JP3958154B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、支持体上に中間層、感光層をこの順に有し、該感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質を含有し、かつ、半導体レーザーによって表面に静電潜像が形成される電子写真感光体、および、該電子写真感光体を有し、半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ、および、該電子写真感光体と半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機光導電性物質を用いた有機電子写真感光体が有する支持体上の感光層には、アゾ顔料やフタロシアニン顔料などの電荷発生物質を含有する電荷発生層と、ヒドラゾン化合物やトリアリールアミン化合物やスチルベン化合物などの正孔輸送物質を含有する電荷輸送層と有する積層型感光層と、これら電荷発生物質と正孔輸送物質とを同一の層に含有する単層型感光層とがある。
【0003】
しかし、支持体上にこれらの感光層を設けるだけでは、感光層の剥がれが生じたり、支持体表面の欠陥(傷などの形状的欠陥、不純物などの材質的欠陥)が画像にそのまま反映して、黒点状画像欠陥や白抜けといった問題が発生したりする場合が多い。
【0004】
これらの問題点を解決するため、多くの電子写真感光体では、中間層と呼ばれる層が感光層と支持体との間に設けられている。
【0005】
中間層の多くは、絶縁性有機高分子が薄膜状に設けられていたり、アルマイトのような絶縁性酸化物膜が設けられていたりしているが、それらは絶縁性であるため、感度の低下を引き起こしたり、中間層/感光層界面に蓄積される空間電荷によって残留電位の上昇などの電子写真感光体疲労を引き起こしたりする原因になる。
【0006】
これらを防ぐための方法としては、中間層中に無機の導電性粒子を分散させる方法、イオン伝導性高分子を用いる方法などが知られている。
【0007】
無機の導電性粒子としては、酸化チタンや酸化スズが用いられるが、分散液の調製や、液安定性に問題があり、また、分散不良の際の画像欠陥も問題になる。
【0008】
可溶性ポリアミドなどのイオン伝導性高分子を含有する中間層の場合、環境による特性の不安定さが問題になる。
【0009】
近年、レーザープリンターやデジタル複写機のように、単一波長の光源を使用して露光を行う方式が電子写真の大半を占めるようになったが、これらの方式を採用した場合に生じる問題点として、電子写真感光体の膜厚ムラなどの要因によって発生する干渉縞がある。
【0010】
すなわち、支持体の表面粗さが、ある一定未満の粗さである場合、例えば、半導体レーザーによる単一波長よりなるコヒーレント光を露光光として用いた電子写真装置に使用した場合などにおいては、干渉縞と呼ばれる画像欠陥が発生するため、支持体の表面粗さは、ある一定以上の粗さが必要である。
【0011】
したがって、この問題点を取り除くためには、電子写真感光体として何らかの手段が必要になる。
【0012】
これまで行われてきた方法としては、例えば、支持体の表面を切削して、ある一定の表面粗さを与えることによって防止する方法、支持体表面を乾式ブラスト加工する方法、液体ホーニング加工する方法、表面に光を乱反射するような導電性の皮膜を形成する方法などの方法が採用されてきた。
【0013】
通常の電子写真感光体においては、この表面を粗面化することと中間層をその上に設けることを組み合わせて行っている。
【0014】
両者を組み合わせた場合に、従来の導電性粒子を結着樹脂中に分散したような抵抗制御型中間層では、表面を粗面化した支持体の表面に設ける際、支持体の凹凸によって薄い部分や厚い部分ができるが、帯電した際に薄い部分においての耐圧が低く、画像欠陥が発生しやすくなるため、全体の膜厚を厚くしなければならず、このため、残留電位の増大や画像ゴーストの発生を引き起こしていた。
【0015】
また、支持体の表面粗さが低くなったとしても、中間層に使用される材料自体の耐電圧が低く、中間層の膜厚を薄くすると、画像欠陥が発生するために、ある一定の膜厚以下にはできなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、半導体レーザーによって表面に静電潜像が形成される、中間層を有する電子写真感光体においても、画像欠陥が発生せず、電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真感光体を提供することにある。
【0017】
また、そのような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、電子輸送能を有する化合物(電子輸送物質)を含有し、かつ、高温高湿環境下(30℃、80%RH)における体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上の中間層が設けられ、さらに、支持体の該感光層側表面の十点平均粗さ(Rz)の、画像露光(露光)に使用する半導体レーザーの波長(λ)に対する比の値(Rz/λ)が0.6以上2.5以下になるようにした電子写真感光体であれば、上記課題を解決することができることを見いだした。
【0019】
すなわち、本発明は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有し、該感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する電子写真感光体であって、半導体レーザーによって表面に静電潜像が形成される電子写真感光体において、
該中間層が上記式(1)、(2)及び(16)で示される化合物から選ばれる電子輸送物質を含有し、
30℃、80%RH環境下での該中間層の体積抵抗率が、1×1012Ω・cm以上であり、
該支持体の該感光層側表面の十点平均粗さ(Rz)の、該半導体レーザーの波長(λ)に対する比の値(Rz/λ)が、0.6以上2.5以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0020】
また、本発明は、電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
該電子写真感光体が、上記電子写真感光体であり、
該電子写真装置が、半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0021】
また、本発明は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、
該電子写真感光体が、上記電子写真感光体であり、
該露光手段が、半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する手段であることを特徴とする電子写真装置である。
【0022】
電荷発生物質の分光感度にもよるが、半導体レーザーの波長が長い場合には、短い場合に比較して、露光量が同じでも光が電荷発生物質に到達するまでに感光層中の結着樹脂などによる減衰が少ないため、電荷発生物質に到達する光量が大きく、発生するキャリアの量が比較的多くなると考えられる。
【0023】
感光層と中間層は、いずれも樹脂成分が主要な構成物であるため、両者の界面においては両者の材料が混じり合う領域が極薄くではあるが存在し、電子の受け渡しが比較的スムーズに行われるが、中間層と支持体との間では、界面が比較的はっきりとできるため、電子が受け渡されやすいように支持体表面を粗面化して表面積を大きくしてやる必要がある。
【0024】
逆に、半導体レーザーの波長が短い場合には、表面粗さが小さい支持体を使用することができる。
【0025】
本発明の電子写真感光体の中間層は、従来の電子写真感光体の中間層と比較して抵抗が高く、したがって、単位膜厚あたりの耐電圧が高いため、従来の電子写真感光体の中間層よりも膜厚を薄くすることが可能で、従来厚膜で使用することが起因で発生していたゴースト、残留電位、耐久時の電位変動などの欠点を軽減でき、より良好な特性の電子写真感光体を提供することが可能となった。
【0026】
なお、支持体の表面粗さが上記規定値よりも平滑になった場合には、支持体表面と中間層との接触面積が小さくなるため、電子輸送物質が中間層中に分子状態あるいは微粒子状態で分散している場合には、これらの材料と支持体との接触点が減少し、電荷発生層で発生した電子が支持体に通り抜けにくくなり、電子が残留しやすくなる。また、半導体レーザーによるコヒーレント光を露光光として用いた電子写真装置に使用した場合などにおいては、いわゆる干渉縞と呼ばれる画像欠陥が発生してしまう。
【0027】
したがって、支持体の感光層側表面粗さは上記規定値を満足すること、すなわち、支持体の感光層側表面の十点平均粗さ(Rz)の、半導体レーザーの波長(λ)に対する比の値(Rz/λ)を0.6以上2.5以下とすることが必要となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0029】
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有していればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属あるいは酸化インジウム、酸化スズなどの導電材料の薄膜を形成したもの、あるいは、アルミニウム、樹脂などのシリンダー状の支持体表面に、導電性の微粒子を結着樹脂に分散した皮膜を設けたものなどの表面粗さを調整したものが挙げられる。
【0030】
また、アルミニウム、樹脂などの支持体の表面を粗面化する方法としては、例えば、支持体の表面を切削してある一定の表面粗さを与えることによって防止する方法、支持体表面を乾式ブラスト加工する、液体ホーニング加工する、砥石によって表面を研磨する研磨する研磨法、センターレス研磨法、センターレス研磨と電解研磨を組み合わせた方法、酸やアルカリなどにより支持体表面をエッチングすることによって粗面化する方法、表面に光を乱反射するような導電性の皮膜を形成するなどの方法がある。
【0031】
本発明の電子写真感光体は、支持体上に電子輸送物質を含有する中間層を有している。
【0032】
中間層に含有される有機電子輸送物質しては、下記式(1)で示される構造を有するナフタレンアミジンイミド化合物が好ましい。
【0033】
【化6】
Figure 0003958154
【0034】
(式(1)中、R11は、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。R12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸エステル基、置換基を有してもよいアルキル基を示す。A11は、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、下記式(101)で示される構造を有する2価の基、または、下記式(102)で示される構造を有する2価の基を示す。
【0035】
【化7】
Figure 0003958154
【0036】
【化8】
Figure 0003958154
【0037】
(式(101)、(102)中、R1011〜R1014、R1021、R1022は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示し、nは、0または1を示す。)
【0038】
上記表現のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニレン基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子などが挙げられ、カルボン酸エステル基としては、カルボキシエチル基、カルボキシt−ブチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、シクロアルキレン基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられ、アリーレン基としては、エチレニル基、ブチレニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
【0039】
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基などのアルキル基や、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシブチル基などのカルボキシアルキル基や、ニトロ基および−CF3基などが挙げられる。
【0040】
上記式(1)で示される構造を有するナフタレンアミジンイミド化合物の好適な化合物例を以下に挙げる。
【0041】
【化9】
Figure 0003958154
【0042】
【化10】
Figure 0003958154
【0043】
【化11】
Figure 0003958154
【0044】
【化12】
Figure 0003958154
【0045】
【化13】
Figure 0003958154
【0046】
【化14】
Figure 0003958154
【0047】
【化15】
Figure 0003958154
【0048】
【化16】
Figure 0003958154
【0049】
【化17】
Figure 0003958154
【0050】
【化18】
Figure 0003958154
【0051】
化19
Figure 0003958154
【0052】
【化20】
Figure 0003958154
【0053】
これらの中でも、(1−1)、(1−35)が特に好ましい。
【0054】
また、中間層に含有される有機電子輸送物質しては、下記式(2−1)で示される構造を有するペリレンアミジンイミド化合物も好ましい。
【0055】
化21
Figure 0003958154
【0056】
上記物質に代表されるようなこれら電子輸送物質は、製膜性を有する結着樹脂に分散した状態で使用されるのが一般的である。
【0057】
本発明においては、中間層が電子搬送性を有しており、中間層の抵抗を下げた状態で使用する必要がないため、結着樹脂として抵抗の低い樹脂を使用する必要は必ずしもなく、抵抗の高い樹脂でも使用することができる。
【0058】
本発明の電子写真感光体の中間層に使用される結着樹脂としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂およびフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステルおよびポリアリレートなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の中でも、有機溶剤可溶型熱可塑性樹脂が残留電位などの電位特性の点で好ましい。
【0059】
また、結着樹脂に電子輸送物質を分散した状態の中間層ではなく、電子輸送性樹脂を使用した中間層であってもよい。
【0060】
電子輸送性樹脂としては、例えば下記式(16)で示される繰り返し構造単位を有するイミド樹脂が挙げられる。
【0061】
化22
Figure 0003958154
【0062】
161は、下記式(16−1)または(16−2)で示される構造を有する2価の基であることが好ましい。
−Ar1611− (16−1)
−Ar1621−X1621−Ar1622− (16−2)
上記式(16−1)中のAr1611は、置換または無置換の2価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の2価の芳香族複素環基を示す。
【0063】
上記式(16−2)中のAr1621、Ar1622は、それぞれ独立に、置換または無置換の2価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の2価の芳香族複素環基を示し、X1621は、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換のアルキレン基、カルボニル基、または、スルホニル基を表す。
【0064】
上記2価の芳香族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられ、2価の芳香族複素環基としては、ピリジンジイル基、チオフェンジイル基などが挙げられ、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基などが挙げられる。
【0065】
また、これらの基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、トリフルオロメチル基などのハロメチル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基や、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基や、シアノ基などが挙げられる。
【0066】
これらに相当する構造としては、例えば以下の基が挙げられる。
【0067】
【表1】
Figure 0003958154
【0068】
上記式(16)で示される繰り返し構造単位(イミド構造)は、電子輸送能を有しており、その効果により負帯電型積層感光体や負帯電型単層感光体の場合、感光層中で発生した電子を本発明の中間層を経由して支持体側に速やかに注入、移動させることができ、その結果として感光層や中間層の界面またはバルク内における電子の滞留が減少し、繰り返し使用による電位の安定化や環境変動に対する電位の安定化に効果が認められる。特に、繰り返し使用時の電位安定性に関しては、既に特許3083049号に記載されている。
【0069】
しかしながら、例えば、高速度の電子写真プロセスなどの過酷な条件下での電位の安定化には、中間層の電子注入や電子輸送効果をさらに高める必要がある。電子注入や電子輸送効果をさらに高める手段としては、芳香環を増加してイミド構造の共役性を高める方法もあるが、溶解性や成膜性など実用性に乏しくなる。
【0070】
本発明におけるポリイミド樹脂は1種類の構造のみで用いるだけでなく2種類以上のものの混合系や2種類以上の共重合系で使用することも可能である。
【0071】
中間層の膜厚は、0.3〜5μmが好ましい。
【0072】
従来、イオン電導性の樹脂を使用して比較的抵抗の低い中間層を使用してきた場合などには、高温高湿下においてさらに抵抗が低下し、中間層が電荷阻止層としての役割を果たさなくなることがほとんどであった。
【0073】
本発明においては、電子輸送物質の効果によって、中間層の高温高湿下における体積抵抗率を1×1012Ω・cm以上になるような結着材料を選択することができるため、高湿下における使用でも電荷阻止層としての機能を失うことがない。
【0074】
次に、本発明の電子写真感光体の感光層について説明する。
【0075】
本発明の感光層の構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を同一の層に含有する単層型、および電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0076】
まず、積層型の感光層を有する電子写真感光体について説明する。
【0077】
積層型の感光層の構成としては、支持体上に電荷発生層および電荷輸送層をこの順に積層したもの(順層型)と、逆に電荷輸送層および電荷発生層の順に積層したもの(逆層型)がある。電子写真特性の面からは順層型が好ましい。
【0078】
電荷発生層は、スーダンレッドおよびダイアンブルーなどのアゾ顔料や、ピレン、キノンおよびアントアントロンなどのキノン顔料や、キノシアニン顔料や、ペリレン顔料や、インディゴおよびチオインディゴなどのインディゴ顔料や、オキシチタニウムフタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、シリコーンフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料などの電荷発生物質を、ポリビニルブチラール、ポリスチレンおよびポリ酢酸ビニルおよびアクリル樹脂などの結着樹脂に分散した分散液を塗布し、乾燥するか、上記顔料を真空蒸着することによって形成する。
【0079】
電荷発生物質としては、上に挙げたものの中でも、高感度であるという非常に好ましい特性を有しているが高湿環境下において微小な黒点が多数生じ、地カブリに近い画像になる黒点カブリの現象が起こりやすく、使用状態に制約が生じる事も有り下地を選ぶ傾向にあったフタロシアニン顔料については好適であり、さらには、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンなどのガリウムフタロシアニンや、オキシチタニウムフタロシアニンがより好ましい。
【0080】
電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.01〜3μmである。
【0081】
電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレンおよびフェナントレンなどの構造を有する多環芳香族化合物や、インドール、カルバゾール、オキサジアゾールおよびピラゾリンなどの含窒素環化合物や、ヒドラゾン化合物およびスチリル化合物などの電荷輸送物質を、成膜性を有する結着樹脂に溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成する。
【0082】
成膜性を有する結着樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステルおよびポリアリレートなどが挙げられる。
【0083】
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは8〜30μmである。
【0084】
単層型の感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂に分散および溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成する。
【0085】
感光層の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0086】
本発明の電子写真感光体の感光層は、上に挙げたような電子輸送物質を含有することが好ましい。
【0087】
感光層に電子輸送物質を添加することによって、感光層と中間層の界面における感光層から中間層への電子の移動が円滑に行われると考えられる。
【0088】
したがって、感光層に電子輸送物質を添加する場合には中間層と界面で接触している層に添加することが好ましい。例えば、支持体側から中間層、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した場合は、電荷発生層に電子輸送物質を添加することが好ましい。
【0089】
感光層に添加する電子輸送物質は、中間層に使用した電子輸送物質と同一の物質であることが層間の電荷の受け渡しが円滑に行われるという点でより好ましい。
【0090】
また、本発明においては、感光層上に感光層を保護することを目的として保護層を設けてもよい。
【0091】
保護層を構成する材料としては、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、フェノール、アクリル、シリコーン、エポキシ、ユリア、アリル、アルキッド、ブチラール、フェノキシ、ホスファゼン、アクリル変性エポキシ、アクリル変性ウレタンおよびアクリル変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0092】
保護層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましい。
【0093】
以上の各層には、クリーニング性や耐摩耗性などの改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系ブロックポリマー、シリコーン系ブロックポリマーおよびシリコーン系オイルなどの潤滑剤を含有させてもよい。
【0094】
さらに、耐候性を向上させる目的で、酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。
【0095】
また、保護層には、抵抗制御の目的で、導電性酸化スズおよび導電性酸化チタニウムなどの導電性粉体を分散してもよい。
【0096】
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の1例を示す。
【0097】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0098】
電子写真感光体1は、回転過程において、(一次)帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0099】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0100】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0101】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0102】
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器でもよく、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状など公知の形態が使用される接触型帯電器(接触帯電手段)を用いてもよい。接触型帯電器の部材の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。
【0103】
接触帯電部材に印加される電圧としては、直流電圧のみでもよく、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧でもよい。
【0104】
ここでいう振動電圧とは、時間とともに周期的に電圧値が変化する電圧であり、交流電圧は、直流電圧のみ印加時における電子写真感光体の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有することが好ましい。
【0105】
接触帯電手段を用いる場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0106】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
【0107】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0108】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0109】
【実施例】
以下、実施例にしたがって、本発明をより一層詳細に説明する。
【0110】
(実施例1)
JIS規格のA3003材のアルミニウム合金をポートホール押し出し加工によりシリンダー状に加工したものを用意し、このシリンダーの外表面をダイヤモンドバイトにより鏡面切削し、外径29.92mm、内径28.5mm、長さ260.5mm、外表面の十点平均表面粗さRzの値を0.1μmとし、さらにこの支持体を、20μm径の球状アルミナビーズと水を用いて液体ホーニング法により、アルミナビーズと水の混合したものをシリンダーの表面に吐出することにより表面を粗面加工し、表面のRzの値が0.48μmである電子写真感光体用支持体とした。
【0111】
この支持体上に、下記式(17‐1)および(17‐2)で示される構造を有する2種類の材料の混合物10質量部に、N−メチル−2−ピロリドンとシクロヘキサノンの混合比1:2の混合溶剤90質量部を加えた溶液を、浸漬塗布により塗工した後に、150℃の温度で30分間乾燥し、下記式(17−3)で示される繰り返し構造単位を有するイミド樹脂を含有する膜厚1μmの中間層を形成した。
【0112】
化23
Figure 0003958154
【0113】
化24
Figure 0003958154
【0114】
化25
Figure 0003958154
(l、mおよびnは正の整数を表わす。)
【0115】
次に、この中間層上にヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製)3質量部およびシクロヘキサノン40質量部からなる混合液をサンドミルで10時間分散した後テトラヒドロフラン60質量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合し、上記中間層上に浸漬塗布し、さらに100℃で10分間乾燥して膜厚0.1μの電荷発生層を形成した。
【0116】
次に、下記式(18)で示されるトリアリールアミン化合物50質量部およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂50質量部を、モノクロロベンゼン400質量部に溶解した溶液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃の雰囲気中で1時間加熱乾燥して膜厚17μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0117】
化26
Figure 0003958154
【0118】
(実施例2〜5)
実施例1において液体ホーニング時の吐出圧を変化させることにより表面の十点平均粗さRzの値が0.6μm、1.0μm、1.5μm、2.0μmのシリンダー支持体を作製し、これらの表面に実施例1と同様の中間層、感光層を形成した。
【0119】
これらを表面粗さが小さいものから順に実施例2、3、4、5とする。
【0120】
(比較例1および2)
実施例1において、ホーニング時の吐出圧を変化させて支持体の表面粗さRzの値を0.4μm、2.1μmとした以外は、実施例1と同様である電子写真感光体を作製した。
【0121】
これらを順に比較例1、2とした。
【0122】
(実施例6〜11)
実施例3において、中間層の膜厚を0.2μm、0.3μm、0.6μm、2.0μm、3.0μm、5.0μmとしたものを、順に実施例6〜11とした。
【0123】
(比較例3、4)
実施例3において、中間層の膜厚を0.1μm、6.0μmとしたものを、順に比較例3、4とした。
【0124】
(実施例12〜16)
実施例1〜5において、支持体上にフェノール樹脂4部、化合物例(1−1)2部、メトキシプロパノール50部、ベンジルアルコール50部、メタノール10部からなる中間層塗料を調整して塗布し、145℃で20分間乾燥して膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0125】
この中間層上に実施例1〜5と同様に感光層を形成して電子写真感光体とした。
【0126】
これらを順に実施例12〜16とした。
【0127】
(実施例17〜23
実施例14において、中間層に使用する電子輸送物質として、化合物(1−1)のかわりに、それぞれ(1−3)、(1−10)、(1−19)、(1−26)、(1−35)、(1−48)、(2−1)を用いて中間層を形成したものを、順に実施例17〜23とした。
【0128】
(比較例5〜9)
実施例1〜5において、それぞれ中間層としてポリイミド樹脂のかわりにアルコール可溶性のポリアミド樹脂をメタノールとブタノールに3:1の混合溶媒に溶解したものを浸漬法により支持体上に塗布して100℃の温度で10分間乾燥して1.0μmの膜厚とした以外は、実施例1〜5と同様にしたものを、順に比較例5〜9とした。
【0129】
(比較例10〜17
実施例14および17〜23において、中間層のバフェノール樹脂をアルコール可溶性ポリアミド樹脂に変更したものを、順に比較例10〜17とした。
【0130】
このようにして作製した実施例1〜23および比較例1〜17の各電子写真感光体を、市販のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet 4000,日本ヒューレット・パッカード(株)社製)の改造機(レーザー光量および帯電電位可変)に取り付け、暗部電位(VD)が−700Vになるように帯電し、これに発光波長λが800nmのレーザー光を照射して明部電位(VL)が−150Vになるのに必要な光量を測定し感度とした。
【0131】
電子写真感光体の表面電位は、評価機から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向の中央とした。
【0132】
測定はすべて、25℃、相対湿度が50%となる環境で評価を行い、電子写真感光体は、測定の24時間前から、測定環境に放置したものを用いた。
【0133】
さらに、1μJ/cmの光量を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。
【0134】
また、この電子写真感光体を30℃、80%Rhの環境下に24時間以上放置した状態で、同様に明部電位を測定した。同時にベタ白画像を出した。
【0135】
さらに、常温常湿環境において繰り返し画像出し耐久試験を5000枚行った後の、暗部電位および明部電位の初期との変動量ΔVDおよびΔVLを測定した。
【0136】
さらに、この電子写真感光体の中間層と同様の層(体積抵抗率評価用)を作製し、それを30℃、80%Rhの環境下で24時間放置した状態で、クシ型電極を使用して10Vの電圧を加して体積抵抗率を測定した。
【0137】
評価結果を表2、3に示す。
【0138】
表2
Figure 0003958154
【0139】
表3
Figure 0003958154
【0140】
次に、実施例1〜16および比較例1〜9に関して画像を出した際の干渉縞および画像ゴーストについて調べたところ、表4に示すようになった。
【0141】
ゴースト評価は5mm×5mm角の黒い正方形(■)および5mm径の黒丸(●)がある画像を印刷した後に続けてハーフトーン画像を印刷し、このハーフトーン画像に黒い正方形、および黒丸の画像の残像が重なって印刷されていないかどうかを比較することによって行った。
【0142】
【表4】
Figure 0003958154
【0143】
以上の結果から分かるように、実施例においては、電位安定性、画像共に良好な感光体が得られているが、比較例においては、感度、残留電位、電位安定性あるいは画像特性において何らかの不具合が発生していることが分かる。
【0144】
(実施例2731
実施例1において支持体をホーニング加工する際の吐出圧を変更して、シリンダー支持体の外径表面の十点平均粗さRzの値を0.24μm、0.3μm、0.6μm、0.8μm、1.0μmとしたものを用意した。
【0145】
これらの支持体上に、下記式(19)で示される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂を実施例1と同様の方法で1μmの厚さに形成して中間層とした。
【0146】
化27
Figure 0003958154
nは正の整数。
【0147】
さらに、この上に実施例1と同様の感光層を形成したものを表面粗さの小さいものから、順に実施例2731とした。
【0148】
(実施例3235
実施例29において、中間層の膜厚を0.3μm、0.6μm、3.0μm、5.0μmとしたものを、順に実施例3235とした。
【0149】
(比較例2125
実施例27において、アルミニウム支持体の外径表面粗さRzの値を0.2μm、1.1μmとしたものを、順に比較例2122とする。
【0150】
また、実施例29において、中間層の厚さを0.1μm、6.0μmとしたものを、順に比較例2324とした。
【0151】
さらに、実施例29において、中間層を比較例5と同様に膜厚1.0μmのアルコール可溶性ポリアミドとしたものを比較例25とした。
【0152】
次に、市販のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet 4000,日本ヒューレット・パッカード(株)社製)の改造機(レーザー光量および帯電電位可変)に市販の発光波長λが400nmである半導体ダイオードレーザー(日亜化学株式会社製)を取り付けた評価機を使用して実施例2735および比較例2125を評価した。
【0153】
評価結果を表5、6に示す。
【0154】
表5
Figure 0003958154
【0155】
表6
Figure 0003958154
【0156】
以上の評価より、実施例では、良好な特性の電子写真感光体が得られたが、比較例の電子写真感光体には、いずれかの項目において不都合が発生していることが分かる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体レーザーによって表面に静電潜像が形成される、中間層を有する電子写真感光体においても、画像欠陥が発生せず、電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の1例である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール

Claims (7)

  1. 支持体上に中間層、感光層をこの順に有し、該感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する電子写真感光体であって、半導体レーザーによって表面に静電潜像が形成される電子写真感光体において、
    該中間層が下記式(1)、(2−1)及び(16)で示される化合物から選ばれる電子輸送物質を含有し、
    30℃、80%RH環境下での該中間層の体積抵抗率が、1×1012Ω・cm以上であり、
    該支持体の該感光層側表面の十点平均粗さ(Rz)の、該半導体レーザーの波長(λ)に対する比の値(Rz/λ)が、0.6以上2.5以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体
    Figure 0003958154
    (式(1)中、R 11 は、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示し、R 12 〜R 15 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸エステル基、置換基を有してもよいアルキル基を示す。
    11 は、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、下記式(101)または(102)で示される構造を有する2価の基を示す;
    Figure 0003958154
    Figure 0003958154
    (式(101)、(102)中、R 1011 〜R 1014 、R 1021 、R 1022 は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示し、nは、0または1を示す));
    Figure 0003958154
    Figure 0003958154
    (式(16)中、A 161 は、下記式(16−1)または(16−2)で示される構造を有する2価の基を示す;
    −Ar 1611 (16−1)
    −Ar 1621 −X 1621 −Ar 1622 (16−2)
    (式(16−1)中のAr 1611 は、置換または無置換の2価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の2価の芳香族複素環基を示し、式(16−2)中のAr 1621 、Ar 1622 は、それぞれ独立に、置換または無置換の2価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の2価の芳香族複素環基を示し、X 1621 は、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換のアルキレン基、カルボニル基、または、スルホニル基を示す))。
  2. 前記中間層の膜厚が0.3〜5μmである請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記中間層に含有される電子輸送物質が電子輸送性樹脂であり、該電子輸送性樹脂が該中間層の結着樹脂である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生物質がフタロシアニン顔料である請求項1〜に記載の電子写真感光体。
  5. 前記フタロシアニン顔料がガリウムフタロシアニンである請求項に記載の電子写真感光体。
  6. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
    該電子写真感光体が、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であり、
    該電子写真装置が、半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、
    該電子写真感光体が、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であり、
    該露光手段が、半導体レーザーによって該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する手段である
    ことを特徴とする電子写真装置。
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