JP2016075380A - 能動型防振装置 - Google Patents

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圭一郎 松本
Keiichiro Matsumoto
圭一郎 松本
金堂 雅彦
Masahiko Kindo
雅彦 金堂
逸朗 梶原
Itsuro Kajiwara
逸朗 梶原
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Abstract

【課題】アクチュエータへの印加電圧を検出することなくアクチュエータの制御を実現できる能動型防振装置を提供する。【解決手段】両端に一対の弾性接続部61,62を有し、当該一対の弾性接続部を連結するロッド本体63と、前記ロッド本体に支持された慣性マス641と、前記慣性マスを前記ロッド本体の軸方向に往復動させる磁力発生手段を含むアクチュエータ64と、前記磁力発生手段に流れる電流値を検出する電流検出手段68と、前記ロッド本体の軸方向Cの変位速度に応じた力が前記慣性マスに生じるように、前記アクチュエータを制御する制御手段65と、を備えた能動型防振装置6において、前記制御手段は、前記電流検出手段で検出された電流を観測量として前記アクチュエータの制御信号を算出する状態推定手段を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、能動型防振装置に関するものである。
自動車車体に装着される能動型自動車用制振装置において、補助質量を往復動させるアクチュエータの電機子に流れる電流と、アクチュエータに印加されている端子電圧とを検出し、これら検出された電流と端子電圧とに基づいて、アクチュエータの誘起電圧を算出し、さらに当該誘起電圧を基にアクチュエータの相対速度を算出し、この算出されたアクチュエータの相対速度に基づいて減衰特性を重畳することで、アクチュエータの可動部とばね要素とで構成される共振系の共振倍率を低減するように、アクチュエータを駆動制御するものが知られている(特許文献1)。
特許第5136408号公報
しかしながら、上記従来の能動型防振装置では、アクチュエータをデジタルアンプでPWM駆動する場合には出力波形が矩形波であるため、ある瞬間の電流値と端子電圧値を計測できず、したがって逆起電力、ひいては相対速度を算出できないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、アクチュエータへの印加電圧を検出することなくアクチュエータの制御を実現できる能動型防振装置を提供することである。
本発明は、慣性マスをロッド本体の軸方向に往復動させる磁力発生手段を含むアクチュエータと、磁力発生手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、ロッド本体の軸方向の変位速度に応じた力が慣性マスに生じるように、アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた能動型防振装置において、電流検出手段で検出された電流を観測量としてアクチュエータの制御信号を算出する状態推定手段を含む能動型防振装置により、上記課題を解決する。
本発明によれば、状態推定手段により磁力発生手段に流れる電流と当該磁力発生手段に発生する逆起電力との関係が定義されているので、電圧を検出することなく、対象物の振動を抑制することができる。
本発明に係る能動型防振装置の一実施の形態をエンジンと車体とを接続するアッパトルクロッドに適用した一例を示す分解斜視図である。 図1のアッパトルクロッドの一例を示す断面図である。 図2のアクチュエータの電気等価回路である。 図2の制御装置のフィードバック制御ロジックを説明するアクチュエータを含めた2自由度系モデルを示す図である。 図2の制御装置を示すブロック図である。
最初に本発明に係る能動型防振装置の一実施の形態を、ペンデュラムマウント方式で車体に搭載したエンジン1のアッパトルクロッド6に適用した一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るエンジン、エンジンマウント及びトルクロッドを示す分解斜視図である。なお、以下に示すアッパトルクロッド6は、本発明に係る能動型防振装置の一例であって、トルクロッド以外の防振装置にも適用することができる。また、本発明の能動型防振装置は、ペンデュラムマウント方式エンジンにのみ限定されずこれ以外の支持方式によるエンジンにも適用することができる。
ペンデュラムマウント方式によるエンジン1の支持構造とは、エンジン1の慣性主軸Lを図示のとおりに配置した、たとえば直列4気筒横置きエンジン1に対して、エンジン1を主として支持する2個の支持点3,4が、平面視においては、エンジン1の慣性主軸L上の、エンジン1の重心Gを挟んで互いに軸方向反対側に位置し、正面視においては、支持点3は慣性主軸L上に、支持点4は慣性主軸Lの車両上方に位置するように設けられた支持構造をいう。なお、2個の支持点3,4は、具体的には、右エンジンマウント3と左エンジンマウント4により構成される。右エンジンマウント3は、エンジン1に固定される右エンジンマウントブラケット31と、当該右エンジンマウントブラケット31と車体との間に固定される右エンジンマウントインシュレータ32とを含んで構成されている。また、左エンジンマウント4は、エンジン1に固定される左エンジンマウントブラケット41と、左エンジンマウントブラケットサポート42と、当該左エンジンマウントブラケットサポート42と車体との間に固定される左エンジンマウントインシュレータ43とを含んで構成されている。
ペンデュラムマウント方式によるエンジンの支持構造は、エンジン1を振り子のように吊り下げて支持するとともに、それらの支持点3,4を結ぶ直線の周りを揺動するエンジンの重心Gを、一端が車体に取り付けられたトルクロッドアッセンブリ5,6(以下、アッパトルクロッド6、ロアトルクロッド5ともいう。)のような棒状部材で抑えるように構成され、少ない点数の部品で従来と同様の制振効果が得られるといったメリットがある。すなわち、ペンデュラムマウント方式で車体に搭載されたエンジン1では、エンジン1の運転時に回転慣性力によって2つの支持点3,4を結んだ軸の回り(ピッチング方向)にエンジン1が傾く。この傾きを防止してエンジン1を支持するために、エンジン1のほぼ上半分と車体側部材とを連結するアッパトルクロッド6と、エンジン1の残り下半分と車体側部材とを連結するロアトルクロッド5とを備える。アッパトルクロッド6が車両右上側からエンジン1に、もう一つのロアトルクロッド5が車両下側からエンジン1に連結され、これら2つのトルクロッド5,6により、ペンデュラムマウント方式で搭載されたエンジン1が傾くことを防止する。
本実施形態に係る能動型防振装置であるアッパトルクロッド6について説明する。図2は、図1に示すアッパトルクロッド6の一例を示す断面図であり、本実施形態のアッパトルクロッド6は、両端のそれぞれに第1弾性接続部61及び第2弾性接続部62を有するロッド本体63と、このロッド本体63に支持された電磁気式アクチュエータ64(以下、単にアクチュエータ64ともいう)と、このアクチュエータ64を制御する制御部65と、この制御部65に電力を供給する電源66と、制御部65から出力された制御信号を増幅する増幅器67と、アクチュエータ64のコイル642に流れる電流を検出する電流センサ68と、を備える。
ロッド本体13は、鉄やアルミニウムなどの金属材料又は合成樹脂材料で構成され、その一端に第1弾性接続部61の外筒611が一体的に形成され、その他端に第2弾性接続部62の外筒621が一体的に形成されている。第1弾性接続部61が車体に接続され、第2弾性接続部62がエンジン1に接続される。なお、車体及びエンジン1への接続レイアウトの都合で第1弾性接続部61の軸と第2弾性接続部62の軸は90°位相しているが、本発明に係るアッパトルクロッド6にあっては同位相又は他の位相角度であってもよい。また、第1弾性接続部61をエンジン1に接続し、第2弾性接続部62を車体に接続してもよい。
第1弾性接続部61は、円筒状の外筒611と、外筒611と同心の円筒状の内筒613と、これら外筒611と内筒613とを連結する弾性体(防振材,インシュレータともいう)612とからなる。内筒613に対して図1に示すボルトB1によって第1弾性接続部61は車体フレームに固定される。弾性体612は、ばね機能と減衰機能を兼ね備えた部材であり、例えば弾性ゴムを用いることができる。弾性体612は外筒611及び内筒613のそれぞれに接着剤などにより固定されている。
第2弾性接続部62も、上記第1弾性接続部61と同様に、円筒状の外筒621と、外筒621と同心の円筒状の内筒623と、これら外筒621と内筒623とを連結する弾性体(防振材)622とからなる。内筒623に対して図1に示すボルトB2によって第2弾性接続部62はエンジン1に固定される。弾性体622は、ばね機能と減衰機能を兼ね備えた部材であり、例えば弾性ゴムを用いることができる。弾性体622は外筒621及び内筒623のそれぞれに接着剤などにより固定されている。
第1弾性接続部61の弾性体612及び第2弾性接続部62の弾性体622のそれぞれの剛性(ばね定数)は、これら2つの弾性体612,622の間のロッド本体63の質量(各第1弾性接続部61及び第2弾性接続部62の外筒部分を含む)を考慮して、上述したエンジン1の剛体共振Aおよびロッド本体63の剛体共振Bが、エンジン1の曲げ・捩りの共振周波数より小さい周波数となる値にそれぞれ定められている。このように、エンジン1の剛体共振Aおよびロッド本体63の剛体共振Bを2つの異なる周波数、つまり70Hz前後の低周波域の周波数f1と、150Hz前後の中周波数域の周波数f2との2箇所で生じさせて、エンジン1から車体フレームに伝達する振動を防止する効果が2重防振の効果である。ただし、本実施形態のトルクロッド6は、第1弾性接続部61及び第2弾性接続部62の外筒611,621及び内筒613,623の径を相違させるのは必須ではなく、これら第1弾性接続部61及び第2弾性接続部62を同じ構造としてもよい。
本例のロッド本体63の中央部には、アクチュエータ64を収容する断面が矩形のアクチュエータ室631が形成されている。アクチュエータ64は、コイル642と、角筒状のコア643と、永久磁石644と、慣性マス641と、弾性支持バネ645と、アクチュエータ室631のロッド軸上に架設されたシャフト646とを含むリニアタイプ、いわゆる直線運動型の電磁気式アクチュエータであり、慣性マス641をシャフト646のロッド軸方向に往復動させる。
慣性マス641は、磁性を有する金属材料等からなり、シャフト646の周囲にシャフト646と同軸に設けられている。シャフト646のロッド軸方向に見た慣性マス641の断面は、シャフト646の中心(重心)を中心にした点対称な形状であると共に、慣性マス641の重心がシャフト646の中心に一致している。本例の慣性マス641は角筒形状とされ、慣性マス641のロッド軸方向の両端(図2では上下端)が、それぞれ弾性支持バネ645を介してシャフト646に連結されている。弾性支持バネ645は、たとえば比較的小さな剛性を有する板バネからなる。慣性マス641の内壁には、図2に示す磁極配列となるように永久磁石644が固定されている。
コイル642の磁路を構成するコア643は、積層鋼鈑から構成され、シャフト646に固定されている。コア643は、アクチュエータ64の組立前には複数個の部材に分割されており、これら複数個の部材を、接着剤を用いてシャフト646の周囲に接着することにより、全体として角筒状のコア643が構成される。コイル642は、この角筒状のコア643に巻回されている。慣性マス641の内壁に固定された永久磁石644は、コア643及びコイル642に対面するように設けられている。
このように構成された本例のアクチュエータ64は、コイル642と永久磁石644とが発生する磁界によるリラクタンストルクによって、慣性マス641をリニアに、つまり慣性マス641をシャフト646のロッド本体の軸方向Cに往復動するように駆動させる。本例のコイル642の巻線は、アクチュエータ64の駆動回路を含む制御部65に接続され、電源66からの電力が供給される。電流センサ68は、コイル642に流れる電流値を検出してこれを制御部65へ出力する。制御部65は、この電流値に基づいて、ロッド本体63の軸方向Cの変位速度に応じた力が慣性マス641に生じるように、アクチュエータ64への制御信号を算出する。そして、この制御信号は、アナログ増幅器又はデジタル増幅器で構成される増幅器67で増幅され、アクチュエータ64のコイル642に印加される(電圧の制御を行なう)。この制御方法については後述する。なお、電流センサ68は、コイル642に流れる電流値を検出するために専用で設けるほか、制御部65又は増幅器67に設けられる電流センサを共用してもよい。
本実施形態のアッパトルクロッド6は、センサレスかつモデルフリーの振動制御法を用いた能動型防振装置であるり、電磁気式アクチュエータ64を用いることで、加速度センサなどを省略したセンサレス化を行う。すなわち、電磁気アクチュエータ64で発生する逆起電圧と永久磁石644に対するコイル642の相対速度とが比例関係にあることを利用し、逆起電圧からエンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度を得ることによりセンサレス化を実現させる。次に、アクチュエータモデルのみを用いてカルマンフィルタを設計し、エンジン1の取り付け点の状態を含めたアクチュエータ64の状態量を推定する。最後に、カルマンフィルタにより推定された状態量を用いて、エンジン1のアクチュエータの取り付け点での直接速度フィードバックを実現させる制御入力をアクチュエータ64で作用させる。
ここでセンサレス化の原理について簡便に説明する。図3は電磁気アクチュエータ64の電気等価回路を示す。図3において、抵抗R、アクチュエータ64で発生する逆起電圧E、アクチュエータ64への入力電圧V、アクチュエータ64に加わる電圧V、アクチュエータ64を流れる電流I、コイル642のインピーダンスZ をそれぞれ表す。なお、Z はコイル642の抵抗およびインダクタンスを用いて表されることもある。また以下の説明において、慣性マス641を含むアクチュエータ64の質量m、アクチュエータ64の剛性k、アクチュエータ64の減衰係数c、コイル642(=慣性マス641)の変位x、永久磁石644(=エンジン1)の変位xをそれぞれ表すものとする。
図3に示すアクチュエータ64で発生する逆起電圧E(t)と、永久磁石644に対するコイル642の相対速度Sxrel(t)(=dxrel/dt)は、比例定数Kを用いると、下記式1のような関係が成り立つ。なお、永久磁石644に対するコイル642の相対速度Sxrel(t)は、図1に示す実システムではエンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度に対応する。(なお、「xドット」の微分記号は日本国電子出願の仕様により明細書の本文中で使用できないため、これに代えて記号Sを用いるが、イメージデータによる数式においては「xドット」を用いることもある。)
Figure 2016075380
逆起電圧E(t)を直接計測し、式1を用いれば相対速度Sxrel(t)が得られるが、入力電圧Vが作用している場合に、逆起電圧E(t)はコイル642内で発生するため直接計測できない。そこで、図3に示したアクチュエータ64の電気等価回路より次のような関係を導く。
Figure 2016075380
これら式1及び式2より、相対速度Sxrel(t)は、以下のように求めることができる。
Figure 2016075380
このように相対速度Sxrel(t)を式3から得ることにより、相対速度検出に関するセンサレス化が可能になる。すなわち、上記式3においてコイル642のインピーダンスZ 、比例定数Kは既知であるから、アクチュエータ64に加わる電圧Vと、アクチュエータ64を流れる電流Iを計測すれば、エンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度Sxrel、つまり従来加速度センサにて検出していたエンジン1の加速度を、加速度センサを設けることなく求めることができる。ただしこの場合には、アクチュエータ64に加わる電圧Vと、アクチュエータ64を流れる電流Iとをそれぞれ計測する2つのセンサが必要となる。本実施形態では、以下に説明する状態推定モデルを工夫して、アクチュエータ64に加わる電圧Vを検出することなく、アクチュエータ64を流れる電流Iのみを計測することで、エンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度Sxrelを求める。
本実施形態のアッパトルクロッド6では、モデルフリー制御を実現するため、アクチュエータモデルのみを用いたカルマンフィルタを設計し、状態量を推定する。つまり、制振対象物であるエンジン1のモデルを用いることなく、アクチュエータモデルのみを用いたモデルフリーの制御方法を採用する。本実施形態のアクチュエータ64のモデルを図4に示す。同図に示すように、アクチュエータ64は1自由度系モデルで表され、各記号はそれぞれアクチュエータ64の質量m,アクチュエータ64の剛性k,アクチュエータ64の減衰係数cであり、Fは電磁気アクチュエータ64の発生力、すなわち制御入力を示す。またxはアクチュエータ64の質量の変位,xは制振対象物(エンジン1)への取り付け点の変位を表す。
上述したセンサレス化の手法により相対速度Sxrel(t)が得られるとして、カルマンフィルタを設計する。図4より、アクチュエータ64の運動方程式は下記式4で表される。
Figure 2016075380
ただし、Kaは推力定数(F=KaI)である。ここで、下記式5とおく。
Figure 2016075380
この式5の関係を用いると、式4から下記式6が得られる。
Figure 2016075380
上記式3と図3の等価回路図から、相対速度Sxrelは以下のように表すことができる。
Figure 2016075380
以上より、カルマンフィルタ設計のための状態方程式は以下の式8のようになる。
Figure 2016075380
ここで、上記式8におけるx,y,A,B,G,C,D,Hは以下のとおりである。
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
Figure 2016075380
これより、制振対象物であるエンジン1のアクチュエータ64の取り付け点の状態を含めたアクチュエータ64の状態量は、カルマンフィルタにより推定が可能になる。カルマンフィルタの状態空間は以下のように表される。下記状態空間行列式のとおり、電流Icを観測出力とするカルマンフィルタを構成することで、アクチュエータ64に加わる電圧Vを検出することなく、アクチュエータ64を流れる電流Iのみを計測することで、エンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度Sxrelを求めることが可能となる。
Figure 2016075380
本実施形態のトルクロッド6においては、加速度センサを設けることなく、かつアクチュエータ64に加わる電圧Vを検出することなく、アクチュエータ64を流れる電流Iのみを計測することで、エンジン1に対するアクチュエータ64の相対速度Sxrelを求めるために、上述したとおりカルマンフィルタを導入するとともに、上述したとおりフィードバックコントローラーを導出した。これらを用いて制御系を構成すると図5のようになる。同図において、P(s)は任意の制振対象物(本例ではエンジン1)、zは評価応答で制振対象物(エンジン1)の変位、yaは観測出力で制振対象物(エンジン1)に対するアクチュエータ64の相対速度、Vsは制御入力、wは外乱入力、Kはフィードバックゲインである。
以上述べたとおり、本実施形態のアッパトルクロッド6によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態のアッパトルクロッド6の制御部65において、電磁気アクチュエータ64に流れる電流Icと当該電磁気アクチュエータ64で発生する逆起電力Eとの関係を定義したカルマンフィルタを含むオブザーバを用いて、検出された電流Icを観測量としてアクチュエータ64のコイル642に出力する制御信号を算出し、当該制御信号に基づく状態フィードバック制御によりアクチュエータを制御するので、加速度センサを設けることなく、かつアクチュエータ64に加わる電圧Vも検出する必要がない。したがって、トルクロッド6の小型化及び低コスト化が実現できる。
(2)また本実施形態のアッパトルクロッド6によれば、制御部65から出力される制御信号を増幅器67により増幅させてコイル642に当該制御信号を印加するが、増幅器67をアナログアンプで構成すると、アクチュエータ64に流れる電流がアナログ信号になるため、電流センサ68による検出精度が向上する。また、増幅器67をデジタルアンプで構成しPWM制御によりアクチュエータ64を制御する場合には、ある瞬間の電圧値が測定できないものの、本実施形態では電圧値の測定は不要であるため、アクチュエータ64の制御が可能となる。またデジタルアンプの場合は消費電力が小さく高効率であるという利点がある。
(3)また本実施形態のアッパトルクロッド6において、電流センサ68を制御部65又は増幅器67に設けられた電流センサと共用することで、アクチュエータ64の制御専用の電流センサを省略することができ、より小型化及び低コスト化が実現できる。
上記コイル642及び上記永久磁石644が本発明の磁力発生手段に相当し、上記制御部65が本発明に係る制御手段に相当し、上記増幅器が本発明のアナログ増幅器及びデジタル増幅器に相当し、上記電流センサ68が本発明の電流検出手段に相当し、上記カルマンフィルタを含むオブザーバが本発明の状態推定手段に相当する。
1…エンジン
2…サブフレーム
3…右エンジンマウント
4…左エンジンマウント
5…ロアトルクロッド
6…アッパトルクロッド
61…第1弾性接続部
611…外筒
612…弾性体
613…内筒
62…第2弾性接続部
621…外筒
622…弾性体
623…内筒
63…ロッド本体
631…アクチュエータ室
632,633,634…通孔
64…アクチュエータ
641…慣性マス
642…コイル
643…コア
644…永久磁石
645…弾性支持バネ
646…シャフト
65…制御部
66…電源
67…増幅器
68…電流センサ
C…ロッド本体の軸方向
B1,B2…ボルト

Claims (5)

  1. 両端に一対の弾性接続部を有し、当該一対の弾性接続部を連結するロッド本体と、
    前記ロッド本体に支持された慣性マスと、
    前記慣性マスを前記ロッド本体の軸方向に往復動させる磁力発生手段を含むアクチュエータと、
    前記磁力発生手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記ロッド本体の軸方向の変位速度に応じた力が前記慣性マスに生じるように、前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた能動型防振装置において、
    前記制御手段は、前記電流検出手段で検出された電流を観測量として前記アクチュエータの制御信号を算出する状態推定手段を含む能動型防振装置。
  2. 前記制御手段から前記アクチュエータへ出力される制御信号を増幅するアナログ増幅器又はデジタル増幅器をさらに備える請求項1に記載の能動型防振装置。
  3. 前記電流検出手段は、前記制御手段又は前記アナログ増幅器若しくは前記デジタル増幅器に流れる電流を検出するセンサである請求項2に記載の能動型防振装置。
  4. 前記慣性マスの固有振動数は、制振対象物の固有振動数より低い請求項1〜3のいずれか一項に記載の能動型防振装置。
  5. 前記状態推定手段は、前記磁力発生手段に流れる電流と前記磁力発生手段で発生する逆起電力との関係を定義したカルマンフィルタを含むオブザーバを用いて、検出された電流を観測量として前記アクチュエータの制御信号を算出し、
    前記制御手段は、前記制御信号に基づく状態フィードバック制御により前記アクチュエータを制御する請求項1〜4のいずれか一項に記載の能動型防振装置。
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