JP5338951B2 - 制振装置 - Google Patents
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Description
本願は、2006年5月8日に出願された特願2006−129013号、2007年1月15日に出願された特願2007−6006号、2007年3月5日に出願された特願2007−54532号、2007年3月5日に出願された特願2007−54274号、2007年3月6日に出願された特願2007−55423号及び2007年4月13日に出願された特願2007−105728号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来技術では、アクチュエータを制御するために、アクチュエータ可動部と固定部との相対変位、相対速度、相対加速度を検出する場合にセンサを用いていた。しかしながら、センサ自体を高温環境下にさらされるエンジン周辺に装着しなければならず、信頼性に欠けるという問題があった。
近年の自動車においては、必要に応じて6気筒エンジンの気筒休止を行い少数の気筒(例えば、3気筒)でエンジン駆動を行うことにより、燃費の向上を狙った制御が行われている。エンジン振動は、6気筒運転を行うときに比べて、気筒休止を行うと、振動が大きくなるという可能性がある。このような問題を解決するためには、下記特許文献3に記載されているように、広い周波数帯域にわたる振動を能動的に低減させる振動抑制装置が有効である。
図1は、本発明の第1の実施形態による制振装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、制振装置を自動車に適用した場合を例にして説明する。図1において、符号31は、補助質量32を往復運動させるリニアアクチュエータであり、補助質量32は、抑制するべき振動方向と同方向に往復運動する。符号33は、リニアアクチュエータ31と補助質量32の相対速度を検出する相対速度センサである。符号40は、自動車のエンジンであり、車体フレーム41に固定されている。符号42は、自動車の車輪である。符号43は、座席シート44または車体フレーム41の所定の位置に備えられた振動センサ(加速度センサ)である。符号50は、エンジン40に備えられた制御装置(図示せず)から点火パルス、アクセル開度、燃料噴射量等のエンジン回転情報と、振動センサ43の出力とを入力して、制振を行うためのリニアアクチュエータ31に対する駆動指令を出力する上位コントローラである。上位コントローラ50は、エンジン回転によって発生する車体フレーム41の振動を抑制するために指令信号(駆動指令)を生成して出力する。符号60は、相対速度センサ33から出力される相対速度信号と、上位コントローラ50から出力される駆動指令とを入力して、リニアアクチュエータ31を安定的に駆動する安定化コントローラである。符号70は、安定化コントローラ60から出力される安定化駆動指令に基づいて、リニアアクチュエータ31に対する駆動電流を出力するパワー回路である。
次に、本発明の第2の実施形態による制振装置の構成を説明する。図3は、第2の実施形態による制振装置の構成を示すブロック図である。図3において、制振装置は、制御対象である自動車の車体フレーム(主系質量)41に接続され、車体フレーム(主系質量)41に発生する上下方向(重力方向)の振動を制御(制振)するものとする。
なお、端子電圧は、アクチュエータに印加するべき電圧の指令値から求めるようにしてもよい。
バンドパスフィルタを設けることによって、直流のノイズ成分を抑制することができるともに、位相の調整を行うことが可能となるため、誘起電圧の推定値の確度を向上させることができる。
なお、本発明による自動車用制振装置は、自動車の車体フレーム、エンジンマウント近傍、ラジエータ近傍、後部の荷台下部またはトランク下部等の自動車構成部品に取り付けると有効である。
また、リニアアクチュエータ31は、電磁力を利用したアクチュエータであり、例えば、レシプロモータを用いると有効である。
次に、本発明の第3の実施形態による制振装置を図面を参照して説明する。図10は同実施形態の構成を示すブロック図である。ここでは、自動車において、気筒数制御を行うエンジンが加振源であるものとして説明する。この図において、符号41は、自動車の車体フレームである。符号40は、運転状態に応じて気筒数制御を行うことが可能なエンジンであり、このエンジン40が振動の発生源(加振源)となる。符号44は、運転席の座席シート(以下、単に座席と称する)であり、この座席44が振動の測定点である。符号43は、座席44に取り付けられた加速度センサであり、座席44の加速度を検出する。符号31は、車体フレーム41に取り付けられたリニアアクチュエータ(レシプロモータ)であり、エンジン40が発生した振動を制振するために補助質量32を振動させることにより振動を抑制する。符号60は、加振源において発生した振動及び測定点において検出した振動に基づいて、リニアアクチュエータ31の駆動を制御する制御部である。
次に、図11を参照して、第4の実施形態を説明する。図11に示す制振装置が、図10に示す制振装置と異なる点は、振動を検出する測定点を複数設けるともに、加振を行うリニアアクチュエータを複数設けた点である。そして、制御部60は、測定点441、442、443、44nにおいて、抑制するべき振動と、発生させるべき振動の指令値を求めてそれぞれのリニアアクチュエータ31、301、302、30nに対して出力する。このようにすることにより、抑制したい振動を低減し、強調したい振動を増加させることができるため、例えば、エンジンの振動は抑制し、音楽再生時にオーディオスピーカから発生する低音振動を再生中の音楽信号に基づいて増加させるといった制御が可能となる。また、エンジンの振動を抑制することにより、車内のこもり音等を低減させることも可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態による制振装置を図面を参照して説明する。図12は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号41は、内燃機関等のエンジンが搭載された車体フレームであり、エンジンの回転駆動によって車体の振動系が形成されている。符号30は、リニアアクチュエータにより補助質量を振動させることにより車体フレーム41の車体に発生する振動を制振する加振部である。この加振部30は、ボイスコイルモータやレシプロモータ等のリニアアクチュエータを用いることが可能である。符号70は、加振部30を駆動するパワー回路である。符号604は、内部のマッピングデータを参照して、制振制御を行うマッピング制御部である。符号605は、周波数領域適応フィルタによる制振制御を行う周波数領域適応フィルタ部である。符号606は、時間領域適応フィルタによる制振制御を行う時間領域適応フィルタ部である。
図16は、図12に示す周波数領域適応フィルタ部605の動作を示す図である。周波数領域適応フィルタ部605は、観測点加速度信号とエンジンパルス信号とを入力し、フーリエ変換を用いて得られた制振対象の周波数成分に基づいて発生するべき力の力指令を求め、この力指令に基づいて得られる正弦波加振力指令値(振幅指令値と位相指令値)を求め、この正弦波加振力指令値をパワー回路70へ出力する。パワー回路70は、この指令値に基づいて、加振部の振動を制御することにより制振対象(車体)の振動を低減する。
以下、本発明の第6の実施形態による制振装置を、図面を参照して説明する。図17は、同実施形態による制振装置の構成を示すブロック図である。図17において、符号30は補助質量(おもり)を振動させ、その反力を用いて自動車等の制振対象機器の振動を抑制する加振部である。符号41は、加振部30が取り付けられる自動車の車体フレームである。加振部30は、車体フレーム(主系質量)41に発生する上下方向(重力方向)の振動を制御(制振)するものとする。符号72は、加振部30内に備えるリニアアクチュエータを駆動するための電流を供給するパワーアンプである。符号65は、加振部30に発生させるべき力に応じて、リニアアクチュエータに供給する電流を制御する電流制御部である。符号631は、加振部30に対して供給されている電流を検出する電流検出部である。符号641は、パワーアンプ72に対して印加されている電圧を検出する印加電圧検出部である。符号66は、電流検出部631及び印加電圧検出部641の出力(電流値と電圧値)に基づいて、加振部30内に備えるリニアアクチュエータの振動速度を推定するアクチュエータ振動速度推定部である。符号67は、アクチュエータ振動速度推定部66から出力される振動速度の値を入力し、理想アクチュエータ逆特性に基づいて、理想アクチュエータは出力するべき力指令信号を出力する理想アクチュエータ逆特性部である。符号68は、所定値の力指令値を出力する所定値出力部である。
Gi(s)=(Mis2+Cis+Ki)/s
・・・・(1)
ただし、Mi:補助質量(理想値)、Ci:減衰係数(理想値)、Ki:バネ定数(理想値であり、伝達関数の減衰係数が臨界減衰(減衰率=1)の1/100〜100倍の範囲である。
また、加振部30内に備えるリニアアクチュエータは、電磁力を利用したアクチュエータであり、例えば、レシプロモータを用いると有効である。また、加振部30内に備えるアクチュエータは、電圧を印加することで変位を起こす素子を用いた圧電アクチュエータであってもよい。
次に、本発明の第7の実施形態による制振装置を図面を参照して説明する。図20は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号30は、制振制御の対象物である制御対象機器44に固定して、内部に備えるリニアアクチュエータ(レシプロモータ)によって補助質量を駆動することにより制御対象機器44の振動を抑制する加振部である。ここでいう制御対象機器44とは、例えば、自動車の車体等である。
次に、図22を参照して、本発明の第8の実施形態による制振装置を説明する。図22は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、図20に示す装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図22に示す装置が図20に示す装置と異なる点は、振幅上限クランプテーブル621に換えて、勾配制限部625を設け、印加電流生成部624が勾配制限部625によって振幅の変動勾配が制限された振幅指令値に基づいて印加電流指令値を求めるようにした点である。勾配制限部625は、入力された振幅指令値の変動勾配を緩やかな変動にして出力するものである。印加電流生成部624が新たな印加電流指令値を求める場合に、勾配制限部625によって変動勾配が制限された振幅指令値と、指令値生成部620から出力された周波数指令値とに基づいて、新たな印加電流指令値を求めてパワーアンプ72へ出力することにより、急激に印加電流が変動することを抑制することができるため、可動子12がストッパ35に衝突することを防止することができる。また、周波数変動が大きい場合のみに制限を設けることによって応答の遅れを軽減することも可能である。
次に、図24を参照して、本発明の第9の実施形態による制振装置を説明する。図24は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、図20に示す装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図24に示す装置が図20に示す装置と異なる点は、振幅上限クランプテーブル621に換えて、振幅抑制部627と変動検出部629とを設け、印加電流生成部628が振幅抑制部627によって振幅が抑制された振幅指令値に基づいて印加電流指令値を求めるようにした点である。振幅抑制部627は、変動検出部629が検出した周波数指令値の変動量に応じて、振幅指令値の変動を抑制するものである。変動検出部629は、指令値生成部620から出力される周波数指令値の変動を常に検出し、変動量が所定値を超えた場合に、振幅抑制部627に対して、変動量が所定値を超えたことを通知するものである。印加電流生成部628が新たな印加電流指令値を求める場合に、変動検出部629が検出した周波数変動に基づいて振幅抑制部627により振幅が抑制された振幅指令値と、指令値生成部620から出力された周波数指令値とに基づいて、新たな印加電流指令値を求めてパワーアンプ72へ出力することにより、急激に印加電流が変動することを抑制することができるため、可動子12がストッパ35に衝突することを防止することができる。また、振幅抑制部627による振幅の抑制量を適切に制御することにより、急激な周波数変動時においてもある程度駆動を続行することができる。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (5)
- バネ要素によって支持された補助質量と、
前記補助質量を振動させるアクチュエータと、
前記補助質量を前記アクチュエータにより振動させた場合の反力を用いて、振動制御対象の振動を抑制するために、前記アクチュエータに対して印加する電流を制御する制御手段とを備えた制振装置であって、
前記制御手段は、発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて、前記アクチュエータに印加する電流を制御する場合に、前記補助質量の振動振幅が予め決められた値を超えないように、前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限する制御を行う振幅量制御手段をさらに備えており、
前記振幅量制御手段は、電流上限値が予め定義された電流上限テーブルを備え、前記電流上限テーブルを参照して、前記発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて求めた印加電流指令値を補正することにより前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限することを特徴とする制振装置。 - バネ要素によって支持された補助質量と、
前記補助質量を振動させるアクチュエータと、
前記補助質量を前記アクチュエータにより振動させた場合の反力を用いて、振動制御対象の振動を抑制するために、前記アクチュエータに対して印加する電流を制御する制御手段とを備えた制振装置であって、
前記制御手段は、発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて、前記アクチュエータに印加する電流を制御する場合に、前記補助質量の振動振幅が予め決められた値を超えないように、前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限する制御を行う振幅量制御手段をさらに備えており、
前記振幅量制御手段は、振幅変動の勾配を制限する振幅勾配制限手段を備え、
前記振幅勾配制限手段により、前記発生するべき振動の振幅指令値を補正することにより前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限することを特徴とする制振装置。 - バネ要素によって支持された補助質量と、
前記補助質量を振動させるアクチュエータと、
前記補助質量を前記アクチュエータにより振動させた場合の反力を用いて、振動制御対象の振動を抑制するために、前記アクチュエータに対して印加する電流を制御する制御手段とを備えた制振装置であって、
前記制御手段は、発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて、前記アクチュエータに印加する電流を制御する場合に、前記補助質量の振動振幅が予め決められた値を超えないように、前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限する制御を行う振幅量制御手段をさらに備えており、
前記振幅量制御手段は、印加電流変動の勾配を制限する電流勾配制限手段を備え、
前記電流勾配制限手段により、前記発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて求めた印加電流指令値を補正することにより前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限することを特徴とする制振装置。 - バネ要素によって支持された補助質量と、
前記補助質量を振動させるアクチュエータと、
前記補助質量を前記アクチュエータにより振動させた場合の反力を用いて、振動制御対象の振動を抑制するために、前記アクチュエータに対して印加する電流を制御する制御手段とを備えた制振装置であって、
前記制御手段は、発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて、前記アクチュエータに印加する電流を制御する場合に、前記補助質量の振動振幅が予め決められた値を超えないように、前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限する制御を行う振幅量制御手段をさらに備えており、
前記振幅量制御手段は、
振幅を抑制する振幅抑制手段と、
前記周波数指令値の変動量を検出する周波数変動検出手段とを備え、
前記周波数変動検出手段により検出した周波数変動が所定値を超えた場合に、前記振幅抑制手段により、前記発生するべき振動の振幅指令値を補正することにより前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限することを特徴とする制振装置。 - バネ要素によって支持された補助質量と、
前記補助質量を振動させるアクチュエータと、
前記補助質量を前記アクチュエータにより振動させた場合の反力を用いて、振動制御対象の振動を抑制するために、前記アクチュエータに対して印加する電流を制御する制御手段とを備えた制振装置であって、
前記制御手段は、発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて、前記アクチュエータに印加する電流を制御する場合に、前記補助質量の振動振幅が予め決められた値を超えないように、前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限する制御を行う振幅量制御手段をさらに備えており、
前記振幅量制御手段は、
印加電流を抑制する電流抑制手段と、
前記周波数指令値の変動量を検出する周波数変動検出手段とを備え、
前記周波数変動検出手段により検出した周波数変動が所定値を超えた場合に、前記発生するべき振動の振幅指令値及び周波数指令値に基づいて求めた印加電流指令値を前記電流抑制手段により補正することによって前記アクチュエータに対して印加する電流値を制限することを特徴とする制振装置。
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