JP4921341B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側に取り付けられる第1取付具と、支持側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス通路とを備えてなり、前記オリフィス通路による液流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能を果たすように構成された液封入式防振装置が知られている。
そして、この種の液封入式防振装置において、幅広い周波数の振動に対応するべく、異なる周波数にチューニングした複数のオリフィス流路を設けて、オリフィス流路の切り替えを可能としたものが提案されている。
例えば、下記特許文献1には、シェイク振動を減衰するために低周波数にチューニングされた第1オリフィス流路と、より高周波数のアイドル振動を低減するための第2オリフィス流路とを備える液封入式防振装置において、ロータリバルブの回転により、第2オリフィス流路を閉塞状態と開放状態とに可変させ、これにより特性を切り替えることが提案されている。
また、下記特許文献2には、コイルスプリングの復元力と負圧室への負圧導入によって、第2オリフィス流路を閉塞状態と開放状態とに可変させ、特性を切り替えるようにした液封入式防振装置が開示されている。
更に、下記特許文献3には、第2オリフィス流路を作動させるための第2ダイヤフラムの剛性を、第2ダイヤフラムに面する空気室への大気圧と負圧の選択導入により、特性を切り替えるようにした液封入式防振装置が開示されている。
一方、下記特許文献4には、第2オリフィス流路内に配されて往復動により当該第2オリフィス流路を開閉する開閉部材と、主液室から開閉部材側へのみ液体を流動させ得る逆止弁と、開閉部材を逆止弁側に向かって付勢するコイルスプリングとを設け、コイルスプリングにより支持された開閉部材が主液室の液圧により可動することで、第2オリフィス流路の閉塞状態と開放状態をコントロールし、これにより特性を切り替えるようにした液封入式防振装置が開示されている。
特開平06−050377号公報 特開平08−270718号公報 特開平04−321832号公報 特開2004−003614号公報
上記特許文献1〜3の構成では、防振装置の構造が複雑になり、装置の大型化、コストアップを伴う。また、防振装置本体とは別に制御装置等も必要となり、更なるコストアップを招く。一方、上記特許文献4の構成では、防振装置本体のみでの制御は可能であるが、コイルスプリングなどの弾性部材を必要とし、大型化、コストアップは避けられない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、複数のオリフィス通路を備える液封入式防振装置において、安価な構造で特性を切り替えることができるものを提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、ゴム状弾性膜からなるダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された少なくとも1つの副液室と、前記主液室といずれかの前記副液室とを連通させる第1オリフィス流路と、前記第1オリフィス流路よりも高周波数域にチューニングされて前記主液室といずれかの前記副液室とを連通させる第2オリフィス流路と、前記主液室といずれかの前記副液室を仕切る剛性材料からなる仕切り部と、を備え、前記第2オリフィス流路が前記仕切り部に形成されるとともに、前記第2オリフィス流路の途中にゴム状弾性体からなる可撓性壁部が設けられ、前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されていずれかの前記副液室に面する副液室側壁部分とからなり、両壁部分が面する前記主液室と前記副液室との液圧差により撓み変形可能に構成されており、前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と前記副液室に面する副液室側壁部分がともに、前記可撓性壁部の両側での前記第2オリフィス流路の幅よりも大きく設定されたものである。
かかる液封入式防振装置であると、比較的微振幅で高周波数側の振動が入力した時には、可撓性壁部の撓み変形はほとんどなく、第2オリフィス流路は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路を含めた共振特性が発揮され、高周波数側の減衰性能が発揮される。
一方、比較的大振幅で低周波数側の振動が入力した時には、主液室と副液室の間での圧力差が大きくなり、かかる液圧差により両液室に面している可撓性壁部が撓み変形する。これにより可撓性壁部の内側に構成されている第2オリフィス流路が実質的に閉塞状態となるので、第1オリフィス流路の共振特性が効果的に発揮され、低周波数側の減衰性能に有利な特性へ切り替えることができる。
また、上記液封入式防振装置であると、主液室に面する主液室側壁部分と副液室に面する副液室側壁部分がともに、前記可撓性壁部の両側での第2オリフィス流路の幅よりも大きく設定されているので、上記液圧差により可撓性壁部が撓み変形しやすく第2オリフィス流路を閉塞状態にし易
上記液封入式防振装置においては、前記副液室が単一の副液室からなり、前記第1オリフィス流路と前記第2オリフィス流路が共通の前記主液室と前記副液室とを連通させて設けられ、前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記副液室との液圧差により撓み変形可能に構成されてもよい。
また、前記副液室が、第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす第1副液室と、第2ダイヤフラムが室壁の一部をなす第2副液室とからなり、前記第1オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、前記第2オリフィス流路が前記主液室と前記第2副液室とを連通させて設けられ、前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記第2副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記第2副液室との液圧差により撓み変形可能に構成されてもよい。
また、前記副液室が、第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす第1副液室と、第2ダイヤフラムが室壁の一部をなす第2副液室とからなり、前記第1オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、前記第2オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記第1副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記第1副液室との液圧差により撓み変形可能に構成され、更に、前記可撓性壁部よりも前記第1副液室側で前記第2オリフィス流路から分岐して前記第2副液室に連結された第3オリフィス流路を備えてもよい。
本発明によれば、複数のオリフィス通路を備える液封入式防振装置において、別途に制御装置やコイルスプリング等を設けなくても特性を切り替えることができ、従って、このような特性の切り替わる液封入式防振装置を安価に提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16と、この防振基体16に対向して第2取付具14に取り付けられたゴム弾性膜からなるダイヤフラム18とを備えてなる。
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配されたボス金具である。第2取付具14は、筒状胴部20と、その下端部20Aにかしめ締結された有底筒状部22とからなる。防振基体16は、略傘状に形成され、その上部に第1取付具12が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が筒状胴部20の上端開口部20Bに加硫接着されている。防振基体16の下端部には、筒状胴部20の内周面を覆うゴム層24が連なっている。ダイヤフラム18は、可撓性のゴム膜を有し、その外周部に環状の補強金具26が埋設一体化され、この補強金具26が筒状胴部20と有底筒状部22とのかしめ締結部に固定されている。
筒状胴部20の内側には、防振基体16の下面とダイヤフラム18との間に、液体が封入された液室28が形成されている。液室28は、仕切り部30によって、防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室28Aと、ダイヤフラム18が室壁の一部をなす下側の副液室28Bとに仕切られている。
仕切り部30は、平面視円形をなして筒状胴部20の周壁部20Cの内側にゴム層24を介して嵌着されており、中央に開口部32Aを持つ円板状の仕切り受板32を、補強金具26とともに、筒状胴部20と有底筒状部22とのかしめ締結部に固定することにより、ゴム層24に設けられた段部24Aと仕切り受板32との間で軸方向Xに挟まれた状態に保持されている。
仕切り部30には、ともに主液室28Aと副液室28Bとを連通させる絞り流路である第1オリフィス流路34と第2オリフィス流路36が設けられている。第1オリフィス流路34は、車両走行時のシェイク振動を減衰するために、シェイク振動に対応した低周波数域(例えば、5〜15Hz程度)にチューニングされている。すなわち、第1オリフィス流路34を通じて流動する液体の共振作用に基づく減衰効果がシェイク振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。
第2オリフィス流路36は、第1オリフィス流路34よりも高周波数域にチューニングされており、詳細には、アイドル時(車両停止時)のアイドル振動を低減するために、アイドル振動に対応した高周波数域(例えば、25〜50Hz程度)にチューニングされている。すなわち、第2オリフィス流路36を通じて流動する液体の共振作用に基づく低動ばね効果がアイドル振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。
図1,2に示すように、仕切り部30は、上記第1オリフィス流路34を形成するために外周部に設けられた環状の第1オリフィス形成部38と、その内側で主液室28Aと副液室28Bを軸方向Xに仕切る仕切壁40と、仕切壁40の中央部において上記第2オリフィス流路36を形成する第2オリフィス形成部42とからなり、金属や合成樹脂等の剛性材料により形成されている。
第1オリフィス形成部38は、外向きに開かれた断面コの字状をなし、ゴム層24を介して筒状胴部20の内周面に嵌合されることで、当該内周面との間に、周方向C(図4参照)に沿って延びる上記第1オリフィス通路34を形成する。第1オリフィス通路34は、周方向Cの一端に、主液室28Aに対して開口する主液室側開口44(図1参照)を備えるとともに、周方向Cの他端に、副液室28Bに対して開口する副液室側開口46(図4参照)を備え、これにより、主液室28Aと副液室28Bとを連通している。
仕切壁40は、第1オリフィス形成部38の内周面間を塞ぐ円板状をなしており、その中央部に第2オリフィス形成部42が設けられている。
第2オリフィス形成部42は、この例では、図2,3に示すように、仕切壁40の中央部の主液室側形成部48と、該主液室側形成部48の副液室28B側に不図示のボルトナットなどを用いて接合された円板状の副液室側形成部50とからなる。主液室側形成部48と副液室側形成部50の接合面には、上記第2オリフィス流路36が、仕切り部30の軸方向X(即ち主液室28Aと副液室28Bとの対向方向)に直交する方向(即ち、軸直角方向)Yに沿って延びるよう設けられている。そして、該第2オリフィス流路36の一端部が、主液室側形成部48を軸方向Xに貫通する主液室側貫通孔52を介して主液室28Aに開口し、他端部が、副液室側形成部50を軸方向Xに貫通する副液室側貫通孔54を介して副液室28Bに開口し、これにより主液室28Aと副液室28Bとを連通している。
この第2オリフィス流路36の途中には、ゴム弾性体からなる可撓性壁部56が設けられている。可撓性壁部56は、第2オリフィス流路36の流路の一部を構成する壁部であり、この例では、図2〜4に示すように、仕切り部30の中心部であって、第2オリフィス流路36の長さ方向における中央部に設けられている。
可撓性壁部56は、主液室28Aに面する主液室側壁部分58と、副液室28Bに面する副液室側壁部分60とからなり、両壁部分58,60は軸方向Xに対向配置されており、これにより、両壁部分58,60が面する主液室28Aと副液室28Bとの液圧差によって可撓性壁部56が撓み変形することで、第2オリフィス流路36を実質的に閉塞状態にできるように構成されている。
詳細には、可撓性壁部56は、主液室側形成部48と副液室側形成部50の接合面同士にそれぞれ設けられた装着凹部62内に装着される上下一対のゴム膜64,64からなり、両ゴム膜64,64を重ね合わせることで、その内側に第2オリフィス流路36の一部が形成されている。ゴム膜64は、図6に示すように、上記主液室側と副液室側の壁部分58,60を構成する薄肉円形膜状の可撓部66を中央部に有するとともに、その外周に主液室側形成部48と副液室側形成部50とで挟持される厚肉状の保持部68を有し、保持部68の径方向に相対する2箇所には、第2オリフィス流路36の一部を構成するオリフィス兼用の上記可撓部66を、その両側の第2オリフィス流路36と連通させるための連通部70が設けられている。
また、可撓部66が主液室28A及び副液室28Bにそれぞれ面するように、すなわち、上記主液室側壁部58が主液室28Aと第2オリフィス流路36との間を区画し、上記副液室側壁部60が副液室28Bと第2オリフィス流路36との間を区画するように、仕切り部30の主液室側形成部48を軸方向Xに貫通する断面円形状の主液室側開口72が設けられ、また、副液室側形成部50を軸方向Xに貫通する断面円形状の副液室側開口74が設けられている。
そして、可撓性壁部56は、液室28に面している部分の大きさが第2オリフィス流路36の幅よりも大きく設定されている。詳細には、図6(a)に示す軸方向Xでの平面視において、可撓部66、すなわち、主液室28Aに面する主液室側壁部分58と副液室28Bに面する副液室側壁部分60の大きさ(外径)Dがともに、その両側での第2オリフィス流路36の幅Wよりも大きく設定されている。これにより、第2オリフィス流路36は、可撓性壁部56が設けられた部分で幅広に形成されている。
以上よりなる液封入式防振装置10であると、停車したアイドル時のように比較的微振幅で高周波数側の振動が入力した時には、主液室28Aと副液室28Bとの間での液圧差が小さいので、可撓性壁部56の撓み変形はほとんど起こらない。そのため、第2オリフィス流路36は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路36を通じての液体の共振作用により、アイドル振動体に対する優れた防振効果が発揮される。なお、このとき、第1オリフィス流路34も開放状態であるが、第1オリフィス流路34は低周波数側にチューニングされているため、液体の流動抵抗が大きく実質的に目詰まりした状態となる。
一方、車両走行時においてシェイク振動のように比較的大振幅で低周波数側の振動が入力した時には、主液室28Aと副液室28Bの間での圧力差が大きくなり、かかる液圧差により両液室28A,28Bに面している可撓性壁部56が撓み変形する。かかる撓み変形により、主液室28Aと副液室28Bの対向方向において比較的狭い隙間をあけて対向配置された主液室側壁部分58と副液室側壁部分60との間隔が狭まり、そのことによって、可撓性壁部56の内側に構成されている第2オリフィス流路36が実質的に閉塞状態となる。そのため、第1オリフィス流路34のみが開放された状態となり、第1オリフィス流路34を流動する液体の共振作用に基づき、シェイク振動に対して減衰性能が発揮される。
このように本実施形態であると、別途に制御装置やコイルスプリング等を設けなくても、2つのオリフィス流路34,36による特性を切り替えることができ、安価かつコンパクトな構造で切替式の液封入式防振装置を提供することができる。
また、上記構成であると、可撓性壁部56の主液室側壁部分58と副液室側壁部分60の大きさDが第2オリフィス流路36の幅Wよりも大きいので、上記液圧差により可撓性壁部56が撓み変形しやすく、第2オリフィス流路36を閉塞状態にしやすい。
なお、この例では、可撓性壁部56を2枚のゴム膜64を重ねることにより形成したが、可撓性壁部は単一のゴム部材により形成することもできる。また、2枚のゴム膜64は、主液室側形成部48と副液室側形成部50のそれぞれの装着凹部62内に一体に加硫成形してもよい。更に、この例では、主液室側壁部分58と副液室側壁部分60を別体に設けたが、第2オリフィス流路36の長さ方向の一部における全周の壁部を撓み変形可能なゴム膜で構成して、その一部を主液室28A側に面するとともに、これに対向する別の一部を副液室28B側に面するようにしてもよい。
図7は、第2の実施形態に係る液封入式防振装置100の概略構造を示すモデル的に示した図である。この例では、副液室として、防振基体16に対向して第2取付具14に取り付けられた第1ダイヤフラム18が室壁の一部をなす第1副液室28Bに加えて、仕切り部30に設けられたゴム弾性膜からなる第2ダイヤフラム102が室壁の一部をなす第2副液室28Cを備える。
第1オリフィス流路34は、主液室28Aと第1副液室28Bとを連通させて設けられており、第2オリフィス流路36は、主液室28Aと第2副液室28Cとを連通させて設けられている。
そして、可撓性壁部56は、主液室28Aに面する主液室側壁部分58と、これに対向して第2副液室28Cに面する副液室側壁部分60とからなり、主液室28Aと第2副液室28Cとの液圧差により撓み変形可能に構成されている。
その他の構成は上記第1の実施形態と同様である。この例の場合、アイドル振動が入力した時には、主液室28Aと第2副液室28Cとの間での液圧差が小さいので、可撓性壁部56の撓み変形はほとんどなく、第2オリフィス流路36は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路36を通じての主液室28Aと第2副液室28Cとの間での液体の共振作用により、アイドル振動に対する優れた防振効果が発揮される。また、車両走行時のシェイク振動に対しては、主液室28Aと第2副液室28Cの間での圧力差により可撓性壁部56が撓み変形することで、第2オリフィス流路36が実質的に閉塞状態となり、第1オリフィス流路34のみの共振特性となって、シェイク振動に対して減衰性能が発揮される。
図8は、第3の実施形態に係る液封入式防振装置110の概略構造を示すモデル的に示した図である。この例では、副液室として、防振基体16に対向して第2取付具14に取り付けられた第1ダイヤフラム18が室壁の一部をなす第1副液室28Bに加えて、仕切り部30に設けられたゴム弾性膜からなる第2ダイヤフラム102が室壁の一部をなす第2副液室28Cを備える。
また、第1オリフィス流路34は、主液室28Aと第1副液室28Bとを連通させて設けられており、第2オリフィス流路36は、主液室28Aと第1副液室28Bとを連通させて設けられている。更に、可撓性壁部56は、主液室28Aに面する主液室側壁部分58と、これに対向して第1副液室28Bに面する副液室側壁部分60とからなり、主液室28Aと第1副液室28Bとの液圧差により撓み変形可能に構成されている。
そして、第2オリフィス流路36における可撓性壁部56よりも第1副液室28B側の箇所で第2オリフィス流路36から分岐して第2副液室28Cに連結された第3オリフィス流路112を備える。第3オリフィス流路112は、この例では、第2オリフィス流路36よりも高周波数域のアイドル振動高次成分を低減するようにチューニングされている。
その他の構成は上記第1の実施形態と同様である。この例の場合、アイドル振動が入力した時には、主液室28Aと第1副液室28Bとの間での液圧差が小さいので、可撓性壁部56の撓み変形はほとんどなく、第2オリフィス流路36と第3オリフィス流路112は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路36及び第3オリフィス流路112を通じての液体の共振作用により、アイドル振動に対する優れた防振効果が発揮される。また、車両走行時のシェイク振動に対しては、主液室28Aと第1副液室28Bの間での圧力差により可撓性壁部56が撓み変形することで、第2オリフィス流路36が実質的に閉塞状態となり、第1オリフィス流路34の共振特性により、シェイク振動に対して減衰性能が発揮される。
以上のように、本発明は、単一の副液室と2本のオリフィス流路を持つ場合に限定されるものではなく、複数の副液室を持つものや、3本以上のオリフィス流路を持つものにも適用可能である。また、可撓性壁部の配置も、第1オリフィス流路が連通する主液室と副液室(第1副液室)間の液圧差を利用する箇所には限られず、主液室と他の副液室間の液圧差を利用するように、当該他の副液室と主液室の間に設けることもできる。
また、上記実施形態では、シェイク振動とアイドル振動を対象としたが、これに限らず、周波数の異なる種々の振動に対して適用することができる。また、内筒と外筒との間を防振基体で結合してなる円筒型の液封入式防振装置に適用してもよく、更に、エンジンマウント以外にも、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
第1の実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図 同防振装置の仕切り部の断面図 同仕切り部の分解断面図 同仕切り部を構成する本体部の平面図 同仕切り部を構成する副液室側形成部の平面図 可撓性膜部を構成するゴム膜を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は背面図、(d)は2枚のゴム膜を重ねた状態を示す側面図である。 第2の実施形態に係る液封入式防振装置の概略構造を示すモデル的に示す図 第3の実施形態に係る液封入式防振装置の概略構造を示すモデル的に示す図
符号の説明
10,100,110…液封入式防振装置
12…第1取付具
14…第2取付具
16…防振基体
18…ダイヤフラム(第1ダイヤフラム)
28A…主液室、28B…副液室(第1副液室)、28C…第2副液室
30…仕切り部
34…第1オリフィス流路
36…第2オリフィス流路
56…可撓性壁部
58…主液室側壁部分
60…副液室側壁部分
102…第2ダイヤフラム
112…第3オリフィス流路

Claims (5)

  1. 振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、
    振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、
    前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、
    前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、
    ゴム状弾性膜からなるダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された少なくとも1つの副液室と、
    前記主液室といずれかの前記副液室とを連通させる第1オリフィス流路と、
    前記第1オリフィス流路よりも高周波数域にチューニングされて前記主液室といずれかの前記副液室とを連通させる第2オリフィス流路と、
    前記主液室といずれかの前記副液室を仕切る剛性材料からなる仕切り部と、
    を備え、
    前記第2オリフィス流路が前記仕切り部に形成されるとともに、前記第2オリフィス流路の途中にゴム状弾性体からなる可撓性壁部が設けられ、
    前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されていずれかの前記副液室に面する副液室側壁部分とからなり、両壁部分が面する前記主液室と前記副液室との液圧差により撓み変形可能に構成されており、
    前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と前記副液室に面する副液室側壁部分がともに、前記可撓性壁部の両側での前記第2オリフィス流路の幅よりも大きく設定された、
    液封入式防振装置。
  2. 記第2オリフィス流路は、前記仕切り部において前記主液室と前記副液室との対向方向に直交する方向に沿って延び、前記第2オリフィス流路の一端部が前記対向方向に延びる主液室側貫通孔を介して前記主液室に開口し、前記第2オリフィス流路の他端部が前記対向方向に延びる副液室側貫通孔を介して前記副液室に開口して、前記主液室と前記副液室を連通しており、
    前記可撓性壁部は、前記対向方向に直交する方向に沿って延びる流路部分の途中に設けられ、前記仕切り部に設けられた主液室側開口を介して前記主液室側壁部分が前記主液室に面しており、前記仕切り部に設けられた副液室側開口を介して前記副液室側壁部分が前記副液室に面している
    請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記副液室が単一の副液室からなり、
    前記第1オリフィス流路と前記第2オリフィス流路が共通の前記主液室と前記副液室とを連通させて設けられ、
    前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記副液室との液圧差により撓み変形可能に構成された、
    請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  4. 前記副液室が、第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす第1副液室と、第2ダイヤフラムが室壁の一部をなす第2副液室とからなり、
    前記第1オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、前記第2オリフィス流路が前記主液室と前記第2副液室とを連通させて設けられ、
    前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記第2副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記第2副液室との液圧差により撓み変形可能に構成された、
    請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  5. 前記副液室が、第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす第1副液室と、第2ダイヤフラムが室壁の一部をなす第2副液室とからなり、
    前記第1オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、前記第2オリフィス流路が前記主液室と前記第1副液室とを連通させて設けられ、
    前記可撓性壁部は、前記主液室に面する主液室側壁部分と、前記主液室側壁部分に対向配置されて前記第1副液室に面する副液室側壁部分とからなり、前記主液室と前記第1副液室との液圧差により撓み変形可能に構成され、
    更に、前記可撓性壁部よりも前記第1副液室側で前記第2オリフィス流路から分岐して前記第2副液室に連結された第3オリフィス流路を備える、
    請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
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