JP2001182775A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2001182775A
JP2001182775A JP37132299A JP37132299A JP2001182775A JP 2001182775 A JP2001182775 A JP 2001182775A JP 37132299 A JP37132299 A JP 37132299A JP 37132299 A JP37132299 A JP 37132299A JP 2001182775 A JP2001182775 A JP 2001182775A
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vibration
yoke
electromagnet
vehicle body
mounting member
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Hiroshi Kojima
宏 小島
Satoru Ueki
哲 植木
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振マウントとしての機能に加えてアクティ
ブダンパとしての機能を発揮させ、かつ装置重量の増加
を抑制する。 【解決手段】 エンジンからの振動が頂板金具28を介
して防振装置10に入力すると、この振動はゴム弾性体
24へ伝わり、これによってゴム弾性体24が弾性変形
する。これにより、ゴム弾性体24の内部摩擦に基づく
運動エネルギの吸収作用によって振動が減衰され、エン
ジンから車体12へ伝達される振動レベルが低減され
る。また振動センサ66からの検出信号を受けたコント
ローラ64は、ヨーク38が車体12における振動の周
波数と等しい振動数で振動するように電磁石40のコイ
ル48へ駆動電圧に印加する。これにより、防振装置1
0は、ヨーク38の振動時にはヨーク38の質量と加速
度との積と等しい慣性力を車体12へ作用させ、この慣
性力により車体12における振動を打ち消す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車、
一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部
からフレーム等の振動受部へ伝達される振動を減衰させ
る防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、エンジンと車体(フレー
ム)との間に受動型防振装置としてのエンジンマウント
が配置されている。このようなエンジンマウントは、ゴ
ム弾性体の内部抵抗等により振動エネルギを吸収し、エ
ンジンからの振動を減衰してフレームへ伝達される振動
を抑制している。但し、このようなエンジンマウントで
は、エンジンからの振動を一定の減衰率で減衰できるも
のの、理論上、エンジンからフレームへ伝達される振動
を完全に消失できない。
【0003】そこで、近年、振動発生部から振動受部へ
伝達される振動を理論上、完全に打ち消すことができる
能動型防振装置であるアクティブダンパの自動車への適
用が検討されている。アクティブダンパとしては、例え
ば、質量体(マス)をコイルスプリング等により弾性的
に支持し、この質量体へヨーク、電磁石等からなる電磁
アクチュエータにより加振力を作用させて質量体を振動
させるものがある。このアクティブダンパを振動受部に
固定し、振動受部に伝達される振動の周波数等に対応さ
せて電磁アクチュエータを駆動し、電磁アクチュエータ
により質量体を振動させることで、質量体からの慣性力
(制御力)により振動受部に伝達された振動を能動的に
打ち消すことができる。
【0004】従って、自動車では、エンジンと車体との
間に防振マウント(エンジンマウント)を配置し、この
防振マウントによりエンジンからの振動を減衰すること
に加え、フレーム上にアクティブダンパを配置してエン
ジンから車体へ伝達される振動が打ち消されるように質
量体を振動させることにより、防振マウントのみの場合
と比較してエンジン作動時におけるフレームの振動を飛
躍的に小さくできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、防振マ
ウントに加えてアクティブダンパをフレームに取り付け
ようとすると、フレームにアクティブダンパを取り付け
ためのスペースを確保すると共に、アクティブダンパを
ボルト等によりフレームへ取り付けるための取付部を設
けなければならず、フレームに大きな設計変更が必要に
なることがある。また自動車の製造工程においては、ア
クティブダンパをフレームに取り付ける工程が追加され
るために製造作業が煩瑣になるという問題も生じる。
【0006】またアクティブダンパでは、通常、電磁ア
クチュエータのヨークが車体側へ固定されると共に、電
磁石が質量体に連結されるレイアウトが採られるが、こ
のようなレイアウトを採った場合にはヨークを含む固定
部全体の重量が電磁石を含む可動部全体の重量よりかな
り重くなる。ここで、電磁アクチュエータにより振動す
る質量体の慣性力は車体における被吸振領域と共にヨー
クにも作用する。このため、ヨークの質量が大きくなる
程、車体における被吸振領域の振動を実際に打ち消す制
振力が減少して行く。従って、アクティブダンパでは、
被吸振領域の質量とヨークの質量との和を実質的な被吸
振領域の質量と考え、この合計質量に対応させて質量体
の質量も十分大きくしなければならならず、アクティブ
ダンパの重量が重くなってしまう。
【0007】本発明の目的は、上記事実を考慮し、防振
マウントとしての機能に加えてアクティブダンパとして
の機能を有し、しかも装置重量の増加を抑制できる防振
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防振装置は、振
動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部
材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2
の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部
材との間に配置され、振動発生部からの入力振動により
弾性変形するゴム弾性体と、前記第1の取付部材と前記
第2の取付部材との間に配置され、振動発生部からの入
力振動の振幅方向に沿って変位可能とされた質量体と、
前記質量体の少なくとも一部として構成され、前記振幅
方向に沿って移動可能に支持されたヨークと、振動発生
部及び振動受部の何れかに連結され、前記ヨークへ電磁
気力を作用させる電磁石と、振動発生部からの入力振動
に対応して前記ヨークが振動するように前記電磁石を駆
動する制御手段と、を有するものである。
【0009】上記構成の防振装置によれば、振動発生部
からの振動によってゴム弾性体が弾性変形することによ
り、振動エネルギの一部をゴム弾性体の内部抵抗等によ
って吸収できるので、第1及び第2の取付部材の一方か
ら他方へ伝えられる入力振動を減衰できる。これと同時
に、制御手段が、振動発生部からの入力振動に対応して
ヨークが振動するように電磁石を駆動することにより、
振動発生部からの入力振動を打ち消すような慣性力を質
量体によって発生できるので、この慣性力によって入力
振動を能動的に減衰又は消失できる。
【0010】すなわち、上記構成の防振装置は、振動発
生部から振動受部へ伝えられる振動を受動的に減衰する
防振マウントとしての機能及び振動発生部からの振動を
質量体の慣性力により打ち消すアクティブダンパとして
機能を併せ持つ。従って、上記構成の防振装置によれ
ば、防振マウントに加えてアクティブダンパを別個に振
動受部又は振動発生部に取り付ける場合と比較し、振動
受部又は振動発生部にアクティブダンパ取付用の取付部
を設ける必要がなくなるので、振動受部又は振動発生部
の構造が簡略化されると共に設置スペースの増加も抑制
される。
【0011】また上記構成の防振装置では、ヨークが質
量体の少なくとも一部として構成されていることから、
電磁石と共に電磁アクチュエータを構成するヨークの質
量を質量体の質量として利用できるので、ヨークを振動
発生部又は振動受部に固定する場合と比較して装置の軽
量化が可能になる。
【0012】また上記構成の防振装置では、電磁石が振
動発生部及び振動受部の何れかに連結されていることか
ら、電磁石の駆動時における発生熱を熱伝導等によって
熱容量が大きい振動発生部及び振動受部の何れかに逃が
し、電磁石を効率的に冷却できるので、温度上昇による
装置故障の発生を抑制でき、さらに電磁石が振動発生部
及び振動受部の何れかに対して固定された状態となり、
電磁石へ駆動電圧を供給するケーブル等に振動による繰
り返し応力が作用しなくなるので、電磁石へ駆動電圧を
供給するケーブル等が振動時に作用する繰り返し応力に
より断線することを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
防振装置について図面を参照して説明する。
【0014】(実施の形態の構成)図1には本発明の実
施の形態に係る防振装置が示されている。この防振装置
10は自動車におけるエンジンを車体上へ支持する防振
マウント及び車体の振動を能動的に打ち消すアクティブ
ダンパとして適用されるものである。なお、図中符号S
は装置の中心線である軸心を示し、この軸心に沿った方
向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
【0015】防振装置10は、図1に示されるように自
動車における車体12への取付部材として有底円筒状の
取付金具14を有している。この取付金具14の上端部
には、径方向外側へ延出するフランジ部16が形成され
ている。また取付金具14の底板面にはボルト軸15が
軸心Sに沿って下方へ突出するように溶接等により固定
されている。
【0016】取付金具14の上方には略円筒状の外筒金
具18が配置されている。外筒金具18の下端部には、
径方向外側へ延出するフランジ状のかしめ部20が形成
されており、このかしめ部20は取付金具14のフラン
ジ部16上へ載置されている。外筒金具18は、そのか
しめ部20が取付金具14のフランジ部16を上下から
挟持するようにかしめられることにより、その下端部が
取付金具14の上端部へ同軸的に連結固定される。
【0017】外筒金具18の上部側には、外周側へテー
パ状に拡がる拡径部22が形成されている。この拡径部
22の内周面には、上方へ向かって外径が縮小する略円
錐台状のゴム弾性体24の下端部が加硫接着されてい
る。ゴム弾性体24は上端側が外筒金具18から上方へ
突出している。またゴム弾性体24の底面中央部には円
形の凹部26が形成され、この凹部26はその内径が上
方へ向かってテーパ状に縮径している。これにより、ゴ
ム弾性体24の軸方向に沿った断面形状は下方へ向かっ
て開いた略V字状となっている。またゴム弾性体24の
頂面には円板状の頂板金具28が加硫接着されている。
頂板金具28の上面にはボルト軸30が軸心Sに沿って
上方へ突出するように溶接等により固定されている。
【0018】外筒金具18内には、外筒金具18の内周
面下部に密着するように略円筒状の連結金具32が配置
されている。連結金具32の下端部には径方向外側へ延
出するフランジ部34が形成されている。このフランジ
部34が取付金具14のフランジ部16と外筒金具18
のかしめ部20との間に挟持され、これにより、連結金
具32は取付金具14に固定されている。
【0019】取付金具14と頂板金具28との間には、
取付金具14、外筒金具18及びゴム弾性体24をそれ
ぞれ隔壁として外部から隔離されたシール室36が形成
されている。このシール室36内にはヨーク38、電磁
石40等からなる電磁アクチュエータ42が配置されて
いる。電磁アクチュエータ42の電磁石40は円柱状と
されており、ブロック状の取付台44を介して取付金具
14の底板部上へ固定されている。これにより、電磁石
40は取付金具14を介して車体12へ連結固定され
る。ここで、電磁アクチュエータ42が、外部から隔離
されたシール室36内に配置されていることから、エン
ジンルーム内の水、オイル、腐食性ガスから電磁アクチ
ュエータ42が保護されている。
【0020】電磁石40は、軟鉄心により形成されたコ
ア46及び、このコア46の外周部に絶縁導線が巻き付
けられて設けられたコイル48から構成されており、軸
心Sに対して同軸的になるように配置されている。電磁
石40の上面には、軸心Sに沿って丸棒状のガイドロッ
ド50が上方へ突出するように設けられている。
【0021】電磁アクチュエータ42には、電磁石40
の上方に略円柱状のヨーク38が設けられ、このヨーク
38は、例えば鋳鉄や鋳鋼鉄等により形成されている。
ヨーク38には軸心Sに沿って貫通穴52が穿設される
と共に、その下面に軸心Sを中心として円柱状の凹部5
4が形成されている。ヨーク38の貫通穴52内にはス
リーブ状の軸受部材56が圧入固定されている。またヨ
ーク38の凹部26には内周部に板状の永久磁石58が
埋設固定されている。
【0022】ヨーク38は、その軸受部材56を電磁石
40のガイドロッド24の外周面に嵌挿すると共に、凹
部26内に電磁石40の上端側が収納されるように上方
から電磁石40へ被せられる。このとき、ガイドロッド
50は軸受部材56内へ摺動可能に挿通し、これによ
り、ヨーク38は電磁石40に対して同軸的になるよう
に位置決めされると共に、軸心Sに沿って相対的に変位
可能に支持される。またヨーク38の永久磁石58は、
電磁石40のコイル48の外周面に対面するように支持
される。
【0023】ヨーク38の外周面には、軸方向における
中間部にゴムを素材としてリング状とされた弾性連結部
材60の内周面が全周に亘って加硫接着され、この弾性
連結部材60の外周面は略円筒状の連結金具32の内周
面上端部に全周に亘って加硫接着されている。これによ
り、ヨーク38は弾性連結部材60により外筒金具18
に弾性的に連結され、弾性連結部材60が撓み変形する
ことにより軸方向に沿って変位可能になる。
【0024】上記の電磁アクチュエータ42では、電磁
石40のコイル48へ駆動電圧を印加することにより、
電磁石40と電磁石40との間には電磁気的な駆動力が
生じ、この駆動力はヨーク38を軸方向に沿って上方又
は下方へ変位させるように作用する。またコイル48へ
の駆動電圧の印加を中止又は極性を反転させると、電磁
気力が消失してヨーク38が弾性連結部材60の弾性的
な復元力等により軸方向に沿って駆動電圧の印加時とは
逆方向へ変位する。このとき、ヨーク38は慣性力によ
り図1に示される中立位置よりも上方まで移動する。従
って、例えば、コイル48へ電圧変化が正弦波形により
表される駆動電圧を印加することにより、ヨーク38は
駆動電圧の正弦波形の周期に応じた周波数で振動する。
このヨーク38の振動により生じた慣性力は、電磁石4
0及び取付金具14を介して車体12へ伝達され、車体
12における振動を打ち消すための制振力とされる。
【0025】ここで、ヨーク38の質量は、車体12に
おける電磁アクチュエータ62から車体12へ伝えられ
る慣性力によって振動が実質的に打ち消される領域(被
吸振領域)の質量及び剛性に応じて定められる。すなわ
ち、ヨーク38の加速度はその振幅及び周波数に応じて
予め定まっているので、ヨーク38の慣性力を被吸振領
域の振動エネルギに対抗できる大きさとするには、ヨー
ク38の質量を被吸振領域の質量及び剛性に対応させて
設定する必要がある。
【0026】なお、車体12における被吸振領域の質量
及び剛性が変わると、これに対応させてヨークの質量設
定値も変える必要がある。このため、予めヨーク自体の
質量を十分小さく設定しておき、このヨークに所定の質
量を有する補助ウェイトを取り付け、ヨーク及び補助ウ
ェイトの質量合計が被吸振領域の質量及び剛性に対応す
る大きさになるようにしてもよい。
【0027】また、ヨーク38の振動時にシール室36
におけるヨーク38に対して上方及び下方の気室内の空
気が圧縮又は膨張し、ヨーク38の移動抵抗となること
を防止すするため、必要に応じて取付金具14及び外筒
金具18の一方又は双方に外部へ連通する通気孔を穿設
するようにしてもよい。
【0028】また、電磁アクチュエータ42では、ヨー
ク38をゴム製の弾性連結部材60により弾性的に支持
しているが、この弾性連結部材60の代わりに、あるい
は弾性連結部材60に加えて金属製のコイルスプリング
によりヨーク38を弾性的に支持するようにしてもよ
い。
【0029】防振装置10は、取付金具14のボルト軸
15が車体12に穿設された取付穴13を挿通するよう
に車体12上へ載置され、取付穴13から突出したボル
ト軸15の先端部にナット62がねじ込まれることによ
り、取付金具14が車体12上に締結固定される。また
防振装置10の頂板金具28上にはエンジンブラケット
(図示省略)が載置される。このとき、頂板金具28の
ボルト軸30がブラケットに穿設された取付穴を挿通
し、この取付穴から突出したボルト軸30の先端部にナ
ット(図示省略)がねじ込まれることにより、頂板金具
28がエンジンブラケットに締結固定される。
【0030】防振装置10は電磁アクチュエータ42を
制御するコントローラ64を備えており、このコントロ
ーラ64には車体12上に設置された振動センサ66か
らの信号伝送用ケーブル68が接続されると共に、電圧
供給用ケーブル70により電磁アクチュエータ42の電
磁石40と接続されている。ここで、取付金具14の側
壁部には径方向へ貫通する穴が穿設され、この穴には樹
脂等からなるスリーブ72が圧入されている。電圧供給
用ケーブル70はスリーブ72を通ってシール室36内
へ挿入されると共に、スリーブ72を介して取付金具1
4へ固定されている。
【0031】振動センサ66は車体12上における防振
装置10付近に設置されており、車体12の振動を検出
して、この振動に対応する波形(例えば、正弦波形)の
電気信号を検出信号としてコントローラ64へ出力す
る。
【0032】一方、コントローラ64は、振動センサ6
6からの信号を受けてエンジン(図示省略)の作動時の
車体12における振動の周波数及び位相を判断する。コ
ントローラ64は、車体12における振動の周波数と等
しい周波数でヨーク38が振動するように駆動電圧の信
号波形(例えば、正弦波形)及び信号周期を設定する。
更にコントローラ64は、ヨーク38が車体12におけ
る振動の位相とは一定時間のずれを有する位相又は逆位
相で振動するように駆動電圧の位相を調整する。
【0033】(実施の形態の作用)次に本発明の実施形
態に係る防振装置10の動作及び作用を説明する。
【0034】エンジンからの振動が頂板金具28を介し
て防振装置10に入力すると、この振動はゴム弾性体2
4へ伝わり、これによってゴム弾性体24が弾性変形す
る。これにより、ゴム弾性体24の内部摩擦に基づく運
動エネルギの吸収作用によって振動が減衰され、エンジ
ンから車体12へ伝達される振動レベルが低減される。
【0035】一方、振動センサ66は、エンジンからの
振動が防振装置10を介して車体12へ伝達されると、
車体12の振動を検出して検出信号をコントローラ64
へ出力する。振動センサ66からの検出信号を受けたコ
ントローラ64は、ヨーク38が車体12における振動
の周波数と等しい振動数で振動するように電磁石40の
コイル48へ駆動電圧を印加する。これにより、防振装
置10は、ヨーク38の振動時にはヨーク38の質量と
加速度との積と等しい慣性力を車体12へ作用させる。
このとき、ヨーク38の振動数を車体12の振動数と等
しくすると共に、ヨーク38を車体の振動位相とは一定
のずれを有する位相(逆位相を含む)で振動させること
により、防振装置10からの慣性力は車体12の振動を
打ち消すように作用する。従って、エンジン作動時にお
ける車体12の振動レベルを大幅に低減できる。
【0036】以上説明したように防振装置10は、エン
ジンから車体12へ伝えられる振動を減衰する防振マウ
ントとしての機能及びエンジンからの振動をヨーク38
の慣性力により打ち消すアクティブダンパとして機能を
併せもつ。従って、この防振装置10によれば、防振マ
ウントに加えてアクティブダンパをそれぞれ別個に車体
12に取り付ける場合と比較し、車体12にアクティブ
ダンパ用の取付部を設ける必要がなくなるので、車体1
2の構造が簡略化されると共に、自動車内にエンジンマ
ウントの設置スペースを設ける必要もなくなる。
【0037】さらに、防振マウント及びアクティブダン
パのそれぞれに設ける必要があった車体12への取付構
造(マウント構造)も共通化できるので、トータル的に
は部品点数を減少できると共に車体12及びエンジンへ
の取付作業も簡単になる。
【0038】また防振装置10は、従来のアクティブダ
ンパのように車体12におけるエンジンの周辺部で振動
を打ち消すものではなく、車体12における防振装置1
0の取付部へ直接的に慣性力を作用させてエンジンから
車体12へ伝達される振動を打ち消すことから、車体1
2へ入力する振動レベルを減衰できる。
【0039】また防振装置10では、電磁アクチュエー
タ42のヨーク38が慣性力を発生させるための質量体
となっているので、ヨークを車体12側へ連結固定する
場合と比較して防振装置10の重量を軽減でき、かつヨ
ーク38が車体12へ慣性力(制振力)を作用させヨー
ク38自体には外部から制振力が作用しなくなるので、
ヨーク38の質量が大きくなっても車体12の振動を実
際に打ち消す制振力が減少することがなくなる。
【0040】また、電磁石40が車体12に対して連結
固定され、電磁アクチュエータ42の作動時にも電磁石
40が車体12に対して変位しないことから、電磁石4
0のコイル48にケーブル70を直接接続しても、ケー
ブル70には繰り返し応力等の外力が作用しなくなるの
で、繰り返し応力によってケーブル70が経時的に劣化
し、断線することを防止できる。
【0041】また防振装置10では、電磁石40が金属
製の取付金具14を介して車体12へ連結されているこ
とから、電磁石40の駆動時におけるコイル48からの
発生熱を熱伝導等によって熱容量が大きい車体12側へ
逃がし、電磁石40を効率的に冷却できるので、温度上
昇による装置故障の発生を抑制できる。
【0042】なお、エンジンからの振動の種類には、例
えば、車両が70〜80km/hで走行すると生じるシ
エイク振動(15Hz未満)や、アイドリング運転及び
車速が5km/h以下の低速運転の場合に生じるアイド
ル振動(20〜30Hz)等があるが、これらの振動の
種類をコントローラ64により判断させ、特定の振動、
例えば、シエイク振動が車体12に伝達されているとき
にのみ、防振装置10のアクティブダンパ機能を作動さ
せるようにしてもよい。
【0043】但し、防振装置10のアクティブダンパ機
能を停止させる際に、ヨーク38を軸方向へ移動可能な
状態にしておくと、車体12の振動時にヨーク38が共
振して車体12の振動を却って助長するおそれがある。
このような不具合を防止するためには、例えば、特定振
動の発生時にもコイル48への駆動電圧の印加を継続し
てヨーク38へ駆動力を作用させる。これにより、駆動
力がヨーク38の軸方向に沿った変位に対する抵抗力と
なってヨーク38の変位が抑制されるので、車体12の
振動時にもヨーク38の共振を防止できる。
【0044】また、本実施の形態では、取付金具14を
介して電磁アクチュエータ42の電磁石40を車体12
側へ連結固定する場合のみを説明したが、電磁石40を
振動発生部であるエンジン側に連結固定し、ヨーク38
の慣性力をエンジンへ作用させてエンジン自体の振動を
抑制するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防振装置に
よれば、防振マウントとしての機能に加えてアクティブ
ダンパとしての機能を発揮でき、しかも装置重量の増加
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1の実施の形態に係る防振装
置の構成を示す軸方向に沿った側面断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 車体(振動受部) 14 取付金具(第1の取付部材) 28 頂板金具(第2の取付部材) 36 シール室(シール空間) 38 ヨーク(質量体) 40 電磁石 42 電磁アクチュエータ 64 コントローラ(制御手段) 66 振動センサ(制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置
    され、振動発生部からの入力振動により弾性変形するゴ
    ム弾性体と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置
    され、振動発生部からの入力振動の振幅方向に沿って変
    位可能とされた質量体と、 前記質量体の少なくとも一部として構成され、前記振幅
    方向に沿って移動可能に支持されたヨークと、 振動発生部及び振動受部の何れかに連結され、前記ヨー
    クへ電磁気力を作用させる電磁石と、 振動発生部からの入力振動に対応して前記ヨークが振動
    するように前記電磁石を駆動する制御手段と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の取付部材と前記第2の取付部
    材との間に外部から隔離されたシール空間を設け、該シ
    ール空間内に前記質量体及び電磁石を配置したことを特
    徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、振動発生部からの入力振動
    の周波数に対応する振動数で前記質量体が振動するよう
    に前記電磁石に駆動電圧を印加することを特徴とする請
    求項1又は2記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、振動発生部が予め設定
    された所定の周波数で振動している時には、前記電磁石
    により前記ヨークを前記振幅方向に沿って一方向へ付勢
    し、前記質量体を静止状態とすることを特徴とする請求
    項1又は2記載の防振装置。
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