JP5925564B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側に取り付けられる第1取付具と、支持側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス流路とを備えた液封入式防振装置が知られている。かかる液封入式防振装置においては、オリフィス流路での液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能が果たされる。また、幅広い周波数の振動に対応するべく、異なる周波数にチューニングした複数のオリフィス流路を設けて、オリフィス流路の切り替えを可能としたものも知られている。
例えば、下記特許文献1には、高周波数域にチューニングされた第2オリフィス流路の途中にゴム状弾性体からなる可撓性壁部を設け、主液室と副液室との液圧差により該可撓性壁部を撓み変形させ、これにより、比較的大振幅の振動入力時に第2オリフィス流路を閉塞させて特性の切り替えを行うことが開示されている。
下記特許文献2には、第2オリフィス流路を開閉するゴム状弾性膜からなる弁部材を設け、比較的大振幅の振動入力時に、第2オリフィス流路内の液流動によって弁部材の膜部分が撓み変形し、これにより第2オリフィス流路の開口を閉塞することで特性の切り替えを行うことが開示されている。
一方、下記特許文献3には、液室内でのキャビテーションによる異音対策のため、主液室が過度の負圧となった場合に、副液室から主液室へ液体を供給する流路を開放させる弁構造を設置することが開示されている。ここで、キャビテーションとは、防振装置に大きな振動が入力したときに、オリフィス流路が目詰まりし、これにより主液室内が過度な負圧状態(即ち、主液室の液圧が所定値よりも低下した状態)となって、封入された液体の飽和蒸気圧を下回ることで、多数の気泡が発生することにより生じる現象である。そして、このようにして発生した気泡が消滅するときの衝撃音が異音となって外部に伝達される。これがキャビテーションによる異音であり、主液室の負圧状態を緩和することにより、異音の発生を抑制することができる。
上記従来の防振装置において、弁部材を用いて特性の切り替えを行うものでは、弁部材の衝撃吸収能力不足により仕切り体に大荷重を伝えて、異音が発生する可能性がある。また、特性の切り替えやキャビテーション対策のための構成部品が多い。
特開2009−144892号公報 特開2010−071367号公報 特開2011−149492号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、異音の発生を抑制しつつ第1オリフィス流路と第2オリフィス流路の特性の切り替えを行うことができるとともに、過大な振動入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを抑制することができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側のいずれか一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側のいずれか他方に取り付けられる筒状の第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付具側に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性体からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り体と、前記主液室と副液室を連通させる第1オリフィス流路と、前記第1オリフィス流路よりも高周波数域にチューニングされて前記主液室と副液室を連通させる第2オリフィス流路と、を備えた液封入式防振装置において、前記仕切り体は、当該仕切り体の外周部に前記第1オリフィス流路を形成する剛体からなる環状のオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材の内側を塞いで前記主液室と副液室を仕切るゴム状弾性体からなる弾性仕切膜とを備えてなり、前記弾性仕切膜は主液室側の膜面上に流路形成部を一体に備え、前記流路形成部は、前記弾性仕切膜の周縁部における周上の一箇所から直径方向において、前記弾性仕切膜の中心を越える位置まで延び、かつ前記直径方向の他端に至るまでの間で終端しており、前記流路形成部の内側に前記膜面に沿って延びる前記第2オリフィス流路が形成されたものである。
本発明の液封入式防振装置であると、比較的微振幅で高周波数域の振動が入力したときには、ゴム状弾性体からなる流路形成部は変形せず、第2オリフィス流路は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路による共振特性が発揮され、高周波数域の減衰性能が得られる。また、比較的大振幅で低周波数域の振動が入力したときには、主液室と副液室の間での圧力差により流路形成部が変形して、その内側の第2オリフィス流路が実質的に閉塞状態となるので、第1オリフィス流路による共振特性が効果的に発揮され、低周波数域の減衰性能が得られる。その際、第2オリフィス流路の閉塞が弾性仕切膜の内部でなされるので、異音の発生を抑制することができる。また、過大な振動入力時の急激な圧力変動に際しては、主液室が負圧となったときに、流路形成部が主液室側に引っ張られることで第2オリフィス流路が開放状態となるので、副液室から主液室への液体の供給が可能となり、主液室内の過度な負圧状態を緩和して、キャビテーションの発生を抑えることができる。
実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図である。 同実施形態における仕切り体の上面側からの斜視図である。 同仕切り体の下面側からの斜視図である。 同仕切り体の側面図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 同仕切り体の加硫成形時における断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示された本実施形態に係る液封入式防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16とを備えてなる。なお、図1は無負荷状態を示している。
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配されたボス金具であり、その上面にはボルト穴18が設けられている。このボルト穴18を用いて不図示のボルトによりエンジン側に取り付けられるように構成されている。
第2取付具14は、中央部に段差部を持つ段付き円筒状の金具であり、その外周部が不図示のブラケットに保持されることにより、該ブラケットを介して車体側に取り付けられるように構成されている。
防振基体16は、略傘状に形成され、その上部に第1取付具12が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が第2取付具14における大径状の上部側内周面に加硫接着されている。防振基体16の下端部には、第2取付具14における小径状の下部側内周面を覆うゴム膜状のシール壁部20が連なっている。
第2取付具14には、防振基体16の下面に対して軸方向Xに対向配置されて防振基体16との間に液体封入室22を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム24が取り付けられ、液体封入室22に液体が封入されている。ダイヤフラム24は、外周部に環状の補強部材26を備え、該補強部材26を介して第2取付具14の下端内周面に嵌着固定されている。なお、第2取付具14の下端は内向きに折曲形成されて、補強部材26の抜けを防止している。
液体封入室22は、第2取付具14の内側において、防振基体16の下面とダイヤフラム24の上面との間に形成されており、水やエチレングリコール、シリコーンオイル等の液体が封入されている。液体封入室22は、仕切り体28によって、防振基体16側、即ち防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室22Aと、ダイヤフラム24側、即ちダイヤフラム24が室壁の一部をなす下側の副液室22Bとに仕切られている。
仕切り体28は、平面視円形をなして第2取付具14の内側にシール壁部20を介して嵌着されている。仕切り体28は、その外周部に第1オリフィス流路30を形成する環状のオリフィス形成部材32と、該オリフィス形成部材32の内側(即ち、中空部)を塞いで主液室22Aと副液室22Bを仕切るゴム膜からなる弾性仕切膜34とを備えてなる。
オリフィス形成部材32は、弾性仕切膜34の周縁部が加硫接着された内周壁部36と、該内周壁部36の外周側に第1オリフィス流路30を形成する溝部38とを備えてなり、金属や合成樹脂などの剛性材料により形成されている。内周壁部36は、第2取付具14の内周面に対してその内側に所定の間隔をおいて対向する円筒状の壁部である。溝部38は、径方向外方側に開かれて形成されており、シール壁部20を介して第2取付具14の内周面に嵌合されることで、当該内周面との間に、周方向に沿って延びる第1オリフィス流路30を形成する。
第1オリフィス流路30は、仕切り体28の外周部において周方向に沿って設けられた液体の絞り流路であり、主液室22Aと副液室22Bを連通させる。第1オリフィス流路30は、この例では、図2〜4に示すように軸方向Xに二重の螺旋状に形成されており、周方向の一端が第1開口30Aを介して主液室22A側に連通され、他端が第2開口30Bを介して副液室22B側に連通されている。
第1オリフィス流路30は、この例では車両走行時のシェイク振動を減衰するために、シェイク振動に対応した低周波数域(例えば、5〜15Hz程度)にチューニングされた低周波側オリフィスである。すなわち、第1オリフィス流路30を通じて流動する液体の共振作用に基づく減衰効果がシェイク振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。
弾性仕切膜34は、平面視円形状をなし、オリフィス形成部材32の内周面間を塞ぐように、弾性仕切膜34の周縁部が内周壁部36の内周面に加硫接着されている。この例では、内周壁部36がその下端に径方向内向きに突出するフランジ部36Aを備え、該フランジ部36Aに弾性仕切膜34の周縁部が加硫接着されている。
弾性仕切膜34は、その主液室22A側の膜面34A上に流路形成部42を一体に備え、該流路形成部42の内側に上記膜面34Aに沿って延びる第2オリフィス流路44が形成されている。詳細には、弾性仕切膜34は、オリフィス形成部材32の内側で主液室22Aと副液室22Bとの間を仕切る平らな円板状の本体膜部40と、該本体膜部40の上側の膜面34Aから一体に突出形成された流路形成部42とからなり、流路形成部42の内側で本体膜部40との間に第2オリフィス流路44が形成されている。
流路形成部42は、弾性仕切膜34(詳細には、本体膜部40)の主液室22A側の膜面34Aに対して一定隙間をあけて対向する平行な対向壁部46と、該対向壁部46の両側を本体膜部40に対して連結支持する一対の側壁部48,48とからなり、断面略横倒コの字状をなしている(図6参照)。流路形成部42は、弾性仕切膜34の本体膜部40とともに扁平なチューブ状をなしている。すなわち、流路形成部42の対向壁部46及び一対の側壁部48,48と、対向壁部46に対向する本体膜部40の部分とにより、扁平なチューブが形成され、該チューブの内側が第2オリフィス流路44に形成されている。
流路形成部42は、弾性仕切膜34の周縁部における周上の一箇所から直径方向において、弾性仕切膜34の中心を越える位置まで延び、直径方向の他端に至るまでの間で終端している。すなわち、流路形成部42の長さは、弾性仕切膜34の半径よりも大きく、かつ直径よりも小さく設定されており、この例では、弾性仕切膜34の直径の2/3よりも大きく設定されている。流路形成部42の幅は、この例では、弾性仕切膜34の半径よりも大きく設定され、但し、流路形成部42の長さよりも小さく設定されている。
対向壁部46は、主液室22Aに面しており、主液室22Aの液圧変動により撓み変形可能に構成されている。対向壁部46は、比較的撓み変形しやすいように、その厚みTが本体膜部40の厚みTよりも薄く形成されている(図5参照)。この例では、対向壁部46の厚みTは、本体膜部40の厚みTよりも小さく、かつ、本体膜部40の厚みTの1/2以上に設定されている(T>T≧T/2)。また、対向壁部46及び本体膜部40が撓み変形することで第2オリフィス流路44が実質的に閉塞されるように(即ち、液体が流れなくなるか、又は流れにくくなるように)、対向壁部46と本体膜部40との間の隙間Tは、対向壁部46の厚みTと同等以下に設定されている。
第2オリフィス流路44は、弾性仕切膜34の膜面34A上で終端する流路形成部42の一端部において第1開口44Aを有して、主液室22A側に連通されている。また、第2オリフィス流路44は、オリフィス形成部材32の内周壁部36を径方向外方に貫通して設けられている。この第2オリフィス流路44が貫通した部分において、内周壁部36の外側の空間は、図1,3,4に示すように、副液室22Bに対して開かれているので、第2オリフィス流路44は、内周壁部36の貫通穴50に位置する第2開口44Bを介して副液室22B側に連通されている。
第2オリフィス流路44の副液室22B側への出口である第2開口44Bは、図3,4に示すように、第1オリフィス流路30の副液室22B側の出口である第2開口30Bに対して、遮断壁52によって周方向に区切られている。遮断壁52は、内周壁部36から径方向外方に突設されて、内周壁部36の外側の空間を周方向に仕切る壁部であり、第1オリフィス流路30と第2オリフィス流路44が副液室22B側で共通の流路部分を持たないように遮断している。
第2オリフィス流路44は、第1オリフィス流路30よりも高周波数域にチューニングされて主液室22Aと副液室22Bを連通させる絞り流路であり、この例では、アイドル時(車両停止時)のアイドル振動を低減するために、アイドル振動に対応した高周波数域(例えば、20〜50Hz程度)にチューニングされた高周波側オリフィスである。すなわち、第2オリフィス流路44を通じて流動する液体の共振作用に基づく低動ばね効果がアイドル振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。
以上の構成を持つ仕切り体28は、オリフィス形成部材32に弾性仕切膜34を加硫成形することにより作製することができる。図7は、このような加硫成形時の一例を示した断面図である。一方型(図では下型)60と他方型(図では上型)62との間にオリフィス形成部材32をセットしておいて、キャビティ内にゴム材料を注入し加硫させることにより弾性仕切膜34を一体に加硫することができる。
一方型60には、第2オリフィス流路44を形成するためのスライド型64が軸直角方向に進退可能に設けられている。図7に示すように、スライド型64をオリフィス形成部材32の貫通穴50を貫通するように進出させた状態で、ゴム材料を注入することにより、第2オリフィス流路44となるチューブ状の流路が形成され、加硫成形後にスライド型64を貫通穴50の外側まで後退させることにより、成形後の仕切り体28を脱型することが可能となる。
このように本実施形態であると、仕切り体28を一体に加硫成形することで、ゴム弾性体からなる第2オリフィス流路44を形成することができる。
以上よりなる液封入式防振装置10であると、停車したアイドル時のように比較的微振幅で高周波数側の振動が入力した時には、主液室22Aと副液室22Bとの間での液圧差(液圧変動)が小さいので、流路形成部42の変形はほとんど起こらない。そのため、第2オリフィス流路44は開放状態のまま維持されるので、第2オリフィス流路44を通じての液体の共振作用により、アイドル振動に対する優れた防振効果が発揮される。なお、このとき、第1オリフィス流路30も開放状態であるが、第1オリフィス流路30は低周波数側にチューニングされているため、液体の流動抵抗が大きく実質的に目詰まりした状態となる。
一方、車両走行時においてシェイク振動のように比較的大振幅(例えば振幅0.5mm程度)で低周波数側の振動が入力した時には、主液室22Aと副液室22Bの間での液圧差(液圧変動)が大きくなり、かかる液圧差により弾性仕切膜34が撓み変形することによって第2オリフィス流路44が実質的に閉塞状態となる。詳細には、主液室22Aの正圧時には、流路形成部42の対向壁部46が弾性仕切膜34に向かって撓み変形することにより、その内側の第2オリフィス流路44が狭まり、液体が流れなくなるか、もしくは流れにくくなる。また、主液室22Aが負圧時には、本体膜部40が主液室22A側に撓み変形することにより、第2オリフィス流路44が狭まり、液体が流れなくなるか、もしくは流れにくくなる。このように第2オリフィス流路44が実施的に閉塞状態となることで、第1オリフィス流路30のみが開放された状態となり、第1オリフィス流路30を流動する液体の共振作用に基づき、シェイク振動に対して減衰性能が効果的に発揮される。
このように本実施形態であると、安価な構造で、2つのオリフィス流路30,44による特性を切り替えることができる。
また、本実施形態であると、大振幅入力時の特性切り替えに際し、第2オリフィス流路44の閉塞は、流路形成部42の対向壁部46と弾性仕切膜34との当接によりなされ、すなわちゴム弾性体同士の接触によりなされるので、衝撃が緩和され、接触による異音を低減することができる。
また、本実施形態の液封入式防振装置10であると、キャビテーションが生じるような振幅が1mmを超える過大な振動入力時(例えば、荒れた路面を走行したとき等のような振幅2mm程度の振動入力時)において、主液室22Aの正圧時には上記と同様、流路形成部42の撓み変形により第2オリフィス流路44が閉塞状態となり、主液室22Aから副液室22Bへの液体の供給が制限される。そして、その後の主液室22Aの負圧時には、流路形成部42の対向壁部46が主液室22A側に引っ張られるように撓み変形することで、第2オリフィス流路44は開放状態となる。すなわち、この場合、主液室22Aの急激な負圧により、対向壁部46は主液室22A側に引っ張られるものの、副液室22B側の本体膜部40はこれに追従できず、第2オリフィス流路44は開放状態となる。そのため、第1オリフィス流路30だけでなく、第2オリフィス流路44を介しての副液室22Bから主液室22Aへの液体の供給が可能となるので、主液室22Aの過度な負圧状態を緩和して、キャビテーションの発生を抑制することができ、異音の発生を抑えることができる。
また、本実施形態の液封入式防振装置10であると、上記切り替え構造を持つ弾性仕切膜34により主液室22Aと副液室22Bとの間が仕切られているので、例えば100Hz程度のより高周波数域の振動に対しても、弾性仕切膜34が微小振動することで動ばね定数の上昇を抑制することができ、いわゆるこもり音に対する低減効果を発揮することもできる。
また、本実施形態であると、切り替え可能な第2オリフィス流路44が弾性仕切膜34に一体に設けられているので、第2オリフィス流路を設けるための構成部品を増やす必要がなく、安価に切替式の液封入式防振装置10を構成することができる。特に、第2オリフィス流路44を、オリフィス形成部材32の内周壁部36を貫通させて設けたことにより、切り替え可能な第2オリフィス流路44を持つ仕切り体28を一体に加硫成形することが容易であり、製造性に優れる。
なお、上記実施形態では、オリフィス形成部材32に遮断壁52を設けて、第1オリフィス流路30と第2オリフィス流路44が副液室22B側で共通の流路部分を持たないように構成したが、第1オリフィス流路30と第2オリフィス流路44は副液室22B側での出口を共通化してもよい。
また、流路形成部42は、ゴム状弾性体により弾性仕切膜34の本体膜部40に一体に設けられて、その内側に本体膜部40の膜面34Aに沿って延びる第2オリフィス流路44を形成するものであれば、その具体的形状は、上記実施形態には限定されず、種々の変更が可能である。
また、上記実施形態では、液室として主液室22Aと単一の副液室22Bとからなる場合について説明したが、主液室とともに複数の副液室を持つものについても同様に適用することができる。その場合、第1オリフィス流路を介して主液室と連結される副液室と、第2オリフィス流路を介して主液室と連結される副液室とは、同じ副液室でも異なる副液室でもよい。
また、上記実施形態では、特性切り替えの対象をシェイク振動とアイドル振動としたが、これに限らず、周波数の異なる種々の振動に対して適用することができる。また、上記液封入式防振装置10は、上下反転させて車両に組み付けられるものであってもよい。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
本発明は、エンジンマウントの他、例えば、モータなど他のパワーユニットを支承するマウント、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に利用することができる。
10…液封入式防振装置 12…第1取付具 14…第2取付具
16…防振基体 22…液体封入室 22A…主液室
22B…副液室 24…ダイヤフラム 28…仕切り体
30…第1オリフィス流路 32…オリフィス形成部材 34…弾性仕切膜
34A…主液室側の膜面 36…内周壁部 38…溝部
40…本体膜部 42…流路形成部 44…第2オリフィス流路
46…対向壁部

Claims (4)

  1. 振動源側と支持側のいずれか一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側のいずれか他方に取り付けられる筒状の第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付具側に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性体からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り体と、前記主液室と副液室を連通させる第1オリフィス流路と、前記第1オリフィス流路よりも高周波数域にチューニングされて前記主液室と副液室を連通させる第2オリフィス流路と、を備えた液封入式防振装置において、
    前記仕切り体は、当該仕切り体の外周部に前記第1オリフィス流路を形成する剛体からなる環状のオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材の内側を塞いで前記主液室と副液室を仕切るゴム状弾性体からなる弾性仕切膜とを備えてなり、
    前記弾性仕切膜は主液室側の膜面上に流路形成部を一体に備え、前記流路形成部は、前記弾性仕切膜の周縁部における周上の一箇所から直径方向において、前記弾性仕切膜の中心を越える位置まで延び、かつ前記直径方向の他端に至るまでの間で終端しており、前記流路形成部の内側に前記膜面に沿って延びる前記第2オリフィス流路が形成された
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記流路形成部は、前記弾性仕切膜の主液室側の膜面に対して隙間をあけて対向し前記主液室の液圧変動により撓み変形可能な対向壁部を備えてなることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記流路形成部は前記弾性仕切膜の本体膜部とともに扁平なチューブ状をなして、その内側に前記第2オリフィス流路が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  4. 前記オリフィス形成部材は、内周壁部と、該内周壁部の外周側に前記第1オリフィス流路を形成する溝部とを備え、前記第2オリフィス流路が前記内周壁部を径方向外方に貫通して設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
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