JP3407616B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JP3407616B2
JP3407616B2 JP26189897A JP26189897A JP3407616B2 JP 3407616 B2 JP3407616 B2 JP 3407616B2 JP 26189897 A JP26189897 A JP 26189897A JP 26189897 A JP26189897 A JP 26189897A JP 3407616 B2 JP3407616 B2 JP 3407616B2
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高伸 南野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された非圧縮性流体
の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を利用した流
体封入式防振装置に係り、特に、空気圧を利用して防振
特性を制御することにより、流体の流動作用に基づく防
振効果が発揮される振動周波数域を変化させることの出
来る流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウント等の
防振支持体乃至は防振連結体の一種として、離間配置さ
れた第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体
で連結する一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部
が構成された主液室と、壁部の一部が可動膜で構成され
た副液室を、互いに独立して形成せしめて、それら主液
室と副液室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら主
液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路を設けて
なる構造の流体封入式防振装置が、知られている。この
ような防振装置においては、オリフィス通路を通じて流
動せしめられる流体の共振作用に基づいて、ゴム弾性体
のみでは得られ難い、優れた防振効果が発揮されるので
ある。
【0003】ところで、防振装置には、一般に、周波数
の異なる複数種の振動が入力されることから、それら複
数種の振動に対して有効な防振効果が要求される。例え
ば、自動車用エンジンマウントでは、走行時にシェイク
等の低周波振動とこもり音等の高周波振動に対する防振
効果が要求される一方、車両停車時にアイドル振動等の
中周波数振動に対する防振効果が要求されることとな
る。しかしながら、従来の流体封入式防振装置において
は、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて発揮される防振効果が、オリフィス通
路のチューニングされた限られた周波数域の入力振動に
しか有効には発揮されず、そのために、複数種の入力振
動に対して十分な防振効果を得ることが難しかったので
ある。
【0004】なお、このような問題に対処するために、
例えば、互いに異なるチューニングが施された複数のオ
リフィス通路を形成し、それらを弁体によって択一的に
連通させることにより、各オリフィス通路を流動せしめ
られる流体の共振作用に基づく防振効果を選択的に発揮
させるようにした防振装置も提案されているが、そのよ
うな防振装置では、弁体の組み付けのために構造が複雑
となり、製造が難しくなることが避けられなかった。ま
た、複数のオリフィス通路を相互に独立して形成する必
要があるために、設計が難しいことに加えて、各オリフ
ィス通路の流路断面積が十分に確保され難しくなって、
流体の共振作用に基づく防振効果が低下してしまうとい
う問題もあったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、一つのオリフィス通路のチューニング特性
を、簡単な構造をもって変更することが出来、複数種の
入力振動に対して、オリフィス通路を流動せしめられる
流体の共振作用に基づく防振効果を、何れも有効に発揮
させることの出来る、新規な流体封入式防振装置を提供
することにある。
【0006】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、離間配置された第一
の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結さ
れる一方、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成
された主液室と、壁部の一部が可動膜で構成された副液
室が、互いに独立して形成されて、それら主液室と副液
室に非圧縮性流体が封入されると共に、それら主液室と
副液室を相互に連通する第一のオリフィス通路が設けら
れた流体封入式防振装置において、前記可動膜を弾性復
元力を有する弾性膜で構成すると共に、該弾性膜の一方
の側に、該弾性膜の変形を制限する拘束部材を配する一
方、該弾性膜を挟んで前記主液室とは反対側に密閉され
た作用空気室を形成し、該作用空気室に対して外部から
空気圧を及ぼして該弾性膜を弾性変形させることによ
り、該弾性膜の一部が該拘束部材に対する当接状態に維
持されて、該弾性膜で画成された前記副液室の壁ばね剛
性が増大せしめられるようにしたことにある。
【0007】このような本発明に従う構造とされた流体
封入式防振装置においては、弾性膜が拘束部材に当接さ
れていない状態下と、弾性膜が拘束部材に当接された状
態下とで、弾性膜のばね特性が変化させられることによ
り、かかる弾性膜で画成された副液室の壁ばね剛性が変
化せしめられることとなる。そして、オリフィス通路を
通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効
果が発揮される周波数域は、オリフィス通路の流路断面
積:Aと流路長さ:Lの比:A/Lと、封入流体の比重
や粘度、主液室および副液室の壁ばね剛性等に応じて決
定されるものであることから、副液室の壁ばね剛性が変
化すると、オリフィス通路のチューニングが変化するこ
ととなって、オリフィス通路を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づく防振効果が発揮される周波数域
が変更されるのである。
【0008】それ故、かかる流体封入式防振装置におい
ては、作用空気室に及ぼされる空気圧を入力振動に応じ
て調節して、弾性膜が拘束部材から離隔位置した状態
と、弾性膜が拘束部材に当接維持された状態とを、選択
的に発現させることによって、単一のオリフィス通路の
チューニングを変更し、以て、該オリフィス通路を通じ
て流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果
を、異なる周波数域の入力振動に対して何れも有効に発
揮させることが出来るのである。特に、かかる流体封入
式防振装置においては、オリフィス通路の切換弁等を組
付ける必要がなく、単一のオリフィス通路によって複数
の防振特性が発現され得ることから、簡単な構造とコン
パクト性を確保しつつ、複数種の入力振動に対して有効
な防振効果を発揮し得る防振装置が、有利に実現され得
るのである。
【0009】なお、作用空気室に及ぼされる空気圧は、
正圧であっても負圧であっても良く、弾性膜を、それ自
体の弾性復元力に抗して変形させて、拘束部材に対して
当接状態に維持し得るだけの圧力を有するものであれば
良い。また、弾性膜を拘束部材から離隔位置せしめた状
態では、好適には、作用空気室が大気中に接続されるこ
ととなり、それによって、副液室において軟らかい壁ば
ね剛性が実現される。更にまた、弾性膜としては、ゴム
弾性体で形成されたものが好適に用いられるが、単一材
質のゴム弾性体からなるものの他、適当な材質のゴム弾
性体の積層体や、ゴム弾性体と樹脂層や帆布,補強材等
との複合体なども採用され得る。
【0010】また、弾性膜を拘束部材に当接させること
により副液室の壁ばね剛性が有利に増大せしめられるよ
うにするには、例えば、かかる弾性膜が、作用空気室に
及ぼされる空気圧で弾性変形せしめられることにより、
拘束部材に対して、その表面が部分的に且つ直接に密接
して重ね合わされて当接せしめられ、弾性膜における変
形可能な面積が減少せしめられることによって弾性膜の
ばね特性が硬くされて、該弾性膜で画成された副液室の
壁ばね剛性が増大せしめられるようにした構成が、好適
に採用され得る。
【0011】なお、弾性膜の拘束部材に対する当接形態
は、例えば弾性膜における外周環状部分や中央部分の
他、格子状部分など、弾性膜の一部を当接させた各種の
形態が採用され得、また、弾性膜における不連続な複数
部分、或いは連続した特定部分を拘束部材に当接させる
ことが可能である。具体的には、例えば、弾性膜におい
て、外周部分よりも中央部分の方が厚肉とされてばね特
性が硬くされると共に、作用空気室に及ぼされる空気圧
で弾性変形せしめられることによって、拘束部材に対し
て、その外周部分が重ね合わされて当接せしめられる構
成が、好適に採用される。このような構成を採用すれ
ば、弾性膜を拘束部材から離隔位置せしめた状態下で、
弾性膜の外周部分の弾性変形によって、副液室における
軟らかい壁ばね剛性が発現されると共に、弾性膜を拘束
部材に当接維持させた状態下で、弾性膜の中央部分によ
って、副液室における硬い壁ばね剛性が発揮されるので
あり、その結果、オリフィス通路のチューニング周波数
が有効に変化せしめられることとなる。
【0012】また、弾性膜を拘束部材に当接させること
により副液室の壁ばね剛性が有利に増大せしめられるよ
うにするには、例えば、かかる弾性膜において、拘束部
材に対する対向面上に突出する弾性突起を形成せしめ
て、弾性膜が作用空気室に及ぼされる空気圧で弾性変形
せしめられた際に、かかる弾性突起の先端部が該拘束部
材に対して当接せしめられることによって該弾性膜のば
ね特性が硬くされて、該弾性膜で画成された前記副液室
の壁ばね剛性が増大せしめられるようにした構成も、好
適に採用され得る。なお、弾性突起は、弾性膜の全面に
亘って形成する必要はなく、また、弾性突起の具体的形
態としては、放射状や散在状,螺旋状,格子状等、その
先端部が拘束部材に当接した状態下で、弾性膜の弾性変
形を実質的に許容し得るものである限り、要求されるば
ね特性を考慮しつつ、各種の形態が採用され得る。
【0013】さらに、弾性膜の形状は、特に限定される
ものでないが、例えば、外周部分よりも中央部分の方が
厚肉とされてばね特性が硬くされると共に、かかる外周
部分が、作用空気室に及ぼされる空気圧によって弾性変
形せしめられる側とは反対側に向かってテーパ状に突出
するテーパ形状をもって形成されてなる構造の弾性膜
が、好適に採用される。このような弾性膜を採用すれ
ば、空気圧を解除せしめた際の弾性膜自体の弾性に基づ
く弾性復元力が有効に発揮されると共に、へたりも効果
的に軽減されて、良好なる耐久性が達成され得る。
【0014】また、本発明において、好ましくは、作用
空気室に及ぼされる空気圧によって、弾性膜の一部が拘
束部材に対する当接状態に維持された際、弾性膜におけ
る変形可能な部分に対して、作用空気室の空気圧が及ぼ
されるようにされる。これにより、拘束部材に対して当
接せしめられた弾性膜に対して、空気圧による拘束力も
及ぼされることから、副液室の壁ばね剛性が一層有利に
増大せしめられ得る。
【0015】また、本発明において、好ましくは、壁部
の一部が変形容易な可撓性膜で画成された平衡室が、主
液室および副液室と独立して形成されると共に、該平衡
室を主液室に連通する第二のオリフィス通路が形成せし
められ、該第二のオリフィス通路が第一のオリフィス通
路よりも低周波にチューニングされる。このような第二
のオリフィス通路を形成すると、副液室の壁ばね剛性を
変化させることによって第一のオリフィス通路を通じて
流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が発
揮される二つの異なる周波数域の入力振動に加えて、更
に別の周波数域の入力振動に対する防振効果が、第二の
オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて発揮されることとなる。それ故、より広い
または3つ以上の周波数域の入力振動に対して、何れも
有効な防振効果を得ることが出来るのである。
【0016】さらに、本発明においては、例えば、筒形
状とされた第二の取付部材の一方の開口部側に第一の取
付部材が配されて、それら第一の取付部材と第二の取付
部材を連結する本体ゴム弾性体によって第二の取付部材
の一方の開口部が流体密に閉塞せしめられると共に、第
二の取付部材の他方の開口部が可撓性膜で流体密に閉塞
せしめられることにより、それら本体ゴム弾性体と可撓
性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室が画成され
る一方、かかる流体室が、第二の取付部材によって固定
的に支持された仕切部材で二分されることにより、仕切
部材を挟んだ両側に主液室と平衡室が形成せしめられ、
更に仕切部材の内部に空所が形成されると共に、該空所
に弾性膜が収容配置せしめられて該空所が弾性膜で流体
密に二分されることにより、弾性膜を挟んだ両側に副液
室と作用空気室が形成されると共に、該作用空気室に対
して外部から空気圧を及ぼすための空気給排孔が仕切部
材に穿孔せしめられてなる構造が、好適に採用される。
このような構造を採用することにより、主液室と副液
室,平衡室および作用空気室が、少ない部品点数と簡単
な構造をもって、良好なるスペース効率のもとに形成さ
れ得る。しかも、仕切部材の外周部分に第二のオリフィ
ス通路を形成すると共に、その内周側に第一のオリフィ
ス通路を形成することによって、それら両オリフィス通
路の形成スペースひいては流路断面積と長さを効率的に
確保することが出来るのであり、特に、それら第一及び
第二のオリフィス通路を周方向に延びる形態をもって形
成することにより、流路長さを一層有利に且つ容易に確
保することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の一実施形態について、図面を
参照しつつ、詳細に説明する。
【0018】先ず、図1には、本発明の一実施形態とし
てのエンジンマウント10が示されている。このエンジ
ンマウント10は、互いに所定距離を隔てて対向配置さ
れた第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二
の取付部材としての第二の取付金具14が、本体ゴム弾
性体16によって弾性的に連結された構造を有してお
り、第一の取付金具12がパワーユニット側に、第二の
取付金具14がボデー側に、それぞれ取り付けられるこ
とによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持
せしめるようになっている。そして、かかるエンジンマ
ウント10においては、自動車への装着状態下、第一の
取付金具12と第二の取付金具14の略対向方向(図1
中、略上下方向)に、パワーユニット荷重および防振す
べき振動が、それぞれ入力されることとなり、パワーユ
ニット荷重によって本体ゴム弾性体16が所定量だけ圧
縮変形せしめられるようになっている。なお、以下の説
明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向をい
うものとする。
【0019】より詳細には、第一の取付金具12は、上
下方向に延びる略円形中実のブロック形状を有してお
り、軸方向中間部分には、径方向外方に広がる板状のス
トッパ部18が一体形成されている。また、第一の取付
金具12は、ストッパ部18よりも軸方向下側部分が、
下方に向かって次第に小径化する逆円錐台形状の保持部
20とされている一方、ストッパ部18よりも軸方向上
側部分には、軸方向に延びるボルト穴22が設けられて
いる。そして、第一の取付金具12は、このボルト穴2
2に螺着される取付ボルトによって、図示しないパワー
ユニット側に固定的に取り付けられるようになってい
る。なお、ストッパ部18には、軸方向上方に向かって
突出する円環形状の緩衝ゴム28が設けられており、こ
の緩衝ゴム28を介して、ストッパ部18が、図示しな
いボデー側の当接部に当接されることにより、パワーユ
ニットのボデーに対する相対変位量が制限されるように
なっている。
【0020】また、第一の取付金具12には、本体ゴム
弾性体16が加硫接着されている。本体ゴム弾性体16
は、全体として大径の略円錐台形状を有しており、大径
側端面に開口する凹所24が設けられている。そして、
本体ゴム弾性体16の小径側端部に対して、第一の取付
金具12の保持部20が、軸方向に差し込まれた状態で
加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径
側端部外周面には、円筒形状の連結金具26が加硫接着
されている。
【0021】また一方、第二の取付金具14は、軸方向
中間部分に形成された段差部30を挟んで、軸方向上側
が大径部32、軸方向下側が小径部34とされた、全体
として段付の大径円筒形状を有しており、図示しないブ
ラケットを介して、自動車のボデー側に固定的に取り付
けられるようになっている。また、これら大径部32お
よび小径部34の内周面には、それぞれ、薄肉のシール
ゴム層35,36が略全面に亘って設けられている一
方、小径部34側の開口部には、シールゴム層36と一
体形成された、可撓性膜としての変形容易な薄肉のゴム
製のダイヤフラム38が配設されており、小径部34側
の開口が、このダイヤフラム38によって流体密に閉塞
されている。
【0022】そうして、第二の取付金具14の大径部3
2が、連結金具26に外挿せしめられ、大径部32に絞
り加工等が施されることによって、大径部32が連結金
具26に対して流体密に外嵌固定されている。これによ
り、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体
ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。ま
た、第二の取付金具14の大径部32側の開口部が、本
体ゴム弾性体16によって流体密に覆蓋されており、そ
れによって、第二の取付金具14の内部における本体ゴ
ム弾性体16とダイヤフラム38の対向面間に、所定の
非圧縮性流体が封入された流体室が形成されている。な
お、封入流体としては、流体の共振作用に基づく防振効
果を有効に得るために、0.1Pa・s以下の粘度を有
する水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコ
ール,シリコーン油等の低粘性流体が有利に採用され
る。
【0023】さらに、第二の取付金具14の小径部34
には、全体として略円形ブロック形状を有する仕切部材
40が挿入配置されている。そして、この仕切部材40
によって、第二の取付金具14の内部に形成された流体
室が、軸方向両側に仕切られており、以て、仕切部材4
0の軸方向上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16
で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性
変形に基づいて内圧変化が惹起される主液室42が形成
されている一方、仕切部材40の軸方向下側には、壁部
の一部がダイヤフラム38で構成されて、該ダイヤフラ
ム38の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平
衡室44が形成されている。
【0024】ここにおいて、仕切部材40は、軸方向上
端面の中央部分に開口する中央凹部46が設けられた略
有底円筒形状の外壁部材48を備えており、この外壁部
材48の中央凹部46の底部に可動膜としてのゴム弾性
膜50が収容配置されると共に、該中央凹部46の開口
部に厚肉円板形状の蓋部材52が嵌め込まれて固着され
ることにより、中央凹部46の開口部が蓋部材52で覆
蓋されてなる構造とされている。そして、この仕切部材
40は、第二の取付金具14に対して大径部32側から
挿入されて、外壁部材48の開口側周縁部に一体形成さ
れた外向きのフランジ部53が第二の取付金具14の段
差部30に重ね合わされて本体ゴム弾性体16との間で
挟持されることにより第二の取付金具14に対して位置
決めされた状態で、第二の取付金具14の小径部34に
対して八方絞り等の絞り加工が施されて縮径されること
により、仕切部材40の外周面が小径部34の内周面に
対して、シールゴム層36を挟んで圧接せしめられ、流
体密に嵌着固定されている。
【0025】また、この外壁部材48には、外周面に開
口して周方向に所定長さで延びる凹溝56が形成されて
おり、該凹溝56が第二の取付金具14の小径部34で
覆蓋されることによって、両端部が連通孔60,62を
通じて主液室42と平衡室44にそれぞれ接続されて両
室42,44を相互に連通し、それら両室42,44間
での内圧差に基づいて両室42,44間での流体流動を
許容する第二のオリフィス通路としての低周波側オリフ
ィス通路58が形成されている。なお、本実施形態で
は、この低周波側オリフィス通路58を通じて流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、10Hz程度のシェ
イク等の低周波数域の振動に対して有効な防振効果が発
揮されるように、低周波側オリフィス通路58の長さや
断面積等が設定されている。
【0026】また一方、仕切部材40内に収容配置され
たゴム弾性膜50は、図2〜4に示されているように、
円板形状を有する中央部分63と、該中央部分63の外
周縁部から軸方向斜め下方に向かって傾斜して延び出す
テーパ形状の外周部分64を有している。また、外周部
分64は、中央部分63よりも薄肉とされており、弾性
変形が容易に許容されるようになっている。更にまた、
中央部分63には、その下面に突出して、それぞれ中心
部から径方向外方に向かって放射状に延びる8本の弾性
リップ63が、一体形成されており、これらの弾性リッ
プ63によっても、中央部分63のばね特性が硬くされ
ている。更に、ゴム弾性膜50の外周面には、円環形状
の嵌着リング66が加硫接着等によって固着されてい
る。
【0027】さらに、このゴム弾性膜50が収容される
外壁部材48の中央凹部46の内周面には、深さ方向中
間部分に位置して、外周面から径方向内方に広がる円環
形状の段差面72が形成されており、該段差面72より
も開口部側が大径凹部74とされていると共に、段差面
72よりも底部側が小径凹部76とされている。そし
て、ゴム弾性膜50の外周面に接着された嵌着リング6
6が、外壁部材48の中央凹部46に圧入され、段差面
72に重ね合わされて位置決めされた状態で、大径凹部
74に対して流体密に嵌着固定されることにより、大径
凹部74の底部において軸直角方向に広がった状態で配
設されている。また、かかる配設状態下、ゴム弾性膜5
0は、それ自体の弾性に基づいて段差面72から所定距
離だけ上方に離隔位置することにより、中央部分63と
外周部分64の何れにおいても弾性変形が許容される状
態で、外壁部材48内に配設位置せしめられている。な
お、図1に示されているように、中央凹部46の段差面
72は、ゴム弾性膜50の外周部分64に対して、その
略全体に亘って軸方向に対向位置し得るだけの大きさ
で、且つゴム弾性膜50の中央部分63には対向しない
大きさで形成されている。換言すれば、中央凹部46の
小径凹部76は、ゴム弾性膜50の中央部分63と略同
一か僅かに大きな内径寸法をもって形成されているので
ある。
【0028】そして、ゴム弾性膜50が収容配置された
外壁部材48の中央凹部46の開口が、蓋部材52で流
体密に覆蓋されることによって、中央凹部46内には、
ゴム弾性膜50と蓋部材52の対向面間において、主液
室42や平衡室44と同じ非圧縮性流体が封入された副
液室70が形成されている。この副液室70は、ゴム弾
性膜50の弾性変形に基づいて、容積変化が許容される
ようになっている。
【0029】また、蓋部材52には、外周面に開口して
周方向に延びる周溝78が形成されており、この周溝7
8が外壁部材48の周壁部68で覆蓋されることによっ
て、両端部が連通孔79,80を通じて主液室42と副
液室70にそれぞれ接続されて両室42,70を相互に
連通し、それら両室42,70間での内圧差に基づいて
両室42,70間での流体流動を許容する第一のオリフ
ィス通路としての高周波側オリフィス通路81が形成さ
れている。なお、本実施形態では、この高周波側オリフ
ィス通路81が、低周波側オリフィス通路58よりも高
周波数域にチューニングされており、該高周波側オリフ
ィス通路81を通じて流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて、アイドル振動等、少なくとも低周波側オリ
フィス通路58による防振効果が有効には発揮され得な
い程の高周波数域の振動に対して有効な防振効果が発揮
されるように、かかる高周波側オリフィス通路81の長
さや断面積等が設定されている。
【0030】また一方、ゴム弾性膜50を挟んで副液室
70と反対側に位置せしめられた、中央凹部46の底部
分には、中央凹部46がゴム弾性膜50で流体密に仕切
られることにより、外部空間に対して密閉された空気室
としての作用空気室82が形成されている。この作用空
気室82内には、段差面72が位置せしめられており、
段差面72とゴム弾性膜50が離隔して対向位置せしめ
られており、それらの対向面間にも、作用空気室82の
一部が形成されている。また、外壁部材48には、作用
空気室82から小径凹部76の周壁部を径方向に貫通し
て延びる空気給排路84が形成されており、空気給排路
84が第二の取付金具14の小径部34を貫通して外部
に開口せしめられている。そして、図面上に明示はされ
ていないが、エンジンマウント10の車両への装着状態
下、この空気給排路84の外部開口部に対して、空気管
路86が流体密に接続せしめられ、空気管路86を通じ
て、作用空気室82が、切換バルブ88を介して、負圧
源90と大気中とに択一的に接続,連通せしめられるよ
うになっている。なお、負圧源90としては、例えば、
内燃機関の吸気系に生ぜしめられる負圧等が有利に利用
され得る。
【0031】このようなエンジンマウント10の車両へ
の装着状態下、切換バルブ88を切換作動せしめること
によって、エンジンマウント10の防振特性を切換制御
できるようになっているのである。
【0032】すなわち、ゴム弾性膜50は、作用空気室
82が大気中に接続された状態では、図1に示されてい
るように、それ自体の弾性力等に基づいて、段差面72
から離隔位置せしめられており、中央部分63と外周部
分64の全体によって、直径:Dの全体に亘る部分で弾
性変形が許容されることとなる。特に、外周部分64
は、中央部分63よりも薄肉でばね特性が軟らかくされ
ていることから、ゴム弾性膜50の全体として、軟らか
いばね特性が発現されるのである。一方、作用空気室8
2が負圧源90に接続されて、作用空気室82に負圧が
及ぼされると、図5に示されているように、ゴム弾性膜
50の下面に作用せしめられる負圧吸引力によって、ゴ
ム弾性膜50が、その弾性力に抗して下方(作用空気室
82側)に変形変位せしめられ、外周部分64の下表面
が段差面72に対して全周に亘って連続して重ね合わさ
れて当接される。その結果、外周部分64が段差面72
で拘束されて変形が阻止せしめられて、中央部分63だ
けによって、直径:D′の部分だけで弾性変形が許容さ
れることとなる。特に、中央部分63は、外周部分64
よりも厚肉で且つリップ65を有しており、ばね特性が
硬くされていることから、ゴム弾性膜50の全体とし
て、その外径寸法が実質的に小さくなることと相まっ
て、硬いばね特性が有利に発現されるのである。要する
に、作用空気室82に対する大気中と負圧源90への接
続を切り換えることにより、副液室70の壁部の一部を
構成するゴム弾性膜50のばね特性を、軟らかい状態と
硬い状態とに、切り換えることが出来るのである。な
お、このことから明らかなように、本実施形態では、段
差面72によって、ゴム弾性膜50の変形を制限する拘
束部材が構成されている。
【0033】また一方、高周波側オリフィス通路81の
チューニング周波数(流体の共振作用に基づく防振効果
が有効に発揮される振動周波数域)は、高周波側オリフ
ィス通路81の流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A
/Lおよび封入流体の比重や粘度等の他、主液室42や
副液室70の壁ばね剛性の影響も受ける。主液室42や
副液室70の壁ばね剛性とは、主液室42や副液室70
における拡縮変形に対するばね特性を表すものであっ
て、主液室42の壁ばね剛性は主に本体ゴム弾性体16
のばね特性に基づいて発揮される一方、副液室70の壁
ばね剛性は主にゴム弾性膜50のばね特性に基づいて発
揮される。
【0034】従って、上述の如く、作用空気室82に対
する大気中と負圧源90への接続を切り換えて、ゴム弾
性膜50のばね特性を軟らかい状態と硬い状態とに切り
換えることによって、副液室70の壁ばね剛性が軟らか
い状態と硬い状態とに切り換えられることとなり、それ
に応じて、高周波側オリフィス通路81のチューニング
周波数が変化せしめられるのである。ここにおいて、特
に、本実施形態においては、作用空気室82への負圧作
用時に段差面72への当接で拘束される外周部分64と
拘束されない中央部分63とでゴム弾性膜50のばね特
性が大きく異なるようにされていると共に、外周部分6
4の段差面72による拘束時に中央部分63にも負圧吸
引力が継続的に及ぼされて空気ばね作用による拘束力が
及ぼされるようになっていることから、作用空気室82
に対する大気中と負圧源90への接続切換えに応じて、
ゴム弾性膜50のばね特性ひいては副液室70の壁ばね
剛性が大きく変化せしめられ、以て、高周波側オリフィ
ス通路81のチューニング周波数が有効に変化せしめら
れることとなる。
【0035】それによって、本実施形態では、例えば、
作用空気室82を大気中に接続せしめた、図1に示され
る状態下では、高周波側オリフィス通路81を通じて流
動せしめられる流体の共振作用に基づく防振作用によっ
て、20〜40Hz程度のアイドル振動等に相当する中周
波振動に対して有効な防振効果が発揮される一方、作用
空気室82を負圧源に接続せしめた、図5に示される状
態下では、高周波側オリフィス通路81を通じて流動せ
しめられる流体の共振作用に基づく防振作用によって、
50〜80Hz程度のこもり音等に相当する高周波振動に
対して有効な防振効果が発揮されるようになっている。
【0036】それ故、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、高周波側オリフィス通路81
を利用して、広い周波数域又は複数の周波数域の入力振
動に対して有効な防振効果を得ることが出来るのであ
り、特に、内部に切換弁等の複雑な機構を組み込む必要
がなく、多数のオリフィス通路を形成する必要もないこ
とから、簡単で且つコンパクトな構造をもって、入力振
動に応じた防振特性の変更制御が実現され得るのであ
る。
【0037】また、本実施形態のエンジンマウント10
においては、低周波側オリフィス通路58が並設されて
おり、2つのオリフィス通路58,81によって、実質
的に3つの周波数域の入力振動に対して流体の共振作用
に基づく防振効果を有効に得ることが出来るのであり、
しかも、作用空気室82を負圧源に接続せしめた状態下
では、ゴム弾性膜50のばね剛性が高められることか
ら、低周波側オリフィス通路58を通じて流動せしめら
れる流体の共振作用に基づいて発揮される低周波振動に
対する防振効果が、一層有利に発揮されるのである。
【0038】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、
かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0039】例えば、前記実施形態では、負圧力の作用
によってゴム弾性膜50を部分的に拘束する拘束部材と
しての段差面72が、ゴム弾性膜50の外周部分64に
対向位置して環状に形成されていたが、拘束部材は、ゴ
ム弾性膜50の一部の変形を制限してばね特性を硬くし
得るものであれば良く、その具体的形状や構造、ゴム弾
性膜50の拘束部分等は、何等限定されるものでない。
また、拘束部材を、ゴム弾性膜50に対して副液室70
側に配設し、作用空気室82に正圧を及ぼしてゴム弾性
膜50を副液室70側に膨出させて拘束部材に当接させ
ることにより、ゴム弾性膜50を部分的に拘束するよう
にしても良い。
【0040】さらに、前記実施形態では、ゴム弾性膜5
0を拘束部材としての段差面72に当接させることによ
って、外径寸法を実質的に縮小させてばね特性を硬くす
るようになっていたが、その他、ゴム弾性膜50の外径
寸法を変更することなく、その略全体のばね特性を硬く
することも可能である。具体的には、例えば、図6に示
されているように、大径凹部74のみによって中央凹所
46を形成することにより、中央凹所46の平坦な底面
92を、ゴム弾性膜50の下表面の略全体に対して対向
位置せしめ(図6中の仮想線で示される状態)、そし
て、作用空気室82に及ぼされる負圧力でゴム弾性膜5
0の全体を弾性変形させて、中央部分63の下面に形成
された弾性リップ65の突出先端部を底面92に当接さ
せた状態で維持せしめることによって、ゴム弾性膜50
の外径寸法を変更することなく、その略全体のばね特性
を硬くすることが出来る。即ち、かかる状態下では、ゴ
ム弾性膜50が、拘束部材としての底面92に対して、
弾性リップ65によって弾性的に支持されることから、
ゴム弾性膜50と弾性リップ65の弾性変形によって、
ゴム弾性膜50において硬いばね特性が有利に発現され
るのである。
【0041】また、低周波側オリフィス通路58や高周
波側オリフィス通路81に対するチューニングは、防振
装置への要求特性等に応じて適宜に変更可能であり、何
等限定されるものではない。具体的には、例えば、前記
実施形態において、低周波側オリフィス通路58をアイ
ドル振動等にチューニングする一方、高周波側オリフィ
ス通路81をそれよりも更に高周波数域の低周波こもり
音と高周波こもり音にチューニングすること等も可能で
ある。
【0042】更にまた、前記実施形態におけるエンジン
マウント10においては、作用空気室82に対して、ゴ
ム弾性膜50の外周部分64を段差面72に当接維持し
得るだけの略一定の大きさの負圧力が及ぼされるように
なっていたが、その他、例えば作用空気室82に及ぼさ
れる負圧力を増減変更させて、ゴム弾性膜50を適当な
周波数で加振することにより、エンジンマウント10の
防振特性を制御すること等も可能である。具体的には、
例えば、前記実施形態に示されたエンジンマウント10
においては、作用空気室82に及ぼされる負圧力を適当
な範囲で増減させて、外周部分64が段差面72に当接
した状態を維持しつつ、或いは外周部分64が段差面7
2から離隔した状態を維持しつつ、ゴム弾性膜50を、
作用空気室82内の負圧による吸引力とゴム弾性膜50
自体の弾性に基づく復元力とによって、上下に往復変位
(振動)させることが可能であり、このようにゴム弾性
膜50を加振することによって、副液室70の内圧を制
御することが出来る。それ故、振動入力時にゴム弾性膜
50を入力振動に応じた周波数で加振して副液室70に
内圧変動を生ぜしめることにより、副液室70と主液室
42の間でのオリフィス通路81,58を通じての流体
流動が積極的に生ぜしめられて、流体の共振作用等の流
動作用を利用した防振効果や、或いは主液室42の内圧
制御に基づく防振効果が、極めて有効に発揮されること
となる。そして、ゴム弾性膜50を加振するために作用
空気室82に及ぼす空気圧の大きさや位相を、主液室4
2への圧力伝達のおくれ時間等を考慮しつつ、入力振動
に応じて制御することにより、マウント防振特性を切換
制御することも出来るのである。
【0043】さらに、前記実施形態では、ゴム弾性膜5
0として、外周部分64にテーパが付された略浅底皿形
状のものが採用されていたが、その形状は、何等限定さ
れるものではなく、例えば、全体的に平板形状のゴム弾
性膜等を採用することも可能である。
【0044】また、前記実施形態では、主液室42に対
して低周波側オリフィス通路58を通じて連通された平
衡室44が設けられていたが、そのような低周波側オリ
フィス通路58や平衡室44を設けることなく、防振装
置を構成することも可能である。
【0045】更にまた、前記実施形態では、第一の取付
部材と第二の取付部材が一方向だけで対向位置せしめら
れた構造の防振装置に本発明を適用したものの具体例を
示したが、その他、本発明は、軸部材と、該軸部材の径
方向外方に所定距離を隔てて配設された外筒部材とによ
って、第一の取付部材と第二の取付部材が構成されると
共に、それら軸部材と筒部材の径方向対向面間に本体ゴ
ム弾性体を介装せしめることによって、全体として筒形
状をもって形成された、FF型自動車用エンジンマウン
トやボデーマウント,サスペンションブッシュ等として
好適に用いられる流体封入式防振装置等に対しても、適
用可能である。
【0046】加えて、前記実施形態では、自動車用エン
ジンマウントに本発明を適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、自動車用ボデーマウントやデフ
マウント、或いは自動車以外の各種装置用の防振装置等
に対して、何れも同様に適用可能であることは、勿論で
ある。
【0047】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施形態が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0048】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、作
用空気室に及ぼされる空気圧を切り換えるだけの操作に
よって、一つのオリフィス通路(第一のオリフィス通
路)のチューニング周波数が変更されて、該オリフィス
通路によって発揮される防振効果が変更されるのであ
り、それ故、切換弁等の複雑な機構を装置内に組み込ん
だり、多数のオリフィス通路を設けたりすることなく、
複数種の振動に対して有効な防振効果を発揮し得る防振
装置が、簡単でコンパクトな構造をもって有利に実現さ
れ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのエンジンマウント
を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成するゴ
ム弾性膜を示す断面図であって、図3におけるII−II断
面に相当する図である。
【図3】図2に示されたゴム弾性膜の底面図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す縦断面説明図である。
【図6】本発明の別の実施形態としてのエンジンマウン
トの要部を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 40 仕切部材 42 主液室 50 ゴム弾性膜 63 中央部分 64 外周部分 70 副液室 72 段差面 81 高周波側オリフィス通路 82 作用空気室 84 空気給排路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−274279(JP,A) 特開 平5−118375(JP,A) 特開 平10−153234(JP,A) 実開 平4−110244(JP,U) 実開 昭63−185938(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/00 - 13/30

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離間配置された第一の取付部材と第二の
    取付部材が本体ゴム弾性体で連結される一方、該本体ゴ
    ム弾性体によって壁部の一部が構成された主液室と、壁
    部の一部が可動膜で構成された副液室が、互いに独立し
    て形成されて、それら主液室と副液室に非圧縮性流体が
    封入されると共に、それら主液室と副液室を相互に連通
    する第一のオリフィス通路が設けられた流体封入式防振
    装置において、 前記可動膜を弾性復元力を有する弾性膜で構成し、且
    、該弾性膜の一方の側に、該弾性膜の変形を制限する
    拘束部材を配する一方、該弾性膜を挟んで前記主液室と
    は反対側に密閉された作用空気室を形成し、該作用空気
    室に対して外部から空気圧を及ぼして該弾性膜を弾性変
    形させることにより、前記拘束部材に対して、その表面
    が部分的に重ね合わされて当接せしめられ、該弾性膜の
    一部が該拘束部材に対する当接状態に維持され、そして
    該弾性膜における変形可能な面積が減少せしめられるこ
    とによって該弾性膜のばね特性が硬くされて、該弾性膜
    で画成された前記副液室の壁ばね剛性が増大せしめられ
    るようにすると共に、更に、該弾性膜を、前記拘束部材
    に当接せしめられて変形が制限される外周部分と、該外
    周部分よりも厚肉とされてばね特性が硬くされている、
    前記拘束部材に対する該外周部分の当接状態下において
    弾性変形が許容される中央部分とから構成したことを特
    徴とする流体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記作用空気室が、凹部の深さ方向中間
    部分において径方向内方に広がる円環形状の段差面より
    も開口部側に位置する大径凹部と、かかる段差面よりも
    底部側に位置する、外部の空気圧を及ぼす通路が接続せ
    しめられる小径凹部と、該大径凹部に収容配置されて内
    部を外部空間から流体密に仕切る前記弾性膜とによっ
    て、外部空間に対して密閉された空気室として形成され
    る一方、該大径凹部と該小径凹部との間に位置する前記
    段差面にて、前記拘束部材が構成され、該段差面に対し
    て前記弾性膜の外周部分が当接せしめられたとき、該弾
    性膜の前記中央部分は該段差面による拘束を受けること
    なく、その弾性変形が許容されるようになっている請求
    項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 前記作用空気室を与える前記小径凹部
    が、前記弾性膜の中央部分 と略同一か或いは僅かに大き
    な内径寸法をもって形成されている請求項2に記載の流
    体封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性膜が、その厚肉の中央部分にお
    いて一体形成された弾性リップを有しており、この弾性
    リップによって該中央部分のばね特性が硬くされている
    請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  5. 【請求項5】 離間配置された第一の取付部材と第二の
    取付部材が本体ゴム弾性体で連結される一方、該本体ゴ
    ム弾性体によって壁部の一部が構成された主液室と、壁
    部の一部が可動膜で構成された副液室が、互いに独立し
    て形成されて、それら主液室と副液室に非圧縮性流体が
    封入されると共に、それら主液室と副液室を相互に連通
    する第一のオリフィス通路が設けられた流体封入式防振
    装置において、 前記可動膜を弾性復元力を有する弾性膜で構成し、且
    つ、該弾性膜の一方の側に、該弾性膜の変形を制限する
    拘束部材を配する一方、該弾性膜を挟んで前記主液室と
    は反対側に密閉された作用空気室を形成し、該作用空気
    室に対して外部から空気圧を及ぼして該弾性膜を弾性変
    形させることにより、前記拘束部材に対して、その表面
    が部分的に重ね合わされて当接せしめられ、該弾性膜の
    一部が該拘束部材に対する当接状態に維持され、そして
    該弾性膜における変形可能な面積が減少せしめられるこ
    とによって該弾性膜のばね特性が硬くされて、該弾性膜
    で画成された前記副液室の壁ばね剛性が増大せしめられ
    るようにすると共に、更に、該弾性膜を、外周部分より
    も中央部分の方が厚肉とされてばね特性が硬くされてな
    る構造と為し、且つ該 弾性膜において、前記拘束部材に
    対する対向面上に突出する弾性突起形成せしめ、該弾
    性膜が前記作用空気室に及ぼされる空気圧で弾性変形せ
    しめられて、該弾性突起の先端部が該拘束部材に対して
    当接せしめられることによって該弾性膜のばね特性が硬
    くされて、該弾性膜で画成された前記副液室の壁ばね剛
    性が増大せしめられるようにしたことを特徴とする流体
    封入式防振装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性膜が、外周部分よりも中央部分
    の方が厚肉とされてばね特性が硬くされていると共に、
    かかる外周部分が、前記作用空気室に及ぼされる空気圧
    によって弾性変形せしめられる側とは反対側に向かって
    テーパ状に突出するテーパ形状をもって形成されている
    請求項1乃至の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 【請求項7】 前記作用空気室に及ぼされる空気圧によ
    って、前記弾性膜の一部が前記拘束部材に対する当接状
    態に維持されると共に、該弾性膜における変形可能な部
    分に対して、該作用空気室の空気圧が及ぼされるように
    なっている請求項1乃至の何れかに記載の流体封入式
    防振装置。
  8. 【請求項8】 壁部の一部が変形容易な可撓性膜で画成
    された平衡室が、前記主液室および前記副液室と独立し
    て形成されると共に、該平衡室を該主液室に連通する第
    二のオリフィス通路が形成せしめられ、該第二のオリフ
    ィス通路が前記第一のオリフィス通路よりも低周波にチ
    ューニングされている請求項1乃至の何れかに記載の
    流体封入式防振装置。
  9. 【請求項9】 筒形状とされた前記第二の取付部材の一
    方の開口部側に前記第一の取付部材が配されて、それら
    第一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴ
    ム弾性体によって該第二の取付部材の一方の開口部が流
    体密に閉塞せしめられると共に、該第二の取付部材の他
    方の開口部が前記可撓性膜で流体密に閉塞せしめられる
    ことにより、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に非
    圧縮性流体が封入された流体室が画成されている一方、
    かかる流体室が、該第二の取付部材によって固定的に支
    持された仕切部材で二分されることにより、該仕切部材
    を挟んだ両側に前記主液室と前記平衡室が形成せしめら
    れ、更に該仕切部材の内部に空所が形成されると共に、
    該空所に前記弾性膜が収容配置せしめられて該空所が前
    記弾性膜で流体密に二分されることにより、該弾性膜を
    挟んだ両側に前記副液室と前記作用空気室が形成される
    と共に、該作用空気室に対して外部から空気圧を及ぼす
    ための空気給排孔が該仕切部材に穿孔されている請求項
    に記載の流体封入式防振装置。
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