JP2007086271A - クリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式で採用される、残留トナー等の残留物を除去するクリーニング装置等に関し、像担持体表面に存在する複数種類の付着物をその表面から除去する。
【解決手段】像担持体11の、被転写面30にトナー像が転写された後の表面11aに残留した残留物を表面11aから除去するクリーニング手段153と、像担持体11の移動方向に並んで配置されたものであって、像担持体11の中心軸110に平行な回転軸1511,1521をそれぞれ有し、像担持体11の、被転写面30にトナー像が転写された後の表面11aに周面151a,152aがそれぞれ接触した状態で回転することにより表面11aを研磨する、研磨した後の表面11aの粗さが互いに異なる2本の研磨ロール151,152とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式で採用される、残留トナー等の残留物を除去するクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式では、まず、トナー像形成サイクルが実施される。このトナー像形成サイクルでは、所定方向に循環移動する像担持体表面を帯電器によって帯電させ帯電後の像担持体表面に露光光を照射することによりその表面に静電潜像を得、その静電潜像を現像装置を用いてトナーにより現像し像担持体表面にトナー像を形成する。トナー像形成サイクルによって形成されたトナー像は、転写手段により所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写され最終的に記録媒体上に定着されることで記録媒体上に定着トナー像からなる画像が形成される。
所定の被転写面に転写を終えた感光体表面には、未転写のトナーやトナーに添加されていた外添剤粒子、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留しており、これらの残留物が感光体表面に残ったまま次のトナー像形成サイクルを実施すると、形成画像に画質欠陥が発生する。そのため、これらの残留物を次のトナー像形成サイクルに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
トナー等の残留物を除去するクリーニング方式としては、種々の方式が提案されているが、例えば、ウレタン等のゴム材料からなる板状のクリーニングブレードの先端の縁を感光体表面に押し付け、感光体表面に残留した残留物をその縁によって掻き取る方式が多く採用されている。このクリーニングブレードを用いた方式では、その縁で残留物を掻き取る際に、感光体表面が削り取られ、劣化した感光体表面や掻き取ることだけでは除去することが困難な残留物も除去される。
ところで、感光体の表面には、帯電器、現像装置、転写手段等により電気的、機械的な外力が直接加えられる。このため、磨耗や傷に対する耐久性が高められた表面層を有する感光体を用いる傾向にある。ところが、耐久性が高められた表面層を有する感光体では、表面の強度が高く、このため、クリーニングブレードによる感光体表面の削り取りが困難になる。
そこで、研磨粒子等を周面に担持させた研磨ロールを用いて感光体表面を研磨する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4等参照)。これらの特許文献の中でも、上記特許文献1では、粒径の異なる研磨粒子を周面に担持させた研磨ロールを用いて感光体表面を研磨することが提案されている。
特開2004−333790号公報 特開2004−157256号公報 特開平10−161494号公報 特開平9−244494号公報
しかしながら、研磨粒子を周面に担持した研磨ロールによる研磨では、その周面に担持された研磨粒子のうち最も大きな粒径の研磨粒子による研磨が支配的になりやすく、1本の研磨ロールの周面に粒径の異なる研磨粒子を担持させたとしても、相対的に小粒径である研磨粒子による研磨効果はさして期待できるものではない。しかも、感光体表面には、帯電の際に生じた放電生成物や、現像時にトナーの母粒子表面に付着していた外添剤粒子が強固に付着しており、さらには本来クリーニングブレードによって除去されるべき残留トナーまでもがその先端の縁によって感光体表面に押し付けられることで付着しており、感光体表面には複数種類の付着物が存在する。これら複数種類の付着物の中でも、放電生成物は微小な付着物であり、感光体表面の僅かな凹部に入り込んでいることが多い。このため、その凹部に入り込めない粒径が大きな研磨粒子を用いた研磨では、放電生成物を感光体表面から剥がし取ることができず、形成画像に画質欠陥が生じてしまう。
本発明は上記事情に鑑み、像担持体表面に存在する複数種類の付着物をその表面から除去することができるクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明のクリーニング装置は、トナー像を表面に担持して中心軸の周りを循環移動することで、そのトナー像を被転写面に転写する転写領域までそのトナー像を搬送する像担持体の、その被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング装置において、
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング手段と、
上記像担持体の移動方向に並んで配置されたものであって、その像担持体の中心軸に平行な回転軸をそれぞれ有し、その像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に周面がそれぞれ接触した状態で回転することによりその表面を研磨する、研磨した後のその表面の粗さが互いに異なる2本の研磨ロールとを備えたことを特徴とする。
ここにいう像担持体とは、一様に帯電された後に露光を受け静電潜像が形成される感光体であってもよいし、その感光体からトナー像が1次転写され1次転写されたトナー像を記録媒体へ2次転写する中間転写体であってもよい。すなわち、本発明のクリーニング装置は、感光体表面のクリーニング装置としても、中間転写体表面のクリーニング装置としても適用することができる。また、上記クリーニング手段は、上記像担持体表面に先端を圧接させたクリーニングブレードであってもよいし、あるいは上記像担持体表面に毛の先端を接触させながら回転するクリーニングブラシであってもよいが、これらのブレードやブラシに限定されるものではない。
本発明のクリーニング装置によれば、研磨対象面を研磨した後のその研磨対象面の粗さが互いに異なる2本の研磨ロールを備えていることにより、相対的に粗削りを行う研磨ロールによって、トナー等の大きめな付着物が像担持体表面から剥がし取られ、その場で像担持体表面から除去されるかあるいは上記クリーニング手段によって像担持体表面から除去される。また、像担持体表面上の大きめの凹凸(傷)は平坦にならされる。一方、相対的に細かな削りを行う研磨ロールによって、放電生成物等の微細な付着物が像担持体表面から剥がし取られ、その場で像担持体表面から除去されるかあるいは上記クリーニング手段によって像担持体表面から除去される。また、像担持体表面上の微細な凹凸(傷)は平坦にならされるとともに像担持体表面は仕上げ磨きされる。
なお、研磨後の研磨対象面の粗さが異なる研磨ロールの本数は2本に限らず、3本以上であってもよい。
また、本発明のクリーニング装置において、上記2本の研磨ロールそれぞれが、周面に研磨粒子が分散配置されたものであって、
上記2本の研磨ロールのうちの一方の研磨ロールが、周面に、もう一方の研磨ロールの周面に分散配置された研磨粒子の粒径よりも大きな粒径の研磨粒子が分散配置されたものであってもよい。
また、本発明のクリーニング装置において、上記2本の研磨ロールのうちの、粒径が相対的に大きな研磨粒子が周面に分散配置された研磨ロールが、もう一方の研磨ロールよりも上記像担持体の移動方向上流側に配置されたものであることが好ましい。
相対的に大きな研磨粒子が分散配置された研磨ロールによって粗削りされた像担持体表面が、もう一方の研磨ロールよって仕上げ磨きされ、像担持体表面の平滑度を高めることができる。
ここで、上記2本の研磨ロールが、上記クリーニング手段よりも上記像担持体の移動方向下流側に配備されたものである態様であってもよいし、反対に、
上記2本の研磨ロールが、上記クリーニング手段よりも上記像担持体の移動方向上流側に配備されたものである態様であってもよい。
前者の態様と後者の態様を対比すると、2本の研磨ロールを下流側に配備した前者の態様によれは、上記2本の研磨ロールそれぞれの周面に相対的に粒径が小さめの研磨粒子を分散配置させておくことで、上記クリーニング手段によって残留物が除去された像担持体表面から複数種類の微細な付着物が剥がし取られるとともに、その表面に2段階の仕上げ磨きがなされる。2本の研磨ロールを上流側に配備した後者の態様によれは、上記2本の研磨ロールそれぞれの周面に相対的に粒径が大きめの研磨粒子を分散配置させておくことで、上記クリーニング手段によって残留物が除去される前の像担持体表面から複数種類の大きめの付着物が剥がし取られるとともに、その表面に生じた大きな凹凸(傷)がならされて、上記クリーニング手段による残留物の除去が容易になる。
さらに、上記2本の研磨ロールのうちの一方の研磨ロールが、上記クリーニング手段よりも上記像担持体の移動方向上流側に配備されたものであり、
上記2本の研磨ロールのうちのもう一方の研磨ロールが、上記クリーニング手段よりも上記像担持体の移動方向下流側に配備されたものである態様であってもよい。
上記クリーニング手段を間において上記2本の研磨ロールを配備するこの態様によれば、上流側の研磨ロールの周面に分散配置される研磨粒子の粒径と、下流側の研磨ロールの周面に分散配置される研磨粒子の粒径との間に大きな差をもたせやすく、大きさの異なる付着物に広く対応することができ、また、粗削りと仕上げ磨きといった役割が上記2本の研磨ロールの間ではっきり区別される。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、中心軸の周りを所定方向に回転する感光体の表面を帯電し帯電後の感光体表面に露光光を照射することによりその感光体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーで現像してその感光体表面にトナー像を得、そのトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記感光体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング手段と、
上記像担持体の回転方向に並んで配置されたものであって、その感光体の中心軸に平行な回転軸をそれぞれ有し、その感光体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に周面がそれぞれ接触した状態で回転することによりその表面を研磨する、研磨した後のその表面の粗さが互いに異なる2本の研磨ロールとを備えたことを特徴とする。
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記像担持体表面に接する面であってもよいし、あるいは記録媒体の記録面であってもよい。
本発明の画像形成装置によれば、上記本発明のクリーニング装置を備えているため、上記感光体表面に存在する複数種類の付着物がその表面から除去される。
ここで、上記像担持体が、表面に、電荷輸送能を有する構造単位をもち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有する保護層を有するものであってもよく、さらには、
上記保護層が、メチロール基を有するフェノール誘導体を架橋したフェノール系樹脂およびシロキサン誘導体を架橋したシロキサン系樹脂のうちの少なくとも1種であって、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を含む電荷輸送性構造単位を有する樹脂を含むものであってもよい。
上記保護層によって上記像担持体の表面における磨耗や傷に対する耐久性が向上する。
本発明によれば、像担持体表面に存在する複数種類の付着物をその表面から除去することができるクリーニング装置、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
本実施形態の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転するドラム状の感光体11が備えられている。各感光体11は、ドラム状の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を積層してなるものである。保護層は、この感光体11の最表層になる層であって、感光体11が回転軸を中心にして回転することで保護層(感光体11の表面)は回転軸の周りを循環移動する。この保護層は、電荷輸送機能を有する構造単位を持ち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有した高強度表面層である。感光体11の表面は、中間転写ベルト30に接している。中間転写ベルト30が感光体11の表面に接する領域には、中間転写ベルト30を感光体11と挟み込むように一次転写ロール20が配備されており、この領域が1次転写領域である。
ここで、図1とともに図2も用いて、本実施形態の画像形成装置の説明をさらに進める。
図2は、図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。
図2に示すトナー像形成ユニット10は、感光体11の他、帯電器12、露光器13、現像装置14、クリーニング装置15、および除電器16も備えている。なお、この図2には、感光体11の表面11aになる保護層111が模式的に示されている。
帯電器12は、非接触帯電方式のコロトロン帯電器である。この帯電器12には帯電バイアスが印加される。なお、帯電器として、感光体表面11aに接触した状態で回転する帯電ロールや、ブレード状の帯電部材等を備えた接触帯電方式を採用した帯電器を用いてもよい。露光器13は、感光体表面11aに向けて、画像情報に基づく露光光を照射するものである。現像装置14は、感光体11の周囲の、1次転写領域よりも上流側に配備されている。この現像装置14は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容した現像剤収容体141と、現像剤収容体141に収容された現像剤中のトナーを担持して感光体の表面11aに接した状態で回転する現像ロール142を有する。現像剤収容体141に収容された現像剤中のトナーは、トナー母粒子の表面に潤滑剤や転写助剤や粉体流動化剤といったそのトナー母粒子よりも小さな種々の外添剤粒子が添加されたものであり、負極に帯電する帯電特性を有する。除電器16は、感光体11の周囲の、1次転写領域よりも下流側に配備されており、感光体11の、1次転写領域を通過した表面11aの残留電荷を除電する。
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、感光体11の表面11aが、帯電器12による放電現象によって一様に帯電された後、露光器13によって画像情報に基づく露光光が照射され、感光体表面11aに静電潜像が形成される。続いて、静電潜像が形成された感光体表面11aに現像ロール142からトナー供給が行われ静電潜像がトナーによって現像され、感光体表面11aにトナー像が形成される。感光体表面11aに形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体表面11aから中間転写ベルト30の表面へ移行する。各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像担持面側に圧接配置された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42間が二次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで二次転写領域へと送り込まれる。二次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写領域を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側にはベルトクリーナ70が設けられている。中間転写ベルト30の、2次転写領域を通過した表面には、用紙Pへ移行することができなかった残留トナー等の残留物が存在するが、この残留物はベルトクリーナ70によって中間転写ベルト20から除去される。
さらに、図2に示す感光体11の、1次転写領域を通過した表面11aにも、1次転写領域において中間転写ベルト30の表面へ移行することができなかった残留トナーや、トナー母粒子に付着していた種々の外添剤粒子が存在する。また、帯電器12による放電現象によって生じた放電生成物等も存在する。図2に示すクリーニング装置15は、残留トナー、外添剤粒子、放電生成物等といった複数種類の残留物を感光体表面11aから除去するための装置であり、1次転写領域よりも感光体回転方向下流側であって帯電器12よりも感光体回転方向上流側の位置に配備されたものである。このクリーニング装置15は、本発明のクリーニング装置の一実施形態に相当するものであり、第1研磨ロール151と、第2研磨ロール152と、クリーニングブレード153と、搬送オーガ154を備えている。
第1研磨ロール151と第2研磨ロール152は、クリーニングブレード153よりも感光体回転方向上流側で、その回転方向に並んで配置されたものであり、いずれも、感光体10の回転軸110に平行な回転軸1511,1521を有する。第1研磨ロール151は、第2研磨ロール152よりも感光体回転方向上流側に配備されたものであり、回転軸1511の外周にはロール体1512を有する。また、第2研磨ロール152も、回転軸1521の外周にロール体1522を有する。これらいずれのロール体1512,1522も、SBR(スチレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、U(ウレタンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、SI(シリコンゴム)、天然ゴム(NR)などの弾性ゴム材料からなる発泡体、あるいはこれらのゴム材料からなるソリッド(中実)体である。なお、これらロール体1512,1522は6,6−ナイロンや6−ナイロンなどのスポンジ体やスチールウールなどの繊維集合体であってもよい。上流側の第1研磨ロール151が有するロール体151は、弾性ゴム材料と相対的に粒径が大きな研磨粒子とを配合したものを金型成形もしくは押出成形し、成形品の周面に研磨加工を施したものである。一方、下流側の第2研磨ロール152が有するロール体152は、弾性ゴム材料と相対的に粒径が小さな研磨粒子とを配合したものを、同様に金型成形もしくは押出成形し、成形品の周面に研磨加工を施したものである。すなわち、いずれの研磨ロールも、周面151a,152aに研磨粒子が分散配置されたものであり、上流側の第1研磨ロール151が、その周面151aに、下流側の第2研磨ロール152の周面152aに分散配置された研磨粒子よりも大きな粒径の研磨粒子が分散配置されたものである。第1研磨ロール151も第2研磨ロール152も、研磨粒子が分散配置されたそれぞれの周面151a,152aを、感光体11の、1次転写領域を通過した表面11aに接触させた状態で回転することによりその表面11aを研磨する。その結果、第1研磨ロール151によって研磨された後の感光体表面10aの粗さと、第2研磨ロール152によって研磨された後の感光体表面10aの粗さとは異なり、上流側の第1研磨ロール151は相対的に粗削りを行うものであり、下流側の第2研磨ロール152は相対的に細かな削りを行うものである。なお、これら2本の研磨ロール151,152は、感光体11に対して従動回転するものであり、感光体表面11aに接する領域で感光体11の回転方向と同方向に、感光体11の回転速度(周速)と等速で回転するが(図2中の矢印参照)、逆方向に回転するものであってもよいし、感光体11の回転速度(周速)と速度差をもって回転するものであってもよい。
感光体表面11aには、大小様々な凹凸(傷)がついていることがある。さらに、感光体表面11aには、帯電の際に生じた放電生成物や、現像時にトナーの母粒子表面に付着していた外添剤粒子が強固に付着しており、さらには本来クリーニングブレード153によって除去されるべき残留トナーまでもがそのクリーニングブレード153によって感光体表面に押し付けられることで付着しており、感光体表面には複数種類の付着物が存在する。これら複数種類の付着物の中でも、トナーは大きめの付着物である。反対に、放電生成物は微小な付着物であり、感光体表面の僅かな凹部に入り込んでいることが多い。相対的に粗削りを行う第1研磨ロール151によって、トナー等の大きめな付着物は感光体表面11aから剥がし取られ、大きめの凹凸(傷)は平坦にならされる。一方、相対的に細かな削りを行う第2研磨ロール152によって、放電生成物等の微細な付着物は感光体表面11aから剥がし取られ、細かな凹凸(傷)は平坦にならされるとともに感光体表面11aは仕上げ磨きされ、感光体表面11aの平滑度が高められる。これらの研磨ロール151,152によって剥がし取られた付着物は、その場で落下するものもあれば、感光体表面11aに異物として残るものもある。
第1研磨ロール周面151aや第2研磨ロール周面152aに分散配置される研磨粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化セシウム、酸化チタン、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム酸化鉄などの無機物粒子があげられる。これらの無機物粒子は、種類によって粒径が様々であり、第1研磨ロール周面151aに分散配置する研磨粒子や、第2研磨ロール周面152aに分散配置する研磨粒子は適宜選択することができる。例えば、放電生成物の付着物を剥がし取ることを目的とするならば、粒径が5nm以上30nm以下の研磨粒子を用いればよい。また、感光体表面の劣化被膜を剥がし取ることを目的とするならば、粒径が30nm以上2μm以下の研磨粒子を用いればよい。さらに、50nm以上100nm以下の小粒径の外添剤粒子(例えば、日本アエロジル(株)製RY50)の付着物を剥がし取ることを目的とするならば、粒径が0.5μm以上5μm以下の研磨粒子を用いればよく、100nm以上120nm以下の中粒径の外添剤粒子(例えば、信越化学工業(株)製X24)の付着物を剥がし取ることを目的とするならば、5μm以上25μm以下の研磨粒子を用いればよい。また、現像剤中のキャリアによって傷付けられた感光体表面11aをならすことを目的とするならば、粒径が20nm以上60nm以下の研磨粒子を用いればよい。さらにまた、トナーの付着物を剥がし取ることを目的とするならば、粒径が50nm以上150μm以下の研磨粒子を用いればよい。なお、各研磨ロール表面151a,152aに2種以上の研磨粒子を分散配置してもよい。
以上、第1研磨ロール151と第2研磨ロール152について説明したが、これら2つの研磨ロール151,152に加え、これら2つの研磨ロール周面151a,152aに分散配置された研磨粒子の粒径とは異なる粒径の研磨粒子が周面に分散配置された研磨ロールを1又は複数本追加してもよい。また、第1研磨ロール151と第2研磨ロール152を入れ替え、上流側に相対的に細かな削りを行う第2研磨ロール152を配置し、下流側に相対的に粗削りを行う第1研磨ロール151を配置してもよい。さらに、第1研磨ロール151や第2研磨ロール152として、金属製のロール体にブラスト加工を施したものを用いることもできる。ブラスト加工を行う場合には、第1研磨ロール151のロール体1512には相対的に大粒径のブラスト玉を用いたブラスト加工を行い、第2研磨ロール152のロール体1522には相対的に小粒径のブラスト玉を用いたブラスト加工を行えばよい。 クリーニングブレード153は、ゴム材料からなる板状部材である。クリーニングブレード153に用いるゴム材料の種類としては、公知のものを用いることが可能であり、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。その中で耐磨耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。図2に示すクリーニングブレード153は、図2の紙面に対して垂直な方向(感光体11の回転軸110の延在方向)に長尺な矩形状のものであるが、以下、短尺方向の一端を先端と称することがある。このクリーニングブレード153は、感光体11の、中間転写ベルト30にトナー像が転写された後の表面11aから垂直に立ち上がる垂線に対して感光体回転方向下流側に傾くドクター方式によって配備されたものであり、先端の縁(先端エッジ部)1531は、その表面11aに圧接している。回転する感光体11の表面11aに存在する残留トナー粒子や、第1研磨ロール151および第2研磨ロール152によって剥がし取られその表面11aに残っている異物等は、この先端エッジ部1531によって掻き取られ、感光体表面11aから除去される。したがって、図2に示すクリーニング装置15によれば、感光体表面11aに存在する複数種類の付着物がその表面11aから除去される。なお、クリーニングブレード153は、感光体表面11aから垂直に立ち上がる垂線に対して感光体回転方向上流側に傾くワイパー方式によって配備されたものであってもよい。また、クリーニングブレード153に代えて他の方式のクリーニング手段を設けてもよい。
感光体表面11aから除去された異物は、搬送オーガ154によってクリーニング装置15の外に向けて搬送される。
なお、ここでは4つのトナー像形成ユニットが配備されたフルカラータンデム方式を採用した画像形成装置を例にあげて説明したが、本発明の画像形成装置は、1つのトナー像形成ユニットにおいてロータリ式のフルカラー現像器を用いて4色のトナー像を形成する方式を採用した画像形成装置にも適用することができる。また、中間転写ベルトに代えて中間転写ドラムを備えた画像形成装置に適用することもでき、さらには、用紙を静電的に吸着して搬送し、感光体に形成されたトナー像を、搬送されてきた用紙に、転写コロトロンや転写ロール等を用いて直接転写する直接転写方式を採用した画像形成装置にも適用することができる。
次に、図2に示すクリーニング装置15の変形例について説明する。以下、図2に示すクリーニング装置15の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図3は、図2に示すクリーニング装置の変形例を示す図である。
図3には、(a)と(b)とに分けて2つの変形例が示されているが、これらの変形例は、クリーニングブレード153の配置位置を基準にしたときの、第1研磨ロール151の配置位置と第2研磨ロール152の配置位置とを変えた例である。なお、この図3では、感光体11と中間転写ベルト30の一部は図示されているが、図面の簡明化のため、帯電器や現像装置等が図示省略されている。
図2に示すクリーニング装置15では、第1研磨ロール151と第2研磨ロール152との2本の研磨ロールがともに、クリーニングブレード153よりも感光体回転方向上流側に配備されているが、図3(a)には、これら2本の研磨ロール151,152がともに、クリーニングブレード153よりも感光体回転方向下流側に配備された変形例が示されている。図3(a)に示す2本の研磨ロール151,152それぞれの周面151a,152aに、図2に示す2本の研磨ロール周面に分散配置された研磨粒子に比べると粒径が小さな研磨粒子を分散配置させておくことで、クリーニングブレード153によって残留物が除去された感光体表面11aから複数種類の微細な付着物が剥がし取られるとともに、その表面に2段階の仕上げ磨きがなされる。なお、図2に示すクリーニング装置15では、2本の研磨ロール151,152それぞれの周面151a,152aに、図3(a)に示す2本の研磨ロール周面に分散配置された研磨粒子に比べると粒径が大きな研磨粒子を分散配置させておくことで、クリーニングブレード153によって残留物が除去される前の感光体表面11aから複数種類の大きめの付着物が剥がし取られるとともに、その表面11aに生じた大きな凹凸(傷)がならされて、クリーニングブレード153による残留物の除去が容易になる。
また、図3(b)には、相対的に粗削りを行う第1研磨ロール151がクリーニングブレード153よりも感光体回転方向上流側に配備され、相対的に細かな削りを行う第2研磨ロール152が、クリーニングブレード153よりも感光体回転方向下流側に配備された変形例が示されている。この図3(b)に示された変形例では、第1研磨ロール151に用いる研磨粒子の粒径と第2研磨ロール152に用いる研磨粒子の粒径との間に大きな差をもたせやすく、大きさの異なる付着物に広く対応することができ、また、クリーニングブレード153よりも上流側でしっかりとした粗削りがなされ下流側でしっかりとした仕上げ磨きが行われる。
以上、感光体表面11aから残留物を除去するクリーニング装置15について詳細に説明したが、本発明のクリーニング装置は、中間転写ベルト30から残留物を除去する図1に示すベルトクリーナ70に適用することもできる。中間転写ベルト30にも、2次転写の際に生じる用紙Pの剥離放電によって放電生成物が付着する。また、用紙Pの紙粉等も付着し、中間転写ベルト30にも大きさが異なる複数種類の付着物が存在する。そこで、研磨後の研磨対象面の粗さが異なる2本の研磨ロールを備えたクリーニング装置が有効である。
続いて、図1に示す感光体に使用することができる感光体について詳述する。
ここで用いることができる感光体としては、有機感光体や、アモルファスシリコン感光体やセレン系感光体などの無機系の感光体など公知の感光体を用いる事ができるが、コスト、製造性および廃棄性等の点で優れた利点を有する有機感光体が好適に用いられる。更に、感光体には、揺動摺擦による感光体表面の傷などに対する耐性を持たせたるため、電荷輸送層の上に高強度表面層として保護層を設けることが好ましく、保護層を構成する材料として電荷輸送能を有する構造単位と架橋構造とを有する樹脂を含有することが更に好ましい。
以下、保護層について詳しく説明する。この保護層としては、バインダー樹脂中に導電性粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するものが好ましい。保護層が架橋構造を有する樹脂を含むことで感光体表面の硬度が高まり耐摩耗性が向上し、クリーニングブレードとの摺擦による感光体表面の傷を抑制することができる。
架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、特にフェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性粒子が含まれていてもよく、保護層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、保護層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む保護層形成用溶液が用いられる。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を持ったものである(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。なお、保護層が電荷輸送層の一部として機能するものであってもよい。
電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂としては、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有するものがより好ましい。さらに当該フェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為より好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示し、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体は、感光体中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。したがって、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)を0.2以下することで、電気特性に優れ、高画質化が達成できる。なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1)m1−(R1)m2−Y]m3 (I)
上記一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3)(3−a)Qa]b (III)
上記一般式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dは、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β−2−、−CγH2γ−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
上記一般式(I)〜(III)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(IV)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007086271
上記一般式(IV)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記一般式(I)〜(III)で示される化合物における−[(X1)m1−(R1)m2−Y]、−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3)(3−a)Qa]で示される部位と結合手を有し、kは0又は1である。
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(V−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30)(4−c)Qc (V−1)
上記一般式(V−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(V−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層には、その強度を高めるために、下記一般式(V−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31(3-d)d2 (V−2)
上記式(V−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(V−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2007086271
上記一般式(V−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(V−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
粒子の一例として、ケイ素原子含有粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有粒子として用いられるシリコーン粒子は、球状で、平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
保護層は、上記電荷輸送性構造単位を有する化合物、及び上記メチロール基を有するフェノール誘導体又はシロキサン誘導体等の構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。
保護層は、上述した電荷輸送材料を用いて形成されることから、保護層形成用塗布液に触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキザン誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送性構造単位を有する化合物としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とすることが好ましい。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体またはシロキサン誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、フェノール系樹脂の場合は吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまう。そこで、フェノール系樹脂の場合は保護層のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。すなわち、フェノール系樹脂の場合は保護層のIRスペクトルが(P2/P1)≦0.2で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃が、さらに100〜140℃がより好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。シロキサン系樹脂の場合は、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましく、さらに100〜140℃の範囲がより一段と好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、上記一般式(I)で示される化合物において、(−(X1)m1−(R1)m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(V−4)で示される2座配位子が挙げられる。
Figure 2007086271
上記式(V−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
2座配位子としては、上記一般式(V−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捕らえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、トナー像形成サイクルにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、フェノール樹脂の場合、赤外吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすように保護層を形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、保護層の25℃における酸素透過係数を下げることは困難であるが、吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすようにすると共に、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たすようにすることで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体が得られる。
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記保護層を感光体最表面に設けることで、クリーニングブレードからの感光体に作用する力で発生する感光体傷や摩耗性が著しく改善され、更には、帯電の際に生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有された加工物の劣化が抑えられて、電気特性を高水準た維持することができるため、保護層は高画質化にも有効である。
続いて、図2に示す現像装置14の現像剤収容体141について詳述する。上述の如く、この現像剤収容体141には現像剤が収容されており、この現像剤中のトナーは、トナー母粒子の表面に各種の外添剤粒子が付着したものであり、特に製造方法により限定されるものではない。このトナーとしては、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、転写助剤必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、転写助剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、転写助剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものを使用することができる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法によって製造されたトナーも使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
また、トナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
トナーは結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いても良い。トナーの体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナー母粒子の平均球状係数(ML2/A)×(100π/4):MLはトナー母粒子の絶対最大長、Aはトナー母粒子の投影面積を各々示す)が100以上140以下の範囲のもの、さらに好ましくは100以上130以下のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
また、トナーには、感光体11の表面11aの付着物、劣化物除去の目的等で、無機粒子、有機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機粒子が特に好ましい。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると感光体表面11aに傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記潤滑剤の添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
さらに、感光体表面11およびクリーニングブレード153の先端エッジ部1531の双方に潤滑剤被膜を形成し先端エッジ部1531の磨耗を抑えるため、トナーに潤滑剤を添加してもよい。この潤滑剤としては、脂肪酸金属塩および高級アルコールのうちの少なくともいずれか一方を含んだものがあげられる。
脂肪酸金属塩としてはステアリン酸のカドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛;カプロン酸鉛;リノール酸亜鉛;リノール酸コバルト;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩;及びこれらの混合物等が挙げられるが、中でもステアリン酸亜鉛が潤滑効果が高く好ましい。
また、潤滑剤として、比重1.3〜1.9、一次粒子径80〜300nm(好ましくは100〜200nm)の単分散球形シリカ粒子を用いてもよい。粒径80nm以上の単分散球形シリカ粒子は、先端エッジ部1531に供給されることにより、該粒子が先端エッジ部1531と感光体表面11aとの間に介在し易いと共に、転がることで潤滑剤となり先端エッジ部1531の変形量増加及びスティック&スリップを抑制することができる。該粒子の粒径が80nmよりも小さい場合は先端エッジ部1531に留まり難く安定的な潤滑効果が発揮できない。一方、粒径300nm以下の該粒子は、単分散かつ球形であることよりトナー母粒子表面に均一分散が可能となることより現像装置14内のメカニカルストレス(攪拌ストレス)によるトナー母粒子からの剥がれを有効に抑制することが可能であるが、粒径が300nmよりも大きくなると現像装置14内のメカニカルストレスで容易にトナー母粒子からの剥がれが発生し、有効にクリーニングブレード153への供給ができなくなり長期に渡り安定してクリーニングブレード挙動安定効果を発揮させることができない。また、比重が、1.9より大きくなると現像装置14内での攪拌ストレスでトナー母粒子からの剥がれが加速され有効にクリーニングブレード153への供給ができなくなり、1.3より小さくなると凝集分散が起こり、該粒子の穂立ちが不均一になり凸部分に選択的にストレスが加わることから該粒子の剥がれが加速され、やはり有効にクリーニングブレード153への供給ができなくなる。
また、単分散球形シリカは、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像作成時のPE値等に影響を及ぼさないため好適である。
ここで、単分散の定義としては凝集体を含め一次平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50が0.22以下であることが望ましい。一次粒子径およびその標準偏差測定は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて行う。
球形化度は、Wadellの真の球形化度を採用し、以下の式に準じて計算した。
球形化度Ψ=S’/S
上記式中、S’は、実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積を表し、平均粒径の値から計算により求めた。また、Sは、実際の粒子の表面積であり、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いて測定されるBET比表面積の値を代用させた。
この球形化度は0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。
また、比重測定はルシャテリエ比重瓶を用いJIS K0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。具体的な操作は、次の通り行う。
1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
3)試料を約100g量り取り、その質量をWとする。量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
4)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
5)次式により比重を算出する。
D=W/(L2−L1) ・・・式A
S=D/0.9982 ・・・式B
上記式AおよびB中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
また、その他の潤滑成分として、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物も使用でき、これらは併用してもよい。
トナーは、上記トナー粒子及び上記添加物をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
トナーは、上記トナー母粒子及び上記外添剤粒子をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、現像剤収容体141に収容された現像剤中のキャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
なお、図2に示す現像剤収容体141は、トナーとキャリアを含むいわゆる二成分現像剤を収容したものであるが、現像剤収容体は、キャリアを含まない一成分現像剤を収容したものであってもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
試験機として、図1に示す画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いた。すなわち、感光体には、高強度表面層である保護層を有するものを用いた。また、ここでは、発泡ゴムに対して粒径が100μmの研磨粒子を5wt%添加して直径が16mmのロール体を作製し、この100μmの研磨粒子が分散配置されたロール体を上流側の第1研磨ロールのロール体として用いた。さらに、発泡ゴムに対して粒径が15nmの研磨粒子を5wt%添加して直径が16mmのロール体も作製し、この15nmの研磨粒子が分散配置されたロール体を下流側の第2研磨ロールのロール体として用いた。
試験では、各色エリアカバレッジ10%であるプロセス方向の筋チャートを20秒おきに5枚連続して採取することを繰り返す走行試験を、常温常湿(20℃、55%RH)の環境下で1万枚実施した後、高温高湿(28℃、80%)の環境下でも1万枚実施し、最後に低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で1万枚実施した。
評価は、合計3万枚の走行試験を実施した後、20%ハーフトーンのサンブル画像と、文字サンプル画像それぞれを採取し、得られたそれぞれの形成画像について、走行試験で用いた筋チャートの筋に当たる箇所に転写不良が生じていないかを観察した。その結果、20%ハーフトーンのサンブル画像の形成画像にも、文字サンプル画像の形成画像にも、転写不良が生じておらず、いずれの形成画像も良好な画質であった。
(比較例)
各トナー像形成ユニットに設けられたクリーニング装置に配備された2本の研磨ロールを1本の研磨ロールに代えた以外は、実施例で用いた画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用い、実施例と同様な試験を行い、実施例と同様にして評価を行った。ここでは、発泡ゴムに対して、粒径が100μmの研磨粒子と15nmの研磨粒子との2種類の研磨粒子を合わせて5wt%添加して、直径が16mmのロール体を作製し、この粒径が異なる2種類の研磨粒子が分散配置されたロール体を研磨ロールとして用いた。結果は、20%ハーフトーンのサンブル画像の形成画像にも、文字サンプル画像の形成画像にも、転写不良による白抜けが生じていた。
比較例における転写不良による白抜けは、感光体表面から放電生成物が除去されず、残った放電生成物が吸湿して引き起こされた画質欠陥であると考える。このことから、各トナー像形成ユニットで、粒径が異なる研磨粒子を有する研磨ロールを1本のみ用いても、微小な放電生成物の付着物は感光体表面から除去されないことがわかる。一方、実施例においては、転写不良による白抜けが生じておらず良好な画質であった。これは、感光体表面に付着した放電生成物が、15nmの研磨粒子を有する第2研磨ロールによって、クリーニングブレードの手前で感光体表面から剥がし取られたことによるものと考え、100μmの研磨粒子を有する第1研磨ロールに加えて、第2研磨ロールを配備することの有効性が確認された。
本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。 図2に示すクリーニング装置の変形例を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 トナー像形成ユニット
11 感光体
11a 表面
110 回転軸
12 帯電器
13 露光器
14 現像装置
15 クリーニング装置
151 第1研磨ロール
151a 周面
1511 回転軸
152 第2研磨ロール
152a 周面
1521 回転軸
153 クリーニングブレード
16 除電器
20 1次転写ロール
30 中間転写ベルト
40 一括転写装置
50 定着装置
60 用紙トレイ
70 ベルトクリーナ

Claims (2)

  1. トナー像を表面に担持して中心軸の周りを循環移動することで、該トナー像を被転写面に転写する転写領域まで該トナー像を搬送する像担持体の、該被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング装置において、
    前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング手段と、
    前記像担持体の移動方向に並んで配置されたものであって、該像担持体の中心軸に平行な回転軸をそれぞれ有し、該像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に周面がそれぞれ接触した状態で回転することにより該表面を研磨する、研磨した後の該表面の粗さが互いに異なる2本の研磨ロールとを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 中心軸の周りを所定方向に回転する感光体の表面を帯電し帯電後の感光体表面に露光光を照射することにより該感光体表面に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像して該感光体表面にトナー像を得、該トナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    前記感光体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング手段と、
    前記像担持体の回転方向に並んで配置されたものであって、該感光体の中心軸に平行な回転軸をそれぞれ有し、該感光体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に周面がそれぞれ接触した状態で回転することにより該表面を研磨する、研磨した後の該表面の粗さが互いに異なる2本の研磨ロールとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1975952A2 (en) 2007-03-29 2008-10-01 TDK Corporation Photoelectric conversion electrode, manufacturing method of the same, and dye-sensitized solar cell
JP2009075150A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
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