JP4333415B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4333415B2
JP4333415B2 JP2004064693A JP2004064693A JP4333415B2 JP 4333415 B2 JP4333415 B2 JP 4333415B2 JP 2004064693 A JP2004064693 A JP 2004064693A JP 2004064693 A JP2004064693 A JP 2004064693A JP 4333415 B2 JP4333415 B2 JP 4333415B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
latent image
image carrier
image forming
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004064693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005250403A5 (ja
JP2005250403A (ja
Inventor
浩江 奥山
聡 重崎
寛治 新宅
太一 山田
能成 上野
雅史 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004064693A priority Critical patent/JP4333415B2/ja
Publication of JP2005250403A publication Critical patent/JP2005250403A/ja
Publication of JP2005250403A5 publication Critical patent/JP2005250403A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4333415B2 publication Critical patent/JP4333415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法を利用した画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真法では、感光体表面を帯電、露光して作製した静電潜像に着色トナーを現像してトナー像を形成後、このトナー像を転写紙等に転写し、更に熱ロール等で定着して画像を形成している。転写工程を終えた像担持体(以下、「感光体」称す場合がある)表面には未転写のトナーおよびトナー成分、帯電プロセスによって生成した放電生成物などが残留するため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立って除去するクリーニングプロセスが必要になる。
クリーニングプロセスにおいて、近年最も広く用いられているクリーニング方式として、ゴムブレードを感光体に当接させる方式が一般的であるが、クリーニング部では感光体の表面層とクリーニングゴムブレードとの間の摺擦によるストレスが発生し、感光体の表面層の磨耗や傷の発生が課題であった。
また、近年環境保護のためにクリーニング機構を含む感光体カートリッジの長寿命化が装置を製造するメーカーの重要な課題となっている。長期に渡って良好なプリント物を得るためには、これらを構成する部材の劣化を出来るだけ低減することが必須である。
さらに近年の高画質化の要求に応えるため小粒径で球形度が高い重合トナーを用いた場合、クリーニングブレードに与える荷重を従来の粉砕法で作製されたトナーと比べて高い設定にしなければならないため、走行後のクリーニングブレードの摩耗や欠けによるクリーニング不良が問題となる。
これらの問題を改善するために、感光体表面に潤滑剤を塗布する工程を設け、感光体およびクリーニングブレードへの機械的ストレスを緩和する技術が良く知られている。
感光体へ潤滑剤を塗布/供給する方法としては、固形潤滑剤を直接あるいは回転ブラシ等の部材を介して感光体上に供給し、潤滑剤皮膜を形成する方法や、トナーの外添剤として潤滑剤を用いることにより感光体表面上に供給する方法が知られている。
後者の方法は潤滑剤供給部材が不要なため簡素な構成が可能である。また、適切な膜厚の潤滑剤皮膜を形成することにより、クリーニングブレードを保護し、感光体表面の傷や摩耗を防止することができる。
このようなトナーに潤滑剤を外添した方法としては、例えば、トナーに外添されるステアリン酸金属塩の含有量を、初期に利用するトナーよりも、トナー補給装置から補給される補給用トナーのほうを少なくすることによって、現像剤の帯電の経時劣化を防止する方法等が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、このようなトナーの外添剤として潤滑剤を用いる場合においても、長期に渡って画像形成を行った場合には、感光体表面に傷が発生したり、クリーニングブレードの劣化が進んでクリーニング不良が発生し、画質が劣化してしまう場合があった。
特に感光体表面劣化を防止するために低摩耗の表面層を有する感光体を用いる場合、長期に渡って走行すると掻き取り性の低下したクリーニングブレードでは感光体表面のリフレッシュが低下するために放電生成物掻き取り不足による画像流れの発生が問題となると考えられる。
特開平2001−312132号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、クリーニングブレードにより潜像担持体表面をクリーニングすると共に、トナーを現像機に補給しながら画像を形成する場合に、長期に渡って良好な画像が形成できる画像形成方法および画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、まず、クリーニングブレードにより潜像担持体(感光体)表面をクリーニングすると共に、トナーを現像機に補給しながら画像を形成する従来の画像形成方法/装置において、長期に渡って画像形成を行った場合には、感光体表面に傷が発生したり、クリーニングブレードの劣化が進んでクリーニング不良が発生することにより、画質劣化を引き起こす原因について鋭意検討した。
その結果、クリーニングブレードおよび感光体が新しい状態(以下、「初期状態」と略す場合がある)と、ある程度走行(画像形成)した後のクリーニングブレードと感光体とがある程度馴染んだ状態(以下、「経時状態」と略す場合がある)とでは、両者間の摩擦が異なってくることが分かってきた。
具体的には、初期状態における走行では、感光体とクリーニングブレードとの接触面の密着度が高く摩擦が大きいため、クリーニングブレードの劣化が進みやすく、最悪の場合はブレードが捲れてしまう傾向にあった。その一方、走行が進んだ経時状態では、潤滑剤が感光体表面に満遍なく充分行き渡ることにより感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦が低下するため上述したようなトラブルが起こりにくくなる傾向にあった。
従って、初期状態における上述したような問題の発生を防止するためには、初期状態で走行開始した直後には速やかに感光体表面に潤滑剤皮膜を形成する必要がある。しかし、初期状態において速やかに感光体表面に潤滑剤皮膜を形成するために、感光体表面に潤滑剤を供給し過ぎると、感光体の摩耗が低減するため帯電器から発生した放電生成物が感光体表面に蓄積し、高湿環境下で画像流れが発生する。
これらのことから、本発明者らは、初期状態と経時状態とで、感光体表面に形成されるべき最適な潤滑剤皮膜の状態は異なるものと考えた。また、上述したような問題は、初期状態と経時状態とでトナーに対する外添量が同じである上に、1種類の潤滑剤しか用いていないことに原因があるものと推定される。
従って、上述した問題を解決するためには〔1〕トナーに外添される潤滑剤の量を経時的に変化させる、および/または、〔2〕トナーに外添される潤滑剤の組成を経時的に変化させることが有効であると考えられる。
以上の知見に基づいて、本発明者らは以下の本発明を見出した。すなわち、本発明は、

潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成工程と、現像機から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給工程と、を少なくとも含み、
前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記補給用トナーに、潤滑剤が外添された画像形成方法において、
前記初期トナーに外添された潤滑剤の組成と、前記補給用トナーに外添された潤滑剤の組成とが互いに異なり、初期トナーに外添された潤滑剤が少なくともステアリン酸塩を含み、補給用トナーに外添された潤滑剤が少なくとも高級アルコールを含むことを特徴とする画像形成方法である。

前記初期トナーおよび前記補給用トナーに外添された潤滑剤が、少なくともステアリン酸亜鉛および高級アルコールを含み、
前記初期トナーおよび前記補給用トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛および前記高級アルコールの添加量比が下式(4)を満たすことを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
・式(4) A(S/A)>B(S/A)
〔但し、式(4)中、A(S/A)は、前記初期トナーに外添された前記高級アルコールに対する前記初期トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛の添加量比を表し、B(S/A)は、前記補給用トナーに外添された前記高級アルコールに対する前記補給用トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛の添加量比を表す。〕

潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を前記潜像担持体表面に供給することにより前記潜像を現像しトナー像を形成する現像機と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給手段と、を少なくとも含み、
前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記補給用トナーに、潤滑剤が外添された画像形成装置において、
<1>に記載の画像形成方法を利用して画像を形成することを特徴とする画像形成装置である。

前記潜像担持体の表面が、フッ素系樹脂を含むことを特徴とする<>に記載の画像形成装置である。

前記潜像担持体の表面が、電荷輸送能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含むことを特徴とする<>に記載の画像形成装置である。
以上に説明したように本発明によれば、クリーニングブレードにより潜像担持体表面をクリーニングすると共に、トナーを現像機に補給しながら画像を形成する場合に、長期に渡って良好な画像が形成できる画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明を説明する。
本発明は、潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成工程と、現像機から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給工程と、を少なくとも含み、前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記補給用トナーに、潤滑剤が外添された画像形成方法において、前記初期トナーに外添された潤滑剤の組成と、前記補給用トナーに外添された潤滑剤の組成とが互いに異なり、初期トナーに外添された潤滑剤が少なくともステアリン酸塩を含み、補給用トナーに外添された潤滑剤が少なくとも高級アルコールを含むことを特徴とする。
従って、本発明によれば、クリーニングブレードにより潜像担持体表面をクリーニングすると共に、トナーを現像機に補給しながら画像を形成する場合に、長期に渡って良好な画像形成することができる。
初期トナーおよび補給用トナーの潤滑剤の組成を変えることにより初期状態および経時状態の潤滑剤被膜の状態をそれぞれの状態に最も好適な状態となるように調整することができる。
なお、本発明において、「初期トナー」とは、初期状態において現像機内に予め収納されているトナーを意味し、「補給用トナー」とは、初期状態においては現像機内には収納されておらず、トナーカートリッジ等のような現像機にトナーを逐次補給するトナー補給手段により現像機外から現像機へと供給されるトナーを意味する。
また、本発明において、「トナーに外添された潤滑剤の組成」とは、具体的には、トナーに外添された潤滑剤の種類や、潤滑剤の種類が2種類以上の場合には、その組み合わせや配合割合を意味する。
期トナーおよび補給用トナーに用いられる潤滑剤としては、公知のトナー外添用の潤滑剤を利用することができ、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪族アルコール等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス及びそれらの変性物等を挙げることができ、これらを1種以上組み合わせて用いることもできる。
しかし、本発明においては、ステアリン酸亜鉛や高級アルコールを利用することが好ましい。
発明においては、初期トナーおよび補給用トナーに外添される潤滑剤としては、上述した潤滑剤を組み合わせて利用することができるが、初期状態および経時状態の潤滑剤被膜の状態を幅広い範囲で調整できる点では、特性の異なる潤滑剤を組み合わせて用いることが好ましい。このような点から、ステアリン酸亜鉛および高級アルコールを前記のように組み合わせて用いる。
ステアリン酸亜鉛は、少量でも非常に摩擦低減効果が大きい。また、潜像担持体表面に素早く広がるために、摩擦低減効果が即効的であり、特に初期状態におけるクリーニングブレード保護効果が高いという特徴を持つ。
これに対して、高級アルコールは、摩擦低減効果はステアリン酸亜鉛と比べると相対的に劣り、潜像担持体表面に広がる速度が遅いために摩擦低減効果は遅効的である。しかし、クリーニングブレードの保護効果が高い。これは、壁開性のあるステアリン酸亜鉛と比べると高級アルコールは、潜像担持体表面に潤滑剤被膜を形成するよりも、クリーニングブレードと潜像担持体表面との当接部(ニップ)に蓄積され易い傾向にあるため、このような現象がクリーニングブレードの保護効果の向上に寄与しているものと推定される。さらに、高級アルコールは、ステアリン酸亜鉛と比較すると画像流れのような副次的障害が発生し難いという利点もある。
以上に説明したようにステアリン酸亜鉛および高級アルコールの潤滑剤としての特性は対照的な関係にあり、上述したような特徴から、初期トナーに外添される潤滑剤として少なくともステアリン酸亜鉛を含み、補給用トナーに外添される潤滑剤として少なくとも高級アルコールを含む
このような組み合わせにより、初期状態においては、潜像担持体表面に供給されたステアリン酸亜鉛の働きにより、初期状態の走行開始直後から潜像担持体表面とクリーニングブレードとの間の摩擦を抑えて、クリーニングブレードへのダメージを抑制することができ、経時状態では、潜像担持体表面に供給された高級アルコールの働きにより、画像流れのような副次的障害の発生を抑制しつつ、高いクリーニングブレード保護効果を得ることができる。
なお、初期トナーおよび補給用トナーに外添されるステアリン酸亜鉛および高級アルコールの添加量比は、具体的には下式(4)を満たすことが好ましい。
・式(4) A(S/A)>B(S/A)
但し、式(4)中、A(S/A)は、初期トナーに外添された前記高級アルコールに対する初期トナーに外添されたステアリン酸亜鉛の添加量比を表し、B(S/A)は、補給用トナーに外添された高級アルコールに対する補給用トナーに外添されたステアリン酸亜鉛の添加量比を表す。
すなわち、初期状態においては、ステアリン酸亜鉛、あるいは、ステアリン酸亜鉛を主として高級アルコールを添加した初期トナーにより、潜像担持体表面に潤滑剤を供給する。続いて、画像の形成による初期トナーの消費に伴い、高級アルコール、あるいは、高級アルコールを主としてステアリン酸亜鉛を添加した補給用トナーを現像機に供給する。これにより、画像形成枚数の増加に伴い、潜像担持体表面の潤滑剤がステアリン酸亜鉛リッチな状態から高級アルコールリッチな状態へと変化させることができる。
−高級アルコール−
本発明には、潤滑剤として高級アルコールが好適に用いられるが、その重量平均粒径は1〜12μmの範囲内が好ましい。また、高級アルコールの炭素数は特に規定はないが、16〜150の高級脂肪族アルコール等が好ましく用いられる。なお、炭素数はより好ましくは20〜120、さらに好ましくは30〜100程度である。
また、画質に影響を与えずにより潤滑効果を発揮するために、高級アルコールの粒度分布は一定の範囲内に調整したものがより好ましい。トナー重量平均粒径以下の高級アルコールの含有量を、あるいはトナー重量平均粒径以上の含有量を調整するために、この高級アルコールの粒度分布を調整べく粉砕したり、粉砕後に分級することで調整することができる。
なお、トナー重量平均粒径以下の高級アルコールの外添量は0.15重量%以上であることが好ましい。また、トナー重量平均粒径以上の高級アルコールの外添量は、2.5重量%以下が好ましく、さらに好ましくは2重量%以下である。また、フルカラー画像の形成においては、トナー重量平均粒径以上の高級アルコールの外添量が多いと画質が悪化するため、この場合の外添量は2.0重量%以下が好ましく、さらに好ましくは1.8重量%以下である。
但し、第1の本発明において、潤滑剤として高級アルコールのみを用いる場合には、上記に係わらずトナーに外添される高級アルコールの総量は、式(1)〜(3)を満たすように調整されることが必要である。
また、高級アルコールの形状係数SF1はクリーニング性を得るために140以上であることが好ましい。
なお、形状係数SF1とは下式(5)で定義される値である
・式(5) SF=100×π×ML2/4A
但し、式(5)中、SF1は形状係数、MLは(高級アルコール)粒子の絶対最大長、Aは(高級アルコール)粒子の投影面積を表す。
−現像剤(トナー)−
本発明に用いられる初期トナーおよび補給用トナー(以下、両者またはいずれかを指す場合には単に「トナー」と称す)は、高画質化のために重合法で作製されたものが好ましい。また、その体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナーの平均形状SF1(上記式(5)で定義された値)は100〜145の範囲のものが良く、更に好ましくは125〜140の範囲にあるものを用いることで、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤と離型剤と、さらに必要に応じて帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む分散液とを混合した混合液中で、トナー構成成分を凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤や離型剤、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤と離型剤と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに結着樹脂微粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができる。これらの製造方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナーは結着樹脂、着色剤、離型剤等を含み、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含んでいてもよい。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に用いるトナーには、潜像担持体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを外添することができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機微粒子は、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。
また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると潜像担持体表面に傷が発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、トナーに外添される有機微粒子と潤滑剤との添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。
これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
本発明に用いられるトナーは、トナー母粒子に上記した潤滑剤を少なくとも含む外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
本発明に用いられる現像剤は、トナーからなる一成分現像剤、あるいは、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤のいずれであってもよいが、本発明に用いられるトナーをカラートナーとして用いる場合には、キャリアと混合して使用されることが好ましい。キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
キャリアにおいて用いられる芯材(キャリア芯材)としては特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、またはフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズなどが挙げられるが、現像に磁気ブラシ法を用いる場合には磁性キャリアであるのが望ましい。
キャリア芯材の平均粒径としては、一般的に10μm〜150μmのものが用いられ、好ましくは20μm〜100μmのものが用いられる。さらに、低ストレス性を目的として、重合製法による球形のコアを用いる事ができる。重合コアの真比重は3.0〜5.0g/cm3のものが好ましく、飽和磁化は40emu/g以上が好ましい。
キャリア被覆樹脂として用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体は、アルキル基が異なる2種類以上の単量体を用いる事で効果が得られる。
これら単量体の一例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルペンチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させるカルボン酸基を有する単量体の一例としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシルスチレンの様なスチレンにカルボキシル基を持つもの、p−カルボキシルスチレンの様なカルボキシル基を2つ以上含むもの等が挙げられる。アイオノマー樹脂の様な、アクリル共重合体に金属カチオンを作用させてカルボキシル基を有した重合体でも同様の効果が見られる。
カルボン酸量は、そのカルボン酸単量体の種類、カルボン酸基の量、単量体の分子量によっても変わるが、全樹脂単量体に対し0.1〜15.0重量%が適当であり、より好ましくは0.5〜10.0重量%が密着性、環境安定性に対して機能を発現できる。導入量が少ないと、耐久性の効果が小さく、多すぎると粘度が高く、均一な被覆樹脂を得る事が難しく、又環境差が悪化してしまう場合がある。
キャリア被覆樹脂にはフッ素を含有する単量体を用いることもでき、この場合、パーフルオロアクリル系の単量体が好ましい。一例としてはテトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、等フッ素含有アクリル酸系の単量体、その他にトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のフッ素含有単量体を用いる事もできる。
キャリア被覆樹脂に含まれるフッ素含有単量体の量は目的に応じて選択できる。フッ素量が多いと汚染性が向上するが、帯電が下がる、あるいは、芯材との密着性が悪くなる傾向がある。
単量体の種類にもよるが、キャリア被覆樹脂に含まれるフッ素含有単量体量は、0.1〜60.0重量部が適当であり、より好ましくは0.5〜50.0重量部が密着性、帯電レベルに対して機能を発現できる。
キャリア被覆樹脂の共重合比率は、トナー種、システム適正に応じて、適宜選択可能である。特に、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは重合比を変える事により、所望の特性が得られる事も利点である。これら単量体の共重合方法としては、ランダム共重合、グラフト共重合等の重合方法を用いる事ができる。グラフト共重合は、機能を発現させ易い点、コアとの密着性を上げる事が可能な点、キャリア被覆樹脂のガラス転移温度(Tg)を上げる事ができる点等で優れた重合方法である。
キャリア被覆樹脂をキャリア芯材及び帯電付与部材の表面に形成する代表的な方法としては、樹脂被覆層形成用原料溶液(溶剤中にマトリックス樹脂、樹脂微粒子、導電性微粉末等を適宜含む)を利用するものである。
具体的には、例えばキャリア芯材の粉末及び帯電付与部材を樹脂被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液をキャリア芯材及び帯電付与部材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と樹脂被覆層形成用溶液を混合し、続いて溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に溶液を用いたものに限定されるものではなく、塗布するキャリア芯材及び帯電付与部材によっては、樹脂粉末と共に加熱混合するパウダーコート法等適当な方法を用いることが出来る。
キャリア被覆樹脂の塗布量は、キャリア重量に対して総量で0.05〜5.0重量%の範囲が、画質、二次障害、帯電性を両立させるのに適当である。また、帯電付与部材に塗布する場合には、帯電量、維持性等対してに適当な膜厚が得られるよう適宜塗布量及び塗布方法の調節を行なうことが好ましい。
樹脂被覆層形成用原料溶液に使用される溶剤としては、キャリア被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化合物、が使用できる。
−画像形成装置−
本発明の画像形成装置は、上述した本発明の画像形成方法を利用することが可能であればその構成は特に限定されないが、具体的には以下のような構成を有することが好ましい。
すなわち、本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を前記潜像担持体表面に供給することにより前記潜像を現像しトナー像を形成する現像機と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給手段と、を少なくとも含むものであることが好ましい。なお、前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記トナー補給手段に収納された前記補給用トナーには、第1および/または第2の本発明の画像形成方法で説明したような条件を満たすように潤滑剤が必ず外添される。
なお、本発明の画像形成装置は、上述した以外の公知の部材を備えていてもよい。また、カラー画像を形成する場合には、本発明の画像形成装置は、1つの潜像担持体の周囲に各色に対応した複数の現像器を配置したシングル方式、1対の潜像担持体と現像器とを含むユニットを、各色に対応した数だけ備えたタンデム方式いずれであってもよい。
次に、本発明の画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図1は本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図であり、図1中、100は画像形成装置、10は潜像担持体(感光体)、11が帯電ロール、13が露光装置、14が現像器、15が転写ローラ、16が帯電ロールクリーナー、17が除電器、19がクリーニングブレード、20が中間転写体、22が廃トナー搬送オーガー、23が補給用トナー収納部を表す。
画像形成装置100は、図中の矢印A方向に回転可能な潜像担持体10の周囲に沿って時計周り方向に、帯電ロール11、露光装置13、現像器14、転写ローラ15、クリーニングブレード19、除電器17が配置されている。また、潜像担持体10と転写ローラ15とは中間転写ベルト20を挟んで互いに押圧しながら当接し1次転写部を形成しており、クリーニングブレード19の下側には、クリーニングブレード19により掻き取られたトナーを回収する廃トナー搬送オーガー22が設けられている。帯電ロール11の潜像担持体10が設けられた側と反対側には帯電ロール11表面をクリーニングする帯電ロールクリーナー16が設けられている。また、現像器14は、補給用トナーを現像器14に逐次補充するための補給用トナー収納部23が接続されている。
なお、初期状態においては、現像器14内に初期トナーが少なくとも収納され、補給用トナー収納部23内には補給用トナーが収納されている。画像の形成に際しては現像器14内の初期トナーが消費されると、補給用トナー収納部23から補給用トナーが現像器14へと供給されるため、潜像担持体10表面に供給されるトナーは、初期状態では初期トナーがリッチな状態であるが画像形成枚数の増加と共に、補給用トナーがリッチな状態となる。
次に、この画像形成装置100による画像形成プロセスについて説明する。まず、矢印A方向に回転する潜像担持体10の表面が帯電ローラ11により帯電される。続いて、この帯電された潜像担持体10表面には、露光装置13から照射される画像情報に対応した光により露光されることにより潜像が形成される。次に、この潜像を現像器14から供給される現像剤により現像しトナー像を形成する。
潜像担持体10表面に形成されたトナー像は、1次転写部において中間転写ベルト20に転写され、不図示の定着手段により用紙等の記録媒体上に定着される。なお、転写時に中間転写体20へと転写されずに潜像担持体10表面に残留するトナー(残留トナー)は、クリーニングブレード19によりクリーニングされる。クリーニング後の潜像担持体10表面は除電器17により除電され、次の画像形成に備える。
次に、図1に示した構成とは異なる画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図2は本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図であり、図2中、図1と同様の機能・構成を有する部材には同じ番号の符号が付してあり、200は画像形成装置、11’はコロトロン帯電器、12はフリッキング部材、24は回転ブラシを意味する。
図2に示す画像形成装置200は、図1に示す画像形成装置100の構成と基本的には同一であるが、クリーニング手段としてクリーニングブレード19の他に回転ブラシ24を補助的なクリーニング手段として設けたところに特徴がある。この回転ブラシ24は、潜像担持体10表面に当接し、且つ、潜像担持体10の回転方向において、転写ロール15とクリーニングブレード19との間に配置されている。
画像形成に際しては、回転ブラシ24が潜像担持体10表面と接触することにより潜像担持体10表面に付着した残留トナーを回転ブラシ24表面に移着させる。続いて、回転ブラシ24表面に移着した残留トナーを回転ブラシ24に対して角度を設けて押圧するように設けたフリッキング部材12により掻き取る。掻き取られたトナーは廃トナー搬送オーガー22から排出される。
以下に、本発明の画像形成装置の各部の構成について、潜像担持体、クリーニング手段等に分けてより詳細に説明する。
−潜像担持体−
潜像担持体としては、公知の潜像担持体を用いることができる。その構成例を図面を用いて説明する。
図3は、本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図であり、図3中、10が潜像担持体(感光体)、110が導電性基体、120が下引き層、130が電荷発生層、140が電荷輸送層、150が保護層、160が感光層を表す。
感光体10は、導電性基体110表面に、下引き層120、電荷発生層130、電荷輸送層140、保護層150をこの順に積層したものであり、下引き層120、電荷発生層130、電荷輸送層140および保護層150は感光層160を構成している。なお、保護層150は必要に応じて省略してもよい。以下、特に説明の無い限り、図3に示す潜像担持体の構成を前提として説明する。
本発明においては、潜像担持体の表面(保護層150)がフッ素系樹脂を含んでいることが好ましい。
これにより潜像担持体表面の表面エネルギーが小さくなるため、クリーニングブレードとの摩擦力を低減させることが可能である。さらに、トナーに外添された潤滑剤の働きとクリーニングブレードとの組み合わせにより、潜像担持体表面の均一な表面研磨が可能である。
しかしながら、潜像担持体の表面部分にフッ素樹脂からなる粒子を分散させた場合には、初期状態においては、最表面に露出しているフッ素樹脂の面積が少ない。このため、走行開始直後は、摩擦が高く、走行とともに最表面が研磨されるとフッ素樹脂が露出してくるので摩擦が低減してくる傾向にある。このように、潜像担持体の表面がフッ素系樹脂を含む場合には初期状態における摩擦の変化が大きい。従って、表面にフッ素系樹脂を含む潜像担持体を用いる場合には、初期状態と経時状態との潤滑状態を制御できる本発明を組み合せることが有用である。
例えば、初期状態ではフッ素系樹脂の露出がなく本来ならば摩擦が高くなりクリーニングブレードの劣化が進み易いが、第1の本発明と組み合わせた場合には潤滑剤が速やかに塗布されるためにクリーニングブレードを保護することができる。さらに、走行とともにフッ素系樹脂の露出により摩擦が下がってくれば供給する潤滑剤を減らし、最適な摩耗量に調整することができる。この場合、より長期に渡って安定した画像を得ることができる。
なお、潜像担持体の表面を構成する層に含まれるフッ素系樹脂の含有量は、0.1〜40重量%が適当であり、特に1〜30重量%が好ましい。含有量が1重量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による摩擦低減効果が十分でない場合があり、一方、40重量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる場合がある。
本発明で用いることができるフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
また、フッ素系樹脂の一次粒径は0.05〜1μmが良く、更に好ましくは0.1〜0.5μmが好ましい。一次粒径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる場合がある。また、1μmを上回ると画質欠陥が発生し易くなる場合がある。
また潜像担持体表面の傷の発生や磨耗を抑制するために、高強度の最表面層(保護層150)を設けることもできる。この高強度の最表面層を構成する材料としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有する樹脂を用いることが好ましく、特に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を用いることが好ましい。
高強度の最表面層を潜像担持体表面に設けることにより、表面の傷や磨耗等を抑制することが可能である。
しかし、このような最表層を持つ潜像担持体は表面が平滑であるため、特に初期状態では潜像担持体とクリーニングブレードとの密着性が高くなりため摩擦が大きく、結果的にクリーニングブレードへのダメージが非常に大きい傾向にある。従って、高強度の最表面層を設けた潜像担持体を用いる場合には、初期状態と経時状態との潤滑状態を制御できる本発明を組み合せることが有用である。
例えば、上述したようなステアリン酸亜鉛と高級アルコールとを組み合わせて用いる第2の本発明を利用すれば、初期状態においては、本来ならば、高摩擦によりクリーニングブレードに発生するダメージがステアリン酸亜鉛の働きにより緩和される。
一方、高強度の最表面層を設けた潜像担持体表面の摩耗が極端に低く、潤滑剤皮膜の堆積が加速される。このため潜像担持体表面のリフレッシュ性が従来の高強度の表面層を有さない潜像担持体よりも劣ってしまい、放電生成物による画像流れが発生してしまう。
しかし、経時状態においては、潜像担持体には潤滑剤皮膜として潜像担持体表面に堆積しにくい高級アルコールがリッチな状態となるため、このようなリフレッシュ性の低下に起因する画像流れの発生を防ぐことが可能である。
また、潜像担持体の表面が高い耐久性を有するため、潜像担持体の長寿命化を図ることもできる。
なお、高強度の最表面層を構成する材料としては、上述したような材料の中でも耐磨耗性を向上させ十分な硬度を確保するために、架橋構造を有する樹脂が少なくとも用いられることが好ましい。このような材料を用いない場合には、表面の硬度が低く十分な耐磨耗性が得られないため、傷が発生したり磨耗が進行し易く、より長期に渡って画像形成を行うことができなくなる場合がある。
なお、最表面層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、電荷輸送材料(電荷輸送能を有する化合物)、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、最表面層の形成方法の詳細については後述するが、最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
なお、架橋構造を有する樹脂としては、最表面層の硬度を確保する点から、この樹脂を用いて形成された最表面層の磨耗、傷などに対する耐性を持たせ、かつ、トナーの転写効率を上げることができる材料が好ましい。このような要求を満たす架橋構造を有する樹脂としては、具体的には、特性上フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂が好ましい。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を有している(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。この場合、図3に示すような積層構成型の潜像担持体では、保護層150が、電荷輸送層140の一部として機能することもできる。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位は、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であることが強度や安定性に優れ特に好ましい。また、同様の観点から、電荷輸送能を有する化合物が、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であってもよい。
・一般式(I) F−[D−Si(R2(3-a)ab
但し、一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
・一般式(II) F’−(R1−ZH)m
但し、一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
また、一般式(I)や(II)で示される化合物の有機基F、有機基F’は、特に下記一般式(III)で示される化合物から誘導される有機基であることが特に好ましい。
Figure 0004333415
但し、一般式(III)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0または1である。
ここで、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。
Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示すが、具体的には、下記構造群1に示されるものが好ましい。
Figure 0004333415
なお、構造群1中に示されるArは下記構造群2から選択されるものが好ましく、Z’は下記構造群3から選択されるものが好ましい
Figure 0004333415
Figure 0004333415
また、構造群1中に示されるR6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、または、炭素数7〜10のアラルキル基から選択され、R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または、ハロゲンから選択される。
また、mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2(3-a)aで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
Figure 0004333415
また、一般式(III)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=1の構造が、k=1の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=0の構造が挙げられる。
なお、一般式(III)で示される化合物の具体例としては、以下の表1〜7に示す化合物(III−1)〜(III−61)を挙げることができるが、本発明に用いられる一般式(III)で示される化合物は、これらのみに限定されるものではない。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する“−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される構造に相当する基)を意味する。
Figure 0004333415
Figure 0004333415
Figure 0004333415
Figure 0004333415
Figure 0004333415
Figure 0004333415
Figure 0004333415
一般式(II)に示す化合物の具体例としては、下記構造式(II)−1〜(II)−16(但し、構造式(II)−2および構造式(II)−7を除く)に示す化合物を例示することができるが、一般式(II)に示す化合物としてはこれらのみに限定されるものではない。
なお、−OH基が直接ベンゼン環と結合する構造式(II)−2および構造式(II)−7(一般式(II)中のR1に相当するアルキレン基を有さない化合物)も、一般式(II)に示す化合物の代わりに用いることができる。
Figure 0004333415
Figure 0004333415
また、最表面層の強度を高めるために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、一般式(IV)に示すような2つのケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
・一般式(IV) B―(Si(R2(3-a)a2
但し、一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す化合物が好適な例として挙げられるが、一般式(IV)に示される化合物はこれらのみに限定されるものではない。
Figure 0004333415
また、最表面層の強度や電気抵抗などの種々の物性をコントロールするために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、下記一般式(V)で示される化合物を利用することもできる。
・一般式(V) Si(R2(4-c)c
但し、一般式(V)中、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
一般式(V)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤があげられる。
一般式(V)において、c=4である化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=3である化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=2である化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=1である化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。
これらのシランカップリング剤の中でも、最表面層の強度を向上させるためには3または4官能性のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには2または1官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)などを用いることができる。
また、最表面層形成用溶液のポットライフの長寿命化や、最表面層の硬度等の特性のコントロールのため、下記一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその化合物の誘導体を利用することもできる。
Figure 0004333415
但し、一般式(VI)中、A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を示す。このような一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンをあげることができる。
具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
また、最表面層の放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、トルク低減、磨耗量コントロールや、最表面層形成用溶液に粒子状の材料を添加する場合の粒子分散性や、最表面層形成用溶液の粘度のコントロール、ポットライフの長寿命化などの目的で、アルコール系やケトン系の溶剤、あるいはこれら以外の溶剤に溶解する種々の樹脂を利用するができる。
これらの樹脂は、最表面層の形成に際して、上述した一般式(I)〜(VI)に示すような材料と反応して架橋構造を有する樹脂を構成するものであってもよい。特に、最表面層形成用溶液に含まれる樹脂が架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成する場合には、アルコールに溶解する樹脂を利用することが好ましい。
アルコール系、ケトン系の溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
上記樹脂の重量平均分子量は2000〜100000の範囲内が好ましく、5000〜50000の範囲内がさらに好ましい。重量平均分子量が2000より小さいと所望の効果が得られなくなる場合がある。また、重量平均分子量が100000より大きいと溶解度が低くなるため、最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量が限られてしまったり、最表面層形成用溶液を塗布して塗膜を形成する場合に成膜不良を引き起こしたりする場合がある。
最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜30重量%であり、5〜20重量%が最も好ましい。1重量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなる場合があり、40重量%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる場合がある。
更に、潜像担持体表面の耐汚染物付着性や、潤滑性を改善するために、最表面層形成用溶液中には各種の微粒子を添加することもできる。これら微粒子は、単独で用いることもできるが、併用してもよい。
このような微粒子の一例としては、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、10〜30nmであることがより好ましい。このコロイダルシリカは、酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものが利用でき、一般に市販されているものを使用することができる。
最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲内が好ましく、0.1〜30重量%の範囲内がより好ましい。
また、ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が1〜500nmの範囲内であることが好ましく、10〜100nmの範囲内であることがより好ましい。このようなシリコーン微粒子としては、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選択でき、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂マトリックスへの分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、最表面層の形成に際して架橋反応により架橋構造を有する樹脂の生成を阻害することなく、潜像担持体の表面性状を改善することができる。
即ち、シリコーン微粒子は、架橋構造を有する樹脂の強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、潜像担持体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。
潜像担持体の最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましく0.5〜10重量%の範囲内がより好ましい。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子を用いることができ、さらにこれらフッ素樹脂と水酸基を有するモノマーとを共重合させた樹脂からなる微粒子(例えば、第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89参照)や、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、最表面層形成用溶液中には同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル等をあげることができる。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。
可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば、ヒンダートフェノール系として「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上、住友化学社製;、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製;、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上、旭電化製;を挙げることができる。
また、ヒンダートアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」以上;が挙げらる。
これら酸化防止剤の中でも、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
最表面層形成用溶液には、必要に応じて触媒を添加することが好ましい。用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらにいかに示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
また、最表面層形成用溶液の作製の際に、光機能性化合物、反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いると、この溶液の安定性が向上する傾向にあるため好ましい。
なお、当該不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)で示される化合物を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。
これらの固体触媒の使用量は特に制限されないが、一般式(I)等に示す加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。また、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法にしたがって容易に除去することができる。反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。反応時間が前記上限値を超えるとゲル化が起こりやすくなる傾向にある
最表面層形成用溶液の作製工程において、この溶液に不溶な触媒を用いた場合は、強度、液保存安定性などを向上させる目的で、さらにこの溶液に溶解する触媒を併用することが好ましい。
そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
また、有機アルミニウム化合物以外の触媒としては、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機ズズ化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウム化合物;等も使用することができる。
しかし、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。
これらの触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10重量%が特に好ましい。
また、本発明において有機金属化合物を触媒として用いた場合は、ポットライフ、硬化効率の面から、共に多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すような化合物及びこの化合物から誘導される誘導体を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。
さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII)で表される2座配位子が挙げられる。
中でも下記一般式(VII)で表される2座配位子がより好ましく、下記一般式(VII)中のR5とR6との構造が同一のものが特に好ましい。R5とR6との構造を同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、最表面層形成用溶液のさらなる安定化を図ることができる。
Figure 0004333415
なお、一般式(VII)中、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、もしくはフッ化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
最表面層形成用溶液は、溶媒を用いずに、上述した一般式(I)等に示すような有機ケイ素化合物等の種々の原料のみを用いて調整することもできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。
このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜20重量部の範囲内で用いることがより好ましい。
最表面層形成用溶液を用いて塗膜を形成した後、架橋・硬化させて最表面層を形成する際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、形成される架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上であることが好ましく、80〜200℃の範囲内であることがより好ましく、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。
また、塗膜の架橋・硬化により得られる最表面層を高湿度状態に保つことは、最表面層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて最表面層に表面処理を施して疎水化することもできる。
なお、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型の潜像担持体の電荷輸送層を形成する材料として用いることもできる。
この場合、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂の前駆体材料を含む塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布形成方法を用いることにより塗布膜を形成し、乾燥、加熱処理を経て電荷輸送層を形成することができる。
但し、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
なお、本発明に用いられる潜像担持体の感光層が単層型である場合は、この感光層は、既述した電荷発生物質と、一般式(I)等に示したような架橋構造を有する樹脂が形成可能な材料とを少なくとも含む単層型感光層形成用溶液を用いて形成される。但し、形成される単層型感光層の適度な弾性や柔軟性を確保するために、架橋構造を形成しない樹脂(結着樹脂)を併用することが好ましい。
結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様の材料を用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10〜85重量%の範囲内であることが好ましく20〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。
単層型感光層形成用溶液に用いる溶剤や、この溶液の塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。形成される単層型感光層の膜厚は5〜50μmの範囲内が好ましく、10〜40μmの範囲内がより好ましい。
−クリーニング手段−
本発明に用いられるクリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。その中で耐摩耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いる事が好ましい。
ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられる。
ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを挙げることができる。
また、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いることができる。
ポリウレタン弾性体からなるクリーニングブレードの作製は、上述したイソシアネート成分、ポリオール成分等を用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって行われる。
なお、上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
また、クリーニングブレードの潜像担持体表面に対する圧接力は10〜60gf/cmの範囲内であることが好ましく、設定角度は17〜30°の範囲内が好ましい。
なお、クリーニングブレードによるクリーニングを補助する目的で、クリーニングブレードの下流側に回転ファーブラシを設けても良い。
−帯電手段−
本発明の画像形成装置に用いられる帯電手段としては公知の帯電方式を利用した帯電手段が適応可能で、例えばコロトロン帯電方式や接触帯電方式などが挙げられる。また接触帯電方式ではローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適応可能である。特にローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材については感光体に対し、接触状態またはある程度の空隙(100μm以下)を有した非接触状態として配置しても構わない。
ローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材は帯電部材として有効な電気抵抗(103Ω〜108Ω)に調整された材料から構成される物であり、単層又は複数の層から構成されていても構わない。
材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させ用いることができる。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
また帯電ローラの表面が走行中にトナー成分等により汚染され帯電能力が低下するのを防止するため、クリーニング部材を設置しても良い。帯電ローラのクリーニング手段としてはブラシ状部材、スクレーパ部材、弾性ブレード、クリーニングロールなど公知の物を用いることが可能であるが、特にクリーニング手段をブラシ状の部材とすることで、過剰なステアリン酸亜鉛の掻き取りや付着物に除去を行いつつ、クリーニング部材による過剰な摺擦を抑制することが可能で、付着物の固着や接触帯電器のダメージを抑制である。
−現像手段−
本発明の画像形成装置に用いられる現像手段としては、トナー回収するために接触現像方式を利用したものであることが好ましい。キャリアとトナーとからなる現像ブラシを潜像担持体に接触させて現像させる二成分現像方式、あるいは、導電ゴム弾性体搬送ロール上にトナーを付着させ潜像担持体にトナーを現像する接触式一成分現像方式が適している。二成分現像方式の場合、現像ロールの回転方向は潜像担持体の回転方向と同方向でも逆方向でも良く、潜像担持体と逆方向に周速差をつけると、潜像担持体上の残留トナーの回収性を上げることができる。なお、現像ロールに印加する電界は直流でも直流に交流を重畳させても良い。
−トナー補給手段−
トナー補給手段としては、補給用トナーを収納でき、現像機(現像手段)に対して補給用トナーを、現像機内のトナーが消費された分だけ補充できる機能を備えていればその構成は特に限定されない。しかしながら、取り扱いの容易さ等から画像形成装置本体から脱着可能なトナーカートリッジであることが好ましい。
−転写手段−
また本発明の画像形成装置に用いられる転写手段としては公知の転写方式を利用したものが利用可能である。例えば、転写コロトロンや転写ロール等を用いた直接転写方式、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式、記録材を静電的に吸着して搬送し潜像担持体上の画像を転写する転写ベルト方式を利用した転写手段などが挙げられる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
−潜像担持体の作製−
(潜像担持体1の作製)
円筒状のAl基体をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さがRzで0.6μmとなるように調整した。次にこのAl基体の外周面を有機溶剤で脱脂処理し、続いて2重量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理した後に、Al基体表面に残留するアルカリ成分を中和処理し、更に純水洗浄を行った。
次に、10重量%硫酸溶液を用いてAl基体の外周面を陽極酸化処理して陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。続いて、水洗した後、80℃に保持した1重量%酢酸ニッケル溶液中にAl基体を20分間浸漬して封孔処理を行い、更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、Al基体の外周面にに膜厚7μmの陽極酸化膜(下引き層)を形成した。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンの1重量部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1重量部、および、酢酸n−ブチル100重量部を混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後に得られた塗布液を下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
続いて、下記の左側に示される構造のベンジジン化合物2重量部と、下記の右側に示される高分子化合物(粘度平均分子量=39,000)2重量部とをクロロベンゼン20重量部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布した後、110℃、40分の加熱処理を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、潜像担持体1(感光体1)を得た。
Figure 0004333415
(潜像担持体2の作製)
電荷発生層の形成までは潜像担持体Aと同様に作製した。次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40重量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(重量平均分子量=40,000)60重量部とをテトロヒドロフラン280重量部及びトルエン120重量部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10重量部を加えてさらに混合した。このとき、室温を25℃に設定し、これら原料混合時における混合溶液の温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作製した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24度の水を流し、この分散液の温度を50度に保持した。
続いて、この分散液を電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、潜像担持体2(感光体2)を得た。
(潜像担持体3の作製)
下記に示す構成材料をイソプロピルアルコール5重量部、テトラヒドロフラン3重量部および蒸留水0.3重量部に溶解させ、さらにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5重量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
−構成材料−
・化合物1(下記に示される化合物):2重量部
・メチルトリメトキシシラン:2重量部
・テトラメトキシシラン:0.5重量部
・コロイダルシリカ:0.3重量部
Figure 0004333415
続いて、この加水分解した溶液からイオン交換樹脂を濾過分離した濾過液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1重量部と、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4重量部とを加えて最表面層形成用溶液を調整した。
次に、潜像担持体Aの電荷輸送層の上に、最表面層形成用溶液を用いてリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの保護層を形成し、潜像担持体3(感光体3)を得た。
なお、潜像担持体3の保護層は、化合物1、メチルトリメトキシシラン、および、テトラメトキシシランが架橋反応して形成された架橋構造を有するシロキサン系樹脂からなるマトリックスにコロイダルシリカが分散した構成を有するものである。
(トナー/現像剤の作製)
以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。また、トナーの各物性値の測定は以下の方法にて行った。
−トナー、複合粒子粒度分布−
マルチサイザー(日科機社製)を用い、アパーチャー径100μmのもので測定した。なお、1回の測定のサンプリング数は50000個である。
−トナー、複合粒子の平均形状係数SF1−
平均形状係数を求める為の具体的な手法として、光学顕微鏡により観察したトナー像や複合粒子像を画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、円相当径を測定し
て、粒子の最大長および面積を求め、これを既述した式(5)に代入して個々の粒子の形状係数SF1を求めた。なお、1回の測定のサンプリング数は200個であり、この集団に対する形状係数SF1の平均値を求めた。
[トナー母粒子の製造]
−樹脂微粒子分散液の調整−
スチレン370g,n−ブチルアクリレート30g,アクリル酸8g、ドデカンチオール24g、四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。
続いて、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒子径が150nmであり、ガラス転移温度Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
−着色剤分散液(1)の調整−
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):6g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
−着色剤分散液(2)の調整−
・Cyan顔料(B15:3):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
−着色剤分散液(3)の調整−
・Magenta顔料R122:60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
−着色分散液(4)の調整−
・Yellow顔料Y180:90g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
−離型剤分散液−
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃):100g
・カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
<トナー母粒子K1の調整>
・樹脂微粒子分散液:234部
・着色剤分散液(1):30部
・離型剤分散液:40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.5部
・イオン交換水:600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。
続いて、40℃で30分保持した後、体積平均粒子径D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50は5.3μmとなった。
その後、この凝集粒子を含む分散液に26重量部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。続いてこの凝集粒子を含む分散液に1N水酸化ナトリウムを追加して、フラスコ内のpHを7.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、得られたトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1のD50は5.9μm、平均形状係数SF1は132であった。
<トナー母粒子C1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いた以外はトナー母粒子K1の調整と同様にしてトナー母粒子C1を得た。このトナー母粒子C1のD50は5.8μm、平均形状係数SF1は131であった。
<トナー母粒子M1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いた以外はトナー母粒子K1の調整と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1のD50は5.5μm、平均形状係数SF1は135であった。
<トナー母粒子Y1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いた以外はトナー母粒子K1の調整と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1のD50は5.9μm,平均形状係数SF1は130であった。
[キャリヤの製造]
・フェライト粒子(平均粒径:50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10):2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
上記トナー母粒子K1,C1,M1,Y1のそれぞれ100部に対して表9に示す外添剤を加え、5Lヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去することにより外添剤が各色のトナー母粒子に添加された12水準のトナー(トナー組成1〜1)を得た。
Figure 0004333415
なお、表9中に示す各種外添剤の詳細は以下の通りである。
流動化剤1としてシリカ(粒径40nm,シリコーンオイル処理,気相酸化法)、流動化剤2としてルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)、転写助剤としてシリカ(球形,粒径140nm)、研磨剤として酸化セリウム(平均粒径0.7μm)、潤滑剤1としてステアリン酸亜鉛(ZNS−P、旭電化工業社製)、潤滑剤2として高級アルコールA(UNILIN700、東洋ペトロライト社製、重量粒径9.0μm)、潤滑剤3として高級アルコールAをエクストルーダで混練したのちジェットミルで粉砕した後風力分球機(エルボージェット:日東工業製)で分球した重量粒径5.0μm、16%重量径D16=3.5μm、84%重量径D84=6.6μm、GSD=1.36という粒度分布の狭い高級アルコールBを用いた。
なお、上記のトナーを初期トナーとして用いる場合には、これらトナー5部とキャリア100部とをV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤を調整した。
−評価方法−
〔画像形成テスト〕
各実施例、比較例は、図1に示す構成を有する画像形成装置(FUJI XEROX社製、Docu Center Color 500機の帯電器をコロトロン帯電器11’から帯電ロール11に変更し、回転ブラシ24および潤滑剤外部供給装置(図2中不図示)を除去する改造を施した装置)を用いてフルカラー画像を形成することにより評価した。
なお、帯電ローラは東海社製のものを用い、帯電電流値が1.75mAになるように制御した。また、クリーニングブレードはウレタンゴムを用い、ブレード線圧3.2gf/mm、ブレー当接角度11.3度になるように設定した(ブレード硬度:87、ブレード厚み:1.9mm、自由長:8mm、設定角度23度)。
また、画像形成試験前に、現像機内には、初期トナーとキャリアとを混合した現像剤を充填し、トナーカートリッジ(補給用トナー収納部)には補給用トナーを充填した。
続いて、高温高湿(28℃、85%RH)で30万枚画像形成後、環境を低温低湿(10℃、15%RH)に切り替えて30万枚画像形成させ、計60万枚の画像形成を行い、画像形成後の感光体磨耗、感光体傷、ブレードダメージ、ハーフトーン均一性、高温高湿下における画像流れの評価を行った。画像形成試験時における画像密度は各色5%(総合20%)の条件で走行した。
結果を表10に示す。なお、評価に際しては用いた感光体、初期トナー、補給用トナーの組み合わせを表10に示すように変えた。
Figure 0004333415
−評価方法および評価基準−
なお、表10に示す各評価項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
〔感光体の磨耗率〕
画像形成試験前と試験後との感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分から潜像担持体1000回転当たりの磨耗深さ(nm)を求めた。
〔感光体傷〕
表面粗さ計(東京精密(株)製Surfcom1400A)により、画像形成試験後の感光体表面の10点平均粗さ(Rz)の測定を行い評価した。判断基準は以下の通りである。
○:Rz≦3.0μm
△:3.0<Rz<3.5μm
×:Rz≧3.5μm(目視観察で画像上に白筋が確認されるレベル)
〔ブレードダメージ〕
画像形成後のクリーニングブレードのエッジ部をレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK8500)にて観察を実施し、画像形成試験の終了直前に得られた画像上の筋欠陥との相関性の高さ/低さからエッジ部分のダメージを判断した。
○:画像上の筋欠陥との相関が低く、エッジ部に大きなダメージがないと判断される状態
△:画像上の筋欠陥との相関が高く、エッジ部にダメージがあると認められるが筋欠陥は画質上、問題の無いレベル
×:画像上の筋欠陥との相関が高く、エッジ部に大きなダメージがあると認められ、ささらに、筋欠陥は画質上、問題の有るレベル
〔ハーフトーン画像均一性〕
画像密度30%全面ハーフトーン画像のプリントの目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである
○:問題なし
△:若干筋状ムラが見える
×:筋および筋状ムラが明らかに悪いレベル
〔画時流れ(白抜け)〕
画像形成試験後に装置を高温高湿度下で2日間放置した後、ハーフトーン画像(画像密度30%)を採取し、反射型濃度測定機(X−rite)により面内濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。
○:ΔSADが0.15以下
△:ΔSADが0.15〜0.4
×:0.4以上
本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図である。
符号の説明
100 画像形成装置
10 潜像担持体(感光体)
11 帯電ロール
11’ コロトロン帯電器
12 フリッキング部材
13 露光装置
14 現像器
15 転写ローラ
16 帯電ロールクリーナー
17 除電器
19 クリーニングブレード
20 中間転写体
22 廃トナー搬送オーガー
23 補給用トナー収納部
24 回転ブラシ
200 画像形成装置

Claims (5)

  1. 潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成工程と、現像機から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給工程と、を少なくとも含み、
    前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記補給用トナーに、潤滑剤が外添された画像形成方法において、
    前記初期トナーに外添された潤滑剤の組成と、前記補給用トナーに外添された潤滑剤の組成とが互いに異なり、初期トナーに外添された潤滑剤が少なくともステアリン酸塩を含み、補給用トナーに外添された潤滑剤が少なくとも高級アルコールを含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記初期トナーおよび前記補給用トナーに外添された潤滑剤が、少なくともステアリン酸亜鉛および高級アルコールを含み、
    前記初期トナーおよび前記補給用トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛および前記高級アルコールの添加量比が下式(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    ・式(4) A(S/A)>B(S/A)
    〔但し、式(4)中、A(S/A)は、前記初期トナーに外添された前記高級アルコールに対する前記初期トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛の添加量比を表し、B(S/A)は、前記補給用トナーに外添された前記高級アルコールに対する前記補給用トナーに外添された前記ステアリン酸亜鉛の添加量比を表す。〕
  3. 潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光し潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を前記潜像担持体表面に供給することにより前記潜像を現像しトナー像を形成する現像機と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、前記現像機に補給用トナーを供給するトナー補給手段と、を少なくとも含み、
    前記現像機に予め収納された初期トナーおよび前記補給用トナーに、潤滑剤が外添された画像形成装置において、
    請求項1に記載の画像形成方法を利用して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記潜像担持体の表面が、フッ素系樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記潜像担持体の表面が、電荷輸送能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
JP2004064693A 2004-03-08 2004-03-08 画像形成方法および画像形成装置 Expired - Fee Related JP4333415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004064693A JP4333415B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 画像形成方法および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004064693A JP4333415B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 画像形成方法および画像形成装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005250403A JP2005250403A (ja) 2005-09-15
JP2005250403A5 JP2005250403A5 (ja) 2007-06-14
JP4333415B2 true JP4333415B2 (ja) 2009-09-16

Family

ID=35030903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004064693A Expired - Fee Related JP4333415B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 画像形成方法および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4333415B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5866991B2 (ja) * 2011-11-14 2016-02-24 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP6089416B2 (ja) * 2012-03-12 2017-03-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、画像形成方法、及び静電潜像現像用の回収トナー
JP6344049B2 (ja) * 2014-05-15 2018-06-20 富士ゼロックス株式会社 トナーセット、及び現像剤セット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005250403A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4715259B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2007226054A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006072293A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4581926B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4701768B2 (ja) 画像形成装置
JP4544096B2 (ja) 画像形成装置、電子写真用トナー、および電子写真用現像剤
JP2006085042A (ja) 画像形成装置
JP2006267467A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びに、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2005189509A (ja) 画像形成装置
JP2007114749A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007292841A (ja) クリーニング装置および画像形成装置
JP2006259389A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4333415B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2007086271A (ja) クリーニング装置および画像形成装置
JP2005352310A (ja) 画像形成装置
JP2004287075A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006085043A (ja) 画像形成装置
JP4432688B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006243642A (ja) 画像形成装置
JP2006119594A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP4600116B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP4506582B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2005284262A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006047869A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、プロセスカートリッジ
JP2006259154A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090615

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees