JP2005189509A - 画像形成装置 - Google Patents

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聡 重崎
Taichi Yamada
太一 山田
Hiroe Okuyama
浩江 奥山
Naoki Ota
直己 太田
Kanji Shintaku
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Abstract

【課題】循環移動する像担持体に接触して回転しつつ、その像担持体の表面を帯電する帯電ロールを有する画像形成装置に関し、帯電ロール表面の付着物を長期にわたって安定して除去し、帯電不良や帯電ムラの発生を十分に抑える。
【解決手段】像担持体11の表面11aから残トナーを掻き取るクリーニングブレード151と、像担持体表面11aに潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段142,154と、帯電ロール表面121aに付着した付着物を除去する除去部材123とを備え、像担持体11は、像担持体表面11aの十点平均粗さRzが2.0μm以下のものであり、帯電ロール121は、帯電ロール表面121aの十点平均粗さRzが10μm以下のものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、循環移動する像担持体に接触して回転しつつ、その像担持体の表面を帯電する帯電ロールを有する画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置は、例えば、ドラム状の回転する像担持体表面を帯電させ、帯電後の像担持体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーで現像して像担持体表面にトナー像を形成し、そのトナー像を、像担持体表面から所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着させることにより記録媒体上に画像を形成するように構成されている。近年、このような画像形成装置において、像担持体の表面を所定の電位に帯電する帯電装置として、スコロトロン帯電器のようなコロナ放電現象を利用したものが多用されてきたが、コロナ放電現象を利用した帯電装置においては、人体や地球環境に悪影響のあるオゾンや窒素酸化物の発生が問題になる。そこで、最近では、導電性の帯電ロールを像担持体に直接接触させた状態で回転させ像担持体の表面を所定の電位に帯電する接触帯電方式の帯電装置が実用化されてきている。この種の接触帯電方式の帯電装置は、コロナ放電を利用した帯電装置と比較して、オゾンや窒素酸化物の発生が大幅に少なく、電源効率も良いことから主流になりつつある。
しかしながら、接触帯電方式を採用した帯電装置を用いると、帯電ロールが像担持体に常時接触していることから、像担持体上の異物が帯電ロール表面へ付着してしまう問題がある。所定の被転写面への転写を終えた像担持体表面には、被転写面へ転写されなかったトナーが残留する。このため、従来より、所定の被転写面への転写を終えた像担持体の表面に、ウレタンゴムなどからなるブレードを当接させ、このブレードによって残留トナーを掻き取るブレードクリーニング方式が用いられているが、残留トナーを完全に掻き取ることはできず、残留トナーが像担持体の表面にどうしても残り帯電ロール表面へ付着してしまう。また、形成する画像を高画質にするために、トナー粒子は小径化、球状化され、さらに、トナー粒子よりも微粒子の外添剤をトナーに添加するようになってきている。このような小径化、球状化されたトナー粒子や、トナー粒子よりも微粒子の外添剤は、クリーニングブレードをすり抜けやすく、像担持体表面から残留トナーや外添剤といった異物を除去することはますます困難になってきており、帯電ロール表面には異物が付着してしまう。帯電ロールの表面に付着した異物は、帯電ロールの表面抵抗値にムラを生じさせ、また、表面に凹凸も生じさせることから、像担持体表面への接触状態を悪化させ、帯電不良の原因になる。さらに、帯電ロールは、所定の接触圧力をもって像担持体と摺動しており、このため、ロール表面に異物が付着した状態で摺動が継続されると、付着した異物が、帯電ロール表面に強固に固着してしまう。帯電不良は異物の固着によってさらに顕著になる。
そこで、帯電ロール表面に付着してしまった異物を、機械的に除去する技術(例えば、特許文献1〜4参照)や、電気的に除去する技術(例えば、特許文献5参照)が提案されている。付着物を機械的に除去する技術は、回転する帯電ロール表面にブレードやブラシ等のクリーニング部材を接触させ、ロール表面との摺擦によって付着物を除去する技術である。また、付着物を電気的に除去する技術は、帯電ロール表面に付着したトナー粒子に、そのトナー粒子が帯電している極性とは逆極性の電界を付与することで付着物を除去する技術である。
しかしながら、付着物を機械的に除去する技術では、小径化、球状化されたトナー粒子や、トナー粒子よりも微粒子の外添剤を除去する能力は不十分であり、帯電ロール表面からの付着物の除去を長期にわたって安定して行うことが非常に困難である。また、付着物を電気的に除去する技術では、小径化、球状化されたトナー粒子を除去することはできるものの、非帯電の外添剤微粒子を除去することはできず、これもまた、帯電ロール表面からの付着物の除去を長期にわたって安定して行うことが非常に困難である。
また、帯電ロール表面に付着してしまった異物を除去しやすいように、ロール表面にブロック状の潤滑剤を接触させた状態で配備し、回転する帯電ロールとの摺擦によってロール表面に潤滑剤を供給する技術や、ブラシを介してロール表面に潤滑剤を供給する技術も提案されている(例えば、特許文献6〜8参照)。ロール表面に潤滑剤が供給されると、潤滑剤の供給量によってロール表面の電気抵抗が変化する。ロール表面に潤滑剤を接触させた状態でその表面に潤滑剤を直接供給すると、潤滑剤の供給量はどうしても多くなり、ロール表面の電気抵抗が供給前に比べて大きく変わってしまう。また、ブラシを介して潤滑剤を供給したとしても潤滑剤の供給量は多くなりがちであり、ロール表面の抵抗変化を小さく抑えにくい。さらに、ロール表面の表面粗さが粗いと、潤滑剤は均一に供給されず抵抗ムラが生じてしまう。これらのことから、特許文献6〜8において提案された潤滑剤の供給技術では、付着物を除去しやすくはなるものの、ロール表面の抵抗変化によって帯電不良や帯電ムラが生じる恐れがある。
特開平3−100676公報 特開平7−199606号公報 特開平3−130787号公報 特開平5−188738号公報 特開平6−19276号公報 特開平7−175298号公報 特開平7−199600号公報 特開2000−66487号公報
本発明は上記問題点を解決し、帯電ロール表面の付着物を長期にわたって安定して除去し、帯電不良や帯電ムラの発生を十分に抑えることができる帯電機構を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明の画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、電圧が印加されてその像担持体表面に接触した状態で回転することによりその表面を帯電させる帯電ロールとを備え、その像担持体を、その帯電ロールによりその表面を帯電させる帯電領域と、帯電後のその表面に静電潜像を形成しその静電潜像をトナーで現像してその表面にトナー像を形成する現像領域と、そのトナー像をその表面から所定の被転写面に転写する転写領域とを経由して循環移動させることによりその被転写面にトナー像を転写し、最終的にそのトナー像を記録媒体上に定着させることによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
上記転写領域よりも下流側であって上記帯電領域よりも上流側の位置に配備され、上記像担持体の表面から残トナーを掻き取る、その表面に先端を接触させた板状のクリーニングブレードと、
上記帯電領域よりも下流側であって上記クリーニングブレードが上記像担持体の表面に接するクリーニング領域よりも上流側の位置に配備された、その像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
上記帯電ロール表面に付着した付着物を除去する除去部材とを備え、
上記像担持体は、その像担持体表面の十点平均粗さRzが2.0μm以下のものであり、
上記帯電ロールは、その帯電ロール表面の十点平均粗さRzが10μm以下のものであることを特徴とする。
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記像担持体表面に接する面であってもよいし、あるいは所定の記録媒体の記録面であってもよい。
本発明の画像形成装置によれば、上記像担持体の表面が平滑であるため、その表面には均一に潤滑剤が供給される。像担持体が循環移動することで、像担持体表面に供給された潤滑剤は、上記クリーニング領域を通過して上記帯電領域に到達する。クリーニング領域を通過することにより潤滑剤は上記クリーニングブレードによって薄層化され、潤滑剤は薄層化された状態で帯電ロール表面に接する。このため、帯電ロールの表面には薄層の潤滑剤層が形成される。しかも、帯電ロールの表面も平滑であるため、厚さが均一の潤滑剤層が形成される。したがって、帯電ロールの表面は、薄く均一な潤滑剤層によって覆われ、帯電不良や帯電ムラの発生を抑えつつ付着物が除去されやすい状態になる。このような状態の帯電ロール表面に付着した異物は、上記除去部材によって除去される。この結果、本発明の画像形成装置によれば、小径化、球状化されたトナー粒子やトナー粒子よりも微粒子の外添剤が帯電ロールに付着したとしても、十分に除去することができる。
ここで、上記像担持体表面の十点平均粗さRzが2.0μmを超えたり、上記帯電ロール表面の十点平均粗さRzが10μmを超えると、いずれの表面においても凹凸差が大きくなりすぎ凸部と凹部で潤滑剤の付着量に大きな差ができてしまう。すなわち、上記像担持体表面の十点平均粗さRzが2.0μmを超えると、潤滑剤の、像担持体表面から帯電ロールへの移行量が不均一になる。帯電ロールにおいては、潤滑剤の供給量によってロール表面の電気抵抗が変化する。したがって、潤滑剤の、像担持体表面からの移行量が不均一であったり、あるいは上記帯電ロールの十点平均粗さRzが2.0μmを超えると、帯電ロールにおいては表面の抵抗値がバラつき帯電不良や帯電ムラを引き起こしてしまう。したがって、上記像担持体表面の十点平均粗さRzは2.0μm以下であることが必要であり、1.5μm以下であることが好ましい。また、上記帯電ロール表面の十点平均粗さRzは10μm以下であることが必要であり、8μm以下であることが好ましい。ここにいう十点平均粗さRzは、日本工業規格JIS94に規定された表面粗さであり、基準長さ2.5mmでの十点平均粗さである。ここでは、触針式表面粗さ測定機(商品名:サーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定した値で示している。
また、本発明の画像形成装置において、上記現像領域に配備され、トナーおよび潤滑剤を収容したトナー収容体を有し、上記像担持体表面に、そのトナー収容体に収容されたトナーを移行させるとともにそのトナー収容体に収容された潤滑剤を供給する、上記潤滑剤供給手段を兼ねた現像装置を備えたことが好ましい。
このような現像装置を備えることで、上記現像領域において像担持体表面にトナーとともに潤滑剤も供給することができ、潤滑剤の供給量を抑え上記帯電ロールに、より薄層の潤滑剤層を形成することができる。また、装置の小型化、簡略化にも結びつく。
ここで、トナー収容体への上記潤滑剤の添加量としては、トナー100重量部に対して0.01重量部以上1.0重量部以下が好ましく、0.05重量部以上0.5重量部以下がより好ましく、0.05重量部以上0.3重量部以下がさらに好ましい。0.01重量部よりも少ない場合には上記帯電ロール表面に十分な潤滑剤層を形成することができない場合があり、上記クリーニングブレードによって潤滑剤が薄層化されるとはいっても、潤滑剤の添加量が1.0重量部よりも多い場合には、帯電ロール表面へ潤滑剤が過剰ぎみに供給され帯電ロール表面での薄い潤滑剤層の形成が妨げられる恐れがある。また、トナーの帯電性などに悪影響を与えてしまう恐れもある。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記除去部材は、密度15000本/645.16mm2以上で植毛された毛部を有し、その毛部の先端が上記帯電ロール表面に接触したものであることも好ましい。
上記除去部材をブラシ状のものにすることで、付着物の除去を行いつつ上記帯電ロール表面から過剰な潤滑剤を掻き取ることができる。また、除去部材による帯電ロール表面との過剰な摺擦を抑制することもでき、帯電ロールの損傷が防止される。
ここで、ブラシの密度が15000本/645.16mm2(本/inch2)未満であると、クリーニング均一性が低下し筋状に、潤滑剤の過剰な付着部や異物除去不良部が生じ帯電ムラが生じ易くなるばかりか、過剰な潤滑剤の掻き取りも困難になりやすいため、毛の密度は15000本/645.16mm2以上であることが好ましい。
なお、上記除去部材は、ブラシ状のものであれば好ましく、一方向に延在する毛部を有するものであっても、回転軸に取り付けられて放射状に延在する毛部を有するものであってもよい。毛の材質としては、公知の材質を用いることが可能であるが、その中でも、ナイロン、アクリル又はポリプロピレンが好ましく、この中でも特にナイロンが長期安定性に優れるため好ましい。
また、本発明の画像形成装置において、上記除去部材が、上記帯電ロール表面に対して接離自在なものであって、少なくとも上記現像領域において上記像担持体にトナー像が形成される際にはその帯電ロール表面から離間した状態にあり、任意の、上記現像領域においてその像担持体にトナー像が非形成の際にはその帯電ロール表面に接するものである態様も好ましい。
ここにいう上記現像領域において上記像担持体にトナー像が非形成の際とは、画像形成装置電源オン時の立ち上げ動作時や、画像形成動作時の立ち上がり、立ち下がり動作時や、画像形成間のインターイメージなどの作像を直接行っていない動作時等を指している。
上記態様によれば、上記除去部材による上記帯電ロール表面との摺擦を必要最低限に抑えることができ、帯電ロールの損傷がより確実に防止されるとともに、付着物が帯電ロールに固着してしまうことも抑制される。
またさらに、本発明の画像形成装置において、上記像担持体が、最表面にフッ素系樹脂を含有してなる表面層を有するものであることも好ましい。
像担持体表面に傷がつくと、その傷の部分が凹部になり潤滑剤の堆積が過剰になり帯電不良や帯電ムラに繋がるが、上記表面層がフッ素系樹脂を含有していることで、上記クリーニングブレードと上記像担持体表面との摩擦力が低減され、クリーニングブレードによって像担持体表面が傷つくことが防止される。
ここで、上記表面層におけるフッ素系樹脂の含有量は、表面層全量に対し、0.1〜40wt%が適当であり、特に1〜30wt%が好ましい。0.1wt%未満では摩擦低減効果が十分でなく、一方、40wt%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。また、上記フッ素系樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択したものが好ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。さらに、上記表面層は、フッ素系樹脂の粒子が分散配置されたものであることが好ましく、その粒子の一次平均粒径は0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがさらに好ましい。一次平均粒径が0.05μmを下回るとフッ素系樹脂粒子の分散時の凝集が進みやすくなる。また、1μmを上回ると画質欠陥が発生しやすくなる。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記像担持体が、最表面に少なくとも架橋材料を1種類以上含有してなる表面層を有するものであることも好ましい。
こうすることで、上記表面層には3次元マトリックス構造が形成され、対摩耗性が向上し、表面層が上記クリーニングブレードとの摺擦によって傷つくことが防止される。
また、本発明の画像形成装置において、上記潤滑剤供給手段が、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑剤を供給するものであることも好ましい。
ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑剤は、劈開性があり、薄層塗布が可能であって、付着力低減効果が高い。
さらにまた、本発明の画像形成装置において、上記像担持体は、上記帯電領域におけるその像担持体表面の上記潤滑剤の量をXPS分析によるZnの被覆率として表すと、その被覆率が0.01%以上30%以下の範囲になるものであることも好ましい。
上記像担持体表面の、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑剤の量を定量化するには、低塗布領域における少量の亜鉛量を検出することができるXPS分析(X線高電子分光分析)が適している。XPS分析法は、極表面の元素分析定量法として一般的に使われている分析法であり、感度および再現性に優れる分析法である。ここでは、上記被覆率を、JPS−9010(日本電子(株)製)により測定したZnの全元素に対する比の値に基づいて決定した。すなわち、XPS分析は像担持体の極表面の分析であるため、ステアリン酸亜鉛の塗布量の増加に対してZnの全元素に対する比の値が飽和する。飽和したZn比の値を被覆率100%として像担持体表面の亜鉛の被覆率を決定した。像担持体表面の亜鉛の被覆率を規定することにより、像担持体表面への上記潤滑剤の実効塗布量が決定され、帯電ロール表面に形成される潤滑剤層の厚さを制御することが可能になる。また、像担持体表面の潤滑剤の量をその被覆率によって規定すると、以下のような利点がある。ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑剤の塗布量を増加させていくとXPS分析における亜鉛に関連するピークの強度は増加し、ある一定量で飽和するが、この状態を上記潤滑剤が感光体最表面を100%被覆した目安にすることで、像担持体の下地層またはトナー成分の付着状態に影響を受けない絶対的な定量値として扱うことができる。
ここで、上記被覆率は、0.01%以上30%以下の範囲であることが好ましく、1%以上20%以下の範囲であることがさらに好ましい。0.01%よりも少ない場合には、帯電ロールへの潤滑剤の供給量が不足し、上記除去部材による付着物の除去が不十分になるとともに付着物の固着が生じやすくなり、長期走行での帯電不良が発生しやすくなる。一方、30%よりも多い場合には、帯電ロール表面へ上記潤滑剤が過剰ぎみに供給され帯電ロール表面での薄い潤滑剤層の形成が妨げられる恐れがある。
なお、本発明の画像形成装置において、上記像担持体が、最表面に電荷輸送能を有する構造単位をもつ表面層を有するものであることも好ましく、
上記像担持体が、最表面に電荷輸送能を有する構造単位をもち、かつ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有した表面層を有するものであることがより好ましい。
また、上記構造単位が、下記一般式(I)で示される化合物もしくはその化合物からの誘導体であることが好適である。
F−[D−Si (R2(3-a)ab (I)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
また、上記構造単位が、下記一般式(II)から誘導されたものであることも
好適である。
F−(R1−ZH)m (II)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。)
さらに、上記一般式(I)で示される化合物が、特に下記一般式(III)で
表される構造のものであることがより好適である。
Figure 2005189509
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Gで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Gは−Si (R1(3-a)aで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基から誘導され、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わす基、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
また、上記シロキサン系樹脂もしくはその前駆体が、下記一般式(IV)で示される有機ケイ素化合物もしくはその加水分解物もしくはその加水分解縮合物を少なくとも1種以上含むものであることも好ましい。
B―(Si(R2(3-a)a2 (IV)
(式中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
またさらに、前記現像装置が、潤滑剤および重合法で作られたトナーを収容したトナー収容体を有するものであってもよい。
本発明によれば、帯電ロール表面の付着物を長期にわたって安定して除去し、帯電不良や帯電ムラを十分に抑えることができる帯電機構を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転する感光体ドラム11が配備されている。各感光体ドラム11は、円筒上のAl基板の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を積層してなるものであって、表面層の表面は、この感光体ドラム11の表面に相当する。表面層の表面における十点平均粗さRzは0.30μmであり、感光体ドラム11の表面は凹凸が十分に抑えられた平滑な面である。ここにいう十点平均粗さRzは、日本工業規格JIS94に規定された表面粗さであり、基準長さ2.5mmでの十点平均粗さである。ここでは、触針式表面粗さ測定機(商品名:サーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定した値で示している(以下、同じ)。この感光体ドラム11の表面は、中間転写ベルト30に接している。中間転写ベルト30が感光体ドラム11に接する領域には、中間転写ベルト30を感光体ドラム11と挟み込むように一次転写ロール20が配備されており、この領域が1次転写領域である。
ここで、図1とともに図2も用いて、本実施形態の画像形成装置の説明をさらに進める。
図2は、図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。
図2に示すトナー像形成ユニット10は、接触型帯電装置12、露光器13、現像装置14、クリーニング装置15、および除電器16を備えている。
接触型帯電装置12は、帯電ロール121と、電源122と、クリーニングブラシ123を有する。帯電ロール121は、弾性層を表面121aに有する円筒体1211と、この円筒体1211の軸心を貫通するシャフト1212とを有する。この帯電ロールの表面121aの十点平均粗さRzは6.4μmであり、その表面121aも、感光体ドラムの表面11aと同じく凹凸が十分に抑えられた平滑な面である。この帯電ロール121には電源122から電圧が印加される。電圧が印加された帯電ロール121は、感光体ドラム11の表面11aに接触した状態で回転することによりに感光体ドラムの表面11aを一様に帯電させる。以下、この帯電ロール121が、感光体ドラム11に接触する領域を帯電領域と称することにする。また、クリーニングブラシ123は、一方向に延在する毛部1231を有し、その毛部1231とは反対側の端部1232を中心に回動自在(図2中の矢印C参照)なものであり、毛部1231の先端が帯電ロールの表面121aに接した姿勢と、毛部1231の先端がその表面121aから離間した姿勢との間で切り替えられるものである。図2には、毛部1231の先端が帯電ロールの表面121aに接した姿勢のクリーニングブラシ123が示されている。この毛部1231を構成する毛の材質としては、公知の材質を用いることが可能であるが、その中でも、ナイロン、アクリル又はポリプロピレンが好ましく、この中でも特にナイロンが長期安定性に優れるため好ましい。図2に示す毛部1231を構成する毛の材質はナイロンであり、毛の密度は42000本/645.16mm2(本/inch2)である。
露光器13は、感光体ドラムの表面11aに向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものであり、以下、レーザ光の照射領域を露光領域と称することにする。
現像装置14は、トナーおよび潤滑剤(これらはいずれも図示省略)を収容したトナー収容体141と、トナー収容体141に収容されたトナーを担持して感光体ドラムの表面11aに接した状態で回転する現像ロール142を有する。以下、現像ロール142が感光体ドラム11に接触する領域を現像領域と称することにする。トナー収容体141にはトナー粒子よりも微粒子の外添剤も収容されている。また、トナー収容体141に収容された潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛の潤滑剤であり、外添剤と同じくトナー粒子よりも微粒子のものである。
クリーニング装置15は、クリーニングブレード151と、廃トナー搬送オーガ152を有する。クリーニングブレード151は、感光体ドラムの表面11aに先端を接触させた板状のものであって、以下、このクリーニングブレード151が感光体ドラム11に接触する領域をクリーニング領域と称することにする。
除電器16は、感光体ドラムの表面の残留電荷を除電するものであり、以下、残留電荷が除電される領域を除電領域と称することにする。
感光体ドラム11は、帯電領域、露光領域、現像領域、1次転写領域、クリーニング領域、および除電領域をこの記載順に経由して循環移動する(図2中の矢印R参照)。図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、感光体ドラム11の表面は、まず、帯電領域において、回転する帯電ロール121によって一様に帯電される。次に、一様に帯電された感光体ドラム11の表面が露光領域を通過する際、露光器13からレーザ光がその表面に向けて照射され感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。続いて、静電潜像が形成された感光体ドラム11が現像領域を通過する際、静電潜像が形成された表面に現像ロール142からトナー供給が行われ静電潜像が現像され、トナー像が形成される。また、トナー収容体141に収容された潤滑剤は、トナー粒子の周面に付着した状態で感光体ドラム11の表面へ移行する。
感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム11の表面から中間転写ベルト30の表面へ移行する。各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像担持面側に圧接配置された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42間が二次転写領域になる。
さらに、図1に示すが画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで二次転写領域へと送り込まれる。二次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写位置を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側にはベルトクリーナ70が設けられており、中間転写ベルト30上の残留トナーは、このベルトクリーナ70によって中間転写ベルト30上から除去される。
一方、図2示す感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11aには、潤滑剤や、1次転写領域において中間転写ベルト30表面へ移行することができなかった残留トナーが存在する。感光体ドラム11が回転することで、これら潤滑剤や残留トーナは、クリーニング領域に到達する。クリーニング領域では、残留トーナがクリーニングブレード151によって掻き取られるとともに、潤滑剤がクリーニングブレード151によって薄層化される。感光体ドラムの表面11aは、上述の如く凹凸が抑えられたものであり、厚さが均一な薄層の潤滑剤層が感光体ドラム11の表面11aに形成される。厚さが均一な薄層の潤滑剤層が形成された表面11aは、除電領域を通過することで残留電荷が除去された後、帯電領域に戻る。
帯電領域に戻った表面11aの、ステアリン酸亜鉛の潤滑剤の量をXPS分析(X線高電子分光分析)によるZnの被覆率として表すと、その被覆率は5.1%である。この被覆率は、JPS−9010(日本電子(株)製)により測定したZnの全元素に対する比の値に基づいて求めたものである。
帯電領域に戻った表面11aは、回転する帯電ロール121に接し、その表面11aの潤滑剤層は帯電ロールの表面121aへ移行する。帯電ロールの表面121aも、上述の如く凹凸が抑えられたものであり、帯電ロール121の表面は、厚さが均一な薄層の潤滑剤層によって覆われる。したがって、帯電ロール121の表面における電気抵抗は均一なものとなり、帯電ロール121は、帯電不良や帯電ムラの発生を抑えつつ付着物が除去されやすい状態になる。図2に示すクリーニングブラシ123は、上述の如く、端部1232を中心に回動することで帯電ロールの表面121aに対して接離自在なものであり、任意の画像非形成の際には、毛部1231の先端が帯電ロールの表面121aに接しており、帯電ロールの表面121aに付着した異物は、毛部1231との摺摩によって、帯電ロールの表面121aから掻き取られる。この結果、図1に示す画像形成装置1によれば、小径化、球状化されたトナー粒子やトナー粒子よりも微粒子の外添剤が帯電ロールに付着したとしても、十分に除去することができる。また、クリーニングブレード151によって潤滑剤が薄層化されるとはいっても、帯電ロールの表面121aへ潤滑剤が過剰ぎみに供給された場合には、その摺摩によって過剰な潤滑剤も掻き取られる。一方、画像形成の際には、毛部1231の先端が帯電ロールの表面121aから離れている。したがって、図1に示す画像形成装置1では、像担持体停止時や画像形成時には、毛部1231の先端が帯電ロールの表面121aから離間した状態にあり、毛部1231と帯電ロールの表面121aとの必要以上の摺擦により、毛部1231が毛倒れしてしまうことや、帯電ロールの表面121aが摩耗してしまうことが抑えられる。また、付着物が毛部1231に押さえられることが続いて帯電ロールの表面121aに固着してしまうことも抑制される。
続いて、図2示す感光体ドラム11について詳述する。図2に示す感光体ドラム11の表面層111は平滑化処理が施されたものである。この平滑化処理では、レベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することによって、表面層111の表面の使用前の十点平均粗さRzを0.30μmにする。またその他の平滑化処理として表面を研磨部材によって研磨する方法でもよい。研磨方法は公知のいかなる方法でも適用可能であるが、乾式法の方が好ましい。研磨部材を感光体表面、すなわち硬化膜表面に当接し、研磨部材あるいは感光体のいずれか、あるいは両方を移動させ、感光体表面全体を研磨部材で研磨し、全面にわたって均一に削り取ることが好ましい。研磨部材としても公知のものが使用でき、サンドペーパー、エメリーペーパー、ラビングテープなどの可撓性のあるものや、木材製や金属製の固形研磨部材などが利用できる。また、ウレタンゴムやプラスチック製のブレードのような部材も樹脂粉末のような研磨剤と組み合わせることで研磨部材として使用することができる。研磨後に表面に付着している研磨粉や研磨剤などは、そのままでも良いが、エアブラシ、ブラシ、布、ブレードなどの機械的な方法で除去しても良い。
また、図2に示す表面層111は、傷などに対する耐性を持たせるため、強度が高められたものである。表面層111の強度を高めることにより感光体ドラムの表面11aの傷等の形態変化を抑制することが可能であり、平滑化処理によって整えられた表面形状が長期にわたって維持され、感光体ドラムから帯電ロール121への潤滑剤の移行をより均一に制御可能である。
このような強度を高めた表面層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するものが好ましく、特にシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。このうち特に、一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが強度、安定性に優れ特に好ましい。
F−[D−Si (R2(3-a)ab (I)
(式中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。)
F−(R1−ZH)m (II)
(式中Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。)
一般式(I)、(II)で示される化合物のさらに好ましいものとして、有機
基Fが特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものをあげる事ができる。
Figure 2005189509
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち2〜4個は−D−Si (R2(3-a)aで表される結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
また、上記一般式(III)におけるAr1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示し、具体的には、以下の構造群1に示されるものが好ましい。
Figure 2005189509
さらに、上記構造群1中のArは下記構造群2から選択されるものが好ましく、Z´は下記構造群3から選択されるものが好ましい。
Figure 2005189509
Figure 2005189509
(ここで、上記構造群1〜3中のR6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択される。R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲンから選択される。mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、t,t’は1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)の定義で既に示した−D−Aで表わされる置換基を示す。)
また、上記構造群3中のWは以下の構造群4で示されるものが好ましい。
Figure 2005189509
(ここで、s´は0〜3の整数を示す。)
また、上記一般式(III)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は上記Ar1〜Ar4のm=1の構造があげられ、k=1の時は上記Ar1〜Ar4のm=0の構造が挙げられる。
さらに、一般式(III)の具体例としては、以下の表1から表3に示すIII−1からIII−61のものをあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
またさらに、一般式(II)の具体例としては、以下の構造式(II)−1から構造式(II)−16に示すようなものをあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
Figure 2005189509
また、表面層111を形成するにあたり、強度を高めるために一般式(IV)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることが好ましい。
B―(Si(R2(3-a)a2 (IV)
(式中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。)
具体的には、以下の表4に示すような構造式IV−1から構造式IV−16のものをあげることができるがものを好ましいものとしてあげることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2005189509
また、表面層111を形成するにあたり、ポットライフの延長、膜特性のコントロールのため、下記一般式(V)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2005189509
(A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を示す)
上記一般式(V)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物として、市販の環状シロキサンをあげることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
さらに、表面層111を形成するにあたり、強度、膜抵抗などの種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VI)で示される化合物を添加することもできる。
Si (R2(4-c)c (VI)
(式中R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。)
上記一般式(VI)で示される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等のシランカップリング剤があげられる。膜の強度を向上させるためには3および4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、製膜性を向上させるためには2および1官能のアルコキシシランが好ましい。
また、表面層111を形成するにあたり、主にこれらのカップリング材より作成されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)、などを用いることができる。
またさらに、表面層111を形成するにあたり、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的で種々の樹脂を添加することができる。特にシロキサン系の樹脂の場合はアルコールに溶解する樹脂を加えることが好ましい。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは1〜30%であり、5〜20%が最も好ましい。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
さらに、表面層111を形成するにあたり、感光体ドラムの表面11aにおける耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、併用してもよい。微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30の酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲、好ましくは0.1〜30重量%の範囲で用いられる。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。本発明の電子写真感光体における最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集p89”に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等をあげることができる。
また、表面層111を形成するにあたり、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダートフェノール系として「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
また、表面層111を形成するにあたり、コーティング液もしくはコーティング液作成時に触媒を添加もしくは用いることが好ましい。用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらに以下に示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3 PCH2 CH2 SO3 H)2 ,Th(O3 PCH2 CH2 COOH)2 などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4 などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3 )2 などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。また、コーティング液の作成の際に、光機能性化合物、反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いると、塗工液の安定性が向上する傾向にあるため好ましい。ここで用いられる系に不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。これらの固体触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。また、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法にしたがって容易に除去することができる。反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。反応時間が前記上限値を超えるとゲル化が起こりやすくなる傾向にある。
コーティング液を作成するにあたり系に不溶な触媒を用いた場合は、強度、液保存安定性などを向上させる目的で、さらに系に溶解する触媒を併用することが好ましい。そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
また、有機アルミニウム化合物以外には、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機ズズ化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウム化合物;等も使用することができるが、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。これらの触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10Wt%が特に好ましい。
また、有機金属化合物を触媒として用いた場合は、ポットライフ、硬化効率の面から、ともに多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限られることはない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、好ましくは下記一般式(VII)で表される2座配位子が挙げられる。また、下記一般式(VII)中のR5とR6とが同一のものが特に好ましい。R5とR6とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、コーティング剤のさらなる安定化を図ることができる。
Figure 2005189509
(式中、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、もしくはフッ化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。ケイ素含有コーティング剤の製造は、無溶媒下で行うこともできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは、1〜20重量部とするのが好ましい。
表面層111を形成するにあたり、塗工液を硬化させる際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、得られるケイ素樹脂の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは80〜200℃であり、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。また、塗工液の硬化により得られる有機層を高湿度状態に保つことは、有機層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて有機層に表面処理を施して疎水化することもできる。
なお、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体の電荷輸送層にもして、電荷輸送層と表面層111を同時に形成することもできる。その場合、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行う場合、加熱処理は塗布の度に行っても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
また、本発明の画像形成装置の感光体ドラムは単層型感光層を有するものであってもよく、この場合には、前記の電荷発生物質と結着樹脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10から85重量%程度、好ましくは20から50重量%とする。単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。また、一般式(I)で示される化合物を加えてもよい。塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上
記と同様のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
次に、図2示す帯電ロール121について詳述する。図2に示す帯電ロール121はダイナミック超微小硬度が0.05以上0.5以下に制御されることが望ましい。0.05より小さい場合はクリーニングブラシ123によるクリーニングが困難となり、0.5よりも大きい場合は帯電ロール121と感光体ドラム11の当接部(帯電領域)において帯電ロール121の表面121aにトナーなどが強固に固着し、やはりクリーニングブラス123によるクリーニングが困難となる。
上記ダイナミック超微小硬度(以下、単に「DH」称する場合がある)は、圧子を試料に一定の押込み速度(mN/s)で進入させたときの試験荷重P(mN)と押込み深さD(μm)より、式(1)より算出された硬度である。
DH=α×P/D2 ・・・ (1)
上記式(1)において、αは圧子形状による定数を表す。
なお、上記ダイナミック超微小硬度の測定は、ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S((株)島津製作所社製)により行った。ダイナミック超微小硬度は、軟質材料測定により、三角錐圧子(頂角:115°、α:3.8584)を、帯電ロールに押込み速度0.14mN/s、試験荷重1.0mNで進入させた時の押込み深さDを測定することにより求めた。
続いて、図2に示すトナー収容体141に収容されたトナーについて詳述する。トナー収容体141に収容されたトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られたものである。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法によって得られたものであってもよいが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法によって作製されたものが好ましく、乳化重合凝集法によって作製されたものが特に好ましい。
トナー収容体141に収容されたトナー粒子は、結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナーの平均形状指数SF1(ML2/A × π/4 ×100:MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す)が100〜145の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。さらに好ましくは125〜140である。平均形状指数が125〜140のトナーを用いることにより、高画質の転写画像を得ることができると共に、クリーニング不良による帯電ロール121へのトナーもしくは外添剤などの付着悪化を抑えることが可能となる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、図2に示すトナー収容体141に収容されるトナーには、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
さらに、図2に示すトナー収容体141に収容されるトナーには、感光体ドラムの表面11aの付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると感光体ドラムの表面11aに傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記滑性粒子の添加量との和が、0.6重量%以上であることが好ましい。
図2に示すトナー収容体141に収容されるトナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
図2に示すトナー収容体141に収容されるトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、図2に示すトナー収容体141に収容されるトナーはカラートナーであり、キャリアと混合して使用されることが好ましいが、該キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
次に、図2に示すトナー収容体141に収容された潤滑剤について詳述する。トナー収容体141に収容された潤滑剤はステアリン酸亜鉛の潤滑剤であるが、ステアリン酸亜鉛と併用して他の潤滑剤を添加してもよい。添加される潤滑剤としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用できる。
トナー収容体141への潤滑剤の添加量としては、トナー100重量部に対して0.01重量部以上1.0重量部以下が好ましく、0.05重量部以上0.5重量部以下がより好ましく、0.05重量部以上0.3重量部以下がさらに好ましい。0.01重量部よりも少ない場合には帯電ロールの表面121aに十分な潤滑剤層を形成することができない場合があり、反対に1.0重量部よりも多い場合には、クリーニングブレード151によって潤滑剤が薄層化されるとはいっても、帯電ロールの表面121aへ潤滑剤が過剰ぎみに供給され帯電ロールの表面121aでの薄い潤滑剤層の形成が妨げられる恐れがある。また、トナーの帯電性などに悪影響を与えてしまう恐れもある。
続いて、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の画像形成装置も、図1に示す第1実施形態の画像形成装置1と同じく、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて画像形成を行うものであり、両者の違いはトナー像形成ユニットにある。以下、図1に示す画像形成装置1の構成要素と同じ構成要素には、上述の説明で用いた符号と同じ符号を付して説明する。ここでは、重複する説明は省略し、トナー像形成ユニットについて説明する。
図3は、第2実施形態の画像形成装置に備えられた4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを示した図である。
図3に示すトナー像形成ユニット10も、感光体ドラム11、接触型帯電装置12、露光器13、現像装置14、クリーニング装置15、および除電器16を備えている。
図2に示すトナー像形成ユニットでは、現像装置14のトナー収容体141に潤滑剤が収容され、トナー収容体141に収容された潤滑剤は、現像時にトナー粒子の周面に付着した状態で感光体ドラム11の表面へ移行するが、この図3に示すトナー像形成ユニット10では、現像装置14のトナー収容体141に潤滑剤は収容されておらず、クリーニング装置15がブロック状の潤滑剤153を備えている。また、図3に示すクリーニング装置15は、その潤滑剤153と感光体ドラム11との双方に接しながら回転する潤滑剤供給ブラシ154も備えている。図3に示すトナー像形成ユニット10においては、潤滑剤が感光体ドラムの表面11aに、現像領域においては供給されず、1次転写領域とクリーニング領域との間において供給される。すなわち、回転する潤滑剤供給ブラシ154の先端は、潤滑剤153と接することで潤滑剤を担持し、感光体ドラムの表面11aに接することで、その表面11aに潤滑剤が供給される。また、回転する潤滑剤供給ブラシ154は、感光体ドラムの表面11aに過剰に供給された潤滑剤を掻き取る機能も有する。感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤は、クリーニングブレード151によって薄層化される。図3に示す感光体ドラム11の表面11aの十点平均粗さRzは、図2に示す感光体ドラムと同じく0.30μmであり、クリーニング領域を通過したその表面11aには、厚さが均一な薄層の潤滑剤層が形成される。また、帯電ロール121の表面121aの十点平均粗さRzも、図2に示す帯電ロールと同じく6.4μmであり、帯電領域において、帯電ロールの表面121aは、厚さが均一な薄層の潤滑剤層によって覆われる。したがって、この図3に示すトナー像形成ユニット10においても、帯電ロール121は、帯電不良や帯電ムラの発生を抑えつつ付着物を除去しやすい状態になり、画像形成の際には、帯電ロールの表面121aに付着した異物は、クリーニングブラシ123の毛部1231との摺摩によって、帯電ロールの表面121aから掻き取られる。
以上説明したように、第1実施形態および第2実施形態いずれの画像形成装置においても、高離型層として機能する潤滑剤層が安定して帯電ロール表面に形成され、潤滑剤の過剰な付着による異常帯電を発生させることなく、帯電ロール表面への異物の付着及び固着を安定に抑制し、長期に渡り帯電の均一性および安定性を維持することができる。
なお、第1実施形態および第2実施形態いずれの画像形成装置においても、クリーニングブラシ123は、一方向に延在した毛部1231を有するものであったが、回転軸に取り付けられて放射状に延在する毛部を有するものであってもよい。また、クリーニングブラシ123を回動させるのに代えて、帯電ロール121のシャフト1212の軸方向に往復移動動させてもよい。さらには、クリーニングブラシ123は、画像形成の際には帯電ロールの表面121aから離間しており、画像非形成の際には帯電ロールの表面121aに接しクリーニング動作を行うものであったが、このクリーニング動作は必要に応じて任意に行わせてもよく、例えば感光体ドラム11の予め定めた回転数に応じて行わせてもよく、あるいは予め定めた画像形成回数(用紙枚数)に応じて行わせてもよい。また、感光体ドラム11の積算した回転数や、積算した画像形成回数(用紙枚数)によりクリーニング動作の間隔を可変としてもよい。さらに、画像形成装置の温度や湿度等の動作環境をモニターし、そのモニター値に応じてクリーニング動作の間隔を可変にしてもよいし、上記のいずれか複数の条件を組み合わせてもよい。またさらに、クリーニングブラシ123に代えて、スクレーパ部材、弾性ブレード、クリーニングロールなど公知の物を用いてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態いずれの画像形成装置も、中間転写ベルト30を備え2次転写を行うものであったが、本発明は、用紙Pを1次転写領域まで搬送する用紙搬送ベルトを備えた画像形成装置にも適用することができる。
以下、実施例と比較例を用いて詳しく説明するが、以下に説明する実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
(感光体ドラム(1)の作製)
円筒上のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとしたのち、洗浄工程として脱脂処理を行い、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりAl基板表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、円筒上のAl基板表面に7μmの陽極酸化膜(下引層)を形成した。次いで、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1部および酢酸n−ブチル100質量部の混合物に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンを1質量部混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散処理することで塗布液を得た。得られた塗布液を陽極酸化膜上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン40質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60質量部とをテトロヒドロフラン280質量部及びトルエン120質量部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10質量部を加え、さらに混合した。このとき、室温を25℃に設定し、混合工程における液温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作成した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24℃の水を流し、分散液の温度を50℃に保持した。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体ドラム(1)とする。感光体ドラムの表面の十点平均粗さRzは、0.30μmだった。
(感光体ドラム(2)の作製)
感光体ドラム(1)上に下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、蒸留水0.3質量部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
構成材料
下記構造式(VIII)で示す化合物 2.0質量部
メチルトリメトキシシラン 2.0質量部
テトラメトキシシラン 0.5質量部
コロイダルシリカ 0.3質量部
Figure 2005189509
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの表面層を形成した。これを感光体ドラム(2)とする。感光体ドラムの表面の十点平均粗さRzは、0.30μmだった。
(現像剤(1)の作製)
以下の説明において、各物性値の測定は以下の方法にて行った。
<トナー、複合粒子粒度分布>
マルチサイザー(日科機社製)を用い、アパーチャー径100μmのもので測定した。以下、小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を累積体積平均粒径D50と定義する。
<トナー、複合粒子平均形状係数ML2/A>
下記式で計算された値を意味し、真球の場合、ML2/A=100となる。
ML2/A=(最大長)2×π×100/(面積×4)
平均形状係数を求める為の具体的な手法として、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式のML2/Aの値を求めた。
<トナー母粒子の製造>
[樹脂微粒子分散液の調整]
スチレン370質量部、n−ブチルアクリレート30質量部、アクリル酸8質量部、ドデカンチオール24質量部、四臭化炭素4質量部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒子径が150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
[着色剤分散液(1)の調整]
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60質量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6質量部
イオン交換水 240質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
[着色剤分散液(2)の調整]
Cyan顔料:C.I.Pigment Blue15:3 60質量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5質量部
イオン交換水 240質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
[着色剤分散液(3)の調整]
Magenta顔料:C.I.Pigment Red122 60質量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5質量部
イオン交換水 240質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
[着色分散液(4)の調整]
Yellow顔料:C.I.Pigment Yellow180 90質量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5質量部
イオン交換水 240質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
[離型剤分散液の調整]
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100質量部
カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製) 5質量部
イオン交換水 240質量部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
[トナー母粒子K1の調整]
樹脂微粒子分散液(複合微粒子調整の時に作成したもの) 234部
着色剤分散液(1) 30部
離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26重量部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1のD50が5.9μm、平均形状係数ML2/Aは132であった。
[トナー母粒子C1の調整]
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子C1を得た。このトナー母粒子C1のD50は5.8μm,平均形状係数ML2/Aは131であった。
[トナー母粒子M1の調整]
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1のD50は5.5μm,平均形状係数ML2/Aは135であった。
[トナー母粒子Y1の調整]
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1のD50は5.9μm,平均形状係数ML2/Aは130であった。
<キャリヤの製造>
フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100質量部
トルエン 14質量部
スチレン/メチルメタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2質量部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2質量部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
上記トナー母粒子K1,C1,M1,Y1のそれぞれ100質量部にルチル型酸化チタン(平均一次粒径20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1質量部、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.2質量部,酸化セリウム(平均一次粒径0.7μm)0.7質量部を5Lヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー(1)を得た。また、キャリア100部とこのトナー(1)5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤(1)を得た。
(現像剤(2)の作製)
現像剤(1)のトナー(1)と同様なトナー母粒子及びキャリアを用い、更にステアリン酸亜鉛0.05部をブレンド時に添加する以外は現像剤(1)と同条件で作製した。
(現像剤(3)の作製)
現像剤(1)のトナー(1)と同様なトナー母粒子及びキャリアを用い、更にステアリン酸亜鉛0.2部をブレンド時に添加する以外は現像剤(1)と同条件で作成した。
(現像剤(4)の作製)
現像剤(1)のトナー(1)と同様なトナー母粒子及びキャリアを用い、更にステアリン酸亜鉛0.5部をブレンド時に添加する以外は現像剤(1)と同条件で作成した。
(実施例1)
実験機として帯電装置を接触型帯電装置(帯電ロールには直流電圧を重畳した交流電圧を印加)に改造した富士ゼロックスDocu Center Color 500を用い、感光体用のクリーニングブレードの当接圧力を4.0gf/mm、当接角度を25°とした。
この実施例1では、実験機の感光体ドラムを感光体ドラム(1)とし、現像装置のトナー収容体には現像剤(3)を収容した。また、帯電ロールには、表面の十点平均粗さRzが6.4μmのものを用いた。さらに、帯電ロールの表面から付着物を除去する部材には、図2に示すクリーニングブラシ(ブラシの密度が42000本/645.16mm2であるナイロンブラシ)を用いた。ここでは、フルカラーにて高温高湿(28℃、80%RH)及び低温低湿(10℃、20%RH)で各1万枚、計2万枚、富士ゼロックス製PPC用紙(P紙、A4)に画像形成を行い、この間、帯電ロールのクリーニングは、150枚に1回の割合で定期的に実施した。
画像形成時に、感光体ドラムの、帯電領域に戻った表面11aをJPS−9010(日本電子(株)製)により測定し、Znの全元素に対する比の値に基づいてZnの被覆率を求めた。感光体ドラム表面の、ステアリン酸亜鉛の量を定量化するには、低塗布領域における少量の亜鉛量を検出することができるXPS分析(X線高電子分光分析)が適しており、ここでは、飽和したZn比の値を被覆率100%として感光体ドラム表面の亜鉛の被覆率を決定した。また、2万枚走行後の感光体ドラム表面の十点平均粗さRzを、触針式表面粗さ測定機(商品名:サーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定した。さらに、帯電ムラの評価として、2万枚走行後の低温低湿条件下でハーフトーン画像の濃度均一性をグレード付けを行い評価するとともに、帯電ロール表面の汚れの評価として、2万枚走行後の帯電ロール表面のトナーや外添剤汚れを官能評価にてグレード付けを行い評価した。これらの結果を表5に示す。
Figure 2005189509
表5中の帯電ムラグレードの欄に示された記号は、以下のような評価結果を表す。
◎:問題無し
○:非常に軽微に濃度ムラが発生
×:濃度ムラ発生
××:悪いレベルで濃度ムラ発生
また、表5中の帯電器汚れグレードの欄に示された記号は、以下のような評価結果を表す。
◎:付着量少(良好)
○:付着量少、軽微に付着ムラ(許容範囲)
×:付着量多
××:付着量多、付着ムラ大
(実施例2)
現像装置のトナー収容体に現像剤(2)を収容した以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例3)
現像装置のトナー収容体に現像剤(4)を収容した以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例4)
帯電ロールの表面から付着物を除去する部材として、ブラシの密度が16000本/645.16mm2であるナイロンブラシを用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例5)
帯電ロールの表面から付着物を除去する部材として、ブラシの密度が14000本/645.16mm2であるナイロンブラシを用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例6)
帯電ロールとして、表面の十点平均粗さRzが4.1μmのものを用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例7)
帯電ロールとして、表面の十点平均粗さRzが8.6μmのものを用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例8)
感光体ドラムとして、表面層を有する感光体ドラム(2)を用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(実施例9)
感光体ドラムのクリーニング装置を、図3に示す、ブロック状の潤滑剤と潤滑剤供給ブラシを備えたものに変更し、現像装置のトナー収容体にステアリン酸亜鉛無添加の現像剤(1)を用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(比較例1)
帯電ロールの表面から付着物を除去する部材を省いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(比較例2)
現像装置のトナー収容体にステアリン酸亜鉛無添加の現像剤(1)を用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
(比較例3)
帯電ロールとして、表面の十点平均粗さRzが10.5μmのものを用いた以外は実施例1と同様な実験を行った。結果を表5に示す。
表5に示すように、帯電ムラの評価および帯電ロール表面の汚れの評価について、各実施例においてはいずれも良好な結果が得られたのに対し、各比較例においては問題ある結果となった。
詳しく分析すると、各実施例においてはいずれも、2万枚走行後の感光体ドラム表面の十点平均粗さRzが2.0μm以下であったのに対し、比較例2ではその十点平均粗さRzが2.0μmを超えている。このことから、感光体ドラム表面は平滑な方が好ましく、その十点平均粗さRzが2.0μmを超えると、その表面の凹凸差が大きくなりすぎ凸部と凹部で潤滑剤の付着量に大きな差が生じ、潤滑剤の、感光体ドラム表面から帯電ロールへの移行量が不均一になるものと考えられる。さらに、比較例2では、ステアリン酸亜鉛無添加の現像剤(1)を用いたことにより、帯電ロール表面の付着物が除去しにくかったと考えられる。また、実施例のうち、感光体ドラム表面の十点平均粗さRzが最も小さかったのは、シロキサン系樹脂を含有した表面層を有する感光体ドラム(2)を用いた実施例8であることから、感光体ドラム表面の強度は高い方が好ましいことがわかる。
また、表面の十点平均粗さRzが6.4μmの帯電ロールを使用した実施例1と、表面の十点平均粗さRzが10.5μmの帯電ロールを使用した比較例3とを比べると、他の条件は同じであるのに、比較例3では帯電ムラおよび帯電ロールの汚れが生じている。また、この実施例1と、表面の十点平均粗さRzが8.6μmの帯電ロールを使用した実施例7とを比べると、表面の十点平均粗さRzが小さい実施例1の方が良好な結果を示している。これらのことから、帯電ロール表面も平滑な方が好ましく、その十点平均粗さRzが10.0μmを超えると、その表面の凹凸差が大きくなりすぎて凸部と凹部で潤滑剤の付着量に大きな差が生じ、表面の抵抗値がバラつき帯電不良や帯電ムラを引き起こしてしまうものと考えられる。
さらに、帯電ロールの表面から付着物を除去する部材について着目すると、ブラシの密度が、実施例1は42000本/645.16mm2のクリーニングブラシを用い、実施例4は16000本/645.16mm2のクリーニングブラシを用い、実施例5は14000本/645.16mm2のクリーニングブラシを用いている。これらの実施例では他の条件は同じであるのに、ブラシ密度が最も低い実施例5は、残り2つの実施例に比べて結果が劣っている。これは、ブラシ密度が低くなると、クリーニング均一性が低下し筋状に、潤滑剤の過剰な付着部が生じたり異物除去不良部が生じ、帯電ムラが生じ易くなるばかりか、過剰な潤滑剤の掻き取りも困難になるためと考えられ、ブラシ密度は15000本/645.16mm2(本/inch2)以上であることが好ましいことがわかる。
またさらに、感光体ドラム表面のZnの被覆率に着目すると、実施例9における結果が30%を超えている。実施例1における帯電ムラの評価結果と実施例9における帯電ムラの評価結果を比較すると、実施例9の方が劣っている。これは、帯電ロール表面へ潤滑剤が過剰ぎみに供給され帯電ロール表面での薄い潤滑剤層の形成が妨げられたことによるものと考えられる。このことと、ステアリン酸亜鉛の供給を行わず被覆率が0%の比較例2の結果とを考慮すると、感光体ドラム表面のZnの被覆率は、0.01%以上30%以下の範囲であることが好ましいことがわかる。また、図3に示す潤滑剤供給ブラシで潤滑剤を供給した実施例3と、潤滑剤をトナー粒子の周面に付着した状態で供給した実施例1とでは、実施例1の方が実施例9に比べ、感光体ドラム表面、引いては帯電ロール表面に薄層の潤滑剤層を形成することができ、また装置の小型化、簡略化にも結びつき好ましい。
本発明の第1実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。 第2実施形態の画像形成装置に備えられた4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを示した図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 トナー像形成ユニット
11 感光体ドラム
11a 表面
111 表面層
12 接触型帯電装置
121 帯電ロール
121a 表面
122 電源
123 クリーニングブラシ
1231 毛部
13 露光器
14 現像装置
141 トナー収容体
142 現像ロール
15 クリーニング装置
151 クリーニングブレード
153 潤滑剤
154 潤滑剤供給ブラシ
16 除電器
20 1次転写ロール
30 中間転写ベルト
40 一括転写装置
50 定着装置
60 用紙トレイ
70 ベルトクリーナ

Claims (4)

  1. 表面に静電潜像が形成される像担持体と、電圧が印加されて該像担持体表面に接触した状態で回転することにより該表面を帯電させる帯電ロールとを備え、該像担持体を、該帯電ロールにより該表面を帯電させる帯電領域と、帯電後の該表面に静電潜像を形成し該静電潜像をトナーで現像して該表面にトナー像を形成する現像領域と、該トナー像を該表面から所定の被転写面に転写する転写領域とを経由して循環移動させることにより該被転写面にトナー像を転写し、最終的に該トナー像を記録媒体上に定着させることにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写領域よりも下流側であって前記帯電領域よりも上流側の位置に配備され、前記像担持体の表面から残トナーを掻き取る、該表面に先端を接触させた板状のクリーニングブレードと、
    前記帯電領域よりも下流側であって前記クリーニングブレードが前記像担持体の表面に接するクリーニング領域よりも上流側の位置に配備された、該像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
    前記帯電ロール表面に付着した付着物を除去する除去部材とを備え、
    前記像担持体は、該像担持体表面の十点平均粗さRzが2.0μm以下のものであり、
    前記帯電ロールは、該帯電ロール表面の十点平均粗さRzが10μm以下のものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像領域に配備され、トナーおよび潤滑剤を収容したトナー収容体を有し、前記像担持体表面に、該トナー収容体に収容されたトナーを移行させるとともに該トナー収容体に収容された潤滑剤を供給する、前記潤滑剤供給手段を兼ねた現像装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記除去部材は、密度15000本/645.16mm2以上で植毛された毛部を有し、該毛部の先端が前記帯電ロール表面に接触したものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記除去部材が、前記帯電ロール表面に対して接離自在なものであって、少なくとも前記現像領域において前記像担持体にトナー像が形成される際には該帯電ロール表面から離間した状態にあり、任意の、前記現像領域において該像担持体にトナー像が非形成の際には該帯電ロール表面に接するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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