JP3409682B2 - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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JP3409682B2
JP3409682B2 JP05525498A JP5525498A JP3409682B2 JP 3409682 B2 JP3409682 B2 JP 3409682B2 JP 05525498 A JP05525498 A JP 05525498A JP 5525498 A JP5525498 A JP 5525498A JP 3409682 B2 JP3409682 B2 JP 3409682B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/264Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions comprising means for acting dynamically on the walls bounding a working chamber

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両のエ
ンジン等の振動体を車体等の支持体に防振しつつ支持す
る装置に係り、特に、振動体及び支持体間に介在するよ
うに配設される支持弾性体によって流体室を画成し、そ
の流体室の容積を能動的に変化させることにより振動伝
達率の低減を図ることができる防振支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の先行技術としては、例えば図8
や本出願人が先に提案した特開平9−250590号公
報に記載したものがある。
【0003】即ち、先行技術としての防振支持装置を図
8を伴って説明すると、この防振支持装置1は、例えば
エンジン等の振動体側に固定される平板状の固定部材2
を有し、この固定部材2の上面にはエンジンへの取り付
け用のボルト2aが一体に設けられていて、この固定部
材2の裏面には、支持弾性体3の上面中央部が加硫接着
されている。
【0004】支持弾性体3は、その中央部が周縁部より
も上方に盛り上がった肉厚円形状のゴム状弾性体であ
り、その外周面は、円筒部材4の上端部内周面に加硫接
着されている。円筒部材4は、シール部材固定用の上側
間座5と、板ばね支持用の下側間座6と、電磁アクチュ
エータ10のヨーク10Aの縁部10aとともに、外筒
7の内周面に固定されている。
【0005】電磁アクチュエータ10は、円筒形の鉄製
のヨーク10Aと、このヨーク10Aの上面に軸を上下
に向けて固定された励磁コイル10Bと、ヨーク10A
の上面中央部に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成され、ヨーク10Aの下端面には図示
しない取り付け用のボルト等が固定されていて、そのボ
ルトを利用して例えば車体等の支持体側に固定される。
なお、ヨーク10Aと支持体との間には、振動低減制御
に必要な残留振動を検出するために、図示しない加重セ
ンサ等が介在する。
【0006】一方、電磁アクチュエータ10の上方に
は、外筒7内において上下方向に変位可能なように、永
久磁石10Cとの間に所定間隔のギャップを設けて可動
部材11が配設されている。可動部材11は、略円板状
の鉄製の隔壁形成部材11Aと、略円板状の鉄製の磁路
形成部材11Bとから構成された部材であって、それら
隔壁形成部材11Aと磁路形成部材11Bとは、電磁ア
クチュエータ10から遠い方に位置する隔壁形成部材1
1Aの裏面中央部から下方に向けて突出した円柱部11
aが、電磁アクチュエータ10に近い方に位置する磁路
形成部材11Bの中央部に形成され上面側に突出する円
筒部11bに圧入されることにより、一体となってい
る。磁路形成部材11Bの下面(電磁アクチュエータ1
0側の面)の周縁部には、この磁路形成部材11Bと電
磁アクチュエータ10との直接の衝突を防止するための
リング状のゴム状弾性体からなるストッパ部材11Cが
固定されている。
【0007】そして、円筒部11bの先端部が隔壁形成
部材11Aの裏面側に突き当たっていて、これにより、
隔壁形成部材11A及び磁路形成部材11B間には、リ
ング状に連続したくびれ部12が形成されている。かか
るくびれ部12内には、この可動部材11を弾性支持す
るために、ばね鋼材製の板ばね13が収容されている。
そして、その板ばね13の内周部上面が、隔壁形成部材
11Aの裏面中央部に円筒部11b先端部を包囲するよ
うに形成された肉厚部11cを支持し、板ばね13の外
周部裏面が、下側間座6内周面に形成されたリング状に
連続する凸部からなる支持部6aに支持されていて、こ
れにより、可動部材11が外筒7に板ばね13を介して
弾性支持されている。
【0008】また、隔壁形成部材11Aの上面は平坦に
なっていて、その上面と、支持弾性体3下面と、円筒部
材4内周面とで、流体室15が形成されていて、その流
体室15内には流体が封入されている。但し、流体室1
5からくびれ部12側への流体の漏洩を防止するため
に、上下動する可動部材11の隔壁形成部材11A外周
面と、上側間座5内周面との間には、シール部材16が
固定されている。
【0009】即ち、シール部材16は、リング形状をし
たゴム状弾性体であって、その内周面は隔壁形成部材1
1Aの外周面に加硫接着され、その外周面は上側間座5
の内周面に加硫接着されていて、その弾性変形によっ
て、上側間座5や外筒7に対する可動部材11の上下方
向への相対変位を許容している。
【0010】このような構成の防振支持装置1であれ
ば、図示しないコントローラから供給される駆動信号に
よって電磁アクチュエータ10が発生する磁力が変化
し、可動部材11が上下方向に変位して流体室15の容
積が変化し、その容積変化が支持弾性体3の拡張方向ば
ねに作用するから、固定部材2及び外筒7間には能動的
な支持力が発生する。そこで、電磁アクチュエータ10
に供給する駆動信号を適応アルゴリズム等に従って適切
に生成することにより、固定部材2側から外筒7側に伝
達される振動を支持力によって相殺又は低減することが
できるから、支持体側の振動レベルを低減することがで
きるのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電磁アクチ
ュエータ10が可動部材11を引きつける力は、電磁力
が同じ場合、磁路形成部材11Bの表面積が大きい程強
くなるため、消費電力や制御効率を考えると表面積を大
きくした方がよい。しかしながら、発生する電磁力の周
方向での不均一性や、板ばね13のばね定数の周方向で
の不均一性により、可動部材11は厳密に水平なまま電
磁アクチュエータ10に近づかず、若干傾斜した状態に
なる場合があり、表面積が大きい程径方向に長くなるた
め、少しの傾斜で磁路形成部材11Bの上部周縁部の一
部が下側間座6の支持部6aに接触することになり、異
音発生の原因となってしまう。
【0012】そこで、磁路形成部材11Bの外径を小さ
くしたり、磁路形成部材11Bの肉厚を薄く形成するこ
とにより、磁路形成部材11Bの上部周縁部と前記下側
間座6の支持部6aとの間の距離を大きく設定し、磁路
形成部材11Bと下側間座6の支持部6aとの接触を防
止することが考えられる。しかし、磁路形成部材11B
の外径を小さくしたり、肉厚を薄くしたりすると、永久
磁石10C及び励磁コイル10Bによって生じる磁路形
成部材11Bの磁束変化が減少して電磁アクチュエータ
の発生力が小さくなり可動部材11の変位量が小さくな
るので、安定した防振制御特性を得ることが難しくな
る。
【0013】本発明は、このような先行する防振支持装
置が有する未解決の課題に着目してなされたものであっ
て、可動部材とその周囲の内部部品との異音発生を防止
しながら安定した防振制御特性を得ることが可能な防振
支持装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、請求項1に係る発明は、振動体及び支持体間に介在
する支持弾性体と、この支持弾性体に連設された装置ケ
ースと、前記支持弾性体内に画成され内部に流体が封入
された流体室と、この流体室の容積を変化させる方向に
変位する円盤形状の可動部材と、前記装置ケース内に配
設され駆動信号に応じて前記可動部材を変位させる力を
発生する電磁アクチュエータと、前記装置ケース内の前
記支持弾性体側に配設され、内側に向けて突出するばね
支持部を形成した支持リングと、外周端部が前記ばね支
持部により前記電磁アクチュエータ側から自由端支持さ
れ、中央部に形成した孔部の周縁を前記可動部材に形成
したくびれ部に係合して前記可動部材を前記電磁アクチ
ュエータに対向させた状態で弾性支持する板ばねと、を
備えた防振支持装置において、前記ばね支持部と前記電
磁アクチュエータとの間に位置する前記可動部材の外周
縁部を、径方向外方に向かうに従い肉厚が減少する薄肉
環状部とし、前記ばね支持部に対向している面から前記
電磁アクチュエータに対向している面までを連続して覆
うように、前記薄肉環状部の全周に弾性体からなるスト
ッパ部材を固定し、前記可動部材の傾斜により接触の可
能性がある前記板ばね及び前記可動部材の所定位置の距
離をSとすると、前記ストッパ部材及び前記ばね支持部
が互いに離間している距離を、前記距離Sより小さい値
に設定した。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の防振支持装置において、前記薄肉環状部を、径方向
外方に向けて凸状に突出して肉厚が減少する形状とし
た。また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の防振
支持装置において、前記薄肉環状部を、径方向外方に向
けて徐々に薄肉形状となりながら湾曲する形状とした。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3の何れかに記載の防振支持装置において、前記ばね
支持部の前記可動部材の外周縁部に対向する面を、径方
向内方に向かうに従い前記外周縁部から徐々に離間する
傾斜面として形成した。
【0017】さらに、請求項5記載の発明は、請求項4
記載の防振支持装置において、前記傾斜面を所定の曲率
半径を有する湾曲面として形成した。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の効果】請求項1から3記載の発明によると、電
磁アクチュエータが可動部材を引きつける場合に、電磁
力の周方向での不均一性や、板ばねのばね定数の周方向
での不均一性によって可動部材が大きく傾斜しても、ば
ね支持部と電磁アクチュエータとの間に位置する可動部
材の外周縁部を径方向外方に向かうに従い肉厚が減少す
る薄肉環状部としたので、ばね支持部材、電磁アクチュ
エータに対する可動部材の接触頻度が少なくなる。これ
により、従来装置のように可動部材の外径寸法を小さく
したり、或いは肉厚を薄く形成しなくても、電磁アクチ
ュエータの発生力を減少させず、安定した防振制御特性
を有しながら異音の発生を減少させることができる。
【0021】また、薄肉環状部の全周に弾性体からなる
ストッパ部材を固定したことから、可動部材は、ストッ
パ部材を介してばね支持部材或いは電磁アクチュエータ
に当接するので異音発生を確実に防止することができ
る。また、ストッパ部材は、薄肉環状部の周囲を挟み込
むように連続して固定されているので、可動部材に対す
る固定力が増大した部材となる。
【0022】また、前記可動部材が大きく傾斜すると、
板ばね及び前記可動部材の近接している部分が接触して
異音が発生するおそれがあるが、可動部材の傾斜により
接触の可能性がある板ばね及び可動部材の所定位置の距
離をSとすると、前記ストッパ部材及び前記ばね支持部
が互いに離間している距離を、前記距離Sより小さい値
に設定しているので、ストッパ部材及びばね支持部が先
に接触し、前述した板ばね及び可動部材の接触を防止
し、異音の発生を確実に防止することができる。
【0023】また、本発明の請求項4によると、ストッ
パ部材が径方向外方に向けて凸状に突出した薄肉環状部
の周囲に固定されていると、ばね支持部に接触する側の
ストッパ部材の体積、電磁アクチュエータに接触する側
のストッパ部材の体積とが増大した形状となる。これに
より、ばね支持部或いは電磁アクチュエータが繰り返し
接触しても、このストッパ部材の体積が増大している部
分が長期に渡って弾性変形を持続することができるの
で、耐久性及び耐摩耗性が向上したストッパ部材とな
る。
【0024】また、請求項4記載の発明によると、ばね
支持部と薄肉環状部との間の距離がさらに大きな寸法と
なるので、可動部材及びばね支持部の接触頻度を大幅に
減少させることができる。
【0025】さらに、請求項5記載の発明によると、請
求項4記載の効果を得ることができるとともに、ストッ
パ部材は、ばね支持部の湾曲面と接触することにより接
触面圧が低下するので、耐久性及び耐摩耗性が向上した
ストッパ部材を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に係る防振支持装置
の一実施形態である能動型振動制御装置を適用した車両
の概略側面図である。
【0027】先ず、構成を説明すると、エンジン(振動
体)17が駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能
な防振支持装置(能動型エンジンマウント)20を介し
て、サスペンションメンバ等から構成される車体(支持
体)18に支持されている。なお、実際には、エンジン
17及び車体18間には、防振支持装置20の他にエン
ジン17及び車体18間の相対変位に応じた受動的な支
持力を発生する複数のエンジンマウントも介在してい
る。受動的なエンジンマウントとしては、例えばゴム状
の弾性体で荷重を支持する通常のエンジンマウントや、
ゴム状の弾性体内部に減衰力発生可能に流体を封入して
なる公知の流体封入式のマウントインシュレータ等が適
用できる。
【0028】次に、図2に示すものは、防振支持装置2
0の具体的な構成を示すものである、装置ケース43に
外筒34、オリフィス構成部材36、内筒37、支持弾
性体32等のマウント部品を内蔵し、これらマウント部
品の下部に、主流体室の隔壁の一部を形成しながら弾性
支持された可動部材を主流体室の容積が変化する方向に
変位させる電磁アクチュエータ52と、車体メンバ28
の振動状況を検出する荷重センサ54とを内蔵してい
る。
【0029】すなわち、本実施形態の防振支持装置20
は、連結ボルト30aを上方に向けて固定したエンジン
側連結部材30を備えている。このエンジン側連結部材
30の下部には、断面逆台形状の中空筒体30bが固定
されている。
【0030】前記エンジン側連結部材30の下面側に
は、エンジン側連結部材30の下部側及び中空筒体30
bの周囲を覆うように、支持弾性体32が加硫接着によ
り固定されている。この支持弾性体32は、中央部から
外周部に向けて緩やかに下方に傾斜する厚肉の略円筒状
の弾性体であって、内面に断面山形状の空洞部32aが
形成されている。そして、薄肉形状とした支持弾性体3
2の下端部は、軸心(以下、マウント軸と称する)P1
が中空筒体30bと同軸に振動体支持方向(この場合
は、上下方向)を向くオリフィス構成部材36の内周面
に加硫接着により結合している。
【0031】オリフィス構成部材36は、同一外周径と
した上端筒部36a及び下端筒部36bの間に小径筒部
36cを連続して形成した部材であり、外周に環状凹部
を設けている。また、図示しないが、小径筒部36cに
は開口部が形成されており、この開口部を介してオリフ
ィス構成部材36の内側及び外側が連通している。
【0032】また、オリフィス構成部材36の外側に外
筒34が嵌合しており、この外筒34は内周径をオリフ
ィス構成部材36の上端筒部36a及び下端筒部36b
の外周径と同一寸法とし、軸方向の長さをオリフィス構
成部材36と同一寸法に設定した円筒部材である。ま
た、この外筒34には開口部34aが形成されており、
この開口部34aの開口縁部にゴム製の薄膜弾性体から
なるダイアフラム42の外周が結合して開口部34aを
閉塞しつつ、外筒34の内側に向けて膨出している。
【0033】そして、上記構成の外筒34を、環状凹部
を囲むようにオリフィス構成部材36に外嵌すると、外
筒34及びオリフィス構成部材36間の周方向に環状空
間が画成され、その環状空間にダイアフラム42が膨出
した状態で配設される。
【0034】また、オリフィス構成部材36の内側に嵌
合している内筒37は、オリフィス構成部材36の小径
筒部36cより小径に形成した最小径筒部37aを備
え、その最小径筒部37aの上下端部に径方向外方に向
けて環状部37b、37cが形成されている。上部側の
環状部37bは、外周径がオリフィス構成部材36の小
径筒部36cより僅かに小径に形成され、下部側の環状
部36cは、オリフィス構成部材36の下端筒部36b
より小径に形成されているとともに、最小径筒部37a
に第2開口部37dが形成されている。
【0035】そして、装置ケース43は、その上端部に
上端筒部36aの外周径より小径の円形開口部を有する
上端かしめ部43aが形成されているとともに、この上
端かしめ部43aと連続するケース本体の形状を、内周
径が外筒34の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続
する円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)
とした部材である。
【0036】そして、支持弾性体32、オリフィス構成
部材36、内筒37及びダイアフラム42を一体化した
外筒34を装置ケース43の下端開口部から内部に嵌め
込んでいき、上端かしめ部43aの下面に外筒34及び
オリフィス構成部材36の上端部を当接させることによ
り、それらが装置ケース43内の上部に配設される。
【0037】ここで、装置ケース43の内周面とダイヤ
フラム42とで囲まれた部分に空気室42cが画成され
るが、この空気室42cを臨む位置に空気孔43aが形
成されており、この空気孔43aを介して空気室42c
と大気が連通している。
【0038】また、装置ケース43内の下部には円筒状
のスペーサ70が嵌め込まれており、このスペーサ70
内の上部に可動部材78が配置されているとともに、ス
ペーサ70内の下部に電磁アクチュエータ52が配置さ
れている。
【0039】すなわち、スペーサ70は、上部筒体70
a及び下部筒体70bとの間にゴム製の薄膜弾性体から
なるダイアフラム70cを加硫接着した部材である。ま
た、電磁アクチュエータ52は、外観円筒形のヨーク5
2aと、ヨーク52aの上端面側に埋設した円環状の励
磁コイル52bと、ヨーク52aの上面中央部に磁極を
上下方向に向けて固定した永久磁石52cとで構成され
ており、前記ヨーク52aは、上下方向に2分割した上
部ヨーク部材53a及び下部ヨーク部材53bとで構成
されており、上部ヨーク部材53aの下側外周及び下部
ヨーク部材53bの上側外周を削り取って、周方向に連
続する凹部52dが形成されている。そして、スペーサ
70のダイアフラム70cは、前記凹部52dにむけて
膨出しており、装置ケース43の内周面とダイヤフラム
70cとで囲まれた部分に空気室70dが画成される
が、この空気室70dを臨む位置に空気孔43bが形成
されており、この空気孔43bを介して空気室70dと
大気が連通している。なお、ヨーク52aの下面と、車
体側連結ボルト60を備えた蓋部材62との間には、振
動低減制御に必要な残留振動を検出るために、加重セン
サ64が介装されている。なお、荷重センサ64として
は、圧電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能であ
り、このセンサの検出結果は、図1に示すように、残留
振動信号eとしてコントローラ25に供給されるように
なっている。
【0040】一方、スペーサ70内の上部には、シール
部材固定用のシールリング72と、後述する板ばね82
の外周部を下側から自由端支持する内径側に凸状に突出
したばね支持部74aを内周部に形成した支持リング7
4と、電磁アクチュエータ52のヨーク52a及び可動
部材78間のギャップHを設定するギャップ保持リング
76とが、振動体支持方向P1 に同軸に配置されている
とともに、これらリングの内側に上下方向に変位可能と
なるように可動部材78が配置されている。
【0041】また、可動部材78は、外観円盤状の隔壁
形成部材78Aと、この隔壁形成部材78Aより大径円
盤状に形成した磁路形成部材78Bとで構成した部材で
あって、電磁アクチュエータ52に対して遠い方に位置
する隔壁形成部材78Aの軸心にボルト孔80aを形成
し、電磁アクチュエータ52に近い磁路形成部材78B
を貫通した可動部材用ボルト80がボルト孔80aに螺
合することにより、隔壁形成部材78A及び磁路形成部
材78Bが一体に連結した構造となっている。
【0042】また、隔壁形成部材78A及び磁路形成部
材78B間には、リング状に連続したくびれ部79が画
成されているが、このくびれ部79に可動部材78を弾
性支持するための板ばね82が収容されている。つま
り、板ばね82は、中央部に孔部を形成した円盤形状の
部材であり、この板ばね82の内周部を、隔壁形成部材
78Aの裏面中央部を下側から自由端支持し、板ばね8
2の外周部を、支持リング74のばね支持部74aが下
側から自由端支持しており、これにより可動部材78が
装置ケース43に板ばね82を介して弾性支持されてい
る。
【0043】そして、隔壁形成部材78Aは、流体室8
4に面している隔壁部80cの肉厚を薄くし、隔壁部8
0cの外周から上方に突出する環状のリブ80bを形成
した部材である。また、隔壁形成部材78の上面と、支
持弾性体32の下面と、内筒37の内周面とで流体室8
4が形成され、この流体室84内に流体が封入される。
ただし、流体室84から板ばね82を収容しているくび
れ部79側への流体の漏洩を防止するため、隔壁形成部
材78Aの外周側と、シールリング72の内周側との間
には、シール部材86が固定されている。このシール部
材86は、リング形状をしたゴム状弾性体であって、そ
の弾性変形によって、シールリング7や装置ケース43
に対する可動部材78の上下方向への相対変位を許容し
ている。
【0044】ここで、図3にも示すように、磁路形成部
材78Bの外周縁部には、径方向外方に向けて凸状に突
出し、磁路形成部材78Bより肉厚の小さい薄肉環状部
78B1 が形成されており、この薄肉環状部78B1
上下面は、支持リング74のばね支持部74a及び電磁
アクチュエータ52のヨーク52aの両者間に位置する
ように対向して設けられている。そして、磁路形成部材
78Bとばね支持部74aとは、鉛直方向(図中の上下
方向)には重ならないようにしており、可動部材78が
図中上方向に大きくストロークすると、薄肉環状部78
1 とばね支持部74aとが接触するようになってい
る。
【0045】また、前記薄肉環状部78B1 には、可動
部材78が過度にストロークした際に、ばね支持部74
a及びヨーク52aとの直接の接触を防止するためのリ
ング状のゴム状弾性体からなるストッパ部材78Cが、
薄肉環状部78B1 の上下面及び外周端面を覆った状態
で固定されている。
【0046】そして、本実施形態では、板ばね82の孔
部の周囲の内周側が磁路形成部材78Bに最も近接して
いるが、この板ばね82及び磁路形成部材78Bが最も
近接している位置の距離をSとすると(図3参照)、電
磁アクチュエータ52が作動していない状態、即ち、可
動部材78が永久磁石52cの磁力のみで吸引されてい
る時に、前述したストッパ部材78Cの上面と支持リン
グ74のばね支持部74aとが離間している距離h
1 は、前述した距離Sより小さい値に設定されている
(h1 <S)。
【0047】さらに、図3に示すように、磁路形成部材
78Bの下面と電磁アクチュエータ52のヨーク52a
間のギャップをHの値とすると、ストッパ部材78Cの
下面及び電磁アクチュエータ52のヨーク52a間の隙
間h3 は、ギャップHより小さな値に設定され(h3
H)、磁路形成部材78Bの下面よりストッパ部材78
Cの方がヨーク52a側に近接している。
【0048】一方、電磁アクチュエータ52の励磁コイ
ル52bは、コントローラ25から供給される電流であ
る駆動信号yに応じて所定の電磁力を発生するようにな
っている。コントローラ25は、マイクロコンピュー
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ、ROM,RAM等の記憶媒体等を含ん
で構成され、エンジン17で発生する振動を低減できる
能動的な支持力が防振支持装置20に発生するように、
防振支持装置20に対する駆動信号yを生成し出力する
ようになっている。
【0049】ここで、エンジン17で発生するアイドル
振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒エンジン
の場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動が車体1
8に伝達されることが主な原因であるから、そのエンジ
ン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出力すれ
ば、車体側振動の低減が可能となる。そこで、本実施の
形態では、エンジン17のクランク軸の回転に同期した
(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クラン
ク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号を
生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器19
を設けていて、その基準信号xが、コントローラ25に
供給されるようになっている。
【0050】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、逐次更新型の
適応アルゴリズムの一つである同期式Filtered
−XLMSアルゴリズムを実行することにより、防振支
持装置20に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号
yを防振支持装置20に出力するようになっている。
【0051】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数Wi (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ
数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最
新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリン
グ・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタW
のフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する
一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する
処理を実行するようになっている。
【0052】適応ディジタルフィルタWの更新式は、F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(1)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)−μRT e(n) ……(1) ここで、(n),(n+1)が付く項はサンプリング時
刻n,n+1における値であることを表し、μは収束係
数である。また、更新用基準信号RT は、理論的には、
基準信号xを、防振支持装置1の電磁アクチュエータ5
2及び荷重センサ64間の伝達関数Cを有限インパルス
応答型フィルタでモデル化した伝達関数フィルタC^で
フィルタ処理した値であるが、基準信号xの大きさは
“1”であるから、伝達関数フィルタC^のインパルス
応答を基準信号xに同期して次々と生成した場合のそれ
らインパルス応答波形のサンプリング時刻nにおける和
に一致する。また、理論的には、基準信号xを適応ディ
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。
【0053】次に、本実施の形態の動作を説明する。即
ち、エンジン17でアイドル振動やこもり音振動が発生
している状況では、コントローラ25から防振支持装置
20の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信号x
が入力された時点から、サンプリング・クロックの間隔
で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順
番に駆動信号yとして供給される。
【0054】この結果、励磁コイル52bに駆動信号y
に応じた磁力が発生するが、磁路形成部材78Bには、
既に永久磁石52cによる一定の磁力が付与されている
から、その励磁コイル52bによる磁力は永久磁石52
cの磁力を強める又は弱めるように作用すると考えるこ
とができる。つまり、励磁コイル52bに駆動信号yが
供給されていない状態では、磁路形成部材78Bを含む
可動部材78は、板ばね82による支持力と、永久磁石
52cの磁力との釣り合った中立の位置に変位すること
になる。そして、この中立の状態で励磁コイル52bに
駆動信号yが供給されると、その駆動信号yによって励
磁コイル52bに発生する磁力が永久磁石52cの磁力
と逆方向であれば、可動部材78は電磁アクチュエータ
52とのギャップが増大する方向に変位する。逆に、励
磁コイル52bに発生する磁力が永久磁石52cの磁力
と同じ方向であれば、可動部材78は電磁アクチュエー
タ52とのギャップが減少する方向に変位する。
【0055】このように可動部材78は正逆両方向に変
位可能であり、可動部材78が変位すれば、流体室84
の隔壁の一部を形成する隔壁形成部材78Aも変位し、
これにより流体室84の容積が変化し、その容積変化に
よって支持弾性体32の拡張ばねが変形するから、この
防振支持装置20に正逆両方向の能動的な支持力が発生
するのである。
【0056】そして、磁力を受ける磁路形成部材78B
が上方向にストロークしても接触しない程度に径方向に
延長されていると共に、薄肉環状部78B1 を径方向に
凸状に突出させているため、磁路形成部材78B全体の
表面積を増大させることができる。また、薄肉環状部7
8B1 の肉厚を、磁路形成部材78Bの肉厚よりも小さ
くして可動部材78の通常のストロークでは支持リング
74と接触しないようにしている。
【0057】駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタ
Wの各フィルタ係数Wi は、同期式Filtered−
X LMSアルゴリズムに従った上記(1)式によって
逐次更新されるため、ある程度の時間が経過して適応デ
ィジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収
束した後は、駆動信号yが防振支持装置1に供給される
ことによって、エンジン17から防振支持装置20を介
して車体18側に伝達されるアイドル振動やこもり音振
動が低減されるようになるのである。
【0058】ここで、図4に示すものは、電磁アクチュ
エータ52が可動部材78を引きつける場合に、電磁力
の周方向での不均一性や、板ばね82のばね定数の周方
向での不均一性によって可動部材78が大きく傾斜した
状態を示すものである。
【0059】この際、可動部材78の外周縁部の傾斜上
端部は(図4の可動部材78の右側縁部の位置)、支持
リング74のばね支持部74aの下面に近接する。この
とき、本実施形態では、磁路形成部材78Bの外周縁部
において径方向外方に向けて凸状に突出した薄肉環状部
78B1 が、ばね支持部74aとの間に大きな距離をあ
けているので、磁路形成部材78B及びばね支持部74
aの接触頻度を少なくすることができる。そして、磁路
形成部材78B及びばね支持部74aが接触するときに
は、薄肉環状部78B1 の周囲(上下面及び外周端面)
に固定したストッパ部材78Cが薄肉環状部78B1
びばね支持部74aの間に介在するので、異音を発生す
ることがない。
【0060】また、可動部材78の外周縁部の傾斜下端
部は(図4の可動部材78の左側縁部の位置)、ヨーク
52aの上面に近接する。このとき、磁路形成部材78
Bの薄肉環状部78B1 がヨーク52aとの間に大きな
隙間を画成しているので、磁路形成部材78B及びヨー
ク52aの接触頻度を少なくすることができる。そし
て、磁路形成部材78B及びヨーク52aが接触すると
きには、薄肉環状部78B1 の周囲に固定したストッパ
部材78Cが薄肉環状部78B1 及びヨーク52aの間
に介在するので、異音を発生することがない。
【0061】また、図4の符号Aで示す位置のように、
磁路形成部材78Bが傾斜する際に板ばね82が磁路形
成部材78Bの上面に接触して異音が発生するおそれが
ある。しかし、本実施形態では、ストッパ部材78Cの
上面と支持リング74のばね支持部74aとが離間して
いる距離h1 を、板ばね82及び磁路形成部材78Bが
最も近接している位置の距離Sより小さい値に設定して
おり(h1 <S)、ストッパ部材78C及びばね支持部
74aが先に接触して板ばね82及び磁路形成部材78
Bの上面どうしの接触を防止するので、異音の発生を防
止することができる。
【0062】さらに、流体室84の内圧が大きく変化し
て可動部材78が過度に上下方向へ移動しても、薄肉環
状部78B1 と、支持リング74aのばね支持部74a
とがストッパとなり、それ以上の移動を禁止するため、
例えば内筒37とリブ80bとの衝突によって生じる破
損等の問題を回避できる。
【0063】このように、本実施形態では、磁路形成部
材78Bの外径寸法を小さくしたり、或いは肉厚を薄く
形成しなくても、支持リング74のばね支持部74a及
びヨーク52aの上面に対する磁路形成部材78Bの直
接の接触を防止することができるので、電磁アクチュエ
ータ52の発生力が減少せず、安定した防振制御特性を
有する防振支持装置20を提供することができる。
【0064】また、本実施形態のゴム状弾性体からなる
ストッパ部材78Cは、径方向外方に向けて凸状に突出
した薄肉環状部78B1 の周囲に固定されているので、
支持リング74のばね支持部74aに接触する側の上部
体積と、ヨーク52aの上面に接触する側の下部体積と
が増大した形状となる。これにより、ばね支持部74a
或いはヨーク52aが繰り返し接触しても、このストッ
パ部材78Cの体積が増大している部分が長期に渡って
弾性変形を持続することができるので、耐久性及び耐摩
耗性が向上したストッパ部材78Cとなる。
【0065】さらに、ストッパ部材78Cは、薄肉環状
部78B1 全体を挟み込むようにその上部から下部まで
連続して固定されているので、磁路形成部材78Bに対
する固定力が増大した部材となる。
【0066】次に、図5に示すものは、本発明に係わる
磁路形成部材の第2実施形態を示すものである。なお、
全体構成は上述した第1の実施形態と同様であるためそ
の図示及び説明は省略する。
【0067】本実施形態の磁路形成部材78Bの外周縁
部は、径方向外方に向けて徐々に薄肉形状となりながら
湾曲する薄肉環状部78B2 が形成されており、この薄
肉環状部78B2 の上下の湾曲面は、支持リング74の
ばね支持部74a及び電磁アクチュエータ52のヨーク
52aの両者に対して大きな隙間をあけて対向してい
る。また、前記薄肉環状部78B2 には、ばね支持部7
4a及びヨーク52aとの直接の接触を防止するための
リング状のゴム状弾性体からなるストッパ部材78C1
が、薄肉環状部78B2 の上下の湾曲面を覆った状態で
固定されている。
【0068】また、本実施形態では、板ばね82及び磁
路形成部材78Bが最も近接している位置の距離をSと
すると、ストッパ部材78C1 の上面と支持リング74
のばね支持部74aとが離間している距離h4 を、前述
した距離Sより小さい値に設定している(h4 <S)。
また、ストッパ部材78C1 の下面及び電磁アクチュエ
ータ52のヨーク52a間の隙間h5 は、磁路形成部材
78Bの下面と電磁アクチュエータ52のヨーク52a
間のギャップをHより小さな値に設定され(h 5
H)、磁路形成部材78Bの下面よりストッパ部材78
1 の方がヨーク52a側に近接している。
【0069】そして、上記構成の磁路形成部材78Bを
備えた可動部材78が傾斜しても、径方向外方に向けて
徐々に薄肉形状となりながら湾曲している薄肉環状部7
8B 2 がばね支持部74aとの間に大きな隙間を画成し
ているので、磁路形成部材78B及びばね支持部74a
の接触頻度を少なくすることができる。そして、磁路形
成部材78B及びばね支持部74aが接触するときに
は、薄肉環状部78B2の周囲(上下面及び外周端面)
に固定したストッパ部材78C1 が薄肉環状部78B2
及びばね支持部74aの間に介在するので、異音を発生
することがない。また、薄肉環状部78B2 は、ヨーク
52aとの間にも大きな隙間を画成しているので、磁路
形成部材78B及びヨーク52aの接触頻度を少なくす
ることができる。そして、磁路形成部材78B及びヨー
ク52aが接触するときには、薄肉環状部78B2 の周
囲に固定したストッパ部材78C1 が薄肉環状部78B
2 及びヨーク52aの間に介在するので、異音を発生す
ることがない。また、本実施形態では、ストッパ部材7
8C1 の上面と支持リング74のばね支持部74aとが
離間している距離h4 を、板ばね82及び磁路形成部材
78Bが最も近接している位置の距離Sより小さい値に
設定しており(h4 <S)、ストッパ部材78C1 及び
ばね支持部74aが先に接触して板ばね82及び磁路形
成部材78Bの上面どうしの接触を防止するので、異音
の発生を防止することができる。
【0070】このように、本実施形態では、第1実施形
態と同様に、磁路形成部材78Bの外径寸法を小さくし
たり、或いは肉厚を薄く形成しなくても、支持リング7
4のばね支持部74a及びヨーク52aの上面に対する
磁路形成部材78Bの直接の接触を防止することができ
るので、電磁アクチュエータ52の発生力が減少せず、
安定した防振制御特性を有する防振支持装置20を提供
することができる。
【0071】次に、図6に示すものは、本発明に係わる
支持リングの第2実施形態を示すものである。なお、全
体構成は上述した第1の実施形態と同様であるためその
図示及び説明は省略する。
【0072】本実施形態の支持リング88は、内周部に
凸状に突出して形成したばね支持部88aの上面で板ば
ね82の外周部を下側から自由端支持しているととも
に、ばね支持部88aの下面は、径方向内方に向かうに
従い磁路形成部材78Bの外周縁部から徐々に離間する
傾斜面88bとして形成されている。
【0073】上記構成の支持リング88を備えたことに
より、薄肉環状部78B1 と傾斜面88bとの間の距離
がさらに大きな寸法となるので、可動部材78が傾斜し
て変位しても磁路形成部材78B及びばね支持部88a
の接触頻度がさらに減少する。したがって、支持リング
88のばね支持部88a及び磁路形成部材78Bの異音
発生を防止しながら、電磁アクチュエータ52の発生力
を減少させずに安定した防振制御特性を有する防振支持
装置20を提供することができる。
【0074】次に、図7に示すものは、本発明に係わる
支持リングの第3実施形態を示すものである。本実施形
態の支持リング90は、内周部に凸状に突出して形成し
たばね支持部90aの上面で板ばね82の外周部を下側
から自由端支持しているとともに、ばね支持部90aの
下面は、所定の曲率半径R1 で磁路形成部材78Bに向
けて凸状に湾曲する湾曲面90bとして形成されてい
る。
【0075】上記構成の支持リング90を備えたことに
より、薄肉環状部78B1 と傾斜面88bとの間の距離
がさらに大きな寸法となるので、可動部材78が傾斜し
て変位しても磁路形成部材78B及びばね支持部90a
の接触頻度がさらに減少する。したがって、支持リング
90のばね支持部90a及び磁路形成部材78Bの異音
発生を防止しながら、電磁アクチュエータ52の発生力
を減少させずに安定した防振制御特性を有する防振支持
装置20を提供することができる。
【0076】また、ばね支持部90aの湾曲面90bと
接触するストッパ部材78Cは、他の実施形態と比較し
て接触面圧が低下する。このため、さらにストッパ部材
78Cの耐久性及び耐摩耗性が向上する。
【0077】なお、本発明の適用対象は車両に限定され
るものではなく、エンジン17以外で発生する振動を低
減するための防振支持装置であっても本発明は適用可能
であり、適用対象に関係なく上記各実施の形態と同様の
作用効果を奏することができる。例えば、工作機械から
フロアや室内に伝達される振動を低減する防振支持装置
であっても、本発明は適用可能である。
【0078】さらに、上記各実施の形態では、駆動信号
yを生成するアルゴリズムとして同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズムを適用しているが、適用可
能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例
えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズ
ム等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の概略側面図である。
【図2】本発明の防振支持装置の構成を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に係る可動部材の外周縁部の第1実施形
態を示す図である。
【図4】可動部材が大きく傾いた状態を示す図である。
【図5】本発明に係る可動部材の外周縁部の第2実施形
態を示す図である。
【図6】本発明に係る支持リングの第2実施形態を示す
図である。
【図7】本発明に係る支持リングの第3実施形態を示す
図である。
【図8】先行する防振支持装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
17 エンジン(振動体) 18 車体(支持体) 20 防振支持装置 32 支持弾性体 43 装置ケース 52 電磁アクチュエータ 52a ヨーク 78 可動部材 74、88、90 支持リング 74a、88a、90a ばね支持部 78A 隔壁形成部材 78B 磁路形成部材 78B1 、78B2 薄肉環状部 78C、78C1 ストッパ部材 82 板ばね 84 流体室 88b ばね支持部の傾斜面 90b ばね支持部の湾曲した傾斜面
フロントページの続き (72)発明者 青木 和重 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−100868(JP,A) 特開 平9−250290(JP,A) 特開 平10−184774(JP,A) 実開 平6−30544(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体に連設された装置ケースと、前記
    支持弾性体内に画成され内部に流体が封入された流体室
    と、この流体室の容積を変化させる方向に変位する円盤
    形状の可動部材と、前記装置ケース内に配設され駆動信
    号に応じて前記可動部材を変位させる力を発生する電磁
    アクチュエータと、前記装置ケース内の前記支持弾性体
    側に配設され、内側に向けて突出するばね支持部を形成
    した支持リングと、外周端部が前記ばね支持部により前
    記電磁アクチュエータ側から自由端支持され、中央部に
    形成した孔部の周縁を前記可動部材に形成したくびれ部
    に係合して前記可動部材を前記電磁アクチュエータに対
    向させた状態で弾性支持する板ばねと、を備えた防振支
    持装置において、 前記ばね支持部と前記電磁アクチュエータとの間に位置
    する前記可動部材の外周縁部を、径方向外方に向かうに
    従い肉厚が減少する薄肉環状部とし、前記ばね支持部に
    対向している面から前記電磁アクチュエータに対向して
    いる面までを連続して覆うように、前記薄肉環状部の全
    周に弾性体からなるストッパ部材を固定し、前記可動部
    材の傾斜により接触の可能性がある前記板ばね及び前記
    可動部材の所定位置の距離をSとすると、前記ストッパ
    部材及び前記ばね支持部が互いに離間している距離を、
    前記距離Sより小さい値に設定したことを特徴とする防
    振支持装置。
  2. 【請求項2】 前記薄肉環状部を、径方向外方に向けて
    凸状に突出して肉厚が減少する形状としたことを特徴と
    する請求項1記載の防振支持装置。
  3. 【請求項3】 前記薄肉環状部を、径方向外方に向けて
    徐々に薄肉形状となりながら湾曲する形状としたことを
    特徴とする請求項1記載の防振支持装置。
  4. 【請求項4】 前記ばね支持部の前記可動部材の外周縁
    部に対向する面を、径方向内方に向かうに従い前記外周
    縁部から徐々に離間する傾斜面として形成したことを特
    徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の防振支持装
    置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜面を所定の曲率半径を有する湾
    曲面として形成したことを特徴とする請求項4記載の防
    振支持装置。
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