JP2011141440A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子であって、表面に少なくともメラミン系樹脂粒子を付着又は固着してなる負帯電性トナーであり、該トナーの体積中位径Dvと個数中位径Dnの比Dv/DnをA、該メラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)の標準偏差をBとした時、これらが下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いることにより解決した。
B≦−41.7A+53.2 (1)
【選択図】 なし
Description
これを防ぐため、様々な帯電性の向上検討がなされている。その中の一つとして、負帯電性トナーの表面に正帯電性の粒子を付着させる技術が知られている。これはトナーが摩擦帯電する際に正帯電性の粒子が系内に少量存在することでトナーの負帯電性を向上させる、いわゆるマイクロキャリアとして使用されるもので、無機、有機を問わず種々の材料が検討されてきた。
述の部材汚染がさらに悪化してしまうというトレードオフがある。
1.少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有し、表面に少なくともメラミン系樹脂粒子を付着又は固着してなる負帯電性トナーであって、該トナーの体積中位径Dvと個数中位径Dnの比Dv/DnをA、該メラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)の標準偏差をBとした時、これらが下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
B≦−41.7A+53.2 (1)
2.AとBが下記の関係式(2)を満たすことを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
B≦−41.7A+52.4 (2)
3.メラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)が9μm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
4.該トナーの平均円形度が0.96以上であることを特徴とする前記1乃至3に記載の静電荷像現像用トナー。
5.該トナーが湿式法にて製造されることを特徴とする前記1乃至4に記載の静電荷像現像用トナー。
6.少なくともトナー担持部材、トナー層厚規制部材および静電潜像保持体を有し、トナー層厚規制部材にてトナー担持部材上にトナーを薄層化すると共に摩擦帯電させ、次いで静電潜像保持体へ帯電したトナーを現像せしめる非磁性一成分現像方式に用いられることを特徴とする前記1乃至5に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明のトナーは、トナーの体積中位径Dvと個数中位径Dnの比A(Dv/Dn)と、後述の方法にて測定され、定義されるメラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)の標準偏差Bが、特定の関係であることを特徴としている。
た値である。
るのではなく、特定のシェアをかけた際のメラミン系樹脂粒子の「解れやすさ」を表している。本発明の円相当径は、走査型電子顕微鏡などで観察されるメラミン系樹脂粒子の1
次粒子径より大きい値となる。これはメラミン系樹脂粒子が凝集体となったまま測定されるためであり、従ってこれが小さい値であれば比較的解れやすいメラミン系樹脂粒子であると言え、より大きい値であれば解れにくいと言うことができる。またその値のバラつきを示す標準偏差は、解れやすさの均一性を表す指標となる。
るいはそれに近い状態でトナー表面に分散する。このような状態は、凝集体のままトナー表面に付着したものと比べて脱離しにくいと考えられ、耐刷での部材汚染が良好となる。一方、円相当径が小さくてもその分布がブロードであるものは、トナーに添加すると一部の解れた粒子と凝集体のままの粒子とが混在している状態となりやすい。これはトナー帯電性のバラつきにも繋がり、帯電量分布がブロードになって低帯電トナーがカブリを悪化させるばかりか、残った凝集体が部材汚染の原因となってしまうため好ましくない。従って本発明の達成には、円相当径が小さいことに加え、その分布がシャープであることも重要である。
する)が次の関係式(1)を満たすことが必須である。
B≦−41.7A+53.2 (1)
本発明は、Aで表されるトナー粒子分布のシャープさと、メラミン系樹脂粒子円相当径(体積基準)の標準偏差(B)が特定のバランスにあるときに、帯電性及びカブリが良好であり、部材汚染がなく、高速・長寿命であることを見出したものである。
B≦−41.7A+52.4 (2)
本願関係式(1)または(2)を満たさない場合、メラミン系樹脂粒子のトナー表面への付着が十分に均一とならず、カブリの悪化やベタ・ハーフトーンの均一性が悪くなる傾向がある。
円相当径が小さくなるということは、メラミン樹脂粒子表面に、製造時などの残存電解質が多いことが考えられ、これが外添時の撹拌でメラミン樹脂粒子が過度に帯電することによる凝集体の発生を防ぐことができ、従ってトナーに対して分散性が良くなると考えられる。また、円相当径が揃っているということは、メラミン樹脂粒子の凝集体同士の間に空間があると考えられ、このため外添時に解れやすくなると考えられる。
平均円形度が小さすぎると、トナー粒子表面に窪みが存在し、メラミン系樹脂粒子を添加した際に、これが窪みに多く埋没してしまうため、マイクロキャリアとして有効に機能せず、カブリの悪化に繋がる場合がある。また、窪みに嵌ったメラミン系樹脂粒子はトナー粒子表面への付着強度が弱く、過度の脱離による部材汚染を引き起こす原因となってしまう場合がある。
一方、大きすぎると感光体ドラムや転写ベルト上に残留したトナーを弾性ブレード等でクリーニングする際にうまく掻き取れず、画像欠陥となってしまう、クリーニング不良の問題を引き起こす場合がある。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されず、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じ、帯電制御剤、ワックス、その他の添加剤等を含む。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化重合により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが望ましい。粒径が前記範囲よりも小さいときは、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、前記範囲よりも大きいときは、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
また、本発明では、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下の量で用いてもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
具体的には、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が挙げられる。
定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。
本発明において、ワックスの量は、トナー100質量部中に1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは、30質量部以下である。トナー中のワックス含有量が前記範囲未満の場合は、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、前記範囲を超過する場合は、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
本発明において、懸濁重合トナーの製造方法としては、上述の結着樹脂の単量体中に着色剤、重合開始剤、そして必要に応じてワックス、極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。この単量体組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行う。これらを洗浄・ろ過により収集し、乾燥することによりトナー母粒子を得ることができる。
うち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
樹脂粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、3μm以下、さらに1.5μm以下が好ましい。樹脂粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
得られた粒子は、公知の方法にて固液分離し、粒子を回収し、必要に応じて洗浄、乾燥することで目的とするトナー母粒子を得ることができる。
本発明のトナーは、トナー母粒子の表面に、少なくともメラミン系樹脂粒子を付着または固着することで得られるが、本発明の効果を損なわない範囲で、外添剤として知られている「他の粒子」と併用させてトナー母粒子の表面に付着又は固着させてもよい。
リル酸エステル共重合体粒子等の有機樹脂粒子等が挙げられる。
本発明において、トナー母粒子の表面に、前記メラミン系樹脂粒子と「他の粒子」を付着又は固着させる方法は特に限定はなく、一般にトナーの製造に用いられる混合機を使用することができる。具体的には、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、レディゲミキサー、Q−ミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合することによりなされる。
<重合体一次粒子の平均粒径の測定方法>
日機装株式会社製、型式:Microtrac Nanotrac 150(以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラックの取り扱い説明書に従い、同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を分散媒に用い、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載された方法で測定した。
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :透過
・形状 :真球形
・密度 :1.04
ベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、分散質濃度0.03質量%になるように分散させて測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv)、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径(Dn)とした。
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に5720〜7140個/μlとなるように分散させ、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μl、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。平均円形度の値は、上記測定にて装置内で自動的に計算されて表示される。
メラミンとホルムアルデヒド(37%ホルマリン水溶液)を反応釜の中でアルカリ性触媒を加えて、pHを調整しながら加熱反応させた後、凍結乾燥機を用いて一昼夜乾燥することでメラミン樹脂粒子を得た。反応の際の仕込み量、温度および反応時間を調整することにより、粒径、粒度分布のそれぞれ異なるメラミン樹脂粒子A〜Gを得た。これらの、前
述の方法による円相当径(体積基準)およびその標準偏差は表1の通りである。
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9)27部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)を用い10分間攪拌した。次い
でこの分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均粒径(MV)が250nmになるまで分散してワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30.2%)を作製した。
アルキル変性シリコーンワックス)27部、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水71.1部をステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で10分間攪拌した。次いでこの分散液を99℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定しながら体積平均粒径(MV)が240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液A2(エマルション固形分濃度=27.4%)を作製した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6重量部、脱塩水259部を仕込み攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を滴下開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から下記の追加開始剤水溶液を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたま
ま内温90℃のまま1時間保持した。
[モノマー類]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
テトラクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は280nmであり、固形分濃度は21.1重量%であった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にシリコーンワックス分散液A2 23.6重量部、20%DBS水溶液1.5重量部、脱塩水324部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。
その5分後、下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始(8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した時から5分後)から5時間かけて、下記の開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
スチレン 92.5部
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 1.5部
テトラクロロブロモメタン 0.6部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.5部
脱塩水 66.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 18.9部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は290nmであり、固形分濃度は19.0重量%であった。
攪拌機(プロペラ翼)を備えた容器に、カーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散してプレミックス液を得た。上記プレミックス液中のカーボンブラックの体積平均径(Mv)は90μmであった。
ロータの回転速度を一定として、供給口より前記プレミックススラリを無脈動定量ポンプにより供給速度50L/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出することにより黒色の着色剤分散体Aを得た。着色剤分散液中の着色剤の体積平均径(Mv)は150nmであった。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として95部
重合体一次粒子分散液A2 固形分として5部
着色剤粒子分散液A 着色剤固形分として6部
20%DBS水溶液 固形分として0.1部
上記の各成分を用いて、以下の手順により母粒子を製造した。
Aを5分かけて添加し、内温12℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5%硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後75分かけて内温53℃に昇温して、更に90分かけて56℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位径を測定したところ5.2μmであった。その後、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持し、続いて20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加してから30分かけて90℃に昇温して75分保持した。
また、53℃での保持時間、90℃での保持時間を調整することで、粒度分布、円形度がそれぞれ異なる母粒子B〜Jを得た。これらの粒度分布および平均円形度は表2の通りである。
<トナーAの製造>
三井鉱山社製ヘンシェルミキサー内に、母粒子A(100部)を投入し、続いて疎水性シリカH05TD(クラリアントジャパン株式会社製)2.0部、疎水性シリカH30TD(クラリアントジャパン株式会社製)0.6部、メラミン樹脂粒子Aを0.2部添加し、撹拌混合して篩別する事によりトナーAを得た。トナーAの体積中位径Dvは5.58μm、個数中位径Dnは5.20μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.073であった。またトナーAの平均円形度は0.974であった。
<トナーBの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Bを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Bを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーBを得た。トナーBの体積中位径Dvは5.74μm、個数中位径Dnは5.27μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.089であった。またトナーBの平均円形度は0.973であった。
<トナーCの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Cを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Cを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーCを得た。トナーCの体積中位径Dvは5.91μm、個数中位径Dnは5.37μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.101であった。またトナーCの平均円形度は0.974であった。
<トナーDの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Dを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Cを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーDを得た。トナーDの体積中位径Dvは5.47μm、個数中位径Dnは4.83μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.133であった。またトナーDの平均円形度は0.973であった。
<トナーEの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Eを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Dを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーEを得
た。トナーEの体積中位径Dvは5.66μm、個数中位径Dnは4.92μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.150であった。またトナーEの平均円形度は0.972であった。
<トナーFの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Fを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Eを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーFを得た。トナーFの体積中位径Dvは5.71μm、個数中位径Dnは5.10μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.120であった。またトナーFの平均円形度は0.973であった。
<トナーGの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Gを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Fを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーGを得た。トナーGの体積中位径Dvは5.61μm、個数中位径Dnは5.17μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.085であった。またトナーGの平均円形度は0.969であった。
<トナーHの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Hを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Gを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーHを得た。トナーHの体積中位径Dvは5.79μm、個数中位径Dnは5.05μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.147であった。またトナーHの平均円形度は0.973であった。
<トナーIの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Iを100部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーIを得た。トナーIの体積中位径Dvは5.70μm、個数中位径Dnは5.16μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.105であった。またトナーIの平均円形度は0.973であった。
<トナーJの製造>
実施例1において、母粒子Aの代わりに母粒子Jを100部、メラミン樹脂粒子Aの代わりにメラミン樹脂粒子Cを0.2部使用した以外は実施例1と同様にしてトナーJを得た。トナーJの体積中位径Dvは5.63μm、個数中位径Dnは4.91μmであり、トナー粒度分布Dv/Dnは1.147であった。またトナーJの平均円形度は0.971であった。
得られたトナーを、非磁性一成分(有機感光体使用)で、ローラー(PCR)帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度164mm/秒、タンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、5%印字率での保証寿命枚数30000枚の、600dpiフルカラープリンターにて実写を行った。
後、プリンターを28℃80%の環境に1昼夜放置した。その後次のように印字を行い、カブリと現像槽部材の汚染の程度(PCR汚染)の評価を行った。
印字の際の、紙への転写工程前の感光体ドラムにおける白地部分に付着したトナーをメンディングテープ(住友スリーエム株式会社製)にて写し取り、80g/m2の印刷用紙上に貼り付けた。さらに比較用としてメンディングテープをそのまま同じ用紙上に貼り付けた後、両者の色差ΔEを分光測色濃度計X−Rite939(X−Rite社製)にて測定し、カブリの評価とした。判断基準は以下の通りとした。
◎ : ΔEが4未満
○ : ΔEが4以上、6未満
△ : ΔEが6以上、10未満
× : ΔEが10以上
<PCR汚染の評価方法>
印字終了後のPCRを目視にて観察し、汚染具合を評価した。判断基準は以下の通りとし
た。
◎ : 全く汚染はなく、極めて良好。
○ : ほとんど汚染はなく、良好。
△ : やや汚染が見られ、画像欠陥に発展する恐れがある。
× : 酷い汚染が見られ、画像欠陥が発生している。
結果は表3の通りとなった。
Claims (6)
- 少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有し、表面に少なくともメラミン系樹脂粒子を付着又は固着してなる負帯電性トナーであって、該トナーの体積中位径Dvと個数中位径Dnの比Dv/DnをA、該メラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)の標準偏差をBとした時、これらが下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
B≦−41.7A+53.2 (1) - AとBが下記の関係式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
B≦−41.7A+52.4 (2) - メラミン系樹脂粒子の円相当径(体積基準)が9μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該トナーの平均円形度が0.96以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該トナーが湿式法にて製造されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 少なくともトナー担持部材、トナー層厚規制部材および静電潜像保持体を有し、トナー層厚規制部材にてトナー担持部材上にトナーを薄層化すると共に摩擦帯電させ、次いで静電潜像保持体へ帯電したトナーを現像せしめる非磁性一成分現像方式に用いられることを特徴とする請求項1乃至5に記載の静電荷像現像用トナー。
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