JP5845884B2 - アクティブ制振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、幅広い周波数領域の振動の抑制が可能なアクティブ制振装置に関するものである。
従来より、制振対象物に取り付けることによって振動を抑制するための制振装置として、種々のタイプのものが知られている。その中には、錘等の補助質量を備え、これをバネ要素及びダンパ要素によって支持した構成からなる動吸振器がある。
動吸振器は一般に補助質量及びバネ要素を調整することによって特定の固有振動数が得られるように設定することができ、この固有振動数と一致する周波数の振動を特に好適に抑制することが可能となる。また、ダンパ要素を調整することによって振動をさらに抑制することも可能となっている。
そこで、こうした動吸振器を幅広い周波数領域において使用可能とするため、外部からエネルギを与えることによってバネ要素やダンパ要素等によるバネ特性及び減衰特性を変更可能に構成した能動型動吸振器が考案され、制御部を含んだアクティブ制振装置として実用化に至っている。
このようなアクティブ制振装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。これは、補助質量をアクチュエータによって支持させた構成を有し、制振対象物に対する補助質量の相対変位及び相対速度に応じて、バネ力及び減衰力の和に相当する駆動力を補助質量に対して与えることによって、バネ要素やダンパ要素に代わる作用を生じさせるものである。こうすることで、電気的な制御によりバネ特性や減衰特性を容易に変更できるため、幅広い周波数領域の振動を簡単に抑制することが可能となっている。
国際公開第2007−129627号公報
上記のアクティブ制振装置において、より制振効果を高めるためには理論に合致した高精度な駆動力をアクチュエータによって生じさせることが必要である。そのためには、制振対象物に対する補助質量の相対変位及び相対速度に応じて、アクチュエータにより与えるべき駆動力の目標値を適切に決定するとともに、目標値通りの駆動力を生じさせるよう制御を行うことが必要となる。
しかしながら、駆動力の目標値を決定するための基準となる制振対象物と補助質量との間の相対変位及び相対速度は、高速で振動する状態の基で何らかの検出を行った上でその検出値を基に推定することが必要となるため、実際の値との間で誤差を生じやすく、その結果、アクチュエータより出力する駆動力が目標値と乖離して制振効果そのものが低減することになる。中でも、動吸振器としての特性を決定付ける要素としてバネ特性はより重要といえ、バネ力相当の駆動力を生成するための基準となる相対変位の誤差の影響はより大きなものとなる。
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、バネ力相当の駆動力を生成するための基準となる相対変位の誤差による影響を減少させ、より高い制振効果が得られるアクティブ制振装置を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のアクティブ制振装置は、アクチュエータ及び当該アクチュエータを介して制振対象物に取り付けられる補助質量からなる動吸振器と、前記補助質量に対してバネ力及び減衰力に相当する駆動力を与えるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部により前記アクチュエータの駆動力を変化させることで動吸振器のバネ特性及び減衰特性を変更しつつ制振対象物の振動を抑制するアクティブ制振装置であり、前記制御部が、前記補助質量と前記制振対象物との間の相対変位推定値を生成する相対変位推定部と、前記補助質量と前記制振対象物との間の相対速度推定値を生成する相対速度推定部と、前記制振対象物の加振周波数と前記動吸振器の固有振動数が一致するようにバネ特性としての変位フィードバックゲインを生成する変位フィードバックゲイン生成部と、前記動吸振器に生じる減衰力が打ち消されるように減衰特性としての速度フィードバックゲインを生成する速度フィードバックゲイン生成部と、前記相対変位推定部より得られる相対変位推定値と前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するバネ力決定部と、前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値と前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定する減衰力決定部と、前記バネ力決定部により得られるバネ力相当値と前記減衰力決定部により得られる減衰力相当値とを足し合わせて前記アクチュエータに生じさせる駆動力指令値を生成する駆動力指令値生成部とを備えるとともに、前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインを前記相対変位推定値に含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報に基づいて補正すべく、前記変位フィードバックゲインを変数として前記補正後の変位フィードバックゲインを得る変位誤差関数を前記変位誤差情報として記憶する変位誤差関数記憶部を備え、当該変位誤差関数記憶部に記憶された変位誤差関数を用いることで、入力される変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力する変位誤差補正部を備えており、前記バネ力決定部を、前記変位誤差補正部を通じて得られる補正後の変位フィードバックゲインを基にして前記前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するように構成したことを特徴とする。
このように構成すると、実際の相対変位に対する相対変位推定値の誤差分を補正することで、アクチュエータに対して高精度にバネ力に相当する駆動力を生じさせることができるため、見かけ上のバネ特性を理論値と一致させて動吸振器の固有振動数を加振周波数に合致させることが可能となる。そのため、効率的に制振対象物の振動を低減させることが可能となる。
また、前記変位誤差補正部が、前記変位フィードバックゲインを変数として前記補正後の変位フィードバックゲインを得る変位誤差関数を前記変位誤差情報として記憶する変位誤差関数記憶部を備えており、当該変位誤差関数記憶部に記憶された変位誤差関数を用いることで、入力される変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力するように構成しているので、実際の相対変位に対する相対変位推定値の誤差分を打ち消すために行う変位フィードバックゲインの補正をより簡便に行って、制御を簡単に行うことが可能となる。
さらに、アクチュエータに対して高精度に減衰力に相当する駆動力を生じさせて、見か
け上の減衰特性を理論値と一致させて、より効率的に制振対象物の振動を低減させること
を可能とするためには、前記制御部が、前記速度フィードバックゲイン生成部より得られ
る速度フィードバックゲインを前記相対速度推定値に含まれる誤差分を打ち消す速度誤差
情報に基づいて補正する速度誤差補正部を備えており、前記減衰力決定部を、当該速度誤
差補正部を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインを基にして前記アクチュエ
ータに生じさせる減衰力相当値を決定するように構成すること好適である。
また、本発明のアクティブ制振装置は、アクチュエータ及び当該アクチュエータを介して制振対象物に取り付けられる補助質量からなる動吸振器と、前記補助質量に対してバネ力及び減衰力に相当する駆動力を与えるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部により前記アクチュエータの駆動力を変化させることで動吸振器のバネ特性及び減衰特性を変更しつつ制振対象物の振動を抑制するアクティブ制振装置であり、前記制御部が、前記補助質量と前記制振対象物との間の相対変位推定値を生成する相対変位推定部と、前記補助質量と前記制振対象物との間の相対速度推定値を生成する相対速度推定部と、前記制振対象物の加振周波数と前記動吸振器の固有振動数が一致するようにバネ特性としての変位フィードバックゲインを生成する変位フィードバックゲイン生成部と、前記動吸振器に生じる減衰力が打ち消されるように減衰特性としての速度フィードバックゲインを生成する速度フィードバックゲイン生成部と、前記相対変位推定部より得られる相対変位推定値と前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するバネ力決定部と、前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値と前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定する減衰力決定部と、前記バネ力決定部により得られるバネ力相当値と前記減衰力決定部により得られる減衰力相当値とを足し合わせて前記アクチュエータに生じさせる駆動力指令値を生成する駆動力指令値生成部とを備えるとともに、前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインを前記相対変位推定値に含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報に基づいて補正すべく、前記変位フィードバックゲインに対応する前記補正後の変位フィードバックゲインを前記変位誤差情報である変位補正テーブルとして記憶する変位補正テーブル記憶部を備え、当該変位補正テーブル記憶部に記憶された変位補正テーブルに基づいて変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力する変位誤差補正部と、前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインを前記相対速度推定値に含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報に基づいて補正すべく、前記速度フィードバックゲインに対応する前記補正後の速度フィードバックゲインを前記速度誤差情報である速度補正テーブルとして記憶する速度補正テーブル記憶部を備え、当該速度補正テーブル記憶部に記憶された速度補正テーブルに基づいて速度フィードバックゲインを補正し、補正後の速度フィードバックゲインとして出力する速度誤差補正部とを備えており、前記バネ力決定部を、前記変位誤差補正部を通じて得られる補正後の変位フィードバックゲインを基にして前記前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するように構成し、前記減衰力決定部を、当該速度誤差補正部を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定するように構成したことを特徴とする。
このように構成すると、実際の相対変位に対する相対変位推定値の誤差分を補正することで、アクチュエータに対して高精度にバネ力に相当する駆動力を生じさせることができるため、見かけ上のバネ特性を理論値と一致させて動吸振器の固有振動数を加振周波数に合致させることが可能となる。そのため、効率的に制振対象物の振動を低減させることが可能となる。
また、前記制御部が、前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインを前記相対速度推定値に含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報に基づいて補正する速度誤差補正部を備えており、前記減衰力決定部を、当該速度誤差補正部を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定するように構成しているので、アクチュエータに対して高精度に減衰力に相当する駆動力を生じさせて、見かけ上の減衰特性を理論値と一致させて、より効率的に制振対象物の振動を低減させることが可能となる。
さらに、前記変位誤差補正部が、前記変位フィードバックゲインに対応する前記補正後の変位フィードバックゲインを前記変位誤差情報である変位補正テーブルとして記憶する変位補正テーブル記憶部を備え、当該変位補正テーブル記憶部に記憶された変位補正テーブルに基づいて変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力するように構成するとともに、前記速度誤差補正部が、前記速度フィードバックゲインに対応する前記補正後の速度フィードバックゲインを前記速度誤差情報である速度補正テーブルとして記憶する速度補正テーブル記憶部を備え、当該速度補正テーブル記憶部に記憶された速度補正テーブルに基づいて速度フィードバックゲインを補正し、補正後の速度フィードバックゲインとして出力するように構成しているので、上記の誤差関数を用いるものとは別の手段によって、簡便に変位フィードバックゲインや速度フィードバックゲインの補正をより簡便に行いつつ、制御を簡単に行うことが可能となる。
この場合、実際の相対速度に対する相対速度推定値の誤差分を打ち消すために行う速度フィードバックゲインの補正も簡単に行えるようにするためには、前記速度誤差補正部が、前記速度フィードバックゲインを変数として前記補正後の速度フィードバックゲインを得る速度誤差関数を前記速度誤差情報として記憶する速度誤差関数記憶部を備えており、当該速度誤差関数記憶部に記憶された速度誤差関数を用いることで、入力される速度フィードバックゲインを補正し、補正後の速度フィードバックゲインとして出力するように構成することが好適である。
さらに、制御に用いる相対変位推定値及び相対速度推定値を簡単な構成により得ることができるとともに、装置の小型化及び製造コストの低減を図ることを可能とするためには、前記アクチュエータがコイルを備える固定子と、当該固定子内で弾性支持された永久磁石を備える可動子とを具備するものであり、前記固定子が備えるコイルに電流を流すことで前記可動子を動作させる電磁式アクチュエータであって、前記制御部が、前記駆動力指令値生成部により得られる駆動力指令値を基にして前記アクチュエータに与える電流指令値を生成する電流指令値生成部と、前記アクチュエータに実際に与えられる電流を電流検出値として検出する電流検出部とを備えており、前記相対速度推定部が、前記電流指令値生成部より得られる電流指令値と前記電流検出部より得られる電流検出値とに基づいて前記相対速度推定値を生成するように構成するとともに、前記相対変位推定部が、前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値に基づいて前記相対変位推定値を生成するように構成することが好適である。
以上説明した本発明によれば、アクチュエータによる駆動力を与えるための基準として用いる相対変位推定値内の誤差分の影響を減少させ、より高い制振効果が得られるアクティブ制振装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るアクティブ制振装置の機能ブロック図。 同アクティブ制振装置において生じさせる駆動力の補正を行うための考え方を示すブロック線図。 同アクティブ制振装置の動作原理を示す概念図。 同アクティブ制振装置におけるアクチュエータの模式図。 同アクチュエータの動作原理を示す模式図。 本発明の第2実施形態に係るアクティブ制振装置の機能ブロック図。 同アクティブ制振装置において用いる変位補正テーブルの一例を示す説明図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
この実施形態のアクティブ制振装置Dは、図1に示すように、機械装置部としての動吸振器1と、これを制御するための制御部2より構成されている。制振対象物Tはいかなるものであっても良いが、本実施形態においては、自動車のフレームとしており、主としてエンジンEを加振源とした周波数成分の振動を抑制することを目的としている。
動吸振器1は、外部よりエネルギを与えられることで振動の抑制を行う、いわゆる能動型動吸振器として構成しており、外部からのエネルギによって駆動されるアクチュエータ11と、これにより動作する補助質量12とから構成されている。アクチュエータ11は車体のフレームである制振対象物Tに対して固定して設けられており、補助質量12はアクチュエータ11を介して間接的に制振対象物Tに設けられることになる。
まず、動吸振器1と制振対象物Tとの関係について、これらをモデル化した図3の模式図を用いて説明する。
上記のように制振対象物Tに対してアクティブ制振装置Dの機械装置部といえる動吸振器1を設けることによって、制振対象物Tの振動系(以下、「制振対象主系T1」とする。)、及び動吸振器1の振動系(以下、「動吸振器系D1」とする。)が組み合わさった連成振動系が構成される。制振対象主系T1は固定面Gに対して、バネ要素Tk及びダンパ要素Tcを介して制振対象物Tを接続したモデルで表されるとともに、動吸振器系D1は制振対象物Tに対して、バネ要素Dk、ダンパ要素Dc及び駆動部11aを介して補助質量12を接続したモデルで表される。本図で示すバネ要素Dk、ダンパ要素Dc及び駆動部11aは本来1個のアクチュエータ11(図1参照)を構成するものではあるが、外部からエネルギを入力されることがない所謂非作動状態においても内部に有する機械的特性によって生じるバネ力及び減衰力を発生する部分をバネ要素Dk及びダンパ要素Dcとしてモデル化し、外部よりエネルギを入力されることで駆動力を出力する部分を駆動部11aとしてモデル化したものである。すなわち、アクチュエータ11(図1参照)は実際には、バネ要素Dk、ダンパ要素Dc及び駆動部11aの機能を複合して備えており、これらより得られる力を合成しつつ出力するものである。
図3における「m」、「k」、「c」は、制振対象主系T1における制振対象物Tの質量(主系質量)、バネ要素Tkのバネ定数、ダンパ要素Tcの減衰係数を各々意味し、「m」、「k」、「c」は、動吸振器系D1における補助質量12の質量、バネ要素Dkのバネ定数、ダンパ要素Dcの減衰係数を意味する。後述するように、駆動部11aによって生じる駆動力は、制振対象物Tと補助質量12との間の相対変位及び相対速度に対応したものとすることで、見かけ上、バネ要素Dkのバネ定数k及びダンパ要素Dcの減衰係数cを変更することが可能となっている。
ここで、動吸振器1の具体的な構成について図4に示す模式図を用いて説明する。
動吸振器1を構成するアクチュエータ11としては、電磁式アクチュエータであるレシプロモータを用いており、互いの間に空隙を持たせつつ対向して設けた一対の固定子15,15と、それらの間で形成される内部空間内に設けた可動子16によって構成されている。これを駆動するための外部エネルギとしては電気エネルギを用い、後述するように電流による制御を行うようにしている。固定子15,15はそれぞれ制振対象物Tに対して固定されるとともに、可動子16は固定子15,15に対して一対の板バネ17,17を介して弾性的に接続されることで、図中の上下方向に対して変位可能に構成されている。また、可動子16は変位可能な上下方向に対して延在する軸体として構成されるとともに、その上端には錘等の補助質量12を取り付けることができるようになっている。
固定子15,15には、互いに対向する内側の面に永久磁石15a,15aを磁極の向きが逆になるようにして配置している。こうすることで、互いに対向する空間のうち、上側では図中の左から右側に向かう磁束φ1が生じるとともに、下側には図中の右から左側に向かう磁束φ2が生じるようにしている。なお、磁極の向きを図とは逆に構成することも可能ではあるが理論上は問題がない。
また、可動子16にも、固定子15,15に設けられた永久磁石15b,15bとそれぞれ対向するようにして、永久磁石16a,16aが設けられている。可動子16側の永久磁石16b,16bは、それぞれ対向する固定子側15,15の永久磁石15b、15bよりも上下方向に小さく形成されているとともに、対向する面同士で互いに吸引力が生じるように、磁極の向きが逆になるように構成されている。このように構成することで、アクチュエータ11の非動作時においては、可動子16側の永久磁石16b,16bが、それぞれ対向する固定子側15,15の永久磁石15b,15bの上下方向の中間に位置することになる。
さらに、各固定子15,15にはコイル15b,15bが巻回されるように形成されており、これらに電流を流すことで、固定子15,15間の磁束を変化させて、可動子16を変位させることができるようになっている。
具体的には、図5に示すように、コイル15b,15bに対して、上側に位置する部分には紙面手前方向に、下側に位置する部分には紙面奥側方向に向かって電流を流した場合、すなわち、各コイル15b,15bを紙面左側より見た場合に時計回りとなる方向に電流を流した場合には、コイル15b,15b間には図中の左から右に向かう磁束が発生することになる。そのため、もともと永久磁石15a,15aの間で発生していた磁束φ1,φ2のうち、右向きの磁束φ1が強められ、左向きの磁束φ2が弱められることになる。こうすることで、磁束φ1側、すなわち上側に可動子16の永久磁石16a,16aは引きつけられることになり、可動子16は上側に変位することになる。
このようなレシプロモータは、コイル15b,15bに与える電流の大きさに比例した変位量が生じるように構成されており、本実施形態においてもそうした特性を利用している。しかしながら、所定の変位量を与えようとして電流目標値を決定して、その電流を流すように電圧を印加しても、固定子15内部での可動子16の移動に伴って逆起電力が生じるために、実際に流れる電流値は減少することになる。そこで、本実施形態においては、後述するように、上記の現象を利用して可動子16の移動速度を推定するように構成している。
本実施形態においては、上記のように構成した動吸振器1内のアクチュエータ11を制御することで、制振対象物Tの振動を抑制するようにしている。動吸振器1を制御するための制御部2の大まかな構成は、図1に示すとおりであるが、その説明に先駆けて、まずは制振を行う原理について説明を行っておく。
本実施形態において制振対象物Tとして設定している自動車のフレームは、主としてエンジンEの回転に応じて加振されて、その加振周波数ωに等しい周波数成分を主体とした振動を行う。本実施形態におけるアクティブ制振装置Dはこの加振周波数ωに等しい周波数の振動を低減することを主な目的とするものである。
理論上、制振対象物Tに取り付けられる動吸振器1は、その加振周波数ωに等しい固有振動数を有するものである場合に、最も制振効果が高くなり、その際にはダンパとしての減衰成分をゼロとすることがより効果的である。
この関係より、動吸振器として理論上最適といえる目標バネ定数kim及び目標減衰係数cimは、以下のように得られる。
im=m・ω ………………………………………………数式(1)
im=0 ………………………………………………………数式(2)
ここで、mは補助質量12の質量を示す。
また、アクチュエータ11により得ることのできるバネ特性としてのバネ定数kは、見かけ上、次のように表される。
k=k+k1a ………………………………………………数式(3)
ここで、kは非作動状態におけるアクチュエータ11の機械的特性としてのバネ定数であり、k1aはアクチュエータ11を制御することによって得られる特性変化分としてのバネ定数である。
同様に、アクチュエータ11により得ることのできる減衰特性としての減衰係数cは、見かけ上、次のように表される。
c=c+c1a ……………………………………………数式(4)
ここで、cは非作動状態におけるアクチュエータ11の機械的特性としての減衰係数であり、c1aはアクチュエータ11を制御することによって得られる特性変化分としての減衰係数である。
式(1)と式(3)、および式(2)式と(4)より、それぞれ次のような関係が得られる。
1a=kim−k=m・ω−k ………………………数式(5)
1a=cim−c=−c …………………………………数式(6)
アクチュエータ11によって電磁的に、数式(5)および数式(6)の関係にあるバネ定数k1a及び減衰係数c1aの特性を有するバネ及びダンパを見かけ上作り出すことになるため、補助質量12の制振対象物Tに対する相対変位をx、相対速度をvとしたとき、次のようにしてバネ力相当の駆動力fと、減衰力相当の駆動力fを生じさせれば良いことになる。
=k1a・x ………………………………………………数式(7)
=c1a・v ………………………………………………数式(8)
アクチュエータ11は、上記バネ力相当の駆動力fと、減衰力相当の駆動力fを足し合わせた力を駆動力faとして発生するように制御すればよいため、結局のところ次式のように制御を行えば良いことになる。
=f+f=k1a・x+c1a・v …………………数式(9)
上式から分かるように、制御上は、バネ定数k1aは相対変位xに対するフィードバックゲインとして与えるようにして構成するとともに、減衰係数c1aは相対速度vに対するフィードバックゲインとして与えるように構成しつつ、これらから各々得られる値を合算して、目標の駆動力faとすれば良いことになる。また、上記のバネ定数k1a及び減衰係数c1aは、数式(5),(6)に基づき、加振周波数ωに応じて随時変更を行うようにすればよい。以上のように制御を行うことで、理論的には最も効率よく制振対象物Tの振動を抑制することが可能となっている。
しかしながら、上記の理論とは異なり、現実的には相対変位x及び相対速度vに誤差が生じるため、制振効果が低減してしまう。そのために、本実施形態においては、実際の相対変位x及び相対速度vに対して誤差を含む相対変位推定値x及び誤差を含む相対速度推定値vを想定して、この誤差の影響を受けることなく、数式(9)のような駆動力をアクチュエータ11によって生じさせることを可能としている。
図1に記載した制御部2は、アクチュエータ11に対して上記の考え方に基づく制御を行わせるように構成したものであり、具体的には次のような機能ブロックとして構成している。
まず、変位フィードバックゲイン生成部31は、エンジンEから得た加振情報としての加振周波数ωに基づいて、上記の数式(5)によって、理論的に必要なバネ特性変化分としてのバネ定数である変位フィードバックゲインk1aを演算によって得られるようにしている。数式(5)において用いる補助質量m及び非制御時のバネ定数kは、あらかじめ測定を行って得た数値を常数として内部に記憶させておくことで足りる。
同様に、速度フィードバックゲイン生成部32は、上記の数式(6)によって、理論的に必要な減衰特性変化分としての減衰係数である速度フィードバックゲインc1aを演算によって得られるようにしている。数式(6)において用いる非制御時の減衰係数cは、あらかじめ測定を行って得た数値を常数として常数として記憶させておくことで足りる。
これらの変位フィードバックゲインk1a及び速度フィードバックゲインc1aは、誤差を含む相対変位推定値x及び相対速度推定値vに乗じられる前に、あらかじめその誤差分を加味した補正を行うように構成している。すなわち、変位フィードバックゲイン生成部31より得られる変位フィードバックゲインk1aに対して、変位誤差補正部33によって補正を加えてk1a として出力できるようにしている。また、速度フィードバックゲイン生成部32より得られる速度フィードバックゲインc1aに対して、速度誤差補正部34によって補正を加えてc1a として出力できるようにしている。
具体的には、変位誤差補正部33は変位誤差関数記憶部33bと変位誤差演算部33aとから構成されており、変位誤差関数記憶部33bは相対変位推定値xに含まれる誤差を打ち消すための変位誤差情報として、後述する変位誤差関数Erkを変位フィードバックゲインk1aの関数として記憶しており、変位誤差演算部33aからの指令に基づいて、当該変位誤差関数Erkを変位誤差演算部33aに対して出力することができるようになっている。変位誤差演算部33aでは、変位フィードバックゲイン生成部31より得られる変位フィードバックゲインk1aを変位誤差関数Erkを用いて補正して、補正後の変位フィードバックゲインk1a として出力することができるようになっている。
また、速度誤差補正部34は速度誤差関数記憶部34bと速度誤差演算部34aとから構成されており、速度誤差関数記憶部34bは、相対速度推定値vに含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報として、後述する速度誤差関数Ercを変位フィードバックゲインc1aの関数として記憶しており、速度誤差演算部34aからの指令に基づいて、当該速度誤差関数Ercを速度誤差演算部34aに対して出力することができるようになっている。速度誤差演算部34aでは、速度フィードバックゲイン生成部34より得られる速度フィードバックゲインc1aを速度誤差関数Ercを用いて補正して、補正後の変位フィードバックゲインc1a として出力することができるようになっている。
バネ力決定部35では、上記のようにして得られた補正後の変位フィードバックゲインk1a を、誤差を含む相対変位推定値xに乗じることによって、アクチュエータ11に対して電磁的に発生させるべき見かけ上のバネ力相当値fを決定する。
また、減衰力決定部36においては、補正後の速度フィードバックゲインc1a を、誤差を含む相対速度推定値vに乗じることによって、アクチュエータ11に対して電磁的に発生させるべき見かけ上の減衰力相当値fを決定する。
駆動力指令値生成部41は、上記のようにして得られたバネ力相当値fと減衰力相当値fとを足し合わせることで、アクチュエータ11に電磁的に発生させるべき駆動力指令値fを生成する。
そして、この駆動力指令値fに基づいて、電流指令値生成部42ではアクチュエータ11の特性によって実際に与えるべき電流目標値に換算した上で、パワーアンプ51に指令を出す。パワーアンプ51は、電源Pより電力を供給されつつ、電流指令値生成部42からの指令に基づいてアクチュエータ11に対して電流を与える。
実際にアクチュエータ11に流れる電流は電流検出部52によって検出することができる。この電流検出値と、電流指令値生成部42によって得られる電流目標値は、相対速度推定部43に入力される。上述したように、実際にアクチュエータ11に流れる電流値は、速度に依存して逆起電力が発生することによって減少するため、これを利用して相対速度推定部43では相対速度推定値vを算出するように構成している。このような構成とすることで、速度検出を行うためのセンサを別途設置することが不要となり、機械装置部分を小型化することが可能となっている。
また、相対速度推定部43によって得られた相対速度推定値vを、相対変位推定部44によって積分することで、相対変位xとして出力することが可能となっている。このようにして得られた相対変位x及び相対対速度推定値vを、上述したようにバネ力決定部35及び減衰力決定部36に出力することで、駆動力指令値fを生成するためのフィードバックループが形成されている。
上述した補正後の変位フィードバックゲインk1a 及び速度フィードバックゲインc1a を得るための考え方について、図2に模式的に示したブロック図を用いて説明する。
まず、本実施形態においては、実際の相対変位をxとして、相対変位推定部44(図1参照)を通じて得られる相対変位推定値xとの間に、次式の関係があるものとする。
=Erk・x ………………………………………………数式(10)
この変位誤差関数Erkは、相対変位推定値xに含まれる誤差を打ち消すための変位誤差情報として事前に実験的に得ることができる。具体的には、変位フィードバックゲインk1aに対応して実際に得られるバネ定数の変化量Δkrealの関係を得ておき、これを一次関数として近似することによって、次のような近似式として表すことが可能である。
Erk=Δkreal/k1a=(a・k1a+b)/k1a ……数式(11)
ここで、a及びbはそれぞれ実験的手法を用いて事前に得ておく定数である。なお、ここでは定数を2個として近似しているが、より精度を向上させるために、さらにこの定数を増やすなど異なる関数の形態として構成することも可能である。
図2に示す変位誤差補正部33は、数式(11)を内部に記憶しておき、入力された変位フィードバックゲインk1aを数式(11)に代入することによって変位誤差関数Erkの具体的値を求めることが可能となる。
そして、さらに次式を用いて変位フィードバックゲインk1aの補正を行い、補正後の変位フィードバックゲインk1a として出力する。
1a =(1/Erk)・k1a …………………………………数式(12)
バネ力決定部35においては、上記のようにして求めた補正後の変位フィードバックゲインk1a を相対変位推定値xに乗じて、次のようにしてバネ力相当値fを求めて出力する。
=k1a ・x={(1/Erk)・k1a}・{Erk・x}
=k1a・x …………………………………………………………数式(13)
数式(13)から分かるように、上記のように変位フィードバックゲインk1aの補正を行っておくことで、制御上は誤差を含まないバネ力相当値fを得ることができる。
上記と同様の考えを、相対速度を基にする減衰力相当値fに対しても適用することができる。すなわち、実際の相対速度がvとして、相対速度推定部43(図1参照)を通じて得られる相対速度推定値vとの間に、次式の関係があるものとする。
=Erc・v ………………………………………………数式(14)
この速度誤差関数Ercは、相対速度推定値vに含まれる誤差を打ち消すための速度誤差情報として事前に実験的に得ることができ、c1aの関数として次のような一次式に近似して表すことが可能である。
この変位誤差関数Ercは、相対速度推定値vに含まれる誤差を打ち消すための速度誤差情報として事前に実験的に得ることができる。具体的には、速度フィードバックゲインc1aに対応して実際に得られる減衰係数の変化量Δcrealの関係を得ておき、これを一次関数として近似することによって、次のような近似式として表すことが可能である。
Erc=Δcreal/c1a=(p・k1a+q)/c1a ……数式(15)
ここで、p及びqはそれぞれ実験的手法を用いて事前に得ておく定数である。なお、変位誤差情報Erkの場合と同様、より精度を向上させるために、さらにこの定数を増やすなど異なる関数の形態として構成することも可能である。
図2に示す速度誤差補正部34は、数式(15)を内部に記憶しておき、入力された速度フィードバックゲインc1aを数式(15)に代入することによって速度誤差関数Ercの具体的値を求めることが可能となる。
そして、さらに次式を用いて変位フィードバックゲインc1aの補正を行い、補正後の変位フィードバックゲインc1a として出力する。
1a =(1/Erc)・c1a …………………………………数式(16)
減衰力決定部36においては、上記のようにして求めた補正後の変位フィードバックゲインc1a を相対速度推定値vに乗じて、次のようにして減衰力相当値fを求めて出力する。
=c1a ・v={(1/Erc)・c1a}・{Erc・v}
=c1a・v …………………………………………………………数式(17)
数式(17)から分かるように、上記のように速度フィードバックゲインc1aの補正を行っておくことで、制御上は誤差を含まない減衰力相当値fを得ることができる。
他方、数式(3),数式(4)を用いて上述したように、アクチュエータ11(図1参照)の内部には、外部から得られるエネルギによって得られる見かけ上のバネ特性(k1a)及び減衰特性(c1a)以外に、機械的なバネ特性(バネ定数k)及び減衰特性(減衰係数c)を有している。
そのため、図2に示すとおり、アクチュエータ11より補助質量12(図1参照)に対して与えられる駆動力fによって、加速度が生じ、この加速度を基に得られる相対速度vに応じて(c・v)の減衰力が発生し、相対変位xに応じて(k・x)のバネ力が発生することになる。
これらのバネ力(k・x)、減衰力(c・v)は、上述した電磁的に生じさせるバネ力相当値f、減衰力相当値fとともに、実際にアクチュエータ11より補助質量12に与えられる駆動力の一部として作用して、ともにフィードバックループを形成することになる。
上記のように構成した本実施形態におけるアクティブ制振装置Dは、以下のようにして動作を行う。図1に戻って再度、説明を行う。
まず、制振対象物Tに与えられている加振力の加振周波数ωを得る。この際、制振対象物Tが自動車のフレームである場合、主な加振源はエンジンEといえるために、このエンジンEの回転数を検出して加振周波数に換算しても良いし、回転数を検出するかわりにエンジンEの制御を行っている車載コンピュータより情報を得て加振周波数に換算しも良い。
このようにして加振周波数ωを得た場合、この周波数と一致する固有振動数となるように、動吸振器1全体の見かけ上のバネ定数kimが得られるように制御を行う。こうすることで動吸振器の固有振動数を加振周波数ωと一致させて、制振対象物Tの振動を効果的に抑制することが可能となる。さらに、動吸振器1全体の見かけ上の減衰係数cimがゼロとなるように制御を行うことで、より加振周波数ωでの振動を効果的に抑制することが可能となる。
見かけ上のバネ定数kim及び見かけ上の減衰係数cimを得るために、制御部2は、アクチュエータ11、すなわち制振対象物Tに対する補助質量12の相対変位推定値x及び相対速度推定値vを得つつ、これに変位フィードバックゲインk1a 及び速度フィードバックゲインc1a を乗じてバネ力相当値fと減衰力相当値fを生成し、これらを足し合わせて駆動力指令値fとすることで、アクチュエータ11より出力する駆動力を制御している。
この変位フィードバックゲインk1a 及び速度フィードバックゲインc1a は、理論上必要となる変位フィードバックゲインk1a及び速度フィードバックゲインc1aに対して補正を加えたものであり、それぞれ相対変位推定値x及び相対速度推定値vに含まれる誤差分を打ち消すことが可能となっている。そのため、動吸振器1を見かけ上、加振周波数ωの振動を抑制するために最も効率の高いバネ特性及び減衰特性を有するものとして、効果的に制振を行うことが可能となっている。
なお、このような動吸振器1による制振効果を得るためには、まずはバネ要素の特性を適正化することが最も効率が良いものといえる。さらに、本実施形態においては、相対変位推定部44は、相対速度推定部43によって得た相対速度推定値vを基にして、これをさらに積分して相対変位推定値xを生成していることから、相対変位推定値xにおける誤差は相対速度推定値vに比し大きなものとなることが多い。この影響を回避するためにも、まずはバネ定数kimにおける誤差を排除する意義は大きいものといえる。
また、本実施形態においては、さらに減衰係数cimにおける誤差を排除することで、より制振効果を高めることができるようになっている。
上記のような制振効果は、たとえ制振対象物Tに対する加振周波数ωが変更されたとしても、これに追従して変位フィードバックゲイン生成部31及び速度フィードバックゲイン生成部32によって、理論上必要となる目標値としての変位フィードバックゲインk1a及び速度フィードバックゲインc1aを更新していくため、常に効率よく作用して振動を抑えることが可能となる。具体的には、制振対象物Tが自動車のフレームであった場合でも、エンジンEの回転数と同期しつつアクティブ制振装置Dの特性を変化させて常時制振効果の高い条件を維持することが可能となり、振動を小さく抑えることが可能となる。
以上のように、本実施形態におけるアクティブ制振装置Dは、アクチュエータ11及び当該アクチュエータ11を介して制振対象物Tに取り付けられる補助質量12からなる動吸振器1と、前記補助質量12に対してバネ力及び減衰力に相当する駆動力を与えるように前記アクチュエータ11を制御する制御部2とを備え、前記制御部2により前記アクチュエータ11の駆動力を変化させることで動吸振器1のバネ特性及び減衰特性を変更しつつ制振対象物Tの振動を抑制するアクティブ制振装置Dであり、前記制御部2が、前記補助質量12と前記制振対象物Tとの間の相対変位推定値xを生成する相対変位推定部44と、前記補助質量12と前記制振対象物Tとの間の相対速度推定値vを生成する相対速度推定部43と、前記制振対象物Tの加振周波数ωと前記動吸振器1の固有振動数が一致するようにバネ特性としての変位フィードバックゲインk1aを生成する変位フィードバックゲイン生成部31と、前記動吸振器1に生じる減衰力が打ち消されるように減衰特性としての速度フィードバックゲインc1aを生成する速度フィードバックゲイン生成部32と、前記相対変位推定部44より得られる相対変位推定値xと前記変位フィードバックゲイン生成部31より得られる変位フィードバックゲインk1a とを基にして前記アクチュエータ11に生じさせるバネ力相当値fを決定するバネ力決定部35と、前記相対速度推定部43より得られる相対速度推定値vと前記速度フィードバックゲイン生成部32より得られる速度フィードバックゲインc1aとを基にして前記アクチュエータ11に生じさせる減衰力相当値fを決定する減衰力決定部36と、前記バネ力決定部35により得られるバネ力相当値fと前記減衰力決定部36により得られる減衰力相当値fとを足し合わせて前記アクチュエータ11に生じさせる駆動力指令値fを生成する駆動力指令値生成部41とを備えるとともに、前記変位フィードバックゲイン生成部31より得られる変位フィードバックゲインk1aを前記相対変位推定値xに含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報としての変位誤差関数Erkに基づいて補正する変位誤差補正部33を備えており、前記バネ力決定部35を、前記変位誤差補正部33を通じて得られる補正後の変位フィードバックゲインk1a を基にして前記前記アクチュエータ11に生じさせるバネ力相当値fを決定するように構成したものである。
このように構成しているため、実際の相対変位xに対する相対変位推定値xの誤差分を補正することで、アクチュエータ11に対して高精度にバネ力に相当する駆動力を生じさせることができるため、見かけ上のバネ特性を理論値と一致させて動吸振器1の固有振動数を加振周波数ωに合致させることが可能となる。そのため、効率的に制振対象物Tの振動を低減させることが可能となる。
また、前記制御部2が、前記速度フィードバックゲイン生成部31より得られる速度フィードバックゲインc1aを前記相対速度推定値vに含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報としての速度誤差関数Ercに基づいて補正する速度誤差補正部34を備えており、前記減衰力決定部36を、当該速度誤差補正部34を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインc1a を基にして前記アクチュエータ11に生じさせる減衰力相当値fを決定するように構成しているため、実際の相対速度vに対する相対速度推定値vの誤差分を補正することで、アクチュエータ11に対して高精度に減衰力に相当する駆動力を生じさせることができるため、見かけ上の減衰特性を理論値と一致させて、より効率的に制振対象物Tの振動を低減させることが可能となる。
また、前記変位誤差補正部33が、前記変位フィードバックゲインk1aを変数として前記補正後の変位フィードバックゲインk1a を得る変位誤差関数Erkを前記変位誤差情報として記憶する変位誤差関数記憶部33bを備えており、当該変位誤差関数記憶部33bに記憶された変位誤差関数Erkを用いることで、入力される変位フィードバックゲインk1aを補正し、補正後の変位フィードバックゲインk1a として出力するように構成しているため、実際の相対変位xに対する相対変位推定値xの誤差分を打ち消すために行う変位フィードバックゲインk1a の補正を簡便に行う構成とすることで、制御を簡単に行うことが可能となる。
また、前記速度誤差補正部が34、前記速度フィードバックゲインc1aを変数として前記補正後の速度フィードバックゲインc1a を得る速度誤差関数Ercを前記速度誤差情報として記憶する速度誤差関数記憶部34bを備えており、当該速度誤差関数記憶部34bに記憶された速度誤差関数Ercを用いることで、入力される速度フィードバックゲインc1aを補正し、補正後の速度フィードバックゲインc1a として出力するように構成しているため、実際の相対速度vに対する相対速度推定値vの誤差分を打ち消すために行う速度フィードバックゲインc1aの補正も簡便に行う構成とすることで、制御をより簡単に行うことが可能となる。
さらに、前記アクチュエータ11がコイル15b,15bを備える固定子15,15と、当該固定子15,15の内部で弾性支持された永久磁石16a,16aを備える可動子16とを具備するものであり、前記固定子15,15が備えるコイル15b,15bに電流を流すことで前記可動子16を動作させる電磁式アクチュエータであって、前記制御部2が、前記駆動力指令値生成部41により得られる駆動力指令値を基にして前記アクチュエータ11に与える電流指令値を生成する電流指令値生成部42と、前記アクチュエータ11に実際に与えられる電流を電流検出値として検出する電流検出部52とを備えており、前記相対速度推定部43が、前記電流指令値生成部42より得られる電流指令値と前記電流検出部52より得られる電流検出値とに基づいて前記相対速度推定値vを生成するように構成するとともに、前記相対変位推定部44が、前記相対速度推定部43より得られる相対速度推定値vに基づいて前記相対変位推定値xを生成するように構成しているため、制御に用いる相対変位推定値x及び相対速度推定値vを簡単な構成より得ることができ、装置の小型化及び製造コストの低減を図ることが可能となる。
<第2実施形態>
図6に、本発明の第2実施形態におけるアクティブ制振装置D2の機能ブロック図を示す。第1実施形態の場合と同じ部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
この第2実施形態においては、制御部102の一部を構成する変位誤差補正部133及び速度誤差補正部134を、第1実施形態に示した変位誤差補正部33及び速度誤差補正部34(図1参照)と異なる構成としている。
すなわち、変位誤差補正部133は、相対変位推定値xに含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報として図7に示すような変位補正テーブルを有している。変位補正テーブル133bは、事前に測定したデータを基に作成し、変位補正テーブル記憶部133b内に記憶させておくものであり、振動抑制のため理論上必要となる変位フィードバックゲインk1aに対して、相対変位推定値xに含まれる誤差分を打ち消すための補正量をあらかじめ加えた補正後の変位フィードバックゲインk1a を得ることができる。
この際、変位フィードバックゲインk1aに対応して実際に得られるバネ定数の変化量Δkrealの関係を得ておき、これを基にして図6のように、補正後の変位フィードバックゲインk1a を記載した変位補正テーブルを作成しておく。変位誤差演算部133aは、入力された変位フィードバックゲインk1aに基づいて、変位補正テーブル記憶部133bより適切となる補正後の変位フィードバックゲインk1a を引用して出力を行う。
変位補正テーブルは、離散的なデータとして保管するものではあるが、中間となる数値が必要な場合には変位誤差演算部133aによって線形近似を行いながら補正後の変位フィードバックゲインk1a を得ることができるように構成している。
速度誤差補正部134も同様に構成されており、相対速度推定値vに含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報としての速度補正テーブルが速度補正テーブル記憶部134b内に記憶され、これからデータを引用することによって速度誤差演算部134aは、速度フィードバックゲインc1aに補正を加え、補正後の速度フィードバックゲインc1a として出力することが可能となっている。
このように、本実施形態においては、変位誤差情報及び速度誤差情報として、変位補正テーブル及び速度補正テーブルを有しており、これを用いることで、第1実施形態と同様、相対変位推定値xや相対対速度推定値vに含まれる誤差の影響を排除して、制振効果を向上させることができるようになっている。さらには、相対変位推定値xや相対対速度推定値vに含まれる誤差を打ち消すための変位誤差情報及び速度誤差情報が、第1実施形態で示したような近似式で表すことができない場合であってもテーブルとして補正データを保有させておくことで容易に対応することが可能となる。
以上のように、本実施形態におけるアクティブ制振装置D2は、前記変位誤差補正部133が、前記変位フィードバックゲインk1aに対応する前記補正後の変位フィードバックゲインk1a を、前記変位誤差情報である変位補正テーブルとして記憶する変位補正テーブル記憶部133bを備え、当該変位補正テーブル記憶部133bに記憶された変位補正テーブルに基づいて変位フィードバックゲインk1aを補正し、補正後の変位フィードバックゲインk1a として出力するように構成するとともに、前記速度誤差補正部134が、前記速度フィードバックゲインc1aに対応する前記補正後の速度フィードバックゲインc1a を前記速度誤差情報である速度補正テーブルとして記憶する速度補正テーブル記憶部134bを備え、当該速度補正テーブル記憶部134bに記憶された速度補正テーブルに基づいて速度フィードバックゲインc1aを補正し、補正後の速度フィードバックゲインc1a として出力するように構成したものである。
このように構成しているため、相対変位推定値x及び相対速度推定値vの誤差分を打ち消すために行う変位フィードバックゲインk1a及び速度フィードバックゲインc1aの補正を、あらかじめ作成した補正テーブルを用いて行うようにすることで簡便に制御を行うことが可能となる。また、事前に採取したデータに基づいて、近似式を用いることなく直接的な補正を行うことが可能となる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態においては、制振対象物Tを自動車のフレームとしていたが、動吸振器1の固定を行うことができる限り、いかなるものを対象とすることも可能である。
また、上述の実施形態においては、アクチュエータ11により生じる駆動力が電流に比例して得られるものとしていたが、アクチュエータの出力特性にズレがある場合、その特性を事前に測定して把握した上で、上述の変位誤差情報および速度誤差情報の中に組み込むようにすることも動作精度向上の点で好適である
また、上述の実施形態において、アクチュエータ11より生じさせる駆動力の精度をさらに向上させることを目的として、アクチュエータ11の内部で発生する逆起電力に関わらず目標の電流値が流れ、所望の駆動力が発生するようにするべく、電流検出値を基に、さらにフィードバックループを増やす構成とすることも好適である。
また、上述の実施形態においては、相対変位推定値x及び相対速度推定値vを得るために、アクチュエータ11のコイル部15bに流れる電流値を基にして推定する構成としていたが、装置の大型化が許容される場合には、相対変位及び相対速度を検出するためのセンサを別途設ける構成とすることも可能である。こうした場合であっても、センサによって検出する数値には誤差が不可避となるため、本発明と同様の構成を採ることで、誤差の影響を排除して、制振効果を向上させることが可能となる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…(能動型)動吸振器
2…制御部
11…アクチュエータ
12…補助質量
15…固定子
15a…永久磁石
15b…コイル
16…可動子
16a…永久磁石
31…変位フィードバックゲイン生成部
32…速度フィードバックゲイン生成部
33…変位誤差補正部
33b…変位誤差関数記憶部
34…速度誤差補正部
34b…速度誤差関数記憶部
35…バネ力決定部
36…減衰力決定部
41…駆動力指令値生成部
42…電流指令値生成部
43…相対速度推定部
44…相対変位推定部
52…電流検出部
133…変位誤差補正部
133b…変位補正テーブル記憶部
134…速度誤差補正部
134b…速度補正テーブル記憶部
D,D2…アクティブ制振装置
T…制振対象物
1a…速度フィードバックゲイン
1a …補正後の速度フィードバックゲイン
…駆動力指令値
…減衰力相当値
…バネ力相当値
1a…変位フィードバックゲイン
1a …補正後の変位フィードバックゲイン
x…(実際の)相対変位
…相対変位推定値
v…(実際の)相対速度
…相対速度推定値

Claims (5)

  1. アクチュエータ及び当該アクチュエータを介して制振対象物に取り付けられる補助質量からなる動吸振器と、前記補助質量に対してバネ力及び減衰力に相当する駆動力を与えるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部により前記アクチュエータの駆動力を変化させることで動吸振器のバネ特性及び減衰特性を変更しつつ制振対象物の振動を抑制するアクティブ制振装置であり、
    前記制御部が、
    前記補助質量と前記制振対象物との間の相対変位推定値を生成する相対変位推定部と、
    前記補助質量と前記制振対象物との間の相対速度推定値を生成する相対速度推定部と、
    前記制振対象物の加振周波数と前記動吸振器の固有振動数が一致するようにバネ特性としての変位フィードバックゲインを生成する変位フィードバックゲイン生成部と、
    前記動吸振器に生じる減衰力が打ち消されるように減衰特性としての速度フィードバックゲインを生成する速度フィードバックゲイン生成部と、
    前記相対変位推定部より得られる相対変位推定値と前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するバネ力決定部と、
    前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値と前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定する減衰力決定部と、
    前記バネ力決定部により得られるバネ力相当値と前記減衰力決定部により得られる減衰力相当値とを足し合わせて前記アクチュエータに生じさせる駆動力指令値を生成する駆動力指令値生成部とを備えるとともに、
    前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインを前記相対変位推定値に含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報に基づいて補正すべく、前記変位フィードバックゲインを変数として前記補正後の変位フィードバックゲインを得る変位誤差関数を前記変位誤差情報として記憶する変位誤差関数記憶部を備え、当該変位誤差関数記憶部に記憶された変位誤差関数を用いることで、入力される変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力する変位誤差補正部を備えており、
    前記バネ力決定部を、前記変位誤差補正部を通じて得られる補正後の変位フィードバックゲインを基にして前記前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するように構成したことを特徴とするアクティブ制振装置。
  2. 前記制御部が、前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインを前記相対速度推定値に含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報に基づいて補正する速度誤差補正部を備えており、
    前記減衰力決定部を、当該速度誤差補正部を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のアクティブ制振装置。
  3. アクチュエータ及び当該アクチュエータを介して制振対象物に取り付けられる補助質量からなる動吸振器と、前記補助質量に対してバネ力及び減衰力に相当する駆動力を与えるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記制御部により前記アクチュエータの駆動力を変化させることで動吸振器のバネ特性及び減衰特性を変更しつつ制振対象物の振動を抑制するアクティブ制振装置であり、
    前記制御部が、
    前記補助質量と前記制振対象物との間の相対変位推定値を生成する相対変位推定部と、
    前記補助質量と前記制振対象物との間の相対速度推定値を生成する相対速度推定部と、
    前記制振対象物の加振周波数と前記動吸振器の固有振動数が一致するようにバネ特性としての変位フィードバックゲインを生成する変位フィードバックゲイン生成部と、
    前記動吸振器に生じる減衰力が打ち消されるように減衰特性としての速度フィードバックゲインを生成する速度フィードバックゲイン生成部と、
    前記相対変位推定部より得られる相対変位推定値と前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するバネ力決定部と、
    前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値と前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインとを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定する減衰力決定部と、
    前記バネ力決定部により得られるバネ力相当値と前記減衰力決定部により得られる減衰力相当値とを足し合わせて前記アクチュエータに生じさせる駆動力指令値を生成する駆動力指令値生成部とを備えるとともに、
    前記変位フィードバックゲイン生成部より得られる変位フィードバックゲインを前記相対変位推定値に含まれる誤差分を打ち消す変位誤差情報に基づいて補正すべく、前記変位フィードバックゲインに対応する前記補正後の変位フィードバックゲインを前記変位誤差情報である変位補正テーブルとして記憶する変位補正テーブル記憶部を備え、当該変位補正テーブル記憶部に記憶された変位補正テーブルに基づいて変位フィードバックゲインを補正し、補正後の変位フィードバックゲインとして出力する変位誤差補正部と、
    前記速度フィードバックゲイン生成部より得られる速度フィードバックゲインを前記相対速度推定値に含まれる誤差分を打ち消す速度誤差情報に基づいて補正すべく、前記速度フィードバックゲインに対応する前記補正後の速度フィードバックゲインを前記速度誤差情報である速度補正テーブルとして記憶する速度補正テーブル記憶部を備え、当該速度補正テーブル記憶部に記憶された速度補正テーブルに基づいて速度フィードバックゲインを補正し、補正後の速度フィードバックゲインとして出力する速度誤差補正部とを備えており、
    前記バネ力決定部を、前記変位誤差補正部を通じて得られる補正後の変位フィードバックゲインを基にして前記前記アクチュエータに生じさせるバネ力相当値を決定するように構成し
    前記減衰力決定部を、当該速度誤差補正部を通じて得られる補正後の速度フィードバックゲインを基にして前記アクチュエータに生じさせる減衰力相当値を決定するように構成したことを特徴とするアクティブ制振装置。
  4. 前記速度誤差補正部が、前記速度フィードバックゲインを変数として前記補正後の速度フィードバックゲインを得る速度誤差関数を前記速度誤差情報として記憶する速度誤差関
    数記憶部を備えており、
    当該速度誤差関数記憶部に記憶された速度誤差関数を用いることで、入力される速度フィードバックゲインを補正し、補正後の速度フィードバックゲインとして出力するように構成したことを特徴とする請求項に記載のアクティブ制振装置。
  5. 前記アクチュエータがコイルを備える固定子と、当該固定子内で弾性支持された永久磁石を備える可動子とを具備するものであり、前記固定子が備えるコイルに電流を流すことで前記可動子を動作させる電磁式アクチュエータであって、
    前記制御部が、前記駆動力指令値生成部により得られる駆動力指令値を基にして前記アクチュエータに与える電流指令値を生成する電流指令値生成部と、前記アクチュエータに実際に与えられる電流を電流検出値として検出する電流検出部とを備えており、
    前記相対速度推定部が、前記電流指令値生成部より得られる電流指令値と前記電流検出部より得られる電流検出値とに基づいて前記相対速度推定値を生成するように構成するとともに、
    前記相対変位推定部が、前記相対速度推定部より得られる相対速度推定値に基づいて前記相対変位推定値を生成するように構成したことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のアクティブ制振装置。
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