JP3738717B2 - 空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置 - Google Patents

空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、非圧縮性流体が封入されて振動が入力される主液室の圧力を制御することにより、振動を相殺的乃至は積極的に低減せしめ得る能動型の流体封入式防振体に係り、特に、主液室の圧力制御を外部から及ぼされる空気圧を利用して行うようにした空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置に関するものであって、例えば自動車の能動型マウントや能動型制振器(加振器)などに有利に適用され得るものである。
【0002】
【技術分野】
自動車のボデーや各種部材等のように振動(振動に起因する騒音等を含む)が問題とされる防振対象部材においては、その振動を低減するために、従来から、振動部材と防振対象部材の間に介装されて振動部材から防振対象部材への振動伝達を低減するエンジンマウント等の防振連結体や、防振対象部材に取り付けられて防振対象部材自体の振動を低減せしめる制振器などといった防振体が、用いられている。
【0003】
そして、このような防振体の一種として、本願出願人は、先に、特開平10−184769号公報等において、振動が入力される本体ゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、該主液室に対して該可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室を備えており、該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該主液室に圧力変動が生ぜしめられると共に、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすことにより該可動部材を介して該主液室の圧力変動が能動的に制御されるようにした空気圧式能動型防振体を、提案した。かかる能動型防振体では、防振すべき振動に対応した空気圧変化を作用空気室に及ぼして、主液室の圧力変動を制御することにより、装着される防振対象部材に対して相殺的乃至は積極的な防振効果を得ることが出来るのである。
【0004】
ところで、かかる能動型防振体では、一般に、作用空気室に空気圧変化を及ぼすために、例えば、内燃機関のエアインテーク側負圧等の負圧源と大気を圧力源として採用し、電磁切換バルブによって、それら負圧源と大気中に対して作用空気室を、防振すべき振動に対応した周期で交互に切り換えて接続するようになっている。ところが、このような手法によると、作用空気室に生ずる圧力変化が防振すべき振動の振幅波形に対して合致せずに、作用空気室に高調波成分が発生し、これが主液室の圧力変動に及ぼされて防振性能が低下してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、このような問題に鑑み、本願出願人は、先に、特開平11−82611号公報において、作用空気室に空気圧変化を及ぼすためのエア給排路上に高調波成分である空気圧変動を低減せしめ得る共鳴管等を配設せしめた、改良された構造の空気圧式能動型防振体を、明らかにした。
【0006】
ところが、その後、本発明者が更なる研究を行い、検討を加えたところ、かかる先の出願で提案した共鳴管等を備えた能動型防振体においては、エア給排路上に共鳴管等を設置する際に、分岐管等を用いてエア給排路を分岐させたり、電磁切換バルブに対して共鳴管等を接続するための分岐ポートを特別に形成する必要があることから、能動型防振体に空気圧変化を及ぼすための外部のエア給排路の配管作業性が悪化すると共に、空気配管路上に特別なスペースを新たに設定する必要があり、防振体だけの設計変更で対応することが難しいという問題があった。
【0007】
また、エア給排路上に共鳴管等を設置しても、かかるエア給排路における共鳴管等の設置箇所から作用空気室に至る部分で、エア給排路の屈曲や狭窄等に起因して、伝達される空気圧変動に新たな高調波成分が発生するおそれがあり、そのような高調波成分への対処が困難であるという問題もあり、未だ、改良の余地を有していたのである。
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、空気配管への特別な加工を必要とすることなく、簡単な構造をもって、作用空気室における空気圧変動の高調波成分をより効果的に低減せしめて目的とする能動的な防振効果を一層安定して得ることの出来る、改良された空気圧式能動型防振体とそれを用いた防振装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0010】
本発明の第一の態様は、振動が入力される本体ゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、該主液室に対して該可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室を備えており、該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該主液室に圧力変動が生ぜしめられると共に、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすことにより該可動部材を介して該主液室の圧力変動が能動的に制御されるようにした空気圧式能動型防振体において、前記作用空気室から直接に延び出すと共に、先端部が閉塞された空気溜を形成し、且つ、該作用空気室の壁部において、該空気溜を形成する外部閉塞管体を接続せしめた管体接続口と、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすための外部空気通路が接続される通路接続口を形成したことを、特徴とする。
【0011】
このような本態様に係る空気圧式能動型防振体においては、防振体の作用空気室から直接に延び出して空気溜を形成したことから、作用空気室に空気圧変動を及ぼす外部の空気圧管路に対して特別な変更を加える必要がないのであり、外部の空気圧管路の設計変更や配設スペースの増大等を必要とすることなく、かかる空気溜における共鳴作用によって、作用空気室における空気圧変動の高調波成分を低減することが可能となる。
【0012】
しかも、本態様に係る空気圧式能動型防振体においては、空気溜が作用空気室に対して直接に開口せしめられていることから、従来の外部の空気圧管路上に共鳴管等を配設した構造に比して、作用空気室における空気圧変動の高調波成分を一層効率良く低減することが可能となるのである。
【0013】
また、このような本態様においては、外部閉塞管体を利用することによって長尺の空気溜を容易に形成することが出来ると共に、例えば外部閉塞管体だけを交換することによって空気溜の有効長さを容易に調節することが可能となる。なお、本態様においては、作用空気室の壁部の一部に開口して、該作用空気室よりも小さな容積のポケットを形成し、このポケットに対して、上記管体接続口と通路接続口をそれぞれ開口連通せしめた構成も、好適に採用され得、それによって、外部空気通路を通じて作用空気室に及ぼされる空気圧変動の高調波成分を、作用空気室の全体に伝播する前に、かかるポケット内において、空気溜の共鳴作用によって一層効率的に低減せしめることが可能となる。
【0014】
更にまた、本発明の第の態様は、前記第一の態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記可動部材が、弾性に基づく一定形状への復元力を有するようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、可動部材が例えばゴム弾性体からなる所定厚さの板状部材によって構成されることとなり、主液室の流体密性を確保しつつ可動部材を配設することが容易とすると共に、作用空気室に対して負圧と大気圧を交互に及ぼすこと等により、可動部材を容易に加振変位させることが可能となる。
【0015】
また、本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記主液室を、前記本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成された受圧室と、前記可動部材によって壁部の一部が構成された加振室を含んで構成すると共に、それら受圧室と加振室を相互に連通するオリフィス通路を設けたことを特徴とする。このような本態様においては、作用空気室の空気圧変動に基づく可動部材の加振によって加振室に生ぜしめられる圧力変動を、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用を利用して受圧室に伝達することにより、受圧室の圧力変動をより効率的に制御することが可能となる。
【0016】
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記本ゴム弾性体によって第一の取付部材と第二の取付部材を相互に弾性的に連結せしめて、該第一の取付部材を振動部材に取り付けると共に、該第二の取付部材を防振対象部材に取り付けることにより、それら振動部材と防振対象部材の間に介装されて、該防振対象部材を該振動部材に対して防振連結せしめるようにしたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた空気圧式能動型防振体によれば、例えば、自動車における防振体であるエンジンマウントやデフマウント,ボデーマウント,サスペンションマウント,サスペンションブッシュ等が有利に実現可能となる。
【0017】
また、本発明の第の態様は、振動が入力される本体ゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、該主液室に対して該可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室を備えており、該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該主液室に圧力変動が生ぜしめられると共に、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすことにより該可動部材を介して該主液室の圧力変動が能動的に制御されるようにした空気圧式能動型防振体において、前記作用空気室から直接に延び出すと共に、先端部が閉塞された空気溜を形成し、且つ、前記本板ゴム弾性体によって前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を相互に弾性的に連結せしめて、該第一の取付部材を前記振動部材に取り付けると共に、該第二の取付部材を前記防振対象部材に取り付けることにより、それら振動部材と防振対象部材の間に介装されて、該防振対象部材を該振動部材に対して防振連結せしめるようにし、更に、該本体ゴム弾性体を略円錐台形状として、該本体ゴム弾性体の小径側端部に第一の取付部材を固着する一方、第二の取付部材に筒状部を設けて、該筒状部の一方の開口部を該本体ゴム弾性体の大径側端部外周面に固着して流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を変形容易な可撓性膜で閉塞せしめ、更に該筒状部内で軸直角方向に拡がる仕切部材を該筒状部に固設して、該仕切部材を挟んで一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される前記主液室を形成すると共に、他方の側に可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された容積可変の副液室を形成して、それら主液室と副液室を相互に連通する流体流路を形成する一方、該仕切部材において前記主液室側に向かって開口する凹所を設けると共に、該凹所を前記可動部材で覆蓋することにより、該可動部材の背後に作用空気室を形成し、更に該仕切部材の凹所の内面において、該作用空気室に外部から圧力変化を及ぼすための空気通路と空気溜をそれぞれ開口せしめたことを、特徴とする。このような本態様に従えば、本体ゴム弾性体と可動部材によって壁部の一部が構成された主液室と、可動部材によって壁部の一部が構成された作用空気室を、簡単な構造で容易に形成することが出来ると共に、振動入力時に主液室と副液室の圧力差に基づいて流体流路を流動せしめられる流体の共振作用を利用することにより、特定周波数域の振動に対して受動的な防振効果を得ることも可能となる。
【0018】
また、本発明の第の態様は、かかる第の態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記仕切部材の外周面に凹溝を形成すると共に、該凹溝を前記第二の取付部材の前記筒状部で覆蓋することにより、前記空気溜の少なくとも一部を形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、防振体を構成する筒状部の内部に空気溜の少なくとも一部を形成することが可能となり、防振体の大型化や配設スペースの増大を抑えしつつ、空気溜を形成することが出来る。
【0019】
また、本発明の第の態様は、かかる第の態様に係る空気圧式能動型防振体であって、前記仕切部材の外周面において、前記凹溝から独立して流路用溝を形成し、該流路用溝を前記第二の取付部材の前記筒状部で覆蓋することにより、前記流体流路を形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、空気溜と共に、流体流路も、防振体の筒状部の内部に優れたスペース効率で形成することが可能となる。
【0020】
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記本体ゴム弾性体によって支持部材とマス部材を相互に弾性的に連結せしめると共に、該支持部材を防振対象部材に取り付けて、該マス部材を該本体ゴム弾性体を介して該防振対象部材に弾性支持せしめるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、本体ゴム弾性体をバネとし、マス部材をマスとして一つの振動系が構成されることとなり、作用空気室に圧力変動を及ぼすことによってこの振動系が加振されることから、かかる振動系の共振作用等を巧く利用して、防振対象部材に対して、防振すべき振動に対応した加振力を及ぼしめて相殺的乃至は積極的な防振効果を得ることの出来る能動型の制振器が有利に実現可能となる。
【0021】
また、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に係る空気圧式能動型防振体において、前記空気溜の前記作用空気室への連通を遮断し得る開閉手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、作用空気室を空気圧加振しない状態下や、作用空気室の空気圧変動における高調波成分が問題とならない状態下など、防振対象部材の振動状態や防振目的状態等に応じて、空気溜を実質的に消失させることが出来るのであり、それによって、各種の状況に応じて、空気溜を形成することによる作用空気室の容積の増大を回避せしめて、主液室の圧力変動に伴う可動部材の受動的な変位を抑えたり、或いは作用空気室の空気圧制御のレスポンスを向上させたりすることが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動型防振体を用い、該空気圧式能動型防振体における前記作用空気室に対して、外部から圧力変化を及ぼすための外部空気通路を接続せしめて、該外部空気通路上に配設せしめた切換弁を介して、該作用空気室を互いに異なる圧力を有する二つの空気圧源に交互に繰り返し連通せしめることにより、該作用空気室に圧力変動が生ぜしめられるようにした防振装置を、特徴とする。このような本態様においては、外部空気通路に対して分岐管路を形成する等の特別な変更を加えることなく、また、外部空気通路の配設スペースの増大を伴うこともなく、作用空気室に及ぼされる空気圧変動の高調波成分を軽減乃至は解消せしめる空気溜を有利に実現することが出来るのであり、それ故、既存の防振装置に対して容易に本発明を適用して、防振効果の向上効果を享受することが可能となるのである。
【0023】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0024】
先ず、図1〜2には、本発明に従う構造とされた空気圧式能動型防振体の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10によって構成された防振装置が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16によって連結されている。そして、第一の取付金具12が振動部材としての自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が防振対象部材としての自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図中の上下方向をいうものとする。
【0025】
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形のブロック形状を有していると共に、大径側端面から軸方向上方に向かって突出する螺着部13が一体形成されており、この螺着部13に設けられたねじ穴によって、第一の取付金具12が、図示しない自動車のパワーユニットに固定的に取り付けられるようになっている。また、第一の取付金具12の大径側端部外周面には、径方向外方に向かって突出する鍔状のストッパ部22が一体形成されている。
【0026】
また、第一の取付金具12には、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。かかる本体ゴム弾性体16は、下方に向かって拡径する全体として大径の略円錐台形状を呈していると共に、大径側端面に開口する大径の逆すり鉢状凹部18を有しており、その小径側端面から第一の取付金具12が軸方向下方に差し込まれた状態で同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、大径円筒形状の金属スリーブ20が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と金属スリーブ20を有する一体加硫成形品として形成されている。また、第一の取付金具12のストッパ部22には、軸方向上方に向かって突出する緩衝ゴム23が、本体ゴム弾性体16と一体成形されている。
【0027】
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部24を挟んで、軸方向上部が大径部26とされていると共に、軸方向下部が小径部28とされている。また、これら大径部26および小径部28の内周面には、略全面を覆う薄肉のシールゴム層30が設けられて加硫接着されていると共に、小径部28側の開口部には、略薄肉の円板形状を有する薄肉ゴム膜からなるダイヤフラム32が配設されており、このダイヤフラム32の外周縁部が第二の取付金具14の開口周縁部に加硫接着されることによって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。なお、本実施形態では、ダイヤフラム32が、シールゴム層30と一体成形されており、かかるダイヤフラム32によって可撓性膜が構成されている。
【0028】
そして、第二の取付金具14は、その大径部26が金属スリーブ20に外挿されて、圧入や絞り加工等で嵌着固定されることによって、本体ゴム弾性体16の外周面に固着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、防振すべき振動の主たる入力方向となる略同一の中心軸上に位置するようにして、相互に離間して配設されており、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、第二の取付金具14の大径部26が本体ゴム弾性体16に固着されることにより、第二の取付金具14の上側開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
【0029】
さらに、第二の取付金具14には、軸方向上側からストッパ筒金具37が被せられて第二の取付金具14の大径部26に外嵌固定されている。このストッパ筒金具37は、軸方向中間部分に形成された段差部40を挟んだ軸方向上下に小径部41と大径部43を有していると共に、軸方向上端部において径方向内方に突出する円環板状の当接板部45が一体形成されており、この当接板部45が、第一の取付金具12のストッパ部22に対して軸方向上方に離隔して対向位置せしめられている。そして、大きな振動荷重が入力された際、ストッパ部22が緩衝ゴム23を介して当接板部45に当接することにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14のリバウンド方向(軸方向離隔方向)での相対変位量が制限されるようになっている。また、ストッパ筒金具37の大径部43の外周面には、下方に向かって延び出すブラケット39が溶着されており、このブラケット39の延出先端部分において略直角に屈曲して一体形成された取付座部38により、ブラケット39ひいては第二の取付金具14が、図示しない自動車のボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0030】
また、第二の取付金具14には、軸方向中間部分に位置して仕切部材34が収容配置されており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間の中間部分に配設されている。この仕切部材34は、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されて、円筒状外周面の略厚肉円板状のブロック形状を有しており、第二の取付金具14の小径部28に嵌め込まれて、該小径部28への圧入組付けや、該小径部28の絞り加工等によって、その円筒状外周面が、小径部28に対して、シールゴム層30を挟んで流体密に密着固定されている。このように仕切部材34が第二の取付金具14内に組み付けられることによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の間に形成された、外部空間に対し密閉された領域が、該仕切部材34によって流体密に二分されており、以て、仕切部材34の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された主液室50が形成されている一方、仕切部材34の下側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて、該ダイヤフラム32の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室52が形成されている。
【0031】
そして、これら主液室50と平衡室52には、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が充填されて封入されている。特に、本実施形態では、後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が好適に採用される。また、非圧縮性流体の注入は、例えば、第一の取付金具12や金属スリーブ20を備えた本体ゴム弾性体16を、ダイヤフラム32等が加硫接着されると共に仕切部材34が組み付けられた第二の取付金具14に対して、かかる非圧縮性流体中で組み付けること等によって、有利に為され得る。
【0032】
また、仕切部材34には、上面中央に開口する略すり鉢状の中央凹所54が形成されていると共に、該中央凹所54の開口周縁部には、仕切部材34の上方に向かって突出する環状の係止突部56が一体形成されている。そして、可動部材としての所定厚さの円板形状を有する可動ゴム弾性板58が、中央凹所54の開口部に重ね合わされており、可動ゴム弾性板58の外周面に加硫接着された円筒形状の係止金具60が、その下端開口部において仕切部材34の係止突部56に外嵌されて、該係止突部56に対して流体密にかしめ固定されている。これにより、中央凹所54の開口部が可動ゴム弾性板58によって流体密に覆蓋されており、以て、主液室50や平衡室52から独立した作用空気室62が形成されている。そして、この作用空気室62には、後述するように、外部の空気圧源から空気圧変動が及ぼされるようになっており、作用空気室62の空気圧変動に基づいて可動ゴム弾性板58に加振力が作用せしめられるようになっている。
【0033】
さらに、本体ゴム弾性体16と仕切部材34の対向面間に形成された主液室50には、金属や合成樹脂等の硬質材で形成された略円板形状の隔壁板68が収容されて、第二の取付金具14の軸直角方向に広がる状態で配設されており、該隔壁板68の外周縁部が、第二の取付金具14の段差部24と本体ゴム弾性体16の軸方向端面の間で挟圧保持されることによって、第二の取付金具14に固定されている。これにより、主液室50が、隔壁板68を挟んで、本体ゴム弾性体16側と仕切部材34側とに流体密に仕切られている。そして、本体ゴム弾性体16と隔壁板68の間には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴う圧力変化が生ぜしめられる受圧室70が形成されている一方、隔壁板68と仕切部材34の間には、壁部の一部が可動ゴム弾性板58で構成されて、該可動ゴム弾性板58が作用空気室62の空気圧変動に基づいて加振されることにより圧力変動が直接に生ぜしめられる加振室72が形成されている。
【0034】
また、隔壁板68の下面には、金属や合成樹脂等の硬質材で形成された略円板形状のオリフィス部材74が重ね合わされて、外周縁部を隔壁板68と共に、第二の取付金具14の段差部24と本体ゴム弾性体16の軸方向端面の間で挟圧保持されることによって、第二の取付金具14に固定されている。このオリフィス部材74の外周部分には、上面に開口して周方向に延びる環状の周溝75が設けられており、該周溝75が隔壁板68で覆蓋されることによって周方向に延びるオリフィス通路76が形成されていると共に、このオリフィス通路76が、連通孔78,80を通じて受圧室70と加振室72に接続されており、以て、それら受圧室70と加振室72の間で、振動入力時に生ぜしめられる圧力差に基づく、オリフィス通路76を通じての流体流動が許容されるようになっている。なお、周溝75の内周壁部は、可動ゴム弾性板58に加硫接着された係止金具60に対して密着状態で外嵌固定されており、それによって、加振室72が、実質的に、可動ゴム弾性板58とオリフィス部材74の間に画成されている。
【0035】
更にまた、図3〜7にも示されているように、仕切部材34の外周部分には、軸方向上端縁部に沿って周方向に略半周の長さで延びる流路用溝としての第一の周溝82が、外周面に開口して形成されており、この第一の周溝82が第二の取付金具14の小径部28で覆蓋されることによって流体流路84が形成されている。そして、この流体流路84は、一方の端部が、仕切部材34の外周面上に形成された切欠状の上向連通路86と、オリフィス部材74に貫設された連通孔88を通じて、オリフィス通路76を介して受圧室70に連通せしめられている。また、流体流路84の他方の端部は、仕切部材34の外周面上に形成された切欠状の下向連通路90を通じて平衡室52に連通せしめられている。これにより、受圧室70と平衡室52が流体流路84で相互に連通されており、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて受圧室70に圧力変動が生ぜしめられた際に、受圧室70と平衡室52の間での相対的な圧力差に基づいて流体流路84を通じての流体流動が生ぜしめられるようになっている。そして、本実施形態では、かかる流体流路84を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて受動的な防振効果が発揮されるようになっている。
【0036】
なお、本実施形態においては、流体流路84よりもオリフィス通路76の方が高周波数域にチューニングされており、例えば、流体流路84を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果(振動減衰効果)が発揮されるように通路長さや断面積が設定されている。一方、加振室72と受圧室70を連通するオリフィス通路76は、その内部を流動せしめられる流体の共振作用が、アイドリング振動やこもり音等の高周波小振幅振動に対応する振動周波数域で発揮されるようになっており、かかる共振作用に基づいて、後述の如く作用空気室62の空気圧変動による可動ゴム弾性板58の加振駆動によって加振室72に生ぜしめられる圧力変動が、受圧室70に対して効率的に及ぼされて、受圧室70の圧力制御に基づく能動的な防振効果が有効に発揮されるように、オリフィス通路76の通路長さや断面積が設定されている。
【0037】
さらに、仕切部材34には、中央凹所54の底部近くの周壁内面に開口して下方に向かって延びる略方形状のポケット92が形成されていると共に、このポケット92の周壁部には、通路接続口としての第一のポート94と、管体接続口としての第二のポート96が、それぞれ軸直角方向外方に向かって外方に突設されており、これら第一及び第二のポート94,96が、それぞれポケット92の底部近くの内周面に開口せしめられている。
【0038】
そして、図2に示されているように、第一のポート94の先端開口部には、外部空気通路としての外部空気管体98が接続されており、仕切部材34から軸直角方向外方に延び出し、第二の取付金具14の小径部28に開口形成された窓部99を通じて外部に突出せしめられている。また、この外部空気管体98は、三ポート式の電磁切換弁100を介して、それぞれ空気圧源としての負圧源102と大気中に対して択一的に接続されており、電磁切換弁100が図示しないコントローラからの駆動振動に基づいて切換作動せしめられることにより、第一のポート94が、負圧源102と大気中とに交互に切換接続されるようになっている。なお、負圧源は、例えば内燃機関のエアインテークや真空ポンプ等が、直接に或いはパキュームタンク等を介して接続されることによって構成される。また、電磁切換弁100の制御用のコントローラは、防振すべき振動に対応した周期と位相で電磁切換弁100を切換制御するものであれば良く、例えば、内燃機関の点火信号を参照信号とすると共に、防振対象となるボデーの振動をエラー信号として、電磁切換弁100の切換作動をフィードバック制御する制御装置や、内燃機関の点火信号の他に変速機の状態やアクセル開度、速度等の検出信号に基づいて、電磁切換弁100の切換作動を、予め求めたマップ情報に基づいてフィードフォワード制御する制御装置などが好適に採用される。
【0039】
このようにして、電磁切換弁100が切換制御されることにより、防振すべき振動に対応した周期と位相の空気圧変動が、外部空気管体98から第一のポート94を通じて、ポケット92から作用空気室62に及ぼされることとなり、作用空気室62の空気圧変動に基づいて可動ゴム弾性板58が加振駆動されて、加振室72に圧力変動が生ぜしめられるようになっている。
【0040】
また一方、第二のポート96の先端開口部には、外部閉塞管体104が接続されており、上記外部空気管体98と同様に、仕切部材34から軸直角方向外方に延び出し、第二の取付金具14の小径部28に開口形成された窓部99を通じて外部に突出せしめられている。この外部空気管体104は、外部空気管体104から第一のポート94を通じて作用空気室62に及ぼされる空気圧変動のうち、防振すべき振動に対応しない高調波成分(本明細書において、「高調波成分」は、狭義の高調波以外の副次的な周波数成分を含む)に対して共鳴作用に基づく低減効果を発揮し得るように、低減すべき高調波成分の波長に対応した管長をもって形成されており、外部閉塞管体104の先端部分は蓋体106によって気密に閉塞されている。なお、前述の外部空気管体98と外部閉塞管体104としては、何れも、内部を伝播される空気圧変動によって変形等が生ぜしめられない程度の剛性を有する合成樹脂製や金属製の管体が好適に採用され得る。
【0041】
このような構造とされたエンジンマウント10においては、外部空気管体98を通じて、防振すべき振動に対応した空気圧変動が作用空気室62に及ぼされて可動ゴム弾性板58が加振駆動されることにより、加振室72を通じて受圧室70の圧力制御が実現されて前述の如き能動的な防振効果が発揮されることとなるが、そこにおいて、外部空気管体98から作用空気室62に及ぼされた空気圧変動は、外部閉塞管体104によって形成された空気溜としての共鳴空間108にも及ぼされることとなり、この共鳴空間108内での共鳴作用によって、作用空気室62における特定周波数域(高調波成分)の空気圧変動が低減されることとなる。それ故、作用空気室62には、防振すべき振動に対して高度に対応した空気圧変動が生ぜしめられることとなり、上述の如き受圧室70の圧力制御に基づく能動的な防振効果が一層効果的に発揮され得るのである。
【0042】
そこにおいて、特に上述の如きエンジンマウント10では、作用空気室62において共鳴作用による高調波成分の低減効果を発揮し得る外部閉塞管体104が、防振体としてのエンジンマウント10に対して直接に組み付けられて共鳴空間108が形成されるようになっていることから、外部空気管体98の管路の構造や配設用スペースに変更を加えることなく、共鳴空間108を形成することが出来るのであり、共鳴空間108を持たない従来型の空気圧式能動型防振装置に対して、共鳴空間108を容易に形成して防振性能の向上を図ることが可能となる。
【0043】
なお、外部閉塞管体104がエンジンマウント10から直接に突出形成されていることから、外部閉塞管体104が長尺となる場合には、例えば、エンジンマウント10の配設のために準備されたスペースを利用して、エンジンマウント10の外周面に巻き付けること等によって、外部閉塞管体104の配設スペースを確保することも可能である。
【0044】
しかも、共鳴空間108が、作用空気室62に対して直接に開口せしめられており、作用空気室62に発生した高調波成分を直接に低減せしめ得るように作用することから、例えば外部空間管体98上に共鳴空間を分岐形成する場合に比して、作用空気室62の高調波成分を一層効果的に且つ安定して低減することが可能となる。
【0045】
加えて、本実施形態では、作用空気室62の一部に形成されたポケット92に対して、外部空気管体98と外部閉塞管体104の両方が開口せしめられており、外部空気管体98を通じて及ぼされる空気圧変動が作用空気室62に伝播する前に、かかるポケット92内において、かかる空気圧変動に対する共鳴空間108による高調波成分の低減効果が発揮されるようになっていることから、可動ゴム弾性板58に対する高調波成分の作用が一層効果的に低減され得るのである。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0047】
例えば、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、本発明は、ボデーマウントやサスペンションブッシュ、或いは自動車以外の各種装置における防振連結体や防振支持体等に対して採用可能であることは言うまでもない。
【0048】
また、防振対象部材に対して装着されることによって防振効果を発揮する能動的制振器に対しても、本発明は同様に適用可能である。なお、そのような能動的制振器は、例えば、前記実施形態において、第一の取付金具12を、自動車ボデー等の防振対象部材に対して固定する一方、第二の取付金具14を自由変位可能として、本体ゴム弾性体16をバネ系とし、該第二の取付金具14をマス系とする一振動系を構成せしめることによって、実現可能である。
【0049】
さらに、作用空気室62にポケット92を形成することなく、外部閉塞管体104を作用空気室62に対して直接に開口連通せしめることも、勿論、可能であり、また、作用空気室62において、外部閉塞管体104を、外部空気管体98から離れた位置に開口連通せしめるようにしても良い。
【0050】
また、前記実施形態では、作用空気室62に開口して形成された第二のポート96に対して直接に外部閉塞管体104が接続されており、該外部閉塞管体104が第二の取付金具14から外方に突出位置せしめられることにより、共鳴空間108の略全体が第二の取付金具14から外部に突出した領域に形成されていたが、かかる共鳴空間を第二の取付金具14の内部に形成することにより、エンジンマウント10の本体内部に形成することも可能である。その具体的な構成例として、図8〜10において、前記実施形態のエンジンマウント10において採用される仕切部材の別の構造例が示されている。この仕切部材110には、軸方向下側の略半周に亘る部分で周方向に一回半の長さで屈曲して折り返し連続的に延びる凹溝としての第二の周溝112が葛折れ状に形成されている。なお、この第二の周溝112は、仕切部材110に形成された上下連通路86,90や第一の周溝82,第一のポート94の形成された位置を避けて、それらが形成されていない位置に独立して形成されている。また、第二の周溝112の一方の端部が、第二のポート96に接続されており、第二のポート96からポケット92を通じて作用空気室62に連通されるようになっていると共に、第二の周溝112の他方の端部は閉塞端部とされている。そして、かかる第二の周溝112は、第一の実施形態と同様に仕切部材34が第二の取付金具14に組み付けられることにより、第二の取付金具14の小径部28で流体密に覆蓋されることとなり、それによって、作用空気室62から第二のポート96を通じて延び出して、小径部28の内周面に沿って所定長さで延びる形態の共鳴空間が形成され得るのである。なお、仕切部材110の平面図は、前記実施形態の仕切部材34の平面図(図3)と同一に表されることから図示を省略することとする。また、図8〜10において、前記実施形態の仕切部材34と同様な構造とされた部位については、その理解を容易とするために、図中に、かかる仕切部材34と同一の符号を付しておく。
【0051】
更にまた、空気溜の形状は前記実施形態のものに限定されるものでなく、許容される形成スペース等を考慮して適宜に設定可能であり、全長に亘って一定断面形状とする必要もないし、適当に屈曲乃至は湾曲した形態の空気溜も採用可能であることは言うまでもない。
【0052】
また、前記実施形態では、主液室50を仕切ることによって、オリフィス通路76によって相互に連通された加振室72と受圧室70が構成されていたが、主液室50を仕切らないで単一の液室構造として構成することも、勿論、可能である。
【0053】
さらに、主液室50に接続された流体流路84や平衡室52は、要求される防振特性に応じて採用されるものであって、必ずしも設ける必要はない。
【0054】
また、前記実施形態においては、空気圧源として負圧源102と大気が採用されていたが、その他、負圧源と正圧源や、正圧源と大気など、互いに異なる圧力値を有する複数の空気圧源を適宜に組み合わせて採用することが可能である。
【0055】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置においては、作用空気室の高調波成分を低減する空気溜を、外部の空気圧管路の設計変更や配設スペースの増大等を必要とすることなく、容易に実現することが出来るのであり、しかも、空気溜が作用空気室に対して直接に開口形成されることから、従来の外部の空気圧管路上に共鳴管等を配設した構造に比して、作用空気室における空気圧変動の高調波成分を一層効率良く低減することが可能となって、発揮される能動的防振効果の更なる向上が図られ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材を示す平面図である。
【図4】図3に示された仕切部材の下側からの側面図である。
【図5】図3に示された仕切部材の上側からの側面図である。
【図6】図3に示された仕切部材の右側からの側面図である。
【図7】図3に示された仕切部材の左側からの側面図である。
【図8】図1に示されたエンジンマウントにおいて採用され得る仕切部材の別の具体例を示す正面図である。
【図9】 図における右側面図である。
【図10】 図におけるX−X断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
32 ダイヤフラム
34 仕切部材
50 主液室
52 平衡室
58 可動ゴム弾性板
62 作用空気室
70 受圧室
72 加振室
76 オリフィス通路
84 流体流路
98 外部空気管体
100 電磁切換弁
104 外部閉塞管体
106 蓋体
108 共鳴空間

Claims (10)

  1. 振動が入力される本体ゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、該主液室に対して該可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室を備えており、該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該主液室に圧力変動が生ぜしめられると共に、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすことにより該可動部材を介して該主液室の圧力変動が能動的に制御されるようにした空気圧式能動型防振体において、
    前記作用空気室から直接に延び出すと共に、先端部が閉塞された空気溜を形成し、且つ、該作用空気室の壁部において、該空気溜を形成する外部閉塞管体を接続せしめた管体接続口と、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすための外部空気通路が接続される通路接続口を形成したことを特徴とする空気圧式能動型防振体。
  2. 前記可動部材が、弾性に基づく一定形状への復元力を有する請求項1に記載の空気圧式能動型防振体。
  3. 前記主液室を、前記本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成された受圧室と、前記可動部材によって壁部の一部が構成された加振室を含んで構成すると共に、それら受圧室と加振室を相互に連通するオリフィス通路を設けた請求項1又は2に記載の空気圧式能動型防振体。
  4. 前記本ゴム弾性体によって第一の取付部材と第二の取付部材を相互に弾性的に連結せしめて、該第一の取付部材を振動部材に取り付けると共に、該第二の取付部材を防振対象部材に取り付けることにより、それら振動部材と防振対象部材の間に介装されて、該防振対象部材を該振動部材に対して防振連結せしめるようにした請求項1乃至の何れかに記載の空気圧式能動型防振体。
  5. 振動が入力される本体ゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、該主液室に対して該可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室を備えており、該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該主液室に圧力変動が生ぜしめられると共に、該作用空気室に対して外部から圧力変化を及ぼすことにより該可動部材を介して該主液室の圧力変動が能動的に制御されるようにした空気圧式能動型防振体において、
    前記作用空気室から直接に延び出すと共に、先端部が閉塞された空気溜を形成し、且つ、前記本体ゴム弾性体によって前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を相互に弾性的に連結せしめて、該第一の取付部材を前記振動部材に取り付けると共に、該第二の取付部材を前記防振対象部材に取り付けることにより、それら振動部材と防振対象部材の間に介装されて、該防振対象部材を該振動部材に対して防振連結せしめるようにし、更に、該本体ゴム弾性体を略円錐台形状として、該本体ゴム弾性体の小径側端部に第一の取付部材を固着する一方、第二の取付部材に筒状部を設けて、該筒状部の一方の開口部を該本体ゴム弾性体の大径側端部外周面に固着して流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を変形容易な可撓性膜で閉塞せしめ、更に該筒状部内で軸直角方向に拡がる仕切部材を該筒状部に固設して、該仕切部材を挟んで一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される前記主液室を形成すると共に、他方の側に可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された容積可変の副液室を形成して、それら主液室と副液室を相互に連通する流体流路を形成する一方、該仕切部材において前記主液室側に向かって開口する凹所を設けると共に、該凹所を前記可動部材で覆蓋することにより、該可動部材の背後に作用空気室を形成し、更に該仕切部材の凹所の内面において、該作用空気室に外部から圧力変化を及ぼすための空気通路と空気溜をそれぞれ開口せしめたことを特徴とする空気圧式能動型防振体。
  6. 前記仕切部材の外周面に凹溝を形成すると共に、該凹溝を前記第二の取付部材の前記筒状部で覆蓋することにより、前記空気溜の少なくとも一部を形成した請求項に記載の空気圧式能動型防振体。
  7. 前記仕切部材の外周面において、前記凹溝から独立して流路用溝を形成し、該流路用溝を前記第二の取付部材の前記筒状部で覆蓋することにより、前記流体流路を形成した請求項に記載の空気圧式能動型防振体。
  8. 前記本体ゴム弾性体によって支持部材とマス部材を相互に弾性的に連結せしめると共に、該支持部材を防振対象部材に取り付けて、該マス部材を該本体ゴム弾性体を介して該防振対象部材に弾性支持せしめるようにした請求項1乃至の何れかに記載の空気圧式能動型防振体。
  9. 前記空気溜の前記作用空気室への連通を遮断し得る開閉手段を設けた請求項1乃至の何れかに記載の空気圧式能動型防振体。
  10. 請求項1乃至の何れかに記載の空気圧式能動型防振体における前記作用空気室に対して、外部から圧力変化を及ぼすための外部空気通路を接続せしめて、該外部空気通路上に配設せしめた切換弁を介して、該作用空気室を互いに異なる圧力を有する二つの空気圧源に交互に繰り返し連通せしめることにより、該作用空気室に圧力変動が生ぜしめられるようにした防振装置。
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