JP4210851B2 - 車両用流体封入式エンジンマウント - Google Patents

車両用流体封入式エンジンマウント Download PDF

Info

Publication number
JP4210851B2
JP4210851B2 JP2004101422A JP2004101422A JP4210851B2 JP 4210851 B2 JP4210851 B2 JP 4210851B2 JP 2004101422 A JP2004101422 A JP 2004101422A JP 2004101422 A JP2004101422 A JP 2004101422A JP 4210851 B2 JP4210851 B2 JP 4210851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
chamber
pressure
orifice passage
pressure receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004101422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005282823A (ja
Inventor
肇 前野
篤 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2004101422A priority Critical patent/JP4210851B2/ja
Publication of JP2005282823A publication Critical patent/JP2005282823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4210851B2 publication Critical patent/JP4210851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、自動車等の車両用のエンジンマウントに係り、特に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式のエンジンマウントであって、外部から及ぼされる空気圧を利用して、防振すべき振動に応じて防振特性を変更制御することが出来、それによって、(1)エンジンシェイク等の低周波振動と、(2)アイドリング振動等の中周波振動と、(3)走行こもり音等の高周波振動との、何れの振動に対しても良好な防振効果を得ることの出来る流体封入式防振装置に関するものである。
自動車におけるエンジンマウントには、車両の走行状態等に応じて異なる防振特性が要求される。具体的には、一般に、自動車の走行状態下では、エンジンシェイク等の低周波振動と走行こもり音等の高周波振動との両方の振動に対する防振性能が要求される一方、自動車の停車状態下では、アイドリング振動に対する防振性能が要求される。また、自動車用のエンジンマウントにおいては、内部に非圧縮性流体を封入し、非圧縮性流体の共振作用等の流動作用を利用して防振効果を得るようにしたものが提案されており、特定のチューニングされた周波数域で、ゴム弾性体のみでは得られない程に優れた防振効果が実現され得ることから、その採用が検討されている。
かかる流体封入式の防振装置は、一般に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積可変とされた平衡室とを形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を形成して、振動入力時にオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて防振効果を得るようになっている。
ところが、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果の発揮される周波数域は、該オリフィス通路が予めチューニングされた比較的に狭い周波数域に限られ、かかるチューニング周波数よりも高周波数域ではオリフィス通路が実質的に目詰まり状態となって防振性能が著しく低下するという問題がある。
このような問題に鑑み、互いに異なるチューニングが施された第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を選択的に利用することによって、内部に封入された流体の流動作用や圧力変化等を利用して得られる防振効果を、防振すべき入力振動等に応じて変更調節することが出来るようにした流体封入式エンジンマウントが提案されている。このような防振装置においては、例えば、特許文献1, 2等に記載されているように、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材において、エンジンシェイク等の低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路とアイドリング振動等の中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路が形成されていると共に、第二のオリフィス通路を遮断/連通する開閉弁手段が採用されている。
しかしながら、このような従来構造の流体封入式エンジンマウントは、未だ、解決すべき問題を内在していた。
その一つの問題が、第二のオリフィス通路のチューニング周波数よりも更に高周波数域の例えば走行こもり音等の高周波振動の入力時には、何れのオリフィス通路も流体流通抵抗が著しく大きくなって防振特性が大幅に低下するために有効な防振効果が発揮され難いということである。
また、もう一つの問題が、第二のオリフィス通路の開閉弁手段と、それを駆動するアクチュエータが必要となることから、エンジンマウント全体のサイズの大形化や重量化、構造の複雑化が避けられ難いということである。
なお、前者の高周波数域の防振性能の改善は、例えば、受圧室の圧力変動に応じて微小変形することにより、高周波小振幅振動の入力時に受圧室の微小な圧力変動を吸収する作用ゴム弾性板を仕切部材で支持せしめて配設することも考えられるが、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路が形成された上に、第二のオリフィス通路の開閉弁手段まで組み付けられた仕切部材に対して、更に作用ゴム弾性板を組み付けることは、配設スペースの関係上、極めて難しかった。特に、作用ゴム弾性板は、目的とする受圧室の圧力吸収作用を有効に発揮させるために十分な大きさで形成する必要があることから、仕切部材への組み付けが、スペース上、非常に難しかったのである。
特開平8−270718号公報 特開平9−280304号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、第一のオリフィス通路による低周波数域の振動に対する防振効果と、第二のオリフィス通路による中周波数域の振動に対する防振効果と、更に作用ゴム弾性板による高周波数域の振動に対する防振効果とが、何れも、有効に発揮され得る、構造が簡単で且つコンパクトなサイズの流体封入式エンジンマウントを実現することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下の記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載の発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、(a)車両のパワーユニット側と車両ボデー側の一方に取り付けられる第一の取付部材と、(b)該第一の取付部材に対して離隔配置されて、前記車両のパワーユニット側と車両ボデー側の他方に取り付けられる第二の取付部材と、(c)それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、(d)該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、(e)可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、(f)前記第二の取付部材で固定的に支持されて、前記受圧室と前記平衡室を相互に仕切る仕切部材と、(g)該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成されて前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめると共に低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、(h)前記仕切部材における前記受圧室に面する側の略中央部分に配設されると共に、該受圧室に対して高周波数域での圧力吸収作用が発揮されるようにチューニングされた作用ゴム弾性板と、(i)該作用ゴム弾性板を挟んで前記受圧室と反対側に形成されて、該作用ゴム弾性板の弾性変形を許容する作用空気室と、(j)該作用空気室に接続されて、該作用空気室の圧力を外部から制御するための空気圧通路と、(k)前記仕切部材において前記受圧室と前記平衡室を連通するようにして設けられて、該受圧室への開口部が該仕切部材の外周部分に形成されると共に該平衡室への開口部分が該仕切部材の略中央部分に形成される一方、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、(l)前記第二のオリフィス通路の平衡室側への開口部分において前記作用空気室を挟んで前記作用ゴム弾性体と対向位置せしめられるように配設されて、変位量が制限されることにより該第二のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限せしめて、前記第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動入力時には該第二のオリフィス通路を通じての流体流動を遮断すると共に、該第二のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動入力時には該第二のオリフィス通路を通じての流体流動を許容する可動部材とを、有する車両用流体封入式エンジンマウントにある。
このような本発明に従う構造とされたエンジンマウントにおいては、可動部材が、仕切部材の中央部分に配設された作用ゴム弾性板と対向位置せしめられることによって、第二のオリフィス通路と平衡室側への開口部が設けられた仕切部材の平衡室側の面の略中央部分に配設されている。而して、可動部材に所定量の変位乃至は変形が許容されて、第二のオリフィス通路がチューニングされた中周波中振幅の振動入力時には、第二のオリフィス通路を通じての受圧室と平衡室の間での流体流動が実質的に制限されることなく許容されることとなるが、第一のオリフィス通路がチューニングされた低周波大振幅の振動入力時には、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が可動部材で制限されることによって、中周波中振幅の振動入力時における第二のオリフィス通路を通じての流体流動量と低周波大振幅の振動入力時における第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が両立して確保されることとなる。それ故、前述の如き従来構造のエンジンマウントにおける第二のオリフィス通路の開閉弁手段やアクチュエータが不要となって、構造の大幅な簡略化が達成され得る。
しかも、仕切部材の中央部分において、作用ゴム弾性板が受圧室側に位置して配設されると共に、流動量制限用の可動部材が平衡室側に位置して配設されることにより、これら作用ゴム弾性板と可動部材が、仕切部材の軸方向(受圧室と平衡室が対向位置する仕切部材の厚さ方向)で重ね合わされるように位置して配設されていることから、これら作用ゴム弾性板と可動部材を、何れも、仕切部材の略中央部分に位置せしめて十分な有効面積(大きさ)で構成することが可能となるのである。
それ故、作用ゴム弾性板と可動部材が、何れも、受圧室の圧力変動に際して高度に追従して作動し得ることとなり、作用ゴム弾性板の弾性変形に基づく受圧室の圧力吸収作用による高周波小振幅振動に対する防振効果と、可動部材の変形乃至は変位に伴う第二のオリフィス通路による中周波中振幅振動に対する防振効果とが、何れも、極めて有利に発揮され得るのである。
なお、本発明において、可動部材としては、仕切部材から独立変位可能とされたゴム弾性板や樹脂板或いは金属板を所定量だけ板厚方向に変位可能に支持せしめた可動板機構や、或いは、ゴム弾性板の外周縁部を仕切部材に対して固着せしめてその中央部分の弾性変形が板厚方向に所定量だけ生ぜしめられるようにした可動膜機構が、好適に採用される。
また、本発明において、好適には、(m)「車両のアイドリング状態下では、前記空気圧通路を通じて前記作用空気室に対して静的な負圧を及ぼして前記作用ゴム弾性板を該作用空気室側に負圧吸引せしめる一方、車両の走行状態下では、該空気圧通路を通じて前記作用空気室を大気中に解放する静的な空気圧調節手段」を採用して、該作用空気室の圧力を外部から静的に制御するようにした構成が、採用される。
このような静的な空気圧調節手段を採用することにより、低周波振動や中周波振動の入力時において作用ゴム弾性板に対して負圧による拘束力を作用せしめて、受圧室の圧力変動が作用ゴム弾性板の弾性変形によって不必要に吸収されてしまうことを防止することが出来る。これにより、第一及び第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が一層有利に確保され得て、低周波数域および中周波数の振動に対する受動的な防振効果の更なる向上が図られ得る。
さらに、本発明においては、(n)「防振を目的とする振動の周波数に対応する周期で変動する動的な空気圧変動を、前記空気圧通路を通じて前記作用空気室に及ぼして、該作用空気室の圧力を外部から動的に制御することにより、前記作用ゴム弾性板に対して動的な空気圧加振力を作用せしめる動的な空気圧調節手段」も、好適に採用される。
このような動的な空気圧調節手段を採用することにより、能動的な防振効果を得ることが出来るのであり、特に、例えばアイドリング振動や低〜中速域のこもり音等に対する防振性能の更なる向上が有利に図られ得る。
上述の説明から明らかなように、本発明に従えば、高周波振動の防振に寄与し得る作用ゴム弾性板と、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限する可動部材を、仕切部材の中央部分で軸方向に相互に重なり合うように配設せしめたことにより、何れも十分に大きな面積を確保しつつ優れたスペース効率が実現され得ることとなったのであり、また、仕切部材の外周部分ではオリフィス通路の通路長さを有利に確保せしめ得ることが出来、全体として、(1)エンジンシェイク等の低周波振動と、(2)アイドリング振動等の中周波振動と、(3)走行こもり音等の高周波振動との、何れの振動に対しても良好な防振効果を得ることの出来る流体封入式エンジンマウントが、簡単で且つコンパクトな構造をもって実現可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が離隔配置されていると共に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、図示はされていないが従来のエンジンマウントと同様に、第一の取付金具12が自動車のパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のボデー側に取り付けられることによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、防振すべき主たる振動の略入力方向となる図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形状を有しており、その大径側端部には、軸方向上方に向かって突出するナット部18が一体形成されている。そして、ナット部18に螺着される図示しないボルトにより、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられるようになっている。
また、第一の取付金具12には、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。かかる本体ゴム弾性体16は、下方に向かって拡径する全体として大径の略円錐台形状を呈していると共に、大径側端面に開口する逆すり鉢形状の凹部20を有している。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端面から第一の取付金具12が軸方向下方に差し込まれた状態で、第一の取付金具12が本体ゴム弾性体16と同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、中間スリーブとしての大径円筒形状の金属スリーブ22が重ね合わされて加硫接着されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部24を挟んで、軸方向上部が大径部26とされていると共に、軸方向下部が小径部28とされている。また、これら大径部26および小径部28の内周面には、それぞれ、略全面を覆う薄肉のシールゴム層30が設けられて加硫接着されていると共に、小径部28側の開口部には、可撓性膜としての薄肉の弛みをもった略円板形状を有するゴム膜からなるダイヤフラム32が、シールゴム層30と一体形成されて配されており、このダイヤフラム32の外周縁部が第二の取付金具14の開口周縁部に加硫接着されることによって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。
そして、第二の取付金具14は、その大径部26が金属スリーブ22に外挿されて、圧入や絞り加工等で嵌着固定されることによって、本体ゴム弾性体16の外周面に固着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、防振すべき振動の主たる入力方向に延びる略同一の中心軸上に位置するようにして、相互に離隔して配設されており、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、第二の取付金具14の大径部26が本体ゴム弾性体16に固着されることにより、第二の取付金具14の上側開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
さらに、第二の取付金具14には、該金具14よりも一回り大きな略有底円筒形状を有するブラケット34が被せられて固定的に組み付けられている。このブラケット34の外周面には、軸方向下方に延び出す複数の脚部36が溶着されており、これらの脚部36が、図示しない自動車のボデーに対してボルト固定されることにより、第二の取付金具14が車両ボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。なお、ブラケット34の底壁部とダイヤフラム32の間には、ダイヤフラム32の膨出変形を許容する十分な容積の空間が形成されていると共に、この空間は、ブラケット34の底壁部に貫設された通孔38によって大気中に解放されている。また、ブラケット34の上側開口部には軸方向上方に向かって延びる逆カップ形状のストッパ金具40がかしめ固定されており、このストッパ金具40と第一の取付金具12の相対的な当接により、第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で相互に離隔される方向(リバウンド方向)の相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
また、第二の取付金具14の小径部28には、仕切部材42が収容されており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間に配されている。この仕切部材42は、図3〜5にも示されているように、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されており、厚肉の略円板形状を有している。そして、仕切部材42が、第二の取付金具14の小径部28に嵌め込まれて、小径部28への圧入組付けや小径部28の絞り加工等によって小径部28に固定されて、その円筒状外周面が、小径部28に対してシールゴム層30を挟んで流体密に重ね合わされている。このように仕切部材42が第二の取付金具14内に組み付けられることによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間に形成されて、外部空間に対して密閉された領域が、仕切部材42によって流体密に二分されており、以て、仕切部材42の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間の振動入力による本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起される受圧室44が形成されていると共に、仕切部材42の下側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて、該ダイヤフラム32の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室46が形成されている。これら受圧室44と平衡室46には、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が充填されて封入されている。特に本実施形態では、後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が好適に採用される。
また、仕切部材42の中央部分には、上面中央に開口する円形の中央凹所48が形成されている。そして、作用ゴム弾性板としての所定厚さの円板形状を有する弾性ゴム板50が、中央凹所48に配設されている。弾性ゴム板50の外周面には嵌着リング52が加硫接着されており、この嵌着リング52が中央凹所48の開口部付近の周壁部に圧入固定されていることにより、弾性ゴム板50が、軸直角方向に広がって中央凹所48の底部を覆蓋せしめるようにして配されている。これにより、中央凹所48の略すり鉢形状を呈する底部が弾性ゴム板50によって流体密に仕切られており、以て、中央凹所48内の底部には、弾性ゴム板50と中央凹所48の底面の間に、受圧室44や平衡室46から流体密に仕切られた作用空気室としての空気室54が形成されている。
また、弾性ゴム板50は、受圧室44の壁部の一部として構成されており、受圧室44の圧力が一方(図1中、上)の面に及ぼされる状態で仕切部材42に配設されている。ここにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、例えば周波数域が60〜200Hz程度とされて振幅値が±0.01〜0.05mm程度とされる走行こもり音等の高周波小振幅振動が入力された場合に、弾性ゴム板50の弾性変形に基づいて該高周波振動に対して有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるように、弾性ゴム板50の大きさや厚さ、形状等が設定変更されている。また、本実施形態では、弾性ゴム板50の固有振動数が当該高周波数域にチューニングされていることにより、該高周波数域の振動入力における弾性ゴム板50の共振作用と相俟って、弾性ゴム板50の弾性変形が積極的に生ぜしめられるようになっている。
さらに、仕切部材42の軸方向中間部分には空気圧通路としての空気通路56が形成されており、この空気通路56の一方の開口端部が空気室54に開口されていると共に、他方の端部が仕切部材42の外周面に一体的に設けられたポート部58において開口されている。また、ポート部58は、第二の取付金具14とブラケット34の各筒壁部に設けられた貫通窓60を通じて外部に露出せしめられている。
更にまた、仕切部材42の軸方向下端面には、中央部分に開口する下側凹所62が形成されている。この下側凹所62は、受圧室44や空気室54から独立して形成されて、空気室54の下方に位置せしめられていると共に、略平面視円形をもって下方(平衡室46の側)に開口する下底部64と該下底部64の上端に凹設された小形の上底部66を含んで構成されている。
また、仕切部材42の外周部分には、略一定の断面形状で周方向に所定の長さ(例えば、略半周の長さ)で延びる周溝68が、外周面に開口して形成されている。そして、周溝68が第二の取付金具14の小径部28に被着されたシールゴム層30で流体密に覆蓋されることによって、仕切部材42の外周側には、周方向に所定の長さで延びる第一のオリフィス通路70が形成されている。この第一のオリフィス通路70の周方向一方の端部が、仕切部材42の上端面に形成された連通孔72を通じて受圧室44に連通されていると共に、周方向他方の端部が、仕切部材42の下端面に形成された連通孔74を通じて平衡室46に連通されている。これにより、受圧室44と平衡室46が第一のオリフィス通路70で相互に連通されて、それら両室44,46間での第一のオリフィス通路70を通じての流体流動が許容されるようになっている。
また、空気通路56や第一のオリフィス通路70の形成領域を除く仕切部材42の外周部分には、軸方向に延びる凹溝76が形成されており、その一方(図1中、上)の端部が仕切部材42の上端面に開口されていると共に、他方(図1中、下)の端部がトンネル状に内方に延び出されて下側凹所62の上底部66に開口されている。それによって、仕切部材42の外周部分には、一方の端部が凹溝76を通じて受圧室44に連通され、他方の端部が下側凹所62を通じて平衡室46に連通された第二のオリフィス通路78が、第一のオリフィス通路70等と独立して形成されている。即ち、第二のオリフィス通路78によって、受圧室44と平衡室46が相互に接続されており、それら両室44,46間で、第二のオリフィス通路78を通じての流体流動が許容されるようになっている。このことからも明らかなように、本実施形態では、第二のオリフィス通路78の平衡室46への開口部が、仕切部材42の下側凹所62を含んで構成されている。
また、第一のオリフィス通路70よりも第二のオリフィス通路78の方が、通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A/Lの値が大きく設定されている。そして、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、例えば周波数域が10Hz前後とされて振幅値が±0.1mm程度とされるエンジンシェイク等の低周波大振幅振動が入力された場合に、第一のオリフィス通路70を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用基づいて該低周波振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるように、第一のオリフィス通路70がチューニングされている。また、第一及び第二の取付金具12,14の間に、例えば周波数域が20〜40Hz程度とされて振幅値が±0.05〜0. 1mm程度とされるアイドリング振動等の中周波中振幅振動が入力された場合に、第二のオリフィス通路78を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用基づいて該中周波振動に対して有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるように、第二のオリフィス通路78がチューニングされている。これら第一のオリフィス通路70や第二のオリフィス通路78のチューニングは、例えば、受圧室44や平衡室46の各壁ばね剛性(単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する特性値)等を考慮しつつ、それぞれのオリフィス通路70,78の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路70,78を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路70,78のチューニング周波数として把握することが出来る。
また、第二のオリフィス通路78の平衡室46への開口部の一部を構成する仕切部材42の下側凹所62には、拘束支持ハウジング80が配設されている。拘束支持ハウジング80は、略ハット形状の上支持板金具82と略円板形状の下支持板金具84を含んで構成されており、下支持板金具84の上に上支持板金具82が重ね合わされて、上支持板金具82の下側開口が下支持板金具84で覆蓋されることによって、内部に拘束配設領域86が形成された構造とされている。また、上下の支持板金具82,84には、拘束配設領域86の上下壁部を構成する各中央部分において、板厚方向に貫通する複数の連通孔88が形成されている。そして、上支持板金具82が下側凹所62の下底部64に嵌め込まれて、上下の支持板金具82,84が仕切部材42にボルト固定されることにより、拘束支持ハウジング80が仕切部材42に固定されている。なお、拘束支持ハウジング80における外周部分の周上の一箇所には、径方向外方に開口する切欠き90が形成されていると共に、該切欠き90が仕切部材42の下端面に開口する連通孔74に重ね合わされるように周方向で位置決めされていることによって、第一のオリフィス通路70の平衡室46への開口部が確保されるようになっている。
さらに、拘束支持ハウジング80の拘束配設領域86には、可動部材としての可動ゴム板92が収容配置されている。可動ゴム板92は、略円板形状を有していると共に、その肉厚寸法が拘束配設領域86の上下内法寸法よりも小さく、且つその外形寸法が拘束配設領域86の径方向内法寸法よりも小さくされている。それによって、可動ゴム板92は、拘束配設領域86で上下方向に変位可能とされているが、上下の支持板金具82,84に当接されることに基づいてその軸方向(厚さ方向)での変位量が所定量に制限されるようになっている。
すなわち、そのような組み付け状態下で、可動ゴム板92の上面が上支持板金具82に貫設された連通孔88を通じて第二のオリフィス通路78に露呈されている一方、可動ゴム板92の下面が下支持板金具84に貫設された連通孔88を通じて平衡室46に露呈されており、その結果、可動ゴム板92には、第二のオリフィス通路78を通じての受圧室44の内圧と平衡室46の内圧が上下面に及ぼされて、振動入力時に受圧室44と平衡室46の圧力差に基づいて軸方向の変位が生ぜしめられるのである。また、これらの説明からも明らかなように、可動ゴム板92が、第二のオリフィス通路78の平衡室46への開口部となる仕切部材42の下側凹所62に配設されていると共に、第二のオリフィス通路78の平衡室46側の開口部が、形式的には可動ゴム板92で覆蓋せしめられている。
特に本実施形態では、第二のオリフィス通路78がチューニングされたアイドリング振動等の中周波中振幅振動が入力された際に、可動ゴム板92の軸方向の変位に基づいて上下の支持板金具82, 84の各連通孔88を通じての流体流動が生ぜしめられることによって、第二のオリフィス通路78を通じての受圧室44と平衡室46の間での流体流動が実質的に制限されることなく許容されるようになっている。また、第一のオリフィス通路70がチューニングされたエンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、可動ゴム板92が上下の支持板金具82,84の何れか一方に当接されて連通孔88が可動ゴム板92で覆蓋せしめられた状態が保持されることによって、第二のオリフィス通路78を通じての受圧室44と平衡室46の間での流体流動が制限されるようになっている。
また、本実施形態では、可動ゴム板92の固有振動数が、上述のアイドリング振動等の中周波数域にチューニングされていることにより、該中周波数域の振動入力における可動ゴム板92の共振作用と相俟って、可動ゴム板92の軸方向変位が積極的に生ぜしめられることに基づいて、第二のオリフィス通路78の流体流動量が大きく確保されるようになっている。
また、このような構造とされたエンジンマウント10においては、自動車への装着状態下において、外部に露出されたポート部58に対して外部の空気管路94が接続されていると共に、この空気管路94を通じて空気室54が切換弁96に接続されている。この切換弁96は、例えば電磁バルブ等によって構成されており、空気室54を、大気中と、所定の負圧源98とに択一的に連通せしめるようになっている。そして、この切換弁96を、自動車の走行状態等に応じて適当に切換制御することにより、空気管路96から空気通路56を通じて空気室54の圧力が外部から調節されることとなり、以て、エンジンマウント10において各種条件下で入力される振動に対して有効な防振効果を得ることが可能となる。なお、負圧源98としては、例えば負圧ポンプの他、内燃機関の吸気系に生ぜしめられる負圧を利用することが可能であり、かかる負圧をアキュムレータ等に貯蔵して利用することも可能である。
ここにおいて、本実施形態のエンジンマウント10の概略構成をモデル的に表したものが、図6である。図6中の100は、切換弁96の切換作動制御装置であり、図中には示されていないが、自動車に備えられた各種センサ等から、自動車の速度やエンジン回転数、減速機選択位置、スロットル開度など、自動車の状態を表す各種情報のうち、必要なものが入力されるようになっており、かかる情報に基づいて、予め設定されたプログラムに従って、マイクロコンピュータのソフトウエア等により、切換弁96を切換作動させるようになっている。
具体的な作動態様の一つを示す。即ち、防振すべき振動として、(I)低周波大振幅振動であるエンジンシェイクと、(II)中周波中振幅振動であるアイドリング振動、(III
)高周波小振幅振動である走行こもり音の3種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(I)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、受圧室44に対して非常に大きな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して、可動ゴム板92の軸方向変位が拘束支持ハウジング80への当接によって制限されて、第二のオリフィス通路78の平衡室46への開口部が可動ゴム板92で覆蓋されることにより、受圧室44と平衡室46の間における第二のオリフィス通路78を通じての流体流動が遮断せしめられた状態とされることに加えて、当該低周波数域と異なるチューニング周波数域の設定に基づいて第二のオリフィス通路78を通じての流体流動が殆ど発生しないこととなる。
従って、低周波大振幅振動の入力に際しては、受圧室44と平衡室46の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第一のオリフィス通路70を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第一のオリフィス通路70を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、エンジンシェイクに対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
(II)アイドリング振動に対する防振効果
アイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、受圧室44に対してある程度の振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して、固有振動数が当該周波数域にチューニングされた可動ゴム板92の共振作用と相俟って、可動ゴム板92が軸方向に有効に変位されて、第二のオリフィス通路78を通じての流体流動作用が効率的に及ぼされる。また、中周波中振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路70は、反共振的な作用によって流体の流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
その結果、中周波中振幅振動の入力時に受圧室44と平衡室46の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第二のオリフィス通路78を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第二のオリフィス通路を78を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動に対して有効な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
また、特に本実施形態では、前述の(I)エンジンシェイク等の低周波振動や(II)アイドリング振動等の中周波振動の入力に際して、制御装置100により切換弁96を負圧源98に接続させて、静的な負圧を常時にまたは臨時に空気室54に及ぼすことによって、弾性ゴム板50を負圧吸引変形させたり、更に強く吸引して弾性ゴム板50を中央凹所48の底部に重ね合わせたり等している。従って、弾性ゴム板50の変形が拘束されて該ゴム板50に硬いばね剛性が発揮されることによって、受圧室44の圧力変動が有効に惹起されることに伴い受圧室44と平衡室46の相対的な圧力変動が有利に生ぜしめられるのであり、その結果、低周波振動入力時の第一のオリフィス70の流体流動量や中周波振動入力時の第二のオリフィス通路78の流体流動量が一層有利に確保され得て、エンジンシェイクやアイドリング振動等に対する受動的な防振効果が一層向上され得るのである。
(III )走行こもり音に対する防振効果
走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、受圧室44に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。そこにおいて、例えば、予め制御装置100により切換弁96を大気中に常時に接続させて、大気圧を空気室54に常時に導き入れることにより、弾性ゴム板50の弾性変形を許容せしめた状態とする。
これによって、高周波振動が入力された際に、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路70や第二のオリフィス通路78は、何れも、反共振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって実質的に閉塞状態となるが、受圧室44の圧力増大に伴う高動ばね化が弾性ゴム板50の変形により回避される。特に本実施形態では、弾性ゴム板50の固有振動数が高周波数域にチューニングされていることにより、かかる高周波数域の振動入力における弾性ゴム板50の共振作用と相俟って、弾性ゴム板50の弾性変形が積極的に生ぜしめられることから、弾性ゴム板50の弾性変形に基づく受圧室44の容積変化によって受圧室44において有効な圧力変動の吸収機能が発揮される。従って、オリフィス通路70,78の実質的な閉塞化による受圧室44の圧力増大に伴う高動ばね化が回避されて、走行こもり音等の高周波振動においても良好な防振性能が発揮され得る。なお、このことからも明らかなように、本実施形態では、空気室54の圧力を外部から静的に制御する静的な空気圧調節手段が、切換弁96や制御装置100を含んで構成されている。
また、本実施形態では、上述の作動形態に限定されるものでなく、例えば点火パルス等の防振すべき振動に対応した位相を有する制御用振動を用いて制御装置100により切換弁96の制御信号を生成し、切換弁96を高速で切換作動させて、空気室54を大気中と負圧源98とに交互に切換接続すること等によって、空気室54に外部から動的な空気圧変動を及ぼすようにしても良い。ここにおいて、かかる空気圧変動として、防振を目的とする振動に対応した周波数と位相を採用して、防振すべき振動に対応する負圧変動を空気室54に及ぼし、この空気室54の圧力変動で弾性ゴム板50を積極的乃至は能動的に弾性変形させて加振変形させる。
これにより、受圧室44の圧力を積極的乃至は能動的に制御することが可能となり、入力振動による受圧室44の圧力変動を相殺的に抑えること等により、所謂ばねゼロ制御等を実現することも可能となる。なお、かかる作動形態にあって、動的な空気圧調節手段が切換弁96や制御装置100を含んで構成されている。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、自動車の状態に応じて切換弁96を切換制御することにより、低周波大振幅振動と、中周波中振幅振動と、高周波小振幅振動との、何れに対しても、優れた防振効果を得ることが可能となるのである。
そこにおいて、本実施形態では、弾性ゴム板50や可動ゴム板92が仕切部材42の中央部分で軸方向に相互に重なり合うように配設されていると共に、それら両板50,52を取り巻くようにして第一のオリフィス通路70が仕切部材42の外周部分に形成されていることによって、図6にも示されているように、機能的に見れば並列配置される弾性ゴム板50や可動ゴム板92、第一のオリフィス通路70等が、優れたスペース効率をもって配設される。
すなわち、本実施形態に係るエンジンマウント10においては、弾性ゴム板50や可動ゴム板92の有効面積が効率的に確保されることに伴い、弾性ゴム板50や可動ゴム板92における軸方向の変形量乃至は変位量が効率的に確保されることによって、両板50,92の変形乃至は変位に基づく防振効果が有効に発揮され、しかも各種の振動に対応した防振装置がコンパクトな形態をもって実現される点に、大きな技術的特徴を有するのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、可動部材が、変位量が制限される可動ゴム板92によって構成されており、この可動ゴム板92が、制限ストローク範囲で実質的にフリーに板圧方向で変位許容されていたが、かかる可動ゴム板92に代えて、部分的に固定的に保持されたゴム弾性膜の弾性変形に基づいて、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限することも可能である。
また、第一及び第二のオリフィス通路70,78や弾性ゴム板50の形状や大きさ、チューニング周波数、配設位置等は、何等限定されるものでない。具体的には、例えば、前記実施形態では、第一のオリフィス通路70と第二のオリフィス通路78が、ぞれぞれ、独立して形成されていたが、何れか一方のオリフィス通路を分岐させて、分岐した通路の一つを他方のオリフィス通路として構成することにより、第一のオリフィス通路の一部と第二のオリフィス通路の一部を共有化せしめた構造とされても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、その他、本発明は、特に複数の乃至は広い周波数域に亘る振動に対して防振効果が要求される各種振動部材における防振装置に対して、何れも、有効に適用され得る。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図である。 図1におけるII−II断面図である。 図1における自動車用エンジンマウントの一部を構成する仕切部材を示す平面説明図である。 図3における仕切部材を示す左側面説明図である。 図3における仕切部材を示す右側面説明図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントにおける機能的構成をモデル的に示す縦断面説明図である。
符号の説明
10 自動車用エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
32 ダイヤフラム
42 仕切部材
44 受圧室
46 平衡室
50 弾性ゴム板
54 空気室
56 空気通路
62 下側凹所
70 第一のオリフィス通路
78 第二のオリフィス通路
92 可動ゴム板

Claims (3)

  1. 車両のパワーユニット側と車両ボデー側の一方に取り付けられる第一の取付部材と、
    該第一の取付部材に対して離隔配置されて、前記車両のパワーユニット側と車両ボデー側の他方に取り付けられる第二の取付部材と、
    それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、
    該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、
    可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、
    前記第二の取付部材で固定的に支持されて、前記受圧室と前記平衡室を相互に仕切る仕切部材と、
    該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成されて前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめると共に低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、
    前記仕切部材における前記受圧室に面する側の略中央部分に配設されると共に、該受圧室に対して高周波数域での圧力吸収作用が発揮されるようにチューニングされた作用ゴム弾性板と、
    該作用ゴム弾性板を挟んで前記受圧室と反対側に形成されて、該作用ゴム弾性板の弾性変形を許容する作用空気室と、
    該作用空気室に接続されて、該作用空気室の圧力を外部から制御するための空気圧通路と、
    前記仕切部材において前記受圧室と前記平衡室を連通するようにして設けられて、該受圧室への開口部が該仕切部材の外周部分に形成されると共に該平衡室への開口部分が該仕切部材の略中央部分に形成される一方、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、
    前記第二のオリフィス通路の平衡室側への開口部分において前記作用空気室を挟んで前記作用ゴム弾性体と対向位置せしめられるように配設されて、変位量が制限されることにより該第二のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限せしめて、前記第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動入力時には該第二のオリフィス通路を通じての流体流動を遮断すると共に、該第二のオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動入力時には該第二のオリフィス通路を通じての流体流動を許容する可動部材と
    を、有することを特徴とする車両用流体封入式エンジンマウント。
  2. 車両のアイドリング状態下では、前記空気圧通路を通じて前記作用空気室に対して静的な負圧を及ぼして前記作用ゴム弾性板を該作用空気室側に負圧吸引せしめる一方、車両の走行状態下では、該空気圧通路を通じて前記作用空気室を大気中に解放する静的な空気圧調節手段を設けて、該作用空気室の圧力を外部から静的に制御するようにした請求項1に記載の車両用流体封入式エンジンマウント。
  3. 防振を目的とする振動の周波数に対応する周期で変動する動的な空気圧変動を、前記空気圧通路を通じて前記作用空気室に及ぼして、該作用空気室の圧力を外部から動的に制御することにより、前記作用ゴム弾性板に対して動的な空気圧加振力を作用せしめる動的な空気圧調節手段を採用した請求項1に記載の車両用流体封入式エンジンマウント。
JP2004101422A 2004-03-30 2004-03-30 車両用流体封入式エンジンマウント Expired - Fee Related JP4210851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004101422A JP4210851B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 車両用流体封入式エンジンマウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004101422A JP4210851B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 車両用流体封入式エンジンマウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005282823A JP2005282823A (ja) 2005-10-13
JP4210851B2 true JP4210851B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=35181431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004101422A Expired - Fee Related JP4210851B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 車両用流体封入式エンジンマウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4210851B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100828497B1 (ko) 2006-10-11 2008-05-13 현대자동차주식회사 왕복 가진이 가능한 공압식 액티브 마운트
JP6384986B2 (ja) * 2014-04-24 2018-09-05 株式会社ブリヂストン 防振装置
KR20200142181A (ko) * 2019-06-12 2020-12-22 현대자동차주식회사 유체 봉입형 엔진 마운트

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005282823A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2843088B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP4381333B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4330437B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH04277338A (ja) 流体封入式マウント装置
JP5977141B2 (ja) 流体封入式防振装置
US20080054152A1 (en) Series-type engine mount and method of manufacturing series-type engine mount
JP4075054B2 (ja) 車両用流体封入式エンジンマウント
JP3715230B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP5325602B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2009243510A (ja) 自動車用の流体封入式エンジンマウント
JP3738717B2 (ja) 空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置
JP4921341B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4158110B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP2004069005A (ja) 流体封入式防振装置
JP4210851B2 (ja) 車両用流体封入式エンジンマウント
JP2008121811A (ja) 流体封入式防振装置
JP4158108B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP4269952B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2884804B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP4158111B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP3721913B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4623428B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3407616B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3994397B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0389044A (ja) 流体封入式防振マウント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081001

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081014

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4210851

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees