2005-12-22
JP4674447B2 JP4674447B2 (ja) 2011-04-20

Family

ID=35586828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004174526A Expired - Fee Related JP4674447B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4674447B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178601A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Kyocera Mita Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009080401A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法
JP2010197721A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Ricoh Co Ltd クリーニング装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2011081052A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Konica Minolta Business Technologies Inc クリーニング装置及び画像形成装置
JP2011197443A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
US8335463B2 (en) 2009-02-25 2012-12-18 Ricoh Company, Ltd. Cleaning device, process cartridge, and image forming apparatus
JP2013007814A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
WO2016165760A1 (en) * 2015-04-15 2016-10-20 Hewlett-Packard Indigo B.V. A cleaning system for cleaning a photoconductive surface
WO2020060540A1 (en) * 2018-09-18 2020-03-26 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Reducing reflectance variances of photoconductive surfaces
US10859962B2 (en) 2017-02-14 2020-12-08 Hp Indigo B.V. System for wiping a photoconductive surface

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6358478A (ja) * 1986-08-29 1988-03-14 Tokai Rubber Ind Ltd クリ−ニング装置
JPH05341696A (ja) * 1992-02-05 1993-12-24 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置
JPH0627860A (ja) * 1992-01-30 1994-02-04 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置
JP2001013702A (ja) * 1999-06-30 2001-01-19 Konica Corp 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2004117465A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Ricoh Co Ltd クリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6358478A (ja) * 1986-08-29 1988-03-14 Tokai Rubber Ind Ltd クリ−ニング装置
JPH0627860A (ja) * 1992-01-30 1994-02-04 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置
JPH05341696A (ja) * 1992-02-05 1993-12-24 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置
JP2001013702A (ja) * 1999-06-30 2001-01-19 Konica Corp 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2004117465A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Ricoh Co Ltd クリーニング装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178601A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Kyocera Mita Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009080401A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法
JP2010197721A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Ricoh Co Ltd クリーニング装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
US8335463B2 (en) 2009-02-25 2012-12-18 Ricoh Company, Ltd. Cleaning device, process cartridge, and image forming apparatus
EP2328041A3 (en) * 2009-10-05 2016-05-25 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Cleaning device and image forming apparatus
JP2011081052A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Konica Minolta Business Technologies Inc クリーニング装置及び画像形成装置
CN102033481A (zh) * 2009-10-05 2011-04-27 柯尼卡美能达商用科技株式会社 清洁装置和成像设备
CN102841532A (zh) * 2009-10-05 2012-12-26 柯尼卡美能达商用科技株式会社 清洁装置和成像设备
US8811881B2 (en) 2009-10-05 2014-08-19 Konica Minolta, Inc. Cleaning device and image forming apparatus
CN102841532B (zh) * 2009-10-05 2015-05-20 柯尼卡美能达商用科技株式会社 清洁装置和成像设备
JP2011197443A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2013007814A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
WO2016165760A1 (en) * 2015-04-15 2016-10-20 Hewlett-Packard Indigo B.V. A cleaning system for cleaning a photoconductive surface
US10036992B2 (en) 2015-04-15 2018-07-31 Hp Indigo B.V. Cleaning system for cleaning a photoconductive surface
US10859962B2 (en) 2017-02-14 2020-12-08 Hp Indigo B.V. System for wiping a photoconductive surface
WO2020060540A1 (en) * 2018-09-18 2020-03-26 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Reducing reflectance variances of photoconductive surfaces
CN112534357A (zh) * 2018-09-18 2021-03-19 惠普发展公司,有限责任合伙企业 减少光电导体表面的反射率变化
US11740568B2 (en) 2018-09-18 2023-08-29 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Reducing reflectance variances of photoconductive surfaces

Also Published As

Publication number Publication date
JP4674447B2 (ja) 2011-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4885535B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006084711A (ja) 電子写真感光体用添加物、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007226054A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2007133344A (ja) 電荷輸送性化合物、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009156978A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006072293A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4581926B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4674447B2 (ja) 画像形成装置
JP2006163302A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4544096B2 (ja) 画像形成装置、電子写真用トナー、および電子写真用現像剤
JP4696894B2 (ja) コーティング剤組成物、電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2006267467A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びに、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4228932B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2005189509A (ja) 画像形成装置
JP2004287075A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4432688B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006243642A (ja) 画像形成装置
JP4600116B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP4506582B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006267733A (ja) 画像形成装置
JP2006047869A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、プロセスカートリッジ
JP4839651B2 (ja) 硬化体、硬化体形成用塗布液、電子写真感光体、最表面層形成用塗布液、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006178005A (ja) 画像形成装置
JP2008134573A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4788168B2 (ja) 電子写真感光体と現像剤との適合性評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4674447

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees