JP2010025149A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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勝弘 櫻井
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Abstract

【課題】大振幅振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅振動入力に対して動ばね係数を十分に低下できる液体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】仕切り部材20により液柱共振周波数の低い第1オリフィス通路23とそれより高い第2オリフィス通路24が形成されたマウント装置10で、仕切り部材20に、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じる大振幅振動入力に対しては第2オリフィス通路24内で液体の移動を規制し、微振幅振動入力に対しては撓みを生じて液体の移動を許容する第2ダイヤフラム29が装着されている。第2ダイヤフラム29は、第2オリフィス通路24内で仕切り部材20に当接するまでの変位量範囲で撓みを生じる撓み部29aと、大振幅振動入力に応動し通路24内で仕切り部材20に当接する当接部29bと、その当接時に大振幅振動入力に応動する通路24内の流体移動を規制する剛体膜部29cとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に液体が封入された液体封入式防振装置、特に異種の複数の減衰用オリフィス通路を切り替えて使用するようにした液体封入式防振装置に関する。
一般に、振動体とそれを支持する支持体との間に設けられる防振装置においては、低周波・大振幅の振動入力に対する十分な減衰効果を発揮させるべく、ゴム等の弾性体で連結された一対のブラケット間に液室を形成するとともに、その液室をオリフィス付の板状の仕切り部材で仕切ることでオリフィスによる減衰効果を生じさせるようにした液体封入式のものが使用されている。また、車両のエンジンマウントのように、大振幅の振動入力にも微振幅の振動入力にも減衰効果が要求される場合に、異種の減衰用オリフィスを切り替えて使用するようにしたものがある。
従来のこの種の液体封入式防振装置としては、例えば、振動体側と支持体側の取付け部材を結合する防振基体ゴムと第1ダイヤフラムとによって液体封入室を画成し、その液体封入室中にアイドル振動減衰用のオリフィス(以下、アイドルオリフィスという)とシェイク振動減衰用のオリフィス(以下、シェイクオリフィスという)とをそれぞれ形成する仕切り部材を配置することで、防振基体ゴム側の主液室と、この主液室にシェイクオリフィスを介して連通する第1ダイヤフラム側の第1副液室とを形成するとともに、仕切り部材に対し主液室側または第1副液室側に低剛性の第2ダイヤフラムを配置することで、アイドルオリフィスを介して主液室に連通する第2副液室を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、シェイク入力に対する減衰性能とアイドル振動に対する低動ばね化を両立させるべく、第2ダイヤフラムの厚み方向の両側に多数の開口を有するストッパを配置し、シェイク振動のような大振幅の振動入力時にはストッパにより第2ダイヤフラムの弾性変形を制限してその剛性を高め、アイドル振動のような微振幅の振動入力時にはストッパによる制限なく低剛性の第2ダイヤフラムを機能させるようになっている。
また、大振幅入力により第2ダイヤフラムが急激に大きく撓み変形して仕切り部材に当接するときに異音が生じ易いといったような問題に対して、第2ダイヤフラムの外周支持部分の近傍に厚み方向に大きく突出する突起部を設け、大振幅入力時にその突起部を仕切り部材に係合させることで、第2ダイヤフラムの急激な撓み変形を抑えるようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、あるいは、逆に、第2ダイヤフラムの中央部を肉厚にし、周辺部の過大な撓みを仕切り部材側に設けた傾斜ストッパ面で制限するようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、支持体側の取付け部材に支持されたアクチュエータによって第2ダイヤフラムの撓み剛性を調整可能にするとともに、車速やエンジン回転数等から車両の運転状態を判定するコントローラによってそのアクチュエータを制御することで、幅広い周波数範囲にわたって振動を吸収するようにしたものも知られている(例えば、特許文献4参照)。
その他、多数の開口付の仕切り部材にゴム製の可動板を保持させ、高周波振動(例えば100Hz付近)の入力に対してはその可動板により主液室の内容積を変動させ、低周波振動(例えば15Hz付近)の入力時には仕切り部材により可動板の移動を規制しつつ前記開口を閉止して、仕切り部材の外周部に設けた低周波数・大振幅の振動減衰用のオリフィスを機能させるようにしたものもある(例えば、特許文献5参照)。
特開2005−155807号公報 特開2001−200883号公報 特開2002−206587号公報 特開平10−325443号公報 特公平4−17291号公報
しかしながら、上述のように第2ダイヤフラムの両面側(厚さ方向の両側)に多数の開口を有するストッパを配して第2ダイヤフラムの撓みを制限する従来の液体封入式防振装置にあっては、ストッパの部品加工や組立てが容易でなく、コスト高を招くという問題があるばかりか、大振幅入力時の液圧が低剛性のゴム弾性体である第2ダイヤフラムに作用するとき、ストッパの開口部分で第2ダイヤフラムに大きな変形が生じることから、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅領域の動ばね係数を十分に低下させるということが困難であり、耐久性も十分でなかった。
また、第2ダイヤフラムの外周支持部分の近傍に厚み方向に大きく突出する突起部や撓み制限用の傾斜ストッパを設けるような従来の液体封入式防振装置にあっては、第2ダイヤフラムの厚みの差が大きいため大振幅の振動入力に対して部分的大きな歪みが生じ易い一方でそのような歪みを十分に抑える程度に第2ダイヤフラムの剛性を上げることができない。そのため、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことになるばかりか、第2ダイヤフラムの組立て作業性や耐久性の面でも難点があった。
さらに、アクチュエータの制御により第2ダイヤフラムの撓み剛性を調整する従来の液体封入式防振装置にあっても、大振幅入力時の液圧によって低剛性の第2ダイヤフラムに大きな変形が生じるため、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅領域の動ばね係数を十分に低下させることは困難であるのに加えて、構成が複雑でかつコスト高となり、装置も大型になるという問題があった。
また、高周波振動入力に対し可動板により主液室内容積を変動させるようにした従来装置にあっては、そもそも液室の内圧が高くならない微振幅領域でオリフィスによる減衰効果が期待できないため、車両の走行中に微振幅の振動が入力される場合(例えばタイヤ回転に起因して車体全体の上下振動として現れるボディーシェイクの場合)、オリフィス効果によりそのエンジン振動を抑制することができず、微振幅領域の動ばね係数を更に低下させる必要がある場合には、上述のようなアクチュエータ制御式にする必要があった。
このように、従来のいずれの液体封入式防振装置にあっても、大振幅の振動入力に対するオリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることが困難であり、コスト高や耐久性不足を招来するものであった。
そこで、本発明は、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることができ、しかも、構成が簡素で低コストの耐久性に優れた液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液体封入式防振装置は、上記目的達成のため、(1)振動体と該振動体を支持する支持体との間に介装される液体封入式防振装置であって、前記振動体および前記支持体からの振動入力に応じて相対変位可能な第1および第2の取付け部材と、前記第1および第2の取付け部材の間に介装された弾性体と、前記弾性体との間に液室を形成するよう、前記第1および第2の取付け部材のうちいずれか一方に装着された拡張および収縮可能な第1ダイヤフラムと、前記液室内を、複数の小液室に仕切るとともに、それぞれ任意の2つの小液室の間に介在する複数種のオリフィス通路を形成する仕切り部材と、を備えた液体封入式防振装置において、前記複数種のオリフィス通路が、流動する液体の液柱共振周波数が低い第1オリフィス通路と、流動する液体の液柱共振周波数が前記第1オリフィス通路より高い第2オリフィス通路と、を含み、前記仕切り部材には、前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に対しては前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接して液体の移動を規制し、前記第2オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に対しては前記第2オリフィス通路内で撓みを生じて前記振動入力による液体の移動を許容する第2ダイヤフラムが装着され、前記第2ダイヤフラムが、前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接するまでの変位量の範囲で前記撓みを生じる撓み部と、前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に応動して前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接する当接部と、前記当接部が前記仕切り部材に当接するとき前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に応動する前記第2オリフィス通路内の流体の移動を規制する剛体膜部と、を有することを特徴とする。
この構成により、第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる低周波・大振幅の振動が入力されるときには、第2オリフィス通路内の第2ダイヤフラムがその当接部を仕切り部材に当接させることで、第2オリフィス通路が閉塞されるとともに、第2ダイヤフラムの剛体膜部によって仕切り部材に対する第2オリフィス通路内での液体の移動が確実に規制される。したがって、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果が損なわれることがない。一方、第2オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動が入力されるときには、第2オリフィス通路内で第2ダイヤフラムが低剛性の撓み部に撓みを生じさせてその振動入力による液体の移動を許容することになり、微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることが可能となる。したがって、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることができる。しかも、第2ダイヤフラムに過度の肉厚変化をつけたりアクチュエータ等を用いる剛性調整機構を付加したりする必要がないので、構成が簡素でコンパクトかつ低コストの耐久性に優れた液体封入式防振装置となる。
なお、ここにいう剛体膜部は、第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に対して、実質的に剛体の膜と同等に機能し、大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路内の流体の移動を確実に規制することのできる膜部を意味するものであり、低剛性の撓み部に対して20倍以上の高い撓み剛性を有するものである。ただし、その剛体膜部が板状の芯材もしくは背面板部分で実質的に剛体で全体として大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路内の流体の移動を確実に規制できるものであれば、剛体膜部の表面部分が低剛性であってもよい。
上記(1)記載の液体封入式防振装置においては、(2)前記当接部が前記剛体膜部の外周部近傍で前記仕切り部材に対向しているのが好ましい。
この構成により、当接部および剛体膜部によって第2オリフィス通路が閉塞されることになり、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を十分に発揮させることができる。
上記(1)、(2)記載の液体封入式防振装置においては、(3)前記撓み部が環状に形成され、該撓み部の内方側に前記当接部が配置されたものであるのがよい。
この構成により、第2オリフィス通路を当接部および剛体膜部によって容易に閉止可能にでき、部品構成も簡素にできる。
上記(1)〜(3)記載の液体封入式防振装置においては、(4)前記撓み部が、ゴム弾性材料によって形成され、前記当接部が、前記撓み部に連続するゴム弾性材料によって形成され、前記当接部が前記仕切り部材に当接するとき、前記剛体膜部が、前記第2オリフィス通路を閉塞するのが好ましい。
この構成により、当接部が仕切り部材に当接するとき、剛体膜部によって第2オリフィス通路が閉塞されることになり、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果が第2オリフィス通路内の流体移動によって損なわれることを確実に防止できる。
上記(1)〜(4)記載の液体封入式防振装置においては、(5)前記剛体膜部が、前記撓み部に連続するゴム弾性層と、該ゴム弾性層に積層された補強プレート層と、を有するものであるのが好ましい。
これにより、剛体膜部が第2オリフィス通路を閉塞するとき、第2オリフィスが確実に閉止されることになり、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果が第2オリフィス通路内の流体移動によって損なわれることをより確実に防止できる。
上記(1)〜(5)記載の液体封入式防振装置においては、(6)前記仕切り部材は、前記液室内を、前記弾性体の弾性変形に応じて圧力変化する一面側の第1小液室と、前記第1ダイヤフラムの拡張および収縮により容積変化する第2小液室とに仕切るとともに、前記第2ダイヤフラムより前記第1小液室側の前記第2オリフィス通路の一部に前記第1オリフィス通路より高い液柱共振周波数を有するオリフィス部を形成しており、該オリフィス部を介して前記第1小液室に連通する第3小液室が、前記仕切り部材と前記第2ダイヤフラムとによって形成されているのが好ましい。
この構成により、第2オリフィス通路のオリフィス部より第2小液室側(副液室側)に第2ダイヤフラムが配置され、その第2ダイヤフラムの一面側にオリフィス部を介して第1小液室に連通する第3小液室が効率よく形成されることになり、コンパクトな装置構成が達成できる。なお、一面側で第3小液室を形成する第2ダイヤフラムの他面側に第2小液室側の液圧を作用させることもできるが、大気圧の空気(外気)または空気ばねとして作用する空気を第2ダイヤフラムの他面側に接触させることもできる。
上記(6)記載の液体封入式防振装置においては、(7)前記仕切り部材が、前記第2オリフィス通路内の前記オリフィス部より前記第2小液室側に、前記第2ダイヤフラムの当接部を挟んで互いに対向する一方および他方の環状のストッパ部を有し、該環状のストッパ部により、前記第2オリフィス通路内の前記オリフィス部より前記第2小液室側に前記剛体膜部により閉塞可能な開口が形成されているのが好ましい。
この場合、第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる低周波・大振幅の振動が入力されるときには、第2オリフィス通路内の第2ダイヤフラムがその当接部を環状のストッパ部に当接させるとともに、環状のストッパ部により形成されている開口をその剛体膜部によって閉塞することになり、仕切り部材に対する第2オリフィス通路内での液体の移動が第2ダイヤフラムの剛体膜部によって確実に規制される。したがって、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく十分に発揮させることができる。
上記(7)記載の液体封入式防振装置においては、(8)前記第3小液室が、前記第2ダイヤフラムを挟んで前記2小液室と隣り合っているのが好ましい。
この構成により、第2ダイヤフラムを仕切り部材内に組み込んだコンパクトな低コストの装置にできる。
上記(6)、(7)記載の液体封入式防振装置においては、(9)前記第2ダイヤフラムが、一面側で前記第3小液室を形成するとともに、他面側で空気に接していてもよい。
この構成により、第2ダイヤフラムを仕切り部材内に組み込んだ軽量の装置にできる。
上記(1)〜(9)記載の液体封入式防振装置においては、(10)前記振動体および前記支持体が、車両のエンジンおよび車体であり、前記エンジンの運転によるシェイク振動入力時に前記第1オリフィス通路が液柱共振を生じ、前記エンジンの運転によるアイドル振動入力時に前記第2オリフィス通路が液柱共振を生じるように、前記第1オリフィス通路および前記第2オリフィス通路の断面積と長さがそれぞれ設定されていることが望ましい。
これにより、アイドル振動に対する低動ばね化とシェイク振動の減衰効果をアクチュエータ等を使用することなく確実に両立させ得る簡素でコンパクトな低コストかつ耐久性に優れたエンジンマウントとなる。
本発明によれば、仕切り部材に当接しない微振幅振動入力時には低剛性である第2ダイヤフラムを、仕切り部材に当接した状態では実質的に剛体膜と同様に機能させて第2オリフィス通路内の流体の移動を確実に制限するようにしているので、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることができる構成の簡素な低コストの耐久性に優れた液体封入式防振装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置を示す図であり、本発明を車両の原動機であるエンジンを車体に弾性支持するマウント装置に適用した場合を例示している。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置の側面断面図である。図2(a)は、その第1の実施の形態に係るマウント装置の仕切り部材の拡大側面断面図であり、図2(b)は、その仕切り部材内に組み込まれた第2ダイヤフラムの平面図である。また、図3は、第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置の模式構成図である。
まず、その構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態のマウント装置10は、振動体、例えば車両の原動機を構成するエンジン1(詳細は図示していない)と、そのエンジン1を支持する支持体として車体2との間に介装される液体封入式防振装置であり、液体(非圧縮性流体の意)として例えばエチレングリコールやシリコンオイルが封入されている。
このマウント装置10は、エンジン1の運転中における様々な振動入力に対して相対変位可能な第1の取付けブラケット11および第2の取付けブラケット12(第1および第2の取付け部材)と、第1および第2の取付けブラケット11、12の間に介装された弾性体、例えばゴムのような粘弾性を有するゴム弾性体13と、このゴム弾性体13との間に液室15を形成するよう、第1および第2の取付けブラケット11、12のうちいずれか一方に装着された拡張および収縮可能な円形の第1ダイヤフラム19と、液室15内に配置された略円板状の仕切り部材20とを備えている。また、仕切り部材20は、液室15内を、ゴム弾性体13の弾性変形に応じて圧力変化する一面側の第1小液室16と、第1ダイヤフラム19の拡張および収縮により容積変化する第2小液室17とに仕切っている。
具体的には、第1および第2の取付けブラケット11、12にはそれぞれ締結用のねじ結合部が設けられており、第1の取付けブラケット11にはボルト結合用の雌ねじ穴11aが形成され、第2の取付けブラケット12にはボルト12a、12bがそれぞれ一体に装着されている。
ゴム弾性体13は、第1および第2の取付けブラケット11、12のうち他方、例えばエンジン1側の第1の取付けブラケット11に加硫接着等により一体に固着されている。
また、第1および第2の取付けブラケット11、12のうち一方、例えば車体2側の第2の取付けブラケット12は、ボルト装着部を底部とする浅い有底円筒状に形成されており、第2の取付けブラケット12には筒状体14の一端部14aが第1ダイヤフラム19および仕切り部材20の外周固定部(後述する)と共にかしめによって一体に結合されている。そして、この筒状体14の内周側にゴム弾性体13が加硫接着等により一体に固着されることで、第1および第2の取付けブラケット11、12がゴム弾性体13を介して弾性的に結合されている。
ゴム弾性体13は、筒状体14の他端部14b側から第1の取付けブラケット11に向かって円錐周壁状に延びる厚肉部13aと、第1の取付けブラケット11の内端部11bを覆う中心部13bと、第1の取付けブラケット11の円形のフランジ部11cを覆う略U字形断面の環状の被覆部13cと、厚肉部13aから筒状体14の一端側に一様な膜厚で円筒状に広がるスカート部13sとを有している。このゴム弾性体13のスカート部13sは、仕切り部材20の外周部に液体密に圧接するとともに、筒状体14の一端部14aの内部まで延在し、筒状体14と第2の取付けブラケット12とのかしめ結合部においてシール機能を発揮するようになっている。
筒状体14の一端部14aは内周側が開いた略U字形断面の環状をなしており、筒状体14の他端部14bはその開口側が広がるように拡径して、その開口端部分でフランジ14cを形成している。
液室15内で仕切り部材20の一面側に位置する第1小液室16は、振動入力に応じて第1および第2の取付けブラケット11、12が相対変位し、ゴム弾性体13が弾性変形するとき、その振動入力に応じて液圧が変化する主液室である。
液室15内で仕切り部材20の他面側に位置する第2小液室17は、仕切り部材20の外周側に位置する第1オリフィス通路23(後述する)を介して第1小液室16に連通しており、第1小液室16の液圧変化に起因して第1ダイヤフラム19が拡張および収縮するときに一定の液圧範囲内の液圧を維持しながら容積変化する第1副液室となっている。
第1ダイヤフラム19は、液室15内の液圧に応じてその形状および表面積を変化させるように拡張および収縮可能な比較的膜厚の薄い(ゴム弾性体13の厚肉部13aより十分に薄い)弾性膜部19aと、弾性膜部19aの外周部に加硫接着等により一体に固着された固定用の環状支持板19bとにより構成されている。また、弾性膜部19aの外周部は、中央部よりも肉厚で、仕切り部材20の外周部下面20eおよび第2の取付けブラケット12の開口端内周部12eのそれぞれに圧接して液体密なシール機能を発揮し得る。
仕切り部材20は、オリフィス通路形状に対応する溝や穴が形成された例えば軽合金からなる略円形の通路形成板21と、通路形成板21の背面側に一体に固着されるとともに仕切り部材20の外周固定部を構成する例えば板金製の背面板22とによって構成されている。
図2(a)および図2(b)に示すように、通路形成板21および背面板22は、具体的には、外周部に周方向に延在する外周溝21aを形成する環状突部21b、22bと、その外周溝21aの一部を第1小液室16に連通させるように環状突部21bを部分的に切り欠いた一方側の切欠き部21dと、この切欠き部21dから第1オリフィス通路23の所定の長さを規定する周方向の距離を隔てて第2小液室17に連通させるように環状突部22bを部分的に切り欠いた他方側の切欠き部22dとを有している。そして、通路形成板21および背面板22がそれぞれの外周部分でゴム弾性体13のスカート部13sに圧接することで、仕切り部材20の一方の切欠き部21d、外周溝21aおよび他方側の切欠き部22dにより、第1小液室16と第2小液室17との間に介在するよう仕切り部材20の外周側に位置する第1オリフィス通路23が形成されている。
この第1オリフィス通路23は、エンジン運転中の振動入力に応じて第1小液室16と第2小液室17との間で液体が移動するときの液柱共振周波数が例えば5Hz〜15Hzの間になるようにその断面積A1および長さL1(図3参照)が設定されており、その共振作用による減衰効果を発揮することでエンジン1の運転によるシェイク振動入力等を減衰するようになっている。なお、ここにいうエンジン1の運転によるシェイク振動入力とは、マウント装置10が搭載される車両の車体2の剛体振動とエンジン系の共振によってエンジンシェイクと呼ばれる低周波振動が発生するときのマウント装置10への振動入力である。
一方、仕切り部材20の通路形成板21の中央部には、第1小液室16および第2小液室17の間に介在するよう第2オリフィス通路24が形成されており、仕切り部材20には、第2オリフィス通路24内に位置するよう第2ダイヤフラム29が装着されている。
第2オリフィス通路24は、通路形成板21の中央部をその板面と直交する方向に貫通するとともに第1小液室16側の端部の開口をなす略円筒状の主要オリフィス部分24aと、仕切り部材20の背面板22の中央部に形成された第2オリフィス通路24の第2小液室17側の端部の開口24bと、主要オリフィス部分24aおよび端部の開口24bの間に位置する中間部24cとを有している。すなわち、仕切り部材20は、第2ダイヤフラム29より第1小液室16側の第2オリフィス通路24の一部に主要オリフィス部分24a(オリフィス部)を形成しており、その主要オリフィス部分24aを形成する通路形成板21の中央部は、第1小液室16側の板面からわずかに突出している。
この第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24aは、エンジン1の運転時の振動入力に応じて第1小液室16と第2小液室17との間で液体が移動するときの液柱共振周波数が第1オリフィス通路23の液柱共振周波数に比べて相対的に高い値、例えば30Hz〜50Hzの間になるように設定されており、第1オリフィス通路23に比べて、その断面積A2が大きく、または/および、その長さL2が短くなっている。すなわち、A2/L2 > A1/L1となっている(図3参照)。
第2ダイヤフラム29は、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせるエンジンシェイク等の大振幅の振動入力に対しては第2オリフィス通路24内で仕切り部材20に当接して液体の移動を規制し、第2オリフィス通路24で液柱共振を生じさせるアイドル振動等の微振幅入力に対しては第2オリフィス通路24内で撓みを生じて振動入力による液体の移動を許容するようになっている。
そして、そのアイドル振動等の微振幅入力時には、第2オリフィス通路24が、その主要オリフィス部分24aで液柱共振を生じさせる一方で、低剛性の第2ダイヤフラム29が微振幅の振動入力に応動する低剛性の撓みを生じることで、エンジン1の運転によるアイドル振動等が車体2側に伝達されるのを有効に抑制できる低剛性(低動ばね係数)が得られるようになっている。なお、ここにいうエンジン1の運転によるアイドル振動入力とは、エンジン1のアイドル運転状態で車両のステアリングホイール周りやフロアやシート等に低周波振動が生じ易いときのマウント装置10への振動入力を指すものである。
このように、仕切り部材20は、エンジン1の運転時の振動入力に応じて第1小液室16と第2小液室17との間を液体が移動するときの液柱共振周波数が低い第1オリフィス通路23と、第1オリフィス通路23より流路抵抗が小さく液柱共振周波数が相対的に高い第2オリフィス通路24とで構成されている。
第2ダイヤフラム29は、より具体的には、第2オリフィス通路24内で仕切り部材20に当接するまでの変位量の範囲で撓みを生じる円環状(非円形の環状でもよい;以下、単に環状という)の撓み部29aと、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動して第2オリフィス通路24内で仕切り部材20に当接する環状の当接部29bと、その当接部29bが仕切り部材20に当接するとき第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路24内の流体の移動を規制する円板状の剛体膜部29cを有している。
第2ダイヤフラム29の環状の撓み部29aは、例えばゴム弾性材料によって形成されており、第2ダイヤフラム29の他の部分、特に環状の撓み部29aに隣接する当接部29bや仕切り部材20への外周固定部29jよりも薄肉になるように両面側の環状溝29e、29fによって部分的に切り欠かれている。なお、環状の撓み部29aは、低剛性であればゴム弾性材料、樹脂(例えばポリアミド系繊維)、金属等のいずれで形成されてもよい。
第2ダイヤフラム29の環状の当接部29bは、環状の撓み部29aの内方側であって剛体膜部29cの外周部近傍において仕切り部材20に対向しており、環状の撓み部29aに連続するゴム弾性材料によって形成されている。また、剛体膜部29cの外周面と環状の撓み部29aとの間においては撓み部29aより肉厚となり、剛体膜部29cの外周部両面において薄肉の膜状になっている。そして、この当接部29bが仕切り部材20に当接するとき、剛体膜部29cが第2オリフィス通路24を閉塞するようになっている。
また、第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cは、環状の撓み部29aおよび当接部29bに連続する両面側のゴム弾性層29g、29hと、これらゴム弾性層29g、29hの間に埋め込まれて両ゴム弾性層29g、29hに積層された円板状の補強プレート層29kとによって構成されている。
補強プレート層29kは、環状の撓み部29a、当接部29bおよびゴム弾性層29g、29hを形成する低剛性のゴム弾性材料に比べ、実質的に剛体として機能し得る程度の高剛性、例えば20倍以上の高剛性(撓み剛性)を有している。
一方、仕切り部材20内には、第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24aを介して第1小液室16に連通する第2副液室としての第3小液室18が、仕切り部材20と第2ダイヤフラム29とによって、主要オリフィス部分24aより大径に形成されている。この第3小液室18は、第2ダイヤフラム29を挟んで第2小液室17と隣り合っている。
また、仕切り部材20は、第2オリフィス通路24内の主要オリフィス部分24aより第2小液室17側に、第2ダイヤフラム29の環状の当接部29bを挟んで互いに対向する一方および他方の環状のストッパ部25、26を有しており、これら環状のストッパ部25、26により、第2オリフィス通路24内の主要オリフィス部分24aより第2小液室17側に主要オリフィス部分24aより大径の開口25a、24bが形成されている。
なお、ストッパ部25、26は、それぞれ環状である必要はなく、等角度間隔、例えば90度間隔で配置された複数の同一突出高さの突起状のものであってもよい。また、第2小液室17側のストッパ部26を、ストッパ部25と同様な環状凸部形状としてもよい。
仕切り部材20の開口25a、24bは互いに略同一の開口径を有しており、その開口径は第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cに埋設された円板状の補強プレート層29kの直径(外径)より小さくなっている。すなわち、第2ダイヤフラム29中の補強プレート層29kは、環状のストッパ部25、26に対して半径方向にオーバーラップしており、剛体膜部29cによって開口25a、24bを閉塞可能になっている。また、第2オリフィス通路24内で補強プレート層29kに加わる液圧力を、ストッパ部25、26により仕切り部材20で直接的に担持できるようになっている。
仕切り部材20と第2ダイヤフラム29の間には、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて往復動するときの第2ダイヤフラム29の振幅よりわずかに大きいクリアランスが設定されており、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム29が第2オリフィス通路24内で往復動するとき、第2ダイヤフラム29の当接部29bがストッパ部25、26により移動を制限されないようになっている。
また、エンジンシェイク等の大振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム29が第2オリフィス通路24内で移動するときは、第2ダイヤフラム29の当接部29bがストッパ部25、26のいずれかによりその移動を規制されるとともに、第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cが開口25a、24bのうち少なくとも開口24bを閉塞することで、第2オリフィス通路24が第2ダイヤフラム29により第2小液室17側の一端近傍で閉塞されるようになっている。
仕切り部材20に装着され、上述のように構成された第2ダイヤフラム29は、その当接部29bが仕切り部材20に当接する大振幅の振幅入力時と、撓み部29aを作動させる微振幅入力時とでは、第2オリフィス通路24内での液体の移動に対する第2ダイヤフラム29の剛性が大きく異なるように、剛性が非線形化されていることになる。そして、その剛性の非線形化により、マウント装置10の特性を入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができるようになっている。
なお、図1において、筒状体14の他端部14bには環状のストッパ部材31がかしめ等の固定方法によって一体に装着されており、このストッパ部材31の内面側には第1の取付けブラケット11のフランジ部11cがゴム弾性体13の被覆部13cを介して衝止可能になっている。また、ストッパ部材31の外面側には、エンジン1側との直接干渉による衝撃を回避すべく、弾性カバー32が装着されている。さらに、本実施形態においては、第1ダイヤフラム19と第2の取付けブラケット12の間に空気室28が形成されており、空気室28内の空気が第1ダイヤフラム19の背後に位置する空気ばねとなっている。ただし、空気室28内に大気圧を導入することもできる。
次に、作用について説明する。
エンジン1の運転中には、エンジン1と車体2との間に介装されたマウント装置10には、エンジン1の運転状態や車両の走行状態に応じて振幅や振動周波数の異なる様々な振動が入力される。また、マウント装置10には、エンジン1側からの下向きの荷重が加わり続ける。
いま、マウント装置10に振動が入力されるとすると、第1および第2の取付けブラケット11、12が接近するときには、その接近に伴ってゴム弾性体13が圧縮されるとともに、第1小液室16に封入されている液体が加圧されて、第1小液室16内の液圧と第2小液室17内の液圧との差圧が生じ、第1オリフィス通路23を通して第1小液室16から第2小液室17内に液体が流動する。また、第1および第2の取付けブラケット11、12が離隔するときには、その離隔に伴ってゴム弾性体13の圧縮量が減少した後にゴム弾性体13が更に引っ張られ、第1小液室16に封入されている液体が負圧となって、第1小液室16内の液圧と第2小液室17内の液圧との前述とは逆向きの差圧が生じ、第1オリフィス通路23を通して第2小液室17から第1小液室16内に液体が流動する。
今、例えば車体2の剛体振動とエンジン系の共振によってエンジンシェイクが発生し、マウント装置10に大振幅の振動が入力されるとすると、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる低周波・大振幅の振動が入力されたことになるが、このとき、第2オリフィス通路24内の第2ダイヤフラム29がその当接部29bを仕切り部材20のストッパ部25、26のいずれかに当接させることで、第2ダイヤフラム29の当接部29bおよび剛体膜部29cによって第2オリフィス通路24が閉塞されることになる。すなわち、第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cによって第2オリフィス通路24が閉塞されるとともに、仕切り部材20に対する第2オリフィス通路24内での液体の移動が確実に規制される。そして、主液室である第1小液室16と第2の副液室である第3小液室18との間に液圧差がほとんどない状態で、主液室である第1小液室16と第1の副液室である第2小液室17との間の差圧変動に応じ第1オリフィス通路23内を液体が移動する。
この状態においては、第1オリフィス通路23内で低周波・大振幅の振動入力に応じた液体の往復移動に液柱共振が生じ、その共振作用による減衰効果が発揮される。また、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果が、第2オリフィス通路24内の流体移動によって損なわれることがない。したがって、図4中の周波数領域Z1に示すように、マウント装置10の大振幅時の減衰係数C1が十分に高められるとともに、マウント装置10の大振幅入力に対応可能な動ばね係数kd1が確保される。すなわち、マウント装置10は、超低周波数のシェイク振動入力のような大振幅の振動入力に対して、十分な減衰効果を発揮し得ることになる。
一方、今、エンジン1のアイドル運転中で車両のステアリングホイール周りやフロアやシート等に低周波振動が生じ易い状態であるとすると、マウント装置10に第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる周波数を超える微振幅の振動が入力される。
この状態においては、第3小液室18内の液圧変動に対し、第2小液室17の液圧の平衡状態を維持するように、第2ダイヤフラム29が第1小液室16と第2小液室17の間の差圧に応じて低剛性の撓み部29aに撓みを生じさせつつ剛体膜部29cを微振幅で往復変位させ、第2オリフィス通路24内に液柱共振が生じることになる。したがって、図4中の周波数領域Z2内に示すように、マウント装置10の微振幅時の減衰係数C2が増加するとともに、低剛性の第2ダイヤフラム29の撓み部29aが効き、マウント装置10の微振幅時の動ばね係数Kd2が十分に低下することになり、微振幅の振動入力に対してマウント装置10を十分に低い動ばね係数に抑えることができる。また、第1ダイヤフラム19を必要に応じて高剛性化できる。
このように、本実施形態のマウント装置10においては、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく、微振幅の振動入力に対するマウント装置10の動ばね係数を十分に低下させることができ、アイドル振動等の微振幅振動入力に対する低動ばね化とシェイク振動等の大振幅振動入力に対する減衰効果とをアクチュエータ等を使用することなく高度に両立させることができる。しかも、マウント装置10の特性を、従来の可動板方式ではオリフィスによる減衰効果が期待できない微振幅領域においても、入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができ、ダイヤフラムに過度の肉厚変化をつけたりアクチュエータを用いる剛性調整機構を付加したりする必要もないので、構成が簡素でコンパクトかつ低コストで耐久性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、第2ダイヤフラム29の撓み部29aが環状に形成され、その撓み部29aの内方側に当接部29bが配置されているので、第2オリフィス通路24を当接部29bおよび剛体膜部29cによって容易に閉止可能にでき、部品構成も簡素にできる。しかも、撓み部29aがゴム弾性材料によって形成されるとともに、当接部29bが撓み部29aに連続するゴム弾性材料によって形成され、当接部29bが仕切り部材20に当接するとき、剛体膜部29cが第2オリフィス通路24を閉塞するようになっているので、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を第2オリフィス通路24内の流体移動によって損なうことを確実に防止できる。
さらに、第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cが、撓み部29aに連続するゴム弾性層と、そのゴム弾性層に積層された補強プレート層29kとを有しているので、剛体膜部29cが第2オリフィス通路24を閉塞するとき、第2オリフィス通路24が確実に閉止されることになり、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を第2オリフィス通路24内の流体移動によって損なうことをより確実に防止できる。
また、第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24aより第2小液室17側に第2ダイヤフラム29が配置され、その第2ダイヤフラム29の一面側に主要オリフィス部分24aを介して第1小液室16に連通する第3小液室18が効率よく形成されることになり、コンパクトな装置構成が達成できる。
加えて、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる低周波・大振幅の振動が入力されるときには、第2オリフィス通路24内の第2ダイヤフラム29が、その当接部29bをストッパ部25、26に当接させるとともに、環状のストッパ部25、26により形成されている開口25a、24bをその剛体膜部29cによって閉塞するので、仕切り部材20に対する第2オリフィス通路24内での液体の移動を第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cによって確実に規制することができ、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく十分に発揮させることができる。
また、第3小液室18が第2ダイヤフラム29を挟んで第2小液室17と隣り合っているので、第2ダイヤフラム29を仕切り部材20内に組み込んだコンパクトな低コストの装置にできる。
なお、本実施形態においては、第2ダイヤフラム29の当接部29bを第2ダイヤフラム29の剛体膜部29cと同一の厚さとしたが、ストッパ部25、26のうち少なくとも一方側、例えば平坦な板面を持つストッパ部26側の当接部29bを剛体膜部29cよりも図1中の下方側に環状にわずかに突出させ、当接時の衝撃や音をより抑えるようにしてもよい。また、一面側で第3小液室を形成する第2ダイヤフラムの他面側に第2小液室17側の液圧を作用させるのでなく、大気圧の空気(外気)または空気ばねとして作用する空気を第2ダイヤフラムの他面側に接触させることもできる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る液体封入式防振装置の仕切り部材の側面断面図である。なお、以下に説明する各実施形態は、前述の第1の実施の形態と類似の全体構成を有しているので、その類似する構成については図1および図2に示した符号を用い、相違点についてのみ詳述する。
本実施形態のマウント装置10においては、上述の第1の実施の形態における仕切り部材20および第2ダイヤフラム29に代えて、図5に示すような仕切り部材40および第2ダイヤフラム49を設けている。
図5中には図示しないが、仕切り部材40は、液室15内を、ゴム弾性体13の弾性変形に応じて圧力変化する一面側の第1小液室16と、第1ダイヤフラム19の拡張および収縮により容積変化する第2小液室17とに仕切っている。
この仕切り部材40は、第2オリフィス通路24の形状に対応する溝や穴が形成された略円板状の通路形成板41と、通路形成板41の背面側に一体に固着されるとともに仕切り部材40の外周固定部を構成する背面板22とによって構成されており、同図中の上方側に位置する通路形成板41の中央部には、その板面に直交する方向に向けて貫通する第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24a(オリフィス部)が形成されている。
通路形成板41および背面板22は、上述の実施形態と略同様に、外周溝21aを形成する環状突部21b、22bと、その外周溝21aの一部を第1小液室16に連通させる一方側の切欠き部21dと、この切欠き部21dから第1オリフィス通路23の所定の長さを規定する周方向の距離を隔てる他方側の切欠き部22dを有している。そして、通路形成板41および背面板22がそれぞれの外周部分でゴム弾性体13のスカート部13s(図1参照)に圧接することで、エンジン1の運転によるシェイク振動入力等を減衰する第1オリフィス通路23が形成されている。
一方、上述の第1の実施の形態では、通路形成板21および背面板22が剛体的に一体に結合され、環状リップ状の外周固定部29jが第2ダイヤフラム29の最外周部で両面側に突出していたのに対して、本実施形態では、通路形成板41および背面板22が第2ダイヤフラム49の外周固定部49jを挟んで相互に弾性的に結合されたフローティング構造となっている。
すなわち、第2ダイヤフラム49の外周固定部49jは、環状リップ部49pの半径方向両側にストッパ部25、26の離間距離相当の同一の膜厚を有する環状ゴム弾性部分を配置したものであり、第2ダイヤフラム49がストッパ部25、26によって当接する際の衝撃・振動が通路形成板41および背面板22のうちいずれか一方側から他方側に伝達されるのを抑制し、打音を防止するようになっている。
なお、第2ダイヤフラム49は、第2オリフィス通路24内で仕切り部材40に当接するまでの変位量の範囲で撓みを生じる環状の撓み部49aと、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動して第2オリフィス通路24内で仕切り部材40に当接する環状の当接部49bと、その当接部49bが仕切り部材40に当接するとき第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路24内の流体の移動を規制する円板状の剛体膜部49cを有している。
これら環状の撓み部49a、環状の当接部49bおよび円板状の剛体膜部49cの詳細な構成は、上述の第1の実施の形態における環状の撓み部29a、環状の当接部29bおよび円板状の剛体膜部29cの詳細構成と同様である。また、第2ダイヤフラム49の剛体膜部49cに埋め込まれた円板状の補強プレート層29kは、環状の撓み部49a、当接部49bおよび剛体膜部49cのゴム弾性層29g、29hを形成する低剛性のゴム弾性材料に比べ、実質的に剛体として機能し得る程度の高剛性、例えば20倍以上の高剛性(撓み剛性)を有している。
仕切り部材40内には、第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24aを介して第1小液室16に連通する第2副液室としての第3小液室18が、仕切り部材40と第2ダイヤフラム49とによって形成されている。また、第2オリフィス通路24内の主要オリフィス部分24aより第2小液室17側には、一方および他方の環状のストッパ部25、26が設けられている。
仕切り部材40のストッパ部25、26と第2ダイヤフラム49の当接部49bとの間には、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて往復動するときの第2ダイヤフラム49の振幅よりわずかに大きいクリアランスが設定されており、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム49が第2オリフィス通路24内で往復動するとき、第2ダイヤフラム49の当接部49bがストッパ部25、26により移動を制限されないようになっている。
また、エンジンシェイク等の大振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム49が第2オリフィス通路24内で移動するときは、第2ダイヤフラム49の当接部49bがストッパ部25、26のいずれかによりその移動を規制されるとともに、第2ダイヤフラム49の剛体膜部49cが開口25a、24bのうち少なくとも開口24bを閉塞することで、第2オリフィス通路24が第2ダイヤフラム49により第2小液室17側の一端近傍で閉塞されるようになっている。
仕切り部材40に装着され、上述のように構成された第2ダイヤフラム49は、その当接部49bが仕切り部材40に当接する大振幅の振幅入力時と、撓み部49aを作動させる微振幅入力時とでは、第2オリフィス通路24内での液体の移動に対する第2ダイヤフラム49の剛性が大きく異なるように、剛性が非線形化されていることになる。そして、その剛性の非線形化により、マウント装置10の特性を入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができるようになっている。
本実施形態においても、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく、微振幅の振動入力に対するマウント装置10の動ばね係数を十分に低下させることができ、アイドル振動等の微振幅振動入力に対する低動ばね化とシェイク振動等の大振幅振動入力に対する減衰効果とをアクチュエータ等を使用することなく高度に両立させることができる。しかも、マウント装置10の特性を、従来の可動板方式ではオリフィスによる減衰効果が期待できない微振幅領域においても、入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができる。したがって、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、通路形成板41および背面板22を第2ダイヤフラム49の外周固定部49jを介して弾性的に結合したフローティング構造を採用しているので、第2ダイヤフラム49がストッパ部25、26によって当接する際の衝撃・振動が通路形成板41および背面板22のうちいずれか一方側から他方側に伝達されるのを抑制し、打音の発生を有効に防止することができる。
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る液体封入式防振装置の仕切り部材の側面断面図である。
本実施形態のマウント装置10においては、図6に示すように、仕切り部材50は、通路形成板41と、通路形成板41の背面側に一体に固着されるとともに仕切り部材50の外周固定部を構成する背面板52とによって構成されており、通路形成板41の中央部には第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24aが形成されている。背面板52は、通路形成板41と共に外周溝21aを形成する板金製の本体部分53と、第1ダイヤフラム19の固定用の環状支持板19bと共に筒状体14の一端部14aによって第2の取付けブラケット12に一体にかしめ結合された環状支持板部分54と、本体部分53および環状支持板部分54の間に介装されたゴム弾性部分55とによって構成されている。
背面板52の本体部分53は、その中央部に開口24bが形成され、それと同心的に第2ダイヤフラム49の環状リップ部49pが嵌め込まれる環状凹凸部53aと、最外周のリブ状曲げ部53bを有している。背面板52の環状支持板部分54は、最内周のリブ状曲げ部54aと、第1ダイヤフラム19の固定用の環状支持板19bと略同一の外径になるように半径方向に広がった外周部54bを有している。また、背面板52のゴム弾性部分55は、本体部分53および環状支持板部分54の間に周方向等間隔に離間するように複数の円弧状に分割されるか、環状の一部を切り欠いた円弧状に形成されている。
すなわち、本実施形態では、通路形成板41と背面板52とが第2ダイヤフラム49の外周固定部49jを挟んで相互に弾性的に結合されたフローティング構造に加えて、背面板52にも、その本体部分53と環状支持板部分54とがゴム弾性部分55を介装して弾性的に結合されたフローティング構造が採用されている。
また、通路形成板41および背面板52は、外周部に周方向に延在する外周溝21aを形成する環状突部21b、52bと、その外周溝21aの一部を第1小液室16に連通させるように環状突部21bを部分的に切り欠いた一方側の切欠き部21dと、この切欠き部21dから第1オリフィス通路23の所定の長さを規定する周方向の距離を隔てて第2小液室17に連通させるように環状突部52bを部分的に切り欠いた他方側の切欠き部52dを有している。そして、通路形成板41および背面板52がそれぞれの外周部分でゴム弾性体13のスカート部13sに圧接することで、仕切り部材50の一方の切欠き部21d、外周溝21aおよび他方側の切欠き部52dにより、第1小液室16と第2小液室17との間に介在するよう仕切り部材20の外周側に位置する第1オリフィス通路23が形成されている。
このように構成された本実施形態においては、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく、微振幅の振動入力に対するマウント装置10の動ばね係数を十分に低下させることができ、アイドル振動等の微振幅振動入力に対する低動ばね化とシェイク振動等の大振幅振動入力に対する減衰効果とをアクチュエータ等を使用することなく高度に両立させることができ、マウント装置10の特性を、従来の可動板方式ではオリフィスによる減衰効果が期待できない微振幅領域においても、入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができ、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上述の第2の実施の形態と同様に、通路形成板41および背面板52を第2ダイヤフラム49の外周固定部49jを介して弾性的に結合するフローティング構造に加えて背面板52にもフローティング構造を採用しているので、第2ダイヤフラム49がストッパ部25、26によって当接する際の衝撃・振動が通路形成板41および背面板52のうちいずれか一方側から他方側に伝達されるのを抑制し、打音の発生を有効に防止することができる。
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る液体封入式防振装置の仕切り部材の側面断面図である。
本実施形態のマウント装置10においては、図7に示すように、仕切り部材60は、第2オリフィス通路24の形状に対応する溝や穴が形成された略円板状の通路形成板61と、通路形成板61の背面側に一体に固着されるとともに仕切り部材60の外周固定部を構成する背面板22とによって構成されており、同図中の上方側に位置する通路形成板61の中央部には、その板面に直交する方向に向けて貫通する第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分24a(オリフィス部)が形成されている。
通路形成板61および背面板22は、上述の第2の実施形態と略同様に、外周溝21aを形成する環状突部21b、22bと、その外周溝21aの一部を第1小液室16に連通させる一方側の切欠き部21dと、この切欠き部21dから第1オリフィス通路23の所定の長さを規定する周方向の距離を隔てる他方側の切欠き部22dとを有している。そして、通路形成板61および背面板22がそれぞれの外周部分でゴム弾性体13のスカート部13s(図1参照)に圧接することで、エンジン1の運転によるシェイク振動入力等を減衰する第1オリフィス通路23が形成されている。
通路形成板61および背面板22は、第2ダイヤフラム69の外周固定部69jを挟んで相互に弾性的に結合されたフローティング構造となっている。
すなわち、第2ダイヤフラム69の外周固定部69jは、環状リップ部69pの半径方向両側にストッパ部25、26の離間距離相当の同一の膜厚を有する環状ゴム弾性部分を配置したものであり、第2ダイヤフラム69がストッパ部25、26によって当接する際の衝撃・振動が通路形成板61および背面板22のうちいずれか一方側から他方側に伝達されるのを抑制し、打音を防止するようになっている。
なお、本実施形態においては、通路形成板61に形成されたストッパ部25の高さが上述の実施形態とはわずかに異なっており、第2ダイヤフラム69は上述の実施形態の場合より低剛性でアイドル振動等の微振幅振動入力に対する振幅が上述の実施形態とはわずかに異なるようになっている。
具体的には、第2ダイヤフラム69は、第2オリフィス通路24内で仕切り部材60に当接するまでの変位量の範囲で撓みを生じる撓み部69aと、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動して第2オリフィス通路24内で仕切り部材60に当接する環状の当接部69bと、その当接部69bが仕切り部材60に当接するとき第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路24内の流体の移動を規制する円板状の剛体膜部69cを有している。
第2ダイヤフラム69の撓み部69aは、上述の第1の実施の形態における環状の撓み部29aに周方向等間隔に離間し膜厚方向に貫通する複数の貫通孔69dを、例えば90度間隔に形成したものであり、第1の実施の形態における環状の撓み部29aよりも低剛性となっている。また、環状の当接部69bおよび円板状の剛体膜部69cの詳細な構成は、上述の第1の実施の形態における環状の当接部29bおよび円板状の剛体膜部29cの詳細構成とそれぞれ同様である。また、第2ダイヤフラム69の剛体膜部69cに埋め込まれた円板状の補強プレート層29kは、撓み部69a、当接部69bおよび剛体膜部69cのゴム弾性層29g、29hを形成する低剛性のゴム弾性材料に比べて、実質的に剛体として機能し得る程度の高剛性、例えば20倍以上の高剛性(撓み剛性)を有している。
仕切り部材60のストッパ部25、26と第2ダイヤフラム69の当接部69bとの間には、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて往復動するときの第2ダイヤフラム69の振幅よりわずかに大きいクリアランスが設定されており、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム69が第2オリフィス通路24内で往復動するとき、第2ダイヤフラム69の当接部69bがストッパ部25、26により移動を制限されないようになっている。
また、エンジンシェイク等の大振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム69が第2オリフィス通路24内で移動するときは、第2ダイヤフラム69の当接部69bがストッパ部25、26のいずれかによりその移動を規制されるとともに、第2ダイヤフラム69の剛体膜部69cが開口25a、24bを閉塞することで、第2オリフィス通路24が第2ダイヤフラム69により第2小液室17側の一端近傍で閉塞されるようになっている。
仕切り部材60に装着され、上述のように構成された第2ダイヤフラム69は、その当接部69bが仕切り部材60に当接する大振幅の振幅入力時と、低剛性の撓み部69aを作動させる微振幅入力時とでは、第2オリフィス通路24内での液体の移動に対する第2ダイヤフラム69の剛性が大きく異なるように、剛性が非線形化されていることになる。
本実施形態においても、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく、微振幅の振動入力に対するマウント装置10の動ばね係数を十分に低下させることができ、アイドル振動等の微振幅振動入力に対する低動ばね化とシェイク振動等の大振幅振動入力に対する減衰効果とをアクチュエータ等を使用することなく高度に両立させることができ、上述の第1、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、第2ダイヤフラム69の撓み部69aが非常に低剛性であり、かつ、その撓み部69aに形成された複数の貫通孔69dを通して微振幅入力時の流体の移動がより容易になるから、アイドル振動等の微振動入力に対する低動ばね係数化を更に容易にできる。
(第5の実施の形態)
図8は、本発明の第5の実施の形態に係る液体封入式防振装置の模式構成図である。
同図に示すように、本実施形態のマウント装置70は、上述の第1の実施の形態と同様に、エンジン1(図1参照)の運転中における様々な振動入力に対して相対変位可能な第1の取付けブラケット11および第2の取付けブラケット12の間に介装されたゴム弾性体13と、ゴム弾性体13との間に液室15を形成するよう第2の取付けブラケット12に装着された拡張および収縮可能な円形の第1ダイヤフラム19と、液室15内に配置された円形の仕切り部材80とを備えている。また、仕切り部材80は、液室15内を、ゴム弾性体13の弾性変形に応じて圧力変化する一面側の第1小液室16と、第1ダイヤフラム19の拡張および収縮により容積変化する第2小液室17とに仕切っている。
仕切り部材80には、詳細を図示しないが、例えば第1の実施の形態と同様に、ゴム弾性体13のスカート部13sに圧接することで、外周側に位置する第1オリフィス通路23を形成している。
一方、仕切り部材80内には、第2オリフィス通路24の主要オリフィス部分(図8中に符合なし)を介して第1小液室16に連通する第2副液室としての第3小液室18が、仕切り部材80によって主要オリフィス部分24aより大径に形成されている。
この仕切り部材80は、一面側で第3小液室18を形成する第2ダイヤフラム89の他面側に第2小液室17側の液圧を作用させるのでなく、大気圧の空気(外気)または空気ばねとして作用する空気を第2ダイヤフラム89の他面側に接触させるように構成されている。
また、第2ダイヤフラム89は、第2オリフィス通路24内で仕切り部材80に当接するまでの変位量の範囲で撓みを生じる環状の撓み部89aと、第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動して第2オリフィス通路24内で仕切り部材80に当接する環状の当接部89bと、その当接部89bが仕切り部材80に当接するとき第1オリフィス通路23で液柱共振を生じさせる大振幅の振動入力に応動する第2オリフィス通路24内の流体の移動を規制する円板状の剛体膜部89cを有している。
これら環状の撓み部89a、環状の当接部89bおよび円板状の剛体膜部89cの詳細な構成は、上述の第1の実施の形態における環状の撓み部29a、環状の当接部29bおよび円板状の剛体膜部29cの詳細構成と略同様である。したがって、第2ダイヤフラム89の剛体膜部89cは、環状の撓み部89aや当接部89bの一部を形成する低剛性のゴム弾性材料に比べ、実質的に剛体として機能し得る程度の高剛性、例えば20倍以上の高剛性を有している。
仕切り部材80のストッパ部25、26と第2ダイヤフラム89の当接部89bとの間には、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて往復動するときの第2ダイヤフラム89の振幅よりわずかに大きいクリアランスが設定されており、アイドル振動等の微振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム89が第2オリフィス通路24内で往復動するとき、第2ダイヤフラム89の当接部89bがストッパ部25、26により移動を制限されないようになっている。
また、エンジンシェイク等の大振幅の振動入力に応じて第2ダイヤフラム89が第2オリフィス通路24内で移動するときは、第2ダイヤフラム89の当接部89bがストッパ部25、26のいずれかによりその移動を規制されるとともに、第2オリフィス通路24が第2ダイヤフラム29により第2小液室17側の一端近傍で閉塞されるようになっている。
仕切り部材20に装着され、上述のように構成された第2ダイヤフラム89は、その当接部89bが仕切り部材80に当接する大振幅の振幅入力時と、撓み部89aを作動させる微振幅入力時とでは、第2オリフィス通路24内での液体の移動に対する第2ダイヤフラム89の剛性が大きく異なるように、剛性が非線形化されていることになる。そして、その剛性の非線形化により、マウント装置70の特性を入力される振動の振幅に応じて能動的に切り替えることができるようになっている。
本実施形態においても、大振幅の振動入力に対する第1オリフィス通路23の減衰効果を損なうことなく、微振幅の振動入力に対するマウント装置10の動ばね係数を十分に低下させることができ、アイドル振動等の微振幅振動入力に対する低動ばね化とシェイク振動等の大振幅振動入力に対する減衰効果とをアクチュエータ等を使用することなく高度に両立させることができ、上述の第1、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、第2ダイヤフラム89がその一面側で第3小液室18を形成するとともに、他面側では空気に接しているので、第2ダイヤフラム89を仕切り部材80内に組み込んだ軽量の装置にできる。
なお、上述の各実施形態においては、第2ダイヤフラム29、49、69、89の撓み部29a、49a、69a、89aはそれぞれ他の部分の膜厚より肉薄になるように溝で切り欠いたり貫通孔を形成したりするものであったが、そのような切り欠いた形状に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、仕切り部材20内の第2ダイヤフラム91の撓み部91aを剛体膜部91cの中立面に対し直交する方向に蛇行する断面を有する蛇腹形状にしたり、図9(b)に示すように、仕切り部材20内の第2ダイヤフラム96の撓み部96aを剛体膜部91cと同一の厚さで剛性のみが顕著に相違する形状にしたりすることもできる。また、環状溝に代えて周方向等間隔に複数の凹部を設け、周方向で厚さが周期的に変動する撓み部とすることもできるし、剛体膜部の中立面に対して、撓み部を第1小液室16側もしくは第2小液室17(第1の副液室)側に偏倚させてもよい。図9(a)および図9(b)に示す第2ダイヤフラム91、96の撓み部91a、96a以外の部分の詳細構成は、第1の実施形態における第2ダイヤフラム29と同様である。
また、本発明においては、第1オリフィス通路を介して連通する2つの小液室は、第2オリフィス通路を介して連通する2つの小液室と異なってもよい。すなわち、各オリフィス通路で連通する2つの小液室の組合せは任意である。したがって、弾性体とダイヤフラムの間の液室は、例えば、仕切り部材の片面側で弾性体の弾性変形に応じて圧力変化する主液室たる第1小液室と、仕切り部材の他面側で第1小液室の圧力変化に応じて拡張および収縮する副液室たる第2小液室および第3小液室(少なくとも1つの副液室)とに仕切られてもよく、その場合、第1小液室と第2小液室を第1オリフィス通路により連通させ、第1小液室と第3小液室を第2オリフィス通路により連通させ、その第2オリフィス通路上に第2ダイヤフラムを配置することができる。要するに、少なくとも1室が相違する異なる組合せの2つの小液室間に、それぞれ液柱共振周波数の異なる第1オリフィス通路と第2オリフィス通路のうち少なくとも1つのオリフィス通路を設けることができる。
さらに、第1オリフィス通路より液柱共振周波数が高い複数種の第2オリフィス通路を形成し、その複数の第2オリフィス通路間で液柱共振周波数が相違するように構成して、より広範囲の振動入力に対する防振効果を得ることもできる。その場合、複数種の第2オリフィス通路には、それぞれの液柱共振周波数より低周波数(例えば第1オリフィス通路の液柱共振周波数)の振動入力に対しては第2オリフィス通路を閉止する複数種の第2ダイヤフラムが設けられることになる。また、仕切り部材には、その外周部分で取付け部材側との間に少なくとも1種類のオリフィス通路を形成することができ、その内方部分に少なくとも他の1種類のオリフィス通路を形成することができる。
さらに、上述の各実施形態においては、振動体は、内燃機関であるエンジン1としたが、内燃機関以外の車両の原動機、例えば電気モータや、エンジンと電気モータを併有するものであってもよいし、変速機を一体化したパワーユニットとして構成されたものであってもよい。また、主液室である第1小液室16側をエンジン側としていたが、車体側となってもよい。さらに、車両の原動機に限定されず、他の振動体による振動入力に対してもその振動減衰に効果的に用いることができるのはいうまでもない。
以上説明したように、本発明は、仕切り部材に当接しない微振幅振動入力時には低剛性である第2ダイヤフラムを、仕切り部材に当接した状態では実質的に剛体膜と同様に機能させる非線形特性として、第2オリフィス通路内の流体の移動を確実に制限できるようにしているので、大振幅の振動入力に対する第1オリフィスの減衰効果を損なうことなく微振幅の振動入力に対して動ばね係数を十分に低下させることができる構成の簡素な低コストの耐久性に優れた液体封入式防振装置を提供することができるという効果を奏するものであり、内部に液体が封入された液体封入式防振装置、特に異種の減衰用オリフィスを切り替えて使用するようにした液体封入式防振装置全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置の側面断面図である。 図2(a)は、第1の実施の形態に係るマウント装置の仕切り部材の拡大側面断面図であり、図2(b)は、その仕切り部材内に組み込まれた第2ダイヤフラムの平面図である。 第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置の模式構成図である。 第1の実施の形態に係る液体封入式防振装置の作用を説明するグラフで、縦軸は減衰係数および動ばね定数を表し、横軸は振動周波数を表している。 第2の実施の形態に係るマウント装置の仕切り部材の拡大側面断面図である。 第3の実施の形態に係るマウント装置の仕切り部材の拡大側面断面図である。 第4の実施の形態に係るマウント装置の仕切り部材の拡大側面断面図である。 第5の実施の形態に係る液体封入式防振装置の模式構成図である。 図9(a)は各実施の形態に係る液体封入式防振装置の第2ダイヤフラムの変形態様を示すその撓み部の拡大断面図であり、図9(b)は各実施の形態に係る液体封入式防振装置の第2ダイヤフラムの他の変形態様を示すその撓み部の拡大断面図である。
符号の説明
1 エンジン(振動体)
2 車体(支持体)
10、70 マウント装置(液体封入式防振装置)
11 第1の取付けブラケット(第1の取付け部材)
12 第2の取付けブラケット(第2の取付け部材)
13 ゴム弾性体(弾性体)
14 筒状体
15 液室
16 第1小液室(主液室)
17 第2小液室(第1副液室)
18 第3小液室(第2副液室)
19 第1ダイヤフラム
20、40、50、60、80 仕切り部材
21、41、61 通路形成板
22、52 背面板
22d 切欠き部
23 第1オリフィス通路(複数種のオリフィス通路)
24 第2オリフィス通路(複数種のオリフィス通路)
24a 主要オリフィス部分(オリフィス部)
24b 開口
25、26 ストッパ部
29、49、69、89、91、96 第2ダイヤフラム
29a、49a、69a、89a、91a、96a 撓み部
29b、49b、69b、89b、91b、96b 当接部
29c、49c、69c、89c、91c、96c 剛体膜部
29g、29h ゴム弾性層
29j、49j、69j 外周固定部
29k 補強プレート層
69d 貫通孔

Claims (10)

  1. 振動体と該振動体を支持する支持体との間に介装される液体封入式防振装置であって、
    前記振動体および前記支持体からの振動入力に応じて相対変位可能な第1および第2の取付け部材と、
    前記第1および第2の取付け部材の間に介装された弾性体と、
    前記弾性体との間に液室を形成するよう、前記第1および第2の取付け部材のうちいずれか一方に装着された拡張および収縮可能な第1ダイヤフラムと、
    前記液室内を、複数の小液室に仕切るとともに、それぞれ任意の2つの小液室の間に介在する複数種のオリフィス通路を形成する仕切り部材と、を備えた液体封入式防振装置において、
    前記複数種のオリフィス通路が、流動する液体の液柱共振周波数が低い第1オリフィス通路と、流動する液体の液柱共振周波数が前記第1オリフィス通路より高い第2オリフィス通路と、を含み、
    前記仕切り部材には、前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に対しては前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接して液体の移動を規制し、前記第2オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に対しては前記第2オリフィス通路内で撓みを生じて前記振動入力による液体の移動を許容する第2ダイヤフラムが装着され、
    前記第2ダイヤフラムが、前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接するまでの変位量の範囲で前記撓みを生じる撓み部と、前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に応動して前記第2オリフィス通路内で前記仕切り部材に当接する当接部と、前記当接部が前記仕切り部材に当接するとき前記第1オリフィス通路で液柱共振を生じさせる振動入力に応動する前記第2オリフィス通路内の流体の移動を規制する剛体膜部と、を有することを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 前記当接部が前記剛体膜部の外周部近傍で前記仕切り部材に対向していることを特徴とする請求項1に記載の液体封入式防振装置。
  3. 前記撓み部が環状に形成され、該撓み部の内方側に前記当接部が配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体封入式防振装置。
  4. 前記撓み部が、ゴム弾性材料によって形成され、
    前記当接部が、前記撓み部に連続するゴム弾性材料によって形成され、
    前記当接部が前記仕切り部材に当接するとき、前記剛体膜部が、前記第2オリフィス通路を閉塞することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の液体封入式防振装置。
  5. 前記剛体膜部が、前記撓み部に連続するゴム弾性層と、該ゴム弾性層に積層された補強プレート層と、を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の液体封入式防振装置。
  6. 前記仕切り部材は、前記液室内を、前記弾性体の弾性変形に応じて圧力変化する一面側の第1小液室と、前記第1ダイヤフラムの拡張および収縮により容積変化する第2小液室とに仕切るとともに、前記第2ダイヤフラムより前記第1小液室側の前記第2オリフィス通路の一部に前記第1オリフィス通路より高い液柱共振周波数を有するオリフィス部を形成しており、
    該オリフィス部を介して前記第1小液室に連通する第3小液室が、前記仕切り部材と前記第2ダイヤフラムとによって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の液体封入式防振装置。
  7. 前記仕切り部材が、前記第2オリフィス通路内の前記オリフィス部より前記第2小液室側に、前記第2ダイヤフラムの当接部を挟んで互いに対向する一方および他方の環状のストッパ部を有し、該環状のストッパ部により、前記第2オリフィス通路内の前記オリフィス部より前記第2小液室側に前記剛体膜部により閉塞可能な開口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体封入式防振装置。
  8. 前記第3小液室が、前記第2ダイヤフラムを挟んで前記第2小液室と隣り合っていることを特徴とする請求項7に記載の液体封入式防振装置。
  9. 前記第2ダイヤフラムが、一面側で前記第3小液室を形成するとともに、他面側で空気に接していることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液体封入式防振装置。
  10. 前記振動体および前記支持体が、車両のエンジンおよび車体であり、
    前記エンジンの運転によるシェイク振動入力時に前記第1オリフィス通路が液柱共振を生じ、前記エンジンの運転によるアイドル振動入力時に前記第2オリフィス通路が液柱共振を生じるように、前記第1オリフィス通路および前記第2オリフィス通路の断面積と長さがそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか1の請求項に記載の液体封入式防振装置。
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