JP2001526106A - 環式カーボネートの使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、以下の式(Ｉ)： 【化１】 [式中、Ｒ¹およびＲ²は、互いに独立して、水素または１〜１０個の炭素原子を含む所望によりヒドロキシ置換されたアルキル基である]で示される環式カーボネートを、界面活性調製物の製造における乳化剤として使用することに関する。この環式カーボネートは、それ以外の方法では乳化するのが困難である活性物質を化粧製剤に導入することを可能にし、また、回復特性をも有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 (技術分野) 本発明は、環式カーボネートを、乳化剤、シリコーン油の代替物およびコンデ
ィショナーとして使用することに関する。

【０００２】 (背景技術) 乳化特性を有する多くの化合物が従来技術から既知である。この点で特に重要
な化合物は、非イオン性界面活性剤、例えば脂肪アルコールポリグリコールエー
テルである。しかし、いわゆる「知的」な化粧品粗原料が満たさなければならな
いさらに厳格な経済的要求の増加に鑑みて、乳化特性を持つだけでなく、最終配
合物において他の機能をも発揮することができる生成物が必要とされている。こ
の目的は、こうすることによって個々の成分の数を減少させ、調製物を、より容
易にかつより低いコストで製造しうるようにすることである。特に、他の方法で
は乳化するのが困難である活性物質(例えば、ふけ防止剤クリムバゾール)を配合
物中に安定に導入することを可能にし、同時に、化粧品調製物中のシリコーン油
を置換または少なくとも部分的に置換することができる(即ち、満足しうるコン ディショニング特性および帯電防止特性を有する)乳化剤が必要とされている。 本発明が指向する課題は、このような「多機能化合物」を提供することであった
。

【０００３】 (発明の開示) 本発明は、以下の式(Ｉ)：

【化２】 [式中、Ｒ¹およびＲ²は、互いに独立して、水素または１〜３０個、好ましくは ６〜１０個の炭素原子を含む所望によりヒドロキシ置換されたアルキル基である
] で示される環式カーボネートを、界面活性調製物、例えば化粧品調製物、洗濯洗
剤、食器洗剤およびクリーナー、コンディショニング剤およびラッカーおよびペ
イントを製造するための乳化剤として使用することに関する。

【０００４】 驚くべきことに、環式カーボネートが、優れた乳化特性を示し、さらに特に、
他の方法では乳化するのが困難である活性物質を、どのような曇りを引き起こす
こともなく配合物中に安定に導入することを可能にすることを見い出した。別の
利点は、環式カーボネートが多機能化合物であること、即ち、その乳化特性とは
別に、これら化合物が化粧品調製物の製造に特に重要であることである。この理
由は、これら化合物が、長い毛髪にとって特に重要である乾燥櫛入れ性(dry com
bability)を予想外に改善し、さらにこの点に関して、この目的に既知である市 販のシリコーン油よりも優れているためである。

【０００５】 (発明を実施するための最良の形態) 環式カーボネート 環式カーボネートは、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートと、
グリセロールまたは隣接ジオール(好ましくは１,２-ジオール)とのエステル交換
によって製造される。適当な環式カーボネートの代表例は、上記の低級ジアルキ
ルカーボネートと、エチレングリコール、ペンタン-１,２-ジオール、ヘキサン-
１,２-ジオール、オクタン-１,２-ジオール、デカン-１,２-ジオール、ドデカン
-１,２-ジオールおよびヘキサデカン-１,２-ジオールとのエステル交換生成物で
ある。これらジオールは、対応する末端オレフィンエポキシドの水による開環に
よって製造されるのが普通である。内部オレフィンエポキシドに基づいて得た１
,２-ジオールも、勿論、出発物質として同様に使用することができる。効果の観
点から、グリセロールカーボネートを使用するのが好ましい。本発明の界面活性
組成物中の環式カーボネートの含有率(％)は、０.０１〜５０重量％であってよ く、好ましくは０.１〜３０重量％であり、さらに好ましくは５〜１０重量％で ある。

【０００６】 界面活性剤 環式カーボネートを、適合性の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および両
性または双性イオン性界面活性剤と共に、界面活性組成物において使用すること
ができる。陰イオン性界面活性剤の代表例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネ
ート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスル
ホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネー ト、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェー
ト、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロ
キシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪
酸アミド(エーテル)スルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、
モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石
鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシ
ネート、脂肪酸タウリド、Ｎ-アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、ア シルタルタレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテートなど、アル
キルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、コムギに 基づく植物生成物)およびアルキル(エーテル)ホスフェートである。この陰イオ ン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有している場合には、これらは
通常の同族体分布を有することができるが、好ましくは狭い範囲の同族体分布を
有する。

【０００７】 非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、
脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、ア
ルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、所望により
部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸
誘導体、脂肪酸-Ｎ-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギ に基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエ ステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤が
ポリグリコールエーテル鎖を含有している場合には、これらは通常の同族体分布
を有することができるが、好ましくは狭い範囲の同族体分布を有する。

【０００８】 陽イオン性界面活性剤の代表例は、第四アンモニウム化合物およびエステルク
アット(esterquat)、より具体的には第四級化した脂肪酸トリアルカノールアミ ンエステル塩である。

【０００９】 両性または双性イオン性界面活性剤の代表例は、アルキルベタイン、アルキル
アミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウ
ムベタインおよびスルホベタインである。

【００１０】 上記した界面活性剤の全ては既知の化合物である。これら化合物の構造および
製造に関する情報は、関連の概説書に見ることができる。例えば、ファルベ(J.F
albe)編の「消費製品中の界面活性剤」[Springer Verlag, Berlin, 1987, p.54-
124]またはファルベ編の「触媒、界面活性剤および鉱油添加剤」[Thieme Verlag
, Stuttgart, 1978, p.123-217]を参照。

【００１１】 環式カーボネートを、アルキルエーテルスルフェートおよび／またはアルキル
および／またはアルケニルオリゴグリコシドと共に使用するのが好ましい。環式
カーボネートと界面活性剤の重量比は、９９：１〜１：９９であってよく、好ま
しくは９０：１０〜１０：９０であり、より好ましくは７５：２５〜２５：７５
であり、さらに好ましくは６０：４０〜４０：６０である。界面活性剤は、組成
物の１〜５０重量％を構成していてよく、好ましくは５〜３０重量％を構成し、
さらに好ましくは１５〜２５重量％を構成する。

【００１２】 油成分 環式カーボネートを、界面活性組成物(特に、化粧品調製物)の製造のための油
成分と共に使用することができる。適当な油成分は、例えば、６〜１８個、好ま
しくは８〜１０個の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、
直鎖Ｃ_6-22脂肪酸と直鎖Ｃ_6-22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖Ｃ_6-13カル
ボン酸と直鎖Ｃ_6-22脂肪アルコールとのエステル、直鎖Ｃ_6-22脂肪酸と分岐鎖ア
ルコール(より具体的には、２-エチルヘキサノール)とのエステル、直鎖および ／または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイ マージオールまたはトリマートリオール)および／またはゲルベアルコールとの エステル、Ｃ_6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、Ｃ_6-18脂肪酸に基づく液体の
モノ／ジ／トリグリセリド混合物、Ｃ_6-22脂肪アルコールおよび／またはゲルベ
アルコールと芳香族カルボン酸(より具体的には、安息香酸)とのエステル、Ｃ_{2- 12} ジカルボン酸と１〜２２個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコールまた
は２〜１０個の炭素原子および２〜６個のヒドロキシル基を含むポリオールとの
エステル、植物油、分岐鎖の第一アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖Ｃ_6-22 脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および／ま
たは分岐鎖Ｃ_6-22アルコールとのエステル[例えば、フィンソルブ(Finsolv^R)Ｔ Ｎ]、ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環 生成物、シリコーン油および／または脂肪族またはナフテン系炭化水素である。
この油成分は、界面活性組成物の５〜８５重量％、好ましくは１０〜７０重量％
、さらに好ましくは１５〜５０重量％を構成する。

【００１３】 環式カーボネートを、共乳化剤と共に使用することができる。適当な共乳化剤
は、例えば、以下に挙げる群の少なくとも１つに由来する非イオン性界面活性剤
である： (ａ１)８〜２２個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールとの、１２〜２２個の
炭素原子を含む脂肪酸との、およびアルキル基に８〜１５個の炭素原子を含むア
ルキルフェノールとの、エチレンオキシド２〜３０モルおよび／またはプロピレ
ンオキシド０〜５モルの付加物； (ａ２)グリセロールとのエチレンオキシド１〜３０モルの付加物のＣ_12/18脂 肪酸モノエステルおよびジエステル； (ａ３)６〜２２個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモ
ノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルな
らびにそのエチレンオキシド付加物； (ａ４)アルキル基に８〜２２個の炭素原子を含むアルキルモノおよびオリゴグ
リコシドならびにそのエトキシル化同族体； (ａ５)ヒマシ油および／または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド１５〜６
０モルの付加物； (ａ６)ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリ
セロールポリリシノレエート、ポリグリセロールポリ-１２-ヒドロキシステアレ
ートまたはポリグリセロールジメレート(これら群のいくつかからの化合物の混 合物も適する)； (ａ７)ヒマシ油および／または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド２〜１５
モルの付加物； (ａ８)直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和のＣ_12/22脂肪酸、リシノール酸およ び１２-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタ エリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトー ル)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウ
リルグルコシド)およびポリグルコシド(例えば、セルロース)に基づく部分エス テル； (ａ９)モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートおよびモノ、ジおよび／また
はトリ-ＰＥＧ-アルキルホスフェート； (ａ１０)羊毛ワックスアルコール； (ａ１１)ポリシロキサン／ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応す
る誘導体； (ａ１２)ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混
合エステル(ドイツ特許ＤＥ-ＰＳ１１６５５７４)および／または６〜２２個の 炭素原子を含む脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくは、グリ セロール)の混合エステル；および (ａ１３)ポリアルキレングリコール。

【００１４】 脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノエ
ステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルとの、
またはヒマシ油との、エチレンオキシドおよび／またはプロピレンオキシドの付
加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体混合物であり、その平均
のアルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび／または
プロピレンオキシドの量の間の比に対応する。グリセロールとのエチレンオキシ
ドの付加物のＣ_12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、ドイツ特許ＤＥ-
ＰＳ２０２４０５１から、化粧品配合物のための再脂肪化剤として知られている
。

【００１５】 Ｃ_8/18アルキルモノおよびオリゴグリコシド、その製造およびその界面活性剤
としての使用は、従来技術から既知である。これらは、具体的には、グルコース
またはオリゴ糖を第一Ｃ_8/18アルコールと反応させることによって製造される。
グリコシド単位に関する限り、モノグリコシド(環式糖単位が、グリコシド結合 によって脂肪アルコールに結合している)およびオリゴマーグリコシド(好ましく
は約８までのオリゴマー化度を有する)が適している。オリゴマー化度は統計学 的平均値であり、このような工業製品に典型的な同族体分布はこれに基づいてい
る。

【００１６】 さらに、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することもできる。双性
イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも１つの第四アンモニウム基および少
なくとも１つのカルボキシレートおよび１つのスルホネート基を含有する界面活
性化合物である。特に適する双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例
えばＮ-アルキル-Ｎ,Ｎ-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココナツア
ルキルジメチルアンモニウムグリシネート、Ｎ-アシルアミノプロピル-Ｎ,Ｎ-ジ
メチルアンモニウムグリシネート、例えばココナツアシルアミノプロピルジメチ
ルアンモニウムグリシネート、および２-アルキル-３-カルボキシメチル-３-ヒ ドロキシエチルイミダゾリン(アルキル基またはアシル基に８〜１８個の炭素原 子を含む)、およびココナツアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメ チルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのＣＴＦＡ名称のもとで既
知である脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。

【００１７】 両性界面活性剤も適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、Ｃ_8/18アルキル基
またはアシル基に加えて、分子中に少なくとも１つの遊離アミノ基および少なく
とも１つの−ＣＯＯＨ基または−ＳＯ₃Ｈ基を含有し、内部塩を形成することが できる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、Ｎ-アルキルグリ シン、Ｎ-アルキルプロピオン酸、Ｎ-アルキルアミノ酪酸、Ｎ-アルキルイミノ ジプロピオン酸、Ｎ-ヒドロキシエチル-Ｎ-アルキルアミドプロピルグリシン、 Ｎ-アルキルタウリン、Ｎ-アルキルサルコシン、２-アルキルアミノプロピオン 酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基に約８〜１８個の炭素原子を含む)であ
る。特に好ましい両性界面活性剤は、Ｎ-ココナツアルキルアミノプロピオネー ト、ココナツアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびＣ_12/18アシルサ ルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級の乳化剤を使用することもできる
。エステルクアット(esterquat)型の乳化剤、特にメチルで第四級化したジ脂肪 酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。これら共乳化剤は、界面活
性組成物の１〜２５重量％、好ましくは３〜１５重量％、さらに好ましくは５〜
１０重量％を構成することができる。

【００１８】 活性物質 本発明に従って使用する環式カーボネートの１つの特別の利点は、この化合物
の助けにより、他の方法では乳化するのが困難である活性物質を、どのような曇
りも起こすことなく、配合物中に安定に導入しうることである。適当な生物起源
の薬剤は、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロール
パルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール
、アラントイン、ピタントリオール、パンテノール、ＡＨＡ酸、アミノ酸、セラ
ミド、偽セラミド、精油、植物抽出物およびビタミン複合体である。適当なふけ
防止剤は、オクトピロックス、亜鉛ピリチオンおよび特にクリムバゾールである
。これらの活性物質は、本発明の界面活性組成物の０.１〜５重量％、好ましく は０.５〜３重量％、さらに好ましくは１〜２重量％を構成することができる。

【００１９】 真珠色化ワックス また、環式カーボネートは、特にアルキルグルコシドおよびシリコーン油と共
に、真珠色化ワックスのための乳化剤としても特に適している。適当な真珠色化
ワックスは、例えば、アルキレングリコールエステル；脂肪酸アルカノールアミ
ド；部分グリセリド；多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と
、６〜２２個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル；合計して少なくと
も２４個の炭素原子を含む脂肪化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、
脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート；脂肪酸；１２〜２２個
の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、１２〜２２個の炭素原子を含む脂肪
アルコールおよび／または２〜１５個の炭素原子および２〜１０個のヒドロキシ
ル基を含むポリオールによる開環生成物；およびこれらの混合物である。

【００２０】 アルキレングリコールエステル 通常、アルキレングリコールエステルは、以下の式(II)で示されるアルキレン
グリコールのモノエステルおよび／またはジエステルである：

【化３】 Ｒ³ＣＯ(ＯＡ)_nＯＲ⁴ (II) [式中、Ｒ³ＣＯは、６〜２２個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の飽和または
不飽和のアシル基であり、Ｒ⁴は、水素またはＲ³ＣＯと同じ意味を持ち、Ａは２
〜４個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、ｎは１〜５の
数である]。 その代表例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレン
グリコールと、６〜２２個、好ましくは１２〜１８個の炭素原子を含む脂肪酸、
例えばカプロン酸、カプリル酸、２-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン 酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステ
アリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘ
ン酸およびエルカ酸およびこれらの工業用混合物とのモノエステルおよび／また
はジエステルである。エチレングリコールモノステアレートおよび／またはジス
テアレートが特に好ましい。

【００２１】 脂肪酸アルカノールアミド 真珠色化ワックスとして適する脂肪酸アルカノールアミドは、以下の式(III) で示される：

【化４】 Ｒ⁵ＣＯ-ＮＲ⁶-Ｂ-ＯＨ (III) [式中、Ｒ⁵ＣＯは、６〜２２個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の飽和または
不飽和のアシル基であり、Ｒ⁶は、水素または１〜４個の炭素原子を含む所望に よりヒドロキシ置換されたアルキル基であり、Ｂは１〜４個の炭素原子を含む直
鎖または分岐鎖のアルキレン基である]。 その代表例は、エタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、プロパノールアミン、メチルプロパノールアミンおよびジプロパノールアミ
ンおよびこれらの混合物と、カプロン酸、カプリル酸、２-エチルヘキサン酸、 カプリル酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パ
ルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸
、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸
、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸およびこれらの工業用混合物との縮合
生成物である。ステアリン酸エタノールアミドが特に好ましい。

【００２２】 部分グリセリド 真珠色化する性質を有する部分グリセリドは、グリセロールと脂肪酸との、即
ち例えばカプロン酸、カプリル酸、２-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリ ン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、
リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベ
ヘン酸およびエルカ酸およびこれらの工業用混合物とのモノエステルおよび／ま
たはジエステルである。

【００２３】 これらは、以下の式(IV)で示される：

【化５】 [式中、Ｒ⁷ＣＯは、６〜２２個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアシル基 であり、Ｒ⁸およびＲ⁹は、互いに独立して、水素またはＲ⁷ＣＯと同じ意味を持 ち、ｘ、ｙおよびｚは共に、０または１〜３０の数であり、Ｘはアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属である；ただし、２つの置換基Ｒ⁸およびＲ⁹の少なくとも
一方は水素である]。 その代表例は、ラウリン酸モノグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、ココナツ
脂肪酸モノグリセリド、ココナツ脂肪酸トリグリセリド、パルミチン酸モノグリ
セリド、パルミチン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ
ン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリ
セリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、獣脂脂肪酸モノ
グリセリド、獣脂脂肪酸ジグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、ベヘン酸ジグ
リセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリドおよびこれらの工業
用混合物(製造過程に由来するトリグリセリドを少量で含んでいることもある)で
ある。

【００２４】 多塩基性カルボン酸およびヒドロキシカルボン酸のエステル 他の適当な真珠色化ワックスは、多塩基性の所望によりヒドロキシ置換された
カルボン酸と、６〜２２個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステルである
。これらエステルの酸成分は、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、
より具体的には、コハク酸、さらにリンゴ酸、クエン酸、さらに具体的には、酒
石酸およびこれらの混合物から選択することができる。脂肪アルコールは、その
アルキル鎖に６〜２２個、好ましくは１２〜１８個、さらに好ましくは１６〜１
８個の炭素原子を含有する。その代表例は、カプロンアルコール、カプリルアル
コール、２-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコ ール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、
パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール
、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リ
ノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラ
キルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコ
ール、ブラシジルアルコールおよびこれらの工業用混合物である。これらエステ
ルは、完全エステルまたは部分エステルとして存在することができる。カルボン
酸またはヒドロキシカルボン酸のモノエステル、特にジエステルを使用するのが
好ましい。その代表例は、コハク酸のモノおよびジラウリルエステル、コハク酸
のモノおよびジセテアリルエステル、コハク酸のモノおよびジステアリルエステ
ル、酒石酸のモノおよびジラウリルエステル、酒石酸のモノおよびジココナツア
ルキルエステル、酒石酸のモノおよびジセテアリルエステル、クエン酸のモノ、
ジおよびトリラウリルエステル、クエン酸のモノ、ジおよびトリココナツアルキ
ルエステルおよびクエン酸のモノ、ジおよびトリセテアリルエステルである。

【００２５】 脂肪アルコール 別の群の真珠色化ワックスは、以下の式(Ｖ)で示される長鎖の脂肪アルコール
である：

【化６】 Ｒ¹⁰ＯＨ (Ｖ) [式中、Ｒ¹⁰は、２４〜４８個、好ましくは３２〜３６個の炭素原子を含む直鎖 アルキル基である]。 通常、これら物質は長鎖パラフィンの酸化生成物である。

【００２６】 脂肪ケトン 成分(ａ)として適する脂肪ケトンは、好ましくは以下の式(VI)で示される：

【化７】 Ｒ¹¹-ＣＯ-Ｒ¹² (VI) [式中、Ｒ¹¹およびＲ¹²は、互いに独立して、１〜２２個の炭素原子を含むアル キル基および／またはアルケニル基である；ただし、これらは合計して、少なく
とも２４個、好ましくは３２〜４８個の炭素原子を含有する]。 これらのケトンは、既知の方法によって、例えば対応する脂肪酸マグネシウム塩
の熱分解によって製造することができる。これらケトンは、対称または非対称で
あってよいが、２つの置換基Ｒ¹¹およびＲ¹²は、１個の炭素原子のみによって互
いに異なっているのが好ましく、１６〜２２個の炭素原子を含む脂肪酸から導か
れる。ステアロンは、特に有利な性質によって区別される。

【００２７】 脂肪アルデヒド 真珠色化ワックスとして適する脂肪アルデヒドは、以下の式(VII)で示される ：

【化８】 Ｒ¹³ＣＯＨ (VII) [式中、Ｒ¹³ＣＯは、２４〜４８個、好ましくは２８〜３２個の炭素原子を含む 直鎖または分岐鎖のアシル基である]。

【００２８】 脂肪エーテル 他の適当な真珠色化ワックスは、以下の式(VIII)で示される脂肪エーテルであ
る：

【化９】 Ｒ¹⁴-Ｏ-Ｒ¹⁵ (VIII) [式中、Ｒ¹⁴およびＲ¹⁵は、互いに独立して、１〜２２個の炭素原子を含むアル キル基および／またはアルケニル基である；ただし、これらは合計して、少なく
とも２４個、好ましくは３２〜４８個の炭素原子を含有する]。 通常、この種の脂肪エーテルは、対応する脂肪アルコールの酸性縮合によって製
造される。特に有利な真珠色化特性を有する脂肪エーテルは、１６〜２２個の炭
素原子を含む脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、セテアリルアルコール
、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベ
ヘニルアルコールおよび／またはエルシルアルコールの縮合によって得られる。

【００２９】 脂肪カーボネート 成分(ａ)を、以下の式(IX)で示される脂肪カーボネートから選択することもで
きる：

【化１０】 Ｒ¹⁶Ｏ-ＣＯ-ＯＲ¹⁷ (IX) [式中、Ｒ¹⁶およびＲ¹⁷は、互いに独立して、１〜２２個の炭素原子を含むアル キル基および／またはアルケニル基である；ただし、これらは合計して、少なく
とも２４個、好ましくは３２〜４８個の炭素原子を含有する]。 この物質は、自体既知の方法により、ジメチルまたはジエチルカーボネートを、
例えば対応する脂肪アルコールでエステル交換することによって得られる。従っ
て、脂肪カーボネートは対称または非対称であることができる。しかし、Ｒ¹⁶お
よびＲ¹⁷が同一であり、１６〜２２個の炭素原子を含むアルキル基であるカーボ
ネートを使用するのが好ましい。セチルアルコール、セテアリルアルコール、ス
テアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニ
ルアルコールおよび／またはエルシルアルコール(これらのモノエステルおよび ジエステルの形態にある)およびこれらの工業用混合物との、ジメチルまたはジ エチルカーボネートのエステル交換生成物が特に好ましい。

【００３０】 脂肪酸 他の適当な真珠色化ワックスは、１６〜２２個の炭素原子を含む脂肪族の所望
によりヒドロキシ置換されたカルボン酸、例えばステアリン酸、セチルステアリ
ン酸、ヒドロキシステアリン酸およびベヘン酸およびこれらの工業用混合物であ
る。

【００３１】 エポキシ開環生成物 この開環生成物は、通常は末端または内部オレフィンエポキシドと脂肪族アル
コールとの酸触媒反応によって得られる既知の物質である。好ましくは、この反
応生成物は、以下の式(Ｘ)で示される：

【化１１】 [式中、Ｒ¹⁸およびＲ¹⁹は、水素または１０〜２０個の炭素原子を含むアルキル
基であり(ただし、Ｒ¹⁸およびＲ¹⁹の炭素原子の合計数は１０〜２０である)、Ｒ ²⁰ は、１２〜２２個の炭素原子を含むアルキル基および／またはアルケニル基お
よび／または２〜１５個の炭素原子および２〜１０個のヒドロキシル基を含むポ
リオールの残基である]。 その代表例は、α-ドデセンエポキシド、α-ヘキサデセンエポキシド、α-オク タデセンエポキシド、α-エイコセンエポキシド、α-ドコセンエポキシド、ｉ- ドデセンエポキシド、ｉ-ヘキサデセンエポキシド、ｉ-オクタデセンエポキシド
、ｉ-エイコセンエポキシドおよび／またはｉ-ドコセンエポキシドと、ラウリル
アルコール、ココナツ脂肪アルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコー
ル、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール
、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リ
ノリルアルコール、リノレニルアルコール、ベヘニルアルコールおよび／または
エルシルアルコールとの開環生成物である。ヘキサおよび／またはオクタデセン
エポキシドと、１６〜１８個の炭素原子を含む脂肪アルコールとの開環生成物を
使用するのが好ましい。脂肪アルコールの代わりにポリオールを開環反応に使用
するときには、これらは、例えば以下の物質から選択する：グリセロール；アル
キレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよびポリエチレ
ングリコール(１００〜１,０００ダルトンの平均分子量を有する)；自己縮合度 が１.５〜１０である工業用オリゴグリセロール混合物、例えばジグリセロール 含量が４０〜５０重量％である工業用ジグリセロール混合物；メチロール化合物
、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール；低級アルキル
グルコシド、より具体的には、アルキル鎖に１〜８個の炭素原子を含むもの、例
えばメチルおよびブチルグルコシド；５〜１２個の炭素原子を含む糖アルコール
、例えばソルビトールまたはマンニトール、５〜１２個の炭素原子を含む糖、例
えばグルコースまたはスクロース；アミノ糖、例えばグルカミン。

【００３２】 真珠色化濃縮物の場合には、真珠色化ワックスは、界面活性組成物の５〜５０
重量％、好ましくは１０〜３５重量％を構成することができる。最終製品(例え ば、真珠色のシャンプー)の場合には、その濃度は比較的低く、例えば０.５〜５
重量％、好ましくは１〜２重量％である。

【００３３】 (産業上の利用可能性) 環式カーボネートは、優れたコンディショニング特性および帯電防止特性を持
ち、さらにこの点において、既知の市販のシリコーン化合物よりも優れている。
従って、本発明は、これらを、化粧品および／または医薬調製物におけるシリコ
ーン油の代替物として、および化粧品調製物の製造のためのコンディショニング
剤として使用することにも関する。これら調製物において、環式カーボネートは
、１〜５０重量％、好ましくは３〜３０重量％、さらに好ましくは５〜２５重量
％の量で存在することができる。

【００３４】 界面活性組成物 本発明の組成物は、好ましくは化粧品組成物、例えば毛髪シャンプー、毛髪ロ
ーション、発泡浴剤、クリームまたはローションであり、これらは、追加の助剤
および添加剤として、超脂肪化剤、安定剤、稠度因子、増粘剤、陽イオン性ポリ
マー、シリコーン化合物、皮膜形成剤、防腐剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、Ｕ
Ｖフィルター、虫忌避剤、自己褐変剤、芳香油、染料などをさらに含有すること
ができる。

【００３５】 超脂肪化剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化ま
たはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、
モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質から選択することが
できる。脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤としても働く。

【００３６】 主に使用される稠度因子は、１２〜２２個、好ましくは１６〜１８個の炭素原
子を含む脂肪アルコールおよび部分グリセリドである。これらの物質と、アルキ
ルオリゴグルコシドおよび／または脂肪酸Ｎ-メチルグルカミド(同じ鎖長)およ び／またはポリグリセロールポリ-１２-ヒドロキシステアレートとの組合わせを
使用するのが好ましい。

【００３７】 適当な増粘剤は、例えば、多糖、より具体的にはキサンタンゴム、グアール- グアール、寒天-寒天、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロ ースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量の脂肪酸のポリ
エチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート[例えば 、カルボポール(Carbopol^R、Goodrich社)およびシンタレン(Synthalen^R、Sigma 社)]、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン
、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例 えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭 い範囲の脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシドおよび
電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。

【００３８】 適当な陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば
第四級化したヒドロキシエチルセルロース[AmercholからポリマーＪＲ４００^Rの
名称で入手できる]、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリル アミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン／ビニルイミダゾールポリ
マー、例えばルビクアット[Luviquat^R、ＢＡＳＦ社]、ポリグリコールとアミン の縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウ
ムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン[ラメクアット(Lamequat^R)Ｌ、Gruena
u社]、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリ
コーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロ
キシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー[カルタレチン(Cartaretine^R) 、Sandoz社]、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマ ー[メルクアット(Merquat^R)５５０、Chemviron]、ポリアミノポリアミド(例えば
、フランス特許出願公開ＦＲ-Ａ-２２５２８４０に記載)およびその架橋した水 溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化したキトサン(所望に より、微結晶分布している)、ジハロアルキル(例えば、ジブロモブタン)とビス-
ジアルキルアミン(例えば、ビス-ジメチルアミノ-１,３-プロパン)との縮合生成
物、陽イオン性グアールゴム[例えば、Celanese(米国)のジャグアール(Jaguar^R)
ＣＢＳ、ジャグアールＣ-１７、ジャグアールＣ-１６]、第四級化したアンモニ ウム塩ポリマー[例えば、Miranol(米国)のミラポール(Mirapol^R)Ａ-１５、ミラ ポールＡＤ-１、ミラポールＡＺ-１]である。

【００３９】 適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ-、脂肪酸-、アルコール
-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および／またはアルキル-
修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体および樹脂様の両方で あることができる)。

【００４０】 脂肪の代表例はグリセリドである。一方、適当なワックスは、特にミツロウ、
カルナバワックス、カンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワック
スまたは微細ワックスであり、これらを所望により親水性ワックスと、例えばセ
チルステアリルアルコールまたは部分グリセリドと組合わせる。

【００４１】 安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマ
グネシウム、アルミニウムおよび／または亜鉛塩を使用することができる。

【００４２】 通常の皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン
、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン／ビニルアセテートコポリマー、ア
クリル酸系列のポリマー、第四セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸お
よびその塩および同様の化合物である。

【００４３】 水相のための適当な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土無機物、ペムレン(Pem
ulen)およびアルキル修飾したカルボポール型(Goodrich)である。

【００４４】 本発明におけるＵＶ保護因子は、例えば、室温で液体または結晶であり、かつ
、紫外線放射を吸収することができ、吸収したエネルギーを長波長放射(例えば 、熱)の形態で放出することができる有機物質ＵＶフィルターである。ＵＶ-Ｂフ
ィルターは、油溶性または水溶性であることができる。以下に油溶性物質の例を
挙げる： ・３-ベンジリデンカンファーおよびその誘導体、例えば３-(４-メチルベンジリ
デン)カンファー； ・４-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは４-(ジメチルアミノ)安息香酸-２-エチ
ルヘキシルエステル、４-(ジメチルアミノ)安息香酸-２-オクチルエステルおよ び４-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル； ・ケイ皮酸エステル、好ましくは４-メトキシケイ皮酸-２-エチルヘキシルエス テル、４-メトキシケイ皮酸イソペンチルエステル、２-シアノ-３-フェニルケイ
皮酸-２-エチルヘキシルエステル[オクトクリレン(Octocrylene)]； ・サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸-２-エチルヘキシルエステル、サ
リチル酸-４-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル
； ・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは２-ヒドロキシ-４-メトキシベンゾフェノ ン、２-ヒドロキシ-４-メトキシ-４'-メチルベンゾフェノン、２,２'-ジヒドロ キシ-４-メトキシベンゾフェノン； ・ベンザルマロン酸エステル、好ましくは４-メトキシベンザルマロン酸ジ-２- エチルヘキシルエステル； ・トリアジン誘導体、例えば２,４,６-トリアニリノ-(ｐ-カルボ-２'-エチル-１
'-ヘキシルオキシ)-１,３,５-トリアジンおよびオクチルトリアゾン(Octyl Tria
zone)； ・プロパン-１,３-ジオン、例えば１-(４-ｔ-ブチルフェニル)-３-(４'-メトキ シフェニル)-プロパン-１,３-ジオン。

【００４５】 適当な水溶性物質を以下に挙げる： ・２-フェニルベンズイミダゾール-５-スルホン酸、ならびに、そのアルカリ金 属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールア
ンモニウムおよびグルクアンモニウム塩； ・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは２-ヒドロキシ-４-メトキシ ベンゾフェノン-５-スルホン酸およびその塩； ・３-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば４-(２-オキソ-３-ボ
ルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸および２-メチル-５-(２-オキソ-３-ボ ルニリデン)-スルホン酸およびその塩。

【００４６】 代表的なＵＶ-Ａフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば１-
(４'-ｔ-ブチルフェニル)-３-(４'-メトキシフェニル)-プロパン-１,３-ジオン 、４-ｔ-ブチル-４'-メトキシジベンゾイルメタン[パーソル(Parsol)１７８９] または１-フェニル-３-(４'-イソプロピルフェニル)-プロパン-１,３-ジオンで ある。勿論、これらＵＶ-ＡおよびＵＶ-Ｂフィルターを、混合物の形態で使用す
ることもできる。上記した可溶性物質に加えて、不溶性の光遮蔽顔料、即ち微細
に分散させた金属酸化物または金属塩、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄
、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩(タルカム)、
硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛を、上記目的に使用することもできる。こ
れら粒子は、その平均直径が１００ｎｍ未満、好ましくは５〜５０ｎｍ、さらに
好ましくは１５〜３０ｎｍであるべきである。これらの形状は球形であってよい
が、楕円形粒子または他の非球形粒子を使用することもできる。２種類の上記し
た群の一次ＵＶフィルターに加えて、酸化防止剤型の二次フィルター(ＵＶ放射 が皮膚を貫通したときに開始される光化学反応連鎖を遮断する)を使用すること もできる。二次ＵＶフィルターの代表例は、スーパーオキシド-ジスムターゼ、 トコフェロール(ビタミンＥ)およびアスコルビン酸(ビタミンＣ)である。他の適
当なＵＶフィルターは、SOEFW-Journal 122, 543 (1966)中のフィンケル(P.Fink
el)の概説中に見ることができる。

【００４７】 さらに、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたは
ポリオールを用いて、流れ挙動を改善することができる。適当なポリオールは、
２〜１５個の炭素原子および少なくとも２個のヒドロキシル基を含有するのが好
ましい。その代表例を、以下に挙げる： ・グリセロール； ・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよびポリ
エチレングリコール(１００〜１,０００ダルトンの平均分子量を有する)； ・自己縮合度が１.５〜１０である工業用オリゴグリセロール混合物、例えばジ グリセロール含量が４０〜５０重量％である工業用ジグリセロール混合物； ・メチロール化合物、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリト
ール； ・低級アルキルグルコシド、より具体的には、アルキル基に１〜８個の炭素原子
を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド； ・５〜１２個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニ
トール； ・５〜１２個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース； ・アミノ糖、例えばグルカミン。

【００４８】 適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パ
ラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸である。 適当な虫忌避剤は、Ｎ,Ｎ-ジエチル-ｍ-トルアミド、ペンタン-１,２-ジオー ルまたはインセクト・レペレント(Insect Repellent)３５３５である。 適当な自己褐変剤は、ジヒドロキシアセトンである。

【００４９】 適当な芳香油は、花(ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ)、茎および葉( ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コエンドロ、キャラウェ
イ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アン
ゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャ
クダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、バーブおよび草(タラゴン、レモン
グラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹 脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナ ックス)の抽出物である。動物原料、例えばジャコウおよびビーバーを使用する こともできる。適当な合成または半合成の芳香油は、アムブロキサン(Ambroxan)
、オイゲノール、イソオイゲノール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラー
ル、ゲラニオール、シトロネロール、ゲラニルアセテート、シトラール、イオノ
ンおよびメチルイオノンである。

【００５０】 使用する染料は、例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsge
meinschaftの出版物「化粧品用染料」[Verlag Chemie版, Weinheim, 1984, p.81
-106]に挙げられているような、化粧品目的に認められかつ適している物質のい ずれかから選択することができる。通常、これらの染料は、混合物全体を基準に
、０.００１〜０.１重量％の濃度で使用される。

【００５１】 助剤および添加剤の合計含量は、組成物を基準に、１〜５０重量％であってよ
く、好ましくは５〜４０重量％である。組成物を、通常の冷間法または熱間法に
よって製造することができ、好ましくは転相温度法によって製造する。

【００５２】 (実施例) 実施例１および比較例Ｃ１ グリセロールカーボネートを含有する本発明のシャンプーおよびシリコーン油
を含有する比較混合物を用いてシャンプーした後に、湿潤櫛入れ性を試験した。
この比較は、グリセロールカーボネートを含有する配合物がはるかに効果的であ
ることを示す。

【００５３】 実施例２および比較例Ｃ２ グリセロールカーボネートを含有する配合物およびグリセロールカーボネート
を含有しない配合物に、加熱しながら、ふけ防止剤クリムバゾールを導入した。
本発明の配合物２は、透明であり、４０℃で少なくとも４カ月間の貯蔵後であっ
ても安定なままであった。比較配合物Ｃ２は、曇っており、短期間で分離した。

【００５４】 実施例３〜５ 本発明に係るこれら調製物は、乳化剤としてグリセロールカーボネートを含有
する毛髪コンディショナーの例示配合物である。

【００５５】 これらの結果を、以下の表１にまとめる。

【表１】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トルステン・レール ドイツ連邦共和国デー−40597デュッセル ドルフ、ゾフィーエンシュトラーセ２番 (72)発明者 ホルガー・テスマン ドイツ連邦共和国デー−41363ユーヘン、 ウンター・デン・リンデン23番 (72)発明者 ヘルマン・ヘンゼン ドイツ連邦共和国デー−42781ハーン、ラ トマッハーヴェーク13番 Ｆターム(参考） 4C076 AA17 BB31 CC09 DD02 DD05 DD07 DD08F DD09F DD12 DD16 DD34 DD37 DD39 DD40 DD44 DD45 DD46 DD47 DD52 DD59F DD63F DD68F DD69F EE23 EE27 EE53F EE54F 4C083 AA121 AB332 AC031 AC071 AC072 AC091 AC171 AC181 AC182 AC211 AC301 AC331 AC332 AC341 AC351 AC371 AC391 AC401 AC421 AC431 AC441 AC641 AC692 AC781 AC782 AC852 AC901 AD152 AD161 AD191 AD201 AD202 AD701 BB04 BB05 BB06 BB07 BB53 CC01 CC33 CC38 DD01 EE01 EE23 FF01 4D077 AA04 AA09 AB11 AB12 AC01 BA12 BA13 BA14 BA15 DC07X DC16X DC34X DC36X DC48X

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 界面活性調製物を製造するための乳化剤としての、以下の式
   (Ｉ)： 【化１】 [式中、Ｒ¹およびＲ²は、互いに独立して、水素または１〜３０個の炭素原子を 含む所望によりヒドロキシ置換されたアルキル基である] で示される環式カーボネートの使用。
2. 【請求項２】 グリセロールカーボネートを使用することを特徴とする請求
   項１に記載の使用。
3. 【請求項３】 環式カーボネートを、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性
   、両性および／または双性イオン性界面活性剤と共に使用することを特徴とする
   請求項１または２に記載の使用。
4. 【請求項４】 環式カーボネートを、アルキルエーテルスルフェートおよび
   ／またはアルキルおよび／またはアルケニルオリゴグリコシドと共に使用するこ
   とを特徴とする請求項３に記載の使用。
5. 【請求項５】 環式カーボネートを、６〜１８個、好ましくは８〜１０個の
   炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖Ｃ_6-20脂肪酸と
   直鎖Ｃ_6-20脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖Ｃ_6-13カルボン酸と直鎖Ｃ_6-20 脂肪アルコールとのエステル、直鎖Ｃ_6-18脂肪酸と分岐鎖アルコールとのエステ
   ル、直鎖および／または分岐鎖脂肪酸と多価アルコールおよび／またはゲルベア
   ルコールとのエステル、Ｃ_6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、Ｃ_6-22脂肪アル
   コールおよび／またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、ジカ
   ルボン酸エステル、植物油、分岐鎖の第一アルコール、置換シクロヘキサン、ジ
   アルキルカーボネート、ゲルベカーボネート、ジアルキルエーテル、エポキシ化
   脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油および／または脂
   肪族またはナフテン系炭化水素からなる群から選択される油成分と共に使用する
   ことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の使用。
6. 【請求項６】 環式カーボネートを、以下からなる群から選択される共乳化
   剤と共に使用することを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の使用： (ａ１)８〜２２個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールとの、１２〜２２個の
   炭素原子を含む脂肪酸との、およびアルキル基に８〜１５個の炭素原子を含むア
   ルキルフェノールとの、エチレンオキシド２〜３０モルおよび／またはプロピレ
   ンオキシド０〜５モルの付加物； (ａ２)グリセロールとのエチレンオキシド１〜３０モルの付加物のＣ_12/18脂 肪酸モノエステルおよびジエステル； (ａ３)６〜２２個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモ
   ノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステルな
   らびにそのエチレンオキシド付加物； (ａ４)アルキル基に８〜２２個の炭素原子を含むアルキルモノおよびオリゴグ
   リコシドならびにそのエトキシル化同族体； (ａ５)ヒマシ油および／または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド１５〜６
   ０モルの付加物； (ａ６)ポリオールエステル； (ａ７)ヒマシ油および／または水素化ヒマシ油とのエチレンオキシド２〜１５
   モルの付加物； (ａ８)直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和のＣ_6/22脂肪酸、リシノール酸および
   １２-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエ リトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール、アルキルグルコシドお
   よびポリグルコシドに基づく部分エステル； (ａ９)トリアルキルホスフェートおよびモノ、ジおよび／またはトリ-ＰＥＧ-
   アルキルホスフェート； (ａ１０)羊毛ワックスアルコール； (ａ１１)ポリシロキサン／ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応す
   る誘導体； (ａ１２)ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混
   合エステルおよび／または６〜２２個の炭素原子を含む脂肪酸、メチルグルコー
   スおよびポリオールの混合エステル；および (ａ１３)ポリアルキレングリコール。
7. 【請求項７】 環式カーボネートを、活性物質と共に使用することを特徴と
   する請求項１〜６のいずれかに記載の使用。
8. 【請求項８】 環式カーボネートを、以下からなる群から選択される真珠色
   化ワックスと共に使用することを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載の使
   用： (ｂ１)アルキレングリコールエステル； (ｂ２)脂肪酸アルカノールアミド； (ｂ３)部分グリセリド； (ｂ４)多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、６〜２２個
   の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル； (ｂ５)合計して少なくとも２４個の炭素原子を含む脂肪アルコール、脂肪ケト
   ン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび／または脂肪カーボネート； (ｂ６)１６〜２２個の炭素原子を含む脂肪酸およびヒドロキシ脂肪酸；および (ｂ７)１２〜２２個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、１２〜２２個
   の炭素原子を含む脂肪アルコールおよび／または２〜１５個の炭素原子および２
   〜１０個のヒドロキシル基を含むポリオールによる開環生成物。
9. 【請求項９】 化粧品および／または医薬調製物におけるシリコーン油の代
   替物としての環式カーボネートの使用。
10. 【請求項１０】 化粧品調製物の製造のためのコンディショナーとしての環
    式カーボネートの使用。