JP3409570B2 - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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JP3409570B2
JP3409570B2 JP6805596A JP6805596A JP3409570B2 JP 3409570 B2 JP3409570 B2 JP 3409570B2 JP 6805596 A JP6805596 A JP 6805596A JP 6805596 A JP6805596 A JP 6805596A JP 3409570 B2 JP3409570 B2 JP 3409570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両のエンジ
ン等のような周期的な振動を発する振動体を車体等の支
持体に防振しつつ支持する流体封入式の防振支持装置に
関し、特に、流体室の容積を変化させる磁化可能な可動
部材(磁路部材)に変位力を発生する電磁コイルを備え
たものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両のパワーユニットを支持する
ために用いられる防振支持装置であるエンジンマウント
には、主として、アイドル振動やこもり音振動及び加速
時騒音振動等に対して良好な防振機能が発揮されること
が要求されるが、これら各種の振動のうち、20〜30
Hz程度の比較的大振幅の振動であるアイドル振動を低減
するために防振支持装置に要求される特性は、高動ばね
定数で且つ高減衰であるのに対し、80〜800Hz程度
の比較的小・中振幅の振動であるこもり音振動・加速時
騒音振動を低減するために防振支持装置に要求される特
性は、低動ばね定数で且つ低減衰である。従って、通常
の弾性体のみからなるエンジンマウントや、従来の液体
封入式のエンジンマウントでは、全ての振動を防振する
ことは困難である。
【0003】そこで、自動車のエンジン等の振動体を能
動的に減衰して支持することが可能な防振支持装置とし
て、特開平5−60168号公報(以下、従来技術と称
す。)に開示した技術が知られている。
【0004】この従来技術の防振支持装置は、自動車の
車体側に支持体を固定し、この支持体の外側上方に所定
の間隔をおいて外殻を配置し、この外殻と前記支持体と
の間に中空円錐状のゴム状弾性体からなる支持弾性体
(公報では、膨張ばねと称している。)を連結してい
る。また、この支持弾性体の外側下部を覆うように前記
外殻と前記支持体との間にベローを配設し、前記外殻の
上部開口部に環状の板バネの外周縁部を固着し、この板
バネの内周縁部に磁化可能な略円板状の磁路部材(公報
では、振動板と称している。)を弾性支持している。そ
して、前記磁路部材の上面と対向するように、エンジン
側に前記外殻の上部と連結した支承部材を固定し、磁路
部材と所定間隔のギャップを設けて対向するように永久
磁石を設けるとともに、永久磁石の周囲に電磁石からな
る磁石体を設けた構造としている。また、前記支持弾性
体の上面と前記磁路部材の下面との間に密閉された主流
体室(公報では、作用室と称している。)を形成し、前
記支持弾性体の下面とベローの上面との間に密閉された
副流体室(公報では、調圧室と称している。)を形成
し、これら主流体室及び副流体室に液体を封入するとと
もに、主流体室及び副流体室の間を、前記外殻に穿設し
た緩衝孔を介して互いに連通させている。
【0005】この従来技術は、磁路部材の振動によって
主流体室に容積変動が生じると能動的な支持力が発生す
るので、エンジン側の振動発生状態に応じて電磁石によ
る電磁力の発生により磁路部材を適宜振動させ、車体側
に伝達される振動を低減するようにしている。また、主
流体室は、緩衝孔を介して副流体室に連通するようにな
っており、振動体側から入力される振動によって支持弾
性体が変形して主流体室に容積変動が生じると、主流体
室内に封入した液体と副流体室内に封入した液体とが緩
衝孔を介して互いに移動し合うことにより減衰力が発生
するので、受動的な流体封入式の防振支持装置の作用も
得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
あっては、環状の板バネが、永久磁石との間に所定間隔
のギャップを設けながら磁路部材を弾性支持する構造と
しているが、高精度にギャップを設定することが難し
く、エンジンマウント20の組み立てに多くの時間を要
してしまう。
【0007】また、エンジン側で発生した振動は、板バ
ネ及び磁路部材にも伝達されるが、磁路部材の重量が重
いと、板バネ及び磁路部材の振動伝達系の共振点が低く
なって共振時の振動レベルが高くなり、防振制御の特性
が不安定となるおそれがある。したがって、板バネ及び
磁路部材の振動伝達系の共振点を高くし、共振時の振動
レベルを抑制するためには、できる限り磁路部材の軽量
化を図ることが重要である。
【0008】本発明は、このような従来技術が有する解
決すべき課題に着目してなされたものであって、磁路部
材と電磁アクチュエータとの間のギャップを、組み立て
を容易としながら高精度に設定することが可能であり、
且つ板バネ及び磁路部材の共振を抑制して防振制御の特
性を安定することが可能な防振支持装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、請求項1に記載の防振支持装置は、振動体及び支持
体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって
画成された主流体室と、この主流体室にオリフィスを介
して連通する容積可変の副流体室と、これら主流体室、
副流体室及びオリフィス内に封入された流体と、前記主
流体室の隔壁の一部を形成し且つその流体室の容積を変
化させる方向に変位可能な可動部材と、電磁力の発生に
より前記可動部材を前記方向に変位させる電磁アクチュ
エータとを備え、前記可動部材を、前記主流体室側及び
前記電磁アクチュエータ側を仕切る板バネと、この板バ
ネの中央部に固定されて前記電磁アクチュエータと対向
する磁化可能な円盤形状の磁路部材とで構成した防振支
持装置において、前記板バネと前記電磁アクチュエータ
との間に、前記磁路部材及び前記電磁アクチュエータの
対向面どうしの間のギャップを設定するギャップ保持リ
ングを前記磁路部材と同軸に配置し、前記電磁アクチュ
エータを、柱状のヨークと、このヨークの前記磁路部材
側を向く対向面側に、前記流体室の容積を変化させる方
向に軸方向を向けて環状に埋設された励磁コイルとを備
えた構造とし、磁力線が発生しない前記磁路部材の前記
板バネ側を向く外周側端面を、全周にわたって前記板バ
ネ側に向かうに従い上り傾斜面となるテーパ面として切
り欠くことにより切欠き面を形成し、外周側の肉厚が薄
い前記磁路部材とした。
【0010】また、請求項2記載の発明は、振動体及び
支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によ
って画成された主流体室と、この主流体室にオリフィス
を介して連通する容積可変の副流体室と、これら主流体
室、副流体室及びオリフィス内に封入された流体と、前
記主流体室の隔壁の一部を形成し且つその流体室の容積
を変化させる方向に変位可能な可動部材と、電磁力の発
生により前記可動部材を前記方向に変位させる電磁アク
チュエータとを備え、前記可動部材を、前記主流体室側
及び前記電磁アクチュエータ側を仕切る板バネと、この
板バネの中央部に固定されて前記電磁アクチュエータと
対向する磁化可能な円盤形状の磁路部材とで構成した防
振支持装置において、前記板バネと前記電磁アクチュエ
ータとの間に、前記磁路部材及び前記電磁アクチュエー
タの対向面どうしの間のギャップを設定するギャップ保
持リングを前記磁路部材と同軸に配置し、前記電磁アク
チュエータを、柱状のヨークと、このヨークの前記磁路
部材側を向く対向面側に、前記流体室の容積を変化させ
る方向に軸方向を向けて環状に埋設された励磁コイルと
を備えた構造とし、磁力線が発生しない前記磁路部材の
前記板バネ側を向く外周側端面を全周にわたって切り欠
くことにより切欠き面を形成し、外周側の肉厚が薄い前
記磁路部材とするとともに、前記ギャップ保持リングの
一部に、前記磁路部材の切り欠き部分に向けて肉厚が増
大する厚肉筒部を形成し、この厚肉筒部の内周面を前記
切欠き面に近接させた。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の防振支持装置において、前記磁路部材の前記
板バネ側の軸中央部に空洞部を形成した。また、請求項
4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の防振
支持装置において、前記ヨークの前記磁路部材と対向し
ない端面の軸中央部に、凹部を形成した。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項1記
載の防振支持装置において、前記ギャップ保持リングの
一部に、前記磁路部材の切り欠き部分に向けて肉厚が増
大する厚肉筒部を形成し、この厚肉筒部の内周面を前記
切欠き面に近接させた。
【0013】さらに、請求項6記載の発明は、請求項1
乃至5の何れかに記載の防振支持装置において、前記厚
肉筒部の内周面を、前記磁路部材の前記板バネ側に向か
うに従い上り傾斜面となるテーパ面として形成した切欠
き面と平行に離間するテーパ面として形成した。
【0014】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、板バネと
電磁アクチュエータとの間に、磁路部材及び電磁アクチ
ュエータの対向面どうしの間のギャップを設定するギャ
ップ保持リングを磁路部材と同軸に配置したので、従来
装置のように、環状の板バネが磁路部材を弾性支持し且
つギャップを設定する必要がなく、高精度にギャップを
設定することができ、しかも防振支持装置の組み立てを
容易とすることができる。また、本発明は、前記磁路部
材の前記板バネ側を向く外周側端面を、全周にわたって
前記板バネ側に向かうに従い上り傾斜面となるテーパ面
として切り欠くことにより切欠き面を形成し、外周側の
肉厚が薄い前記磁路部材としたことから、磁路部材の軽
量化が図られ、磁路部材及び板バネの振動伝達系の共振
点が高くなる。このため、共振時の振動レベルを抑制す
ることができるので、防振制御の特性を迅速に安定させ
ることができる。
【0015】また、請求項2記載の発明によると、高精
度にギャップを設定することができ、防振支持装置の組
み立てを容易とすることができるとともに、磁路部材の
軽量化が図られて磁路部材及び板バネの振動伝達系の共
振点が高くなるので、防振制御の特性を迅速に安定させ
ることができる。それに加えて、ギャップ保持リングの
一部に、前記磁路部材の切り欠き部分に向けて肉厚が増
大する厚肉筒部を形成しているので、ギャップ保持リン
グの剛性を高めることができる。
【0016】また、図7の符号SB で示す斜線領域で示
すように、磁路部材の板バネ側を向く軸中央部にも磁力
線が発生しない。そこで、請求項3記載の発明は、磁路
部材の板バネ側を向く軸中央部に空洞部を形成して磁路
部材の軽量化を図った。これにより、共振時の振動レベ
ルを抑制することができるので、さらに、防振制御の特
性を迅速に安定させることができる。
【0017】一方、ヨークの磁路部材側を向く対向面側
に、流体室の容積を変化させる方向に軸方向を向けて環
状に励磁コイルを埋設すると、図7の符号Sc で示す斜
線領域で示すように、ヨークの磁路部材と対向しない端
面の軸中央部にも磁力線が発生しない。そこで、請求項
4記載の発明は、ヨークの磁路部材と対向しない端面の
軸中央部に凹部を形成した。この凹部に、例えば振動体
側又は支持体側の振動を検出するセンサを内蔵しても、
センサは磁力による影響を受けることがない。さらに、
この凹部に前述したセンサや他の構成部品を収納する
と、防振支持装置高さ寸法を減少させることができる。
【0018】また、請求項5記載の発明によると、ギャ
ップ保持リングの一部に、前記磁路部材の切り欠き部分
に向けて肉厚が増大する厚肉筒部を形成しているので、
ギャップ保持リングの剛性を高めることができる。
【0019】さらに、請求項6記載の発明によると、
厚肉筒部の内周面を、前記磁路部材の前記板バネ側に向
かうに従い上り傾斜面となるテーパ面として形成した切
欠き面と平行に離間するテーパ面として形成しているの
で、厚肉筒部のテーパ面を、板バネ及び磁路部材を一体
に固定する際の軸合わせ治具として利用することができ
る。すなわち、ギャップ保持リングを、厚肉筒部のテー
パ面を上方に向けた状態で筒体の内部に装着し、その厚
肉筒部のテーパ面に磁路部材の下方を向いたテーパ面を
当接すると、磁路部材とギャップ保持リングの軸線が一
致する。そして、筒体の内部に板バネを装着するだけ
で、板バネ及び磁路部材の軸合わせが完了する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係る防振支持装
置を、振動体としてのエンジン側から支持体としての車
体側部材に伝達される振動を能動的に低減する所謂アク
ティブエンジンマウント(以下、単にエンジンマウント
と称する)に適用したものである。そして、図1の符号
20で示すエンジンマウントは、横置に搭載したエンジ
ン22の車体後方側に配設され、その上部がブラケット
24に、下部が車体26に固定された支持体としてのメ
ンバ28に取り付けられている。
【0021】次に、図2から図8を参照してエンジンマ
ウント20を説明する。このエンジンマウント20は、
装置ケース43に、主流体室と複数のオリフィス及び副
流体室を画成する支持弾性体32、内筒34、第1オリ
フィス構成部材36、外筒38等のマウント部品を内蔵
し、これらマウント部品の下部の装置ケース43に、主
流体室の隔壁の一部を形成しながら弾性支持された可動
部材を主流体室の容積が変化する方向に変位させる電磁
アクチュエータ52と、メンバ28側の振動状況を検出
する荷重センサ54とを内蔵した装置である。
【0022】すなわち、このエンジンマウント20は、
前述したように互いに平行に離間した2本の連結ボルト
30aを上方に向けて固定したエンジン側連結部材30
を備えている。このエンジン側連結部材30の下部に
は、断面逆台形状の中空筒部30bが固定されている。
【0023】そして、エンジン側連結部材30の上面に
は、2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に対して直交す
る方向に、リバウンドストッパ部材31となる所定厚さ
の弾性体が加硫接着により固定されているとともに、こ
のリバウンドストッパゴム31と連続するエンジン側連
結部材30の下面側には、エンジン側連結部材30の下
部側及び中空筒部30bの周囲を覆うように、支持弾性
体32が加硫接着により固定されている。
【0024】この支持弾性体32は、中央部から外周部
に向けて緩やかに下方に傾斜する肉厚の略円筒状の弾性
体であって、その外周面は、軸心が中空筒部30bと同
軸に振動体支持方向(この場合は、上下方向)を向く内
筒34の内周面に加硫接着により結合されている。
【0025】前記内筒34は、図2に示すように、上端
筒部34aから下方に向かうに従い徐々に縮径されて傾
斜部34bが形成され、傾斜面34bの下端部から下方
に向けて上端筒部34aより小径の小径部34cが形成
されている。そして、この小径部34cの下端部から径
方向外方に向けて環状部34dが形成され、この環状部
34dの外周端部から下方に向けて前記上端筒部34a
と同一外周径の下端筒部34eが形成された部材であ
る。そして、小径部34cには、軸心に対して互いに対
称となる位置に第1開口孔34f及び第2開口孔34g
が形成されている。そして、内筒34の傾斜部34b、
小径部34cの内周面には、支持弾性体32の下部側か
ら連続する薄膜弾性体32aが結合しており、この薄膜
弾性体32aは、さらに環状部34d側及び下端筒部3
4e側まで延びて、環状部34d及び下端筒部34eの
内周面に結合している。ここで、薄膜弾性体32aの下
端部は、肉厚を厚くした形状とされている。また、第1
開口孔34fは、薄膜弾性体32aに閉塞されて第1ダ
イアフラム32cを形成しているが、第2開口孔34g
は薄膜弾性体32aに閉塞されずに開口している。
【0026】また、支持弾性体32の内部に断面山形状
の空洞部32bが形成されており、この空洞部32bの
下部に位置するように、第1オリフィス構成部材36が
内筒34に内嵌されている。この第1オリフィス構成部
材36は、内筒34の小径部34cより小径に形成され
た最小径筒部36aを備え、その最小径筒部36aの上
下端部に径方向外方に向けて環状部36b、36cが形
成された筒状部材である。上部側の環状部36bは、外
周径が内筒34の小径部34cより僅かに小径となるよ
うに形成されている。また、下部側の環状部36cは、
内筒34の下端筒部34eより小径に形成されていると
ともに、その外周端部から下方に向けて筒状端部36c
1 が形成されている。さらに、最小径筒部36aには、
内筒34に形成した第2開口孔34gと対向する位置
に、第3開口孔36dが形成されている。ここで、前述
したように肉厚を厚くした薄膜弾性体32aの下端部
は、内筒34の下端筒部34e及び第1オリフィス構成
部材36の筒状端部36c1 との間で挟み込まれること
により、径方向に圧縮されながら挟み込まれた部分から
下側に僅かに突出する。
【0027】また、内筒34には外筒38が外嵌されて
おり、傾斜部34b、小径部34c及び環状部34dの
外周面で形成した凹部を外筒38の内周面で囲むことに
より、周方向に環状空間が画成されている。そして、こ
の環状空間に、第2オリフィス構成部材40及び第2ダ
イアフラム42が配設されている。
【0028】すなわち、外筒38は、その内周径を内筒
34の外周径と同一寸法とし、また軸方向の長さを内筒
34と同一寸法とした円筒部材である。そして、この外
筒38には、前記凹部の略1/3の部分を外周側から臨
むことが可能となるように、長手方向が周方向に延びる
スリット状の開口部38bが形成されている。
【0029】また、第2ダイアフラム42はゴム状の薄
膜弾性体であり、図5に示すように、開口部38bの開
口縁部の全周に結合して開口部38bを閉塞し、前記凹
部の略1/3の部分に向けて膨出した状態で配設されて
いる。また、第2オリフィス構成部材40は、第2ダイ
アフラム42の配設により小空間となった残りの環状空
間(凹部の略2/3の部分に対応する環状空間)に配設
されており、図5及び図6に示すように、弾性体からな
る隔壁部材40a及び通路形成部材40bとで構成され
ている。
【0030】前記隔壁部材40aは、第2ダイアフラム
42の長手方向の一端部42aに近接する環状空間に、
この環状空間を形成する内筒34及び外筒38の間に嵌
入された状態で配設されており、この隔壁部材40aに
よって通路形成部材40b側から第2ダイヤフラム42
側への流体の流れが遮断されている。また、通路形成部
材40bは、隔壁部材40aに近接する位置から第2ダ
イアフラムの長手方向の他端部42bに近接する位置ま
での環状空間を連続して形成されており、一端開口部4
0b3 が内筒34の第2開口孔34gと連通して周方向
に沿って延在し、他端開口部が隔壁部材40aに向けて
開口する第1通路40b1 と、この第1通路40b1
上部の異なる通路として第1通路40b1 の略2倍の長
さで周方向に延在し、一端開口部が隔壁部材40aに向
けて開口し、他端開口部40b4が第2ダイヤフラム4
2の他端部42bに向けて開口する第2通路40b2
を備えた部材である。
【0031】また、装置ケース43は、その上端部に内
筒34の外周径より小径の円形開口部を有する上端かし
め部43aが形成されているとともに、この上端かしめ
部43aと連続するケース本体の形状を、内周径が外筒
38の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する円筒
形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とした部
材である。
【0032】そして、支持弾性体32及び内筒34と一
体化された外筒38を、装置ケース43の下端開口部か
ら内部に嵌め込んでいき、上端かしめ部43aの下面に
外筒38及び内筒34の上端部が当接することにより、
それらは装置ケース43内の上部に配設される。ここ
で、図2及び図5に示すように、装置ケース43の内周
面と第1ダイヤフラム32cとで囲まれた部分に空気室
42cが画成されるが、この空気室42cを臨む位置に
空気孔42dが形成され、この空気孔42dを介して空
気室42cと大気が連通している。
【0033】さらに、装置ケース43内の下部には、磁
路部材46と一体化された板バネ48、ギャップ保持リ
ング50、電磁アクチュエータ52、荷重センサ54及
び車体側連結部材56が順次配設され、これらの部品を
配設した後、装置ケース43の下端部を径方向内方に向
けて変形することにより、図2の実線で示すように下端
かしめ部43cが形成される。ここで、本実施形態で
は、磁路部材46及び板バネ48によって可動部材が構
成されている。
【0034】前記シールリング44は、図2に示すよう
に、装置ケース43の内周径と同一の外周径寸法とし、
第1オリフィス構成部材36の下部側の環状部36cよ
り小径の内周径とした環状部材であり、その下面には所
定半径の周方向に形成したリング溝内にOリング44a
が装着されている。
【0035】また、板バネ48は円板形状の部材であ
り、前記Oリング44aを上面の外周側に当接した状態
でシールリング44の下部に配設され、この板バネ48
の中央下部に磁路部材46が固定されている。
【0036】前記磁路部材46は、鉄等の磁化可能な金
属部材により形成されており、下面を平坦面として所定
の肉厚さt1 で形成した円盤形状の磁路部46aと、こ
の磁路部46aの中央部から上方に突出して板バネ48
の中央下部に固定された固定部46bとを備えている。
そして、固定部46bの軸中央部を削り取って空洞部4
6cが形成されているとともに、磁路部46aの上面側
外周も削り取って周方向に連続するテーパ面46a1
形成されている。なお、これら板バネ48及び磁路部材
46は、Oリングを外嵌したリベット45により締結さ
れており、板バネ48の上面側及び下面側の液密及び気
密が確実に保持されている。
【0037】また、ギャップ保持リング50は、板バネ
48の下面と、後述する電磁アクチュエータ52のヨー
ク52aの上面との間に配設される筒状の部材であり、
軸方向の長さを、板バネ48の下面から磁路部材46の
下面までの軸方向の寸法にギャップt2 の寸法を加えた
値となるように設定されている。そして、このギャップ
保持リング50は、肉厚を薄くした薄肉筒部50aと、
肉厚を厚くした厚肉筒部50bとを備えて厚肉筒部50
bを上部に位置させるとともに、この厚肉筒部50b側
の内周面に、前記磁路部材46のテーパ面46a1 と平
行に対向するテーパ面50b1 が形成されている。
【0038】そして、このギャップ保持リング50の下
部に配設された電磁アクチュエータ52は、前述した円
柱形のヨーク52aと、ヨーク52aの上面中央部に磁
極を上下方向に向けて固定された永久磁石52cと、こ
の永久磁石52cを包囲するように軸方向を上下方向と
してヨーク52a内の上端面側に環状に埋設された励磁
コイル52bとから構成されている。
【0039】ここで、ヨーク52aの下部中央には凹部
52a1 が形成されており、この凹部52a1 内に荷重
センサ54が配設されている。そして、ヨーク52の下
部に配設された荷重センサ54を下側から覆うように、
2本の車体側取付けボルト56aを下方に向けて固定し
た車体側連結部材56が配設されている。そして、車体
側連結部材56の外周部を外側から覆うように装置ケー
ス43の下端部に下端かしめ部43cを形成する。
【0040】また、図3及び図4に示すように、装置ケ
ース43の上端かしめ部43aの周方向に離間した位置
に、2つのストッパ金具59bが固定されており、これ
らストッパ金具59bの上面に、所定厚さの弾性体から
なるバウンドストッパ部材59aが固定されている。そ
して、ブラケット24に連結ボルト30aを介してエン
ジン側連結部材30を連結すると、前記2つのバウンド
ストッパ部材59aがブラケットの一部に対向するよう
になっている。また、2本の連結ボルト30a間を結ぶ
線に対して直交し、エンジン側連結部材30の上方をア
ーチ状に延在するようにリバウンド規制部材60が装置
ケース43に固定されている。前記リバウンド規制部材
60は、前述したリバウンドストッパ部材31と対向す
る規制体60aと、規制体60aの両端部から徐々に下
がって装置ケース43の外周に固定された一対のストッ
パ脚部60b、60cとで構成されている。
【0041】ところで、本実施形態のエンジンマウント
20は、第1オリフィス構成部材36の外周側及び第1
オリフィス構成部材36の内部が、第3開口孔36dを
介して連通し、第1オリフィス構成部材26の内部及び
第2オリフィス構成部材40の第1通路40b1 が、第
2開口孔34gを介して連通し、第1通路40b1 から
第2ダイヤフラム42が膨出している空間に第2通路4
0b2 を介して連通している。
【0042】そして、支持弾性体32の空洞部32bと
第1オリフィス構成部材36の上部外周面とで画成され
た部分を主流体室66とすると、この主流体室66から
前述した第2ダイヤフラム42が膨出している空間まで
の連通路内に、油等の流体が封入されている。そして、
前述した第1及び第2オリフィス構成部材36、40及
び第1及び第2ダイアフラム32c、42cによって、
主流体室66の容積が変動する際に流体共振を発生する
3箇所の第1〜第3オリフィス68A、70A、72A
及び第1〜第3副流体室68B、70B、72Bが形成
されている。
【0043】すなわち、第1オリフィス68Aは、図5
に示すように、第1オリフィス構成部材36の最小径筒
部36aと内筒34の小径部34cで囲まれた内部空間
であり、第1副流体室68Bは、第1ダイアフラム32
c近傍の第1オリフィス構成部材36の内部空間として
いる。また、第2オリフィス70Aは、図5及び図6に
示すように、第1通路40b1 から第2通路40b2
通過して第2ダイヤフラム42が内部に膨出している位
置までの空間であり、第2副流体室70Bは、第2ダイ
ヤフラム42が内部に膨出している空間としている。さ
らに、第3オリフィス72Aは、図2に示すように、最
小径筒部36aの内周側の空間であり、第3副流体室7
2Bは、最小径筒部36aの下端面から板バネ48まで
の空間としているそして、第1オリフィス68A及び第
1副流体室68Bで構成した流体共振系の特性は、減衰
ピーク周波数(減衰が最大となる周波数)が、車両停車
中に発生するアイドル振動(20〜30Hz程度)の周波
数に一致するように調整されている。また、第2オリフ
ィス70A及び第2副流体室70Bで構成した流体共振
系の特性は、減衰ピーク周波数がブレーキング時に発生
するシェイク振動(20Hz以下)の周波数に一致するよ
うに調整されている。さらに、第3オリフィス72A及
び第3副流体室72Bで構成した流体共振系の特性は、
減衰ピーク周波数が、車室内のこもり音振動・加速時騒
音振動(80〜800Hz以上)の周波数に一致するよう
に調整されている。
【0044】そして、電磁アクチュエータ52の励磁コ
イル52bは、コントローラ74にハーネスを介して接
続されており、図1のブロック図で示すように、コント
ローラ74から供給される駆動電流としての駆動信号y
に応じて所定の電磁力を発生するようになっている。
【0045】コントローラ74は、マイクロコンピュー
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ等を含んで構成されており、アイドル振
動周波数及びそれ以上の高周波の振動(例えば、こもり
音振動)が入力されている場合には、その振動と同じ周
期の制御振動がエンジンマウント20に発生して、メン
バ28への振動の伝達力が“0”となるように(より具
体的には、エンジン22側の振動によってエンジンマウ
ント20に入力される加振力が、電磁アクチュエータ5
2の電磁力によって得られる制御力で相殺されるよう
に)、駆動信号yを生成し励磁コイル52bに供給する
ようになっている。
【0046】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント20を介して
メンバ28に伝達されることが主な原因であるから、そ
のエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し
出力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、
本実施形態では、エンジン22のクランク軸の回転に同
期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、
クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス
信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成
器76を設けていて、その基準信号xが、エンジン22
における振動の発生状態を表す信号としてコントローラ
74に供給されている。
【0047】そして、前述した荷重センサ54が、メン
バ28の振動状況を荷重の形で検出し残留振動信号eと
して出力し、その残留振動信号eが干渉後における振動
を表す信号としてコントローラ74に供給されている。
そして、コントローラ74は、それら基準信号x及び残
留振動信号eに基づき、逐次更新形の適応アルゴリズム
の一つであるFiltered−X LMSアルゴリズ
ムに従って駆動信号yを生成し出力する。
【0048】次に、本実施形態の防振機構の作用を説明
する。エンジン22が始動状態となりエンジンマウント
20に振動が入力されるようになると、コントローラ7
4は、所定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ5
2に駆動信号yを出力し、エンジンマウント20に振動
を低減し得る能動的な制御力を発生させる。
【0049】すなわち、コントローラ74からエンジン
マウント22の電磁アクチュエータ52に対しては、基
準信号x及び残留振動信号eが入力された時点から所定
のサンプリング・クロックの間隔で、適応ディジタルフ
ィルタWのフィルタ係数が順番に駆動信号yとして供給
される。この結果、励磁コイル52bに駆動信号yに応
じた磁力が発生するが、磁路部材46には既に永久磁石
52cによる一定の磁力を付与されているから、その励
磁コイル52bによる磁力は、永久磁石52cの磁力を
強める又は弱めるように作用すると考えることができ
る。つまり、励磁コイル52bに駆動信号yが供給され
ていない状態では、磁路部材46は、板バネ48による
弾性支持力と、永久磁石52cの磁力との釣り合った中
立の位置に変位することになる。そして、この中立の状
態で励磁コイル52bに駆動信号yが供給されると、そ
の駆動信号yによって励磁コイル52bに発生する磁力
が永久磁石52cの磁力と逆方向であれば、磁路部材4
6は電磁アクチュエータ52とのクリアランスが増大す
る方向に変位する。逆に、励磁コイル52bに発生する
磁力が永久磁石52cの磁力と同じ方向であれば、磁路
部材46は電磁アクチュエータ52とのクリアランスが
減少する方向に変位する。
【0050】このように、板バネ48は電磁アクチュエ
ータ52が発生する磁力によって上下両方向に変位可能
であり、板バネ48が上下に変位すれば、主流体室66
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体32
の拡張方向ばねが変形するから、このエンジンマウント
20に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのであ
る。そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタ
Wの各フィルタ係数W1は同期式Filtered−X
LMSアルゴリズムに従って逐次更新されるため、あ
る程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各
フィルタ係数Wiが最適値に収束した後は、駆動信号y
がエンジンマウント20に供給されることによって、エ
ンジン22からエンジンマウント20を介してメンバ2
8側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減さ
れるようになる。
【0051】ここで、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、ブレーキング時
のシェイク振動周波数の近傍であれば、本実施形態で
は、主流体室66を第2オリフィス70Aを介して第2
副流体室70Bに連通させており、しかもその流体共振
系の共振周波数をシェイク振動周波数に一致させている
ため、主流体室66の容積が変動すると第2オリフィス
70Aを通じて主流体室66及び第2副流体室70B間
に流体移動による流体共振が発生する。その結果、シェ
イク振動に対して高減衰力を与えることができ、良好な
防振効果を得ることができる。
【0052】また、エンジン22側からエンジンマウン
ト20に入力される振動の周波数が、車両停車中のアイ
ドル振動周波数の近傍となると、その周波数で主流体室
66も容積変化が生じても第2オリフィス70A内の流
体はそのアイドル振動周波数に追従できずスティック状
態となるため、第2オリフィス70Aを介した主流体室
66及び第2副流体室70B間での流体の移動は生じな
い。したがって、主流体室66内の容積変動は、第1オ
リフィス68Aを介して第1副流体室68Bに伝達され
るが、この流体共振系の共振周波数はアイドル振動周波
数に一致させているので、主流体室66の容積がその周
波数で周期的に変化しても第1オリフィス68A内の流
体はスティック状態とならず、主流体室66内の圧力変
化が直接作用する第1オリフィス68Aを介して主流体
室66及び第1副流体室68B間で流体の移動が生じ
る。これにより、第1オリフィス68Aを通じて主流体
室66及び第2副流体室68B間で流体共振が発生する
ので、同一の電磁アクチュエータ52によってより大き
な制御力を発生することができる。特にエンジン22側
で発生する振動の振幅が大きいアイドル振動に対して大
きな振幅の制御振動を重畳させることができ、良好な防
振効果を得ることができるのである。
【0053】さらに、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、こもり音振動や
加速時騒音振動の周波数の近傍になると、その周波数で
主流体室66も容積変化が生じても第1オリフィス68
A内の流体はそのこもり音振動周波数に追従できずステ
ィック状態となるため、第1オリフィス68Aを介した
主流体室66及び第2副流体室68B間での流体の移動
は生じない。したがって、主流体室66内の容積変動
は、第3オリフィス72Aを介して第3副流体室72B
に伝達されるが、この流体共振系の共振周波数はこもり
音振動・加速時騒音振動の周波数に一致させているの
で、主流体室66の容積がその周波数で周期的に変化し
ても第3オリフィス72A内の流体はスティック状態と
ならず、主流体室66の容積が変動すると第3オリフィ
ス72Aを通じて主流体室66及び第3副流体室72B
間で流体共振が発生し、同一の電磁アクチュエータ52
によって、より大きな制御力を発生することができる。
【0054】次に、電磁アクチュエータ52に対向する
位置に配設された磁路部材46と、磁路部材46及び電
磁アクチュエータ52との間のギャップt2 を設定する
ギャップ保持リング50との作用効果について、図2
と、図7及び図8に示す模式図を参照して説明する。
【0055】コントローラ74から電磁アクチュエータ
52に駆動信号yが出力されると、ヨーク52a内に環
状に埋設された励磁コイル52bは、図7に示すように
磁力線Mを発生するが、磁路部46aの板バネ48側の
外周部(図7の符号SA で示す斜線領域)、固定部46
bの中央部(符号SB で示す斜線領域)、ヨーク52a
の下部中央部(符号Sc で示す斜線領域)には磁力線M
が発生しない。
【0056】これにより、前述したSA 、SB の部分が
存在しない磁路部材46を形成しても、この磁路部材4
6の磁化を変化させることがない。そこで、本実施形態
では、前記SA の領域に対応する位置に、磁路部46a
の上面側外周を削り取って周方向に連続するテーパ面4
6a1 を形成し、前記SB の領域に対応する位置に、固
定分46bの軸中央部を削り取って空洞部46cを形成
しており、磁路部材46の磁化に何等影響を与えること
がない。
【0057】そして、テーパ面46a1 、空洞分46c
を形成することによって磁路部材46の軽量化が図られ
るので、磁路部材46及び板バネ48の振動伝達系の共
振点が高くなる。このため、共振時の振動レベルを抑制
することができるので、防振制御の特性を迅速に安定す
ることができる。
【0058】また、ヨーク52aの下部中央部(図7の
符号Sc で示す斜線領域)も磁力線Mが発生せず、本実
施形態では、その斜線領域に凹部52a1 を形成してこ
の凹部52a1 内に荷重センサ54を配設しており、励
磁コイル52bの磁力は荷重センサ54に影響を与えな
いので、正常に荷重センサ54を作動させることができ
る。そして、ヨーク52aの下部に荷重センサ54の一
部を内蔵することにより、荷重センサ54の位置決め作
業を容易とするとともに、エンジンマウント20の高さ
寸法を減少させることができる。
【0059】一方、ギャップ保持リング50は、図2に
示すように、板バネ48とヨーク52aとの間に配置す
るだけで高精度のギャップt2 を設定することが可能と
なるので、エンジンマウント20の組み立てを容易とす
ることができる。そして、ギャップ保持リング50は、
磁路部材46のテーパ面46a1 の形成によって上面側
外周部が削り取られた部分側に膨出するように、肉厚を
厚くした厚肉筒部50bを形成しているので、高剛性の
部材とすることができる。
【0060】さらに、厚肉筒部50bに形成したテーパ
面50b1 を、板バネ48及び磁路部材46を一体に固
定する際の軸合わせ治具として利用することができる。
すなわち、図8は、装置ケース43の上下方向を逆転し
(図2のエンジンマウント20の天地を逆転した状
態)、装置ケース43の内部にギャップ保持リング50
を配置した後、このギャップ保持リング50の上方に位
置する磁路部材46と、下方に位置する板バネ48とを
一体に組み立てる手順を示したものであるが、磁路部材
46のテーパ面46a1 をギャップ保持リング50のテ
ーパ面50b 1 に当接するだけで、磁路部材46の軸線
が、ギャップ保持リング50(又は、装置ケース)の軸
線に一致する。そして、下方位置から板バネ48を磁路
部材46の固定部46に当接し、両者をリベット45に
より締結することにより、板バネ48及び磁路部材46
が同軸に固定される。このように、厚肉筒部50bのテ
ーパ面50b1 を利用することによって、板バネ48及
び磁路部材46の軸合わせを簡単に行うことができる。
【0061】なお、上記実施形態では、本発明に係る防
振支持装置を、エンジン22を支持するエンジンマウン
ト20に適用した場合を示しているが、本発明に係る防
振支持装置の適用対象はエンジンマウント20に限定さ
れるものではなく、例えば振動を伴う工作機械の防振支
持装置等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振支持装置の配置状態を示す全
体構成図である。
【図2】本発明に係る防振支持装置の軸方向に沿った断
面を示す図である。
【図3】防振支持装置を平面視で示した図である。
【図4】防振支持装置を側面視で示した図である。
【図5】防振支持装置を軸方向に直交する方向に切断し
た状態の断面を示す図である。
【図6】防振支持装置の構成部材である第2オリフィス
構成部材の要部を示した斜視図である。
【図7】本発明に係る電磁アクチュエータの構成部材で
ある励磁コイルの磁力線の発生状態を示す模式図であ
る。
【図8】本発明に係るギャップ保持リングを、板バネ及
び磁路部材の軸合わせ治具として利用した状態を示す模
式図である。
【符号の説明】 20 エンジンマウント(防振支持装置) 22 エンジン(振動体) 28 メンバ(支持体) 32 支持弾性体 46 磁路部材(可動部材) 46a1 磁路部材のテーパ面(切欠き面) 46c 空洞部 48 板バネ(可動部材) 50 ギャップ保持リング 50a 薄肉筒部 50b 厚肉筒部 50b1 厚肉筒部のテーパ面 52 電磁アクチュエータ 52a ヨーク 52a1 凹部 52b 励磁コイル 66 主流体室(流体室) 68A 第1オリフィス(流体室) 68B 第1副流体室(流体室) 70A 第2オリフィス(流体室) 70B 第2副流体室(流体室) 72A 第3オリフィス(流体室) 72B 第3副流体室(流体室)
フロントページの続き (72)発明者 平出 高久 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−61425(JP,A) 特開 平5−60168(JP,A) 特開 平8−291844(JP,A) 特開 平8−219228(JP,A) 特開 平7−167202(JP,A) 特開 平6−294438(JP,A) 特開 平7−240314(JP,A) 特開 平5−280571(JP,A) 特開 平7−269645(JP,A) 実開 平7−4944(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体によって画成された主流体室と、
    この主流体室にオリフィスを介して連通する容積可変の
    副流体室と、これら主流体室、副流体室及びオリフィス
    内に封入された流体と、前記主流体室の隔壁の一部を形
    成し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位可能
    な可動部材と、電磁力の発生により前記可動部材を前記
    方向に変位させる電磁アクチュエータとを備え、前記可
    動部材を、前記主流体室側及び前記電磁アクチュエータ
    側を仕切る板バネと、この板バネの中央部に固定されて
    前記電磁アクチュエータと対向する磁化可能な円盤形状
    の磁路部材とで構成した防振支持装置において、 前記板バネと前記電磁アクチュエータとの間に、前記磁
    路部材及び前記電磁アクチュエータの対向面どうしの間
    のギャップを設定するギャップ保持リングを前記磁路部
    材と同軸に配置し、 前記電磁アクチュエータを、柱状のヨークと、このヨー
    クの前記磁路部材側を向く対向面側に、前記流体室の容
    積を変化させる方向に軸方向を向けて環状に埋設された
    励磁コイルとを備えた構造とし、磁力線が発生しない前
    記磁路部材の前記板バネ側を向く外周側端面を、全周に
    わたって前記板バネ側に向かうに従い上り傾斜面となる
    テーパ面として切り欠くことにより切欠き面を形成し、
    外周側の肉厚が薄い前記磁路部材とした ことを特徴とす
    る防振支持装置。
  2. 【請求項2】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体によって画成された主流体室と、
    この主流体室にオリフィスを介して連通する容積可変の
    副流体室と、これら主流体室、副流体室及びオリフィス
    内に封入された流体と、前記主流体室の隔壁の一部を形
    成し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位可能
    な可動部材と、電磁力の発生により前記可動部材を前記
    方向に変位させる電磁アクチュエータとを備え、前記可
    動部材を、前記主流体室側及び前記電磁アクチュエータ
    側を仕切る板バネと、この板バネの中央部に固定されて
    前記電磁アクチュエータと対向する磁化可能な円盤形状
    の磁路部材とで構成した防振支持装置において、 前記板バネと前記電磁アクチュエータとの間に、前記磁
    路部材及び前記電磁ア クチュエータの対向面どうしの間
    のギャップを設定するギャップ保持リングを前記磁路部
    材と同軸に配置し、 前記電磁アクチュエータを、柱状のヨークと、このヨー
    クの前記磁路部材側を向く対向面側に、前記流体室の容
    積を変化させる方向に軸方向を向けて環状に埋設された
    励磁コイルとを備えた構造とし、磁力線が発生しない前
    記磁路部材の前記板バネ側を向く外周側端面を全周にわ
    たって切り欠くことにより切欠き面を形成し、外周側の
    肉厚が薄い前記磁路部材とするとともに、 前記ギャップ保持リングの一部に、前記磁路部材の切り
    欠き部分に向けて肉厚が増大する厚肉筒部を形成し、こ
    の厚肉筒部の内周面を前記切欠き面に近接させた ことを
    特徴とする防振支持装置。
  3. 【請求項3】 前記磁路部材の前記板バネ側の軸中央部
    に空洞部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記
    載の防振支持装置。
  4. 【請求項4】 前記ヨークの前記磁路部材と対向しない
    端面の軸中央部に、凹部を形成したことを特徴とする
    求項1乃至3の何れかに記載の防振支持装置。
  5. 【請求項5】 前記ギャップ保持リングの一部に、前記
    磁路部材の切り欠き部分に向けて肉厚が増大する厚肉筒
    部を形成し、この厚肉筒部の内周面を前記切欠き面に近
    接させたことを特徴とする請求項1記載の防振支持装
    置。
  6. 【請求項6】 前記厚肉筒部の内周面を、前記磁路部材
    の前記板バネ側に向かうに従い上り傾斜面となるテーパ
    面として形成した切欠き面と平行に離間するテーパ面と
    して形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか
    に記載の防振支持装置。
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