JPH08200434A - 流体封入式マウント - Google Patents

流体封入式マウント

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JPH08200434A
JPH08200434A JP1177295A JP1177295A JPH08200434A JP H08200434 A JPH08200434 A JP H08200434A JP 1177295 A JP1177295 A JP 1177295A JP 1177295 A JP1177295 A JP 1177295A JP H08200434 A JPH08200434 A JP H08200434A
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JP
Japan
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fluid
fluid flow
partition
pressure receiving
chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP1177295A
Other languages
English (en)
Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP1177295A priority Critical patent/JPH08200434A/ja
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 それぞれ異なるチューニングが施された3つ
の流体流路を有する流体封入式マウントを、少ない部品
点数と簡単な構造で実現すること。 【構成】 第一の隔壁板54と第二の隔壁板56を弾性
仕切部材58を挟んで重ね合わせることにより、受圧室
48と平衡室50を仕切る隔壁部材46を構成すると共
に、隔壁部材46内を弾性仕切部材58によって第一,
第二及び第三の領域88,90,92に仕切り、それら
第一,第二及び第三の領域88,90,92によって、
受圧室48と平衡室50を相互に連通する第一,第二及
び第三の流体流路102,104,106を、それぞれ
形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウ
ントに係り、特に、互いに異なる周波数域にチューニン
グされた3つの流体流路を少ない部品点数で簡単な構造
をもって形成することの出来る流体封入式マウントに関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、
特開昭57−9340号公報等に開示されているよう
に、互いに所定距離を隔てて配された第一の取付部材と
第二の取付部材をゴム弾性体にて連結する一方、該第二
の取付部材によって支持された隔壁部材を挟んだ両側
に、壁部の一部がゴム弾性体にて構成された受圧室と、
壁部の一部が可撓性膜にて構成された平衡室を形成し、
それら受圧室と平衡室に所定の非圧縮性流体を封入する
と共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する流体流
路を設けた構造の流体封入式マウントが知られている。
【0003】かくの如き流体封入式マウントにおいて
は、流体流路を通じて流動せしめられる流体の共振作用
等の流動作用に基づいて所定の防振効果が発揮されるの
であり、ゴム弾性体のみでは得られ難い優れた防振効果
を得ることが出来ることから、例えば自動車用エンジン
マウント等として好適に用いられるようになってきてい
る。
【0004】ところで、流体封入式マウントにおける流
体流路は、一般に、前記公報にも示されているように、
隔壁部材に設けられる。また、かかる流体流路は、長さ
や断面積等を調節することによって流体の流動作用に基
づく防振効果が発揮される周波数域が設定される。ま
た、一つの流体流路では、その内部を流動する流体の流
動作用に基づいて有効な防振効果が発揮される周波数域
が狭いために、例えば自動車用エンジンマウントのよう
に広い周波数域に亘る複数の入力振動に対して防振効果
が要求される場合には、複数の流体流路を形成し、それ
らを互いに異なる周波数域にチューニングすることが、
考えられる。
【0005】ところが、隔壁部材に複数の流体流路を形
成しようとすると、隔壁部材の構造が複雑となって製作
性およびコスト性が悪化するという問題があった。
【0006】また、前記公報にも記載されているよう
に、複数の流体流路を形成する場合には、低周波数域に
チューニングされた流体流路における流体流量を確保し
て有効な防振効果が発揮されるように、高周波数域にチ
ューニングされた流体流路に対して、流体流量を制限す
るための可動膜を配設することが有効であるが、この可
動膜の配設によって、隔壁部材の部品点数が増加し、隔
壁部材の製作性およびコスト性が一層悪化するという問
題もあったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、それぞれ異なる周波数域にチューニングさ
れた3つの流体流路を有すると共に、最も高周波数域に
チューニングされた流体流路において流体流動量を制限
する可動膜が配設されてなる構造の流体封入式マウント
を、少ない部品点数と簡単な構造をもって提供すること
にある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、第一の取付部材と第二の取
付部材をゴム弾性体にて連結する一方、該第二の取付部
材によって支持された隔壁部材を挟んだ両側に、壁部の
一部が前記ゴム弾性体にて構成された受圧室と、壁部の
一部が可撓性膜にて構成された平衡室を形成し、該受圧
室および該平衡室に所定の非圧縮性流体を封入すると共
に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する流体流路を
設けた流体封入式マウントにおいて、第一の隔壁板と第
二の隔壁板を弾性仕切部材を挟んで重ね合わせることに
より前記隔壁部材を構成せしめて、該第一の隔壁板と該
第二の隔壁板の間を該弾性仕切部材によって第一の領
域,第二の領域および第三の領域に仕切り、該第一の領
域によって前記受圧室と前記平衡室の間での流体流動を
許容する第一の流体流路を形成すると共に、前記第二の
領域によって前記受圧室と前記平衡室の間での流体流動
を許容する、該第一の流体流路よりもチューニング周波
数の高い第二の流体流路を形成し、更に前記第三の領域
に前記弾性仕切部材によって形成された可動膜を配設せ
しめて該可動膜で仕切られた両側を前記受圧室と前記平
衡室に連通することにより、かかる第三の領域によって
該可動膜の変形に基づいて前記受圧室と前記平衡室の間
での流体流動を許容する、前記第二の流体流路よりもチ
ューニング周波数の高い第三の流体流路を形成したこと
にある。
【0009】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、前記隔壁部材の外周部分に、前記第一の流体流路
が形成される一方、該第一の流体流路で囲まれた中央部
分に、前記第二の流体流路と前記第三の流体流路が形成
される。
【0010】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、前記第二の流体流路を連通/遮断する弁手段
が設けられる。
【0011】
【作用・効果】本発明に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいては、第一の隔壁板と第二の隔壁板の間に
形成される領域が、それら両隔壁板間に介在させられた
弾性仕切部材によって仕切られることにより、第一,第
二及び第三の流体流路が形成される。
【0012】しかも、第三の流体流路に配設されて流体
流動量を制限する可動膜も弾性仕切部材によって形成さ
れ、該弾性仕切部材を第一の隔壁板と第二の隔壁板の間
にセットすることによって、可動膜も、同時に、所定部
位にセットされて組み付けられることとなる。
【0013】それ故、かかる流体封入式マウントにおい
ては、単一の流体流路を形成する場合と略同様な部品点
数と製造工程によって、3つの流体流路を極めて簡略な
構造をもって形成することが出来るのであり、マウント
の製作性およびコスト性が飛躍的に向上され得るのであ
る。
【0014】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、第一の流体流路の流路長を長く設定することが可
能であると共に、第二及び第三の流体流路の流路断面積
を大きく設定することが出来ることから、第一の流体流
路を十分に低い周波数域の入力振動に対して有効な防振
効果が発揮されるように、また第二及び第三の流体流路
を中乃至高周波数域の入力振動に対して有効な防振効果
が発揮されるように、それぞれ有利にチューニングする
ことが出来る。
【0015】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、弁手段によって第二の流体流路を遮断するこ
とにより、第一の流体流路を通じて流動せしめられる流
体流量を十分に確保することが可能であることから、該
第一の流体流路による防振効果を一層有効に且つ安定し
て得ることが出来る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0017】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。この
エンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配さ
れた第一の取付金具12と第二の取付金具14が、それ
らの間に介装されたゴム弾性体16によって連結された
構造とされており、図示はされていないが、第一の取付
金具12がパワーユニット側に、第二の取付金具14が
車体側に、それぞれ取り付けられることにより、パワー
ユニットと車体の間に介装されてパワーユニットを車体
に対して防振支持せしめるようになっている。なお、そ
のような装着状態下では、パワーユニットの重量が及ぼ
されてゴム弾性体16が弾性変形することにより、第一
の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近方向
に変位せしめられると共に、図中、略上下方向に防振す
べき主たる振動が入力されることとなる。
【0018】より詳細には、第一の取付金具12は、平
板形状を有しており、その略中央部分において支持ロッ
ド18が上下方向(以下、上下方向とは、図1中の上下
方向をいう)に貫通して固設されていると共に、該支持
ロッド18の傍らに位置決め突起20が上方に向かって
突設されている。また、支持ロッド18は、その軸方向
下方の突出先端部に対して、軸直角方向に広がる傘部材
22が装着されてボルト固定されていると共に、第一の
取付金具12から上方に突出する部分が取付ボルト24
とされており、この取付ボルト24によって、第一の取
付金具12がパワーユニットに取り付けられるようにな
っている。
【0019】また一方、第二の取付金具14は、上筒金
具26と下筒金具28および底金具30を含んで構成さ
れている。上筒金具26は、円筒形状を有しており、軸
方向上端部において径方向内方に突出するくびれ部32
が屈曲形成されている一方、軸方向下端側において径方
向外方に広がる段差部34と、該段差部の外周縁部から
下方に延びるかしめ部36が一体形成されている。ま
た、下筒金具28は、上筒金具26と略同一径の円筒形
状を有しており、軸方向両端部においてそれぞれ径方向
外方に広がる上下のフランジ部38,40が設けられて
いる。そして、下筒金具28が上筒金具26に対して軸
方向下方から重ね合わされて、下筒金具28の上フラン
ジ部38が上筒金具26のかしめ部36にかしめ固定さ
れることにより上下筒金具26,28が固定的に組み合
わされている。更にまた、底金具30は、浅底カップ状
を有しており、下筒金具28の軸方向下方の開口部に重
ね合わされて、該底金具30の開口周縁部が下筒金具2
8の下フランジ部40に対してリベット固定されてお
り、底金具30にて下筒金具28の開口が覆蓋されるこ
とにより、第二の取付金具14が、全体として上方に向
かって開口する略有底円筒形状をもって形成されてい
る。
【0020】そして、第二の取付金具14の開口部側に
所定距離を隔てて、第一の取付金具12が、略同軸上に
配設されており、これら第一の取付金具12と第二の取
付金具14の間に、ゴム弾性体16が介装されている。
このゴム弾性体16は、全体として略円錐台形状を有し
ており、小径側端面が第一の取付金具12の下面に加硫
接着されていると共に、大径側端部外周面が第二の取付
金具14を構成する上筒金具26のくびれ部32の内周
面に加硫接着されている。即ち、本実施例では、ゴム弾
性体16は、第一の取付金具12および上筒金具26を
有する一体加硫成形品として形成されているのであり、
このゴム弾性体16によって、上筒金具26の上側開口
部が流体密に閉塞されている。
【0021】なお、ゴム弾性体16の大径側端面には、
すり鉢状の凹所42が形成されていると共に、第一の取
付金具12に固設された支持ロッド18が該凹所42内
に突出させられており、支持ロッド18の先端部に取り
付けられた傘部材22が、上筒金具26の内部に位置せ
しめられている。
【0022】また、第二の取付金具14の内部には、薄
肉のゴム膜からなる可撓性膜44が配設されており、取
付リング45が加硫接着された外周縁部を、上筒金具2
6の段差部34と下筒金具28の上フランジ部38との
かしめ固定部位で挟持されている。これにより、上筒金
具26の下側開口部が流体密に覆蓋されており、以て、
第二の取付金具14の内部において、ゴム弾性体16と
可撓性膜44との間に、所定の非圧縮性流体が封入され
た流体室が形成されている。なお、封入流体としては、
水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコー
ル,シリコーン油等の低粘性流体が採用され、特に好ま
しくは、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得る
ために、粘度が0.1Pa・s以下のものが用いられ
る。また、かかる流体の流体室への注入,充填は、例え
ば、ゴム弾性体16の一体加硫成形品における上筒金具
26に対する可撓性膜44や下筒金具28等の組み付け
を流体中で行うこと等によって、有利に為され得る。
【0023】さらに、流体室の内部には、全体として略
厚肉の円板形状を有する隔壁部材46が収容配置されて
おり、外周縁部が可撓性膜44に重ね合わされて、可撓
性膜44の外周縁部と共に上下筒金具26,28のかし
め固定部位で挟持されることにより、第二の取付金具1
4に対して固定的に組み付けられている。これにより、
流体室が隔壁部材46にて仕切られて、該隔壁部材46
を上下に挟んだ両側に分割されており、以て、該隔壁部
材46の上側に、壁部の一部がゴム弾性体16にて構成
されて、振動入力時に該ゴム弾性体16の弾性変形に基
づいて内圧変動が惹起される受圧室48が形成されてい
ると共に、隔壁部材46の下側に、壁部の一部が可撓性
膜44にて構成されて、該可撓性膜44の変形に基づい
て容積変化が容易に許容される平衡室50が形成されて
いる。
【0024】なお、受圧室48には、第一の取付金具1
2によって固定的に支持された傘部材22が位置せしめ
られており、車両への装着状態下、該傘部材22が受圧
室48の略中央部に位置せしめられて、振動入力時に受
圧室48内を軸方向(上下方向)に変位せしめられるこ
とにより、該傘部材22の周囲に流体流動が生ぜしめら
れる環状の狭窄流路52が形成されるようになってい
る。
【0025】ここにおいて、隔壁部材46は、金属材料
等の硬質材によって形成された上下2枚の隔壁板54,
56と、それら上下の隔壁板54,56間に介装された
ゴム材料等の弾性材によって形成された弾性仕切部材5
8によって構成されている。
【0026】上隔壁板54は、図2及び図3にも示され
ているように、全体として薄肉の円板形状を有してお
り、中央部分において、下方に向かって僅かに突出する
円形の中央突部60が設けられている。また、この上隔
壁板54には、外周部分の周方向所定位置に第一の連通
孔62が設けられていると共に、内周部分の周方向所定
位置に第二の連通孔64が設けられており、更に、中央
突部60の外周縁部に沿って4つの透孔66が設けられ
ている。
【0027】また、下隔壁板56は、図4及び図5にも
示されているように、全体として薄肉の略浅底カップ形
状を有しており、中央部分において、上方に向かって突
出する円形の中央突部68が設けられていると共に、該
中央突部68を囲む底壁部の径方向中央部分が下方に凹
陥されて周方向に連続して延びる環状凹所70が形成さ
れている。また、この下隔壁板56には、外周部分の周
方向所定位置に第三の連通孔72が設けられていると共
に、内周部分の周方向所定位置に第四の連通孔74が設
けられており、更に、環状凹所70の底部に4つの透孔
76が周方向に所定間隔を隔てて設けられている。
【0028】また、弾性仕切部材58は、図6〜8にも
示されているように、全体として厚肉の略円板形状を有
しており、上隔壁板54の下面形状に対応した上面と、
下隔壁板56の上面形状に対応した下面をもって形成さ
れている。また、この弾性仕切部材58には、中心部を
貫通して挿通孔78が設けられている一方、外周面上の
一か所から径方向外方に突出する遮断片80が一体形成
されている。更にまた、かかる弾性仕切部材58の中央
部分には、半円形状の貫通孔82が半周部分に亘って形
成されていると共に、該貫通孔82の形成されていない
部分が径方向中央部分において周方向半周弱の長さで薄
肉化されて可動膜84とされている。なお、可動膜84
には、径方向中央部分から上下方向に突出して周方向全
長に亘って延びる補強リブ86が一体的に設けられてい
る。
【0029】そして、弾性仕切部材58の上下面に上下
隔壁板54,56がそれぞれ重ね合わされ、上下隔壁板
54,56間で弾性仕切部材58を挟み込むようにして
組み合わされることにより、隔壁部材46が構成されて
いる。なお、下隔壁板56の中央突部68は、弾性仕切
部材58の挿通孔78に挿通されて上隔壁板54の中央
突部60に当接されており、この互いに当接された中央
突部60,68において上下隔壁板54,56がリベッ
ト固定されている。
【0030】これにより、上下隔壁板54,56の間に
画成された隔壁部材46の内部領域が、弾性仕切部材5
8によって流体密に3つの領域に仕切られているのであ
り、以て、隔壁部材46の外周部分に位置して弾性仕切
部材58の外周面上を周方向に延びる環状の第一の領域
88と、隔壁部材46の一方の半円部分において弾性仕
切部材58の貫通孔82内に位置せしめられた半円形状
の第二の領域90と、隔壁部材46の他方の半円部分を
半周弱に亘って延び、内部に弾性仕切部材58の可動膜
84が配設された円弧形状の第三の領域92とが、それ
ぞれ形成されている。また、弾性仕切部材58の上下面
には、径方向中央部分において突出する3個の位置決め
突起94,96がそれぞれ一体形成されており、これら
の位置決め突起94,96が、上下隔壁板54,56の
各対応する部位に形成された位置決め穴98,100に
挿入されることにより、弾性仕切部材58と上下隔壁板
54,56が相互に位置合わせされて、上下隔壁板5
4,56に形成された第一,第二,第三及び第四の連通
孔62,64,72,74および透孔66,76が、そ
れぞれ、第一,第二及び第三の領域88,90,92に
おける所定部位に開口されていると共に、第一の領域8
8が、弾性仕切部材58に設けられた遮断片80により
周上の所定位置で遮断されている。
【0031】それによって、第一の領域88において、
隔壁部材46の外周縁部を一周弱の長さで延び、周方向
両端部が第一及び第三の連通孔62,72を通じて受圧
室48と平衡室50に連通されて、それら両室48,5
0間での流体流動を許容する第一の流体流路としての第
一のオリフィス通路102が形成されており、また、第
二の領域90において、隔壁部材46の中央部分を半周
弱の長さで延び、周方向両端部が第二及び第四の連通孔
64,74を通じて受圧室48と平衡室50に連通され
て、それら両室48,50間での流体流動を許容する第
二の流体流路としての第二のオリフィス通路104が形
成されている。更にまた、第三の領域92において、可
動膜84で仕切られた両側が透孔66,76を通じて受
圧室48と平衡室50に連通せしめられ、該可動膜84
の弾性変形に基づいて受圧室48と平衡室50の間での
流体流動を許容する第三の流体流路としての第三のオリ
フィス通路106が形成されている。即ち、隔壁部材4
6には、受圧室48と平衡室50を相互に連通する第
一,第二及び第三のオリフィス通路102,104,1
06が、互いに独立して形成されているのである。
【0032】また、第一のオリフィス通路102は、流
路長が長くされており、内部を流動せしめられる流体の
共振作用に基づいて、シェイク等の低周波振動に対して
有効な減衰効果が発揮されるようにチューニングされて
いる一方、第二のオリフィス通路104は、流路断面
積:Aと流路長:Lの比(A/L)が第一のオリフィス
通路102より大きくされており、内部を流動せしめら
れる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等の
中周波数振動に対して低動ばね化による有効な振動絶縁
効果が発揮されるようにチューニングされている。更に
また、第三のオリフィス通路106は、流路断面積と流
路長の比(A/L)が実質的に第二のオリフィス通路1
04よりも更に大きくされており、内部を流動せしめら
れる流体の共振作用に基づいて、こもり音等の高周波振
動に対して低動ばね化による有効な振動絶縁効果が発揮
されるようにチューニングされている。
【0033】更にまた、第二の取付金具14の底部に
は、弁手段としてのダイヤフラム型のアクチュエータ1
08が配設されて底金具30に固定されており、このア
クチュエータ108の出力ロッド110の先端部に設け
られたプレート112が、可撓性膜44の中央部分に固
着されている。そして、切換バルブ114の切換操作に
基づき、アクチュエータ108に対して大気圧と負圧が
選択的に及ぼされて、該アクチュエータ108の出力ロ
ッド110が突出/引込作動されるようになっており、
出力ロッド110が突出されることによって、可撓性膜
44の中央部分が隔壁部材46の中央部分に押し付けら
れ、第四の連通孔74が閉塞されて第二のオリフィス通
路104が遮断されるようになっている。
【0034】すなわち、第一のオリフィス通路102よ
りも第二のオリフィス通路104の方が流路断面積と流
路長の比が大きく流体流動抵抗が小さいために、それら
第一及び第二のオリフィス通路102,104を共に開
口させると第一のオリフィス通路102を通じての流体
流動量が十分に確保されないおそれがあるが、本実施例
のエンジンマウント10においては、第一のオリフィス
通路102による防振効果が要求される場合にアクチュ
エータ108を駆動して第二のオリフィス通路104を
遮断することにより、第一のオリフィス通路102を作
用せしめて有効な防振効果を得ることが出来るのであ
る。なお、第二のオリフィス通路104による防振効果
が要求される場合には、第二のオリフィス通路104を
連通させれば良い。また、第三のオリフィス通路106
は、可動膜84によって流体流動量が制限されることか
ら、常時連通状態としても、第一及び第二のオリフィス
通路102,104による防振効果を著しく害するよう
なことがない。
【0035】上述の如き構造とされたエンジンマウント
10においては、上下隔壁板54,56を弾性仕切部材
58を挟み込んで重ね合わせることにより、隔壁部材4
6において、それぞれ異なる周波数域にチューニングさ
れた第一,第二及び第三のオリフィス通路102,10
4,106が同時に形成されると共に、第三のオリフィ
ス通路106を通じての流体流動量を制限する可動膜8
4も同時に配設されることとなる。
【0036】それ故、3つの独立したオリフィス通路1
02,104,106が形成された目的とする隔壁部材
46を、少ない部品点数と簡単な構造をもって容易に製
作することが出来るのであり、製作性およびコスト性が
飛躍的に向上され得るのである。
【0037】しかも、弾性仕切部材58の形状を変更
し、また必要に応じて弾性仕切部材58と上下隔壁板5
4,56との周方向の相対位置を調節し或いは上下隔壁
板54,56における各連通孔62,64,72,74
および透孔66,76の位置や大きさ等を調節すること
によって、各オリフィス通路102,104,106の
チューニングを適宜に変更することが出来ることから、
チューニングやその変更が容易であると共に、大きなチ
ューニング自由度が得られるといった利点もある。
【0038】また、本実施例では、隔壁部材46の外周
部分に第一のオリフィス通路102が形成されると共
に、隔壁部材46の中央部分を二つの半円部に区切っ
て、それら両半円部に第二のオリフィス通路104と第
三のオリフィス通路106が形成されていることから、
第一のオリフィス通路102の流路長と第二及び第三の
流路断面積を何れも有利に確保することが出来、各オリ
フィス通路102,104,106を、それぞれ、目的
とする周波数域に容易にチューニングすることが可能で
あるといった効果もある。
【0039】更にまた、本実施例のエンジンマウント1
0においては、傘部材22によって受圧室48に狭窄流
路52が形成されていることから、この狭窄流路52を
通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効
果も利用することが可能であり、例えば、かかる流体の
共振作用に基づいて、第三のオリフィス通路106のチ
ューニング周波数よりも更に高周波域の入力振動に対す
る防振効果を得ることも出来る。
【0040】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0041】具体的には、第一,第二及び第三のオリフ
ィス通路102,104,106の具体的形態は、マウ
ントに要求される防振特性等に応じて適宜に変更される
ものであって何等限定されるものでなく、例えば、それ
ら第一,第二及び第三のオリフィス通路102,10
4,106を同心的に配したり、屈曲した流路形状を採
用したりすること等も可能である。
【0042】また、上下隔壁板54,56の形状も、形
成すべき第一,第二及び第三のオリフィス通路102,
104,106の形態等を考慮し、弾性仕切部材58の
形状等と関連して適宜に変更されるものであり、例え
ば、それら上下隔壁板54,56を単純な平板形状とす
ることも可能である。
【0043】更にまた、第二の流体流路を連通/遮断す
る弁手段として、例示の如きダイヤフラム型のアクチュ
エータ108の他、ロータリバルブ等を採用することも
可能である。尤も、かかる弁手段は、本発明に必須のも
のでなく、第一及び第二の流体流路に適当なチューニン
グを施したり、第一の流体流路が連通される平衡室と第
二の流体流路が連通される平衡室を独立させて第二の流
体流路が連通される平衡室の壁剛性を大きく設定するこ
と等により、それら両流体流路による防振効果を共に確
保すること等も可能である。
【0044】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの一具体例を示した
が、その他、自動車やそれ以外に用いられる防振マウン
トであって、隔壁部材を挟んだ両側に受圧室と平衡室が
形成されたタイプの流体封入式マウントに対して、何れ
も、適用可能である。
【0045】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する上
隔壁板を示す平面図である。
【図3】図2における III−III 断面図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントを構成する下
隔壁板を示す平面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示されたエンジンマウントを構成する弾
性仕切部材を示す平面図である。
【図7】図6における VII−VII 断面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 ゴム弾性体 44 可撓性膜 46 隔壁部材 48 受圧室 50 平衡室 54 上隔壁板 56 下隔壁板 58 弾性仕切部材 84 可動膜 88 第一の領域 90 第二の領域 92 第三の領域 102 第一のオリフィス通路 104 第二のオリフィス通路 106 第三のオリフィス通路 108 アクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の取付部材と第二の取付部材をゴム
    弾性体にて連結する一方、該第二の取付部材によって支
    持された隔壁部材を挟んだ両側に、壁部の一部が前記ゴ
    ム弾性体にて構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性
    膜にて構成された平衡室を形成し、該受圧室および該平
    衡室に所定の非圧縮性流体を封入すると共に、それら受
    圧室と平衡室を相互に連通する流体流路を設けた流体封
    入式マウントにおいて、 第一の隔壁板と第二の隔壁板を弾性仕切部材を挟んで重
    ね合わせることにより前記隔壁部材を構成せしめて、該
    第一の隔壁板と該第二の隔壁板の間を該弾性仕切部材に
    よって第一の領域,第二の領域および第三の領域に仕切
    り、該第一の領域によって前記受圧室と前記平衡室の間
    での流体流動を許容する第一の流体流路を形成すると共
    に、前記第二の領域によって前記受圧室と前記平衡室の
    間での流体流動を許容する、該第一の流体流路よりもチ
    ューニング周波数の高い第二の流体流路を形成し、更に
    前記第三の領域に前記弾性仕切部材によって形成された
    可動膜を配設せしめて該可動膜で仕切られた両側を前記
    受圧室と前記平衡室に連通することにより、かかる第三
    の領域によって該可動膜の変形に基づいて前記受圧室と
    前記平衡室の間での流体流動を許容する、前記第二の流
    体流路よりもチューニング周波数の高い第三の流体流路
    を形成したことを特徴とする流体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 前記隔壁部材の外周部分に、前記第一の
    流体流路が形成されている一方、該第一の流体流路で囲
    まれた中央部分に、前記第二の流体流路と前記第三の流
    体流路が形成されている請求項1に記載の流体封入式マ
    ウント。
  3. 【請求項3】 前記第二の流体流路を連通/遮断する弁
    手段が設けられている請求項1又は2に記載の流体封入
    式マウント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1176335A1 (fr) * 2000-07-28 2002-01-30 Hutchinson Procédé de fabrication d'un support anti-vibratoire hydraulique
JP2009144892A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液封入式防振装置

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