JP6185885B2 - ダイナミックダンパ - Google Patents

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本発明は、振動体の振動を抑制するダイナミックダンパに関する。
従来、振動体の振動を抑制するダイナミックダンパが知られている。
特許文献1では、規制部材のゴム弾性体に対する位置を変化させることで、バネ定数を可変とするバネ定数可変式ダイナミックダンパが開示されている。
特許文献2では、可撓性高分子材料の中に磁場の作用により磁気分極する粒子を分散し、磁場の印加により弾性率を可変とする弾性率可変材料が開示されている。
特開昭61−21443号公報 特開平4−266970号公報
ダイナミックダンパによって低減できる振動周波数帯を可変にしようとした場合に、特許文献1の構成をすることが考えられる。しかし、その場合、規制部材やアクチュエータといった要素を設ける必要があり、ダイナミックダンパの部品点数が増加するとともに、大型化してしまうという問題がある。
そこで、ダイナミックダンパの弾性部材として、特許文献2の弾性率可変材料を採用することが検討できる。しかしながら、弾性部材の弾性率は温度によって変化し、経年的にも変化する。また、弾性部材の特性には生産上のばらつきがある。従って、振動低減効果を長期にわたり安定的且つ効果的に得るために、対象とする振動に対してどのように弾性率を変更すればよいのかについて、さらに検討する必要がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、弾性率可変材料の弾性率を変更することによって振動を効果的に低減することができるダイナミックダンパを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、振動体の振動を抑制するダイナミックダンパであって、印加する磁場の大きさにより弾性率を可変とする弾性率可変材料で構成された弾性部材と、前記振動体に前記弾性部材を介して取り付けられたマス部材と、前記弾性部材に磁場を印加するとともに、印加する磁場の強さを変更可能な磁場印加部と、前記弾性部材の弾性率を変更するための制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記振動体の振動を低減する振動低減周波数と、前記マス部材の加速度と前記弾性部材の変形量との関係に応じて、前記弾性部材の弾性率を変更するように前記磁場印加部を制御する、ことを特徴とする。この場合、前記制御部は、前記振動低減周波数を2乗した値よりも、前記マス部材の加速度を前記弾性部材の変形量で除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が大きい場合には、前記弾性部材の弾性率を大きくし、前記振動低減周波数を2乗した値よりも、前記マス部材の加速度を前記弾性部材の変形量で除算した絶対値に前記比例係数を乗じた値が小さい場合には、前記弾性部材の弾性率を小さくする。
上記の本発明の構成によれば、振動低減周波数が変化した場合や、商品に適用した場合の製造ばらつきや、環境の温度や経年劣化によって弾性部材の特性が変化した場合であっても、マス部材の加速度と弾性部材の変形量とに応じて弾性部材の弾性率を変更することで、振動を効果的に低減することができる。
マス部材の加速度a/弾性部材の変形量Xと、弾性部材のバネ定数K/マス部材の重量Mとは、比例関係にある(a/X=−K/M)。また、ダイナミックダンパにおける振動低減周波数fは、f=(√(K/M))/2πで定義される。このことから、振動低減周波数fを2乗した値と、マス部材の加速度aを弾性部材の変形量Xで除算した絶対値とが比例関係にあることから、その比例係数をαとするとき、f2=α・|a/X|の関係が成立するように、バネ定数Kを逐次変化する振動周波数f0に追従して制御することで、ダイナミックダンパの共振周波数を最適に抑制できることが分かる。よって、上記のように弾性部材の弾性率を変化させることで、振動を効果的に低減することができる。
上記のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材の加速度を検出する加速度検出部と、前記弾性部材の電気抵抗を検出する抵抗検出部と、を備え、前記制御部は、前記磁場印加部により印加する磁場の強さと、前記抵抗検出部の検出値に基づいて、前記弾性部材の変形量を取得してもよい。
この構成により、マス部材の加速度と弾性部材の変形量を容易に検出することができ、振動低減周波数や弾性部材の特性が変化した場合であっても、弾性部材の弾性率を変化させることで振動を効果的に低減することができる。
上記のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材の加速度を検出する加速度検出部と、前記磁場印加部により印加され前記弾性部材の内部を通過する磁場の強さを検出する磁場検出部と、を備え、前記制御部は、前記磁場印加部により印加する磁場の強さと、前記磁場検出部の検出値に基づいて、前記弾性部材の変形量を取得してもよい。
この構成により、マス部材の加速度と弾性部材の変形量を検出することができ、振動低減周波数や弾性部材の特性が変化した場合であっても、弾性部材の弾性率を変化させることで振動を効果的に低減することができる。
上記のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材の加速度を検出する第1加速度検出部と、前記振動体の加速度を検出する第2加速度検出部と、を備え、前記制御部は、前記第1加速度検出部により検出された第1加速度と、前記第2加速度検出部により検出された第2加速度との差分を2回積分することにより、前記弾性部材の変形量を取得してもよい。
この構成により、弾性部材自体に直接関係する物理量を検出することなく、マス部材の第1加速度と振動体側の第2加速度とに基づいて間接的に弾性部材の変形量を取得することができるので、簡素な構成とすることができる。
上記のダイナミックダンパにおいて、エンジン回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部により検出されたエンジン回転数に基づいて、エンジン又は前記エンジンからの振動が伝達されて振動する前記振動体の振動周波数を取得する振動周波数取得部と、前記振動周波数取得部により取得された前記振動周波数又は前記振動周波数と共振する前記振動低減周波数に対応する前記弾性部材の制御に係るパラメータ値を予め記憶した記憶部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記弾性部材の弾性率を調整してもよい。この場合、記憶部は、f0(振動周波数)と、電力指示値であるパラメータ値(電流値、電圧値)との関係を予め定めたマップ(テーブル)を記憶している。前述の制御(マス部材の加速度と弾性部材の変形量とに応じて弾性部材の弾性率を変更する制御)により、ダイナミックダンパの共振周波数が、f0(振動周波数)と共振するf(振動低減周波数)と一致したときに、マップが更新される(f0に対応するパラメータ値が更新される)。そして、2点以上のパラメータ値が更新された際に、他のパラメータ値(更新されたパラメータ値の間の他のf0に対応するパラメータ値、又はマップの最初と最後のf0に対するパラメータ値)は、補間(例えば、線形補間)により算出され、自動更新される。このマップのパラメータ値は、f0が変化した際の初期値として用いられる。さらに、電源が切られる際には更新したパラメータ値は記憶部に保存され次回の動作時に使用される。
この構成により、調整すべき弾性部材の制御に係るパラメータ値を迅速に取得することができるため、制御が簡単になり、制御応答性を向上させることができる。
本発明のダイナミックダンパによれば、弾性率可変材料の弾性率を変更することによって振動を効果的に低減することができる。
第1実施形態に係るダイナミックダンパを備えた車両の模式図である。 第1実施形態に係るダイナミックダンパの概略構成図である。 第1実施形態に係るダイナミックダンパの制御フロー図である。 ダイナミックダンパの制御をオンとオフに切り替えた場合の振動特性図である。 第2実施形態に係るダイナミックダンパの概略構成図である。 第3実施形態に係るダイナミックダンパの概略構成図である。
以下、本発明に係るダイナミックダンパについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るダイナミックダンパ10Aを備えた車両12の模式図である。車両12は、フロアパネル14を有し、フロアパネル14の前方にサブフレーム16が取り付けられている。サブフレーム16は、振動源であるエンジン18(内燃機関)の近傍に設けられた部材である。具体的には、サブフレーム16上には制振ゴム20を介してエンジン18が搭載されている。従って、エンジン18の振動は、制振ゴム20を介してサブフレーム16側へと伝達される。なお、エンジン18が配置される室(エンジンルーム)には、適位置に燃料噴射制御部19が配置される。
また、図1において、ステアリングハンガー22にステアリングシャフト24が回転自在に支持され、ステアリングシャフト24にステアリングホイール26が支持される。ステアリングハンガー22は、例えば、図示しない左右のフロントサイドパネルに固定される。左右のフロントサイドパネルは、フロアパネル14及びサブフレーム16に連結される。
エンジン18の振動は、所定の振動伝達経路を介して、エンジン18からステアリングホイール26へと伝達される。図1の場合、具体的には、振動伝達経路は、制振ゴム20、サブフレーム16(及びフロアパネル14)、左右のフロントサイドパネル及びステアリングハンガー22である。
サブフレーム16には、このサブフレーム16を制振対象(振動体)とするダイナミックダンパ10Aが取り付けられる。ダイナミックダンパ10Aの制振作用により、サブフレーム16での不要な振動が抑制される。また、エンジン18の振動に基づくサブフレーム16の振動を原因として、サブフレーム16の振動周波数と同一の振動周波数でステアリングホイール26も振動する。従って、ダイナミックダンパ10Aによるサブフレーム16の制振作用に基づいて、ステアリングホイール26での不要な振動も抑制される。
図2は、ダイナミックダンパ10Aの概略構成図である。ダイナミックダンパ10Aは、ダンパ本体30と、ダンパ本体30を制御する制御部32とを備える。本実施形態の場合、ダンパ本体30は、サブフレーム16に取り付けられた支持部34と、支持部34に支持された一対の弾性体ユニット36と、一対の弾性体ユニット36間に懸架されたマス部材38と、弾性部材40に印加する磁場を発生させる磁場印加部50とを備える。ダンパ本体30は図2のようにサブフレーム16の上面に設置されてもよく、あるいは、サブフレーム16の下面に設置されてもよい。
支持部34は、例えば、図2のように一対のブラケット35により構成され得る。各ブラケット35は、例えば、L字状に形成され、図示しない適宜の固定手段(ボルト、溶接等)により振動体であるサブフレーム16に一体的に固定される。
各弾性体ユニット36は、弾性部材40と、弾性部材40の所定の軸線A方向の両側(外側)に配置された一対の電極板44、45とを有する。
弾性部材40は、印加する磁場の大きさにより弾性率を可変とする弾性率可変材料40A(磁気粘弾性エラストマ)で構成される。弾性率可変材料40Aは、マトリックスとしての粘弾性をもつ基質エラストマ41と、基質エラストマ41内に分散された多数の磁性粒子42とを有する。
基質エラストマ41の構成材料としては、例えば、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等の室温で粘弾性を有する公知の高分子材料が挙げられる。
基質エラストマ41は、互いに相反する側に所定の軸線Aに直交する主面を有する。一方の主面と他方の主面とは、互いに平行である。基質エラストマ41は、任意の形状とすることができ、例えば、直方体や円柱形とすることができる。一方の主面と他方の主面は、基質エラストマ41が直方体の場合には互いに相反する一対の外面であり、基質エラストマ41が円柱形の場合には軸線Aに直交する両端面である。
磁性粒子42は、磁場の作用によって磁気分極する性質を有するとともに、導電性を有するものである。磁性粒子42の構成材料としては、例えば、磁気軟鉄、方向性ケイ素鋼、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、マグネタイト、コバルト、ニッケル等の金属、4−メトキシベンジリデン−4−アセトキシアニリン、トリアミノベンゼン重合体等の有機物、フェライト分散異方性プラスチック等の有機・無機複合体等の公知の材料か挙げられる。
磁性粒子42の形状は、特に限定されず、例えば、球形、針形、平板形等であってよい。磁性粒子42の粒径は、特に限定されず、例えば、0.01μm〜500μm程度であってよい。
磁性粒子42は、基質エラストマ41内において、磁場が印加されていない状態においては互いの相互作用が小さく、磁場が印加された状態においては磁気相互作用によって互いに作用する引力が増大するようになっている。例えば、磁性粒子42は、基質エラストマ41内において、磁場が印加されていない状態においては接触部位が少なく、磁場が印加されている状態においては磁気的結合によって互いの接触部位が増大し得るように分散されている。磁性粒子42は、磁場が印加されていない状態においては、基質エラストマ41内において互いに接触しない程度に分散されていてもよいし、一部が接触して連続するように分散されていてもよい。
磁性粒子42の基質エラストマ41に対する割合は、任意に設定可能であるが、例えば、体積分率で5%〜60%程度であってよい。磁性粒子42の基質エラストマ41に対する分散状態は、基質エラストマ41の各部において均一にしてもよいし、一部に密度差を設けてもよい。
各弾性体ユニット36において、一対の電極板44、45は、それぞれ板状の電極であり、弾性部材40の各主面に接合されており、これにより、弾性部材40を挟持するように互いに平行に配置される。
マス部材38は、ブラケット35及び弾性体ユニット36を介して振動体であるサブフレーム16に支持される。マス部材38は、互いに相反する外面を有し、各外面に弾性部材40が接合されることによって、一対の弾性部材40間に懸架される。本実施形態では、マス部材38は、上下方向に揺動可能となっており、従って、ダンパ本体30は、上下方向が動作方向(制振方向)となっている。
マス部材38には、マス部材38の振動方向(本実施形態では上下方向)の加速度aを検出する加速度センサ54(加速度検出部)が取り付けられる。
なお、マス部材38の振動方向の加速度aを検出する加速度検出部は、加速度センサ54に限られない。ここで、マス部材38の加速度aと、振動体の加速度とを区別するために、マス部材38については「加速度a1」とも表記し、振動体については「加速度a2」と表記する。例えば、ダイナミックダンパ10Aにおいて、振動体の加速度a2を検出する加速度センサ59(例えば、図6に示す第2加速度センサ74と同様のセンサ)を設ける。マス部材38と振動体との相対加速度(|a1−a2|)は、弾性部材40の変形量Xの2回微分(X´´)により得られる。また、a1=X´´+a2=|a1−a2|+a2である。そこで、弾性部材40の変形量Xの2回微分により得られるマス部材38と振動体との相対加速度(|a1−a2|)と、振動体の加速度a2とを加算することで、マス部材38の加速度a1を算出してもよい。このことは、後述するダイナミックダンパ10Bについても同様である。
本実施形態の場合、磁場印加部50は、マス部材38を囲んで配置される。磁場印加部50は、電磁石51により構成される。詳細は図示しないが、電磁石51は、中空筒状の鉄心と、鉄心の外周面に巻き回されたコイルとを有する。電磁石51は、コイルの軸線が弾性部材40の軸線A(図5参照)と一致するように配置される。
電磁石51に通電することによって、磁場が発生し、弾性部材40(弾性率可変材料40A)に磁場が印加される。磁場は、図2において点線で示すように、磁力線が一方の弾性部材40側から他方の弾性部材40側へと向かうように生成される。電磁石51から発生する磁場は、電磁石51に流れる電流Iに応じて変化し、電流Iが大きくなるほど発生する磁場(磁束密度)は大きくなる。
電磁石51に通電することによって弾性部材40に磁場が印加されると、磁場の強さに応じて磁性粒子42は分極し、磁気的結合を形成する。磁性粒子42は、例えば連鎖的に結合して網目構造を形成する等によって、弾性部材40の弾性率が基質エラストマ41自体の弾性率(剛性)よりも増大する。弾性部材40に印加される磁場が強いほど、磁性粒子42間の磁気的結合が増大し、弾性部材40の弾性率が増大する。従って、電磁石51に供給される電流Iが大きいほど、弾性部材40の弾性率は増大し、弾性部材40は荷重に対して変形しにくくなる。
制御部32は、マイクロプロセッサや、ROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成されており、例えばダッシュボード内の適位置に固定される(図1参照)。制御部32は、ケーブル55、56、57を介して、それぞれ燃料噴射制御部19、電磁石51、各電極板44、45に電気的に接続される。
制御部32は、電磁石51に電力を供給し、供給する電流Iを変化させることによって、電磁石51が生じる磁場の強さを変化させる。制御部32が電磁石51に供給する電流Iの大きさは、連続的に変更可能であるとよい。また、制御部32は、各弾性体ユニット36における一対の電極板44、45及び弾性部材40に電力を供給する。
制御部32は、振動体の振動を低減する振動低減周波数fと、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量X(変位)との関係に応じて、弾性部材40の弾性率を変更するように磁場印加部50を制御する。具体的には、制御部32は、振動低減周波数fを2乗した値よりも、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が大きい場合には、弾性部材40の弾性率を大きくする。制御部32は、振動低減周波数fを2乗した値よりも、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が小さい場合には、弾性部材40の弾性率を小さくする。
図2に示すように、制御部32は、エンジン回転数Erを取得するエンジン回転数取得部60(回転数検出部)と、エンジン回転数Erに基づいて振動周波数f0を取得する振動周波数取得部62と、振動周波数f0とは逆位相の振動低減周波数fとマス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xに応じて磁場印加部50に供給する電流Iを決定する電流決定部64と、所定情報を記憶した記憶部66とを有する。
エンジン回転数取得部60は、燃料噴射制御部19からのエンジンパルスEpに基づいて、エンジン回転数Erを取得する。エンジンパルスEpは、例えば、図示しないピストンが上死点に来たときにハイレベルとされるものであり、エンジン18が4気筒エンジンであれば、図示しないクランク軸が1/2回転(180°回転)する毎にエンジンパルスEpがハイレベルとなる。
電流決定部64は、振動低減周波数fを2乗した値よりも、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が大きい場合には、磁場印加部50(電磁石51)に供給する電流Iを大きくする。これにより、弾性部材40の弾性率を大きくする。一方、電流決定部64は、振動低減周波数fを2乗した値よりも、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が小さい場合には、磁場印加部50(電磁石51)に供給する電流Iを小さくする。これにより、弾性部材40の弾性率を小さくする。
制御部32は、さらに、電極板44、45間の電気抵抗R、すなわち弾性部材40の電気抵抗Rを検出する抵抗検出部68と、弾性部材40の変形量Xを取得する変形量取得部70とを有する。
抵抗検出部68は、電極板44、45を介して弾性部材40にかけた電圧と電流の関係から、弾性部材40の電気抵抗Rを検出する。
変形量取得部70は、抵抗検出部68の検出値(検出された電気抵抗R)と、弾性部材40に印加すべく磁場印加部50により発生した磁場(印加磁場Bi)の強さとに基づいて、弾性部材40の変形量Xを演算する。
ここで、磁場が印加されておらず且つ変形が生じていない状態での弾性部材40の電気抵抗Rを初期抵抗Riとする。弾性部材40は、軸線Aと直行する平面に沿ったせん断方向に変形するとき、内部に分散された磁性粒子42同士が互いに離間して通電経路が伸長又は切断されるため、弾性部材40の電気抵抗Rは初期抵抗Riよりも増大する。
また、弾性部材40に磁場が印加され、磁場の強さに応じて磁性粒子42が磁気的結合を形成して網目構造(鎖状構造)を形成すると、磁性粒子42による網目構造は通電経路となるため、弾性部材40の電気抵抗Rは、初期抵抗Riよりも低下する。印加磁場Biが強くなるほど、磁性粒子42による磁気的結合が促進され、弾性部材40の電気抵抗Rは低下する。
このように、弾性部材40の電気抵抗Rは、弾性部材40の変形量X(変位)に加えて、電磁石51が生じる磁場の強さ(印加磁場Bi)によっても変化する。このため、電気抵抗Rを用いて弾性部材40の変形量Xを演算する際には、電磁石51が発生する磁場の強さも考慮する必要がある。
そこで、制御部32は、印加磁場Biの強さ毎に、弾性部材40の電気抵抗Rと変形量Xとの関係を予め定めた変形量マップを有する。この変形量マップは、記憶部66に記憶されている。変形量取得部70は、印加磁場Biと電気抵抗Rとに基づいて、変形量マップを参照することで弾性部材40の変形量Xを演算する。なお、変形量取得部70は、弾性部材40の変形量Xを演算する際に、印加磁場Biの強さに対応する電磁石51に供給する電流Iを使用してもよい。
本実施形態に係るダイナミックダンパ10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
上述したように、ダイナミックダンパ10Aにおいて、制御部32は、振動体の振動を低減する振動低減周波数fと、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xとの関係に応じて、弾性部材40の弾性率を変更するように磁場印加部50を制御する。図3は、ダイナミックダンパ10Aの制御部32による制御フロー図である。
制御部32は、エンジン回転数取得部60により取得したエンジン回転数Erに基づき、振動低減周波数fを取得し(ステップS1)、f2を算出する(ステップS2)。ここで、F=f2とする。
次に、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除した絶対値に所定の比例係数αを乗じた値(=Q)を算出する(ステップS3)。
次に、FとQとを比較し、F≠Qの場合(ステップS4でYES)、ステップS5に進む。ステップS5では、QがFより大きいか否かを判定する。QがFより大きい場合(ステップS5でYES)、電磁石51(コイル)にかける電流IをΔIだけ大きくする(ステップS6)。QがFよりも小さい場合(ステップS5でNO)、電磁石51(コイル)にかける電流IをΔIだけ小さくする(ステップS7)。
なお、制御の初期状態において、電流Iはゼロでもよく、あるいは、ゼロを超える所定の初期電流値を予め設定しておいてもよい。ΔIは、一定値でもよく、あるいは、FとQの差の絶対値の大きさに応じて予め設定されてもよい。例えば、FとQの差の絶対値が大きいほど、ΔIを大きくし、FとQの差の絶対値が小さいほど、ΔIを小さくしてもよい。
ステップS6又はステップS7において、電流Iを変更したら、ステップS1に戻る。
一方、ステップS4において、F≠Qでない場合(F=Qの場合)には、ステップS1に戻る。
なお、上記ステップS1〜ステップS7の処理は、制御部32における電流決定部64が行う。
ここで、系の運動方程式から、マス部材38の加速度a/弾性部材40の変形量Xと、弾性部材40のバネ定数K/マス部材38の重量Mとは、比例関係にある(a/X=−K/M)。また、ダイナミックダンパ10Aにおける振動低減周波数fは、f=(√(K/M))/2πで定義される。このことから、振動低減周波数fを2乗した値と、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値とが比例関係にあることから、その比例係数をαとするとき、f2=α・|a/X|の関係が成立するように、バネ定数Kを逐次変化する振動周波数f0に追従して制御することで、ダイナミックダンパ10Aの共振周波数を最適に抑制できることが分かる。よって、変動する振動周波数f0に追従して、上記のように弾性部材40の弾性率を変化させることで、振動体の振動を効果的に低減することができる。
よって、ダイナミックダンパ10Aの作動により、広い周波数範囲において、振動体(本実施形態では、サブフレーム16)の振動を低減することが可能となる。
なお、振動低減周波数fと、電磁石にかける基準電流Ibとの関係を予め定めた電流Iマップを記憶部66に予め記憶しておき、ステップS6では、電磁石51にかける電流Iを、振動低減周波数fに対応した基準電流Ib+ΔIに設定し、ステップS7では、電磁石51にかける電流Iを、振動低減周波数fに対応した基準電流Ib−ΔIに設定してもよい。すなわち、FとQの大小関係に応じて、振動低減周波数fに基づく基準電流Ibに対して、補正値としてΔIを加減算することによって、電流Iを決定し、弾性部材40の弾性率を変更してもよい。
図4は、ダイナミックダンパ10Aによる制振効果の一例を示すグラフである。図4において、横軸はエンジン回転数[rpm]であり、縦軸は振動レベル[dB]である。点線で示す特性Raが制御オフ時(非制振時)の特性であり、実線で示す特性Rbが制御オン時(制振時)の特性である。ステアリング装置に内蔵したダイナミックダンパ10Aの振動低減周波数fをエンジン回転数Erに追従して2次成分に同期させた場合、図4のように、広い周波数範囲において振動を低減することができた。
以上説明したように、ダイナミックダンパ10Aによれば、振動低減周波数fと、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xとの関係に応じて、磁場印加部50を制御する。従って、振動低減周波数fが変化した場合や、商品に適用した場合の製造ばらつきや、環境の温度や経年劣化によって弾性部材40の特性が変化した場合であっても、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xとに応じて弾性部材40の弾性率を変更することで、振動を効果的に低減することができる。
また、ダイナミックダンパ10Aの場合、制御部32は、振動低減周波数fを2乗した値よりも、マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に比例係数αを乗じた値が大きい場合には、弾性部材40の弾性率を大きくし(電磁石51にかける電流Iを大きくし)、振動低減周波数fを2乗した値よりも、前記マス部材38の加速度aを弾性部材40の変形量Xで除算した絶対値に比例係数αを乗じた値が小さい場合には、弾性部材40の弾性率を小さくする(電磁石51にかける電流Iを小さくする)。この構成により、振動体の振動を効果的に低減することができる。
さらに、ダイナミックダンパ10Aの場合、制御部32は、磁場印加部50により印加する磁場の強さ(印加磁場Bi)と、抵抗検出部68の検出値(電気抵抗R)に基づいて、弾性部材40の変形量Xを取得する。この構成により、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xを容易に検出することができる。よって、振動低減周波数fや弾性部材40の特性が変化した場合であっても、弾性部材40の弾性率を変化させることで振動を効果的に低減することができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係るダイナミックダンパ10Bの概略構成図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るダイナミックダンパ10Bは、弾性部材40の変形量Xを取得するための手段が、上述したダイナミックダンパ10Aと異なる。具体的には、このダイナミックダンパ10Bでは、磁場印加部50により印加され弾性部材40の内部を通過する磁場の強さ(検出磁場Bd)を検出する磁場検出部としてのホール素子72が設けられる。ホール素子72は、弾性部材40に支持され、弾性部材40の変形に応じて磁場印加部50に対する相対位置が変化するように配置される。なお、ダイナミックダンパ10Bの場合、マス部材38は、ブラケット35に固定された弾性部材40により支持される。
ホール素子72は、ホール効果を利用して磁場(磁界)を検出する公知の磁気センサである。ホール素子72は、薄膜状の半導体であり、主面に沿った第1の方向に沿って制御電流を入力するための入力端子を有し、主面に沿い、且つ第1の方向に直交する第2の方向に沿って出力電圧を出力するための出力端子を有する。ホール素子72は、主面に略直交する方向から磁場が印加されたときに、磁場の磁束密度と制御電流とに比例した出力電圧を出力端子から出力する。
ホール素子72は、弾性部材40の中央部に、主面が弾性部材40の各主面と平行になるように埋め込まれている。すなわち、ホール素子72は、その主面を軸線Aが通過するように配置されている。これにより、ホール素子72は、弾性部材40内に支持されている。
ホール素子72は、自身の位置における磁場の強さ(検出磁場Bd)に応じた出力電圧を出力する。すなわち、ホール素子72は、自身の位置における磁場の強さを検出する。電磁石51により発生して弾性部材40に印加する磁場(印加磁場Bi)が一定の場合に、弾性部材40が変形すると、ホール素子72と電磁石51との相対位置が変化するため、ホール素子72を通過する磁力線の数が変化し、ホール素子72の出力電圧、すなわちホール素子72が検出する磁場(検出磁場Bd)の強さが変化する。そのため、ホール素子72が検出した検出磁場Bdの変化量を利用して、弾性部材40の変形量Xを演算することができる。
本実施形態では、ホール素子72は、弾性部材40の軸線Aを通るように中央部に設けられ、電磁石51の軸線が弾性部材40の軸線Aと一致するように設けられている。そのため、弾性部材40がせん断方向に変形するほど、ホール素子72が電磁石51(コイル)の軸線からずれ、検出磁場Bdが小さくなる。
ここで、検出磁場Bdは、弾性部材40の変形量Xに加えて、電磁石が生じる磁場の強さ(印加磁場Bi)によっても変化する。このため、検出磁場Bdを用いて弾性部材40の変形量Xを演算する際には、印加磁場Biも考慮する必要がある。
そこで、ダイナミックダンパ10Bにおける制御部32aは、印加磁場Biの強さ毎に、検出磁場Bdと弾性部材40の変形量Xとの関係を予め定めた変形量マップを有する。この変形量マップは、記憶部66に記憶されている。変形量取得部70aは、印加磁場Biと検出磁場Bdとに基づいて、変形量マップを参照することで弾性部材40の変形量Xを演算する。変形量マップは、例えば、検出磁場Bdが小さくなるほど変形量Xが増加し、印加磁場Biが大きくなるほど検出磁場Bdに基づく変形量Xが大きくなるように定めるとよい。なお、変形量取得部70aは、弾性部材40の変形量Xを演算する際に、印加磁場Biに対応する電磁石51に供給する電流Iを使用してもよい。
以上説明したように、ダイナミックダンパ10Bによれば、制御部32aは、磁場印加部50により印加する磁場の強さ(印加磁場Bi)と、磁場検出部としてのホール素子72の検出値(検出磁場Bd)に基づいて、弾性部材40の変形量Xを取得する。この構成により、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xを容易に検出することができる。よって、振動低減周波数fや弾性部材40の特性が変化した場合であっても、弾性部材40の弾性率を変化させることで振動を効果的に低減することができる。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態に係るダイナミックダンパ10Cの概略構成図である。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るダイナミックダンパ10Cは、弾性部材40の変形量Xを取得するための手段が、上述したダイナミックダンパ10Aと異なる。具体的には、このダイナミックダンパ10Cでは、マス部材38に取り付けられた加速度センサ54(以下、第1加速度センサ54という)だけでなく、振動体(図6では、サブフレーム16)の加速度を検出する第2加速度センサ74(第2加速度検出部)が設けられる。なお、ダイナミックダンパ10Cの場合、マス部材38は、ブラケット35に固定された弾性部材40により支持される。
本実施形態の場合、第2加速度センサ74は、ブラケット35に一体的に固定されている。従って、第2加速度センサ74は、ブラケット35を介してサブフレーム16に固定されている。これにより、第2加速度センサ74は、サブフレーム16の振動方向(本実施形態では、上下方向)の加速度を検出する。なお、第2加速度センサ74は、振動体であるサブフレーム16に直接固定されてもよい。
制御部32bに設けられる変形量取得部70bは、第1加速度センサ54により検出されたマス部材38の加速度a(第1加速度)と、第2加速度センサ74により検出された振動体の加速度(第2加速度)とに基づいて、弾性部材40の変形量Xを演算する。具体的には、変形量取得部70bは、第1加速度と第2加速度との差分を2回積分することにより、弾性部材40の変形量Xを取得する。
上記のように構成された本実施形態に係るダイナミックダンパ10Cによれば、簡易な構成で、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xを容易に検出することができる。よって、振動低減周波数fや弾性部材40の特性が変化した場合であっても、弾性部材40の弾性率を変化させることで振動を効果的に低減することができる。
第3実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
なお、第1〜第3実施形態において、振動周波数f0と、弾性部材40の制御に係る電力指示値であるパラメータ値(電流値又は電圧値)との関係を予め定めたマップを記憶部66に記憶しておき、制御部32、32a、32bは、取得した振動周波数f0に基づき、記憶部66に記憶された当該マップを参照して、磁場印加部50を電力制御することにより、弾性部材40の弾性率を調整してもよい。
この制御の場合、エンジン回転数Erに基づく振動周波数f0が更新された場合(変化した場合)、まず、その時点のマップを参照して、該当する振動周波数f0に対応する電力指示値であるパラメータ値を読み込み、当該パラメータ値に従って電力制御(磁場印加部50に対する電力制御)を行う。これにより、制御追従性を向上させることができる。
次に、マップのパラメータ値に従う制御に代えて、図3を参照して説明した前述の制御(マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xとに応じて弾性部材40の弾性率を変更する制御)を行う。すなわち、制御部32、32a、32bは、マス部材38の加速度aと弾性部材40の変形量Xとから、現在の振動周波数f0による振動を低減するためのパラメータ値を算出し(図3では、ステップS6又はステップS7)、算出したパラメータ値に基づいて電力制御を行う。パラメータ値は、図3の制御フローの繰り返しにより、逐次更新(算出)される。
制御部32、32a、32bは、上記のパラメータ値の更新に合せて、電力制御も更新し、ダンパ本体30の共振周波数が、振動周波数f0と共振する振動低減周波数fと一致したとき(図3のステップS4において、F=Qとなったとき)に、マップを更新する。すなわち、マップにおいて、該当する振動周波数f0に対応するパラメータ値を、算出によって得られたパラメータ値に更新する。更新されたパラメータ値は、更新前のパラメータ値よりも振動低減周波数fに正確に対応するパラメータ値であるため、振動体の振動をより効果的に低減することができる。
制御部32、32a、32bは、マップにおける2点以上のパラメータ値を更新した際に、他のパラメータ値(更新されたパラメータ値の間の他の振動周波数f0に対応するパラメータ値、又はマップの最初と最後の振動周波数f0に対応するパラメータ値)は、補間(例えば、線形補間)により算出し、自動更新するとよい。これにより、すべての振動周波数f0に対応するパラメータ値の更新を実施する場合と比較して、演算処理の負荷を軽減することができる。
上記マップのパラメータ値は、振動周波数f0が変化した際の初期値として用いられる。さらに、電源が切られる際には更新したパラメータ値は記憶部66に保存され次回の動作時に使用される。なお、マップが保持する情報は、振動周波数f0とパラメータ値との関係を定めたものではなく、振動周波数f0と共振する振動低減周波数fとパラメータ値との関係を定めたものであってもよい。
上記マップを用いた制御により、調整すべき弾性部材40の制御に係るパラメータ値を迅速に取得することができるため、制御が簡単になり、制御応答性を向上させることができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
例えば、ダイナミックダンパ10A〜10Cにおいて、弾性体ユニット36は1つだけ設けられてもよい。
また、例えば、本発明は、サブフレーム16やステアリングホイール26に適用する他、車両の他の部位や装置、例えばエアコンプレッサの制振等にも適用することができる。
10A〜10C…ダイナミックダンパ 12…車両
32、32a、32b…制御部 38…マス部材
40…弾性部材 40A…弾性率可変材料
50…磁場印加部 54…加速度センサ(第1加速度センサ)
74…第2加速度センサ 60…エンジン回転数検出部
62…振動周波数取得部 64…電流決定部
66…記憶部 68…抵抗検出部
70、70a、70b…変形量取得部

Claims (5)

  1. 振動体の振動を抑制するダイナミックダンパであって、
    印加する磁場の大きさにより弾性率を可変とする弾性率可変材料で構成された弾性部材と、
    前記振動体に前記弾性部材を介して取り付けられたマス部材と、
    前記弾性部材に磁場を印加するとともに、印加する磁場の強さを変更可能な磁場印加部と、
    前記弾性部材の弾性率を変更するための制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記振動体の振動を低減する振動低減周波数と、前記マス部材の加速度と前記弾性部材の変形量との関係に応じて、前記弾性部材の弾性率を変更するように前記磁場印加部を制御
    前記制御部は、
    前記振動低減周波数を2乗した値よりも、前記マス部材の加速度を前記弾性部材の変形量で除算した絶対値に所定の比例係数を乗じた値が大きい場合には、前記弾性部材の弾性率を大きくし、
    前記振動低減周波数を2乗した値よりも、前記マス部材の加速度を前記弾性部材の変形量で除算した絶対値に前記比例係数を乗じた値が小さい場合には、前記弾性部材の弾性率を小さくする、
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 請求項1記載のダイナミックダンパにおいて、
    前記マス部材の加速度を検出する加速度検出部と、
    前記弾性部材の電気抵抗を検出する抵抗検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記磁場印加部により印加する磁場の強さと、前記抵抗検出部の検出値に基づいて、前記弾性部材の変形量を取得する、
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  3. 請求項1記載のダイナミックダンパにおいて、
    前記マス部材の加速度を検出する加速度検出部と、
    前記磁場印加部により印加され前記弾性部材の内部を通過する磁場の強さを検出する磁場検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記磁場印加部により印加する磁場の強さと、前記磁場検出部の検出値に基づいて、前記弾性部材の変形量を取得する、
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  4. 請求項1記載のダイナミックダンパにおいて、
    前記マス部材の加速度を検出する第1加速度検出部と、
    前記振動体の加速度を検出する第2加速度検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1加速度検出部により検出された第1加速度と、前記第2加速度検出部により検出された第2加速度との差分を2回積分することにより、前記弾性部材の変形量を取得する、
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のダイナミックダンパにおいて、
    エンジン回転数を検出する回転数検出部と、
    前記回転数検出部により検出されたエンジン回転数に基づいて、エンジン又は前記エンジンからの振動が伝達されて振動する前記振動体の振動周波数を取得する振動周波数取得部と、
    前記振動周波数取得部により取得された前記振動周波数又は前記振動周波数と共振する前記振動低減周波数に対応する前記弾性部材の制御に係るパラメータ値を予め記憶した記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記弾性部材の弾性率を調整する、
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
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