JPH07500417A - 特異的結合アッセイ用の使用単位の試薬組成物 - Google Patents

Abstract

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Description

【発明の詳細な説明】 特異的結合アッセイ用の使用単位の試薬組成物発明の背景 １、発明の分野 本発明は一般に、アッセイ試薬及び診断アッセイでのアッセイ試薬の使用の分野 に関する。本発明は特に、診断アッセイで特に有利な使用単位の凍結乾燥試薬組 成物に関する。

２、関連技術の説明 テストサンプル（例えば体液）中に問題となる又は臨床的に重要な物質が存在す るか及び／又はその量を決定するために、診断アッセイでは通常種々の分析手順 が使用されている。このような臨床的に重要な又は問題となる物質は通常被分析 物質と呼ばれる。診断アッセイは、抗原とこの抗原に対する抗体との免疫反応に よって代表されるような°被分析物質と特異的結合要素との相互反応を用いて、 テストサンプル中の被分析物質を検出するための不可欠な手段となっている。

特異的結合アッセイを実施するための市販のテストデバイスは通常、アッセイを 実施するのに必要な個々の試薬溶液を保持する容器をひとまとめにしたものから なるテストキットの形態である。所望のアッセイ技術を実施するには、このよう な試薬溶液のアリコートを、手動操作で又は機器を用いてテス］・サンプルを含 む反応容器に分配しなければならない。手動操作で分配する場合、アッセイは時 間と技術者の技能とを必要とする。機器で分配する場合、アッセイはその費用を 要し、分配装置の保守を必要とする。

試薬計量と個々の試薬の分配を避けるために、固相に試薬を浸み込ませるテスト デバイスが特異的結合アッセイ用に開発された。通常使用されているこの型の固 相デバイスには、ディツプスティック、テストストリップ、バイアル及びフロー スルーデバイスが含まれ、これらのデバイスでは、大半の又は全ての必要試薬が 固相材料内に組み込まれる。アッセイ試薬は一般に固相材料に適用して乾燥され ており、これが反応性部位を形成する。

ディツプスティックデバイスは一般に、試薬含有マトリックス層を積層したプラ スチックストリップからなる。通常テストサンプルをデバイスに加え、発色のよ うな視覚的に検出可能なシグナルを生成するようにアッセイ試薬と被分析物質と がマトリックス層で反応すれば、被分析物質が存在することになる。Ｈｏｃｈｓ ｔｒａｓｓｅｒ　（米国特許第４，０５９，４０７号）は、生物学的液体に浸漬 させて、液体中の被分析物質を検出するディツプスティックデバイスを開示して る。ディツプスティックデバイスの分野では、米国特許第３．８０２．８４２号 、米国特許第３．９１５゜６３９号、米国特許第４，６８９．３０９号及び国際 出願ＷＯ３６１００６７０号も重要である。

テストストリップデバイスの例としては、クロマトグラフィーテストストリップ からなるＤｅｕｔｓｃｈ等のデバイス（米国特許第４．０９４，６４７号、米国 特許第４゜２３５．６０１号及び米国特許第４．３６１，５３７号）が挙げられ る。典型的なデバイスは、毛管作用、即ち吸上げによって溶液を輸送できる材料 を含んでいる。ストリップ沿いの種々のエリア又はゾーンは、被分析物質がこの ようなゾーンに又はゾーンを通って輸送されたときに検出可能なシグナルを生成 するのに必要なアッセイ試薬を含んでいる。このデバイスは、抗原と相補的抗体 との結合反応を代表とする結合アッセイ及び化学アッセイの両方に適している。

Ｄｅｕｔｓｃｈデバイスの変形例も多く開示されている。テストストリップの分 野では、米国特許第４，１６８．１４６号、米国特許第４．２９８．６８８号、 米国特許第４．４３５，５０４号、米国特許第４．４６１．８２９号、米国特許 第４．５１７．２８８号、米国特許第４゜７４０．４６８号、ヨーロッパ特許公 開箱８８，６３６号、ヨーロッハ特許公開第２５９，１５７号、ヨーロッハ特許 公開第２６７．００６号及びドイツ特許第３．４４５．８１６号も重要である。

フロースルーデバイスは一般に、固着アッセイ試薬を組み込んだ多孔質材料から なる。テストサンプルを多孔質材料に適用して、貫流させると、サンプル中の被 分析物質が試薬と反応して、固着複合体が生成する。次にこの複合体を多孔質材 料上で検出することができる。ｒｏｍ等（米国特許第４，３６６．２４１号）は 、固着した被分析物質特異的抗体を含んだ免疫吸着ゾーンを含み、ここにテスト サンプルが直接適用される吸湿性材料を開示している。他のフロースルーデバイ スは米国特許第３．８２５．４１０号、米国特許第３，８８８，６２９号、米国 特許第４．４４６゜２３２号、米国特許第４．５８７．１０２号、米国特許第４ ．６３２，９０１号、米国特許第４，６３７，９７８号、米国特許第４，７２７ ，０１９号、ヨーロッパ特許公開箱２１２．６０３号、ヨーロッパ特許公開箱２ １７．４０３号、及びヨーロッパ特許公開箱２４９．８５１号に開示されている 。

既知の結合アッセイデバイスは一般に、製造に困難を伴うと考えられる。通常、 試薬は個別に同相に適用し、各添加後に固相を乾燥して反応性部位を形成する。

即ち、製造らない。ディツプスティック、テストストリップ及びフロースルーデ バイスは複雑でもある。何故ならば、テストサンプルが固相を貫通するか又は固 相に沿って移動するときに、固相で化学反応又は物理反応が生起するからである 。

従って、固相は、インキュベーション及び各反応部位間の反応時間を適切にし得 るように設計しなければならない。

更には、このようなデバイスは製造時に、検出すべき被分析物質に特異な試薬を 組込まねばならない。このため、問題となる被分析物質ごとに製造技術を変える 必要がある。

更には、固相に直接適用し、乾燥することによって組み込まれた試薬は、デバイ スの貯蔵中に安定性が変化する。

発明の要約 本発明は特異的結合アッセイ用試薬組成物及び該組成物の製造方法に関する。本 発明の目的の一つは、特異的結合アッセイ用の使用単位の試薬組成物を提供する ことである。

本発明の池の目的は、長期間の貯蔵条件に耐え得る安定な試薬組成物を提供する ことである。本発明の新規な試薬組成物はテストサンプルと反応し得る。生成し た問題の結合複合体を任意の適切な分離手段で反応混合物から取出して、後で検 出することができる。新規な使用単位の試薬組成物では、アッセイ手順で個々の アッセイ試薬を計量／分配する必要がな（なる。更には、本発明の使用単位の試 薬組成物では、長期間の貯蔵に対する安定性が向上した。

特異的結合アッセイ用の使用単位の試薬組成物は、１回の結合アッセイを実施す るのに十分な量の特異的結合要素である捕捉試薬でコーティングした少なくとも １個の粒子と、成形用キャリヤーマトリックスとからなる。キャリヤーマトリッ クスを乾燥して、捕捉試薬でコーティングした粒子を安定化させる。キャリヤー マトリックスを溶媒と接触させて液状に戻すと、捕捉試薬でコーティングした粒 子を解離するようにすることができる。所望のアッセイ方式に応じて、捕捉試薬 はサンドイッチアッセイでのように被分析物質に特異的であってもよいし、競合 アッセイでのように指示薬に特異的であってもよいし、間接アッセイでのように 補助特異的結合要素に特異的であってもよい。成形用キャリヤーマトリックスは 通常、ゼラチン（例えば仔ウシ皮膚ゼラチン、サカナゼラチン、ブタ皮膚ゼラチ ン又は植物性ゼラチン）である。

本発明は更に、特異的結合アッセイ用の使用単位の試薬組成物の製造方法に関す る。本方法では、捕捉試薬をコーティングした少なくとも１個の粒子を成形用キ ャリヤーマトリックスと合わせる。混合物のアリコートを型枠に入れて、凝固さ せる。試薬は空気乾燥してもよいし、凍結乾燥してもよい。

本発明の他の実施態様では、使用単位の試薬は、指示薬と成形用キャリヤーマト リックスとを含む。指示薬を成形用キャリヤーマトリックスと合わせて、混合物 を生成する。

混合物のアリコートを型枠に分散させ、冷却し且つ／又は乾燥し又は他の方法で 凝固させて、使用単位の試薬組成物を生成する。使用単位の試薬組成物は凍結乾 燥してもよい。

使用単位の試薬組成物を溶媒と接触させると再度水和し、特異的結合反応に関与 する指示薬を解離する。

発明の詳細な説明 本発明は、使用単位の試薬組成物及び組成物の製造方法に関する。この試薬組成 物は長期間室温で貯蔵することができ、また技術者が試薬を何度も計量したり、 反応容器又はテストデバイスに何度も試薬を添加することなく分配することがで きる。

本発明の種々の実施態様について説明する前に、幾つかの用語を定義する。本発 明の使用単位の試薬組成物を使用することができる種々のアッセイ技術について も説明する。

１、定義 本明細書で使用する“特異的結合要素”という用語は、特異的結合対、即ち一方 の分子が化学的又は物理的手段によって第２の分子に特異的に結合する２つの異 なる分子の一方の要素を意味する。抗原抗体特異的結合対の他に、他の特異的結 合対としては、ビオチンとアビジン、炭水化物とレクチン、相補的ヌクレオチド 配列（例えば、標的核酸配列検出用のＤＮＡハイブリダイゼーションアッセイで 使用されるプローブ及び捕捉核酸配列）、相補的ペプチド配列、エフェクター分 子とレセプター分子、酵素補因子と酵素、酵素阻害剤と酵素等が挙げられる。更 には、特異的結合対には、元来の特異的結合要素の類似体である要素が含まれ得 る。例えば、被分析物質の誘導体又はフラグメント、即ち被分析物質類似体が被 分析物質と共通のエピトープを少なくとも１つ有する限り、これらを使用するこ とができる。　免疫反応特異的結合要素には、抗原、ハブテン、抗体及びこれら の一部分又は複合体（例えば組換えＤＮＡ法、フラグメンテーション法又はペプ チド合成によって形成されるもの）が含まれる。通常、免疫反応特異的結合要素 は、サンドイッチアッセイでのように被分析物質に結合するか、競合アッセイで のように捕捉試薬に結合するか、又は間接アッセイでのように補助特異的結合要 素に結合し得る。抗体を使用する場合、抗体はモノクローナル抗体であっても、 ポリクローナル抗体であっても、抗体フラグメントであっても、組換え抗体であ っても、これらの混合物であっても、又は抗体と他の特異的結合要素との混合物 であってもよい。

このような抗体の産生方法の詳細及びかかる抗体の特異的結合要素としての使用 の適合性は当業者にはよく知られている。

本明細書で使用する“被分析物質”という用語は、アッセイで検出又は測定すべ きテストサンプル中の問題物質を意味する。被分析物質は、これに対する天然特 異的結合要素（例えば抗体）が存在するか又はこれに対する特異的結合要素を製 造できる限り、任意の物質であり得る。被分析物質をアッセイで１種以上の特異 的結合要素に結合してもよい。“被分析物質”には、任意の抗原性物質、ハプテ ン、抗体及びこれらを組み合わせたものも含まれる。問題の被分析物質には、タ ンパク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物（治療 のために投与される薬物及び不法に投与される薬物）、細菌、ウィルス、並びに 前記物質のいずれかの代謝物又はその抗体が含まれるが、これらの物に限定はさ れない。

本明細書で使用する“指示薬”という用語は、特異的結合要素に直接又は間接的 に付着させる検出可能な標識を意味する。標識は、アッセイの前に又はアッセイ 実施中に特異的結合要素に付着させることができる。指示薬は、テストサンプル 中での被分析物質の存在又はその量に応じて検出可能なシグナルを生成する。一 般には、指示薬は固相材料上で捕捉された後に検出又は測定されるが、非結合の 指示薬を検出又は測定して、アッセイ結果を出してもよい。

指示薬の特異的結合要素は、任意の特異的結合対（例えば免疫反応体）の−要素 であり得る。指示薬の標識は、視覚的手段又は機器手段によって検出可能なシグ ナルを生成し得るものである。標識又は特異的結合要素を変えて、様々な異なる 指示薬を生成することができる。

本明細書で使用する“標識”という用語は、特異的結合要素に付着されるか又は 付着されるようになり、また視覚的手段又は機器手段によって検出可能なシグナ ルを生成し得る任意の物質を意味する。このような標識には色原体、触媒、蛍光 化合物、化学発光化合物、放射性標識、直接視覚的標識（例えばコロイド状の金 属、非金属粒子、色素粒子、酵素、基質若しくは有機ポリマーラテックス粒子） 、リポソーム又は他の小胞を含むシグナル生成物質等が含まれるが、これらのも のに限定はされない。本発明では特定標識の選択は重要でなく、標識はそれ自体 で又は酵素／基質シグナル生成系でのように１種以上の付加物質と一緒になって 検出可能なシグナルを生成し得ればよい。

本明細書で使用する“シグナル生成系”という用語は、所望の反応産物又はシグ ナルを生成するのに必要なアッセイ試薬群を意味する。例えば、１種以上のシグ ナル生成成分を使用して標識と反応させて、検出可能なシグナルを生成すること ができる。例えば標識が酵素のときは、酵素を１種以上の基質又は付加酵素と反 応させて検出可能な反応産物を生成することによって、検出可能なシグナルを増 幅させ得る。本明細書で使用する“検出可能なシグナル“とは、直接の視覚的観 測による検出であれ、機器手段による検出であれ、系パラメーターの任意の観測 可能な変化（例ターの変化）を含む、最も広義なものを意味する。

本明細書で使用する“捕捉試薬”という用語は、サンドイッチアッセイでのよう に被分析物質に特異的であるか、競合アッセイでのように指示薬及び被分析物質 に特異的であるか、又は間接アッセイでのようにそれ自体が被分析物質に特異的 な補助特異的結合要素に特異的であり得る特異的結合要素を意味する。従って、 特異的結合要素は、指示薬特異的結合要素でのように、他のものと特異的に結合 し得る任意の分子であり得る。固相アッセイでは、実質的に固体の材料に捕捉試 薬を直接又は間接的に付着させる。同相は、テスト溶液から分離すべき被分析物 質及び／又はアッセイ試薬又はこれらの複合体の分離を容易にする。通常、固相 材料への特異的結合要素の付着は実質的に不可逆的であって、共有結合機構又は 非共有結合機構を含み得る。捕捉試薬は吸着によって固相粒子に直接付着し得る が、架橋剤を用いて粒子に間接的に付着させることが好ましい。架橋剤は、グル タルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン及びアセト アルデヒドの中から選択することが好ましい。グルタルアルデヒドを用いた感作 手順によって捕捉試薬を粒子に共有結合することが最も好ましい。

本明細書で使用する“補助特異的結合要素”という用語は、テストサンプル中で の被分析物質の存在又はその量を検出するために、捕捉試薬及び指示薬の特異的 結合要素の他にアッセイで使用される特異的結合対の任意の要素を意味する。１ 種以上の補助特異的結合要素をアッセイで使用することができる。例えば、第１ の補助特異的結合要素は被分析物質に、及び被分析物質自体が付着し得ないよう な第２の特異的結合要素に、それぞれ結合することができる。

■　診断アッセイ 本発明の新規な使用単位の試薬組成物は種々のイムノアッセイ方式で有利に使用 される。しかしながら、本発明はイムノアッセイには限定されない。特異的結合 要素及び検出可能な標識を用いる任意のアッセイ形式を、使用単位の試薬組成物 を用いて実施することができるが、本明細書では簡略化のためイムノアッセイ方 式について説明する。

結合アッセイは一般に、２つの主要クラス、即ち均一アッセイ及び不均一アッセ イのいずれかに分類される。均一アッセイでは、被分析物質とアッセイ試薬とが テスト溶液を形成し、指示薬によって生成したシグナルを検出する前に分離させ ない。不均一アッセイでは、固相材料を使用して、結合成分を非結合反応成分か ら分離するか又は初期溶液の試薬を沈殿させ、次いでテスト溶液から除去する。

これらのアッセイは更に、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ及びこれらの変 形に分かれ得る。

抗原／抗体被分析物質用のい（つかの型のアッセイの例を以下で図示する。しか しながら、当業者は、本発明の概念を適用できる他の多（の型のアッセイ（例え ば抗原又は抗体以外の被分析物質用アッセイ）を想定することができ１、直接ア ッセイ 固相：捕捉試薬　被分析物質　１丞１ ・−Ａｂ　Ａｇ　Ａｂ本 粉粒子抗体　抗原　標識抗体 指示薬の特異的結合要素は捕捉試薬と同一の特異的結合要素であってもよいし、 なくてもよい。抗原／抗体被分析物質は前述の反応形態を用いて測定することが できる。反応形態の変形を非制限的に以下に示す。

固相：捕捉試薬　被分析物質　指示薬 ・−八ｇ　Ａｂ　Ａｂ零 粒子：抗原　抗体　標識抗抗体 ・−Ａｇ　Ａｂ　Ａｇ本 粒子：抗原　抗体　標識抗原 ・−＾ｂ−Ａｇ　Ａｂ　Ａｂ＊ ｂ子：抗体：抗原　抗体　標識抗抗体 ２、間接アッセイ このグループのアッセイでは、指示薬及び捕捉試薬の特異的結合要素に加えて別 の特異的結合要素を使用して、検出可能な結合複合体を形成する。例えば、次の ように補助特異的結合要素を使用することができる。即ち、指示薬は補助特異的 結合要素と特異的に結合し、補助特異的結合要素が続いて被分析物質に結合する 。場合によっては、固相上で直接被分析物質を捕捉することも望ましい。

固相：捕捉試薬　被分析物質　補助要素　指示薬・−Ａｂ　Ａｇ　Ａｂ　Ａｂ＊ ｂ子・抗体　抗原　抗体　標識抗抗体 Ａｇ　Ａｂ　Ａｂ＊ ｂ子　抗原　抗体　標識抗抗体 ３、競合アッセイ 競合アッセイ方式の例を以下に示す。

固相：捕捉試薬　被分析物質　指示薬 ・−＾１）　Ａｇ　Ａｇ本 粒子：抗体　抗原　標識抗原 ・−Ａｇ　Ａｂ　Ａｂ本 粉粒子抗原　抗体　標識抗体 これらの例では、テストサンプル中の被分析物質及び指示薬の特異的結合要素は 、いずれも捕捉試薬に競合的に結合し得る。このように結合した指示薬の量は、 テストサンプル中の被分析物質の量を反映する。競合アッセイでは、補助特異的 結合要素を使用することもできる。本発明の試薬組成物を使用することのできる サンドイツチア・ツセイ及び競合アッセイの一般的な例を以下で説明する。以下 の実施例で、本発明の試薬組成物を用いたサンドイッチアッセイ手順の詳細につ いて説明する。

固相サンドイッチアッセイは捕捉試薬、即ち固相材料に付着させた特異的結合要 素を使用する。捕捉試薬を、被分析物質を含むと推察されるテストサンプル、及 び標識された第２の特異的結合要素を含む指示薬と接触させる。試薬及びテスト サンプルは、同時若しくは逐次、又は単独で若しくは組み合わせて接触させるこ とができる。結合反応によって、固相材料上に固着した捕捉試薬／被分析物質／ 指示薬複合体が生成する。アッセイは更に、得られた複合体を過剰試薬及びテス トサンプルから分離する段階を含み得る。固相材料上に保持された複合体は、指 示薬について固相を検査することによって検出される。サンプル中に被分析物質 が存在すれば、固相材料上に標識が存在する。固相上の標識の量は、サンプル中 の被分析物質の量に依存する。

本発明の試薬組成物は、サンドイッチアッセイ方式（例えばフォワード技術、リ バース技術及び同時技術）で有利に使用される。通常、フォワードアッセイはテ ストサンプルを捕捉試薬と接触させ、次いで一定期間インキユベートした後、指 示薬を加えることからなる。リバースアッセイは、テストサンプルに指示薬を加 え、次いで一定期間インキュベートした後に捕捉試薬を加えることからなる。同 時アッセイでは、捕捉試薬及び指示薬が共に本発明の試薬組成物のキャリヤーマ トリックス中に封入されているなど、両者が同時にテストサンプルと接触するの で、インキュベーション段階は１回である。

更には、本発明を間接サンドイッチアッセイで使用して、捕捉試薬／被分析物質 ／被分析物質特異的結合要素／指示薬の複合体を生成することができる。この場 合、付加的な被分析物質特異的結合要素は、別々に添加するか又は封入試薬組成 物中に含ませ得る補助特異的結合要素である。

本発明の試薬組成物を競合アッセイで使用することもできる。固相競合形式では 、捕捉試薬を再度固相材料に付着させ、テストサンプル及び指示薬に接触させる 。標識された被分析物質又は被分析物質類似体から指示薬を生成する。

結合反応が生起して、（１）固相：捕捉試薬／被分析物質複合体、及び（２）固 相：捕捉試薬／指示薬複合体が生成する。競合アッセイでは、固相上の標識の量 はサンプル中の被分析物質の量と逆に対応する。従って、陽性テストサンプルで はシグナルが減少する。例えば、テオフィリンアッセイでは、抗テオフィリン抗 体（モノクローナル又はポリクローナル捕捉試薬）を固相担体上に固着させるこ とができる。この抗体への結合を、標識テオフィリンの指示薬とテストサンプル 中に存在する非標識テオフィリンとの間で競合させることができる。テオフィリ 〉フ正確には閾値量のテオフィリンがテストサンプル中に存在しなければ、免疫 反応によって固相：捕捉試薬／指示薬複合体が生成する。

テストサンプル中のテオフィリン含量が増せば、固相と関連する指示薬は減少す る。

均一アッセイ 均一アッセイでは、指示薬を観察する前にテスト溶液と指示薬とを分離する必要 がない。このおおまかな分類には、以下で説明するものから当業者に公知の他の ものまで、本発明の新規な試薬組成物を用いる多くの方式が含まれる。

均一アッセイの主要カテゴリーは、本発明の試薬組成物を用いて実施することも できる凝集アッセイである。凝集反応及びこの反応の手順は一般に従来技術でよ く知られている。通常の凝集反応は、被分析物質特異的結合要素の存在下で被分 析物質をクランピングすることからなる。反応成分のこのようなりランピング又 は凝集をモニターして、検出がめられる被分析物質の存在又は量を決定する。反 応成分、例えば特異的結合要素を標識して、凝集試薬又は非凝集試薬と関係する シグナルを検出することにょ７て凝集反応をモニターすることができる。反応媒 体のクランピングの観察、重力場での指示薬の沈降若しくはペレット化、光散乱 の変化、又は指示薬の分光特性の変化によって視覚的に検出することができる。

１、直接アッセイ 直接凝集アッセイでは、多価被分析物質が存在すれば、２種以上の標識特異的結 合要素を被分析物質に結合させて、指示薬及び被分析物質を凝集させることがで きる。凝集の増加は、テストサンプル中に存在する被分析物質の量の増加を示し 得る。捕捉試薬でコーティングした粒子を検出可能な標識として使用することも できる。例えば、試薬でコーティングした粒子を着色して、凝集アッセイでの粒 子凝集物の検出を容易にすることができる。

２、間接／競合アッセイ 間接凝集アッセイは、指示薬との結合のために被分析物質と競合する補助結合要 素を用いて実施され得る。このようなアッセイ形式は、−価被分析物質の分析に 特に有用である。このアッセイでは、２種以上の補助結合要素を不溶性材料に付 着させて、指示薬及びテストサンプルと接触させる。被分析物質が存在しないか 又は閾値レベル未満であれば、２種以上の指示薬が不溶性材料に結合して凝集が 生起する。テストサンプル中に被分析物質が存在すれば、被分析物質は指示薬と 競合的に結合して、指示薬と不溶性材料との結合を阻害する。被分析物質の存在 は、指示薬の凝集の減少によって示される。

■、凍結乾燥試薬組成物 本発明は、１回のアッセイに必要な量の試薬組成物を分配するために有利に使用 される、キャリヤーマトリックス中に捕捉試薬でコーティングした１個以上の粒 子を封入することからなる。好ましくは、キャリヤーマトリックス材料及び封入 試薬を凍結乾燥することができる。凍結乾燥した試薬組成物を診断アッセイ実施 中に再度水和すれば、１種以上のアッセイ試薬を解離することができる。アッセ イ試薬は、種々の検出又は測定方式（例えばサンドイッチアッセイ、競合アッセ イ及び凝集アッセイ）を実施するために使用単位の試薬組成物に含まれ得る。前 述のアッセイでは、アッセイに必要な試薬の全て又は大半は好ましくはキャリヤ ーマトリックスによって包含されている。本発明では試薬組成物の凍結乾燥は重 要ではないが、試薬安定性を高め、また試薬組成物の取り扱い及び包装が簡単に なることが判明した。この新規な試薬組成物を複数の液体試薬の代わりに診断機 器で使用してもよいし、使用者がアッセイ試薬を１回で添加することができ、ま た試薬を計量する必要のない手動操作のアッセイデバイスで使用してもよい。

キャリヤーマトリックスは、１種以上の特異的結合アッセイ試薬を取込むことが できる任意の物質からなり得る。

ある実施態様では、キャリヤーマトリックスは、個々の型枠を使用して、１回の アッセイに十分な試薬のアリコートを含む別々の成形ユニットを形成することが できる成形用材料である。あるいは、キャリヤーマトリックスでシート又は同様 の塊状物を形成し、これを１個の型枠から取り外し、次いで使用単位のブロック 又はプラグに分割してもよい。いずれの場合も、次にユニツトを凍結乾燥して、 十分な構造強度の乾燥試薬組成物を得ることができる。他の実施態様では、キャ リヤーマトリックスを使用して、アッセイデバイスの一部分である吸湿性材料上 に適量のアッセイ試薬をコーティング又は埋封してもよい。例えば、キャリヤー マトリックス中の指示薬を多孔質フィルターに適用して、試薬を包囲（ｅｎｃａ ｓｉｎｇ）　シてもよい。多孔質フィルターに液体テストサンプルを加えると、 アッセイ試薬がキャリヤーマトリックスから解離して、テストサンプル又は他の アッセイ試薬と反応する。他の実施態様では、このように解離したアッセイ試薬 を吸湿性材料からアッセイデバイスの池の部分に移動させてもよい。

キャリヤーマトリックスの適切な材料は、テストサンプル又は池の適切な溶媒を 加えると再度水和するが、アッセイ試薬に対しては不活性であり、また乾燥又は 凍結乾燥し得る物質の中から選択する。キャリヤーマトリックスを溶媒と接触さ せると急速に再水和して溶解し、キャリヤーマトリックス中に含まれる任意のア ッセイ試薬を解離させることが最も好ましい。アッセイのインキュベーション期 間の後に、溶解したキャリヤーマトリックスを洗い落とすことができる。

ゼラチンが最も好ましいキャリヤーマトリックス材料であることが判明した。ゼ ラチン源としては、様々なブルーム（即ち、ブルーム数は生成したゲルの強度指 数であり、ブルーム数が大きければ、ゲル強度は大きくなる）の仔ウシ皮膚ゼラ チン及びブタ皮膚ゼラチンが含まれる。サカナゼラチン及び植物性ゼラチンを使 用することもできる。アッセイ試薬は容易にゼラチン溶岐と混合し、ゼラチンを 冷ますと、簡単に成形できるゲル塊状物が形成される。ゼラチン封入試薬組成物 のユニットを凍結乾燥して、構造強度の高い乾燥タンパク質を生成することがで きる。凍結乾燥したゼラチンを溶媒と接触させると、急速に再水和して溶解し、 ゼラチン中に含まれる任意の試薬を解離する。ゼラチンは洗い落とすことができ る。

テストサンプルは、生理的体液（例えば血液、唾液、水晶体液、脳を髄液、汗、 尿、乳、腹水液、粘液性滑液、腹膜液、羊水等）のような任意の源に由来し得る 。使用前に、血液からの血漿の調製、粘性体液の希釈等のように体液を前処理す ることができる。処理方法には、濾過、蒸留、濃縮、妨害（ｉｎｔｅｒｆｅｒｉ ｎｇ）成分の不活性化、及び試薬（例えば付加溶媒）の添加が含まれ得る。生理 的体液の他に、他の液体サンプル（例えば水、食品等）を使用することができる 。更には、サンプル材料を加工して、液状媒体になるならば、固体を使用するこ とができる。

本発明のある実施態様では、捕捉試薬を複数の粒子（例えば固相材料として使用 される微粒子）に付着させる。粒子は、任意の適切な型の粒子材料（例えばポリ スチレン、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリメチルアクリレート、ポリ プロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボ ネート又は同様の材料からなる材料であるが、これに限定されるものではない） の中から当業者によって選択され得る。ある実施態様では、粒子は磁性材料若し くは磁化性材料からなるか又はこれを含み得、磁場を印加することによって反応 混合物から除去することができる。

捕捉試薬でコーティングした粒子はキャリヤーマトリックスに封入される。この 粒子はその後凍結乾燥することができる。凍結乾燥した試薬組成物をアッセイ実 施中に液体に戻すと、キャリヤーマトリックスが捕捉試薬でコーティングした粒 子を解離し、粒子は被分析物質及び指示薬と反応する。次いで、粒子をテスト溶 液から分離することができる。例えば、粒子を遠心分離、沈殿、凝集、磁場の印 加、濾過又は固相ベースの付加的材料による閉じ込めによってテスト溶液から分 離してもよい。適切な固相ベースの材料は、観察のためにテスト溶液から粒子を 分離し得る任意の多孔質、吸着性又は吸湿性の材料であり得る。好ましい固相ベ ースの材料には、テスト溶液及び非結合試薬は通過するようなガラス繊維、セル ロース又はナイロンパッドが含まれる。平均直径が固相ベースの材料の平均細孔 寸法よりも小さいことが好ましいが、粒子寸法は重要ではない。

代替例では、捕捉試薬を１個の粒子（例えば０．２５インチのビーズ）上に固着 させる。この場合、アッセイは、テスト溶液、非結合試薬及び洗液を除去できる 反応容器（例えばキュベツト、マイクロタイタープレート又はガラス若しくはプ ラスチックの試験管）で実施することができる。

本発明の他の実施態様では、指示薬及び捕捉試薬でコーティングした粒子がキャ リヤーマトリックスに封入される。

糖の添加により、凍結乾燥プロセス中に指示薬が保護され、また指示薬の標識成 分の安定性が増すことが判明した。例えば、ｄ−）レバロースシバイドレートが 酵素標識を最もよく安定化することが判明した。本発明の試薬組成物の調製で有 利に使用され得る他の糖としては、デキストラン、ラクトース、スクロース、マ ルトース、キシロース、アラビトール及びキシリトールが含まれる。糖添加物が 約０゜１％〜約５０％の濃度で最終組成物中に存在することが好ましい。糖添加 物が約０．１％〜約２０％の濃度で存在することが最も好ましい。

前述した如く、異なる型を使用して、所望のキャリヤーマトリックスユニットを 形成することができる。必要という訳ではないが、型を離型剤で前処理して、新 たに形成した試薬組成物ユニットの除去を容易にすることができる。

本発明では型の前処理は通常、型の表面にレシチンをコーティングするか又は軽 く噴霧して行った。

使用単位の試薬組成物は空気乾燥してもよいし、凍結乾燥してもよい。種々の凍 結乾燥手順の詳細は当業者にはよく知られている。一般に、凍結乾燥すべき材料 は真空状態にする前にこの材料の共融温度以下に下げるべきである。

水性材料の場合、−４０°Ｆ（−４０℃）より低い温度で適切な凍結が実現する 。この処理は、デバイスをドライアイスに当てるか、デバイスをドライアイス− アセトン浴に浸漬させるか又は市販されている多数の凍結乾燥デバイスの利用可 能な凍結面にデバイスを当てて行うことができる。

昇華によって水を除去するのに十分な程度に、材料を真空にしなければならない 。

実施例 本発明の新規な試薬組成物の製造方法及び該試薬組成物を用いたアッセイ手順の 実施方法を以下の実施例で説明する。しかしながら、以下の実施例は単に例示的 であって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は添付の請求の 範囲によってのみ定義される。

実施例１ ガン胎児性抗原（ＣＥＡ）エンザイムイムノアッセイ用凍結乾燥試薬組成物の調 製 ａ）アッセイ試薬の調製 目盛りの付いた５０ｍ１のプラスチック遠心分離管内の（約１０ｍ１の）蒸留水 で、１０ｇのｄ−）レバロースシバイドレート（Ａｌｄｒｉｃｈ、　Ｍｉｌｗａ ｕｋｅｅ。

Ｗｌ）と、２ｇの仔ウシ皮膚ゼラチン（６０ブルーム。

Ｓｉｇｍａ、　Ｓｔ、　Ｌｏｕｉｓ、ＭＯ）とを合わせた。蒸留水を加えて、容 量を約３０ｍ１にし、混合物を撹拌してブレンドした。水の入ったビーカーをホ ットプレート上に置き、ビーカー内に管を入れて混合物を加熱した。

水を沸騰させた。管を取り出し、蒸留水を加えて溶液容量を５０ｍ１に８更に混 合した。次いで、得られた４％ゼラチン、２０％トレハロースの溶液を、テスト 試薬各１部に対して１容量部で混合した。

捕捉試薬でコーティングした粒子は、抗ＣＥＡマウスモノクローナル抗体（２ｍ ｇ／ｍ　Ｉ　）でコーティングしたシアノゲンブロマイド活性化５ｅｐｈａｒｏ ｓｅ　（登録商標）４Ｂ　（Ｓ　ｉ　ｇｍａ）の微粒子固相からなっていた。捕 捉試薬でコーティングした粒子を試料希釈緩衝液［保存料としてゲンタマイシン を含むＳＤＢニドリス（ヒドロキシメチル）アミノメタン緩衝液（トリス）］に ５％懸濁させた。

指示薬は、抗ＣＥＡ抗体（マウスモノクローナル）と西洋ワサビペルオキシダー ゼ（ＨＲＰＯ）との結合体（１５０μｇ／ｍ＋）であった。

捕捉試薬でコーティングした粒子の懸濁液と指示薬とを同量で合わせて（捕捉試 薬でコーティングした粒子を含むＳＤＢ各１００μｍに対して指示薬１００μｍ ）、試薬混合物を生成した。次いで、試薬混合物を同量のキャリヤーマトリック ス溶液と合わせて（それぞれ指示薬１００μｍ、捕捉試薬でコーティングした粒 子を含む５ＤＢ１００μｍに対してゼラチン溶液２００μｌ）、試薬組成物を生 成した。

ｂ）試薬組成物の凍結乾燥 キャリヤーマトリックスの型はそれぞれ３／８′のキャビティーを含む厚さが１ ／４′のプラスチックプレートであった。型にレシチンを少し噴霧して、試薬組 成物ユニットの除去を容易にした。

精密ピペットを用いて、試薬組成物のアリコート（４００μりを各型キャビティ ーに分配した。型をフリーザー内で約３時間−７０℃に暴露した。次いで、型を 一５０℃のフリーザー棚に移し、そこで３．５時間真空状態で保持した。次いで 、棚温度を一３５℃に上げて、１６時間保持した。−１０℃の棚温度で５時間、 次いで＋３０℃の棚温度で約１８時間かけて昇華させて、凍結乾燥サイクルを完 了した。凍結乾燥した試薬組成物ユニットを型から取り出し、乾燥剤のシリカゲ ルと一緒にガラスバイアル内で貯蔵した。４℃で貯蔵すると、安定性が増した。

しかしながら、試薬組成物を室温で貯蔵しても安定性を示し、４℃で貯蔵した試 薬組成物と比べて性能にほとんど変化がなく、また液体試薬対照組成物よりも良 好な性能を示した。

ｃ）ＣＥＡアッセイでの凍結乾燥試薬組成物の適用性温度を４０℃に維持するこ とができ、またインキュベーション中に回転させてアッセイ速度を高めることの できる濾過反応容器内に一単位の凍結乾燥試薬組成物を置いた。

凍結乾燥試薬組成物を反応容器中で、テストサンプル又はＣＥＡアッセイ標準液 と合わせた。ＣＥＡ標準液はトリス緩衝液１ｍｌ当たり０．４．２４．４４及び ８４ｎｇの抗原サンプルを含んでいた。テストサンプル又は橢準液と凍結乾燥試 薬組成物とを回転させながら４０℃で２０分間インキュベートした。ＣＥＡが存 在する場合には、インキュベーションの期間中に捕捉試薬／抗原／指示薬複合体 が生成した。インキュベーション後に、非結合指示薬を０．９％塩化ナトリウム 溶液又はリン酸緩衝溶液で洗浄して、反応容器から除去した。容量３ｍｌの洗液 を反応容器から除去した。このプロセスを９回繰り返した。

インキュベーション中に生成した捕捉試薬／抗原／指示薬複合体の量を検出して 、試薬組成物の性能を測定した。

テストサンプル中に存在する抗原が多ければ、３種成分の複合体がそれだけ多く 生成し、従って反応容器中に保持される指示薬の量が増した。指示薬のＨＲＰＯ と反応する発色基質としてテトラメチルベンジジン（ＴＭＢ）を使用した。３０ ０μｌのＴＭＢ基質を各反応容器に分配した。反応容器を回転させながら４０℃ で８分間インキュベートした。ＨＲＰＯの存在下で、即ち捕捉試薬／抗原／指示 薬複合体を生成したサンプル中で、青色に発色した。硫酸（１ｍｌ、ＩＮ　Ｈｚ ＳＯ４）を加えて発色呈色を停止させ、分光光度計を用いて（４５０μｍ）発色 を読み取った。テストサンプル中での被分析物質の量が増すと、吸光度の増加で 分かるように捕捉試薬に結合する指示薬の量も増加することが測色で判明した。

凍結乾燥試薬組成物及び非凍結乾燥試薬のための検出可能なシグナルが実質的に 同一であることが判明した。このことは、凍結乾燥プロセス中に試薬に対して実 質的な変化が生じなかったことを示している。

実施例２ 凍結乾燥試薬組成物 実質的に前述の実施例１の手順に従って凍結乾燥試薬組成物を調製した。但し、 微粒子の代わりに１個のポリスチレンビーズを使用した。捕捉試薬でコーティン グした１個のポリスチレンビーズを各型枠に分配し、次いで指示薬及びゼラチン 溶液を加えて成形試薬組成物を形成した。実質的に実施例１の手順に従ってＣＥ Ａアッセイを実施して、同様の結果を得た。

アッセイ結果を表１に示す。表１では、サンプルのＣＥＡ濃度を発色の量と比較 する。テストサンプル中の被分析物質の量が増すと、吸光度の増加で分かるよう に捕捉試薬でコーティングしたビーズに結合する指示薬の量も増すことが結果か ら判明した。

表１ ポリスチレンビーズ固相 ヒト絨毛膜ゴナドトロピン（ｈＣＧ）エンザイムイムノアッセイ用凍結乾燥試薬 組成物の調製 ａ）アッセイ試薬の調製 １００μｍの結合体（抗ｈＣＧ抗体／ｍ−マレイミドベンゾイル−Ｎ−ヒドロキ シスクシンイミドエステル）を、実質的に前述の実施例１ａに記載のプロセスで 調製した、０．５％ゼラチンと６％スクロースとを含む同量のマトリックス溶液 と混合した。

ｂ）試薬組成物の凍結乾燥 精密ピペットを用いて、試薬組成物のアリコート（４００μｌ）を多孔質フィル ター材料上に分配した。フィルターをフリーザー内で約２時間−７０℃に暴露し た。次いで、ユニットを一４４℃のフリーザー棚に移して、そこで１時間真空状 態で保持した。次いで、棚温度を一２０℃に上げて、約２時間保持した。０℃の 棚温度で約１２時間、次いで＋３０℃の棚温度で約１時間かけて昇華させて、凍 結乾燥サイクルを完了した。凍結乾燥した試薬組成物ユニットを型から取り出し 、乾燥剤のシリカゲルと一緒にガラスバイアル内で室温にて貯蔵した。

ｃ）ｈＣＧアッセイでの凍結乾燥試薬組成物の適用性固着抗ｈＣＧ抗体を含む多 孔質パッド上に置いた凍結乾燥試薬組成物にｈＣＧアッセイ標準液を接触させた 。ｈｃＧ標準液は、トリス緩衝液１ｍｌ当たりＯｎｇ及び１１００ｎの抗原のサ ンプルを含んでいた。テストサンプル又は標準液とアッセイ試薬とを９０秒間イ ンキュベートした。

インキュベーション後に、凍結乾燥試薬組成物フィルターを除去して、多孔質パ ッドを洗浄した。次いで、５−ブロモ−４−クロロ−３−インドリルホスフェー ト（トリス緩衝液中に０．５ｍｇ／ｍｌ）又はニトロブルーテトラゾリウム（ト リス緩衝液中に０．２ｍｇ／ｍ＋）の色原体溶液を多孔質パッドと接触させた。

ｈＣＧが存在すれば、インキュベーション期間中に捕捉試薬／抗原／指示薬複合 体が生成し、色原体を加えると、視覚的に検出可能な着色反応産物が生成した。

実施例４ 凍結乾燥試薬組成物の安定性 ａ）アッセイ試薬の調製 実質的に前述の実施例１ａに記載の手順に従ってマトリックス溶液を調製した。

抗ｈＣＧ抗体／アルカリ性リン酸塩結合体（２００ｍｌ）をゼラチン（２，３ｍ １）、デキストラン（４ｇ）及びスクロース（４ｇ）と合わせた。

ｂ）試薬組成物の凍結乾燥 実質的に前述の実施例３ｂに記載の手順に従って凍結乾燥試薬組成物ユニットを 調製した。これらのユニットを合計１１１日間、４５℃の熱応力条件下に置いた 。

ｃ）ｈＣＧアッセイでの凍結乾燥試薬組成物の適用性実質的に前述の実施例３Ｃ に記載の手順に従い、凍結乾燥試薬組成物ユニットを用いてアッセイを実施した 。応力期間中に（３日目、７日目、１７日目、２１日目、２８日目、１１１１１ 日目施したアッセイの結果は同一であり、被分析物質の存在下で視覚的に検出可 能なシグナルが生成した。

本発明の概念は種々の型の結合アッセイに適用可能である。しかしながら、当業 者は、本発明の概念を適用することのできる他のアッセイ（例えば抗原又は抗体 以外の被分析物質用のアッセイ）を考案することができる。前述の実施態様及び 代替例は限定例というよりむしろ具体例とする。

従って、本発明の説明は発明を開示した特定例に限定するためのものではな（、 全ての均等態様及び主題は、前述した、また以下の請求の範囲で開示する発明の 範囲に包含される。

フロントページの続き （５１）　Ｉｎｔ、　Ｃ１，’　識別記号　庁内整理番号／／　Ｇ　０１　Ｎ　 ２１／２９　９１１８−２Ｊ２１／６４　Ｚ　９１１８−２Ｊ Ｉ

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. １．ａ）１回の結合アッセイを実施するのに十分な量の特異的結合要素である捕 捉試薬でコーティングした少なくとも１個の粒子と、 ｂ）成形用キャリヤーマトリックスとからなり、前記キャリヤーマトリックスを 乾燥して、前記の捕捉試薬でコーティングした粒子を安定化させ、前記キャリヤ ーマトリックスを溶媒と接触させて液状に戻すと、前記の捕捉試薬でコーティン グした粒子が特異的結合反応のために解離するようにする、特異的結合アッセイ 用の使用単位の試薬組成物。
2. ２．前記捕捉試薬が、サンドイッチアッセイの場合の被分析物質、競合アッセイ の場合の指示薬、及び間接アッセイの場合の補助特異的結合要素からなる群の中 から選択された物質に特異的である請求項１に記載の試薬組成物。
3. ３．前記成形用キャリヤーマトリックスが、仔ウシ皮膚ゼラチン、サカナゼラチ ン、ブタ皮膚ゼラチン及び植物性ゼラチンからなる群の中から選択されたゼラチ ンである請求項１に記載の試薬組成物。
4. ４．標識に付着する特異的結合要素を含む指示薬を更に含んでいる請求項１に記 載の試薬組成物。
5. ５．前記指示薬用の安定剤を更に含んでいる請求項４に記載の試薬組成物。
6. ６．前記安定剤が糖である請求項５に記載の試薬組成物。
7. ７．前記糖が約０．１％〜約５０％の濃度で存在する請求項６に記載の試薬組成 物。
8. ８．前記糖が、トレハロース、デキストラン、ラクトース、マルトース、キシロ ース、アラビトール、キシリトール及びスクロースからなる群の中から選択され る請求項７に記載の試薬組成物。
9. ９．ａ）粒子に付着する特異的結合要素を含んでいる捕捉試薬でコーティングし た少なくとも１個の粒子を成形用キャリヤーマトリックスと合わせて、混合物を 生成し、ｂ）型枠内に前記混合物のアリコートを分散させ、ｃ）前記混合物を冷 却して、使用単位の試薬組成物を生成し、 ｄ）前記の使用単位の試薬組成物を凍結乾燥し、前記組成物を溶媒と接触させた とき再度水和して、前記の捕捉試薬でコーティングした粒子を解離させるように することからなる特異的結合アッセイ用試薬組成物の製造方法。
10. １０．前記溶融混合物のアリコートを前記型枠に分散させる前に、指示薬を前記 の捕捉試薬でコーティングした粒子及び前記成形用キャリヤーマトリックスと合 わせることを更に含んでいる請求項９に記載の方法。
11. １１．ａ）標識に付着する特異的結合要素を含んでいる指示薬を成形用キャリヤ ーマトリックスと合わせて、混合物を生成し、 ｂ）型枠内に前記混合物のアリコートを分散させ、ｃ）前記混合物を冷却して、 使用単位の試薬組成物を生成し、 ｄ）前記の使用単位の試薬組成物を凍結乾燥し、前記組成物を溶媒と接触させた とき再度水和して、特異的結合反応のために前記指示薬を解離させるようにする 段階からなる、指示薬と成形用キャリヤーマトリックスとからなる特異的結合ア ッセイ用試薬組成物の製造方法。
12. １２．安定剤を前記指示薬と合わせることを更に含んでいる請求項９から１１の いずれか一項に記載の方法。
13. １３．前記成形用キャリヤーマトリックスがゼラチンである請求項９から１２の いずれか一項に記載の方法。
14. １４．前記ゼラチンが、仔ウシ皮膚ゼラチン、サカナゼラチン、ブタ皮膚ゼラチ ン及び植物性ゼラチンからなる群の中から選択される請求項９から１３のいずれ か一項に記載の方法。
15. １５．トレハロース、デキストラン、ラクトース、マルトース、キシロース、ア ラビトール、キシリトール及びスクロースからなる群の中から選択される糖を安 定剤として加えることを更に含んでいる請求項９から１４のいずれか一項に記載 の方法。