JPH09257091A - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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Publication number
JPH09257091A
JPH09257091A JP6674596A JP6674596A JPH09257091A JP H09257091 A JPH09257091 A JP H09257091A JP 6674596 A JP6674596 A JP 6674596A JP 6674596 A JP6674596 A JP 6674596A JP H09257091 A JPH09257091 A JP H09257091A
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JP
Japan
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movable plate
vibration
actuator
elastic
fluid chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP6674596A
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English (en)
Inventor
Kazue Aoki
和重 青木
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Yosuke Akatsu
洋介 赤津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン等の振動体と車体等の支持体との間に
介装される支持弾性体内に流体室を構成し、その流体室
の容積を可動板で変動させて振動体からの振動を能動的
に減衰する防振支持装置にあって、振動体からの可動板
を変位させようとする振動入力に対して当該可動板とア
クチュエータとの初期設定隙間を維持すると共に、アク
チュエータによる非線形な可動板吸引力と可動板を支持
するバネ部材との弾性力とを均衡させて防振性能や出力
特性を安定させる。 【解決手段】可動板46がスペーサ47に当接してアク
チュエータ52から離間する方向への変位が規制されて
いる状態で、当該可動板46から延設された可動板側受
容部55とアクチュエータケース42から延設された収
納体側受容部36fとの間に、非線型なバネ剛性を有す
る非線形コイルスプリング48b等からなる弾性部材4
8を介装し、これに予め所定の圧縮性弾性力を付与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のエン
ジン等の振動体を車体等の支持体に防振しつつ支持する
装置に関し、特に振動体及び支持体間に介在する支持弾
性体によって流体室を画成し、その流体室の容積を能動
的に変化させることにより振動伝達率の低減を図る防振
支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような防振支持装置としては、例え
ば特開平6−193671号公報に記載されるものがあ
る。この防振支持装置は、例えば車両のエンジンを車体
に支持する装置に関するものであって、支持弾性体と収
納体(下部取付台)との間に形成された流体室(受圧液
室)と、この流体室にオリフィス(制限通路)を介して
通じ且つダイヤフラムによって画成された容積可変の副
流体室(副液室)と、前記流体室の隔壁の一部をなし且
つ当該流体室の容積を変化させる方向に能動的に変位す
る可動板(振動板)と、この可動板を前記流体室の容積
変化方向に変位させるために、当該可動板を挟んで流体
室と反対側の収納体内に配設されたアクチュエータ(電
磁アクチュエータ)と、前記可動板を前記アクチュエー
タに対して所定位置に維持するために、前記流体室内に
配設され且つ当該可動板を吊り下げるコイルスプリング
とを備えている。また、前記アクチュエータを駆動して
可動板を変位させ、結果的に前記流体室の容積を変化さ
せることにより前記振動体から支持体に伝達される振動
が低減するように、当該アクチュエータに制御信号を供
給する制御手段は必須である。また、この防振支持装置
では、前記アクチュエータが前記可動板によって流体室
から分離されるように、可動板と収納体との間にはゴム
製のシール部材が配設されている。そして、前記コイル
スプリングは、前記アクチュエータが駆動(励磁)され
ていないときに、ほぼ自由長で可動板を吊り下げてお
り、アクチュエータが駆動(励磁)されると可動板がア
クチュエータ側に変位されると共にコイルスプリングに
引張力が作用し、再びアクチュエータの駆動(励磁)が
解除されると、その引張力で可動板を吊り上げる,つま
り可動板をアクチュエータから離間する方向に変位させ
るようにしてある。
【0003】そして、この防振支持装置によれば、前記
オリフィスを通じての流体室及び副流体室間の流体の移
動が可能な比較的低周波数の振動入力、例えばエンジン
シェイクに対しては、当該オリフィス内の流体共振によ
り、高動バネ定数及び高減衰力の防振支持装置となる一
方、前記オリフィスを通じての流体の移動が不可能にな
る比較的高周波数の振動が入力されている場合には、そ
の振動入力による流体の圧力変動が相殺されるように可
動板を変位させることにより、流体室内の容積が変化し
て低動バネ定数の防振支持装置となる。つまり、上記従
来の防振支持装置によれば、高動バネ定数,高減衰が要
求される低周波数振動入力と、低動バネ定数が要求され
る高周波数振動入力時との両方に対して防振効果が得ら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
防振支持装置では、可動板がアクチュエータから離間す
る方向に変位するのを規制する部材とか、或いはコイル
スプリングの初期長さを拘束する部材といったものがな
い。合わせて、前記可動板と収納体との間に介装される
ゴム製のシール部材は、当該可動板の変位を許容するた
めに、或る程度バネ定数の小さい(低い)ものにしなけ
ればならない。それが故に、前記コイルスプリングはほ
ぼ自由長で可動板を吊り下げており、アクチュエータが
駆動(励磁)されて可動板がアクチュエータ側に変位し
たとき、その変位に応じた引張力がコイルスプリングに
発生するから、再びアクチュエータの駆動(励磁)が解
除されると、その引張力を開放する分だけ可動板を吊り
上げる。つまり、アクチュエータが駆動(励磁)されて
いないときに、自由長以上の引張力がコイルスプリング
に発生すると、その引張力は前記ゴム製のシール部材の
小さな弾性力に抗して可動板をそれ以上に引き上げてし
まい、可動板とアクチュエータとの初期設定隙間が確保
できなくなる。ところが、このように可動板を、自由長
のコイルスプリングで吊り下げていると、当該可動板が
隔壁をなす流体室内の流体圧力変動に抗するコイルスプ
リングの弾性力が小さいために、前記振動源から支持弾
性体に入力された振動により流体室の容積が変化する際
に、その流体の圧力変動が可動板を直接変位させようと
し、結果的に可動板とアクチュエータとの初期設定隙間
が変化し易く、それを一定の状態に維持しにくいという
問題がある。勿論、このことはアクチュエータ駆動時の
防振支持装置の防振性能又は出力特性そのものに影響す
る。
【0005】また、コイルスプリングを引張変形で使用
するということは、周知のように、そのバネ特性が線形
となる又はなり易い。ところが、前述のような電磁アク
チュエータは、その吸引力特性が、前記可動板との隙間
の2乗に反比例するため、可動板の変位量を大きくする
ために前記アクチュエータとの初期設定隙間を大きく設
定したとき、当該可動板がアクチュエータ側に変位する
に従って,つまり可動板とアクチュエータとの隙間が小
さくなるに従ってアクチュエータによる吸引力は急激に
大きくなり、しかしながらコイルスプリングの引張力は
線形にしか大きくならないから、可動板の変位量とアク
チュエータへの制御信号(駆動信号)とのバランスが崩
れ易くなり、車両特性に応じて所望される可動板変位
量,即ち前記流体室の容積変化であり、防振性能が安定
しにくくなるという問題もある。
【0006】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、振動体から支持弾性体を介して入力され
る振動入力に対しては、それに伴う流体室内の流体圧変
動に抗して可動板の変位を抑制防止して、当該可動板と
アクチュエータとの初期設定隙間を確保することがで
き、合わせて車両特性に応じて所望される防振性能を確
保可能な防振支持装置を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に係る防振支持装置は、振動
体及び支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性
体に連設された収納体と、前記支持弾性体内に画成され
且つ内部に流体が封入された流体室と、前記流体室の隔
壁の一部を形成し且つその流体室の容積を変化させる方
向に変位可能な可動板と、この可動板を挟んで前記流体
室と反対側の収納体内に配設され且つ磁力により当該可
動板に変位力を付与するアクチュエータと、前記振動体
から支持体に伝達される振動が低減するように前記アク
チュエータに制御信号を供給する制御手段と、前記アク
チュエータを前記流体室から分離するために前記可動板
と収納体との間に介装されたシール部材と、前記流体室
内に配設され且つ前記収納体と可動板との間に介装され
且つ当該可動板をアクチュエータから離間する方向に変
位させる弾性力を圧縮変形によって発現する弾性部材と
を備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項2に係る防振支
持装置は、振動体に連結される振動体側連結部材と、支
持体に連結される支持体側連結部材と、前記振動体側連
結部材又は支持体側連結部材の何れか一方に連結される
支持弾性体と、前記振動体側連結部材又は支持体側連結
部材の何れか他方と前記支持弾性体との間に連結される
収納体と、前記支持弾性体内に画成され且つ内部に流体
が封入された流体室と、前記流体室の隔壁の一部を形成
し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位可能な
磁化可能な可動板と、前記収納体内に配設され且つ磁力
を発生して前記可動板に変位力を付与するアクチュエー
タと、前記振動体から支持体に伝達される振動が低減す
るように前記アクチュエータに制御信号を供給する制御
手段と、前記アクチュエータを前記流体室から分離する
ために前記可動板と収納体との間に配設されたシール部
材と、前記収納体から前記流体室内に設けられた収納体
側受容部と、前記可動板から前記流体室内に設けられた
可動板側受容部と、前記収納体側受容部及び可動板側受
容部間に介装され且つ前記可動板をアクチュエータから
離間する方向に変位させる弾性力を圧縮変形によって発
現する弾性部材とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0009】そして、本発明のうち請求項3に係る防振
支持装置は、前記可動板を前記アクチュエータに対して
所定位置に維持するために、当該可動板がアクチュエー
タから離間する方向に変位するのを規制する規制部材を
設けたことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項4に係る防振支
持装置は、前記可動板を前記アクチュエータに対して所
定位置に維持するために、前記弾性部材の初期長さを設
定する長さ拘束部材を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0011】これらの発明によれば、例えば請求項3に
係る防振支持装置では可動板がアクチュエータから離間
する方向に変位するのを規制部材によって規制し、請求
項4に係る防振支持装置では弾性部材の初期長さを長さ
拘束部材によって設定しているから、例えば請求項2に
係る防振支持装置のように前記収納体から流体室内に設
けられた収納体側受容部と、前記可動板から当該流体室
内に設けられた可動板側受容部との間に介装された,即
ち請求項1に係る防振支持装置のように収納体及び可動
板間に介装され且つ流体室内に配設され且つ圧縮変形さ
れた弾性体が、自由長に向けて延伸しようとする弾性力
によって可動板をアクチュエータから離間する方向に変
位させようとしても、前記規制部材が配設されている場
合には当該可動板は当該規制部材によってアクチュエー
タから離間する方向に変位されるのが規制されており、
前記長さ拘束部材が配設されている場合には前記弾性部
材がそれ以上延伸できないために、当該可動板は何れの
場合にも、それ以上、アクチュエータから離間する方向
に変位することはない。従って、この制限された可動板
のアクチュエータに対する所定位置を両者の初期設定隙
間とすれば、例えば前記圧縮変形される弾性部材に予め
或る程度の圧縮性弾性力力を付与しておいても、可動板
のアクチュエータに対する位置,即ち両者の初期設定隙
間が変化することはない。合わせて、前述のように支持
弾性体からの振動入力によって流体室の流体圧が変動
し、それが可動板を変位させようとする力となったと
き、前記弾性部材に予め付与された圧縮性弾性力が、そ
の反力となって当該可動板の変位を抑制防止し、もって
アクチュエータ駆動時の防振支持装置の防振性能又は出
力特性そのものを確保し得る。
【0012】また、弾性部材を圧縮変形で使用すること
により、当該弾性部材に付与された非線形バネ剛性を発
揮し易くなり、従って例えば請求項2に係る防振支持装
置のように前記アクチュエータが電磁アクチュエータで
あって、このアクチュエータが可動板を吸引する吸引力
が、当該アクチュエータと可動板との隙間の2乗に反比
例するような非線形特性を有する場合には、前記弾性部
材の圧縮変形に伴う非線形弾性力を当該アクチュエータ
の非線形吸引力に一致又は近似させることにより、当該
アクチュエータへの駆動信号と、可動板の変位,即ち流
体室の容積変動とをリニアに設定することができ、これ
らにより防振支持装置の防振性能或いは出力特性を安定
化することができる。
【0013】また、本発明のうち請求項5に係る防振支
持装置は、前記弾性部材が、複数並列に用いられている
ことを特徴とするものである。この発明によれば、前述
のように圧縮変形で可動板を所定位置に維持するための
弾性部材が、複数並列に用いられているから、一つの可
動板の変位に対して各弾性部材に発生する圧縮性弾性力
を安定しておくことによって、可動板並びに弾性部材の
倒れ(本来の可動板の変位方向並びに弾性部材の変形方
向と異なる成分を有する変位或いは変形)を抑制防止し
て、安定した防振性能或いは出力特性を得ることができ
る。
【0014】また、本発明のうち請求項6に係る防振支
持装置は、前記弾性部材が、コイルスプリングで構成さ
れることを特徴とするものである。この発明によれば、
許容変位量が大きく,或いは板バネ等に比して疲労やヘ
タリ(初期のバネ剛性が低下する状態を示す)が生じに
くいコイルスプリングで弾性部材を構成することによ
り、長期にわたって防振性能或いは出力特性を安定化
し、所謂耐久性能を向上することができる。
【0015】また、本発明のうち請求項7に係る防振支
持装置は、前記コイルスプリングが、高さにより巻き径
の異なる非線形コイルスプリングであることを特徴とす
るものである。
【0016】この発明によれば、その非線形バネ剛性に
よる非線形圧縮性弾性力を、前記非線形なアクチュエー
タの可動板吸引力に一致又は近似することにより、当該
アクチュエータへの駆動信号と、可動板の変位,即ち流
体室の容積変動とをリニアに設定することができ、これ
らにより防振支持装置の防振性能或いは出力特性を安定
化することができる。
【0017】また、本発明のうち請求項8に係る防振支
持装置は、前記コイルスプリングの周囲に、加硫接着ゴ
ム部材が配設されたことを特徴とするものである。この
発明によれば、特にコイルスプリングの隣合う巻き線間
に介装された加硫接着ゴム部材が、当該コイルスプリン
グの圧縮変形時に非線形特性をもたらすことから、両者
で構成される弾性部材の非線形圧縮性弾性力を、前記非
線形なアクチュエータの可動板吸引力に一致又は近似す
ることにより、当該アクチュエータへの駆動信号と、可
動板の変位,即ち流体室の容積変動とをリニアに設定す
ることができ、これらにより防振支持装置の防振性能或
いは出力特性を安定化することができる。また、特に前
記加硫接着ゴム部材の硬さ等のバネ剛性を変更すること
により、車両特性に応じて要求される種々の仕様を細か
く且つ容易に実現することができる。
【0018】また、本発明のうち請求項9に係る防振支
持装置は、前記弾性部材が、バネ剛性の非線形なゴム部
材で構成されることを特徴とするものである。また、本
発明のうち請求項10に係る防振支持装置は、前記弾性
部材が、バネ剛性の非線形な樹脂成形部材で構成される
ことを特徴とするものである。
【0019】これらの発明によれば、弾性部材の非線形
圧縮性弾性力を、前記非線形なアクチュエータの可動板
吸引力に一致又は近似することにより、当該アクチュエ
ータへの駆動信号と、可動板の変位,即ち流体室の容積
変動とをリニアに設定することができ、これらにより防
振支持装置の防振性能或いは出力特性を安定化すること
ができる。また、一般には耐熱性に劣るゴム部材や樹脂
成形部材からなる弾性部材も、前述のように可動板やア
クチュエータからの放熱或いは輻射熱の影響を受けにく
い流体室内に配設されているため、それらの熱による例
えば弾性特性等の劣化が生じにくい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る防振支持装置によれば、収納体及び可動板間
に介装され且つ流体室内に配設された弾性部材に、予め
所定の圧縮性弾性力を付与しておくことができるので、
振動体から支持弾性体に入力された振動入力によって流
体室の流体圧が変動し、それが可動板を変位させようと
する力となったとき、前記弾性部材に予め付与された圧
縮性弾性力が、その反力となって当該可動板の変位を抑
制防止し、もってアクチュエータ駆動時の防振支持装置
の防振性能又は出力特性そのものを確保し得る。また、
弾性部材を圧縮変形で使用することにより、当該弾性部
材に付与された非線形バネ剛性を発揮し易くなるから、
アクチュエータが可動板を吸引する吸引力が非線形特性
を有する場合には、前記弾性部材の非線形弾性力を当該
アクチュエータの非線形吸引力に一致又は近似させるこ
とにより、当該アクチュエータへの駆動信号と、可動板
の変位,即ち流体室の容積変動とをリニアに設定するこ
とができ、これらにより防振支持装置の防振性能或いは
出力特性を安定化することができる。
【0021】また、本発明のうち請求項2乃至4に係る
防振支持装置によれば、可動板がアクチュエータから離
間する方向に変位するのを規制部材によって規制する
か、弾性部材の初期長さを長さ拘束部材によって設定す
ることにより、収納体及び可動板間に介装され且つ流体
室内に配設された弾性部材に、予め所定の圧縮性弾性力
を付与しておくことができるので、振動体から支持弾性
体に入力された振動入力によって流体室の流体圧が変動
し、それが可動板を変位させようとする力となったと
き、前記弾性部材に予め付与された圧縮性弾性力が、そ
の反力となって当該可動板の変位を抑制防止し、もって
アクチュエータ駆動時の防振支持装置の防振性能又は出
力特性そのものを確保し得る。また、弾性部材を圧縮変
形で使用することにより、当該弾性部材に付与された非
線形バネ剛性を発揮し易くなるから、アクチュエータが
可動板を吸引する吸引力が非線形特性を有する場合に
は、前記弾性部材の非線形弾性力を当該アクチュエータ
の非線形吸引力に一致又は近似させることにより、当該
アクチュエータへの駆動信号と、可動板の変位,即ち流
体室の容積変動とをリニアに設定することができ、これ
らにより防振支持装置の防振性能或いは出力特性を安定
化することができる。
【0022】また、本発明のうち請求項5に係る防振支
持装置によれば、圧縮変形で可動板を所定位置に維持す
るための弾性部材を複数並列に用いられていることによ
り、可動板並びに弾性部材の倒れを抑制防止して、安定
した防振性能或いは出力特性を得ることができる。
【0023】また、本発明のうち請求項6に係る防振支
持装置によれば、許容変位量が大きく,或いは板バネ等
に比して疲労やヘタリが生じにくいコイルスプリングで
弾性部材を構成することにより、長期にわたって防振性
能或いは出力特性を安定化し、所謂耐久性能を向上する
ことができる。
【0024】また、本発明のうち請求項7に係る防振支
持装置によれば、非線形バネ剛性による非線形圧縮性弾
性力を、前記非線形なアクチュエータの可動板吸引力に
一致又は近似することにより、当該アクチュエータへの
駆動信号と、可動板の変位,即ち流体室の容積変動とを
リニアに設定することができ、これらにより防振支持装
置の防振性能或いは出力特性を安定化することができ
る。
【0025】また、本発明のうち請求項8に係る防振支
持装置によれば、特にコイルスプリングの隣合う巻き線
間に介装された加硫接着ゴム部材が、当該コイルスプリ
ングの圧縮変形時に非線形特性をもたらすことから、両
者で構成される弾性部材の非線形圧縮性弾性力を、前記
非線形なアクチュエータの可動板吸引力に一致又は近似
することにより、当該アクチュエータへの駆動信号と、
可動板の変位,即ち流体室の容積変動とをリニアに設定
することができ、これらにより防振支持装置の防振性能
或いは出力特性を安定化することができる。また、特に
前記加硫接着ゴム部材の硬さ等のバネ剛性を変更するこ
とにより、車両特性に応じて要求される種々の仕様を細
かく且つ容易に実現することができる。
【0026】また、本発明のうち請求項9又は10に係
る防振支持装置によれば、弾性部材の非線形圧縮性弾性
力を、前記非線形なアクチュエータの可動板吸引力に一
致又は近似することにより、当該アクチュエータへの駆
動信号と、可動板の変位,即ち流体室の容積変動とをリ
ニアに設定することができ、これらにより防振支持装置
の防振性能或いは出力特性を安定化することができる。
また、一般には耐熱性に劣るゴム部材や樹脂成形部材か
らなる弾性部材も、前述のように可動板やアクチュエー
タからの放熱或いは輻射熱の影響を受けにくい流体室内
に配設されているため、それらの熱による例えば弾性特
性等の劣化が生じにくい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を
図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る防振支
持装置を、振動体としてのエンジン側から車体側部材に
伝達される振動を能動的に低減する所謂アクティブエン
ジンマウント(以下、単にエンジンマウントと称する)
に適用したものである。
【0028】図1の符号20で示すエンジンマウント
は、横置に搭載したエンジン22の車体後方側に配設さ
れ、その上部がエンジン側ブラケット24に、下部が車
体26に固定された支持体としてのメンバ28に取り付
けられている。
【0029】図2から図6は、本発明のうち請求項1乃
至3及び6に係る防振支持装置お実施化したエンジンマ
ウント20の具体的構造を示すものであり、このエンジ
ンマウント20は、互いに平行に離間した2本のエンジ
ン側取付ボルト30aを上方に向けて固定した連結部材
(振動体側連結部材)30を備えており、この連結部材
30の下部には、断面逆台形状の中空筒部30bが固定
されている。この連結部材30の下面側には、連結部材
30及び中空筒部30bの周囲を覆うように、支持弾性
体32が加硫接着により固定されている。
【0030】この支持弾性体32は、中央部から外周部
に向けて緩やかに下方に傾斜する肉厚の略円錐筒状の弾
性体であって、その外周面は、軸心が前記中空筒部30
bと同軸に振動体支持方向(この場合は、上下方向)を
向く内筒(第1筒状部材)34の内周面に加硫接着によ
り結合されている。
【0031】前記内筒34は、図2,図3に示すよう
に、上端筒部34aから下方に向かうに従い徐々に縮径
されて傾斜部34bが形成され、傾斜面34bの下端部
から下方に向けて上端筒部34aより小径の小径筒部3
4cが形成されている。そして、この小径筒部34cの
下端部から径方向外方に向けて環状部34dが形成さ
れ、この環状部34dの外周端部から下方に向けて前記
上端筒部34aと同一外周径の下端筒部34eが形成さ
れている。。そして、前記小径筒部34cには、軸心に
対して互いに対称となる位置に第1開口孔34f及び第
2開口孔34gが形成されている。
【0032】そして、内筒34の傾斜部34b、小径筒
部34cの内周面には、支持弾性体32の下部側から連
続する薄膜弾性体32aが結合しており、この薄膜弾性
体32aは、さらに内筒34の環状部34d側及び下端
筒部34e側まで延びて、当該環状部34d及び下端筒
部34eの内周面に結合している。ここで、薄膜弾性体
32aの下端部は、肉厚を厚くした形状とされている。
【0033】そして、薄膜弾性体32aは第1開口孔3
4fを閉塞して第1ダイアフラム32cを形成してい
る。また、第2開口孔34gは、薄膜弾性体32aに閉
塞されずに開口している。
【0034】また、支持弾性体32の内部には、流体室
をなす断面山形状の空洞部32bが形成されているが、
この空洞部32bの下部に位置するように、第1オリフ
ィス構成部材36が前記内筒34(厳密には前記薄膜弾
性体32aの内側)に内嵌されている。
【0035】この第1オリフィス構成部材36は、内筒
34の小径筒部34cより小径に形成された最小径筒部
36aを備え、その最小径筒部36aの上下端部に径方
向外方に向けて環状部36b、36cが形成された筒状
部材である。上部側の環状部36bは、外周径が内筒3
4の小径筒部34cより僅かに小径となるように形成さ
れている。また、下部側の環状部36cは、内筒34の
下端筒部34eより小径に形成されているとともに、そ
の外周端部から下方に向けて筒状端部36c1が形成さ
れている。さらに、最小径筒部36aには、内筒34に
形成した第2開口孔34gと対向する位置に、第3開口
孔36dが形成されている。
【0036】ここで、前述したように肉厚を厚くした薄
膜弾性体32aの下端部は、内筒34の下端筒部34e
及び第1オリフィス構成部材36の筒状端部36c1
の間で挟み込まれることにより、径方向に圧縮されなが
ら挟み込まれた部分から下側に僅かに突出する。
【0037】また、この第1オリフィス構成部材36の
環状部36cに相当する前記最小径筒部36aの下端部
には、当該最小径筒部36aの底部となる収納体側受容
部36fが形成されている。この収納体側受容部36f
は、前記前記環状部36cと同等の高さで前記最小径筒
部36cの底板の一部を形成しているが、実際にはその
中央部に連通孔36gが開設されていて、後述する第1
オリフィス68Aと第1副流体室68Bとが連通されて
いる。また、この収納体側受容部36fの連通孔36g
の周囲には、等間隔で計4か所に貫通孔36hが開設さ
れている。
【0038】また、この収納体側受容部36fの貫通孔
36hの夫々に、後述する可動板46を連結するための
脚部材53が挿通されている。この脚部材53の下端部
には雄ねじ部53aが形成され、その上端部は、それよ
り下方部位より小径の小径部53bが形成され、その上
面から雌ねじ部53cが形成されている。そして、この
各脚部材53の小径部53bに平板部材55aが固定さ
れて、本発明の可動板側受容部55が形成されている。
この平板部材55aからなる可動板側受容部55は、前
記脚部材53の各小径部53bを、当該平板部材55a
に形成されている各貫通孔に下方から嵌入した後、その
上方からネジ部材57を前記雌ねじ部53cに螺合して
脚部材53に固着されている。なお、この平板部材55
aからなる可動板側受容部55の中央部にも、前記収納
体側受容部36fと同様の連通孔55cが形成されて、
後述する第1オリフィス68Aと第1副流体室68Bと
の連通を妨げないように構成されている。
【0039】そして、この可動板側受容部55と前記収
納体側受容部36fとの間の,共に連通孔55c,36
gの開設されていない箇所に、コイルスプリング48a
からなる弾性部材48が介装されている。ちなみに、前
記脚部材53は後述する可動板46に固着され且つ前記
第1オリフィス構成部材36は、後述するアクチュエー
タサブケースと共に収納体を構成するアクチュエータケ
ース42に固着されるから、前記コイルスプリング48
aからなる弾性部材48は、可動板と収納体との間に介
装されていると言える。また、前記支持弾性体32の空
洞部32bと後述する可動板46との閉塞空間は、流体
が封入される主流体室66となるから、前記コイルスプ
リング48aからなる弾性部材48は流体室内に配設さ
れることになる。更に、後段に詳述するが、このコイル
スプリング48aからなる弾性部材48は、前記アクチ
ュエータサブケース41がアクチュエータケース42内
に収納され、後述の可動板46がスペーサ(規制部材)
47に当接して電磁アクチュエータ52から離間する方
向への変位が規制されたとき、所定の圧縮性弾性力が付
与されるようになっている。
【0040】一方、前記内筒34には、第2筒状部材と
しての外筒38が外嵌されており、これら内筒34及び
外筒38の間には、前記内筒34の傾斜部34b、小径
筒部34c及び環状部34dの外側面で形成した凹部を
外筒38の内周面で囲むことにより周方向に環状空間が
画成されている。そして、この環状空間に、第2オリフ
ィス構成部材40及び第2ダイアフラム43が配設され
ている。
【0041】すなわち、前記外筒38は、その内周径を
内筒34の外周径と同一寸法又はそれよりやや大きい寸
法とし、また軸方向の長さを内筒34と同一寸法とした
円筒部材であり、その内周面には、弾性体からなる薄肉
の液密シール材38aが接合されている。そして、この
外筒38の高さ方向の略中央部には、周方向に長手の略
長方形の開口部38bが、前記凹部の略1/3の部分に
臨んで開口されていて、この開口部38b内に第2ダイ
アフラム43が取付けられている。この第2ダイアフラ
ム43はゴム状の薄膜弾性体であり、例えば図5に明示
するように、前記開口部38bの開口縁部の全周に結合
して当該開口部38bを閉塞すると共に、この開口部3
8bから前記凹部の略1/3の部分に向けて膨出した状
態で配設されている。
【0042】また、前記第2オリフィス構成部材40
は、第2ダイアフラム43の配設により小空間となった
残りの環状空間(前記凹部の略2/3の部分に対応する
環状空間)に配設されており、図5及び図6に明示する
ように、硬質弾性体からなる隔壁部材40a及び通路形
成部材40bとで構成されている。
【0043】このうち、前記隔壁部材40aは、前記開
口部38bの形状に合わせて円周方向に長手の第2ダイ
アフラム43の長手方向の一端部43aに近接する環状
空間において、当該環状空間を閉塞するように前記内筒
34及び外筒38間に嵌入されており、この隔壁部材4
0aによって当該環状空間側から第2ダイヤフラム43
側への流体の流れが遮断されている。
【0044】また、前記通路形成部材40bは、前記隔
壁部材40aから所定距離だけ離れた位置(以下、この
位置に相当する端部を隔壁部材側端部と称する)から前
記第2ダイアフラムの長手方向の他端部43cに近接す
る位置(以下、この位置に相当する端部をダイアフラム
側端部と称する)までの前記環状空間内に連続して形成
されている。そして、この通路形成部材40bには、そ
の上方において周方向に沿い、前記隔壁部材側端部から
ダイアフラム側端部まで連通する第2通路40b2 と、
その下方において同じく周方向に沿い、前記隔壁部材側
端部から前記内筒34の第2開口孔34gまで連通する
第1通路40b1 とが形成されている。なお、前記第2
通路40b2 の長さは、第1通路40b1 の長さの約2
倍に設定されている。
【0045】そして、これらの構成部材を内装した外筒
38に、アクチュエータケース42の上部側が外嵌され
ている。このアクチュエータケース42は、その上端部
に内筒34の外周径より小径の円形開口部を有する上端
かしめ部42aが形成されているとともに、この上端か
しめ部42aと連続するケース本体の形状を、内周径が
外筒38の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する
円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とし
た部材である。そして、前記支持弾性体32及び内筒3
4と一体化された外筒38を、当該支持弾性体32が上
方になるようにしてアクチュエータケース42の下端開
口部から内部に嵌め込んでいき、上端かしめ部42aの
下面に外筒38及び内筒34の上端部が当接することに
より、それらはアクチュエータケース42内の上部に配
設される。ここで、図2及び図5に示すように、アクチ
ュエータケース42の内周面と第2ダイヤフラム43と
で囲まれた部分に空気室43bが画成されるが、当該ア
クチュエータケース42には、この空気室43bを臨む
位置に空気孔42cが形成され、この空気孔42cを介
して空気室43bと大気とが連通している。
【0046】一方、前述のようにして形成された前記ア
クチュエータケース42の下部空間には、その内側にア
クチュエータサブケース41が嵌入されている。このア
クチュエータサブケース41は本発明で収納体の一部を
形成するものであり、その外観は、前記アクチュエータ
ケース42の下部空間に緊密に嵌入する外径の有底円筒
形状であり、その最上端部が内側に折り返されて係止部
41aが形成されている。
【0047】そして、このアクチュエータサブケース4
1の下部に電磁アクチュエータ52が配設されている。
この電磁アクチュエータ52は、既存の電磁アクチュエ
ータと同様の構成を有し、全体として前記アクチュエー
タサブケース41に緊密に嵌入する円柱形状のヨーク5
2aと、当該ヨーク52aの上面からリング状に形成さ
れた溝内に収納された励磁コイル52bと、当該励磁コ
イル52bが収納されている溝の内部に形成されている
凹部内に収納された永久磁石52cとからなる。ちなみ
に、前記ヨーク52aの側面の一部(図2bの左方端
部)には、当該ヨーク52aの上面から連続する溝形状
の連通路52dが形成されており、当該連通路52dに
対向するアクチュエータサブケース41の側面の開口部
には第3ダイアフラム51が取付けられ、更にその第3
ダイアフラム51に対向するアクチュエータケース42
の側面には、外部に連通する開口孔42dが開設されて
いる。この第3ダイアフラム51の作用等については後
段に詳述する。
【0048】そして、前記電磁アクチュエータ52のヨ
ーク52aの上面外周部に所定高さのギャップ保持リン
グ50が載置され、このギャップ保持リング50の内側
に、ゴムシール部材49を介して、円板状の磁性体から
なる可動板46の外周面が可動に支持されている。この
うち、前記ギャップ保持リング50は、可動板46の下
面と電磁アクチュエータ52の上面との間に所定の隙間
が設けられるように、その軸方向の長さを、当該可動板
46の当節面から下面までの軸方向長さに当該隙間の寸
法を加えた値に設定した環状部材である。また、前記ゴ
ムシール部材49により、可動板46と電磁アクチュエ
ータ52とは液密状態に維持されると共に、当該可動板
46は、少なくとも電磁アクチュエータ52の吸着力作
用方向,即ち図2の上下方向に移動可能にギャップ保持
リング50に支持される。
【0049】そして更に、前記ギャップ保持リング50
の上面に、所定厚さのスペーサ47を載置してから、前
記アクチュエータサブケース41の最上端部を内側に折
り返して係止部41aを形成する。
【0050】このように前記バネ部材48や可動板4
6,電磁アクチュエータ52等を前記アクチュエータサ
ブケース41内に内装した後、前記第1オリフィス構成
部材36の最下端部に相当する筒状端部36c1 を前記
アクチュエータサブケース41の係止部41aに載置
し、当該第1オリフィス構成部材36の収納体側受容部
36fに形成された貫通孔36h内に脚部材53を挿通
し、その下端部に形成されている雄ねじ部53aを前記
可動板46の上面に形成されている雌ねじ部46bに螺
合し、然る後、前述のようにして平板部材55aからな
る可動板側受容部55を可動板46と一体化すると共
に、コイルスプリング48aからなる弾性部材48を当
該可動板側受容部55と前記収納体側受容部36fとの
間に介装する。なお、この状態で前記アクチュエータサ
ブケース41と第1オリフィス構成部材36とは一体化
されている。そして、このように組付けられたアクチュ
エータサブケース41を、前記外筒38より下方のアク
チュエータケース42の下部空間に差し込み、当該アク
チュエータサブケース41の下方に荷重センサ54を配
設し、その下方に、互いに離間する2本の車体側取付ボ
ルト56aを下方に向けて固定した略円板形状の車体側
連結部材(支持体側連結部材)56を配設してから、ア
クチュエータケース42の下端部を径方向内方に向けて
変形し、図2の実線で示すように下端かしめ部42dを
形成する。
【0051】このようにしてアクチュエータケース42
の下端部に下端かしめ部42dを形成すると、車体側連
結部材56の周縁部が外側から覆われた状態で固定され
る。この際、アクチュエータサブケース41が外筒38
側に押し込まれるので、前記内筒34の下端筒部34e
及び第1オリフィス構成部材36の筒状端部36c1
の間で挟みこまれている前記支持弾性体32から延設さ
れた薄膜弾性体32aの下端部が、前記アクチュエータ
サブケース41のバネ部材支持部41aの上面によって
上方向に押圧されて圧縮状態となり、前記支持弾性体3
2の空洞部32b及び可動板46で構成される主流体室
66内の流体が、内筒34の外部及びアクチュエータサ
ブケース41の外部に漏洩するのをシールすることがで
きる。また、後段に詳述するように前記主流体室66内
から第3開口孔36d及び第2開口孔34gを通って前
記第2オリフィス構成部材40の第1通路40b1 及び
第2通路40b2 に及んだ流体が、外筒38の外部に漏
洩するのは、前記外筒38と内筒34とに挟み込まれて
いる液密シール材38aによりシールされる。
【0052】また、図7に明示するように、前記支持弾
性体32の薄膜弾性体32aによって前記アクチュエー
タサブケース41の係止部41a側に押圧される第1オ
リフィス構成部材36及びその収納体側受容部36f
は、本発明の収納体を構成するアクチュエータサブケー
ス41並びにアクチュエータケース42に一体に固着さ
れている。また、前記平板部材55aからなる可動板側
受容部55は、可動板46に一体に固着されていること
になる。そして、これら収納体,つまりアクチュエータ
ケース42又はアクチュエータサブケース41から延設
された収納体側受容部36fと前記可動板46から延設
された可動板側受容部55との間に介装された前記コイ
ルスプリング48aからなる弾性部材48は、本発明の
規制部材を構成する前記スペーサ47に可動板46の当
接面46aが当接して、前記電磁アクチュエータ52か
ら離間する方向への変位が規制されている状態で、予め
設定された圧縮変形が生じ、当該弾性部材48にはこの
状態で所定の圧縮性弾性力が付与されている。
【0053】ちなみに、本実施形態で電磁アクチュエー
タ52や可動板46等をアクチュエータサブケース41
内に収納したのは、所謂サブアッセンブリ工程による組
立作業の効率化と共に、液濡れを嫌う各構成要素のシー
ル性をより向上するためでもある。そのために、アクチ
ュエータサブケース41の内周面には、図7に明示する
ように薄膜状のシール部材41bがコーティング等によ
って貼付けられており、特に前記ギャップ保持リング5
0の外周面から電磁アクチュエータ52側への流体の漏
洩をシールしている。
【0054】さらに、アクチュエータケース42の上部
には、リバウンドストッパ60が固定されている。この
バウンドストッパ60は、図2〜図4に示すように、連
結部材30から上方に向けて延びる2本のエンジン側取
付ボルト30aの間を、これらボルト間を結ぶ線に対し
て直交する方向に延在するストッパ本体60aと、スト
ッパ部60aの両端部から徐々に下がってアクチュエー
タケース42の外周に結合された一対のストッパ脚部6
0bを備えた部材である。そして、エンジンマウント2
0のリバウンド動作に支持弾性体32が上方に向けて過
度に弾性変形しようとすると、ストッパ部60aの下面
に連結部材30が当接することで、支持弾性体32の過
度の変形が防止されるようになっている。
【0055】次に、本実施形態のエンジンマウント20
の振動入力減衰作用について簡潔に説明する。本実施形
態のエンジンマウント20では、前記支持弾性体32の
空洞部32bと第1オリフィス構成部材36の内周面と
前記可動板46の上面とで構成される主流体室66に対
して、第1オリフィス構成部材36の外周側が当該第1
オリフィス構成部材36の第3開口孔36dを介して当
該主流体室66に連通し、第2オリフィス構成部材40
の第1通路40b1 は、前記第1オリフィス構成部材3
6の第3開口孔36及び内筒34の第2開口孔34gを
介して連通し、当該第1通路40b1 から前記第2ダイ
ヤフラム43が膨出している空間までは、前記隔壁部材
40a及び当該第2オリフィス構成部材40の隙間と当
該第2オリフィス構成部材40の第2通路40b2 とを
介して連通している。
【0056】そして、前記主流体室66から前述した第
2ダイヤフラム43が膨出している空間までの連通路内
に、水等の流体が封入され、前述した第1及び第2オリ
フィス構成部材36、40及び第1及び第2ダイアフラ
ム32c、43によって、主流体室66の容積が変動す
る際に流体共振を発生する3箇所の第1〜第3オリフィ
ス68A、70A、72A及び第1〜第3副流体室68
B、70B、72Bが形成されている。
【0057】すなわち、第1オリフィス68Aは、図2
に示すように、第1オリフィス構成部材36の最小径筒
部36aに囲まれた空間であり、この第1オリフィス6
8Aから下方の可動板46により画成された空間が第1
副流体室68Bとなる。また、図5に示すように、第2
オリフィス70Aは内筒34の内部空間であり、第1ダ
イアフラム32c近傍の内筒34の内部空間が第2副流
体室70Bとなる。さらに、第3オリフィス72Aは、
図5及び図6に示すように、前記第2オリフィス構成部
材40の第1通路40b1 から第2通路40b2 を通過
して第2ダイヤフラム43が内部に膨出している位置ま
での空間であり、第3副流体室72Bは、第2ダイヤフ
ラム43が内部に膨出している空間となる。
【0058】そして、前記第1オリフィス68A及び第
1副流体室68Bで構成される流体共振系の特性は、そ
の減衰ピーク周波数(減衰が最大となる周波数)が、車
室内のこもり音振動・加速時騒音振動(80〜800Hz
以上)の周波数に一致するように調整されている。ま
た、前記第2オリフィス70A及び第2副流体室70B
で構成される流体共振系の特性は、その減衰ピーク周波
数が車両停車中に発生するアイドル振動(20〜30Hz
程度)の周波数に一致するように調整されている。さら
に、前記第3オリフィス72A及び第3副流体室72B
で構成される流体共振系の特性は、その減衰ピーク周波
数が、ブレーキング時等に発生するエンジンシェイク振
動(20Hz以下)の周波数に一致するように調整されて
いる。
【0059】そして、電磁アクチュエータ52の励磁コ
イル52bは、コントローラ74にハーネスを介して接
続されており、図1のブロック図で示すように、コント
ローラ74から供給される駆動電流としての駆動信号y
に応じて所定の電磁力を発生するようになっている。
【0060】このコントローラ74は、図示されないマ
イクロコンピュータ,必要なインタフェース回路,A/
D変換器,D/A変換器,アンプ等を含んで構成されて
おり、アイドル振動周波数及びそれ以上の高周波の振動
(例えば、こもり音振動)が入力されている場合には、
その振動と同じ周期で且つ位相が逆相の制御振動がエン
ジンマウント20に発生して、メンバ28への振動の伝
達力が“0”となるように(より具体的には、エンジン
22側の振動によってエンジンマウント20に入力され
る加振力が、電磁アクチュエータ52の電磁力によって
得られる制御力で相殺されるように)、駆動信号yを生
成し励磁コイル52bに供給するようになっている。
【0061】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント20を介して
メンバ28に伝達されることが主な原因であるから、そ
のエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し
出力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、
本実施形態では、エンジン22のクランク軸の回転に同
期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、
クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス
信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成
器76を設けていて、その基準信号xが、エンジン22
における振動の発生状態を表す信号としてコントローラ
74に供給されている。
【0062】一方、前述したようにエンジンマウント2
0には荷重センサ54が内蔵されており、メンバ28の
振動状況を荷重の形で検出し残留振動信号eとして出力
し、その残留振動信号eが干渉後における振動を表す信
号としてコントローラ74に供給されている。
【0063】そして、コントローラ74は、それら基準
信号x及び残留振動信号eに基づき、逐次更新形の適応
アルゴリズムの一つであるFiltered−X LM
Sアルゴリズムに従って駆動信号yを生成し出力する。
【0064】即ち、コントローラ74からエンジンマウ
ント22の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信
号xが入力された時点から所定のサンプリング・クロッ
クの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数
が順番に駆動信号yとして供給される。この結果、励磁
コイル52bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、
可動板46には既に永久磁石52cによる一定の磁力を
付与されているから、その励磁コイル52bによる磁力
は、永久磁石52cの磁力を強める又は弱めるように作
用すると考えることができる。但し、本実施例では、前
記図7に示す状態で可動板46が電磁アクチュエータ5
2,即ち永久磁石52cから離間する方向には変位でき
ないので、例えば同図の状態で永久磁石52cの磁力と
前記コイルスプリング48aからなる弾性部材48の弾
性力とが均衡していると考えるならば、当該可動板46
を変位させる電磁アクチュエータ52の励磁コイル52
bによる磁力は、永久磁石52cの磁力を強める方向に
しか作用できないことになる。つまり、励磁コイル52
bに駆動信号yが供給されていない状態,即ち図7に示
す状態で、可動板46には永久磁石52cの磁力が当該
可動板46を電磁アクチュエータ52側に接近させる力
として作用するが、前述のようにこの状態で当該可動板
46を電磁アクチュエータ52から離間させるべくコイ
ルスプリング48aからなる弾性部材48に付与されて
いる圧縮性弾性力は、前記永久磁石52cの磁力を打ち
消し、更に残存する圧縮性弾性力により、前記可動板側
受容部55及び脚部材53を介して当該可動板46をス
ペーサ(規制部材)47に当接し続けようとする。そし
て、この状態から励磁コイル52bに駆動信号yが供給
されると、その駆動信号yによって励磁コイル52bに
発生する磁力が、主として永久磁石52cの磁力と同方
向に作用するため、両者の磁力が前記弾性部材48の圧
縮性弾性力以上となったとき、可動板46は電磁アクチ
ュエータ52とのクリアランス(隙間)が減少する方向
に変位する。勿論、この可動板46の変位量は、前記電
磁アクチュエータ52の励磁コイル52bに供給される
駆動信号(主として電流値)yの大きさによって左右さ
れるから、可動板46は前記スペーサ(規制部材)47
に当接する位置を、電磁アクチュエータ52から最も離
間した位置として、それより電磁アクチュエータ52側
には上下両方向に変位可能である。なお、前記弾性部材
48の残存圧縮性弾性力に抗して可動板46を変位させ
るためには、それと同等の直流成分を駆動信号(主とし
て電流値)yに付加すればよいことは自明である。
【0065】このように、可動板46は電磁アクチュエ
ータ52が発生する磁力によって上下両方向に変位可能
であり、可動板46が上下に変位すれば、主流体室66
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体32
の拡張方向ばねが変形するから、このエンジンマウント
20に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのであ
る。そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタ
Wの各フィルタ係数Wiは同期式Filtered−X
LMSアルゴリズムに従って逐次更新されるため、あ
る程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各
フィルタ係数Wiが最適値に収束した後は、駆動信号y
がエンジンマウント20に供給されることによって、エ
ンジン22からエンジンマウント20を介してメンバ2
8側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減さ
れるようになる。
【0066】ここで、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、ブレーキング時
等のエンジンシェイク振動周波数の近傍である場合に
は、本実施形態では前記主流体室66を第3オリフィス
72Aを介して第3副流体室72Bに連通させており、
しかもその流体共振系の減衰ピーク周波数をシェイク振
動周波数に一致させているため、主流体室66の容積が
変動すると第3オリフィス72Aを通じて主流体室66
及び第3副流体室72B間で流体共振が発生する。その
結果、シェイク振動に対して高減衰力を与えることがで
き、良好な防振効果を得ることができる。
【0067】また、エンジン22側からエンジンマウン
ト20に入力される振動の周波数が、車両停車中のアイ
ドル振動周波数の近傍である場合には、本実施形態では
前記主流体室66を第2オリフィス70Aを介して第2
副流体室70Bにも連通させており、しかもその流体共
振系の減衰ピーク周波数をアイドル振動周波数に一致さ
せているため、主流体室66の容積が変動すると第2オ
リフィス70Aを通じて主流体室66及び第2副流体室
70B間で流体共振が発生し、これに合わせて前述のよ
うに電磁アクチュエータ52によって、より大きな制御
力を発生することができる。従って、特にエンジン22
側で発生する振動の振幅が大きいアイドル振動に対して
大きな振幅の制御振動を重畳させることができ、良好な
防振効果を得ることができるのである。
【0068】さらに、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、こもり音振動や
加速時騒音振動の周波数の近傍である場合には、本実施
形態では前記主流体室66を第1オリフィス68Aを介
して第1副流体室68Bに連通させており、しかもその
流体共振系の減衰ピーク周波数をこもり音振動・加速時
騒音振動の周波数に一致させているため、主流体室66
の容積が変動すると第1オリフィス68Aを通じて主流
体室66及び第1副流体室68B間で流体共振が発生
し、これに合わせて前述のように電磁アクチュエータ5
2によって、より大きな制御力を発生することができ
る。
【0069】そして、本実施形態では、前記コイルスプ
リング48aからなる弾性部材48が、図7に示す電磁
アクチュエータ52が励磁されていない状態で、所定の
圧縮性弾性力が付与されているため、振動体であるエン
ジン22から支持弾性体32に振動が入力され、その結
果、支持弾性体32が拡縮変形して主流体室66内の流
体に圧力変動が発生し、その流体圧変動が可動板46を
変位させる力(特に可動板46を電磁アクチュエータ5
2側に接近させる力)として作用しても、前記弾性部材
48に付与されている圧縮性弾性力がこれに抗して前記
可動板46をスペーサ(規制部材)47に当接し続け、
これにより当該可動板46と電磁アクチュエータ52と
の間の初期設定隙間は所定状態に維持されるから、前述
のような防振性能或いは出力特性が安定化される。ま
た、このような弾性部材48に、板バネ等よりも弾性変
形量が大きく、また疲労やヘタリの少ないコイルスプリ
ング48aを用いているために、前記防振性能或いは出
力特性が長期に渡って安定化し、防振支持装置としての
耐久性能が向上する。
【0070】ちなみに、本実施形態では可動板46とギ
ャップ保持リング50との間にゴムシール部材47が介
装されているために、当該可動板46と電磁アクチュエ
ータ52との間には密閉された空気室が形成される。そ
して、前述のように電磁アクチュエータ52の励磁コイ
ル52bに駆動信号yを供給して可動板46を変位させ
ると、この密閉された空気室内の空気が空気バネとして
作用する。ところが、この空気室内の空気バネは、内部
の空気温度(実質的には環境温度にも影響される)に応
じた体積変動によりバネ定数が変化するため、同じ駆動
信号yに対する可動板46の変位量が、その時の空気温
度によって変化してしまう恐れがある。そのため、本実
施形態では、当該空気室となるヨーク52aの上面と大
気との間に第3ダイアフラム51を介装して、当該空気
室内の空気バネ定数が常時一定になるようにしてある。
【0071】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第2実施形態
について説明する。この実施形態は、本発明のうち請求
項1乃至3及び6及び7に係る防振支持装置を実施化し
たものである。
【0072】図8は、前記第1実施形態である図7に対
して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示す
詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同等
の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施形
態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記収納体か
ら延設された収納体側受容部36fと可動板46から延
設された可動板側受容部55との間,即ち収納体と可動
板との間に介装されているバネ部材48が、上方になる
につれて巻き径が小さくなる非線形コイルスプリング4
8bで構成されてなる点にある。これに合わせて、前記
平板部材55aからなる可動板側受容部55の連通孔5
5cの径も小さくなっている。
【0073】この非線形コイルスプリング48bからな
る弾性部材48は、圧縮変形の変位量に応じてバネ剛性
が大きくなるという性質を有し、従って当該弾性部材4
8の圧縮変形量が大きくなるにつれて圧縮性弾性力が加
速度的に大きくなることになる。従って、前述のような
電磁アクチュエータ52の可動板吸引力は、当該可動板
46と電磁アクチュエータ52との距離(隙間)の2乗
に反比例する性質を有するから、可動板46が電磁アク
チュエータ52側に接近するにつれて,即ち非線形コイ
ルスプリング48bからなる弾性部材48の圧縮変形量
が大きくなるにつれて加速度的に大きくなる当該電磁ア
クチュエータ52の可動板吸引力と、同じく圧縮変形量
が大きくなるにつれて加速度的に大きくなる非線形コイ
ルスプリング48bからなる弾性部材48の圧縮性弾性
力とを一致又は近似させることにより、前記電磁アクチ
ュエータ52への駆動信号yと実際の可動板46の変位
量とをリニアな関係に保持することができ、従って前記
残留振動信号eに対する駆動信号yのゲインを安定させ
ることができるから、防振支持装置としての防振性能や
出力特性を安定化することができる。また、この作用を
応用すれば、特に可動板46の変位量,即ち弾性部材4
8の変形量が大きくなっても、弾性部材48による圧縮
性弾性力と電磁アクチュエータ52による可動板吸引力
とを均衡させることが可能となるから、結果的に可動板
46の変位を大きくして、防振性能を高めたり出力特性
を大きくしたりすることも可能となる。
【0074】勿論、図8に示すように本発明の規制部材
を構成する前記スペーサ47に可動板46の当接面46
aが当接して、当該可動板46の電磁アクチュエータ5
2から離間する方向への変位が規制されている状態で、
前記非線形コイルスプリング48bからなる弾性部材4
8に予め所定の圧縮性弾性力を付与しておくことで、前
述と同様に振動体であるエンジン22からの振動入力に
対して、可動板46と電磁アクチュエータ52との初期
設定隙間を確保することができ、これにより防振支持装
置としての防振性能や出力特性を安定化することができ
る。また、弾性部材48に非線形コイルスプリング48
bを用いることにより、板バネ等を用いた場合に比し
て、防振支持装置の耐久性能を向上することができる。
【0075】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第3実施形態
について説明する。この実施形態は、本発明のうち請求
項1乃至3及び6乃至8に係る防振支持装置を実施化し
たものである。
【0076】図9は、前記第1実施形態である図7に対
して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示す
詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同等
の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施形
態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記収納体か
ら延設された収納体側受容部36fと可動板46から延
設された可動板側受容部55との間,即ち収納体と可動
板との間に介装されているバネ部材48が、前記第1実
施形態と同様のコイルスプリング48aの周囲に加硫接
着ゴム部材48cを配設して構成されてなる点にある。
より具体的には、当該コイルスプリング48aの巻き線
の全周を覆うように加硫接着ゴム部材48cをモールデ
ィングし且つコイルスプリング48aの内径内に連通孔
38c1を形成し且つその外形は、コイルスプリング4
8aの巻き線径を大きくしたような波形に形成してあ
る。ちなみに、この連通孔38c並びに前記収納体側受
容部36fの連通孔36g及び可動板側受容部55の連
通孔55cによって、前記第1オリフィス68Aと第1
副流体室68Bとの流体の連通は阻害されない。
【0077】この加硫接着ゴム部材48cがモールディ
ングされたコイルスプリング48aからなる弾性部材4
8は、当該コイルスプリング48aの各巻き線間の加硫
接着ゴム部材48cのバネ剛性が、当該コイルスプリン
グ48aの圧縮変形を阻害する抵抗力となり、当該ゴム
部材48cがコイルスプリング48aの巻き線間のスト
ッパ的に作用してバネ剛性が急速に立ち上がるため、弾
性部材48全体としては圧縮変形の変位量に応じてバネ
剛性が大きくなるという性質を有し、従って当該弾性部
材48の圧縮変形量が大きくなるにつれて圧縮性弾性力
が加速度的に大きくなることになる。従って、前記第2
実施形態と同様に、この弾性部材48の圧縮性弾性力
と、前述のように可動板46との距離(隙間)の2乗に
反比例する電磁アクチュエータ52の可動板吸引力とを
一致又は近似させることにより、前記電磁アクチュエー
タ52への駆動信号yと実際の可動板46の変位量とを
リニアな関係に保持することができ、従って前記残留振
動信号eに対する駆動信号yのゲインを安定させること
ができるから、防振支持装置としての防振性能や出力特
性を安定化することができる。また、この作用を応用す
れば、前記第2実施形態と同様に、可動板46の変位を
大きくして、防振性能を高めたり出力特性を大きくした
りすることも可能となる。また、前述のように加硫接着
ゴム部材48cの凡そ硬さに相当するバネ剛性によっ
て、前記弾性部材48の非線形なバネ剛性を自在に設定
することができるから、車両特性に応じて要求される防
振性能や出力特性の種々の仕様に容易に対応することが
可能となる。
【0078】勿論、図9に示すように本発明の規制部材
を構成する前記スペーサ47に可動板46の当接面46
aが当接して、当該可動板46の電磁アクチュエータ5
2から離間する方向への変位が規制されている状態で、
前記コイルスプリング48aに加硫接着ゴム部材48c
をモールディングしてなる弾性部材48に予め所定の圧
縮性弾性力を付与しておくことで、前述と同様に振動体
であるエンジン22からの振動入力に対して、可動板4
6と電磁アクチュエータ52との初期設定隙間を確保す
ることができ、これにより防振支持装置としての防振性
能や出力特性を安定化することができる。また、弾性部
材48にコイルスプリング48aを用いることにより、
板バネ等を用いた場合に比して、防振支持装置の耐久性
能を向上することができる。
【0079】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第4実施形態
について説明する。この実施形態は、本発明のうち請求
項1乃至3及び9に係る防振支持装置を実施化したもの
である。
【0080】図10は、前記第1実施形態である図7に
対して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示
す詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同
等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施
形態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記収納体
から延設された収納体側受容部36fと可動板46から
延設された可動板側受容部55との間,即ち収納体と可
動板との間に介装されているバネ部材48が、バネ剛性
の非線形なゴム部材48dで構成されてなる点にある。
より具体的には、全体に略円筒状に成形されたゴム部材
48dの内孔を、前記収納体側受容部36fの連通孔3
6g及び可動板側受容部55の連通孔55cに連通する
連通孔48d1 とし且つその外周は螺旋状に連続する矩
形波状に形成してある。
【0081】この成形ゴム部材48dからなる弾性部材
48は、そのゴム弾性そのものが圧縮変形の変位量に応
じてバネ剛性が大きくなるという性質を有するために、
弾性部材48全体としては圧縮変形の変位量に応じてバ
ネ剛性が大きくなり、従って当該弾性部材48の圧縮変
形量が大きくなるにつれて圧縮性弾性力が加速度的に大
きくなることになる。従って、前記第2又は第3実施形
態と同様に、この弾性部材48の圧縮性弾性力と、前述
のように可動板46との距離(隙間)の2乗に反比例す
る電磁アクチュエータ52の可動板吸引力とを一致又は
近似させることにより、前記電磁アクチュエータ52へ
の駆動信号yと実際の可動板46の変位量とをリニアな
関係に保持することができ、従って前記残留振動信号e
に対する駆動信号yのゲインを安定して防振支持装置と
しての防振性能や出力特性を安定化することができる。
また、この作用を応用すれば、前記第2又は第3実施形
態と同様に、可動板46の変位を大きくして、防振性能
を高めたり出力特性を大きくしたりすることも可能とな
る。また、前記第3実施形態と同様に、ゴム部材48d
の凡そ硬さに相当するバネ剛性によって、前記弾性部材
48の非線形なバネ剛性を自在に設定することができる
から、車両特性に応じて要求される防振性能や出力特性
の種々の仕様に容易に対応することが可能となる。ま
た、特にこの実施形態の弾性部材48は、原価の廉価な
ゴム部材48dのみで構成されているために、全体とし
てのコストを低廉化することもできる。また、このよう
なゴム部材48dは、本来、耐熱性に劣るが、本実施形
態のように当該ゴム部材48dからなる弾性部材48
を、前記主流体室66内に配設することにより、例えば
電磁アクチュエータ52や可動板46等からの放射熱や
輻射熱を直接受けることがなく、従って当該ゴム部材4
8dからなる弾性部材48は,所謂熱被爆しにくいため
に防振支持装置の耐久性能を確保することができる。
【0082】勿論、図10に示すように本発明の規制部
材を構成する前記スペーサ47に可動板46の当接面4
6aが当接して、当該可動板46の電磁アクチュエータ
52から離間する方向への変位が規制されている状態
で、前記非線形なバネ剛性を有するゴム部材48dから
なる弾性部材48に予め所定の圧縮性弾性力を付与して
おくことで、前述と同様に振動体であるエンジン22か
らの振動入力に対して、可動板46と電磁アクチュエー
タ52との初期設定隙間を確保することができ、これに
より防振支持装置としての防振性能や出力特性を安定化
することができる。 次に、前記可動板46を電磁アク
チュエータ52に対して所定位置に維持するための防振
支持装置におけるバネ部材48及びその支持構造の第5
実施形態について説明する。この実施形態は、本発明の
うち請求項1乃至3及び10に係る防振支持装置を実施
化したものである。
【0083】図11は、前記第1実施形態である図7に
対して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示
す詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同
等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施
形態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記収納体
から延設された収納体側受容部36fと可動板46から
延設された可動板側受容部55との間,即ち収納体と可
動板との間に介装されているバネ部材48が、バネ剛性
の非線形な樹脂成形部材48eで構成されてなる点にあ
る。より具体的には、方形断面の樹脂を螺旋状に射出す
ることで当該樹脂成形部材48eからなる弾性部材48
が構成されている。
【0084】この樹脂成形部材48eからなる弾性部材
48は、その樹脂成形部材そのものが圧縮変形の変位量
に応じてバネ剛性が大きくなる,つまり例えば圧縮変形
が大きくなるにつれて硬さが硬くなるような性質を有す
るために、弾性部材48全体としては圧縮変形の変位量
に応じてバネ剛性が大きくなり、従って当該弾性部材4
8の圧縮変形量が大きくなるにつれて圧縮性弾性力が加
速度的に大きくなることになる。従って、前記第2乃至
第4実施形態と同様に、この弾性部材48の圧縮性弾性
力と、前述のように可動板46との距離(隙間)の2乗
に反比例する電磁アクチュエータ52の可動板吸引力と
を一致又は近似させることにより、前記電磁アクチュエ
ータ52への駆動信号yと実際の可動板46の変位量と
をリニアな関係に保持することができ、従って前記残留
振動信号eに対する駆動信号yのゲインを安定して防振
支持装置としての防振性能や出力特性を安定化すること
ができる。また、この作用を応用すれば、前記第2乃至
第4実施形態と同様に、可動板46の変位を大きくし
て、防振性能を高めたり出力特性を大きくしたりするこ
とも可能となる。また、前記樹脂成形部材48eの凡そ
硬さに相当するバネ剛性によって、前記弾性部材48の
非線形なバネ剛性を自在に設定することができるから、
車両特性に応じて要求される防振性能や出力特性の種々
の仕様に容易に対応することが可能となる。また、この
ような樹脂成形部材48eは、本来、耐熱性に劣るが、
本実施形態のように当該樹脂成形部材48eからなる弾
性部材48を、前記主流体室66内に配設することによ
り、例えば電磁アクチュエータ52や可動板46等から
の放射熱や輻射熱を直接受けることがなく、従って当該
樹脂成形部材48eからなる弾性部材48は,所謂熱被
爆しにくいために防振支持装置の耐久性能を確保するこ
とができる。
【0085】勿論、図11に示すように本発明の規制部
材を構成する前記スペーサ47に可動板46の当接面4
6aが当接して、当該可動板46の電磁アクチュエータ
52から離間する方向への変位が規制されている状態
で、前記非線形なバネ剛性を有する樹脂成形部材48e
からなる弾性部材48に予め所定の圧縮性弾性力を付与
しておくことで、前述と同様に振動体であるエンジン2
2からの振動入力に対して、可動板46と電磁アクチュ
エータ52との初期設定隙間を確保することができ、こ
れにより防振支持装置としての防振性能や出力特性を安
定化することができる。
【0086】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第6実施形態
について説明する。この実施形態は、本発明のうち請求
項1又は2及び4及び6に係る防振支持装置を実施化し
たものである。
【0087】図12は、前記第1実施形態である図7に
対して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示
す詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同
等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施
形態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記収納体
から延設された収納体側受容部36fと可動板46から
延設された可動板側受容部55との間,即ち収納体と可
動板との間に介装されているコイルスプリング48aか
らなるバネ部材48の初期長さが、拘束部材58によっ
て拘束されている点にある。より具体的には、まずコイ
ルスプリング48aからなる弾性部材48の上下端部
に、夫々拘束プレート58b,58cをあてがい、コイ
ルスプリング48aの内径内を通して両拘束プレート5
8b,58cに拘束ピン58aを貫通し、更にコイルス
プリング48aが所定量だけ圧縮変形するように両拘束
プレート58b,58cでコイルスプリング48aを圧
縮した状態で、前記拘束ピン58aの上下端部の所定位
置の夫々に係止部材58d,58eを係止すると、両拘
束プレート58b,58cは各係止部材58d,58e
に規制されてコイルスプリング48aの延伸方向に移動
できなくなるので、当該コイルスプリング48aはそれ
以上の延伸が規制されて当該コイルスプリング48aか
らなる弾性部材48に所定の圧縮性弾性力が付与され
る。ちなみに、前記平板部材55a及び第1オリフィス
構成部材36の底板には前記各拘束プレート58b,5
8cの形状に合わせた窪みが形成され、この窪みが前記
弾性部材48を受容する可動板側受容部55及び収納体
側受容部36fを構成する。
【0088】そして、本実施例では、図12に示す状
態,即ち電磁アクチュエータ52は励磁されていない
が、前記コイルスプリング48aからなる弾性部材48
の延伸が規制されている状態で、既に当該弾性部材48
には所定の圧縮性弾性力が付与されているから、前記振
動体であるエンジン22からの振動入力により可動板4
6を電磁アクチュエータ52側に変位させようとする力
が作用しても、前記弾性部材48の圧縮性弾性力がこの
力に抗して可動板46を所定位置,即ち可動板46と電
磁アクチュエータ52との間に初期設定隙間が形成され
る位置に維持することができるので、防振支持装置とし
ての防振性能や出力特性を安定化することができる。ま
た、本実施形態では、前述のように可動板46が電磁ア
クチュエータ52から離間する方向に変位するのを、個
別の規制部材で規制する必要はないから、当該可動板4
6が前記スペーサ47に当接している必要はなく、従っ
て本実施形態では当該スペーサ47は前記各実施例のよ
うな規制部材の機能を担う必要はない。また、本実施例
では弾性部材48にコイルスプリング48aを用いるこ
とにより、前記第1乃至第3実施形態と同様に防振支持
装置の耐久性能を向上することができる。
【0089】また、本実施例では予め拘束部材58によ
ってコイルスプリング48aからなる弾性部材48の初
期長さを設定することができるので、例えば前述のよう
な防振支持装置の組立以前に、当該弾性部材48の初期
長さを設定すれば、当該弾性部材48の初期長さを精度
よく出すことができる。
【0090】ちなみに、前記拘束プレート58b,58
cのうち、前記係止部材58d,58eが当接する面と
コイルスプリング48aが当接する面との間には、所定
間隔毎に比較的小さな連通孔58fが形成されていて、
前記第1オリフィス68Aと第1副流体室68Bとを連
通している。なお、これらの連通孔58fは比較的径が
小さいが、前記拘束プレート58b,58cの板厚が薄
いために、前記第1オリフィス68Aと第1副流体室6
8Bとの間の流体の移動にオリフィスとして作用するこ
とはなく、両者間の流体の移動を阻害することもない。
【0091】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第7実施形態
について説明する。この実施形態は、本発明のうち請求
項1又は2及び4乃至6に係る防振支持装置を実施化し
たものである。
【0092】図13は、前記第6実施形態である図12
に対して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を
示す詳細図であり、当該第6実施形態と同等の部材には
同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実
施形態と第6実施形態との最も大きな差異は、同図から
も明らかなように、やや小径のコイルスプリング48a
からなる弾性部材48を用い、前記収納体から延設され
た収納体側受容部36fと可動板46から延設された可
動板側受容部55との間,即ち収納体と可動板との間
に、当該弾性部材48を複数併設した点にある。当然な
がら、コイルスプリング48aからなる弾性部材48の
小径化に伴い、前記拘束部材58の拘束プレート58
b,58cや係止部材58d,58eも小径化されてい
る。また、これらの拘束部材58を含む弾性部材48
は、前記可動板側受容部55と収納体側受容部36fと
の間で、同一円周上に配設されているので、各受容部5
5,36fの中央部に設けられた比較的小径の連通孔5
5c,36gによって前記第1オリフィス68Aと第1
副流体室68Bとの連通は確保される。なお、この小径
の連通孔55c,36gが流体の移動を阻害しない理由
は、前記第6実施形態と同様である。
【0093】この実施形態では、一つの可動板46の変
位に対して各弾性部材48に付与する前記圧縮性弾性力
を安定しておくことによって、可動板46並びに弾性部
材48の倒れを抑制防止して、防振支持装置の安定した
防振性能或いは出力特性を得ることができる。これに
は、前記第6実施形態で説明したように、前記拘束部材
58によって各弾性部材48の初期長さを精度良く出せ
るという効果が利用されている。また、本実施形態で
は、前記第6実施形態と同様に、可動板46が電磁アク
チュエータ52から離間する方向に変位するのを、個別
の規制部材で規制する必要はないから、当該可動板46
が前記スペーサ47に当接している必要はなく、従って
本実施形態では当該スペーサ47は前記各実施例のよう
な規制部材の機能を担う必要はない。また、本実施例で
は弾性部材48にコイルスプリング48aを用いること
により、前記第6実施形態と同様に防振支持装置の耐久
性能を向上することができる。
【0094】なお、上記各実施例で振動入力を減衰する
ためのオリフィスや副流体室の形状或いはその数は前記
に限定されるものではなく、減衰仕様特性に応じて適宜
に設定すればよい。
【0095】また、上記各実施例で可動板を駆動するア
クチュエータは電磁アクチュエータを用い、当該可動板
を常時アクチュエータ側に吸引するために永久磁石を用
いたが、これらの機能要素は、上記に限定されるもので
はなく、既存のアクチュエータ類或いは吸引手段を適宜
に選定して用いればよい。
【0096】また、上記各実施例では、車両のエンジン
と車体との間に介装される防振支持装置についてのみ説
明したが、本発明の防振支持装置は、その他の振動源と
それを支持する支持体との間に如何様にも展開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振支持装置を車両のエンジンと車体
との間に介装した一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に採用された防振支持装置の一例を示す正
面縦断面図である。
【図3】図2の防振支持装置の側面一部断面図である。
【図4】図2の防振支持装置の平面図である。
【図5】図2に示す防振支持装置による減衰効果の作用
説明図である。
【図6】図2に示す防振支持装置に形成されたエンジン
シェイク振動の流体共振系の説明図である。
【図7】本発明の防振支持装置の第1実施形態を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図8】本発明の防振支持装置の第2実施形態を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図9】本発明の防振支持装置の第3実施形態を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図10】本発明の防振支持装置の第4実施形態を示す
バネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図11】本発明の防振支持装置の第5実施形態を示す
バネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図12】本発明の防振支持装置の第6実施形態を示す
バネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図13】本発明の防振支持装置の第7実施形態を示す
バネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【符号の説明】
20はエンジンマウント(防振支持装置) 22はエンジン(振動体) 26は車体(支持体 30は連結部材(振動体側連結部材) 32は支持弾性体 32cは第1ダイアフラム 34は内筒 36は第1オリフィス構成部材 36fは収納体側受容部 36gは連通孔 38は外筒 40は第2オリフィス構成部材 40b1 は第1連通孔 40b2 は第2連通孔 41はアクチュエータサブケース(収納体) 42はアクチュエータケース(収納体) 43は第2ダイアフラム 46は可動板 47はスペーサ(規制部材) 48はバネ部材 49はゴムシール部材 50はギャップ保持リング(収納体) 51は第3ダイアフラム 52は電磁アクチュエータ(アクチュエータ) 53は脚部材 55は収納体側受容部 57はネジ部材 58は拘束部材 66は主流体室(流体室) 68Aは第1オリフィス 68Bは第1副流体室 70Aは第2オリフィス 70Bは第2副流体室 72Aは第3オリフィス 72Bは第3副流体室 74はコントローラ(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 洋介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体に連設された収納体と、前記支持
    弾性体内に画成され且つ内部に流体が封入された流体室
    と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つその流体室の
    容積を変化させる方向に変位可能な可動板と、この可動
    板を挟んで前記流体室と反対側の収納体内に配設され且
    つ磁力により当該可動板に変位力を付与するアクチュエ
    ータと、前記振動体から支持体に伝達される振動が低減
    するように前記アクチュエータに制御信号を供給する制
    御手段と、前記アクチュエータを前記流体室から分離す
    るために前記可動板と収納体との間に介装されたシール
    部材と、前記流体室内に配設され且つ前記収納体と可動
    板との間に介装され且つ当該可動板をアクチュエータか
    ら離間する方向に変位させる弾性力を圧縮変形によって
    発現する弾性部材とを備えたことを特徴とする防振支持
    装置。
  2. 【請求項2】 振動体に連結される振動体側連結部材
    と、支持体に連結される支持体側連結部材と、前記振動
    体側連結部材又は支持体側連結部材の何れか一方に連結
    される支持弾性体と、前記振動体側連結部材又は支持体
    側連結部材の何れか他方と前記支持弾性体との間に連結
    される収納体と、前記支持弾性体内に画成され且つ内部
    に流体が封入された流体室と、前記流体室の隔壁の一部
    を形成し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位
    可能な磁化可能な可動板と、前記収納体内に配設され且
    つ磁力を発生して前記可動板に変位力を付与するアクチ
    ュエータと、前記振動体から支持体に伝達される振動が
    低減するように前記アクチュエータに制御信号を供給す
    る制御手段と、前記アクチュエータを前記流体室から分
    離するために前記可動板と収納体との間に配設されたシ
    ール部材と、前記収納体から前記流体室内に設けられた
    収納体側受容部と、前記可動板から前記流体室内に設け
    られた可動板側受容部と、前記収納体側受容部及び可動
    板側受容部間に介装され且つ前記可動板をアクチュエー
    タから離間する方向に変位させる弾性力を圧縮変形によ
    って発現する弾性部材とを備えたことを特徴とする防振
    支持装置。
  3. 【請求項3】 前記可動板を前記アクチュエータに対し
    て所定位置に維持するために、当該可動板がアクチュエ
    ータから離間する方向に変位するのを規制する規制部材
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振
    支持装置。
  4. 【請求項4】 前記可動板を前記アクチュエータに対し
    て所定位置に維持するために、前記弾性部材の初期長さ
    を設定する長さ拘束部材を設けたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の防振支持装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材が、複数並列に用いられて
    いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の
    防振支持装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材が、コイルスプリングで構
    成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記
    載の防振支持装置。
  7. 【請求項7】 前記コイルスプリングが、高さにより巻
    き径の異なる非線形コイルスプリングであることを特徴
    とする請求項6に記載の防振支持装置。
  8. 【請求項8】 前記コイルスプリングの周囲に、加硫接
    着ゴム部材が配設されたことを特徴とする請求項6又は
    7に記載の防振支持装置。
  9. 【請求項9】 前記弾性部材が、バネ剛性の非線形なゴ
    ム部材で構成されることを特徴とする請求項1乃至4の
    何れかに記載の防振支持装置。
  10. 【請求項10】 前記弾性部材が、バネ剛性の非線形な
    樹脂成形部材で構成されることを特徴とする請求項1乃
    至4の何れかに記載の防振支持装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0940602A3 (en) * 1998-03-06 2000-04-12 Nissan Motor Co., Ltd. Vibration insulating mount
JP2007247660A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Bridgestone Corp 防振装置
CN108917079A (zh) * 2018-09-20 2018-11-30 成都明日蔚蓝科技有限公司 一种新风系统

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JP2007247660A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Bridgestone Corp 防振装置
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