JPH09250590A - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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JPH09250590A
JPH09250590A JP5921996A JP5921996A JPH09250590A JP H09250590 A JPH09250590 A JP H09250590A JP 5921996 A JP5921996 A JP 5921996A JP 5921996 A JP5921996 A JP 5921996A JP H09250590 A JPH09250590 A JP H09250590A
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spring member
vibration
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actuator
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Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Kazue Aoki
和重 青木
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
Yosuke Akatsu
洋介 赤津
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン等の振動体と車体等の支持体との間に
介装される支持弾性体内に流体室を構成し、その流体室
の容積を可動板で変動させて振動体からの振動を能動的
に減衰する防振支持装置にあって、当該可動板を駆動す
るアクチュエータに対して当該可動板を所定位置に維持
する板状のバネ部材の応力集中を避け、その疲労や磨耗
を抑制防止可能とする。 【解決手段】リング板状のバネ部材48の内周端部48
iを当該可動板46に形成された溝部(可動板側受容
部)46b内に遊嵌すると共に、当該バネ部材48の外
周端部48oを、収納体を構成するアクチュエータサブ
ケース41のスペーサ47とバネ部材支持部41aとの
間の隙間(収納体側受容部)に遊嵌し、これらによりバ
ネ部材48の二つの支持端を自由端支持として、可動板
46の変位に伴う当該バネ部材48の変形時に応力集中
が発生しないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のエン
ジン等の振動体を車体等の支持体に防振しつつ支持する
装置に関し、特に振動体及び支持体間に介在する支持弾
性体によって流体室を画成し、その流体室の容積を能動
的に変化させることにより振動伝達率の低減を図る防振
支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような防振支持装置としては、例え
ば特開平7−269645号公報に記載されるものがあ
る。この防振支持装置は、例えば車両のエンジンを車体
に支持する装置に関するものであって、支持弾性体(膨
張バネ)と収納体(外殻)との間に形成された流体室
(作用室)と、この流体室にオリフィス(緩衝孔)を介
して通じ且つダイヤフラム(ベロー)によって画成され
た容積可変の副流体室と、前記流体室内に配設され且つ
当該流体室の容積を変化させる方向に能動的に変位する
可動板(振動板)と、この可動板を前記流体室の容積変
化方向に変位させるアクチュエータ(磁石体)と、前記
可動板を前記アクチュエータに対して所定位置に維持す
るために当該可動板と前記収納体との間に介装され且つ
当該可動板を前記収納体に弾性支持するリング状の板バ
ネ(板状のバネ部材)とを備えている。勿論、当該公報
には開示されていないが、前記アクチュエータを駆動し
て可動板を変位させ、結果的に前記流体室の容積を変化
させることにより前記振動体から支持体に伝達される振
動が低減するように、当該アクチュエータに制御信号を
供給する制御手段は必須である。ちなみに、この防振支
持装置では、前記アクチュエータが前記板バネを含む可
動板によって流体室から分離されるように、可動板と収
納体との間にはゴム製のシール部材が配設されている。
但し、このシール部材は可動板とアクチュエータとの間
に配設してもよい。また、前記リング状に形成された板
バネの外周縁部は、前記収納体に形成された凹部内に緊
密に嵌入されて固着され且つその内周縁部が前記可動板
に接触されている。
【0003】そして、この防振支持装置によれば、前記
オリフィスを通じての流体室及び副流体室間の流体の移
動が可能な比較的低周波数の振動入力、例えばエンジン
シェイクに対しては、当該オリフィス内の流体共振によ
り、高動バネ定数及び高減衰力の防振支持装置となる一
方、前記オリフィスを通じての流体の移動が不可能にな
る比較的高周波数の振動が入力されている場合には、そ
の振動入力による流体の圧力変動が相殺されるように可
動板を変位させることにより、流体室内の容積が変化し
て低動バネ定数の防振支持装置となる。つまり、上記従
来の防振支持装置によれば、高動バネ定数,高減衰が要
求される低周波数振動入力と、低動バネ定数が要求され
る高周波数振動入力時との両方に対して防振効果が得ら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
にリング状に形成された板バネの外周縁部を前記収納体
に固着するためには、例えば板バネの両面(前記従来の
防振支持装置では、流体室側面とアクチュエータ側面と
の両面に相当する)を、締り嵌めやかしめなどによって
相応に強固に挟着する必要がある。しかしながら、この
板バネは、前記可動板の変位と共に変形されるものであ
るから、このようにリング状に形成された板バネの外周
縁部が収納体に強固に挟着されていると、その挟着端
部,即ちリング状に形成された板バネの固着内側端部に
応力集中が発生し、当該部位に発生する局部的な応力が
大きくなり易い。しかも、この応力は、アクチュエータ
の稼働中に常時繰り返されるため、板バネの疲労を招く
可能性もある。従って、可動板に大きな変位を要求する
場合には、前記板バネに発生する応力も大きくなり、防
振支持装置としての耐久性能に配慮して高価な板バネを
使用しなければならないという問題が生じる。
【0005】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、収納体を大きくすることなく、板状のバ
ネ部材に発生する応力を小さくして耐久性能を向上可能
な防振支持装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に係る防振支持装置は、振動
体及び支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性
体に連設された収納体と、前記支持弾性体内に画成され
且つ内部に流体が封入された流体室と、前記流体室の容
積を変化させる可動板と、前記収納体内に配設されて前
記可動板に変位力を付与するアクチュエータと、前記振
動体から支持体に伝達される振動が低減するように前記
アクチュエータに制御信号を供給する制御手段と、前記
可動板を前記アクチュエータに対して所定位置に維持す
るために当該可動板と前記収納体との間に介装され且つ
当該可動板を前記収納体に弾性支持するバネ部材と、前
記流体室の流体をシールするシール部材とを備えた防止
支持装置において、前記バネ部材の可動板側端部及び収
納体側端部の夫々の支持が、可動板及び収納体に対して
可動な自由端支持であることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のうち請求項2に係る防振支
持装置は、振動体に連結される振動体側連結部材と、支
持体に連結される支持体側連結部材と、前記振動体側連
結部材又は支持体側連結部材の何れか一方に連結される
支持弾性体と、前記振動体側連結部材又は支持体側連結
部材の何れか他方と前記支持弾性体との間に連結される
収納体と、前記支持弾性体内に画成され且つ内部に流体
が封入された流体室と、前記流体室の隔壁の一部を形成
し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位可能な
磁化可能な可動板と、前記収納体内に配設され且つ磁力
を発生して前記可動板に変位力を付与するアクチュエー
タと、前記振動体から支持体に伝達される振動が低減す
るように前記アクチュエータに制御信号を供給する制御
手段と、前記アクチュエータを前記流体室から隔離する
ために前記可動板と収納体又はアクチュエータとの間に
配設されたシール部材と、前記可動板に形成された可動
板側受容部と、前記収納体に形成された収納体側受容部
と、前記可動板を前記アクチュエータに対して所定位置
に維持するために当該可動板を前記収納体に弾性支持し
且つ可動板側端部が前記可動板側受容部に支持され、収
納体側端部が前記収納体側受容部に支持された板状のバ
ネ部材とを備え、前記板状のバネ部材が少なくとも一方
の受容部で可動可能に支持されたことを特徴とするもの
である。
【0008】これらの発明によれば、何れの防振支持装
置でも板状のバネ部材の可動板側端部及び/又は収納体
側端部が可動に支持されている,即ち自由端支持されて
いるため、バネ部材の内外周端部が面方向に自由に変位
することができ、可動板の変位に伴う板状のバネ部材の
変形中に、大きく局部的な応力の発生,つまり応力集中
を避け、繰り返しによる疲労も回避することができる。
なお、前記バネ部材を可動に支持する前記収納体側受容
部及び可動板側受容部とは、このバネ部材が板状である
ことから、それが面方向と直行方向に移動するのを規制
するように、その両面を或る程度挟み持つように受容す
る部位を示す。
【0009】また、本発明のうち請求項3に係る防振支
持装置は、前記バネ部材を前記流体室内に配設し、前記
可動板を前記アクチュエータに対して当該流体室側から
支持したことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項4に係る防振支
持装置は、前記バネ部材を前記可動板とアクチュエータ
との間に配設し、前記可動板を前記アクチュエータ側か
ら支持したことを特徴とするものである。
【0011】これらの発明は、前記請求項1又は請求項
2に係る防振支持装置の板状のバネ部材の両端部支持構
造が自由端支持構造であり、従って当該バネ部材は、例
えば永久磁石等の可動板吸着力に対して、単に可動板を
所定位置に維持するような反力を提供するものであれば
よいことになるから、それを例えば流体室側に配設した
り、アクチュエータ側に配設したりしてもよいという実
施態様である。つまり、例えばアクチュエータ側に永久
磁石等の可動板吸着要素が設けられている場合には、請
求項3に係る防振支持装置のバネ部材は主として引張力
によって可動板を所定位置に維持し、請求項4に係る防
振支持装置のバネ部材は主として圧縮力によって可動板
を所定位置に維持することが可能となる。
【0012】また、本発明のうち請求項5に係る防振支
持装置は、前記バネ部材の収納体側端部に相当する外形
が円形又は略円形であり、その中央部に穴部を設けて前
記可動板側端部に相当する内形を形成し、当該バネ部材
の内周側から又は外周側からスリットを形成したことを
特徴とするものである。
【0013】この発明によれば、スリットが設けられた
側のバネ部材の端部と収納体又は可動板との接触線長さ
(厳密には接触面積)が短く(小さく)なるため、可動
板の変位及びバネ部材の変形に伴う接触部位の磨耗が小
さくなり、合わせて接触し合う両者が金属製である場合
には、磨耗に伴う金属粉の発生量を減少して、前記した
ような摺動部位や可動部位での傷の発生を抑制防止する
ことができる。
【0014】また、本発明のうち請求項6に係る防振支
持装置は、前記バネ部材を複数枚重ねて配設したことを
特徴とするものである。この発明によれば、重ねられる
各板状のバネ部材のバネ定数を変えることにより、車両
特性に要求される種々の仕様を細かく且つ容易に実現す
ることができる。
【0015】また、本発明のうち請求項7に係る防振支
持装置は、前記複数枚重ねられたバネ部材同士が互いに
完全には重なり合わないように各バネ部材を配設したこ
とを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、前記可動板の変位に伴
って、複数枚重ねられた各板状のバネ部材が変形する
際、各バネ部材が変形して隣合うバネ部材に接触するま
でと、接触してからのバネ定数を非線型にすることなど
が可能となり、車両特性に要求される種々の仕様を細か
く且つ容易に実現することができる。また、特にこの発
明によれば、前述のような電磁アクチュエータの可動板
吸引力が、当該アクチュエータと磁性体からなる可動板
との距離(隙間)の2乗に反比例することから、前記非
線型なバネ定数による弾性力を当該アクチュエータの可
動板吸引力に一致又は近似させることにより、アクチュ
エータの駆動電流と可動板の変位とをリニアに設定する
ことができ、所望する流体室の容積変動,即ち防振性能
を安定させることが可能となる。
【0017】また、本発明のうち請求項8に係る防振支
持装置は、前記流体室内に複数枚重ねられたバネ部材の
スリットが互いに重なり合わないように各バネ部材を配
設し、それらの前記支持弾性体側面を覆うように液密性
の弾性膜を貼付けて前記流体室内を支持弾性体側と可動
板側とに区分すると共に、区分された両流体室間を、前
記可動板に設けられた連通路によって互いに連通したこ
とを特徴とするものである。
【0018】この発明によれば、可動板と収納体とを連
結する各板状のバネ部材のスリットが互いに重なり合わ
ないように流体室内に複数枚重ねられて配設されたバネ
部材と、同じく、その支持弾性体側面に貼付けられた液
密性の弾性膜とにより、流体室内は支持弾性体側と可動
板側とに区分される。しかしながら、この区分された二
つの或いはそれ以上の流体室は、前記可動板に設けられ
た連通路によって連通されている。従って、この連通路
が、例えば前記低周波数入力時であって可動板が駆動さ
れない場合に、適切なオリフィスとして前記区分された
流体室間の流体の移動を可能とするならば、前記支持弾
性体の変形に伴う当該支持弾性体側の流体室の容積変動
を、前記可動板側の流体室への流体移動によって吸収
し、適切な減衰効果を確保することができる。また、前
記連通路が、例えば前記高周波数入力時であって可動板
が駆動される場合に、流体の粘性抵抗により前記区分さ
れた流体室間の流体の移動を許容しないならば、前記板
状のバネ部材及び弾性膜及び可動板の全者で大きな流体
受圧面積を得ることができ、前記請求項1又は請求項2
に係る防振支持装置で必要とされる可動板と収納体又は
アクチュエータとの間のシール部材による弾性支持体の
拡張弾性の低下を補って、同等の可動板変位に対して高
い減衰効果を得ることが可能となる。
【0019】また、本発明のうち請求項9に係る防振支
持装置は、前記バネ部材に重ね合わせられる形状の覆い
部材に、少なくとも前記バネ部材のスリットを覆い且つ
当該バネ部材の変形方向に自在に回転する覆い部を形成
し、この覆い部によって前記バネ部材のスリットを覆う
ように当該覆い部材をバネ部材の前記支持弾性体側に重
ね合わせ、その前記支持弾性体側面を覆うように液密性
の弾性膜を貼付けて、それらを前記流体室内に配設する
ことにより、前記流体室内を支持弾性体側と可動板側と
に区分すると共に、区分された両流体室間を、前記可動
板に設けられた連通路によって互いに連通したことを特
徴とするものである。
【0020】この発明によれば、可動板と収納体とを連
結する各バネ部材と、各板状のバネ部材のスリットを覆
い部で覆い且つ当該バネ部材の支持弾性体側に重ね合わ
せて配設された覆い部材と、その支持弾性体側面に貼付
けられた液密性の弾性膜とにより、流体室内は支持弾性
体側と可動板側とに区分される。しかしながら、この区
分された二つの或いはそれ以上の流体室は、前記可動板
に設けられた連通路によって連通されている。従って、
この連通路が、例えば前記低周波数入力時であって可動
板が駆動されない場合に、適切なオリフィスとして前記
区分された流体室間の流体の移動を可能とするならば、
前記支持弾性体の変形に伴う当該支持弾性体側の流体室
の容積変動を、前記可動板側の流体室への流体移動によ
って吸収し、適切な減衰効果を確保することができる。
また、前記連通路が、例えば前記高周波数入力時であっ
て可動板が駆動される場合に、流体の粘性抵抗により前
記区分された流体室間の流体の移動を許容しないなら
ば、前記バネ部材及び弾性膜及び可動板の全者で大きな
流体受圧面積を得ることができ、前記請求項1又は請求
項2に係る防振支持装置で必要とされる可動板と収納体
又はアクチュエータとの間のシール部材による弾性支持
体の拡張弾性の低下を補って、同等の可動板変位に対し
て高い減衰効果を得ることが可能となる。なお、この発
明では、前記覆い部材の覆い部は、単にバネ部材のスリ
ットを覆うだけで当該バネ部材の変形方向には自在に回
転するから、両者を重ね合わせて流体室内に配設して
も、覆い部材がバネ部材の弾性特性を阻害することはな
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を
図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る防振支
持装置を、振動体としてのエンジン側から車体側部材に
伝達される振動を能動的に低減する所謂アクティブエン
ジンマウント(以下、単にエンジンマウントと称する)
に適用したものである。
【0022】図1の符号20で示すエンジンマウント
は、横置に搭載したエンジン22の車体後方側に配設さ
れ、その上部がエンジン側ブラケット24に、下部が車
体26に固定された支持体としてのメンバ28に取り付
けられている。
【0023】図2から図6は、エンジンマウント20の
具体的構造を示すものであり、このエンジンマウント2
0は、互いに平行に離間した2本のエンジン側取付ボル
ト30aを上方に向けて固定した連結部材(振動体側連
結部材)30を備えており、この連結部材30の下部に
は、断面逆台形状の中空筒部30bが固定されている。
この連結部材30の下面側には、連結部材30及び中空
筒部30bの周囲を覆うように、支持弾性体32が加硫
接着により固定されている。
【0024】この支持弾性体32は、中央部から外周部
に向けて緩やかに下方に傾斜する肉厚の略円錐筒状の弾
性体であって、その外周面は、軸心が前記中空筒部30
bと同軸に振動体支持方向(この場合は、上下方向)を
向く内筒(第1筒状部材)34の内周面に加硫接着によ
り結合されている。
【0025】前記内筒34は、図2〜図4に示すよう
に、上端筒部34aから下方に向かうに従い徐々に縮径
されて傾斜部34bが形成され、傾斜面34bの下端部
から下方に向けて上端筒部34aより小径の小径筒部3
4cが形成されている。そして、この小径筒部34cの
下端部から径方向外方に向けて環状部34dが形成さ
れ、この環状部34dの外周端部から下方に向けて前記
上端筒部34aと同一外周径の下端筒部34eが形成さ
れている。。そして、前記小径筒部34cには、軸心に
対して互いに対称となる位置に第1開口孔34f及び第
2開口孔34gが形成されている。
【0026】そして、内筒34の傾斜部34b、小径筒
部34cの内周面には、支持弾性体32の下部側から連
続する薄膜弾性体32aが結合しており、この薄膜弾性
体32aは、さらに内筒34の環状部34d側及び下端
筒部34e側まで延びて、当該環状部34d及び下端筒
部34eの内周面に結合している。ここで、薄膜弾性体
32aの下端部は、肉厚を厚くした形状とされている。
【0027】そして、薄膜弾性体32aは第1開口孔3
4fを閉塞して第1ダイアフラム32cを形成してい
る。また、第2開口孔34gは、薄膜弾性体32aに閉
塞されずに開口している。
【0028】また、支持弾性体32の内部には、流体室
をなす断面山形状の空洞部32bが形成されているが、
この空洞部32bの下部に位置するように、第1オリフ
ィス構成部材36が前記内筒34(厳密には前記薄膜弾
性体32aの内側)に内嵌されている。
【0029】この第1オリフィス構成部材36は、内筒
34の小径筒部34cより小径に形成された最小径筒部
36aを備え、その最小径筒部36aの上下端部に径方
向外方に向けて環状部36b、36cが形成された筒状
部材である。上部側の環状部36bは、外周径が内筒3
4の小径筒部34cより僅かに小径となるように形成さ
れている。また、下部側の環状部36cは、内筒34の
下端筒部34eより小径に形成されているとともに、そ
の外周端部から下方に向けて筒状端部36c1が形成さ
れている。さらに、最小径筒部36aには、内筒34に
形成した第2開口孔34gと対向する位置に、第3開口
孔36dが形成されている。
【0030】ここで、前述したように肉厚を厚くした薄
膜弾性体32aの下端部は、内筒34の下端筒部34e
及び第1オリフィス構成部材36の筒状端部36c1
の間で挟み込まれることにより、径方向に圧縮されなが
ら挟み込まれた部分から下側に僅かに突出する。
【0031】一方、前記内筒34には、第2筒状部材と
しての外筒38が外嵌されており、これら内筒34及び
外筒38の間には、前記内筒34の傾斜部34b、小径
筒部34c及び環状部34dの外側面で形成した凹部を
外筒38の内周面で囲むことにより周方向に環状空間が
画成されている。そして、この環状空間に、第2オリフ
ィス構成部材40及び第2ダイアフラム43が配設され
ている。
【0032】すなわち、前記外筒38は、その内周径を
内筒34の外周径と同一寸法又はそれよりやや大きい寸
法とし、また軸方向の長さを内筒34と同一寸法とした
円筒部材であり、その内周面には、弾性体からなる薄肉
の液密シール材38aが接合されている。そして、この
外筒38の高さ方向の略中央部には、周方向に長手の略
長方形の開口部38bが、前記凹部の略1/3の部分に
臨んで開口されていて、この開口部38b内に第2ダイ
アフラム43が取付けられている。この第2ダイアフラ
ム43はゴム状の薄膜弾性体であり、例えば図5に明示
するように、前記開口部38bの開口縁部の全周に結合
して当該開口部38bを閉塞すると共に、この開口部3
8bから前記凹部の略1/3の部分に向けて膨出した状
態で配設されている。
【0033】また、前記第2オリフィス構成部材40
は、第2ダイアフラム43の配設により小空間となった
残りの環状空間(前記凹部の略2/3の部分に対応する
環状空間)に配設されており、図5及び図6に明示する
ように、硬質弾性体からなる隔壁部材40a及び通路形
成部材40bとで構成されている。
【0034】このうち、前記隔壁部材40aは、前記開
口部38bの形状に合わせて円周方向に長手の第2ダイ
アフラム43の長手方向の一端部43aに近接する環状
空間において、当該環状空間を閉塞するように前記内筒
34及び外筒38間に嵌入されており、この隔壁部材4
0aによって当該環状空間側から第2ダイヤフラム43
側への流体の流れが遮断されている。
【0035】また、前記通路形成部材40bは、前記隔
壁部材40aから所定距離だけ離れた位置(以下、この
位置に相当する端部を隔壁部材側端部と称する)から前
記第2ダイアフラムの長手方向の他端部43cに近接す
る位置(以下、この位置に相当する端部をダイアフラム
側端部と称する)までの前記環状空間内に連続して形成
されている。そして、この通路形成部材40bには、そ
の上方において周方向に沿い、前記隔壁部材側端部から
ダイアフラム側端部まで連通する第2通路40b2 と、
その下方において同じく周方向に沿い、前記隔壁部材側
端部から前記内筒34の第2開口孔34gまで連通する
第1通路40b1 とが形成されている。なお、前記第2
通路40b2 の長さは、第1通路40b1 の長さの約2
倍に設定されている。
【0036】そして、これらの構成部材を内装した外筒
38に、アクチュエータケース42の上部側が外嵌され
ている。このアクチュエータケース42は、その上端部
に内筒34の外周径より小径の円形開口部を有する上端
かしめ部42aが形成されているとともに、この上端か
しめ部42aと連続するケース本体の形状を、内周径が
外筒38の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する
円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とし
た部材である。そして、前記支持弾性体32及び内筒3
4と一体化された外筒38を、当該支持弾性体32が上
方になるようにしてアクチュエータケース42の下端開
口部から内部に嵌め込んでいき、上端かしめ部42aの
下面に外筒38及び内筒34の上端部が当接することに
より、それらはアクチュエータケース42内の上部に配
設される。ここで、図2及び図5に示すように、アクチ
ュエータケース42の内周面と第2ダイヤフラム43と
で囲まれた部分に空気室43bが画成されるが、当該ア
クチュエータケース42には、この空気室43bを臨む
位置に空気孔42cが形成され、この空気孔42cを介
して空気室43bと大気とが連通している。
【0037】一方、前述のようにして形成された前記ア
クチュエータケース42の下部空間には、その内側にア
クチュエータサブケース41が嵌入されている。このア
クチュエータサブケース41は本発明で収納体の一部を
形成するものであり、その外観は、前記アクチュエータ
ケース42の下部空間に緊密に嵌入する外径の有底円筒
形状であり、その最上端部が内側に折り返されて、後述
するバネ部材の上面を支持する(本実施形態では、前記
薄膜弾性体32aの下端部を支持する役目も担う)バネ
部材支持部41aが形成されている。
【0038】そして、このアクチュエータサブケース4
1の下部に電磁アクチュエータ52が配設されている。
この電磁アクチュエータ52は、既存の電磁アクチュエ
ータと同様の構成を有し、全体として前記アクチュエー
タサブケース41に緊密に嵌入する円柱形状のヨーク5
2aと、当該ヨーク52aの上面からリング状に形成さ
れた溝内に収納された励磁コイル52bと、当該励磁コ
イル52bが収納されている溝の内部に形成されている
凹部内に収納された永久磁石52cとからなる。ちなみ
に、前記ヨーク52aの側面の一部(図2の左方端部)
には、当該ヨーク52aの上面から連続する溝形状の連
通路52dが形成されており、当該連通路52dに対向
するアクチュエータサブケース41の側面の開口部には
第3ダイアフラム51が取付けられ、更にその第3ダイ
アフラム51に対向するアクチュエータケース42の側
面には、外部に連通する開口孔42dが開設されてい
る。この第3ダイアフラム51の作用等については後段
に詳述する。
【0039】そして、前記電磁アクチュエータ52のヨ
ーク52aの上面外周部に所定高さのギャップ保持リン
グ50が載置され、このギャップ保持リング50の内側
に、ゴムシール部材49を介して、円板状の磁性体から
なる可動板46の外周面が可動に支持されている。この
うち、前記ギャップ保持リング50は、可動板46の下
面と電磁アクチュエータ52の上面との間に所定の隙間
が設けられるように、その軸方向の長さを、後述するバ
ネ部材48の下面から可動板46の下面までの軸方向長
さに隙間の寸法を加えた値に設定した環状部材である。
また、前記ゴムシール部材49により、可動板46と電
磁アクチュエータ52とは液密状態に維持されると共
に、当該可動板46は、少なくとも電磁アクチュエータ
52の吸着力作用方向,即ち図2の上下方向に移動可能
にギャップ保持リング50に支持される。
【0040】そして更に、前記ギャップ保持リング50
の上面に、所定厚さのスペーサ47を載置し、その上
に、後段に詳述する形状の板状のバネ部材48を載置し
てから、前記アクチュエータサブケース41の最上端部
を内側に折り返してバネ部材支持部41aを形成する。
このバネ部材48は、本実施形態では後段に詳述するよ
うな複雑な形状をしているが、ここでは凡そ内孔を有す
る円板状,つまりリング状の薄板のものであると考える
と、その内周端部は、可動体46の上方突出部46aと
前記円板状部上面との間に形成された溝部46bに、所
定の隙間を設けて遊嵌されており、同じくその外周端部
も、前記スペーサ47とバネ部材支持部41aとの間に
所定の隙間を設けて遊嵌されている。つまり、例えば図
7に示すように、前記アクチュエータサブケース41を
始め、ギャップ保持リング50やスペーサ47やバネ部
材支持部41aが収納体の一部を構成すると考えると、
前記スペーサ47の上面とバネ部材支持部41aの下面
との間に形成された収納体の収納体側受容部53に前記
リング状のバネ部材48の外周端部48oが自由端支持
され、前記可動板46の溝部46bからなる可動板側受
容部にその内周端部48iが自由端支持されていること
になる。
【0041】このように前記バネ部材48や可動板4
6,電磁アクチュエータ52等を前記アクチュエータサ
ブケース41内に内装した後、当該アクチュエータサブ
ケース41を、前記外筒38より下方のアクチュエータ
ケース42の下部空間に差し込み、当該アクチュエータ
サブケース41の下方に荷重センサ54を配設し、その
下方に、互いに離間する2本の車体側取付ボルト56a
を下方に向けて固定した略円板形状の車体側連結部材
(支持体側連結部材)56を配設してから、アクチュエ
ータケース42の下端部を径方向内方に向けて変形し、
図2の実線で示すように下端かしめ部42dを形成す
る。
【0042】このようにしてアクチュエータケース42
の下端部に下端かしめ部42dを形成すると、車体側連
結部材56の周縁部が外側から覆われた状態で固定され
る。この際、アクチュエータサブケース41が外筒38
側に押し込まれるので、前記内筒34の下端筒部34e
及び第1オリフィス構成部材36の筒状端部36c1
の間で挟みこまれている前記支持弾性体32から延設さ
れた薄膜弾性体32aの下端部が、前記アクチュエータ
サブケース41のバネ部材支持部41aの上面によって
上方向に押圧されて圧縮状態となり、前記支持弾性体3
2の空洞部32b及び可動板46で構成される主流体室
66内の流体が、内筒34の外部及びアクチュエータサ
ブケース41の外部に漏洩するのをシールすることがで
きる。また、後段に詳述するように前記主流体室66内
から第3開口孔36d及び第2開口孔34gを通って前
記第2オリフィス構成部材40の第1通路40b1 及び
第2通路40b2 に及んだ流体が、外筒38の外部に漏
洩するのは、前記外筒38と内筒34とに挟み込まれて
いる液密シール材38aによりシールされる。ちなみ
に、本実施形態で電磁アクチュエータ52や可動板46
等をアクチュエータサブケース41内に収納したのは、
所謂サブアッセンブリ工程による組立作業の効率化と共
に、液濡れを嫌う各構成要素のシール性をより向上する
ためでもある。そのために、アクチュエータサブケース
41の内周面には、薄膜状のシール部材がコーティング
等によって貼付けられており、特に前記ギャップ保持リ
ング50の外周面から電磁アクチュエータ52側への流
体の漏洩をシールしている。
【0043】さらに、アクチュエータケース42の上部
には、リバウンドストッパ60が固定されている。この
バウンドストッパ60は、図2〜図4に示すように、連
結部材30から上方に向けて延びる2本のエンジン側取
付ボルト30aの間を、これらボルト間を結ぶ線に対し
て直交する方向に延在するストッパ本体60aと、スト
ッパ部60aの両端部から徐々に下がってアクチュエー
タケース42の外周に結合された一対のストッパ脚部6
0bを備えた部材である。そして、エンジンマウント2
0のリバウンド動作に支持弾性体32が上方に向けて過
度に弾性変形しようとすると、ストッパ部60aの下面
に連結部材30が当接することで、支持弾性体32の過
度の変形が防止されるようになっている。
【0044】次に、本実施形態のエンジンマウント20
の振動入力減衰作用について簡潔に説明する。本実施形
態のエンジンマウント20では、前記支持弾性体32の
空洞部32bと第1オリフィス構成部材36の内周面と
前記可動板46の上面とで構成される主流体室66に対
して、第1オリフィス構成部材36の外周側が当該第1
オリフィス構成部材36の第3開口孔36dを介して当
該主流体室66に連通し、第2オリフィス構成部材40
の第1通路40b1 は、前記第1オリフィス構成部材3
6の第3開口孔36及び内筒34の第2開口孔34gを
介して連通し、当該第1通路40b1 から前記第2ダイ
ヤフラム43が膨出している空間までは、前記隔壁部材
40a及び当該第2オリフィス構成部材40の隙間と当
該第2オリフィス構成部材40の第2通路40b2 とを
介して連通している。
【0045】そして、前記主流体室66から前述した第
2ダイヤフラム43が膨出している空間までの連通路内
に、水等の流体が封入され、前述した第1及び第2オリ
フィス構成部材36、40及び第1及び第2ダイアフラ
ム32c、43によって、主流体室66の容積が変動す
る際に流体共振を発生する3箇所の第1〜第3オリフィ
ス68A、70A、72A及び第1〜第3副流体室68
B、70B、72Bが形成されている。
【0046】すなわち、第1オリフィス68Aは、図2
に示すように、第1オリフィス構成部材36の最小径筒
部36aに囲まれた空間であり、この第1オリフィス6
8Aから下方の可動板46により画成された空間が第1
副流体室68Bとなる。また、図5に示すように、第2
オリフィス70Aは内筒34の内部空間であり、第1ダ
イアフラム32c近傍の内筒34の内部空間が第2副流
体室70Bとなる。さらに、第3オリフィス72Aは、
図5及び図6に示すように、前記第2オリフィス構成部
材40の第1通路40b1 から第2通路40b2 を通過
して第2ダイヤフラム43が内部に膨出している位置ま
での空間であり、第3副流体室72Bは、第2ダイヤフ
ラム43が内部に膨出している空間となる。
【0047】そして、前記第1オリフィス68A及び第
1副流体室68Bで構成される流体共振系の特性は、そ
の減衰ピーク周波数(減衰が最大となる周波数)が、車
室内のこもり音振動・加速時騒音振動(80〜800Hz
以上)の周波数に一致するように調整されている。ま
た、前記第2オリフィス70A及び第2副流体室70B
で構成される流体共振系の特性は、その減衰ピーク周波
数が車両停車中に発生するアイドル振動(20〜30Hz
程度)の周波数に一致するように調整されている。さら
に、前記第3オリフィス72A及び第3副流体室72B
で構成される流体共振系の特性は、その減衰ピーク周波
数が、ブレーキング時等に発生するエンジンシェイク振
動(20Hz以下)の周波数に一致するように調整されて
いる。
【0048】そして、電磁アクチュエータ52の励磁コ
イル52bは、コントローラ74にハーネスを介して接
続されており、図1のブロック図で示すように、コント
ローラ74から供給される駆動電流としての駆動信号y
に応じて所定の電磁力を発生するようになっている。
【0049】このコントローラ74は、図示されないマ
イクロコンピュータ,必要なインタフェース回路,A/
D変換器,D/A変換器,アンプ等を含んで構成されて
おり、アイドル振動周波数及びそれ以上の高周波の振動
(例えば、こもり音振動)が入力されている場合には、
その振動と同じ周期で且つ位相が逆相の制御振動がエン
ジンマウント20に発生して、メンバ28への振動の伝
達力が“0”となるように(より具体的には、エンジン
22側の振動によってエンジンマウント20に入力され
る加振力が、電磁アクチュエータ52の電磁力によって
得られる制御力で相殺されるように)、駆動信号yを生
成し励磁コイル52bに供給するようになっている。
【0050】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント20を介して
メンバ28に伝達されることが主な原因であるから、そ
のエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し
出力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、
本実施形態では、エンジン22のクランク軸の回転に同
期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、
クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス
信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成
器76を設けていて、その基準信号xが、エンジン22
における振動の発生状態を表す信号としてコントローラ
74に供給されている。
【0051】一方、前述したようにエンジンマウント2
0には荷重センサ54が内蔵されており、メンバ28の
振動状況を荷重の形で検出し残留振動信号eとして出力
し、その残留振動信号eが干渉後における振動を表す信
号としてコントローラ74に供給されている。
【0052】そして、コントローラ74は、それら基準
信号x及び残留振動信号eに基づき、逐次更新形の適応
アルゴリズムの一つであるFiltered−X LM
Sアルゴリズムに従って駆動信号yを生成し出力する。
【0053】即ち、コントローラ74からエンジンマウ
ント22の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信
号xが入力された時点から所定のサンプリング・クロッ
クの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数
が順番に駆動信号yとして供給される。この結果、励磁
コイル52bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、
可動板46には既に永久磁石52cによる一定の磁力を
付与されているから、その励磁コイル52bによる磁力
は、永久磁石52cの磁力を強める又は弱めるように作
用すると考えることができる。つまり、励磁コイル52
bに駆動信号yが供給されていない状態では、可動板4
6は、バネ部材48による弾性支持力と、永久磁石52
cの磁力との釣り合った中立の位置に変位することにな
る。そして、この中立の状態で励磁コイル52bに駆動
信号yが供給されると、その駆動信号yによって励磁コ
イル52bに発生する磁力が永久磁石52cの磁力と逆
方向であれば、可動板46は電磁アクチュエータ52と
のクリアランスが増大する方向に変位する。逆に、励磁
コイル52bに発生する磁力が永久磁石52cの磁力と
同じ方向であれば、可動板46は電磁アクチュエータ5
2とのクリアランスが減少する方向に変位する。
【0054】このように、可動板46は電磁アクチュエ
ータ52が発生する磁力によって上下両方向に変位可能
であり、可動板46が上下に変位すれば、主流体室66
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体32
の拡張方向ばねが変形するから、このエンジンマウント
20に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのであ
る。そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタ
Wの各フィルタ係数W1は同期式Filtered−X
LMSアルゴリズムに従って逐次更新されるため、あ
る程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各
フィルタ係数Wiが最適値に収束した後は、駆動信号y
がエンジンマウント20に供給されることによって、エ
ンジン22からエンジンマウント20を介してメンバ2
8側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減さ
れるようになる。
【0055】ここで、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、ブレーキング時
等のエンジンシェイク振動周波数の近傍である場合に
は、本実施形態では前記主流体室66を第3オリフィス
72Aを介して第3副流体室72Bに連通させており、
しかもその流体共振系の減衰ピーク周波数をシェイク振
動周波数に一致させているため、主流体室66の容積が
変動すると第3オリフィス72Aを通じて主流体室66
及び第3副流体室72B間で流体共振が発生する。その
結果、シェイク振動に対して高減衰力を与えることがで
き、良好な防振効果を得ることができる。
【0056】また、エンジン22側からエンジンマウン
ト20に入力される振動の周波数が、車両停車中のアイ
ドル振動周波数の近傍である場合には、本実施形態では
前記主流体室66を第2オリフィス70Aを介して第2
副流体室70Bにも連通させており、しかもその流体共
振系の減衰ピーク周波数をアイドル振動周波数に一致さ
せているため、主流体室66の容積が変動すると第2オ
リフィス70Aを通じて主流体室66及び第2副流体室
70B間で流体共振が発生し、これに合わせて前述のよ
うに電磁アクチュエータ52によって、より大きな制御
力を発生することができる。従って、特にエンジン22
側で発生する振動の振幅が大きいアイドル振動に対して
大きな振幅の制御振動を重畳させることができ、良好な
防振効果を得ることができるのである。
【0057】さらに、エンジン22側からエンジンマウ
ント20に入力される振動の周波数が、こもり音振動や
加速時騒音振動の周波数の近傍である場合には、本実施
形態では前記主流体室66を第1オリフィス68Aを介
して第1副流体室68Bに連通させており、しかもその
流体共振系の減衰ピーク周波数をこもり音振動・加速時
騒音振動の周波数に一致させているため、主流体室66
の容積が変動すると第1オリフィス68Aを通じて主流
体室66及び第1副流体室68B間で流体共振が発生
し、これに合わせて前述のように電磁アクチュエータ5
2によって、より大きな制御力を発生することができ
る。
【0058】ちなみに、本実施形態では可動板46とギ
ャップ保持リング50との間にゴムシール部材47が介
装されているために、当該可動板46と電磁アクチュエ
ータ52との間には密閉された空気室が形成される。そ
して、前述のように電磁アクチュエータ52の励磁コイ
ル52bに駆動信号yを供給して可動板46を変位させ
ると、この密閉された空気室内の空気が空気バネとして
作用する。ところが、この空気室内の空気バネは、内部
の空気温度(実質的には環境温度にも影響される)に応
じた体積変動によりバネ定数が変化するため、同じ駆動
信号yに対する可動板46の変位量が、その時の空気温
度によって変化してしまう恐れがある。そのため、本実
施形態では、当該空気室となるヨーク52aの上面と大
気との間に第3ダイアフラム51を介装して、当該空気
室内の空気バネ定数が常時一定になるようにしてある。
【0059】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するためのバネ部材48
及びその支持構造の詳細について説明する。図7は、前
記図2に示す本実施形態のバネ部材48及びその支持構
造の詳細図であり、電磁アクチュエータ52が励磁され
ていない状態を示すが、前述のように凡そリング状の薄
板からなるバネ部材48の内周端部48iは、当該バネ
部材48の肉厚より幅広で且つ可動体46の上方突出部
46aと前記円板状部上面との間に形成された溝部(可
動板側受容部)46bに、所定の隙間を設けて遊嵌され
ている(この状態での隙間はバネ部材48の下方に生じ
る)。また、このバネ部材48の外周端部48oも、前
記スペーサ47とバネ部材支持部41aとの間に形成さ
れた収納体側受容部53内に所定の隙間を設けて遊嵌さ
れている(この状態での隙間はバネ部材48の上方に生
じる)。従って、図示の状態から、前述のように電磁ア
クチュエータ52を励磁すると、磁性体である可動板4
6が当該電磁アクチュエータ52側,即ち図示の上下方
向に移動されるため、前記バネ部材48の内周端部48
iが下方に引き下げられ又は上方に引き上げられ、当該
電磁アクチュエータ52の励磁が解除されると、可動板
46と共にバネ部材48の内周端部48iも図示の状態
まで上昇又は下降して復元する。このとき、本実施形態
では、前記バネ部材48の内周端部48i及び外周端部
48oの何れもが、自由端支持されているため、前記バ
ネ部材48の変形に伴って発生する応力が、何処か局部
的に集中することがなく、当該バネ部材48の幅方向全
体に安定する。従って、前記従来のバネ部材固着支持構
造よりも、バネ部材48に発生する最大応力は小さくな
り、前述の高周波数振動入力時のように可動板46を細
かく振動させて振動入力を相殺(減衰)する場合にも、
バネ部材48には疲労が生じにくくなる。
【0060】ちなみに、前記アクチュエータサブケース
41の最上端部を折り返してバネ部材支持部41aを形
成したときに、前記スペーサ47の上面と当該バネ部材
支持部41aの下面との間に、当該バネ部材48の肉厚
より幅広の隙間,つまり所定高さの収納体側受容部53
ができるように、前記スペーサ47の上面外周部には、
当該隙間と同等の高さを有する凸部47aが形成されて
いる。また、図7に明示される符号41bが、前記アク
チュエータサブケース41の内周面の薄膜シール部材で
ある。
【0061】ところで、本実施形態におけるバネ部材4
8の詳細な形状は、図8a又は同図8bに示すようにな
っている。このうち、図8aに示すものは、前述のよう
にリング状の薄板からなるバネ部材48の内周端部から
放射状のスリットを等間隔に形成し、当該内周端部48
iを細くしたものである。また、図8bに示すものは、
同じくリング状の薄板からなるバネ部材48の外周端部
から等間隔で先細りのスリットを形成し、当該外周端部
48oを細くしたものである。従って、これらのバネ部
材48を前記図7のバネ部材支持構造に採用すれば、図
8aのバネ部材48では可動板46とバネ部材48との
接触線長さ(厳密には接触面積である)が短く(小さ
く)なり、図8bのバネ部材48では収納体を形成する
アクチュエータサブケース41本体又はそのバネ部材支
持部41a又はスペーサ47との接触線長さ(接触面
積)が短く(小さく)なる。ここで、前述のように可動
板46の変位と共にバネ部材48が変形すると、自由端
支持されている当該バネ部材48の外周端部48o及び
内周端部48iは、可動板46及びアクチュエータサブ
ケース41等に対して滑りが生じるが、このように両者
の接触線長さ(接触面積)が短い(小さい)と、両者間
に発生する磨耗も小さくなり、その分だけ両者から発生
する金属粉の量も低減する。従って、磨耗が小さくなる
ことで防振支持装置としての耐久性能が向上すると共
に、金属粉の発生量が低減することにより、例えばバネ
部材48と可動板46やアクチュエータサブケース41
等との間のような摺動箇所や可動箇所に金属粉が入り込
んで傷が発生することも抑制防止される。
【0062】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第2実施形態
について説明する。
【0063】図9は、前記第1実施形態である図2に対
して本実施形態のバネ部材48及びその支持構造を示す
詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材には同等
の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本実施形
態と第1実施形態との最も大きな差異は、前記バネ部材
48を主流体室66側に配設した第1実施形態に対し
て、バネ部材48を電磁アクチュエータ52側に配設し
た点にある。そのために、本実施形態のバネ部材48
は、前記図8aに示すようにリング状の薄板の内周端部
からスリットを設けたバネ部材48を、図9に示すよう
にその内周端部48iが高く且つ外周端部48oが低く
なる円錐型にし、前記可動板46の底面には、図10に
明示するように当該バネ部材48を位置決めすると共に
それが収納される凹部46cを形成した。この凹部46
cの形状は、前記バネ部材48を平板状になるまで変形
したときの当該バネ部材48の形状と同等又はほぼ同等
であり、従って当該バネ部材48が前述のような円錐
型,つまり電磁アクチュエータ52が励磁されておら
ず、従って可動板46が図9の位置にあるときには、当
該バネ部材48の内周端部48iが前記可動板46の凹
部46cの内側端部に係止してバネ部材48が位置決め
される。また、電磁アクチュエータ52が励磁されて可
動板46が当該電磁アクチュエータ52に近接したとき
には、それに伴って偏平に変形する板バネ48が前記可
動板46の凹部46cに収納されて当該可動板46の変
位を阻害しないようになっている。また、これらに伴っ
て、前記第1実施形態で板バネ48を下方から支持する
スペーサがなくなり、前記アクチュエータサブケース4
1の最上端部を折り返して形成される板バネ支持部は、
単にギャップ保持リング50を支持する支持部46a’
に変更されている。
【0064】この実施形態の板バネ及びその支持構造で
も、前記第1実施形態と同様に、板バネ48の内周端部
48iは前記凹部46cからなる可動板側受容部に自由
端支持され、その外周端部48oは前記凹部46cとギ
ャップ保持リング50との間に形成された収納体側受容
部53に自由端支持されているために、当該バネ部材4
8に局部的な応力集中がなく、発生する最大応力を従来
に比して小さくすることができ、繰り返し変形に対する
疲労を抑制防止することが可能となる。また、前記図8
aに示すような内周端部側からのスリット入りのバネ部
材を使用することにより、可動板46とバネ部材48と
の接触線長さ(接触面積)が短く(小さく)なって、磨
耗や金属粉の発生を抑制防止することができる。更に、
本実施形態では、可動板46によりバネ部材48が位置
決めされるために、前述のようなスペーサ等の構成部材
を少なくすることができるので、省スペースやコストの
低廉化を図ることもできる。勿論、本実施形態の変形と
して前記図8aに示すバネ部材48の内周端部48iを
低く且つ外周端部48oを高くしてバネ部材を逆円錐型
にしてもよいし、そうした実施態様に図8bに示すよう
なバネ部材,つまりリング状薄板の外周端部48oから
スリットが形成されたバネ部材48を採用してもよい。
【0065】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第3実施形態
及び第4実施形態について説明する。
【0066】図11は、前記第1実施形態である図7に
対して本第3実施形態のバネ部材48及びその支持構造
を示す詳細図であり、当該第1実施形態と同等の部材に
は同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。本
実施形態と第1実施形態との最も大きな差異は、同図1
1から明らかなように、当該第1実施形態に使用された
ものと同等厚さのバネ部材48を複数枚(図では3枚)
重ねて配設した点にある。そのために当然ながら、本実
施形態では、前記可動板46に形成される溝部(可動板
側受容部)46bの幅(図では高さに相当する)を広げ
て複数枚のバネ部材48の内周端部48iが遊嵌できる
ようにしてあると共に、その下方には前記と同様の所定
の隙間ができるようにしてある。また、前記スペーサ4
7に突設された凸部47aの高さを高くしてバネ部材支
持部41aの下面とスペーサ47の上面との間に形成さ
れる収納体側受容部53の高さを高くして、複数枚のバ
ネ部材48の外周端部48oが遊嵌できるようにしてあ
ると共に、その上方には前記と同様の所定の隙間ができ
るようにしてある。
【0067】また、図12は、前記第2実施形態である
図9に対して本第4実施形態のバネ部材48及びその支
持構造を示す詳細図であり、当該第2実施形態と同等の
部材には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略す
る。本実施形態と第2実施形態との最も大きな差異は、
同図12から明らかなように、当該第2実施形態に使用
されたものと同等厚さのバネ部材48を複数枚(図では
2枚)重ねて配設した点にある。そのために当然なが
ら、本実施形態では、前記可動板46に形成される凹部
(可動板側受容部)46cの深さを深くして複数枚のバ
ネ部材48が収納できるようにしてある。
【0068】これらの実施形態の防振支持装置によれ
ば、前記複数枚重ねられる各バネ部材48のバネ定数を
変えることにより、全体としてのバネ定数を細かく変更
設定することができるので、例えば車両特性に応じて要
求される種々の仕様を細かく且つ容易に実現することが
できる。また、このようにバネ部材48を重ねて用いる
場合に、隣合うバネ部材48同士が互いに完全には重な
り合わないように各バネ部材48を配設するようにして
もよい。このようにすれば、前記可動板46の変位に伴
って、複数枚重ねられた各バネ部材48が変形する際、
各バネ部材48が変形して隣合うバネ部材48に接触す
るまでと、接触してからのバネ定数を非線型にすること
などが可能となり、車両特性に要求される種々の仕様を
細かく且つ容易に実現することができる。また、特にこ
のようにバネ定数を非線型に設定できることは、前記電
磁アクチュエータ52による可動板46の吸引力が、当
該可動板46と電磁アクチュエータ52との距離,即ち
隙間の2乗に反比例することが周知であるから、当該非
線型なバネ定数によるバネ部材48の弾性力を、同じく
非線型な電磁アクチュエータ52の可動板吸引力に一致
又は近似させることで、当該電磁アクチュエータ52へ
の駆動信号と可動板46の変位とをリニアに設定するこ
とができるから、主流体室66の容積変動性能,即ち防
振出力性能を安定することができる。勿論、前記第1実
施形態及び第2実施形態と同様に、バネ部材48の最大
応力を小さくして耐久性能を確保できると共に、前記図
8a,bに示すようなバネ部材48を使用すれば、磨耗
や金属粉の発生を抑制防止することも可能である。
【0069】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第5実施形態
について説明する。
【0070】図13は、前記第3実施形態である図11
に対して本第5実施形態のバネ部材48及びその支持構
造を示す詳細図であり、当該第3実施形態と同等の部材
には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態と第3実施形態との最も大きな差異は、同図
13から明らかなように、当該第3実施形態に使用され
たものと同等厚さのバネ部材48を複数枚(図では2
枚)重ね、更にそれらの支持弾性体32側,即ち主流体
室66側に液密性の弾性膜45を貼付けた点にある。但
し、このように構成されたバネ部材48の内周端部48
i及び外周端部48oが、これまでと同様に自由端支持
されていることには変更はない。また、これに合わせて
主流体室66に面した可動板46の上方突出部46aの
上面からバネ部材48の下方,より具体的には前記スペ
ーサ47に対向する位置まで、流体が流れる連通路44
を開設してある。ちなみに、この連通路44の絞り係数
は、例えば前記エンジンのこもり音や加速時騒音の周波
数,つまり80〜800Hz程度の流体振動に対して、当
該流体の流動抵抗が勝って当該流体が移動できない程度
に設定してある。
【0071】また、本実施形態では、前記図8aに示す
バネ部材48を使用しているため、これらを重ね合わせ
る際、図14に示すように両者の位置を回転方向に若干
ずらし、上下二つのバネ部材48(U,L)のスリット
が互いに重なり合わないようにしてある。そのため、図
15に示すように互いのスリットを埋め合うようにして
各バネ部材48の内周端部48iが突出し(同図では下
方のバネ部材48Lの内周端部を48i(L),上方の
バネ部材Uの内周端部48i(U)で示す)、平面視で
は全体で連続する内周端部48iが形成されているよう
になっている。但し、各バネ部材48の内周端部48i
は互いに重なり合っているわけではないから、当該内周
端部48iを含む各バネ部材48の変形を阻害すること
はない。そして、このように重ね合わされたバネ部材4
8に、更に前記液密性弾性膜45を貼合わせることによ
って、若し可動板46に連通路44がなければ、当該可
動板46と前記液密性弾性膜45が貼付けられたバネ部
材48全体で主流体室66を区分する。実際には、前記
こもり音や加速時騒音より低い周波数帯域の流体振動で
は、前記連通路44を通って流体が主流体室66と、バ
ネ部材48及び可動板46間の副流体室44aとの間を
移動する。
【0072】この防振支持装置によれば、前記こもり音
や加速時騒音より低い周波数帯域の振動が前記エンジン
22から支持弾性体32に入力され、その結果、それと
同程度の流体振動が発生すると、それに伴う主流体室6
6の容積変動は、当該主流体室66から前記連通路44
を通って前記バネ部材48下の副流体室44aへの流体
の移動により滑らかに吸収される。勿論、その振動入力
そのものは、前記各オリフィスや各副流体室により効率
よく減衰される。
【0073】一方、前記エンジンのこもり音や加速時騒
音程度の周波数の流体振動が発生すると、流体の流動抵
抗が勝って前記連通路44内を当該流体が移動できなく
なる,所謂スティック状態となる。そして、このような
振動入力に対して前記コントローラ74からの駆動信号
により電磁アクチュエータ52が励磁され或いはそれが
解除されて可動板46が変位するようになると、この可
動板46と共に、前記液密性弾性膜45からバネ部材4
8までが一体に変位して主流体室66の流体に容積変動
を及ぼそうとする。そのときの振動入力の減衰作用は前
述と同様であるが、本実施形態では前記液密性弾性膜4
5からバネ部材48及び可動板46までの受圧面積或い
は押圧面積が、前記した各実施例より大きくなるため、
同等の可動板46の変位量に対して、それらよりも大き
な容積変動を可能とする。
【0074】また、実質的に前記可動板46と前記ギャ
ップ保持リング50との間に介装されるゴムシール部材
49は、当該可動板46の変位を許容するものである必
要があるから、比較的バネ定数の低いものを使用せざる
を得ない。ところが、前記した各実施形態のように、こ
のゴムシール部材49まで流体が自在に移動できるよう
に構成することで当該ゴムシール部材49までが主流体
室66になってしまう(振動入力によっては副流体室6
8Bとなる)と、当該ゴムシール部材49の低いバネ定
数が前記支持弾性体32の高いバネ定数に付加されたも
のとなってしまうから、全体としての前記拡張弾性は、
当該支持弾性体32の単独の拡張弾性よりも小さくなっ
てしまう。しかしながら、前記電磁アクチュエータ52
の駆動時には、前記連通路44がスティックして流体は
前記ゴムシール部材49の近傍で移動しなくなり、実質
的に当該ゴムシール部材49の拡張弾性は前記支持弾性
体32の拡張弾性から切り離されて、主流体室66の容
積変動を減衰する拡張弾性は、当該支持弾性体32のそ
れ単独となるため、高い減衰効率を確保することができ
る。この2点から、本実施形態の防振支持装置では、前
述した各防振支持装置よりも更に高い減衰効果を得るこ
とができ、結果的に可動板,ひいては全体の大きさを小
型化しながら高い出力を得ることができるようになる。
【0075】勿論、前記バネ部材48の内周端部48i
及び外周端部48oは自由端支持となっているので、発
生する最大応力を小さくして耐久性能を確保することが
できるし、使用されるバネ部材48にスリットを形成す
ることで磨耗や傷の発生を抑制防止することができる。
【0076】次に、前記可動板46を電磁アクチュエー
タ52に対して所定位置に維持するための防振支持装置
におけるバネ部材48及びその支持構造の第6実施形態
について説明する。
【0077】図16は、前記第5実施形態である図13
に対して本第6実施形態のバネ部材48及びその支持構
造を示す詳細図であり、当該第5実施形態と同等の部材
には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態と第5実施形態との最も大きな差異は、同図
16から明らかなように、当該第5実施形態に使用され
たものと同等厚さのバネ部材48の上方に覆い部材57
を重ね、更にそれらの支持弾性体32側,即ち主流体室
66側に前記液密性の弾性膜45を貼付けた点にある。
但し、このように構成されたバネ部材48の内周端部4
8i及び外周端部48oが、これまでと同様に自由端支
持されていることには変更はない。また、これに合わせ
て可動板46の上方突出部46aの上面から前記スペー
サ47に対向する位置まで、流体が流れる連通路44を
開設してある。ちなみに、この連通路44の絞り係数
は、前記第5実施形態のそれと同程度に設定してある。
【0078】前記覆い部材57は、図17に明示するよ
うに、前記図8aに示すバネ部材48と類似した形状を
しているが、当該バネ部材48と同様にスリットで分割
されて内周に突出する内周端部は、既存のヒンジ機構5
7bにより、上下方向に回転自在とされ、且つその内周
突出端部の幅は、当該バネ部材48の内周端部側のスリ
ットの幅より幅広に形成されている。そして、このヒン
ジ機構57bにより上下方向に回転自在な覆い部材57
の内周端部が覆い部57aとなり、この覆い部57a
が、図18に明示するように下方のバネ部材48のスリ
ットに重なり合うようにして両者を重ね合わせることに
より、バネ部材48の内周端部48iと覆い部57aの
内周端部とが連続して、平面視では全体で連続する内周
端部が形成されているようになっている。但し、前記覆
い部材57の覆い部57aは、前記ヒンジ機構57bに
より上下方向に回転自在とされているから、バネ部材4
8の内周端部48iを含む各バネ部材48の変形を阻害
することはない。そして、このようにバネ部材48に重
ね合わされた覆い部材57に、更に前記液密性弾性膜4
5を貼合わせることによって、若し可動板46に連通路
44がなければ、当該可動板46と前記液密性弾性膜4
5が貼付けられたバネ部材48及び覆い部材57全体で
主流体室66を区分する。実際には、前記こもり音や加
速時騒音より低い周波数帯域の流体振動では、前記連通
路44を通って流体が主流体室66と、バネ部材48及
び可動板46間の副流体室44aとの間を移動する。
【0079】この防振支持装置による作用効果は、前記
第5実施形態のそれと同様又はほぼ同様であり、低周波
数帯域の流体振動に伴う主流体室66の容積変動は、当
該主流体室66から前記連通路44を通って前記バネ部
材48下の副流体室44aへの流体の移動により滑らか
に吸収される。また、高周波数帯域の流体振動に対して
は、前記液密性弾性膜45からバネ部材48及び可動板
46までの大きな受圧面積と、ゴムシール部材49の拡
張弾性を切り離した支持弾性体32の拡張弾性による高
い減衰効率とにより、前述した各防振支持装置よりも更
に高い減衰効果を得ることができ、結果的に可動板,ひ
いては全体の大きさを小型化しながら高い出力を得るこ
とができるようになる。勿論、前記バネ部材48の内周
端部48i及び外周端部48oは自由端支持となってい
るので、発生する最大応力を小さくして耐久性能を確保
することができるし、使用されるバネ部材48にスリッ
トを形成することで磨耗や傷の発生を抑制防止すること
ができる。
【0080】なお、前記各実施形態では、板バネの夫々
の端部の支持が自由端支持となっているが、何れか一方
の端部のみが自由端支持であっても差し支えないのは勿
論である。
【0081】また、上記各実施例では可動板と収納体と
の間にアクチュエータを隔離するシール部材を配設した
場合についてのみ説明したが、このシール部材は、液濡
れを嫌う部位のみが隔離されるように可動板とアクチュ
エータとの間に配設してもよい。
【0082】また、上記各実施例で振動入力を減衰する
ためのオリフィスや副流体室の形状或いはその数は前記
に限定されるものではなく、減衰仕様特性に応じて適宜
に設定すればよい。
【0083】また、上記各実施例で可動板を駆動するア
クチュエータは電磁アクチュエータを用い、当該可動板
を常時アクチュエータ側に吸引するために永久磁石を用
いたが、これらの機能要素は、上記に限定されるもので
はなく、既存のアクチュエータ類或いは吸引手段を適宜
に選定して用いればよい。
【0084】また、上記各実施例では、車両のエンジン
と車体との間に介装される防振支持装置についてのみ説
明したが、本発明の防振支持装置は、その他の振動源と
それを支持する支持体との間に如何様にも展開できる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1又は2に係る防振支持装置によれば、板状のバネ部
材の内外周端部が面方向に自由に変位することができ、
可動板の変位に伴うバネ部材の変形中に、大きく局部的
な応力の発生,つまり応力集中を避け、繰り返しによる
疲労も回避することができる。
【0086】また、本発明のうち請求項3に係る防振支
持装置によれば、例えばアクチュエータ側に永久磁石等
の可動板吸着要素が設けられている場合には、この吸着
力に対してバネ部材は、単に主として引張力によって可
動板を所定位置に維持することができる。
【0087】また、本発明のうち請求項4に係る防振支
持装置によれば、例えばアクチュエータ側に永久磁石等
の可動板吸着要素が設けられている場合には、この吸着
力に対してバネ部材は、単に主として圧縮力によって可
動板を所定位置に維持することができる。
【0088】また、本発明のうち請求項5に係る防振支
持装置によれば、スリットが設けられた側のバネ部材の
端部と収納体又は可動板との接触線長さが短くなるた
め、可動板の変位及びバネ部材の変形に伴う接触部位の
磨耗が小さくなり、合わせて磨耗に伴う金属粉の発生量
を減少して、摺動部位や可動部位での傷の発生を抑制防
止することができる。
【0089】また、本発明のうち請求項6に係る防振支
持装置によれば、重ねられる各バネ部材のバネ定数を変
えることにより、車両特性に要求される種々の仕様を細
かく且つ容易に実現することができる。
【0090】また、本発明のうち請求項7に係る防振支
持装置によれば、複数枚重ねられた各バネ部材が変形す
る際、各バネ部材が変形して隣合うバネ部材に接触する
までと、接触してからのバネ定数を非線型にすることな
どが可能となり、車両特性に要求される種々の仕様を細
かく且つ容易に実現することができる。また、この非線
型なバネ定数からなるバネ部材の弾性力を、同じく非線
型なアクチュエータの可動板変位力に一致又は近似させ
ることで、安定した出力特性を得ることができる。
【0091】また、本発明のうち請求項8に係る防振支
持装置によれば、スリットが互いに重なり合わないよう
に流体室内に複数枚重ねられて配設されたバネ部材と、
その支持弾性体側面に貼付けられた液密性の弾性膜とに
より、流体室内が支持弾性体側と可動板側とに区分さ
れ、この区分された流体室は連通路によって連通されて
いるから、この連通路が、例えば低周波数振動入力時で
あって可動板が駆動されない場合に、適切なオリフィス
として区分された流体室間の流体の移動を可能とするな
らば、支持弾性体の変形に伴う当該支持弾性体側の流体
室の容積変動を、可動板側の流体室への流体移動によっ
て吸収して、適切な減衰効果を確保することができ、当
該連通路が、例えば前記高周波数振動入力時であって可
動板が駆動される場合に、流体の粘性抵抗により前記区
分された流体室間の流体の移動を許容しないならば、前
記バネ部材及び弾性膜及び可動板の全者で大きな受圧面
積を得ることができ、例えばこのような防振支持装置で
必要とされる可動板と収納体との間のシール部材による
弾性支持体の拡張弾性の低下を補って、同等の可動板変
位に対して高い減衰効果を得ることが可能となる。
【0092】また、本発明のうち請求項9に係る防振支
持装置によれば、各バネ部材と覆い部材と液密性の弾性
膜とにより、流体室内が支持弾性体側と可動板側とに区
分され、この区分された流体室は連通路によって連通さ
れているから、この連通路が、例えば低周波数振動入力
時であって可動板が駆動されない場合に、適切なオリフ
ィスとして前記区分された流体室間の流体の移動を可能
とするならば、支持弾性体の変形に伴う当該支持弾性体
側の流体室の容積変動を、可動板側の流体室への流体移
動によって吸収して、適切な減衰効果を確保することが
でき、当該連通路が、例えば高周波数振動入力時であっ
て可動板が駆動される場合に、流体の粘性抵抗により前
記区分された流体室間の流体の移動を許容しないなら
ば、前記バネ部材及び弾性膜及び可動板の全者で大きな
受圧面積を得ることができ、例えばこのような防振支持
装置で必要とされる可動板と収納体との間のシール部材
による弾性支持体の拡張弾性の低下を補って、同等の可
動板変位に対して高い減衰効果を得ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振支持装置を車両のエンジンと車体
との間に介装した一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に採用された防振支持装置の一例を示す正
面縦断面図である。
【図3】図2の防振支持装置の側面一部断面図である。
【図4】図2の防振支持装置の平面図である。
【図5】図2に示す防振支持装置による減衰効果の作用
説明図である。
【図6】図2に示す防振支持装置に形成されたエンジン
シェイク振動の流体共振系の説明図である。
【図7】本発明の防振支持装置の第1実施例を示すバネ
部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図8】本発明の防振支持装置に採用されるバネ部材形
状の説明図である。
【図9】本発明の防振支持装置の第2実施例を示すバネ
部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図10】図9の防振支持装置に採用されたバネ部材と
可動板との接合状態の説明図である。
【図11】本発明の防振支持装置の第3実施例を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図12】本発明の防振支持装置の第4実施例を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図13】本発明の防振支持装置の第5実施例を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図14】図13の防振支持装置に採用されたバネ部材
と液密性弾性膜との接合状態の説明図である1
【図15】図13の防振支持装置に採用されたバネ部材
と液密性弾性膜との接合状態の説明図である。
【図16】本発明の防振支持装置の第5実施例を示すバ
ネ部材及びその支持構造の詳細説明図である。
【図17】図13の防振支持装置に採用されたバネ部材
と液密性弾性膜との接合状態の説明図である1
【図18】図13の防振支持装置に採用されたバネ部材
と液密性弾性膜との接合状態の説明図である。
【符号の説明】
20はエンジンマウント(防振支持装置) 22はエンジン(振動体) 26は車体(支持体 30は連結部材(振動体側連結部材) 32は支持弾性体 32cは第1ダイアフラム 34は内筒 36は第1オリフィス構成部材 38は外筒 40は第2オリフィス構成部材 40b1 は第1連通孔 40b2 は第2連通孔 41はアクチュエータサブケース(収納体) 41aはバネ部材支持部(収納体) 42はアクチュエータケース 43は第2ダイアフラム 44は連通路 44aは副流体室 45は弾性膜 46は可動板 46bは溝部(可動板側受容部) 46cは凹部(可動板側受容部) 47はスペーサ(収納体) 48はバネ部材 48iは内周端部(可動板側端部) 48bは外周端部(収納体側端部) 49はゴムシール部材 50はギャップ保持リング(収納体) 51は第3ダイアフラム 52は電磁アクチュエータ(アクチュエータ) 53は収納体側受容部 55は収納体側受容部 56は車体側連結部材(支持体側連結部材) 57は覆い部材 57aは覆い部 66は主流体室(流体室) 68Aは第1オリフィス 68Bは第1副流体室 70Aは第2オリフィス 70Bは第2副流体室 72Aは第3オリフィス 72Bは第3副流体室 74はコントローラ(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 洋介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体に連設された収納体と、前記支持
    弾性体内に画成され且つ内部に流体が封入された流体室
    と、前記流体室の容積を変化させる可動板と、前記収納
    体内に配設されて前記可動板に変位力を付与するアクチ
    ュエータと、前記振動体から支持体に伝達される振動が
    低減するように前記アクチュエータに制御信号を供給す
    る制御手段と、前記可動板を前記アクチュエータに対し
    て所定位置に維持するために当該可動板と前記収納体と
    の間に介装され且つ当該可動板を前記収納体に弾性支持
    するバネ部材と、前記流体室の流体をシールするシール
    部材とを備えた防止支持装置において、前記バネ部材の
    可動板側端部及び収納体側端部の夫々の支持が、可動板
    及び収納体に対して可動な自由端支持であることを特徴
    とする防振支持装置。
  2. 【請求項2】 振動体に連結される振動体側連結部材
    と、支持体に連結される支持体側連結部材と、前記振動
    体側連結部材又は支持体側連結部材の何れか一方に連結
    される支持弾性体と、前記振動体側連結部材又は支持体
    側連結部材の何れか他方と前記支持弾性体との間に連結
    される収納体と、前記支持弾性体内に画成され且つ内部
    に流体が封入された流体室と、前記流体室の隔壁の一部
    を形成し且つその流体室の容積を変化させる方向に変位
    可能な磁化可能な可動板と、前記収納体内に配設され且
    つ磁力を発生して前記可動板に変位力を付与するアクチ
    ュエータと、前記振動体から支持体に伝達される振動が
    低減するように前記アクチュエータに制御信号を供給す
    る制御手段と、前記アクチュエータを前記流体室から隔
    離するために前記可動板と収納体又はアクチュエータと
    の間に配設されたシール部材と、前記可動板に形成され
    た可動板側受容部と、前記収納体に形成された収納体側
    受容部と、前記可動板を前記アクチュエータに対して所
    定位置に維持するために当該可動板を前記収納体に弾性
    支持し且つ可動板側端部が前記可動板側受容部に支持さ
    れ、収納体側端部が前記収納体側受容部に支持された板
    状のバネ部材とを備え、前記板状のバネ部材が少なくと
    も一方の受容部で可動可能に支持されたことを特徴とす
    る防振支持装置。
  3. 【請求項3】 前記バネ部材を前記流体室内に配設し、
    前記可動板を前記アクチュエータに対して当該流体室側
    から支持したことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    防振支持装置。
  4. 【請求項4】 前記バネ部材を前記可動板とアクチュエ
    ータとの間に配設し、前記可動板を前記アクチュエータ
    側から支持したことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の防振支持装置。
  5. 【請求項5】 前記バネ部材の収納体側端部に相当する
    外形が円形又は略円形であり、その中央部に穴部を設け
    て前記可動板側端部に相当する内形を形成し、当該バネ
    部材の内周側から又は外周側からスリットを形成したこ
    とを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の防振支
    持装置。
  6. 【請求項6】 前記バネ部材を複数枚重ねて配設したこ
    とを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の防振支
    持装置。
  7. 【請求項7】 前記複数枚重ねられたバネ部材同士が互
    いに完全には重なり合わないように各バネ部材を配設し
    たことを特徴とする請求項6に記載の防振支持装置。
  8. 【請求項8】 前記流体室内に複数枚重ねられたバネ部
    材のスリットが互いに重なり合わないように各バネ部材
    を配設し、それらの前記支持弾性体側面を覆うように液
    密性の弾性膜を貼付けて前記流体室内を支持弾性体側と
    可動板側とに区分すると共に、区分された両流体室間
    を、前記可動板に設けられた連通路によって互いに連通
    したことを特徴とする請求項6に記載の防振支持装置。
  9. 【請求項9】 前記バネ部材に重ね合わせられる形状の
    覆い部材に、少なくとも前記バネ部材のスリットを覆い
    且つ当該バネ部材の変形方向に自在に回転する覆い部を
    形成し、この覆い部によって前記バネ部材のスリットを
    覆うように当該覆い部材をバネ部材の前記支持弾性体側
    に重ね合わせ、その前記支持弾性体側面を覆うように液
    密性の弾性膜を貼付けて、それらを前記流体室内に配設
    することにより、前記流体室内を支持弾性体側と可動板
    側とに区分すると共に、区分された両流体室間を、前記
    可動板に設けられた連通路によって互いに連通したこと
    を特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の防振支持
    装置。
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