JP2003130126A - 流体封入式マウント - Google Patents

流体封入式マウント

Info

Publication number
JP2003130126A
JP2003130126A JP2001324051A JP2001324051A JP2003130126A JP 2003130126 A JP2003130126 A JP 2003130126A JP 2001324051 A JP2001324051 A JP 2001324051A JP 2001324051 A JP2001324051 A JP 2001324051A JP 2003130126 A JP2003130126 A JP 2003130126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber elastic
fluid
elastic film
chamber
orifice passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001324051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4018366B2 (ja
Inventor
Katsuhisa Yano
勝久 矢野
Eiji Tanaka
栄治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2001324051A priority Critical patent/JP4018366B2/ja
Publication of JP2003130126A publication Critical patent/JP2003130126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4018366B2 publication Critical patent/JP4018366B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第二のオリフィス通路の閉塞による防振特性
の作動切り換え時における異音や振動の発生が低減乃至
は防止されると共に、ゴム弾性膜の耐久性が向上され得
る新規な構造の流体封入式マウントを提供すること。 【解決手段】 ゴム弾性膜32の中央部分を外周部分よ
りも剛性の大きな蓋体部82として、該蓋体部82を第
二のオリフィス通路98の平衡室92への開口部68に
対向位置せしめると共に、ゴム弾性膜32において蓋体
部82の外周縁部から外周側に延び出す部分を、略円弧
形の湾曲断面形状で仕切部材30に向かって突出する環
状当接部84として、アクチュエータ104による押圧
力が蓋体部82の外面に及ぼされることにより、該環状
当接部84の突出先端部86が前記仕切部材30におけ
る第二のオリフィス通路98の平衡室92への開口部6
8の周りに押し付けられるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【背景技術】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウ
ントに係り、特にオリフィス通路の連通状態を切り換え
ることにより、防振特性を制御することのできる流体封
入式マウントに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、防振マウントの一種として、内
部に封入された流体の流動作用や圧力変動等を利用して
得られる防振効果を、入力振動等に応じて調節変更する
ことができるようにした流体封入式マウントが知られて
いる。このような流体封入式マウントの一種として、例
えば、特開2000−257665号公報等に記載され
ているように、第一の取付部材を、略円筒形状を有する
第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置せしめて、
それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性
体で連結すると共に、第二の取付部材の他方の開口部側
をゴム弾性膜で覆蓋せしめて、それら本体ゴム弾性体と
ゴム弾性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室を形
成し、更に第二の取付部材で支持された仕切部材によっ
てかかる流体室を仕切ることにより、本体ゴム弾性体で
壁部の一部が構成された受圧室と、ゴム弾性膜で壁部の
一部が構成された平衡室を形成すると共に、それら受圧
室と平衡室をそれぞれ連通する第一のオリフィス通路と
該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニン
グされた第二のオリフィス通路を形成する一方、ゴム弾
性膜を挟んで平衡室と反対側にアクチュエータを配設
し、該アクチュエータでゴム弾性膜を押圧して前記仕切
部材に設けられた第二のオリフィス通路の平衡室への開
口部に押し付けることによって第二のオリフィス通路を
遮断可能とすることにより、オリフィス通路を開閉制御
せしめて防振特性を調節するようにした流体封入式マウ
ントが、知られている。
【0003】ところで、このような従来の流体封入式マ
ウントでは、ゴム弾性膜による第二のオリフィス通路の
平衡室への開口部の覆蓋を、振動入力時に及ぼされる圧
力変動に抗して安定して実現するために、ゴム弾性膜に
対してアクチュエータによる押圧力を充分に大きく作用
させる必要がある。
【0004】ところが、アクチュエータの大きな押圧力
をゴム弾性膜に作用せしめると、第二のオリフィス通路
の平衡室への開口部を閉塞せしめるに際しての、ゴム弾
性膜の仕切部材への当接に伴う大きな衝撃や打音の発生
が問題となり易いという問題があった。
【0005】また、従来構造の流体封入式マウントにお
いては、ゴム弾性膜で第二のオリフィス通路の平衡室へ
の開口部を閉塞せしめた状態下で、大きな振動荷重が入
力されると、受圧室に生ぜしめられ、ゴム弾性膜に作用
せしめられることとなり、ゴム弾性膜が、第二のオリフ
ィス通路の平衡室への開口部に吸い込まれることによっ
て、ゴム弾性膜に局部的な応力集中が発生したり、ゴム
弾性膜が第二のオリフィス通路の平衡室への開口部の周
縁部付近で擦られて損傷し易く、ゴム弾性膜の耐久性が
充分に確保され難いという問題があった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、第二のオリフィス通路の閉塞による防振特
性の作動切り換え時における異音や振動の発生が低減乃
至は防止されると共に、ゴム弾性膜の耐久性が向上され
得る新規な構造の流体封入式マウントを提供することに
ある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】本発明の第一の態様は、第一の取付部材
を、略円筒形状を有する第二の取付部材の一方の開口部
側に離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の
取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の
取付部材の他方の開口部側をゴム弾性膜で覆蓋せしめ
て、それら本体ゴム弾性体とゴム弾性膜の間に非圧縮性
流体が封入された流体室を形成し、更に該第二の取付部
材で支持された仕切部材によって該流体室を仕切ること
により、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受
圧室と、該ゴム弾性膜で壁部の一部が構成された平衡室
を形成すると共に、それら受圧室と平衡室をそれぞれ連
通する第一のオリフィス通路と該第一のオリフィス通路
よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィ
ス通路を形成する一方、該ゴム弾性膜を挟んで該平衡室
と反対側にアクチュエータを配設し、該アクチュエータ
で該ゴム弾性膜を押圧して前記仕切部材に設けられた前
記第二のオリフィス通路の前記平衡室への開口部に押し
付けることによって該第二のオリフィス通路を遮断可能
とした流体封入式マウントにおいて、前記ゴム弾性膜の
中央部分を外周部分よりも剛性の大きな蓋体部として、
該蓋体部を前記第二のオリフィス通路の前記平衡室への
開口部に対向位置せしめると共に、該ゴム弾性膜におい
て該蓋体部の外周縁部から外周側に延び出す部分を略円
弧形の湾曲断面形状で前記仕切部材に向かって突出する
環状当接部として形成し、前記アクチュエータによる押
圧力が該蓋体部の外面に及ぼされることにより、該環状
当接部の突出先端部が前記仕切部材における前記第二の
オリフィス通路の前記平衡室への開口部の周りに押し付
けられるようにした流体封入式マウントを、特徴とす
る。
【0009】このような本態様に従う構造とされた流体
封入式マウントにおいては、アクチュエータでゴム弾性
膜を仕切部材に押し付けることにより、ゴム弾性膜にお
ける環状当接部の突出先端部が、仕切部材における第二
のオリフィス通路の平衡室への開口部まわりに対して全
周に亘って当接されて第二のオリフィス通路が流体密に
閉塞されることとなるのであり、その際、環状当接部
は、突出先端部の仕切部材への押し付けによって弾性的
に剪断変形せしめることとなる。それ故、ゴム弾性膜が
アクチュエータで仕切部材に強く当接せしめられた場合
でも、柔らかいばね特性に基づく緩衝作用が発揮されて
ゴム弾性膜の仕切部材に対する当接に際しての打音や衝
撃が低減され得るのである。
【0010】しかも、第二のオリフィス通路の平衡室へ
の開口部を覆蓋するゴム弾性膜の中央部分が剛性の大き
い蓋体部とされていることから、大きなリバウンド荷重
の入力によって受圧室に生ぜしめられた負圧が第二のオ
リフィス通路を通じて蓋体部に及ぼされた場合でも、蓋
体部における第二のオリフィス通路の平衡室への開口部
への入り込みが防止されて、ゴム弾性膜の不規則な弾性
変形や仕切部材への擦れ等が回避されることにより、ゴ
ム弾性膜の耐久性が向上され得るのである。
【0011】なお、本態様において、アクチュエータの
具体的構造は限定されるものでなく、ゴム弾性膜の蓋体
部に対して仕切部材への押し付け力を解除可能に及ぼし
得るものであれば良いのであり、例えば、密閉された作
用空気室を備え、該空気室の空気圧変化に伴う壁部の変
位を出力として取り出すようにした空気圧式アクチュエ
ータや、電磁力や磁力の作用に基づいて変位せしめられ
る出力部材を備えた電磁式アクチュエータ等が、何れも
採用可能である。また、蓋体部の剛性の向上には、例え
ば、蓋体部に該蓋体部よりも硬質の剛体を固着したり、
或いは蓋体部の肉厚寸法を大きくすること等によって有
利に実現され得る。更にまた、仕切部材は、例えば、オ
リフィス通路を形成するための凹溝を備えた金属や合成
樹脂の成形品を用いて形成されることが望ましく、それ
によって、第一及び第二のオリフィス通路が、少ない部
材点数と簡単な構造で実現され得る。
【0012】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた流体封入式マウントにおいて、
前記ゴム弾性膜における前記蓋体部の外径寸法よりも、
前記仕切部材に押し付けられる前記環状当接部の突出先
端部を大径としたことを、特徴とする。このような本態
様においては、仕切部材への押し付けに際しての環状当
接部における剪断変形がより安定して生ぜしめられるこ
ととなり、環状当接部のばね特性を柔らかくチューニン
グすることが一層容易となる。
【0013】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた流体封入式マウントに
おいて、前記ゴム弾性膜における前記蓋体部の外径寸法
を、前記仕切部材に形成された前記第二のオリフィス通
路の前記平衡室への開口部よりも大径としたことを、特
徴とする。このような本態様においては、蓋体部におけ
る第二のオリフィス通路の平衡室への開口部への入り込
みがより効果的に防止され得る。
【0014】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいて、前記ゴム弾性膜の中央部分を外周部分
よりも厚肉の平板形状として前記蓋体部を形成すると共
に、該ゴム弾性膜の外周部分を変形が容易な薄肉の弛み
形状とし、更に前記環状当接部の肉厚寸法を、少なくと
も該蓋体部との接続部分から前記突出先端部にまで至る
部分において該ゴム弾性膜の外周部分の肉厚寸法よりも
大きくしたことを、特徴とする。このような本態様にお
いては、蓋体部の剛性が大きく確保される一方、ゴム弾
性膜の外周部分の可撓性が有利に確保されることによ
り、ゴム弾性膜の中央部分における変形剛性、延いては
耐久性と平衡室の容積変化の許容量が両立して高度に確
保され得る。
【0015】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいて、前記ゴム弾性膜の中央部分に少なくと
も該ゴム弾性膜よりも硬質の補強部材を固着せしめて前
記蓋体部を形成したことを、特徴とする。このような本
態様においては、ゴム弾性膜の中央部分の剛性が一層有
利に確保され得るのであり、それによって、例えば、全
体に亘って薄肉のゴム弾性膜を採用することも可能とさ
れる。なお、本態様において、補強部材には、公知の硬
質の合成樹脂や金属等が採用可能であり、また、補強部
材のゴム弾性膜への固着は、例えば、該ゴム弾性膜の表
面に接着せしめたり、或いはゴム弾性膜内に埋設せしめ
ること等によって実現され得る。
【0016】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいて、前記アクチュエータにおける前記蓋体
部の押圧面に対して凹凸を設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、アクチュエータと蓋体部
の押圧(当接)面積が小さくされることにより、アクチ
ュエータとゴム弾性膜の当接に際して生ぜしめられる打
音等が効果的に防止され得る。なお、凹凸は、例えば、
押圧面の外周縁部に環状乃至は分断状の突出部を設けて
中央部分を凹陥状としたり、或いは押圧面の全体に亘っ
て複数の小突部を突設する他、同心円状乃至は碁盤目状
の凹溝を多数条設けること等によって実現され得る。
【0017】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいて、前記アクチュエータを、(a)前記ゴ
ム弾性膜の外方に離隔して配設されて、前記第二の取付
部材で固定的に支持された硬質のベース部材と、(b)
該ベース部材と前記ゴム弾性膜の間に配設されて、該ベ
ース部材との間において外部空間に対して遮断された作
用空気室を画成する可撓性隔膜と、(c)該可撓性隔膜
の中央部分に固着されて、該可撓性隔膜の変形により前
記ベース部材に対して接近/離隔変位可能に支持され
て、前記ゴム弾性膜の蓋体部に対して対向位置せしめら
れた押圧部材と、(d)該押圧部材を前記ベース部材か
ら離隔する方向に付勢して、前記蓋体部に該押圧部材を
当接させて押圧力を及ぼす付勢手段と、(e)前記作用
空気室に対して外部から空気圧を及ぼす空気圧通路と
を、含んで構成し、該空気圧通路を通じて前記作用空気
室に負圧を及ぼすことによって、前記押圧部材による前
記蓋体部への押圧力が解除されるようにしたことを、特
徴とする。
【0018】このような本態様においては、作用空気室
への負圧力の作用を制御することにより、押圧部材の蓋
体部に対する押圧力を作用または解除せしめて、ゴム弾
性膜の蓋体部が第二のオリフィス通路の平衡室への開口
部に対して確実に当接/離隔せしめられることとなり、
以て、第二のオリフィス通路の遮断/連通状態等の切り
換えが安定して行われ得る空気圧式のアクチュエータ
が、有利に実現され得るのである。なお、本態様におい
て、押圧部材は、ゴム弾性膜に対して非接着とされてい
ることが望ましく、それにより、製作性や組付け作業性
等が有利に向上され得る。また、押圧部材を付勢する付
勢手段は、例えば、押圧部材とベース部材の対向面間に
コイルスプリングを配設すること等によって有利に実現
され得る。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0020】先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態
としての自動車用エンジンマウント10が示されてい
る。このエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔
てて配された第一の取付部材としての第一の取付金具1
2と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、本
体ゴム弾性体16で連結された構造を有しており、第一
の取付金具12が図示しないパワーユニット側に取り付
けられる一方、第二の取付金具14が図示しない車両ボ
デー側に取り付けられることにより、パワーユニットを
車両ボデーに対して防振支持せしめるようになってい
る。なお、以下の説明において上下方向とは、原則とし
て、図1における上下方向をいうものとする。
【0021】より詳細には、第一の取付金具12は、逆
向きの略截頭円錐台形状を呈しており、その大径側上面
には、固定片18が突設されている。この固定片18に
は、取付孔20が貫設されており、該取付孔20に挿通
されるボルト等によって、第一の取付金具12が、図示
しないパワーユニットに対して固定的に取り付けられる
ようになっている。
【0022】また一方、第二の取付金具14は、第一の
取付金具12の外径寸法よりも十分に大径とされた薄肉
の略円筒形状を有しており、第二の取付金具14の一方
の開口部である上側開口部には、屈曲等して径方向内方
に突出するくびれ部22が形成されていると共に、該く
びれ部22の開口周縁部には、径方向外周に広がるフラ
ンジ状部24が一体形成されている。
【0023】また、第一の取付金具12は、第二の取付
金具14の軸方向上方に所定距離を隔てて略同一中心軸
上に配設されており、これら第一の取付金具12と第二
の取付金具14の間に、本体ゴム弾性体16が介装され
ている。この本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形
状を有しており、小径側端面に第一の取付金具12が加
硫接着されていると共に、大径側端部外周面に第二の取
付金具14が加硫接着されている。即ち、本体ゴム弾性
体16は、第一及び第二の取付金具12,14を備えた
一体加硫成形品として形成されており、本体ゴム弾性体
16によって第二の取付金具14の上側開口部が流体密
に覆蓋されている。また、本体ゴム弾性体16には、大
径側端面に開口する凹所26が形成されている。
【0024】さらに、第二の取付金具14の内部には、
仕切部材30と、ゴム弾性膜としてのダイヤフラム32
が重ね合わされて収容されている。
【0025】仕切部材30は、全体として略円板形状を
有しており、金属のプレス成形品にて形成されていると
共に、第一の仕切金具34と第二の仕切金具36が軸方
向に重ね合わされることによって構成されている。第一
の仕切金具34は、図3にも単品として示されているよ
うに、略円板形状を有しており、その中央部分には、小
径の挿通孔38が貫設されていると共に、外周縁部に
は、周方向に一周弱の長さで略コ字型の断面形状で連続
して延びる周溝44が形成されている。また、周溝44
の周方向一端部は、周方向端面で開口する連通孔46に
よって第一の仕切金具34の上面側に開口し連通せしめ
られている一方、周溝44の周方向他端部は、下壁部に
貫設された接続用孔50によって第一の仕切金具34の
下面側に開口し連通せしめられている。更にまた、第一
の仕切金具34には、周溝44の周方向両端部間、換言
すれば周溝44が形成されていない外周縁部分におい
て、透孔52が貫設されている。更に、第一の仕切金具
34の径方向略中央部分には、周溝44や透孔52等を
避ける位置に、一対の通孔54,54が貫設されてい
る。
【0026】また、第二の仕切金具36は、図4にも単
品として示されているように、厚肉の略円板形状を有し
ており、その上面の中心軸上には、小径の円筒形状を有
するかしめピン58が突設されていると共に、下面の中
央部分には、円形の中央凹所60が形成されている。ま
た、第二の仕切金具36には、外周縁部近くを周方向に
半周弱の長さで延びる第一の周溝62が上方に向かって
開口して形成されており、該第一の周溝62の周方向一
端部が、底壁部に貫設された連通孔64によって第二の
仕切金具36の下面に開口し連通せしめられている。更
にまた、第二の仕切金具36において、第一の周溝62
に対して径方向反対側に位置する部分には、第一の周溝
62よりも大きな幅寸法をもって周方向に四半周強の長
さで延びる第二の周溝66が上方に向かって開口して形
成されている。また、第二の周溝66の周方向一端部
が、次第に小さくなる曲率半径で径方向内方に向かって
湾曲して延び出して、中央凹所60に対して開口し連通
せしめられている一方、第二の周溝66の周方向他端部
が、中央凹所60の周壁面および底面の略半周に亘って
開口し連通されている。更に、第二の仕切金具36に
は、第一の周溝62の径方向内方に位置する部分におい
て、第一の周溝62に沿って略半周の領域に広がる収容
凹所70が上面に開口して形成されており、該収容凹所
70の底壁部には、一対の通孔74,74が形成されて
いる。
【0027】また一方、ダイヤフラム32は、図1にも
示されているように、特にその外周部分としての外周ゴ
ム部78が変形容易な薄肉のゴム膜で形成されており、
蛇行して径方向に延びる断面形状とされていることによ
って、かかる外周ゴム部78には充分な弛みが設けられ
ている。また、外周ゴム部78の外周縁部には、大径の
略円筒形状を有する金属リング80が加硫接着されてい
る。更にまた、ダイヤフラム32の中央部分には、外周
ゴム部78よりも厚肉とされており、弛みをもたないで
軸直角方向に広がる蓋体部としての蓋板部82が形成さ
れている。なお、この蓋板部82の外径寸法は、第二の
仕切金具36における中央凹所60の開口部68の外径
寸法よりも大きく設定されている。
【0028】また、蓋板部82の外周縁部には、環状当
接部としての当接ゴム部84が周方向の全周に亘って連
続して形成されている。かかる当接ゴム部84は、図5
にも示されているように、略半円形乃至は逆U字形の湾
曲断面形状とされており、蓋板部82の外周縁部から軸
方向上方に立ち上がり、突出先端部86で湾曲して下方
に折り返す断面形状とされている。また、当接ゴム部8
4の突出先端部86が、蓋板部82よりも軸方向上方で
且つ径方向外方に位置せしめられている。また、特に本
実施形態では、当接ゴム部84の肉厚寸法が、蓋板部8
2の外周縁部から次第に小さくされて、外周ゴム部78
につながっている。
【0029】そして、このような第一及び第二の仕切金
具34,36とダイヤフラム32が、第二の取付金具1
4の下側開口部から順次軸方向に挿入されて軸方向で重
ね合わされた後、第二の取付金具14に縮径加工やかし
め加工が施されることにより、第一及び第二の仕切金具
34,36とダイヤフラム32の金属リング80が第二
の取付金具14に対して嵌着固定されていると共に、第
二の取付金具14の開口周縁部に形成された係止爪25
によって金属リング80の軸方向の抜け出しが防止され
ている。これにより、第二の取付金具14の下側開口部
が、ダイヤフラム32によって流体密に覆蓋されてお
り、以て、第二の取付金具14の内部には、本体ゴム弾
性体16とダイヤフラム32の対向面間において、内部
に非圧縮性流体が封入された流体室88が形成されてい
る。
【0030】また、かかる流体室88には、第一及び第
二の仕切金具34,36が重ね合わされることによって
構成された仕切部材30が、軸方向中間部分を軸直角方
向に広がって配設されており、この仕切部材30で流体
室88が仕切られて二分されることによって、仕切部材
30を挟んだ一方の側(図1中の軸方向上側)には、壁
部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室90
が形成されていると共に、仕切部材30を挟んだ他方の
側(図1中の軸方向下側)には、壁部の一部がダイヤフ
ラム32で構成された平衡室92が形成されている。そ
して、受圧室90は、第一の取付金具12と第二の取付
金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の
弾性変形に基づいて圧力変化が生ぜしめられるようにな
っている一方、平衡室92は、主としてダイヤフラム3
2の外周部分に位置する外周ゴム部78の弾性変形に基
づいて、容積変化が容易に許容されるようになってい
る。
【0031】なお、これら受圧室90と平衡室92への
非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金
具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成
形品に対する第一及び第二の仕切金具34,36やダイ
ヤフラム32の組み付けを、非圧縮性流体中で行うこと
等によって、有利に為され得る。また、封入される非圧
縮性流体としては、例えば、水やアルキレングリコー
ル,ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が何れ
も採用可能であり、特に、流体の共振作用に基づく防振
効果を有効に得るために、粘度が0.1Pa.s以下の
低粘性流体が好適に採用される。
【0032】また、仕切部材30を構成する第一の仕切
金具34と第二の仕切金具36は、軸方向で互いに重ね
合わされ、各外周縁部に設けられた切欠凹所56,76
によって周方向で位置合わせされて、第一の仕切金具3
4の挿通孔38に対して第二の仕切金具36のかしめピ
ン58が挿通されてかしめ固定されている。また、かか
る仕切部材30には、第一の仕切金具34と第二の仕切
金具36の各周溝44,62,66等によって協働し
て、受圧室90と平衡室92の間で流体流動を許容する
第一のオリフィス通路96と第二のオリフィス通路98
が形成されている。
【0033】第一のオリフィス通路96は、第一の仕切
金具34の周溝44と第二の仕切金具36の第一の周溝
62が接続用孔50で接続されることによって形成され
ており、仕切部材30を周方向に略1周半弱の長さで往
復形状をもって延びていると共に、該第一のオリフィス
通路96の周方向一端部が、透孔46を通じて受圧室9
0に開口し連通されている一方、その周方向他端部が、
連通孔64を通じて平衡室92に開口し連通されてい
る。一方、第二のオリフィス通路98は、第二の仕切金
具36の第二の周溝66が第一の仕切金具34で覆蓋さ
れることによって形成されており、仕切部材30を周方
向に四半周強の長さで延びていると共に、該第二のオリ
フィス通路98の周方向一端部が、透孔52を通じて受
圧室90に開口し連通されている一方、その周方向他端
部が、中央凹所60を通じて平衡室92に開口し連通さ
れている。なお、このことからも明らかなように、本実
施形態では、第二のオリフィス通路98の平衡室92へ
の開口部が、第二の仕切金具36における中央凹所60
の開口部68によって構成されている。
【0034】特に本実施形態では、第一のオリフィス通
路96が、その内部を流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて、シェイク等の低周波振動に対する防振効果
(減衰効果)を発揮し得るように、通路長さや断面積等
が調節されている。また、第二のオリフィス通路98
は、通路長さ:Lと断面積:Aの比の値:A/Lの値が
第一のオリフィス通路96よりも大きく設定されてお
り、アイドリング振動等の中周波振動の入力時に、第一
のオリフィス通路96が実質的に閉塞状態となった状態
下において、有効な防振効果(振動絶縁効果)を発揮し
得るようにチューニングされている。
【0035】また、かかる仕切部材30は、上述の如き
第二の取付金具14への組付け状態下において、第二の
仕切金具36の収容凹所70が第一の仕切金具34で覆
蓋されていると共に、第一の仕切金具34の通孔54,
54が収容凹所70の覆蓋部分に位置せしめられてい
る。また、この収容凹所70には、可動ゴム板100が
収容配置されている。かかる可動ゴム板100は、その
外周縁部において軸方向両面側に突設された突出縁部1
02が、収容凹所70の底壁部と第一の仕切金具34の
間で挟持されることにより、収容凹所70内の深さ方向
の略中間部分に位置して展張状態で広がって、該収容凹
所70内を底部側と開口部側とに流体密に仕切る状態で
配設されている。そして、可動ゴム板100の上面およ
び下面には、第一の仕切金具34の透孔54,54と第
二の仕切金具36の透孔74,74を通じて、受圧室9
0の内圧と平衡室92の内圧が及ぼされるようになって
おり、それら両室90,92の圧力差に基づいて可動ゴ
ム板100が弾性変形することに伴って、該可動ゴム板
100の弾性変形量に相当する流体量だけ、受圧室90
と平衡室92の間での実質的な流体流動が、収容凹所7
0を通じて生ぜしめられるようになっている。
【0036】そして、かかる収容凹所70は、こもり音
等の高周波振動の入力時に、第一及び第二のオリフィス
通路96,98を通じての流体流通抵抗が著しく大きく
なった状態下において、受圧室90と平衡室92の間で
可動ゴム板100の弾性変形に基づく実質的な流体流動
を許容することにより、受圧室90の圧力増大を軽減乃
至は解消して著しい高動ばね化を回避し、良好な防振効
果(振動絶縁効果)が維持され得るようにチューニング
されている。
【0037】また、本実施形態では、図5に示されてい
るように、ダイヤフラム32が、略無荷重入力の状態で
ダイヤフラム32の第二の取付金具14への組付け状態
下において、ダイヤフラム32の蓋板部82が、仕切部
材30における中央凹所60の開口部68の軸方向下方
に離隔して位置合わせされていると共に、ダイヤフラム
32の当接ゴム部84が、中央凹所60の開口部68ま
わりに対して軸方向下方に離隔して対向するように位置
合わせされている。
【0038】また、上述の如き仕切部材30やダイヤフ
ラム32を組み付けた第二の取付金具14(第一及び第
二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の
一体加硫成形品)には、該第二の取付金具14の下方に
位置して、アクチュエータとしての負圧式アクチュエー
タ104が配設されて組み付けられている。この負圧式
アクチュエータ104は、合成樹脂や金属等の剛性材で
形成された略円板形状を有するベース部材としての外壁
部材106に対して、略円板形状を有する可撓性隔壁と
してのゴム弾性壁108が軸方向に重ね合わされて、そ
れら外壁部材106とゴム弾性壁108の対向面間に、
外部空間に対して密閉された作用空気室110が形成さ
れた構造とされており、第二の取付金具14に圧入等で
固着される支持筒金具112の軸方向下端部に対して固
定的に取り付けられている。
【0039】この支持筒金具112は、大径の略段付き
円筒形状を有しており、軸方向下端部が、径方向内方に
向かって広がる段差部114を介して小径化されて嵌着
筒部116とされていると共に、軸方向下側開口部に
は、径方向内方に突出する略円環形状の係止突起118
が一体形成されている一方、軸方向上側開口部には、径
方向外方に向かって広がるフランジ状部120が一体形
成されている。また、支持筒金具112の軸方向下端部
分には、大径円筒形状のブラケット金具122が外挿さ
れて溶着されており、該ブラケット金具122の下端周
縁部に一体形成されたフランジ状部124が図示しない
車両ボデーにボルト等で固着されることにより、第二の
取付金具14が支持筒金具112を介して、車両ボデー
に取り付けられるようになっている。
【0040】そして、支持筒金具112の上方から、別
途それぞれ製造した外壁部材106とゴム弾性壁108
を、順次挿入し、外壁部材106の外周縁部を支持筒金
具112の係止突起118上に係止させると共に、ゴム
弾性壁108の外周面に加硫接着された固定スリーブ1
26を嵌着筒部116や段差部114に対して圧入や溶
接等で固着せしめて、係止突起118と固定スリーブ1
26の間で外壁部材106とゴム弾性壁108の外周縁
部を重ね合わせて流体密に密着させることにより、それ
ら外壁部材106とゴム弾性壁108の間に作用空気室
110が形成されている。なお、支持筒金具112や固
定スリーブ126等の筒壁部には、必要に応じて内外に
貫通する連通孔128が設けられており、この連通孔1
28を通じてダイヤフラム32とゴム弾性壁108の間
に形成された密閉状空間が外部空間に連通されて、ダイ
ヤフラム32の変形が容易に且つ安定して許容されるよ
うになっている。
【0041】また、ゴム弾性壁108の中央部分には、
略逆カップ形状を有する押圧部材としての押圧金具13
0が埋設状態で加硫接着されていると共に、作用空気室
110の中央部分には、付勢手段としてのコイルスプリ
ング132が収容配置されて、外壁部材106と押圧金
具130の対向面間に配設されている。また、本実施形
態では、コイルスプリング132として圧縮コイルスプ
リングが採用されており、コイルスプリング132の付
勢力によって、ゴム弾性壁108に固着された押圧金具
130が、常時、外壁部材106から軸方向上方に離隔
する方向に付勢されている。
【0042】更にまた、外壁部材106の中央部分に
は、作用空気室110内に突出する中空山形の突部13
4が形成されていると共に、この突部134の上底中央
から外部下方に突出する空気圧通路としてのポート13
6が一体形成されている。そして、このポート136に
外部管路(図示せず)が接続されて、該外部管路を通じ
て、作用空気室110が、図示しない負圧源と大気中と
に択一的に接続されるようになっている。これにより、
作用空気室110に大気圧が及ぼされた状態下(図1参
照)では、コイルスプリング132の付勢力で押圧金具
130が上方に突出して位置せしめられる一方、作用空
気室110に負圧が及ぼされた状態下(図5参照)で
は、コイルスプリング132の付勢力に抗して、押圧金
具130が下方(外壁部材106側)に引き下げられて
保持されるようになっている。
【0043】また、押圧金具130の平坦な円板形状を
有する上底部を被覆するゴム弾性壁108の中央上面1
38の外周縁部には、略円環形状を有する凸状ゴム14
0が上方に向かって突出して一体形成されており、それ
によって、中央上面138において凸状ゴム140で囲
まれた中央部分が、全体として円形に凹んだ凹状面とさ
れている。更にまた、外壁部材106における突部13
4の上底部に対向位置せしめられた押圧金具130の上
底部には、ゴム弾性壁108と一体形成された逆向きの
截頭円錐台形状の緩衝ストッパゴム142が、突部13
4に向かって突設されており、押圧金具130の引き下
げ時における押圧金具130の変位量が、緩衝ストッパ
ゴム142の突部134への当接によって緩衝的に制限
されるようになっている。なお、本実施形態では、負圧
式アクチュエータ104の押圧金具130における押圧
面が、押圧金具130の上底部を被覆するゴム弾性壁1
08の中央上面138によって構成されていると共に、
押圧金具130の押圧面(中央上面138)に設けられ
る凹凸が、中央上面138の外周縁部に形成された凸状
ゴム140と該凸状ゴム140で囲まれた中央の凹状面
によって構成されている。
【0044】そして、支持筒金具112が、第二の取付
金具14に対して軸方向下側から圧入されて支持筒金具
112のフランジ状部120が第二の取付金具14のフ
ランジ状部24に重ね合わされて軸方向に位置決めされ
た状態で支持筒金具112が第二の取付金具14に固着
されており、それによって、負圧式アクチュエータ10
4が、第二の取付金具14の下側開口部に配設されてい
る。
【0045】また、このようにして第二の取付金具14
の軸方向下方に配設された負圧式アクチュエータ104
は、押圧金具130の上底部(ゴム弾性壁108の中央
上面138)が、ダイヤフラム32の蓋板部82を挟ん
で、仕切部材30に設けられた中央凹所60の開口部6
8と軸方向で対向位置せしめられている。
【0046】そして、負圧式アクチュエータ104の作
用空気室110に大気圧が及ぼされた状態下では、図1
に示されているように、コイルスプリング132の付勢
力に基づいて、中央上面138の凸状ゴム140が蓋板
部82の下面に当接されて、負圧式アクチュエータ10
4による押圧力が蓋板部82の外面に及ぼされることに
より、該蓋板部82が上方に向かって押圧変位せしめら
れる。その結果、ダイヤフラム32における当接ゴム部
84の突出先端部86が、軸直角方向に広がる平坦面と
された仕切部材30における中央凹所60の開口部68
の周りに押し付けられて、該仕切部材30と密接状態に
保持されることとなり、以て、中央凹所60を通じて平
衡室92に連通せしめられた第二のオリフィス通路98
が遮断状態に維持されるようになっている。
【0047】一方、負圧式アクチュエータ104の作用
空気室110に負圧が及ぼされた状態下では、図5に示
されているように、押圧金具130がコイルスプリング
132の付勢力に抗して下方に引き下げられて、押圧金
具130による蓋板部82への押圧力が解除されて、押
圧金具130およびダイヤフラム32が仕切部材30か
ら離隔されることとなり、それによって、第二のオリフ
ィス通路98が中央凹所60の開口部68を通じて平衡
室92に接続されて、第二のオリフィス通路98が連通
状態に維持されるようになっている。
【0048】すなわち、負圧式アクチュエータ104の
作用空気室110に大気圧を及ぼした状態下では、受圧
室90と平衡室92の間で第一のオリフィス通路96を
通じての流体流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体
の共振作用に基づいてシェイク等の低周波大振幅振動に
対する有効な防振効果が発揮されると共に、高周波小振
幅振動の入力時には、可動ゴム板100の弾性変形に伴
う、受圧室90と平衡室92の間における第一の仕切金
具34の通孔54および第二の仕切金具36の通孔74
を通じての実質的な流体流動に基づいて、受圧室90の
圧力変動が軽減乃至は吸収されて、低動ばね化による防
振効果が発揮されることとなる。
【0049】また一方、負圧式アクチュエータ104の
作用空気室110に負圧を及ぼした状態下では、受圧室
90と平衡室92の間で、第一のオリフィス通路96よ
りも流通抵抗が充分に小さい第二のオリフィス通路98
を通じての流体流動が有効に生ぜしめられることから、
かかる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等
の中周波中振幅振動に対する有効な防振効果が発揮され
ることとなる。
【0050】それ故、車両の走行状態等に応じ、負圧式
アクチュエータ104の作用空気室110に対して大気
圧と負圧を択一的に及ぼすことによって、エンジンマウ
ント10の防振特性を切換制御することが出来るのであ
り、それ故、エンジンマウント10に対して、入力され
る振動に対して最適な防振特性を付与せしめることが可
能となるのである。
【0051】そこにおいて、上述の如き構造とされたエ
ンジンマウント10にあっては、仕切部材30に当接せ
しめられるダイヤフラム32における当接ゴム部84
が、厚肉とされて大きな剛性が付与された蓋板部82の
外周部分から円弧状断面で上方に向かって突出形成され
た特定の構造とされており、かかる当接ゴム部84の仕
切部材30への当接に際して、該当接ゴム部84に剪断
変形が生ぜしめられるようになっていることから、蓋板
部82の変形量を小さく抑えつつ、当接ゴム部84の柔
らかいばね特性に基づいて中央凹所60の開口部が有利
に安定して閉塞せしめることが出来るのであり、しか
も、当接ゴム部84の仕切部材30への当接時の衝撃が
効果的に軽減されて、打音や振動等の不具合が防止され
得るのである。
【0052】また、本実施形態では、ダイヤフラム32
で第二のオリフィス通路98を遮断せしめた状態下で、
大きなリバウンド荷重の入力により受圧室90に生ぜし
められた負圧が第二のオリフィス通路98を通じてダイ
ヤフラム32の蓋板部82に吸引力として作用せしめら
れた場合にも、蓋板部82の変形がその剛性によって抑
えられて、当接ゴム部84の剪断変形によって蓋板部8
2が全体として中央凹所60の開口部68に対して接近
/離隔する方向に変位せしめられるに止まることとな
り、ダイヤフラム32の不規則な弾性変形や、ダイヤフ
ラム32と仕切部材30の押圧部位における擦れ等が軽
減乃至は回避されることから、ダイヤフラム32の耐久
性が向上され得るのである。
【0053】また、本実施形態では、押圧金具130の
上底部に位置するゴム弾性壁108の中央上面138に
対して凸状ゴム140が設けられており、負圧式アクチ
ュエータ104の押圧面(中央上面138)と蓋板部8
2の間に隙間が形成されるようになっていることから、
例えば、図1に示されている如き第二のオリフィス通路
98の開口部(開口部68)を蓋板部82で覆蓋せしめ
た状態下で振動入力があり、負圧から正圧に変化した圧
力変動が蓋板部82に及ぼされた場合においても、蓋板
部82の押圧面(中央上面138)に対する強い打ち当
りが回避されるのであり、それによって、かかる打ち当
りに起因する打音や衝撃も軽減され得るのである。
【0054】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的な記載によって、何等、限
定的に解釈されるものではない。
【0055】例えば、前記実施形態では、押圧金具13
0の上底部に被着されたゴム弾性壁108の中央上面1
38の外周縁部に対して凸状ゴム140が設けられてい
たが、それに代えて、ダイヤフラム32(蓋板部82)
における押圧金具130と対向位置する面に対して凸状
ゴムを設けたり、或いは押圧金具130の中央上面13
8やダイヤフラム32の押圧金具130への当接面に、
凹凸として多数の小突起や凹溝等を設けることも勿論可
能である。
【0056】さらに、仕切部材30においては、例え
ば、特開平9−310732号公報等に示されているよ
うに、第二のオリフィス通路の受圧室への開口部に可動
部材としてのゴム板を配設しても良い。
【0057】また、本実施形態においては、例えば、特
開2000−257665号公報や特開平10−380
17号公報等に示されているように、第一の取付金具の
軸方向下端部に傘部材を取り付けると共に、該傘部材を
受圧室内の略中央部分に収容配置して、傘部材の外周面
と受圧室の内周面の対向面間に環状の狭窄部を形成する
ことも可能である。
【0058】加えて、前記実施形態では、本発明を自動
車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示し
たが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウントや、
或いは自動車以外に用いられる各種装置における防振装
置に対しても有利に適用され得ることは、勿論である。
【0059】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式マウントにおいては、第
二のオリフィス通路の平衡室への開口部を閉塞せしめる
ゴム弾性膜の中央部分を剛性の大きい蓋体部と仕切部材
への当接に際して剪断変形せしめられる環状当接部から
なる特定構造としたことにより、第二のオリフィス通路
の連通/遮断の切り換えに際しての当接打音や衝撃が効
果的に低減され得ると共に、ゴム弾性膜の耐久性も向上
され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジン
マウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示された自動車用エンジンマウントを構
成する第一の仕切金具の平面説明図である。
【図4】図1に示された自動車用エンジンマウントを構
成する第二の仕切金具の平面説明図である。
【図5】図1に示された自動車用エンジンマウントの一
作動形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 自動車用エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 30 仕切部材 32 ダイヤフラム 68 開口部 82 蓋板部 84 当接ゴム部 86 突出先端部 88 流体室 90 受圧室 92 平衡室 96 第一のオリフィス通路 98 第二のオリフィス通路 104 負圧式アクチュエータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の取付部材を、略円筒形状を有する
    第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置せしめて、
    それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性
    体で連結すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部
    側をゴム弾性膜で覆蓋せしめて、それら本体ゴム弾性体
    とゴム弾性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室を
    形成し、更に該第二の取付部材で支持された仕切部材に
    よって該流体室を仕切ることにより、該本体ゴム弾性体
    で壁部の一部が構成された受圧室と、該ゴム弾性膜で壁
    部の一部が構成された平衡室を形成すると共に、それら
    受圧室と平衡室をそれぞれ連通する第一のオリフィス通
    路と該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチュー
    ニングされた第二のオリフィス通路を形成する一方、該
    ゴム弾性膜を挟んで該平衡室と反対側にアクチュエータ
    を配設し、該アクチュエータで該ゴム弾性膜を押圧して
    前記仕切部材に設けられた前記第二のオリフィス通路の
    前記平衡室への開口部に押し付けることによって該第二
    のオリフィス通路を遮断可能とした流体封入式マウント
    において、 前記ゴム弾性膜の中央部分を外周部分よりも剛性の大き
    な蓋体部として、該蓋体部を前記第二のオリフィス通路
    の前記平衡室への開口部に対向位置せしめると共に、該
    ゴム弾性膜において該蓋体部の外周縁部から外周側に延
    び出す部分を略円弧形の湾曲断面形状で前記仕切部材に
    向かって突出する環状当接部として形成し、前記アクチ
    ュエータによる押圧力が該蓋体部の外面に及ぼされるこ
    とにより、該環状当接部の突出先端部が前記仕切部材に
    おける前記第二のオリフィス通路の前記平衡室への開口
    部の周りに押し付けられるようにしたことを特徴とする
    流体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 前記ゴム弾性膜における前記蓋体部の外
    径寸法よりも、前記仕切部材に押し付けられる前記環状
    当接部の突出先端部を大径とした請求項1に記載の流体
    封入式マウント。
  3. 【請求項3】 前記ゴム弾性膜における前記蓋体部の外
    径寸法を、前記仕切部材に形成された前記第二のオリフ
    ィス通路の前記平衡室への開口部よりも大径とした請求
    項1又は2に記載の流体封入式マウント。
  4. 【請求項4】 前記ゴム弾性膜の中央部分を外周部分よ
    りも厚肉の平板形状として前記蓋体部を形成すると共
    に、該ゴム弾性膜の外周部分を変形が容易な薄肉の弛み
    形状とし、更に前記環状当接部の肉厚寸法を、少なくと
    も該蓋体部との接続部分から前記突出先端部にまで至る
    部分において該ゴム弾性膜の外周部分の肉厚寸法よりも
    大きくした請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式
    マウント。
  5. 【請求項5】 前記ゴム弾性膜の中央部分に少なくとも
    該ゴム弾性膜よりも硬質の補強部材を固着せしめて前記
    蓋体部を形成した請求項1乃至4の何れかに記載の流体
    封入式マウント。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータにおける前記蓋体部
    の押圧面に対して凹凸を設けた請求項1乃至5の何れか
    に記載の流体封入式マウント。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエータを、 前記ゴム弾性膜の外方に離隔して配設されて、前記第二
    の取付部材で固定的に支持された硬質のベース部材と、 該ベース部材と前記ゴム弾性膜の間に配設されて、該ベ
    ース部材との間において外部空間に対して遮断された作
    用空気室を画成する可撓性隔膜と、 該可撓性隔膜の中央部分に固着されて、該可撓性隔膜の
    変形により前記ベース部材に対して接近/離隔変位可能
    に支持されて、前記ゴム弾性膜の蓋体部に対して対向位
    置せしめられた押圧部材と、 該押圧部材を前記ベース部材から離隔する方向に付勢し
    て、前記蓋体部に該押圧部材を当接させて押圧力を及ぼ
    す付勢手段と、 前記作用空気室に対して外部から空気圧を及ぼす空気圧
    通路とを、含んで構成し、該空気圧通路を通じて前記作
    用空気室に負圧を及ぼすことによって、前記押圧部材に
    よる前記蓋体部への押圧力が解除されるようにした請求
    項1乃至5の何れかに記載の流体封入式マウント。
JP2001324051A 2001-10-22 2001-10-22 流体封入式マウント Expired - Fee Related JP4018366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001324051A JP4018366B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 流体封入式マウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001324051A JP4018366B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 流体封入式マウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003130126A true JP2003130126A (ja) 2003-05-08
JP4018366B2 JP4018366B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=19140851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001324051A Expired - Fee Related JP4018366B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 流体封入式マウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4018366B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283779A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
US8100389B2 (en) 2007-07-04 2012-01-24 Tokai Rubber Industries, Ltd. Pneumatic actuator for vibration damping device and vibration damping device using the same
CN111670304A (zh) * 2018-01-29 2020-09-15 株式会社不二工机 可变容量型压缩机用控制阀

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283779A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
US8100389B2 (en) 2007-07-04 2012-01-24 Tokai Rubber Industries, Ltd. Pneumatic actuator for vibration damping device and vibration damping device using the same
CN111670304A (zh) * 2018-01-29 2020-09-15 株式会社不二工机 可变容量型压缩机用控制阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP4018366B2 (ja) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4348553B2 (ja) 流体封入式防振装置およびその製造方法
JPH04262138A (ja) 流体封入式マウント装置
JPH08270718A (ja) 流体封入式マウント装置
JP5977141B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0689803B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3449012B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3603651B2 (ja) 流体封入式防振装置の製造方法
JP2009243510A (ja) 自動車用の流体封入式エンジンマウント
JP5431982B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2002327788A (ja) 流体封入式防振装置
JP2011133031A (ja) 流体封入式防振装置
JP4158110B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP2003139189A (ja) 流体封入式防振装置
JP2004301221A (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP3767323B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2008185152A (ja) 流体封入式防振装置とそれを用いたエンジンマウント
JPH1089402A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3572995B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2008121811A (ja) 流体封入式防振装置
JP4158108B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント
JP2003130126A (ja) 流体封入式マウント
JP4075066B2 (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP3603653B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3570278B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4158111B2 (ja) 空気圧切換型の流体封入式エンジンマウント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051021

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060124

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060130

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070920

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees