JPH0729317Y2 - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JPH0729317Y2
JPH0729317Y2 JP10718490U JP10718490U JPH0729317Y2 JP H0729317 Y2 JPH0729317 Y2 JP H0729317Y2 JP 10718490 U JP10718490 U JP 10718490U JP 10718490 U JP10718490 U JP 10718490U JP H0729317 Y2 JPH0729317 Y2 JP H0729317Y2
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hole
orifice passage
fluid
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pressure receiving
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錬太郎 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、内部に封入された流体の流動に基づいて防振
効果を得るようにした流体封入式マウント装置に係り、
特に広い周波数域に亘る入力振動に対して、流体の流動
に基づく優れた防振効果を有効に発揮し得る流体封入式
マウント装置の構造に関するものである。
(背景技術) 従来から、自動車用エンジンマウントやボデーマウント
など、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それ
ら両部材を防振連結するマウント装置の一種として、特
開昭55−107142号公報等に示されている如く、マウント
内部に、振動が入力される受圧室と、容積可変の平衡室
とを、それぞれ形成すると共に、それら受圧室と平衡室
とを相互に連通するオリフィス通路を設けて、該オリフ
ィス通路内を流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て防振効果を得るようにした構造の、所謂流体封入式マ
ウント装置が知られている。
ところで、自動車用エンジンマウント等にあっては、通
常、その防振特性として、シェイクやバウンス等に相当
する低周波大振幅振動には高減衰特性が要求される一
方、アイドリング振動等に相当する中周波中振幅振動や
こもり音等に相当する高周波小振幅振動には低動ばね特
性が要求されることとなるが、上述の如き流体封入式マ
ウント装置では、流体の共振作用による防振効果が、そ
のオリフィス通路が予めチューニングされた限られた周
波数域の入力振動にしか有効には発揮され得ないため
に、例えば、低周波振動の入力時に高減衰効果が発揮さ
れるようにオリフィス通路をチューニングした場合に
は、中乃至高周波振動の入力時に、オリフィス通路が実
質的に閉塞状態となり、マウントの高動ばね化が惹起さ
れて防振性能が著しく低下するといった大きな問題を有
していたのである。
また、このような問題を解決するために、受圧室と平衡
室との間に複数のオリフィス通路を設けて、それぞれの
内部を流動せしめられる流体の共振作用により、目的と
する複数の周波数域の振動に対してそれぞれ所定の防振
効果が発揮され得るように、それら各オリフィス通路に
対して、互いに異なるチューニングを施すようにするこ
とも考えられる。
しかしながら、そのように相異なるチューニングが施さ
れたオリフィス通路にあっては、内部を流動せしめられ
る流体の共振周波数が高く設定されたもの程、断面積/
長さの比が大きく、通路内における流体の流動抵抗が小
さくなることから、振動入力時における受圧室と平衡室
との間での流体の流動が、専ら流動抵抗が小さい方、即
ち高周波数域にチューニングされたオリフィス通路を通
じて生ぜしめられることとなり、低周波数域にチューニ
ングされたオリフィス通路内を流動せしめられる流体の
流動量が確保され難く、その防振効果が充分に得られな
いと言う問題があったのであり、容易には実現できなか
ったのである。
(解決課題) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
それぞれ異なるチューニングが施された三つの流体流路
を備え、且つそれら各流体流路内を流動せしめられる流
体の共振作用に基づく防振効果が、入力振動周波数に応
じて、何れも有効に発揮されることにより、広い周波数
域に亘る入力振動に対して、優れた防振効果を発揮し得
る流体封入式マウント装置を提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本考案にあって
は、(a)振動入力方向に所定距離を隔てて配置され
た、それぞれ防振連結されるべき部材に対して取り付け
られる第一の取付部材および第二の取付部材と、(b)
該第一の取付部材と該第二の取付部材との間に介装され
て、それら両取付部材を互いに連結するゴム弾性体と、
(c)前記第二の取付部材にて支持せしめられ、前記振
動入力方向に対して略直角な方向に広がって配された仕
切部材と、(d)該仕切部材に対して前記第一の取付部
材の位置する側に形成された、前記ゴム弾性体にて壁部
の一部が構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起され
る、室内に所定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧室
と、(e)前記仕切部材を挟んで該受圧室とは反対側に
位置して形成された、壁部の一部が可撓性膜にて構成さ
れて、該可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容され
る、室内に所定の非圧縮性流体が封入されてなる平衡室
と、(f)前記受圧室と該平衡室との間に設けられて、
それら両室間での流体の流動を許容する第一のオリフィ
ス通路と、(g)該第一のオリフィス通路よりも大きな
断面積/長さの比をもって、前記受圧室と前記平衡室と
の間に設けられて、それら両室間での流体の流動を許容
する第二のオリフィス通路と、(h)該第二のオリフィ
ス通路よりも更に大きな断面積/長さの比をもって、前
記受圧室と前記平衡室との間に設けられた透孔と、
(i)該透孔上において、該透孔を閉塞する状態で所定
量だけ変形乃至は変位可能に配されて、その変形乃至は
変位に基づき、かかる透孔を通じての前記受圧室と前記
平衡室との間での実質的な流体の流動を許容する可動部
材と、(j)前記第二のオリフィス通路の開口部に当接
せしめられることにより、該第二のオリフィス通路を閉
塞せしめる第一の当接部と、前記透孔の開口部若しくは
前記可動部材に対して当接せしめられることにより、該
透孔を実質的に閉塞せしめる第二の当接部とを一体的に
有する弁体と、(k)該弁体を駆動せしめて、該弁体に
おける前記第一の当接部および第二の当接部を、前記第
二のオリフィス通路の開口部および前記透孔の開口部若
しくは前記可動部材に対して択一的に当接せしめること
により、それら第二のオリフィス通路および透孔を択一
的に閉塞せしめる駆動手段とを、含んで構成された流体
封入式マウント装置を、その特徴とするものである。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図には、本考案を自動車用エンジンマウント
に対して適用したものの一具体例が示されている。かか
る図において、10および12は、それぞれ第一の取付金具
および第二の取付金具であって、振動入力方向(第1図
中、上下方向)に所定距離を隔てて配置されている。ま
た、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12との間
には、ゴム弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14
にて、それら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
が、互いに弾性的に連結されている。そして、かかるエ
ンジンマウントにあっては、第一の取付金具10および第
二の取付金具12が、それぞれパワーユニット側および車
体側の各一方に取り付けられることにより、該パワーユ
ニットを車体に対して防振支持せしめるようになってい
る。なお、そのような装着状態下、かかるエンジンマウ
ントには、パワーユニット重量が負荷されることによっ
て、第一の取付金具10と第二の取付金具12が、互いに接
近方向に所定距離だけ変位せしめられることとなる。
より詳細には、前記第一の取付金具10は、厚肉平板形状
を呈しており、その略中央部分には、一方の面上に突出
するロッド部材16が一体的に固設されている。また、該
ロッド部材16には、第一の取付金具10を貫通して、他方
の面上に突出する取付ボルト18が一体的に設けられてお
り、この取付ボルト18によって、かかる第一の取付金具
10が、図示しない自動車のパワーユニット側に取り付け
られるようになっている。
一方、第二の取付金具12は、軸方向一端側に外フランジ
部20を有する円筒状の下側筒金具22と、軸方向一端側に
かしめ部24を有する円筒状の上側筒金具26とによって構
成されており、該下側筒金具22の外フランジ部20に対し
て、上側筒金具26のかしめ部24がかしめ固定されること
によって、一体的に組み付けられてなる構造とされてい
る。
また、かかる第二の取付金具12を構成する下側筒金具22
には、外フランジ部20とは反対側の軸方向端部におい
て、径方向外方に延び出す取付部28が一体的に形成され
ており、この取付部28によって、第二の取付金具12が図
示しない自動車の車体側に取り付けられるようになって
いる。
そして、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
は、該第一の取付金具10に設けられたロッド部材16が、
第二の取付金具12の上側筒金具26内に所定寸法だけ入り
込む状態で、振動入力方向に所定距離を隔てて配置され
ている。
さらに、これら第一の取付金具10と第二の取付金具12と
の間に介装されて、それら両金具10,12を弾性的に連結
する前記ゴム弾性体14は、全体として略円環形状乃至は
厚肉円筒形状をもって形成されている。そして、かかる
ゴム弾性体14にあっては、その内周側が第一の取付金具
10およびロッド部材16に対して、またその外周側に第二
の取付金具12を構成する上側筒金具26に対して、それぞ
れ加硫接着されてなる、一体加硫成形品として構成され
ている。
また一方、前記第二の支持金具12の内部には、薄肉円板
形状のゴム膜から成る可撓性膜としてのダイヤフラム30
が収容せしめられ、その外周縁部を、下側筒金具22と上
側筒金具26とのかしめ部位で挟持されることにより、配
設されている。そして、このダイヤフラム30に対して、
第一の取付金具10側には、その内部に水やアルキレング
リコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等
の所定の非圧縮性流体が封入されて成る流体室が形成さ
れている一方、ダイヤフラム30を挟んで該流体室とは反
対側には、該ダイヤフラム30の変形を許容する空間が形
成されている。
さらに、かかる流体室中には、全体として略円盤形状を
呈する仕切部材32が収容せしめられ、第一及び第二の取
付金具10,12の対向方向に対して略直角な方向に広がる
状態で、その外周縁部を、前記ダイヤフラム30と共に、
下側筒金具22と上側筒金具26とのかしめ部位で挟持され
ることにより、第二の取付金具12により固定的に支持さ
れている。そして、この仕切部材32にて流体室内が二分
されているのであり、以て、該仕切部材32に対して第一
の取付金具10側には、壁部の一部がゴム弾性体14にて構
成されて、振動入力時に該ゴム弾性体14の弾性変形に基
づく内圧変動が惹起される受圧室34が形成されいる一
方、該仕切部材32に対してダイヤフラム30側には、壁部
の一部がダイヤフラム30にて構成されて、該ダイヤフラ
ム30の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室36が
形成されている。
そして、かかる受圧室34内には、略ハット形状を呈する
傘金具84が収容配置せしめられて、振動入力方向に対し
て略直角な方向に広がり、仕切部材32側に開口する状態
で、底部においてロッド部材16の軸方向端部にかしめ固
定されることにより、第一の取付金具10に対して固定的
に取り付けられている。それによって、受圧室34内が、
該傘金具84を挟んで、振動入力方向両側に略二分されて
いると共に、該傘金具84の外周面と受圧室34の内周面と
の間に、それら両側部分を相互に連通する環状の狭窄部
86が形成されている。
また、かかる傘金具84の底部には、複数の通孔88が設け
られている一方、該傘金具84の開口部には、内周縁部に
マスリング90が加硫接着された円環板状の環状ゴム92
が、その外周縁部に固着された取付金具94をかしめ固定
されることにより、かかる傘金具84の開口部を覆うよう
にして装着されている。それによって、傘金具84におけ
るマスリング90の内部において、受圧室34内が傘金具84
にて仕切られることによって形成された両側部分を相互
に連通する狭窄部96が、前記狭窄部86とは独立して形成
されている。
そして、振動入力時に、受圧室34内において傘金具84が
変位せしめられると共に、環状ゴム92にて弾性支持され
たマスリング90が振動せしめられることにより、かかる
受圧室34内において、上記各狭窄部86,96を通じての流
体の流動が惹起されることとなり、以てそれらの狭窄部
86,96内を流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、所定の防振効果が発揮され得ることとなるのであ
る。なお、特に、本実施例においては、それら各狭窄部
86,94を通じて流動せしめられる流体の共振作用によ
り、後述する透孔54内を流動せしめられる流体の共振作
用にて低動ばね効果が得られる高周波振動よりも、更に
高周波数域の振動入力時に、低動ばね効果が発揮され得
るように、チューニングされている。
また、前記受圧室34と平衡室36とを仕切る仕切部材32
は、それぞれ略円環板形状を呈する上側仕切金具38と下
側仕切金具40とが、互いに一体的に重ね合わされて成る
構造とされている。そして、該仕切部材32の外周縁部に
は、上下仕切金具38,40間を周方向に延びる環状空所が
形成されていると共に、この環状空所の両端部が、受圧
室34および平衡室36に対して、図示しない連通孔を通じ
てそれぞれ連通されており、それによって該環状空所に
て、それら受圧室34と平衡室36との間での流体の流動を
許容する第一のオリフィス通路42が形成されている。ま
た、ここにおいて、かかる第一のオリフィス通路42にあ
っては、断面積/長さの比が充分に小さく設定されてお
り、その内部を流動せしめられる流体の共振作用に基づ
いて、シェイク等に相当する低周波大振幅振動の入力時
に高減衰効果が発揮され得るようにチューニングされて
いる。
更にまた、仕切部材32における該第一のオリフィス通路
42の径方向内側部分には、該第一のオリフィス通路42に
沿うようにして、上下仕切金具38,40間を周方向に延び
る環状空所が独立して形成されていると共に、この環状
空所の両端部が、受圧室34および平衡室36に対して、連
通孔44,46を通じてそれぞれ連通されており、それによ
って該環状空所にて、それら受圧室34と平衡室36との間
での流体の流動を許容する第二のオリフィス通路48が形
成されている。また、ここにおいて、かかる第二のオリ
フィス通路48にあっては、断面積/長さの比が、前記第
一のオリフィス通路42よりも大きく設定されており、そ
れによって、該第二のオリフィス通路48を流動せしめら
れる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等に
相当する中周波中振幅振動の入力時に低動ばね効果が発
揮され得るようにチューニングされている。
さらに、仕切部材32の中央部分には、上下仕切金具38,4
0の中央部に設けられた貫通孔50,52によって、受圧室34
と平衡室36との間に亘って、該仕切部材32を厚さ方向に
貫通して延びる透孔54が形成されている。また、ここに
おいて、かかる透孔54にあっては、断面積/長さの比
が、前記第二のオリフィス通路48よりも、更に大きく設
定されており、その内部を流動せしめられる流体に対し
て及ぼされる流動抵抗が、前記第一及び第二のオリフィ
ス通路42,48よりも小さくなるようにされている。
また、かかる透孔54における受圧室34側への開口部位に
は、ゴム弾性膜56が、上側仕切金具38における貫通孔50
の周縁部に対して固着されることにより、その開口を覆
蓋するようにして配設されている。なお、本実施例で
は、かかるゴム弾性膜56の中央部分に挿通孔58が形成さ
れており、該挿通孔58内に、後述する切換弁60が挿通せ
しめられるようになっていると共に、かかる挿通孔58の
周りには該切換弁60に対して嵌着される圧入リング62が
一体加硫接着されている。
そして、このゴム弾性膜56の変形に基づいて、受圧室34
と平衡室36との間で、透孔54を通じての流体の実質的な
流動が許容されるようになっているのであり、そこにお
いて、特にかかるゴム弾性膜56にあっては、その変形に
基づいて受圧室34と平衡室36との間に生ぜしめられる流
体の共振作用により、こもり音等に相当する高周波小振
幅振動の入力時に低動ばね効果が発揮されるように、そ
の大きさ(面積)やばね特性等がチューニングされてい
る。
また一方、このゴム弾性膜56にあっては、その変形抵抗
力(弾性力)に基づいて、透孔54内を流動せしめられる
流体の流動量を制限せしめるようになっている。即ち、
このゴム弾性膜56による流動量規制により、かかる透孔
54を通じての流体の流動によっては、シェイク等に相当
する低周波大振幅振動の入力時に受圧室34に惹起される
程の大きな内圧変動が吸収され得ないようになっている
のである。なお、このことから明らかなように、本実施
例では、かかるゴム弾性膜56によって、可動部材が構成
されている。
さらに、このような構造とされた仕切部材32には、全体
として略ロッド状の切換弁60が、前記ゴム弾性膜56の中
央部に設けられた挿通孔58内に挿通されることにより、
該仕切部材32を振動入力方向に貫通して、受圧室34と平
衡室36との間に跨がって配設されている。そして、かか
る切換弁60は、平衡室36側の軸方向端部が、ダイヤフラ
ム30を流体密に貫通して下側筒金具22内にまで突出せし
められており、該下側筒金具22の軸方向中央部分におい
て、該下側筒金具22に対して固定的に取り付けられた略
円板状の支持金具64に設けられた支持孔66内に挿通され
ることにより、振動入力方向に移動可能に支持されてい
る。
また、かかる切換弁60には、平衡室36内に位置せしめら
れた軸方向中間部分において、軸直角方向に延び出し
て、下側仕切金具40に形成された連通孔46よりも大きな
面積をもって広がる第一の当接部68が一体的に形成され
ており、該下側仕切金具40に設けられた連通孔46に対し
て対向位置せしめられている。更に、かかる切換弁60に
おける、受圧室34内に突出させられた軸方向端部には、
上側仕切金具38に設けられた貫通孔50よりも僅かに大き
な面積の円板形状をもって軸直角方向に広がる第二の当
接部70が一体的に形成されており、該上側仕切金具38の
貫通孔50に対して対向位置せしめられている。
それによって、かかる切換弁60が第一の取付金具10側に
移動せしめられた際には、第一の当接部68が下側仕切金
具40における連通孔46の開口部位に当接せしめられて、
該連通孔46を覆蓋することにより、前記第二のオリフィ
ス通路48が閉塞せしめられる(第1図参照)一方、かか
る切換弁60が、第一の取付金具10とは反対側に移動せし
められた際には、第二の当接部70が上側仕切金具38にお
ける貫通孔50の開口部位に当接せしめられて、該貫通孔
50を覆蓋することにより、前記透孔54が閉塞せしめられ
ることとなる(第2図参照)。即ち、かかる切換弁60に
よって、第二のオリフィス通路48と透孔54とが、択一的
に閉塞せしめられるようになっているのである。
更にまた、前記支持金具64の支持孔66内を貫通して下側
筒金具22内に位置せしめられた切換弁60の軸方向端部に
は、略円板形状を呈する板金具72が、軸直角方向に広が
るように嵌着固定されていると共に、該板金具72の外周
縁部は、薄肉円環板状のゴム膜74によって、下側筒金具
22に対して、相対的な変位が許容される状態で流体密に
取り付けられている。また、下側筒金具22には、かかる
切換弁60に取り付けられた板金具72に対して対向位置す
る状態で、取付部28側の開口部を覆蓋する蓋金具76がか
しめ固定されており、以て、それら板金具72と蓋金具76
との間に、密閉された空気室78が形成されている。
さらに、かかる空気室78内には、板金具72と蓋金具76と
の間に跨がって、コイルスプリング80が介装されてお
り、該コイルスプリング80のバネ力によって、板金具7
2、延いては切換弁60に対して、第一の取付金具10側に
向かう付勢力が及ぼされるようになっている。また一
方、かかる空気室78内には、蓋金具76に設けられた接続
孔82を通じて、大気圧および図示しない外部負圧源から
の負圧が、択一的に及ぼされるようになっており、この
負圧によって、板金具72、延いては切換弁60が、コイル
スプリング80のバネ力に抗して、蓋金具76側に移動せし
められるようになっている。即ち、本実施例では、これ
ら板金具72と蓋金具76との間に力を及ぼすコイルスプリ
ング80および空気圧機構によって、切換弁60を駆動せし
める駆動手段が構成されているのである。
すなわち、このような構造とされたエンジンマウントに
あっては、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間
に振動が入力された際、受圧室34と平衡室36との間に生
ぜしめられる内圧差に基づいて、第一及び第二のオリフ
ィス通路42,48を通じての流体の流動およびゴム弾性膜5
6の変形に伴う流体の流動が、それぞれ生ぜしめられる
こととなるが、そこにおいて、空気室78の大気中若しく
は負圧源への接続を、車両走行状態等に応じて制御せし
めることにより、それら第一及び第二のオリフィス通路
42,48を通じての流体の流動およびゴム弾性膜56の変形
に伴う流体の流動が、入力振動に応じて選択的に惹起せ
しめられることとなるのであり、以て、それら流動せし
められる流体の共振作用に基づく防振効果が、入力振動
に応じて、何れも有効に且つ選択的に発揮されることと
なるのである。
より具体的には、シェイク等の低周波大振幅振動と共
に、こもり音等の高周波小振幅振動が入力されることと
なる車両の走行時には、空気室78を大気中に連通せしめ
る。即ち、それによって、第1図に示されている如く、
切換弁60が、コイルスプリング80による付勢力に基づい
て、第一の取付金具10側に変位せしめられて、その第一
の当接部68にて第二のオリフィス通路48が閉塞せしめら
れることにより、振動入力時には、第一のオリフィス通
路42を通じての流体の流動およびゴム弾性膜56の変形に
伴う流体の流動のみが有効に惹起されることとなる。
そして、シェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、
透孔54を通じての流体の流動がゴム弾性膜56にて規制さ
れることにより、専ら、第一のオリフィス通路42を通じ
ての流体の流動が有効に生ぜしめられることとなるので
あり、それによって、該第一のオリフィス通路42内を流
動せしめられる流体の共振作用に基づいて、高減衰効果
が発揮され得るのである。また一方、こもり音等の高周
波小振幅振動の入力時には、受圧室34内に惹起される液
圧変動が小さく、ゴム弾性膜56による制限を受けること
がないところから、専ら、断面積/長さの比が大きく流
動抵抗が小さい透孔54を通じての流体の流動が生ぜしめ
られることとなり、それによって、ゴム弾性膜56の変形
に基づいて受圧室34と平衡室36との間で流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいて、優れた低動ばね効果が発
揮され得るのである。
一方、アイドリング振動等の中周波中振幅振動が入力さ
れることとなる車両の停車時には、空気室78を負圧源に
連通せしめる。即ち、それによって、第2図に示されて
いる如く、切換弁60が、コイルスプリング80による付勢
力に抗して、第一の取付金具10から離隔する方向に変位
せしめられて、その第二の当接部70にて透孔54が閉塞せ
しめられることとなる。
そして、かかる状態下、アイドリング振動等の中周波中
振幅振動が入力されると、第一のオリフィス通路42と第
二のオリフィス通路48とのうち、専ら、断面積/長さの
比が大きく流動抵抗が小さい第二のオリフィス通路48を
通じての流体の流動が有効に生ぜしめられることとなる
のであり、それによって、該第二のオリフィス通路48内
を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、優れた
低動ばね効果が発揮され得るのである。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウントによ
れば、車両の走行時と停車時とにおいて、空気室78の大
気中若しくは負圧源への接続を切り換えることにより、
車両走行時に入力されるシェイク等の低周波大振幅振動
とこもり音等の高周波小振幅振動、および車両停車時に
入力されるアイドリング振動等の中周波中振幅振動に対
して、何れも、流体の共振作用に基づく優れた防振効果
が有効に発揮され得るのであり、それによって車両の乗
り心地の向上が、極めて有効に達成され得ることとなる
のである。
また、特に、上述の如きエンジンマウントにおいては三
つの流体流路を択一的に機能せしめるための切換操作
が、単一の切換弁60を駆動せしめることにより、有効に
為され得るところから、上述の如き優れた防振特性が、
簡略な構造をもって有利に実現され得るといった利点を
も有しているのである。
更にまた、本実施例においては、切換弁60を駆動するた
めの駆動力として、負圧が用いられていることから、か
かる駆動力を、エンジンの吸気系から容易に且つ有利に
得ることができるという利点をも有しているのである。
さらに、本実施例のエンジンマウントにあっては、受圧
室34内において、環状ゴム92が開口部に装着された略ハ
ット形状の傘金具84が配設されることにより、該受圧室
34内に、流体流路として機能し得る二つの狭窄部86,96
が形成されていることから、それらの狭窄部86,96内を
流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、より広い
周波数域に亘る入力振動に対して、優れた防振効果が発
揮され得るのである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきたが、これ
は文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例に
のみ限定して解釈されるものではない。
例えば、透孔上に配されて、その内部を通じて流動せし
められる流体量を制限する可動部材としては、例示の如
きゴム弾性膜56によるものに限定されるものではなく、
その他、該透孔上において所定距離だけ変位可能に配さ
れた可動板等によって構成することも可能である。
また、かかる可動部材を構成するゴム弾性膜56に対し
て、帆布等を固着せしめて、その強度や耐久性、或いは
流量規制機能等の向上を図ることも可能である。
さらに、前記実施例では、第一及び第二のオリフィス通
路が、それぞれ、互いに独立して形成されていたが、例
えば、第一のオリフィス通路における流路上の中間部分
に受圧室若しくは平衡室内に開口する通孔を形成するこ
とにより、該第一のオリフィス通路の一部を利用して第
二のオリフィス通路を形成せしめ、そして、該通孔を、
切換弁に設けられた第一の当接部にて開閉せしめるよう
にすること等も、可能である。
また、切換弁の具体的構造も、前記実施例のものに限定
されるものではなく、例えば、第二の押圧部を、透孔54
上に配されたゴム弾性膜56に当接して該ゴム弾性膜56を
押圧せしめることにより、透孔54を実質的に閉塞せしめ
得る構造をもって形成するようにしても良い。
更にまた、切換弁を駆動する駆動手段としても、前記実
施例のものに限定されるものではなく、空気圧駆動機構
や油圧駆動機構、或いは電気的駆動機構等、公知の各種
のものが採用可能である。
また、前記実施例におけるエンジンマウントにおいて
は、受圧室34内に傘金具84が配設されていたが、そのよ
うな傘金具84は、必ずしも設ける必要はない。
加えて、前記実施例では、本考案を自動車用エンジンマ
ウントに対して適用したものの一具体例を示したが、本
考案は、その他、自動車用ボデーマウント等、或いは自
動車以外の各種装置におけるマウントに対しても、有利
に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、また、そのような実
施態様が、本考案の主旨を逸脱しない限り、何れも、本
考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
(考案の効果) 上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造とさ
れた流体封入式マウント装置にあっては、切換弁におけ
る第一の当接部にて第二のオリフィス通路を閉塞せしめ
た状態下では、第一のオリフィス通路内を流動せしめら
れる流体の共振作用に基づく低周波大振幅の入力振動に
対する高減衰効果と、可動部材の変形乃至は変位に伴っ
て流動せしめられる流体の共振作用に基づく高周波小振
幅の入力振動に対する低動ばね効果とが、何れも有効に
発揮され得る一方、切換弁における第二の当接部にて透
孔を実質的に閉塞せしめた状態下では、第二のオリフィ
ス通路内を流動せしめられる流体の共振作用に基づく中
周波中振幅の入力振動に対する低動ばね効果が有効に発
揮され得るのである。
従って、かかる流体封入式マウント装置においては、入
力振動に応じて、切換弁を切換作動せしめることによ
り、第一及び第二のオリフィス通路内を流動せしめられ
る流体および可動部材の変形乃至は変位に伴って流動せ
しめられる流体の共振作用に基づいて、広い周波数域の
入力振動に対して、極めて優れた防振効果を得ることが
できるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案を自動車用エンジンマウントに対して
適用したものの一実施例を示す縦断面図であり、第2図
は、かかるエンジンマウントの別の作動状態を示す縦断
面図である。 10:第一の取付金具、12:第二の取付金具 14:ゴム弾性体、30:ダイヤフラム 32:仕切部材、34:受圧室 36:平衡室 42:第一のオリフィス通路 48:第二のオリフィス通路 54:透孔、56:ゴム弾性膜 60:切換弁、68:第一の当接部 70:第二の当接部、78:空気室 80:コイルスプリング

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動入力方向に所定距離を隔てて配置され
    た、それぞれ防振連結されるべき部材に対して取り付け
    られる第一の取付部材および第二の取付部材と、 該第一の取付部材と該第二の取付部材との間に介装され
    て、それら両取付部材を互いに連結するゴム弾性体と、 前記第二の取付部材にて支持せしめられ、前記振動入力
    方向に対して略直角な方向に広がって配された仕切部材
    と、 該仕切部材に対して前記第一の取付部材の位置する側に
    形成された、前記ゴム弾性体にて壁部の一部が構成され
    て、振動入力時に内圧変動が惹起される、室内に所定の
    非圧縮性流体が封入されてなる受圧室と、 前記仕切部材を挟んで該受圧室とは反対側に位置して形
    成された、壁部の一部が可撓性膜にて構成されて、該可
    撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される、室内に
    所定の非圧縮性流体が封入されてなる平衡室と、 前記受圧室と該平衡室との間に設けられて、それら両室
    間での流体の流動を許容する第一のオリフィス通路と、 該第一のオリフィス通路よりも大きな断面積/長さの比
    をもって、前記受圧室と前記平衡室との間に設けられ
    て、それら両室間での流体の流動を許容する第二のオリ
    フィス通路と、 該第二のオリフィス通路よりも更に大きな断面積/長さ
    の比をもって、前記受圧室と前記平衡室との間に設けら
    れた透孔と、 該透孔上において、該透孔を閉塞する状態で所定量だけ
    変形乃至は変位可能に配されて、その変形乃至は変位に
    基づき、かかる透孔を通じての前記受圧室と前記平衡室
    との間での実質的な流体の流動を許容する可動部材と、 前記第二のオリフィス通路の開口部に当接せしめられる
    ことにより、該第二のオリフィス通路を閉塞せしめる第
    一の当接部と、前記透孔の開口部若しくは前記可動部材
    に対して当接せしめられることにより、該透孔を実質的
    に閉塞せしめる第二の当接部とを一体的に有する弁体
    と、 該弁体を駆動せしめて、該弁体における前記第一の当接
    部および第二の当接部を、前記第二のオリフィス通路の
    開口部および前記透孔の開口部若しくは前記可動部材に
    対して択一的に当接せしめることにより、それら第二の
    オリフィス通路および透孔を択一的に閉塞せしめる駆動
    手段とを、 有することを特徴とする流体封入式マウント装置。
JP10718490U 1990-10-13 1990-10-13 流体封入式マウント装置 Expired - Lifetime JPH0729317Y2 (ja)

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