JP2007139024A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受圧室内に負圧が生じた場合に、負圧を可及的速やかに解消して、異音や振動の発生を防止することが出来ると共に、受圧室内に正圧が生じた場合には、受圧室内の圧力変動を確保して、オリフィス通路を通じての流体流動量を十分に得ることにより、流体の流動作用に基づく防振効果を有効に発揮する、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】液圧調節用弾性膜64を、仕切部材42の受圧室44側表面に接触するように重ね合わせて、一方の面が受圧室44内に直接面するように外周縁部を仕切部材42に固定して配設する一方、仕切部材42に透孔80を設けて、該透孔80を通じて液圧調節用弾性膜64の他方の面に平衡室46の液圧が及ぼされるようにして、受圧室44と平衡室46の圧力差による液圧調節用弾性膜64の受圧室44側への変形を許容すると共に、平衡室46側への変形を阻止した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンマウント等に用いられる防振装置に係り、特に、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体として、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結した防振装置が各種分野で広く採用されている。その一種として、振動が入力される受圧室と、容積変化が許容される平衡室を形成して、それら両室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら両室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置が知られている。
このような流体封入式防振装置では、封入した非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得ることが出来る。それ故、ゴム弾性体だけの防振特性を利用する場合に比して、防振装置に要求される低動ばね特性や高減衰特性を、一層有利に得ることが可能となる。特に、オリフィス通路の形状や長さ等の設計変更で防振特性の周波数チューニングも容易に出来る。それ故、例えば、特定の周波数域で高度な防振性能が要求される自動車用のエンジンマウント等への適用が、積極的に検討されている。
ところで、このような流体封入式防振装置では、第一の取付部材と第二の取付部材の間に大きな振動荷重が入力されると、防振装置から異音や振動が発せられる場合がある。具体的には、上述の如き構造の流体封入式防振装置をエンジンマウントとして採用する自動車では、波状路やスピードバンプ(道路を横断するかまぼこ形の障害物)が設けられた路面上等を走行した場合に、車室内で乗員が体感できる程の異音や衝撃を生ずる場合がある。
このような異音や振動の発生原因は、未だ充分に解明されていないが、衝撃的な振動の入力時において、オリフィス通路を通じて受圧室と平衡室の間で生じる流体流動が追従しきれず、受圧室内で局所的に瞬間的な著しい負圧が生ぜしめられることによると考えられる。即ち、このような負圧が生ぜしめられると、封入流体から気体が分離されて、キャビテーションと解せられる気泡が形成される。更に、かかる気泡は、発生から成長に至る過程を経てから崩壊に至り、爆発的な微小噴流(マイクロジェット)を形成する。これが水撃圧となって第一の取付部材や第二の取付部材に伝播し、自動車のボデーなどに伝達されることによって前述の如き問題となる異音や振動が生ぜしめられるに至るものと考えられる。
そこで、このような問題に対処するために、特許文献1(特公平7−107416号公報)には、受圧室と平衡室を仕切る仕切ゴム膜に対して、切込みを形成した構造が提案されている。かかる仕切ゴム膜においては、受圧室と平衡室の圧力差が大きくなると仕切ゴム膜が弾性変形することで、そこに設けられた切込みが開口して受圧室と平衡室が連通せしめられる。これにより、切込みを通じての流体流動が許容されて、受圧室における過大な負圧が回避されるようになっている。
しかしながら、このような特許文献1に記載の構造では、受圧室に負圧が生じた場合だけでなく、正圧が生じた場合にも仕切ゴム膜の切込みが開口して、該切込みを通じて受圧室と平衡室が連通状態となる。そのために、振動入力時に、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動を充分に得ることが難しくなる。その結果、オリフィス通路を通じての流体流動量が十分に得られなくなって、オリフィス通路による所期の防振効果が有効に発揮され難くなってしまうおそれがあった。
特公平7−107416号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、振動入力時における受圧室の圧力変動を効率的に確保してオリフィス通路による防振効果を充分に確保しつつ、受圧室内における気泡の発生に起因する異音や振動を効果的に防止することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することを目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の第一の態様)
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が許容される平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、前記仕切部材の前記受圧室側表面に接触するように液圧調節用弾性膜を重ね合わせて配設し、該液圧調節用弾性膜の外周縁部を該仕切部材に固定する一方、該仕切部材の該液圧調節用弾性膜が重ね合わされた部位に透孔を形成して該液圧調節用弾性膜の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされると共に該液圧調節用弾性膜の他方の面に該透孔を通じて前記平衡室の圧力が及ぼされるようにして、該液圧調節用弾性膜の該受圧室側への弾性変形が許容される一方、該液圧調節用弾性膜の該平衡室側への弾性変形が規制される構造としたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、液圧調節用弾性膜の弾性変形が受圧室側で許容されていることにより、受圧室内で過大な負圧が生じた場合に、液圧調節用弾性膜の弾性変形によって受圧室内の負圧が可及的速やかに解消されて、かかる負圧に起因する異音や振動の発生を有利に防ぐことが出来る。一方、液圧調節用弾性膜が仕切部材に重ね合わせられて配設されて、液圧調節用弾性膜の弾性変形が平衡室側で制限されていることにより、受圧室内に正圧が生じた場合には、受圧室内の液圧変動が液圧調節用弾性膜の弾性変形で吸収されることなく確保されて、オリフィス通路を通じての流体流動量を有効に得ることができ、流体の流動作用に基づく防振効果を有効に発揮することが可能とされている。
さらに、液圧調節用弾性膜の平衡室側の面が仕切部材の受圧室側の面に対して接触状態で重ね合わせられていることから、受圧室に正圧が生ぜしめられた場合に液圧調節用弾性膜が仕切部材に打ち当てられることによる打音の発生等の不具合を有利に回避することも出来る。
(本発明の第二の態様)
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、前記液圧調節用弾性膜が前記受圧室側に凸となるドーム形状とされていると共に、前記仕切部材において該液圧調節用弾性膜が重ね合わせられる面が該液圧調節用弾性膜のドーム形状に応じた湾曲凸状面とされていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、液圧調節用弾性膜と仕切部材の打ち当たり方向に対して、液圧調節用弾性膜と仕切部材の当接方向を相互に傾斜せしめることが出来る。これにより、液圧調節用弾性膜の仕切部材に対する当接に起因する衝撃力を低減することが出来て、当接打音の低減乃至は回避を実現することが出来る。
(本発明の第三の態様)
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、前記液圧調節用弾性膜において、該液圧調節用弾性膜の前記仕切部材に重ね合わされる面から該仕切部材に向かって突出する緩衝突部が設けられており、該緩衝突部の突出先端部が該仕切部材に当接されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、振動が入力されて、液圧調節用弾性膜が弾性変形し、仕切部材から離隔せしめられた後に、仕切部材に当接せしめられる場合に、液圧調節用弾性膜の仕切部材への当接による衝撃力を緩衝突部で緩和することが出来て、当接打音の発生を有利に低減乃至は回避することが出来る。
(本発明の第四の態様)
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材に対して前記受圧室側から重ね合わされて該仕切部材の少なくとも外周部分を覆うようにして組み付けられる固定部材を設けて、前記液圧調節用弾性膜の外周縁部を該仕切部材と該固定部材の間で挟んで支持せしめる一方、該液圧調節用弾性膜の外周側において、該仕切部材と該固定部材を重ね合わせ方向で所定距離を隔てて対向位置せしめてかかる対向面間に収容スペースを形成すると共に、該液圧調節用弾性膜の外周部分を該収容スペースにまで延び出させて可動弾性膜を形成し、該可動弾性膜を該収容スペース内で板厚方向に変位可能に配設すると共に、該収容スペースを壁部を構成する該仕切部材と該固定部材に通孔を形成し、それらの通孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該可動弾性膜の両側面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、液圧調節用弾性膜を取り囲むように一体形成された可動弾性膜の微小な弾性変形によって、振動入力時における受圧室内の微小な圧力変動を平衡室に逃して吸収することが出来る。それ故、可動弾性膜の微小変形乃至は変位による液圧吸収作用によって優れた防振効果を得ることが出来る。
(本発明の第五の態様)
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る流体封入式防振装置において、前記オリフィス通路が第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を含んで構成されており、該第一のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数がエンジンシェイクに相当する周波数域にチューニングされていると共に、該第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数がアイドリング振動に相当する周波数域にチューニングされて、自動車用エンジンマウントを構成することを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、自動車用のエンジンマウントにおいて防振対象となるエンジンシェイク及びアイドリングに基づく各振動に対して、流体の流動作用による優れた防振効果を有効に発揮せしめることが出来る。
特に、本態様は、前記第四の態様と組み合わせて好適に採用される。即ち、可動弾性膜をこもり音等の高周波数域の振動にチューニングすることにより、第一のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいてエンジンシェイク等の低周波数域の振動に対して防振効果が得られると共に、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいてアイドリング等の中周波数域の振動に対して防振効果が得られる一方、可動弾性膜の微小な弾性変形による液圧吸収作用によってこもり音等の高周波数域の振動に対して防振効果が得られて、広い周波数域の振動に対して優れた防振効果を得ることが出来るのである。
(本発明の第六の態様)
本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係る流体封入式防振装置であって、前記第二の取付部材を円筒形状として、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム弾性体で該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋せしめる一方、前記仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せしめて、該仕切部材を該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間で該第二の取付部材の軸直角方向に広がるように配設することにより、該仕切部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室を相互に連通する前記オリフィス通路を該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成すると共に、該仕切部材の中央部分に前記液圧調節用弾性膜を配設したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、仕切部材の両側に受圧室と平衡室を効率的に形成することが可能となり、全体としてコンパクトな流体封入式防振装置を実現することが可能となる。その結果、例えば、自動車用のエンジンマウント等として特に有利に採用することが可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置にあっては、受圧室に過大な負圧が惹起せしめられた場合に、受圧室内の負圧を速やかに解消して、負圧に起因する異音や振動等の発生を有効に防ぐことが出来ると共に、受圧室に正圧が惹起せしめられた場合に、受圧室内の液圧を十分に確保できて、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく所期の防振効果を有効に発揮せしめることが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされている。また、エンジンマウント10は、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14がボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して、他の図示しないエンジンマウント等と協働して防振支持せしめるようになっている。即ち、本実施形態では、パワーユニットによって防振連結される一方の部材が構成されており、ボデーによって防振連結される他方の部材が構成されているのである。また、このような装着状態下、エンジンマウント10には、パワーユニットの分担支持荷重が及ぼされるようになっており、それに伴って、本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられて、第一の取付金具12と第二の取付金具14が図1中の上下方向に所定量だけ接近して相対変位せしめられるようになっている。そして、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に対して、図1中の略上下方向に入力されるようになっている。
より詳細には、第一の取付金具12は、略円板形状を呈していると共に、その中央部分には、上方(図1中の上側)に突出する取付ボルト18が固設されている。また、第一の取付金具12の下面には、その中心軸上に保持金具20が固着されている。この保持金具20は、上方開口部に向かって次第に拡開するテーパ状周壁部を備えており、開口周縁部において第一の取付金具12の下面に固着されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略円筒形状とされており、第一の取付金具12と略同一中心軸上で第一の取付金具12の下方(図1中の下側)に離隔配置されている。また、第二の取付金具14は、略円環板形状のゴム固着部22に対して、その外周縁部から軸方向下方に向かって突出する嵌着筒部24が一体形成された構造となっている。なお、ゴム固着部22の内周部分は、中央に向かって次第に軸方向下方に傾斜したテーパ状の傾斜形状とされている。
また、第一の取付金具12と第二の取付金具14の対向面間には、本体ゴム弾性体16が配設されている。この本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有していると共に、その中央には、大きな肉抜き状の円形凹所26が形成されている。この円形凹所26は、下方に向かって次第に拡径して大径側端面に開口する有底の逆向き円形穴であって、この円形凹所26が形成されることにより、本体ゴム弾性体16が、全体として厚肉の逆カップ形状とされている。なお、これにより、第二の取付金具14の一方の側の開口部が本体ゴム弾性体16により流体密に覆蓋されている。
そして、本体ゴム弾性体16の軸方向上側の小径側端面に第一の取付金具12が重ね合わせられて、第一の取付金具12の下面に溶接固定された保持金具20および第一の取付金具12に対して本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。なお、本実施形態では、保持金具20の内部にも、本体ゴム弾性体16が充填されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部には、第二の取付金具14のゴム固着部22が、外周面から挿し入れられて略埋設状態で加硫接着されている。即ち、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。
なお、本体ゴム弾性体16の厚肉円筒形状とされた周壁の軸方向中間部分には、略円環板形状の補強金具28が固着されて、本体ゴム弾性体16のばね特性が調節されている。また、第二の取付金具14には、ゴム固着部22の下面と嵌着筒部24の内周面の略全体を覆うようにして、シールゴム層30が被着されており、本実施形態では、かかるシールゴム層30が、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
上述の如く、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第二の取付金具14の軸方向下側の開口部から可撓性膜としてのダイヤフラム32が組み付けられている。
ダイヤフラム32は、中央部分に十分な弛みをもたせて変形容易とした略円板形状とされている。更に、ダイヤフラム32は、その外周縁部において、嵌着金具34に加硫接着されている。この嵌着金具34は、円環板形状の支持部36に対して、その外周縁部から上方に突出する円筒形状の固定筒部38が一体形成された構造とされており、支持部36の内周縁部に対して、ダイヤフラム32の外周縁部が加硫接着されている。また、嵌着金具34における固定筒部38が、第二の取付金具14の嵌着筒部24に外挿されて、八方絞り等の縮径加工が施されるようになっている。これにより、嵌着金具34の固定筒部38が嵌着筒部24に外嵌固定されている。なお、固定筒部38と嵌着筒部24の嵌着面間は、嵌着筒部24の外周面に被着形成されたシールゴム層40で流体密に封止されている。また、本実施形態におけるシールゴム層40は、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
このように嵌着金具34の固定筒部38が第二の取付金具14の嵌着筒部24に外嵌固定されることによって、本体ゴム弾性体16に形成された円形凹所26における、第二の取付金具14の中央孔を通じて下方に開口せしめられた開口部分が、ダイヤフラム32によって流体密に覆蓋されている。そして、この円形凹所26を利用して形成されて、外部空間に密閉された、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間の領域には、非圧縮性流体が封入されており、流体封入領域が画成されている。かかる流体封入領域に封入されている非圧縮性流体としては、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用されるが、特に流体の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、非圧縮性流体の封入は、例えば第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対するダイヤフラム32の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等によって実現される。
また、かかる流体封入領域には、厚肉円板形状とされた仕切部材としての仕切金具42が、軸直角方向に広がるように配設されており、第二の取付金具14に支持されて固定的に収容配置されている。これにより、流体封入領域が上下に二分されて、仕切金具42を挟んだ軸方向一方の側(図1中の上側)には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って圧力変動が生ぜしめられる受圧室44が形成されている一方、仕切金具42を挟んだ軸方向他方の側(図1中の下側)には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて、該ダイヤフラム32の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室46が形成されている。
また、図2に示されているように、仕切金具42には、外周部分において上面に開口し、周方向に連続して延びる凹溝48が形成されており、かかる凹溝48は、第二の取付金具14のゴム固着部22で流体密に覆蓋されている。これにより、仕切金具42の外周部分にトンネル状の通路が設けられることとなる。なお、本実施形態では、仕切金具42の外周部分において一周弱の長さで凹溝48が形成されている。
さらに、凹溝48の一方の端部は、第二の取付金具14のゴム固着部22の内周縁部よりも径方向内方にまで延び出しており、それによって、ゴム固着部22よりも内周側で仕切金具42の上面に凹溝48の端部が開口せしめられて連通孔49が形成されている。そして、この連通孔49を通じて、凹溝48の一方の端部が受圧室44に開口して接続されている。更に、凹溝48の他方の端部は、仕切金具42における凹溝48の底壁部に形成された連通孔50を通じて平衡室46に開口して接続されている。これにより、仕切金具42の凹溝48を利用してオリフィス通路51が形成されており、このオリフィス通路51を通じて受圧室44と平衡室46が相互に連通されている。なお、このオリフィス通路51は、常時、受圧室44と平衡室46を連通する連通状態に維持されている。
そして、振動入力時には、圧力変動が惹起される受圧室44と、ダイヤフラム32の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室46の間に、相対的な圧力変動が惹起されることとなり、それら両室44,46間でオリフィス通路51を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、受圧室44と平衡室46の間でオリフィス通路51を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、防振すべき軸方向(図1中の上下方向)の振動に対して発揮されるようになっている。
特に本実施形態では、オリフィス通路51を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてシェイク等の10Hz前後の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。なお、かかる共振周波数のチューニングは、例えばオリフィス通路51の通路断面積や通路長さ等を設定変更することにより実現される。
更にまた、仕切金具42は、仕切金具本体52を含んで構成されている。仕切金具本体52は、軸直角方向略中央部分において上方に開口する円形の収容凹所54を備えており、全体として浅底の有底円筒形状とされている。また、本実施形態では、収容凹所54の開口端部には、段差面56が設けられており、段差面56の外周縁部には、全周に亘ってかしめ片58が仕切金具本体52と一体形成されている。更に、図2に示されているように、本実施形態では、仕切金具本体52の中心軸から軸直角方向外方にずれた位置に収容凹所54が形成されている。更にまた、本実施形態では、収容凹所54の底面は、軸直角方向中央部分が僅かに盛り上がった湾曲凸状面とされていると共に、軸直角方向外周部分が軸直角方向に広がる平坦面とされている。なお、本実施形態における凹溝48は、仕切金具本体52に形成されている。
また、仕切金具本体52における収容凹所54には、弾性膜60が配設されている。弾性膜60は、全体として略円板形状であって、外周部分が可動弾性膜としての可動ゴム膜62とされていると共に、軸直角方向中央部分が液圧調節用弾性膜としての液圧吸収膜64とされている。なお、上述の説明からも明らかなように、弾性膜60は仕切金具42(仕切金具本体52)の受圧室44側表面に重ね合せられた状態で配設されている。
可動ゴム膜62は、全体として略円環板形状とされており、その軸方向両面がそれぞれテーパ面で構成されて、軸直角方向中央側から軸直角方向外方に向かって次第に薄肉となっている。また、可動ゴム膜62の軸直角方向内縁部には、軸方向両側に向かって突出する支持凸条66が一体形成されている一方、軸直角方向外周縁部には、軸方向両側に向かって突出し、先端に向かって次第に狭幅とされた当接凸条68が一体形成されている。
一方、液圧吸収膜64は、ゴム材料で形成された薄肉の湾曲板状であって、全体として軸方向上方に向かって凸となるドーム形状を呈している。また、液圧吸収膜64の軸方向下面には、軸方向下方に向かって突出する緩衝突部としての複数の緩衝凸条70が一体形成されている。緩衝凸条70は、液圧吸収膜64の周方向で同心円状に延びる凸条であって、本実施形態では、突出先端に向かって次第に狭幅(先細)となっている。
そして、液圧吸収膜64の外周面と可動ゴム膜62の下端部の内周面において、それら液圧吸収膜64と可動ゴム膜62が一体とされており、液圧吸収膜64の外周側を全周に亘って取り囲むように可動ゴム膜62が形成されている。なお、収容凹所54への弾性膜60の配設状態において、液圧吸収膜64の下面が収容凹所54の底面に形成された湾曲状の凸面に重ね合わせられている。
さらに、仕切金具本体52には、固定部材としての蓋板金具72が組み付けられている。蓋板金具72は薄肉の略円環板形状であって、内周縁部には、略円筒形状の押圧部74が一体形成されて、軸方向下向きに突出せしめられている。押圧部74は、軸方向で延びる薄肉の略円筒形状であって、軸方向下端部が湾曲せしめられて折り返されている。なお、本実施形態における蓋板金具72は、仕切金具本体52と同様な材料で形成されている。
そして、蓋板金具72が仕切金具本体52における軸直角方向中央部分の上面(収容凹所54の開口端面である段差面56)に重ね合わせられると共に、蓋板金具72の外周縁部がかしめ片58で仕切金具本体52にかしめ固定されて、蓋板金具72が仕切金具本体52に対して組み付けられている。そこにおいて、このように蓋板金具72が仕切金具本体52に固定されることによって、仕切金具本体52における収容凹所54に配設された弾性膜60が、蓋板金具72と仕切金具本体52の対向面間で固定的に組み付けられている。即ち、可動ゴム膜62の内周縁部に設けられた支持凸条66が仕切金具本体52と蓋板金具72の対向面間(収容スペース)で圧縮されて、可動ゴム膜62が仕切金具本体52と蓋板金具72の対向面間(収容スペース)に固定的に収容配置されていると共に、液圧吸収膜64の外周縁部が蓋板金具72における押圧部74と仕切金具本体52の軸方向間で挟み込まれて固定されているのである。
また、可動ゴム膜62の軸直角方向中間部分や可動ゴム膜62の外周縁部に設けられた当接凸条68が仕切金具本体52及び蓋板金具72の何れからも離隔せしめられていると共に、可動ゴム膜62の外周面が仕切金具本体52に形成された収容凹所54の内周面から僅かに離隔せしめられている。
さらに、仕切金具本体52において可動ゴム膜62の軸方向下方に位置する部分には、周方向の複数箇所に下側通孔76が形成されていると共に、蓋板金具72において可動ゴム膜62の軸方向上方に位置する部分には、周方向の複数箇所に上側通孔78が形成されている。それらの通孔76,78を通じて可動ゴム膜62の上面に受圧室44の液圧が作用せしめられると共に、可動ゴム膜62の下面に平衡室46の液圧が作用せしめられるようになっている。なお、それら下側通孔76と上側通孔78によって本実施形態における通孔が構成されている。
また、液圧吸収膜64は、軸直角方向中央部分の上面が受圧室44に直接的に面していると共に、軸直角方向中央部分の下面が仕切金具本体52の上面(収容凹所54の底面)に接触状態で重ね合わせられている一方、外周縁部が仕切金具42に対して固定されていることから、液圧吸収膜64の軸直角方向中央部分において、受圧室44側への弾性変形が許容されていると共に、平衡室46側への弾性変形が仕切金具42への当接により規制されている。
さらに、仕切金具本体52において液圧吸収膜64が重ね合わせられている部分には、仕切金具本体52を軸方向で貫通する透孔としての連通孔80が形成されている。この連通孔80は受圧室44側の開口部が液圧吸収膜64で覆蓋されており、連通孔80を通じて、液圧吸収膜64の軸方向下面に平衡室46の液圧が作用せしめられると共に、液圧吸収膜64の軸方向上方(受圧室44側)への弾性変形時には、液圧吸収膜64と仕切金具本体52の間に平衡室46から封入流体が流入せしめられるようになっている。なお、上述の説明からも明らかなように、液圧吸収膜64には、その一方の面に受圧室44の液圧が及ぼされると共に、他方の面に連通孔80を通じて平衡室46の液圧が及ぼされるようになっている。また、本実施形態における連通孔80は、略一定の円形断面で延びる円形孔であって、収容凹所54の軸直角方向中央部分を外れた位置に開口するように形成されている。
ここにおいて、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10では、自動車への装着状態下で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略上下方向の振動が入力されると、受圧室44と平衡室46の間に相対的な圧力差が生ぜしめられることに基づいて、それら両室44,46間において、オリフィス通路51を通じての流体流動が生ぜしめられることとなる。特に、本実施形態では、オリフィス通路51がエンジンシェイク等の低周波数域にチューニングされており、防振対象振動である低周波大振幅振動が入力されて、受圧室44に正圧が生ぜしめられた場合には、液圧吸収膜64が仕切金具本体52(収容凹所54の底壁面)に押し付けられて、弾性変形が規制されることから、受圧室44内の圧力変動を確保して、オリフィス通路51を通じての流体流動量を有効に得ることができ、流動せしめられる流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して、所期の防振効果が有効に発揮されることとなる。なお、エンジンマウント10の自動車への装着状態下において、外力(振動)が入力されていない静置状態で液圧吸収膜64の下面(緩衝凸条70の突出先端)が仕切金具本体52に予め接触するように液圧吸収膜64を配設することにより、受圧室44に正圧が生じた場合に、受圧室44内の液圧変動を逃すことなくより有利に確保することが出来ると共に、液圧吸収膜64が仕切金具本体52に打ち当てられることを防ぐことが出来て、打音の発生を有利に防止することが出来る。
一方、オリフィス通路51のチューニング周波数よりも高周波数域の走行こもり音等の高周波小振幅振動が入力された場合には、オリフィス通路51の流動抵抗が著しく増大することに伴って受圧室44に惹起される大きな圧力変動が、弾性膜60の微小な弾性変形に基づいて平衡室46に逃されて軽減乃至は解消されることとなり、それによって、オリフィス通路51の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されて良好な防振性能が発揮され得ることとなる。
また一方、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略上下方向の振動が入力されて第一の取付金具12と第二の取付金具14が離隔方向に相対変位せしめられた場合には、受圧室44に負圧が生ぜしめられることとなる。図3に示されているように、この受圧室44内で惹起される負圧によって液圧吸収膜64が受圧室44側に吸引されて、弾性変形せしめられる。そして、液圧吸収膜64の受圧室44内への膨出変形によって、受圧室44の容積が実質的に減少することにより、受圧室44内の負圧が速やかに解消されることとなる。これにより、受圧室44で生じる負圧に起因する衝撃的な音や振動等の発生が効果的に防止されるのである。
なお、本実施形態では、液圧吸収膜64の弾性変形によって受圧室44内の負圧が緩和されることから、振動入力時において、受圧室44に負圧が生じる時の受圧室44内での液圧のピーク値の絶対値が、正圧が生じる時の受圧室44内での液圧のピーク値の絶対値に比して小さくなる。しかしながら、液圧吸収膜64による負圧緩和機構を設けない場合には、受圧室44内で生じる負圧に起因するキャビテーション現象によって、受圧室44内における液圧の負圧側のピーク値の絶対値が正圧側のピーク値の絶対値に比して小さくなってしまうことから、液圧吸収膜64による液圧吸収に起因する防振性能の低下は問題とならない程度に小さいものであって、所期の防振性能を維持しつつ、キャビテーションによる異音や振動の発生を有効に回避することが出来るのである。
また、本実施形態に従う構造とされた自動車用のエンジンマウント10では、液圧吸収膜64の外周側を取り囲むように可動ゴム膜62を設けて、可動ゴム膜62の各面に受圧室44内の圧力と平衡室46内の圧力が及ぼされるようになっている。それ故、受圧室44と平衡室46の圧力差に基づく可動ゴム膜62の微小な弾性変形によって、受圧室44内に惹起される圧力変動が平衡室46に逃されることとなって、中乃至高周波小振幅振動の入力に対して優れた防振効果を得ることが出来る。特に本実施形態では、変形量が大きくなり易い可動ゴム膜62の外周縁部において、軸方向両側に向かって突出するように当接凸条68が形成されていることから、可動ゴム膜62が弾性変形せしめられ、仕切金具本体52や蓋板金具72に打ち当てられて、当接打音が生じるといった不具合を効果的に防ぐことが出来る。なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態における液圧吸収機構が可動ゴム膜62を含んで構成されている。
また、液圧吸収膜64に緩衝凸条70を一体形成したことにより、液圧吸収膜64が受圧室44で生じる負圧によって吸引されて弾性変形せしめられた後、負圧が解除されて、仕切金具本体52に打ち当てられることによる打音の発生を低減することが出来る。特に本実施形態では、緩衝凸条70が突出先端側に向かって次第に狭幅となる先細形状を有していることから、当接による衝撃力をより効果的に吸収することが出来て、打音の発生をより有利に低減することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、液圧吸収膜64が直接的に受圧室44に面しており、液圧吸収膜64の軸方向上方、即ち、受圧室44側には、カバー等が設けられていなかった。しかしながら、通常の振動入力時には液圧吸収膜64が当接せしめられない程度に液圧吸収膜64から軸方向上方(受圧室44側)に離隔して、カバー状の変形制限部材を設けることも可能である。このような変形制限部材を設けることにより、液圧吸収膜64の受圧室44側への過大な弾性変形を変形制限部材への当接によって制限して、液圧吸収膜64の耐久性の低下を効果的に防止することが出来る。
また、前記実施形態では、液圧吸収膜64が軸方向上方に向かって凸とされたドーム形状とされていたが、液圧吸収膜64は、必ずしもこのような形状である必要はない。具体的には、例えば、円形の略平板形状とされていても良いし、軸方向下方に向かって凸とされた湾曲形状であっても良い。
また、前記実施形態では、液圧吸収膜64の仕切金具42に対する当接時の打音を低減するために、液圧吸収膜64の下面から仕切金具42に向かって突出する緩衝凸条70が緩衝突部として設けられていたが、このような緩衝突部は、必ずしも必要ではない。更に、緩衝突部は必ずしも周方向に連続して延びる形状とされている必要はなく、液圧吸収膜64の下面から仕切金具42に向かって突出する複数の突起を形成しても当接打音の低減効果を有効に発揮せしめることが出来る。
また、前記実施形態において示された可動ゴム膜62は必ずしも必要ではなく、液圧吸収膜64だけが収容凹所54に配設されていても良い。更に、可動ゴム膜は、必ずしも液圧吸収膜64と一体形成されている必要は無く、液圧吸収膜64とは別体として形成された可動ゴム膜を仕切金具42に配設することも出来る。
また、前記実施形態では、液圧吸収膜64の外周縁部が蓋板金具72の押圧部74と仕切金具本体52の間で挟圧されることによって、液圧吸収膜64が仕切金具42に対して固定的に組み付けられていたが、例えば、円環板形状とされた蓋板金具72の内周部分に液圧吸収膜64の外周縁部を加硫接着せしめると共に、蓋板金具72の外周部分を仕切金具本体52に固定することにより、液圧吸収膜64を仕切金具42に対して固定的に組み付けることも可能である。
また、前記実施形態では、エンジンシェイク等の低周波数域の振動にチューニングされたオリフィス通路51のみを有するシングルオリフィス構造のエンジンマウント10に本発明を適用した例を示したが、それぞれ異なる周波数域の振動に対して防振効果を発揮する複数のオリフィス通路を有するエンジンマウントにも本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、エンジンシェイク等の低周波数域の振動にチューニングされた第一のオリフィス通路と、アイドリング等の中乃至高周波数域の振動にチューニングされた第二のオリフィス通路を有し、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路によって受圧室と平衡室を連通せしめたダブルオリフィス構造のエンジンマウントにも本発明は適用され得る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントにおける仕切部材を示す平面図である。 図1に示された自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面図であって、受圧室に負圧が生じた状態を示す図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
32 ダイヤフラム
42 仕切金具
44 受圧室
46 平衡室
51 オリフィス通路
54 収容凹所
60 弾性膜
64 液圧吸収膜
72 蓋板金具
80 連通孔

Claims (6)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が許容される平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材の前記受圧室側表面に接触するように液圧調節用弾性膜を重ね合わせて配設し、該液圧調節用弾性膜の外周縁部を該仕切部材に固定する一方、該仕切部材の該液圧調節用弾性膜が重ね合わされた部位に透孔を形成して該液圧調節用弾性膜の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされると共に該液圧調節用弾性膜の他方の面に該透孔を通じて前記平衡室の圧力が及ぼされるようにして、該液圧調節用弾性膜の該受圧室側への弾性変形が許容される一方、該液圧調節用弾性膜の該平衡室側への弾性変形が規制される構造としたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記液圧調節用弾性膜が前記受圧室側に凸となるドーム形状とされていると共に、前記仕切部材において該液圧調節用弾性膜が重ね合わせられる面が該液圧調節用弾性膜のドーム形状に応じた湾曲凸状面とされている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記液圧調節用弾性膜において、該液圧調節用弾性膜の前記仕切部材に重ね合わされる面から該仕切部材に向かって突出する緩衝突部が設けられており、該緩衝突部の突出先端部が該仕切部材に当接されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記仕切部材に対して前記受圧室側から重ね合わされて該仕切部材の少なくとも外周部分を覆うようにして組み付けられる固定部材を設けて、前記液圧調節用弾性膜の外周縁部を該仕切部材と該固定部材の間で挟んで支持せしめる一方、該液圧調節用弾性膜の外周側において、該仕切部材と該固定部材を重ね合わせ方向で所定距離を隔てて対向位置せしめてかかる対向面間に収容スペースを形成すると共に、該液圧調節用弾性膜の外周部分を該収容スペースにまで延び出させて可動弾性膜を形成し、該可動弾性膜を該収容スペース内で板厚方向に変位可能に配設すると共に、該収容スペースを壁部を構成する該仕切部材と該固定部材に通孔を形成し、それらの通孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該可動弾性膜の両側面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成した請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記オリフィス通路が第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を含んで構成されており、該第一のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数がエンジンシェイクに相当する周波数域にチューニングされていると共に、該第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数がアイドリング振動に相当する周波数域にチューニングされて、自動車用エンジンマウントを構成する請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記第二の取付部材を円筒形状として、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム弾性体で該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋せしめる一方、前記仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せしめて、該仕切部材を該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間で該第二の取付部材の軸直角方向に広がるように配設することにより、該仕切部材を挟んだ両側に前記受圧室と前記平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室を相互に連通する前記オリフィス通路を該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成すると共に、該仕切部材の中央部分に前記液圧調節用弾性膜を配設した請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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