JP5322575B2 - レーザー彫刻用樹脂組成物、画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版、及びレリーフ印刷版の製造方法 - Google Patents

レーザー彫刻用樹脂組成物、画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版、及びレリーフ印刷版の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー彫刻用樹脂組成物、画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版、及びレリーフ印刷版の製造方法に関する。
支持体表面積に積層された感光性樹脂層に凹凸を形成して印刷版を形成する方法としては、感光性組成物を用いて形成したレリーフ形成層に、原画フィルムを介して紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液により除去する方法、いわゆる「アナログ製版」がよく知られている。
レリーフ印刷版は、凹凸を有するレリーフ層を有する凸版印刷版であり、このような凹凸を有するレリーフ層は、主成分として、例えば、合成ゴムのようなエラストマー性ポリマー、熱可塑性樹脂などの樹脂、或いは、樹脂と可塑剤との混合物を含有する感光性組成物を含有するレリーフ形成層をパターニングし、凹凸を形成することにより得られる。このようなレリーフ印刷版うち、軟質なレリーフ層を有するものをフレキソ版と称することがある。
レリーフ印刷版をアナログ製版により作製する場合、一般に銀塩材料を用いた原画フィルムを必要とするため、原画フィルムの製造時間及びコストを要する。更に、原画フィルムの現像に化学的な処理が必要で、かつ現像廃液の処理をも必要とすることから、更に簡易な版の作製方法、例えば、原画フィルムを用いない方法、現像処理を必要としない方法などが検討されている。
近年は、原画フィルムを必要とせず、走査露光によりレリーフ形成層の製版を行う方法が検討されている。
原画フィルムを必要としない手法として、レリーフ形成層上に画像マスクを形成可能なレーザー感応式のマスク層要素を設けたレリーフ印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。これらの原版の製版方法によれば、画像データに基づいたレーザー照射によりマスク層要素から原画フィルムと同様の機能を有する画像マスクが形成されるため、「マスクCTP方式」と称されており、原画フィルムは必要ではないが、その後の製版処理は、画像マスクを介して紫外光で露光し、未硬化部を現像除去する工程であり、現像処理を必要とする点でなお改良の余地がある。
現像工程を必要としない製版方法として、レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。直彫りCTP方式は、文字通りレーザーで彫刻することにより、レリーフとなる凹凸を形成する方法で、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができるという利点がある。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、或いは、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をする、なども可能である。
しかしながら、所定の厚みを有するレリーフ形成層に印圧に耐える凹凸を有するレリーフを形成するには高エネルギーを要し、レーザー彫刻の速度が遅いため、マスクを介して画像形成するタイプに比較し、生産性が低いという問題がある。
このため、レリーフ原版の感度を向上させることが試みられており、例えば、エラストマー発泡体を含むレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この技術では、レリーフ形成層に密度の低い発泡体を用いることで、彫刻感度の向上を図っているが、低密度の材料であるため印刷版としての強度が不足し、耐刷性が著しく損なわれるという問題がある。
また、例えば、特許文献4〜6には、レーザー彫刻可能なフレキソ版原版、或いはレーザー彫刻によって得られたフレキソ版が開示されている。これら文献では、バインダーとしてエラストマー性のゴムにモノマーを混合し、熱重合機構或いは光重合機構によりこれら混合物を硬化させた後、レーザー彫刻を行い、フレキソ版を得ている。
直彫りCTP方式が有する課題として、レーザー彫刻の速度が遅いことが挙げられる。これはマスクCTP方式では、アブレーションすべき対象のマスク層要素の厚さが1〜10μm程度であるのに対し、直彫りCTP方式では直接レリーフを形成する機能上、少なくとも100μmは彫刻する必要があるためである。
そのため、レーザー彫刻感度の向上を図った提案が、下記のように、いくつかなされている。
例えば、エラストマー発泡体を含むレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。この技術では、密度の低い発泡体を用いることで、彫刻感度の向上を図っているが、低密度の材料であるため印刷版としての強度が不足し、耐刷性が著しく損なわれるという問題がある。
例えば、炭化水素系の気体を封入したマイクロスフィアを含有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献8参照。)。この技術では、レーザーで発生する熱によりマイクロスフィア内の気体が膨張して、被彫刻材料を崩壊させるシステムにより、彫刻感度の向上を図っているが、気泡を含む材料系なので、印刷版としての強度は不足しやすいという問題がある。また、気体は固体に比べて熱で膨張しやすい性質があり、熱変形開始温度の高いマイクロスフィアを選択しても、外温の変化による体積変化はさけられないことから、厚み精度の安定性が要求される印刷版に、気泡を含む材料を用いることは適していない。
例えば、天井温度が600度K未満の高分子充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂凸版印刷版が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。この技術では、解重合温度の低い高分子充填剤を添加することで彫刻感度の向上を図っているが、このような高分子充填剤を用いると、印刷版原版の表面に凹凸がついてしまい、印刷品質に重大な影響を与えるといった問題を有する。
以上のように、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に好適に用いうる樹脂組成物に関しては、種々の技術が提案されているが、レーザー彫刻に供した際の彫刻感度が高いものは、未だ提供されていないのが現状である。
特許第2773847号公報 特開平9−171247号公報 特開2002−357907号公報 特許第2846954号公報 特開平11−338139号公報 特開平11−170718号公報 特開2000−318330号公報 米国特許出願公開2003/180636号明細書 特開2000−168253号公報
本発明は以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、レーザー彫刻に供した際の彫刻感度が高いレーザー彫刻用樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、彫刻感度が高く、レーザー彫刻により直接製版が可能な画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、及び該レリーフ印刷版原版を用いたレリーフ印刷版の製造方法、並びに該製造方法により得られたレリーフ印刷版を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> (A)2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する多官能重合性化合物、及び、(B)バインダーポリマーを少なくとも含有するレーザー彫刻用樹脂組成物。
<2> 前記(A)多官能重合性化合物において、炭素−硫黄結合が、−C−S−、−C−SS−、−NH(C=S)O−、−NH(C=O)S−、−NH(C=S)S−、及び−C−SO−から選択される少なくとも1つのユニットである前記<1>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
<3> (C)700nm〜1300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を更に含有する前記<1>又は<2>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
<4> 前記<1>〜<3>のいずれか1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる画像形成材料。
<5> 前記<1>〜<3>のいずれか1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
<6> 前記<1>〜<3>のいずれか1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物を光及び/又は熱により架橋してなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
<7> (1)前記<5>に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋する工程、及び、(2)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むレリーフ印刷版の製造方法。
<8> 前記(1)工程が、前記レリーフ形成層を熱により架橋する工程である前記<7>に記載のレリーフ印刷版の製造方法。
<9> 前記<7>又は<8>に記載のレリーフ印刷版の製造方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版。
<10> 前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である前記<9>に記載のレリーフ印刷版。
<11> 前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である前記<9>又は<10>に記載のレリーフ印刷版。
本発明によれば、レーザー彫刻に供した際の彫刻感度が高いレーザー彫刻用樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、彫刻感度が高く、レーザー彫刻により直接製版が可能な画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、及び該レリーフ印刷版原版を用いたレリーフ印刷版の製造方法、並びに該製造方法より得られたレリーフ印刷版を提供することができる。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物、画像形成材料、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版、及びレリーフ印刷版の製造方法について詳細に説明する。
[レーザー彫刻用樹脂組成物]
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(A)2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する多官能重合性化合物、及び(B)バインダーポリマーを少なくとも含有する。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物については、単に、「本発明の樹脂組成物」とも称する。
本発明の樹脂組成物は、レーザー彫刻に供した際の彫刻感度が高いことから、高速でレーザー彫刻を行うことができるので、彫刻時間についても短縮することができる。このような特徴を有する本発明の樹脂組成物は、レーザー彫刻が施される樹脂造形物の形成用途に、特に限定なく広範囲に適用することができる。例えば、本発明の樹脂組成物の適用態様として、具体的には、レーザー彫刻により画像形成を行う画像形成材料の画像形成層、凸状のレリーフ形成をレーザー彫刻により行う印刷版原版のレリーフ形成層、凹版、孔版、スタンプ、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の樹脂組成物は、レーザー彫刻により画像形成を行う画像形成材料の画像形成層、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層に、特に好適に用いることができる。以下、レーザー彫刻用樹脂組成物の構成要素について説明する。
<(A)2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する多官能重合性化合物>
本発明の樹脂組成物は、(A)2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する多官能重合性化合物(以下、適宜、「含硫黄多官能モノマー」と称する。)を含有する。
本発明における含硫黄多官能モノマー中の炭素−硫黄結合を含んだ官能基としては、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルファミン酸、チオアミド、チオカルバメート、ジチオカルバメート、又はチオ尿素を含む官能基が挙げられる。
彫刻感度の観点から、好ましくは、ジスルフィド、チオカルバメート、又はジチオカルバメートを含む官能基であり、より好ましくはジスルフィドを含む官能基である。
また、含硫黄多官能モノマーにおける2つのエチレン性不飽和結合間を連結する炭素−硫黄結合を含有する連結基としては、−C−S−、−C−SS−、−NH(C=S)O−、−NH(C=O)S−、−NH(C=S)S−、及び−C−SO−から選択される少なくとも1つのユニットであることが好ましく、中でも、彫刻感度をより高めるといった観点から、−C−SS−、−NH(C=S)O−、−NH(C=O)S−、−NH(C=S)S−ガ好ましく、−C−SS−が最も好ましい。
また、含硫黄多官能モノマーの分子内に含まれる硫黄原子の数は1つ以上であれば特に制限は無く、目的に応じて、適宜選択することができるが、彫刻感度と塗布溶剤に対する溶解性のバランスの観点から、1個〜10個が好ましく、1個〜5個がより好ましく、1個〜2個が更に好ましい。
一方、分子内に含まれるエチレン性不飽和部位の数は2つ以上であれば特に制限は無く、目的に応じて、適宜選択することができるが、架橋膜の柔軟性の観点で、2個〜10個が好ましく、2個〜6個がより好ましく、2個〜4個が更に好ましい。
含硫黄多官能モノマーに含まれるエチレン性不飽和部位としては、例えば、下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される部分構造が好適であるが、重合物の分解性の観点から、好ましくは一般式(1)〜(3)のいずれかで表される部分構造であり、より好ましくは、一般式(1)で表される部分構造である。
なお、本発明における含硫黄多官能モノマーにおいて、下記一般式(1)〜(5)のいずれかの部分構造は、1分子中に同種のものが2つ以上存在していてもよいし、異種のものが2つ以上存在していてもよい。
Figure 0005322575
まず、一般式(1)〜(3)について説明する。
一般式(1)〜(3)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、−N−R−、スルホニル基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R−、スルホニル基、又はフェニレン基を表す。ここで、Rは、水素原子、又は1価の有機基をあらわす。
前記一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。
としては、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基など有機基が挙げられ、中でも、具体的には、水素原子、メチル基、メチルアルコキシ基、メチルエステル基が好ましい。
また、R及びRとしては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、これらの基に導入しうる置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
Xとしては、酸素原子、硫黄原子、又は、−N−R−が好ましく、Rとしては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。
前記一般式(2)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。
〜Rとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、これらの基に導入しうる置換基としては、一般式(1)において導入しうる置換基として挙げたものが例示される。
Yとしては、酸素原子、硫黄原子、又は−N−R−が好ましく、Rとしては、一般式(1)におけるのと同様のものが挙げられる。
前記一般式(3)において、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。
〜R11としては、具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、これらの基に導入しうる置換基としては、一般式(1)において導入しうる置換基として挙げたものが例示される。
Zとしては、酸素原子、硫黄原子、−N−R−、又はフェニレン基が好ましく、Rとしては、一般式(1)におけるものと同様のものが挙げられる。
また、本発明における含硫黄多官能モノマーには、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される部分構造の他に、エチレン性不飽和部位間を結ぶ連結基Lを含む。ここで、Lは炭素−硫黄結合を含む2価以上の連結基を表す。熱分解性の観点から、連結基Lは、炭素−硫黄結合以外に、エステル結合を有していることが好ましく、より好ましくは、エステル結合と水酸基とを同時に有する態様である。
連結基Lに含まれる炭素−硫黄結合を有する官能基としては、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルファミン酸、チオアミド、チオカルバメート、ジチオカルバメート、又はチオ尿素を含む官能基が挙げられる。彫刻感度の観点から、好ましくは、ジスルフィド、チオカルバメート、又はジチオカルバメートを含む官能基であり、より好ましくはジスルフィドを含む官能基である。
また、連結基Lは、炭素−硫黄結合を有する官能基の他に炭化水素基を含むことが好ましく、特に、合計の炭素数が1〜10となることがより好ましい。中でも、連結基Lは、複数の炭素数1〜6の炭化水素基が、エステル等の炭化水素基以外の構造を介して連結されたものを含むことが好ましい。炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基等が好ましい。また、連結基Lを構成する炭化水素基以外の構造としては、エステル結合の他、アミド結合、ウレア結合、ウレタン結合、エーテル結合、カルボニル基等が好ましいものとして挙げられるが、エステルが最も好ましい。また、この炭化水素基は、1価の置換基によって適宜置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基などが好ましく用いられる。特に、連結基Lを構成する炭化水素基としては、水酸基で置換されている炭化水素基が好ましい。また、連結基Lは、一つのエチレン性不飽和結合当たり1つ〜5つの炭化水素基を含む構造であることが好ましい。
前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される部分構造を有する含硫黄多官能モノマーとして好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、下記具体例中のRは水素原子又はメチル基を示しており、これらは同じでも異なっていてもよい。
Figure 0005322575
Figure 0005322575
Figure 0005322575
Figure 0005322575
Figure 0005322575
Figure 0005322575
次に、下記一般式(4)、(5)で表される部分構造について説明する。
Figure 0005322575
上記一般式(4)中、R12は、水素原子、又はメチル基を表す。
13は置換可能な任意の原子又は原子団を表す。
kは0〜4の整数を表す。
一般式(5)中、R14は、水素原子、又はメチル基を表す。
15は置換可能な任意の原子又は原子団を表す。
mは0〜4の整数を表す。
は対アニオンを表す。
また、このようなピリジニウム環は、2つのR15が結合してベンゼン環を形成することで、ベンゼン環縮合したベンゾピリジニウムの形をとってもよい、この場合においては、キノリウム基及びイソキノリウム基を含む。
13及びR15で表される原子又は原子団としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、これらの基に導入しうる置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
また、Aで表される対アニオンとしては、F、Cl、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、BAr (Arは、任意の数のフッ素原子又はCFに置換されていてもよいアリール基を表し、4つのArはそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)、CFSO 、p−CHSO 、CHSO 、CFCOOが挙げられる。
ここで、本発明における含硫黄多官能モノマーには、前記一般式(4)又は(5)で表される部分構造の他に、エチレン性不飽和部位間を結ぶ連結基Lを含む。この連結基Lは、前述の連結基Lと同義であり、好ましい例も同様である。
以下に、一般式(4)、又は(5)で表される部分構造を有する含硫黄多官能モノマーとして好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、具体例中のRは、水素原子又はメチル基を示しており、これらは同じでも異なっていてもよい。
Figure 0005322575
Figure 0005322575
Figure 0005322575
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本発明における含硫黄多官能モノマーは、(1)硫黄原子含有ジカルボン酸とエチレン性不飽和結合含有エポキシとの反応、(2)硫黄原子含有ジオールとエチレン性不飽和結合含有イソシアネートとの反応、(3)ジチオールとエチレン性不飽和結合含有イソシアネートとの反応、(4)ジイソチオシアネートとエチレン性不飽和結合含有アルコールとの反応、(5)硫黄原子含有ジオールと(メタ)アクリル酸誘導体とのエステル化反応、などを用いて合成することができる。これらの反応においては、任意の溶媒や触媒、縮合剤などを適切な量で用いることができ、反応条件についても適切なものを用いることができる。
以下、(1)〜(5)の反応について、具体的に説明する。
前記(1)の反応において、好ましい溶媒としては、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル類(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセタミド等)が挙げられる。中でも、原料の溶解性と反応後の溶媒除去の容易さの観点から、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、ケトン類、アルコール類、エステル類がより好ましく、アルコール類、エステル類が特に好ましい。
(1)の反応において、エチレン性不飽和結合含有エポキシは、硫黄原子含有ジカルボン酸に対して1.6当量〜3.5当量用いることが好ましく、1.8当量〜3.0当量用いることがより好ましく、2.0当量〜2.5当量用いることが更に好ましい。
また、(1)の反応において、触媒には、プロトン酸(硫酸、p−トルエンスルホン酸等)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等)、四級アンモニウム塩(臭化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等)が好ましく用いられ、収率の点でホスフィン類、四級アンモニウム塩が好ましく、臭化テトラエチルアンモニウムが更に好ましい。
用いる触媒の量は、硫黄原子含有ジカルボン酸に対して0.00001当量〜0.5当量が好ましく0.00005当量〜0.1当量がより好ましく、0.0001当量〜0.05当量が更に好ましい。
前記(2)、(3)、及び(4)の反応において、好ましい溶媒としては、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等)、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセタミド等)が挙げられる。中でも、原料の溶解性と反応後の溶媒除去の容易さの観点から、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、ケトン類、エステル類がより好ましく、ケトン類、エステル類が特に好ましい。
また、(2)、(3)、及び(3)の反応では、スズ触媒やビスマス触媒を用いてもよいが、環境の観点でビスマス触媒がより好ましい。
前記(5)の反応には、例えば、「日本化学会編、実験化学講座第4版、P.43−83」に記載の方法を適用することができるが、原料入手性や製造の容易さの観点から、原料の(メタ)アクリル酸誘導体が、(a)(メタ)アクリル酸、(b)(メタ)アクリル酸クロリド、(c)(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等)、(d)(メタ)アクリル酸無水物である方法が好ましく用いられ、中でも、上記の(a)、(c)、又は(d)である方法がより好ましく、(c)、又は(d)である方法が更に好ましい。
(5)の反応に、原料の(メタ)アクリル酸誘導体として上記(c)(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合には、溶媒を用いてもよいが、反応性の観点から、無溶媒で行うことが好ましい。この際、硫黄原子含有ジオールに対して、(メタ)アクリル酸エステルを1.6〜20当量用いることが好ましく、1.8〜15当量用いることがより好ましく、2.0〜10当量用いることが更に好ましい。
また、上記のように(c)を用いた場合には、触媒には、酸(硫酸、p−トルエンスルホン酸等)、塩基(ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、N,N−ジメチルアミノピリジン等)、金属類(チタンテトライソプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等)を好ましく用いることができるが、中性条件で反応できる金属類がより好ましく、チタンテトライソプロポキシドが更に好ましい。
この際、用いる触媒の量は、硫黄原子含有ジオールに対して0.001当量〜0.5当量が好ましく、0.002当量〜0.1当量がより好ましく、0.005当量〜0.05当量が更に好ましい。
(5)の反応に、原料の(メタ)アクリル酸誘導体として上記(d)(メタ)アクリル酸無水物を用いた場合には、好ましい溶媒として、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等)、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセタミド等)が挙げられ、原料の溶解性と反応後の溶媒除去の容易さの観点から、ニトリル類、ケトン類、炭化水素類がより好ましく、炭化水素類が更に好ましい。
この際、硫黄原子含有ジオールに対して、(メタ)アクリル酸無水物を1.6当量〜3.5当量用いることが好ましく、1.8当量〜3.0当量用いることがより好ましく、2.0当量〜2.5当量用いることが更に好ましい。
また、(5)の反応には塩基が用いられる。この塩基としては、三級アミン類(トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等)、芳香族含窒素複素環類(ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1−メチルイミダゾール、ピラジン、キノリン等)、金属塩(酢酸ナトリウム、t−ブトキシカリウム等)が好ましく、反応速度や原料コストの点で、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、1−メチルイミダゾールがより好ましく、トリエチルアミンが更に好ましい。
このような塩基は、硫黄原子含有ジオールに対して1.6当量〜3.5当量用いることが好ましく、1.8当量〜3.0当量用いることがより好ましく、2.0当量〜2.5当量用いることが更に好ましい。
ここで、N,N−ジメチルアミノピリジンは単独では触媒兼塩基として機能する化合物である。そのため、N,N−ジメチルアミノピリジンと他の塩基とを併用する場合には、N,N−ジメチルアミノピリジンの使用量は触媒量となる。このように、N,N−ジメチルアミノピリジンと他の塩基とを併用し、N,N−ジメチルアミノピリジンを触媒量用いる態様では、反応性が向上し、反応時間短縮や収率向上の効果が得られる場合がある。この態様の際、N,N−ジメチルアミノピリジンは硫黄原子含有ジオールに対して0.01当量〜0.6当量用いることが好ましく、0.05当量〜0.4当量用いることがより好ましく、0.1当量〜0.2当量用いることが更に好ましい。
また、本発明における含硫黄多官能モノマーは、市販品を用いてもよい。
本発明における含硫黄多官能モノマーの分子量としては、形成される膜の柔軟性の観点から、好ましくは120〜3000であり、より好ましくは120〜1500である。
また、本発明における含硫黄多官能モノマーは単独で用いてもよいが、分子内に硫黄原子を持たない多官能重合性化合物や単官能重合性化合物との混合物として用いてもよい。 彫刻感度の観点からは、含硫黄多官能モノマー単独で用いる、若しくは、含硫黄多官能モノマーと単官能エチレン性モノマーとの混合物として用いる態様が好ましく、より好ましくは、含硫黄多官能モノマーと単官能エチレン性モノマーとの混合物として用いる態様である。
本発明の樹脂組成物においては、含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物を用いることにより、膜物性、例えば、脆性、柔軟性などを調整することもできる。
また、本発明の樹脂組成物中の含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物の総含有量は、架橋膜の柔軟性や脆性の観点から、組成物中の不揮発性成分に対して、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜40質量%の範囲がより好ましい。
なお、含硫黄多官能モノマーと他の重合性化合物とを併用する場合、全重合性化合物中の含硫黄多官能モノマーの量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
本発明において、含硫黄多官能モノマーと併用しうる、分子内に硫黄原子を持たない重合性化合物(以下、単に、「多官能モノマー」と称する。)は、末端エチレン性不飽和結合を2個〜20個有する化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1、3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1、4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1、3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1、3−ブタンジオールジイタコネート、1、4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1、6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1、6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol。20、No。7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
本発明において、含硫黄多官能モノマーと併用しうる、単官能重合性化合物(以下、単に「単官能モノマー」と称する。)は末端エチレン性不飽和結合を1個有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。単官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と単官能のアルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と単官能の脂肪族アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
単官能の脂肪族アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート等がある。
単官能の脂肪族アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N、N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等がある。
本発明の樹脂組成物は、前述のような含硫黄多官能モノマーを含有することを特徴としており、彫刻感度に優れるといった効果を有するものである。
本発明における含硫黄多官能モノマーは、分子内に、炭素−炭素結合よりも結合解離エネルギーの小さい炭素−硫黄結合を有している。このような含硫黄多官能モノマーは、光及び/熱により架橋するが、得られた架橋物を熱分解させる際には、炭素−炭素結合からのみからなるモノマーに比べて、より低温で炭素−硫黄結合が開裂するといった特性を有する。このように、含硫黄多官能モノマーは、該モノマーから得られた架橋物が、低温熱分解特性を有しているため、この架橋物に対しレーザーを照射し、照射部分を消散や飛散させるといった、レーザー彫刻に供した際に、その彫刻感度を高めることができると推測される。
本発明の樹脂組成物は、(A)含硫黄多官能モノマー、後述の(B)バインダーポリマー以外に、赤外線レーザーに対応させるため、(C)700nm〜1300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤(以下、単に、「光熱変換剤」と称する場合がある。)を含有することが好ましい態様である。
このような態様の樹脂組成物に対応する、近赤外レーザーを使用したレーザー彫刻は、(1)(C)光熱変換剤による光吸収 → (2)(C)光熱変換剤による光熱変換 → (3)光熱変換剤から近傍に存在する(B)バインダーポリマー及び/又は(A)含硫黄多官能モノマーの架橋物(重合物)への熱伝達 → (4)バインダー及び/又は(A)含硫黄多官能モノマーの架橋物(重合物)の熱分解 → (5)分解した(B)バインダーポリマー及び/又は(A)含硫黄多官能モノマーの架橋物(重合物)の消散や飛散、という5つの過程から構成されると考えられる。
ここで、(A)含硫黄多官能モノマーは、上記のごとく、低温熱分解特性を有しているので、この低温熱分解特性によって、上記(4)の過程において、熱分解が促進される効果によって、レーザー彫刻感度が非常に高くなっているものと考えられる。特に、C−SS結合、−NH−C(=O)−S−結合、−NH−C(=S)−S−結合を有する含硫黄多官能モノマーを用いた場合にこの効果は大きい。これは、C−S−C結合よりも、S−S結合や、C(=O)−S結合、C(=S)−S結合の結合解離エネルギーが小さいためと考えられる。特に、C−SS結合の場合にこの効果は顕著である。
本発明の樹脂組成物において、(A)含硫黄多官能モノマーと組み合わせる(B)バインダーポリマーとしては、後述するが、ポリ乳酸のようなポリ(ヒドロキシカルボン酸)エステルの場合に、彫刻感度向上効果が顕著である。これは、上記(4)の過程において、(B)バインダーポリマーが熱分解する際に発生する求核性の部位が、(A)含硫黄多官能モノマーの架橋物(重合物)に求核攻撃することによって、該架橋物の分解を促進するためと推定される。また、上記(4)の過程の際に、(B)バインダーポリマーとして解重合し易いものを用いた場合は、より細かいフラグメントへと分解されるために、上記(5)の過程において、分解物の消散が効果的に起こり彫刻感度が向上するものと考えられる。
以下、本発明の樹脂組成物の必須成分である(B)バインダーポリマー、更には、任意成分である(C)700nm〜1300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤、重合開始剤等について、説明する。
<(B)バインダーポリマー>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、バインダーポリマーを含有する。
バインダーポリマーは、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される主成分であり、通常は、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどを、目的に応じて用いる。
例えば、レーザー彫刻感度の観点からは、露光或いは加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。
また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。
更に、レーザー彫刻用樹脂組成物を、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層に適用する場合であれば、レリーフ形成層用組成物の調製の容易性、得られたレリーフ印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点からは、親水性又は親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。
加えて、例えば、加熱や露光により硬化させ、強度を向上させる目的に使用する場合には、バインダーポリマーとして、分子内に炭素−炭素不飽和結合をもつポリマーが選択される。
このように、レーザー彫刻用樹脂組成物の適用用途に応じた物性を考慮し、目的に応じたバインダーポリマーを選択し、当該バインダーポリマーの1種を、或いは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の、レーザー彫刻用樹脂組成物中でのバインダーポリマーの総量は、組成物の全固形分中、1質量%〜99質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜80質量%である。
以下、本発明においてバインダーポリマーとして用いうる各種ポリマーについて説明する。
(分解性を有するポリマー)
レーザー彫刻感度の観点から好ましく用いられるバインダーポリマーとしては、露光、加熱などのエネルギー付与により分解する部分構造をもつポリマー(分解性を有するポリマー)が挙げられる。
分解性を有するポリマーとしては、分子鎖中に、分解、切断され易い部分構造を有するモノマー単位として、スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、上記以外のエステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等を含むポリマーが挙げられる。
これらの中でも、特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、或いは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーが、分解性の観点から好ましく挙げられる。
また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。このような観点からは、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物が好適に挙げられる。
例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマーは、主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、このような熱分解性ポリマーに対し、重合性不飽和基を導入することも容易である。
また、分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸などのヒドロキシルカルボン酸ユニットからなるポリエステルを用いることができる。このようなポリエステルとしては、具体的には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、乳酸系ポリマー、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(ブチレンコハク酸)、これらの誘導体又は混合物から成る群から選択されるものが好ましい。
(熱可塑性ポリマー)
レーザー彫刻感度の観点から好ましく用いられるバインダーポリマーの1つとして、熱可塑性ポリマーが挙げられる。
熱可塑性ポリマーとしては、エラストマーであっても非エラストマーの樹脂であってもよく、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物の目的に応じて選択すればよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの熱可塑性エラストマーのレーザー彫刻感度を向上させる目的で、エラストマーの主鎖に、カルバモイル基、カーボネート基等の易分解性官能基を導入したものを用いることもできる。また、熱可塑性ポリマーと前記熱分解性ポリマーと混合して用いてもよい。
熱可塑性エラストマーは、常温ではゴム弾性を示す材料であり、分子構造としては、ポリエーテル或いはゴム分子のようなソフトセグメントと、常温付近では加硫ゴムと同じく塑性変形を防止するハードセグメントからなり、ハードセグメントとしては凍結相、結晶相、水素結合、イオン架橋など種々のタイプが存在する。このような熱可塑性エラストマーは、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を、例えば、フレキソ版などの可撓性を必要とするレリーフ印刷版の製造に適用する場合に好適である。
熱可塑性エラストマーの種類は、目的に応じて選択され、例えば、耐溶剤性が要求される場合、ウレタン系、エステル系、アミド系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましく、耐熱性が要求される場合、ウレタン系、オレフィン系、エステル系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの種類を選択することにより、樹脂組成物により形成される膜の硬度を大きく変えることができる。
非エラストマー性の樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー(例えばポリビニルアルコール誘導体)を挙げることができる。
(親水性又は親アルコール性ポリマー)
本発明で用いるバインダーポリマーとしては、親水性又は親アルコール性のものが彫刻後のカスの除去性の観点で好ましい。親水性ポリマーとして詳細には、後述するもの挙げられるが、中でも、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマーが好ましい。また、親水性又は親アルコール性バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール等のポリマーも好適に用いることができる。
バインダーポリマーの好適な態様の1つである親水性ポリマーについて詳述する。
親水性ポリマーとは、水溶解性又は水膨潤性のポリマーを指す。ここで、本発明において、「水溶解性」とは、25℃の水に5質量%以上溶解することを指し、また、「水膨潤性」とは、25℃の水に5質量%になるように加えた際に、吸水して膨張し、目視で見たときに溶解はしていないが、明らかな固体状(粉末状)の沈殿物は無い状態であることを指す。
親水性ポリマーとしては、単独のポリマーを用いてもよいし、複数種のポリマーを用いてもよい。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、セルロースをはじめとする親水性官能基を有する多糖類、ポリアクリル酸ナトリウムのような酸性官能基が中和された塩構造やアミノ基が中和された塩構造やオニウム構造を含むアクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂やポリエステル樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。
親水性ポリマーとしては、良好な親水性を示す点で、ヒドロキシエチレンを含む親水性ポリマー、アミノ基又はカルボン酸基/スルホン酸基/硫酸基及びこれらが中和された塩構造などの極性基含有セルロース、アミノ基又はカルボン酸基/スルホン酸基/硫酸基及びこれらが中和された塩構造などの極性基含有アクリル樹脂、ポリアミド樹脂が好ましい。より好ましくは、ヒドロキシエチレンを含む親水性ポリマー、アミノ基又はカルボン酸基/スルホン酸基/硫酸基及びこれらが中和された塩構造などの極性基含有アクリル樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、更に好ましくはポリビニルアルコール類、ポリアミド樹脂である。
親水性ポリマーとして特に好ましくは、皮膜性とUVインキに対する耐性があるという観点から、ポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体から選択されるポリマーである。
本発明においてPVA及びその誘導体とは、ヒドロキシエチレン単位を0.1モル%以上100モル%以下、好ましくは1モル%以上98モル%以下、更に好ましくは5モル%以上95モル%以下含有する共重合体或いは重合体並びにそれらの変性体を包含する。
ビニルアルコール構造単位とともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、公知の共重合可能なモノマーから適宜選定することができる。
PVA及びその誘導体の中でも、特に好ましくは、PVA及びビニルアルコール/酢酸ビニル共重合体(部分鹸化ポリビニルアルコール)を例示することができ、これらの変性体もこれに該当する。
親水性ポリマーとしては、特に、PVA及びその誘導体から選択される1種以上と、ヒドロキシエチレン単位を含まない親水性ポリマー(以下、適宜「非PVA誘導体」とも称する。)と、を併用してもよい。
親水性ポリアミドの合成法としては、以下に示すものが挙げられる。
ε−カプロラクタム及び/又はアジピン酸を、両末端アミン変性のポリエチレングリコールと反応させることでポリエチレングリコール単位を有するポリアミドが得られ、ピペラジンと反応させることでピペラジン骨格を有する親水性ポリアミドが得られる。また、親水性ポリアミドのアミド基とグリシジルメタクリレートのエポキシ基とを反応させることで、架橋性の官能基がポリマー中に導入された親水性ポリアミドが得られる。これら非PVA誘導体は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
PVA誘導体の例として、ヒドロキシエチレン単位の水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基に変性したポリマー、当該水酸基の一部を(メタ)アクロイル基に変性したポリマー、当該水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性したポリマー、当該水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体を導入したポリマーなどが挙げられる。
水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基に変性したポリマーは、ポリビニルアルコール或いは部分鹸化ポリビニルアルコールと、例えばコハク酸、マレイン酸やアジピン酸のような多官能カルボン酸とでエステル化することによって得ることができる。当該ポリマーにおけるカルボキシル基の導入量は、水酸基1モルに対して、0.01モル〜1.00モルが好ましく、0.05モル〜0.80モルが更に好ましい。
水酸基の少なくとも一部を(メタ)アクロイル基に変性したポリマーは、上記カルボキシル基変性ポリマーにグリシジル(メタ)アクリレートを付加することによって、又はポリビニルアルコール或いは部分鹸化ポリビニルアルコールと(メタ)アクリル酸とでエステル化することによって得ることができる。当該ポリマーにおける(メタ)アクロイル基の導入量は、水酸基1モルに対して0.01モル〜1.00モルが好ましく、0.03モル〜0.50モルが更に好ましい。なお、(メタ)アクロイル基との表記は、アクロイル基及び/又はメタクロイル基を総称するものである。なお、(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを総称するものである。また、(メタ)アクリル酸等もこれと同様である。
水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性したポリマーは、ポリビニルアルコール或いは部分鹸化ポリビニルアルコールと、例えばカルバミン酸のようなアミノ基を含有するカルボン酸とでエステル化することによって得ることができる。当該ポリマーにおけるアミノ基の導入量は、当該水酸基1モルに対して0.01モル〜1.00モルが好ましく、0.05モル〜0.70モルが更に好ましい。
水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体を導入したポリマーは、ポリビニルアルコール或いは部分鹸化ポリビニルアルコールとグリゴール類を硫酸触媒のもと加熱し、副生成物である水を反応系外に取り除くことによって得ることができる。当該ポリマーにおけるエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体の総導入量は、水酸基1モルに対して0.01モル〜0.90モルが好ましく、0.03モル〜0.50モルが更に好ましい。
PVA誘導体の変性体の中でも、水酸基の少なくとも一部を(メタ)アクロイル基に変性したポリマーが特に好ましく用いられる。親水性ポリマーに未反応の架橋性官能基を直接導入することで、前述の(A)含硫黄多官能モノマーを多量に用いることなく、本発明の樹脂組成物を架橋させた際の架橋物の強度を高めることができ、該架橋物の柔軟性と強度とを両立することができるからである。また、このような態様のレーザー彫刻用樹脂組成物をレリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した場合には、このレリーフ形成層の柔軟性と強度とを両立することができる。
また、非PVA誘導体とは、PVA及びその誘導体と相溶性を示す程度に極性が近いものを意味する。
非PVA誘導体として具体的には、例えば、アジピン酸や1,6−ヘキサンジアミン、ε−カプロラクタムのみの重合によって得られる非水溶性ポリアミドに、ポリエチレングリコールやピペラジンのような親水性基を導入した親水性ポリアミドが挙げられる。親水性ポリアミドは、その親水性基の働きでPVA誘導体との相溶性が発現するため、非PVA誘導体として用いるのに好適である。つまり、このような親水性ポリアミドは、PVA及びその誘導体との相溶性が良好であり、PVA及びその誘導体の分子間に容易に入り込むために、2種のポリマーの分子間力が低下し、ポリマーが柔軟化される。
(疎水性ポリマー)
本発明におけるバインダーポリマーとしては、比較的疎水性のバインダーポリマーを用いてもよい。
比較的疎水性のバインダーポリマーとしては、製膜時の膜硬度や柔軟性、共存する重合性化合物や開始剤のような他の成分との相溶性等の性質を調整するために、以下に示すようなモノマーを重合又は共重合成分として含むポリマーを使用することもできる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。本発明においては、これらを単独で、若しくは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記重合成分のモノマーとしては、皮膜性の観点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。この中で、アクリレート類が、得られるポリマーの柔軟性確保の点で特に好ましい。
その他、バインダーポリマーとしては、以下のポリマーを用いることもできる。
即ち、主鎖にオレフィン及び炭素−炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマーが挙げられ、例えば、SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
(炭素−炭素不飽和結合を有するポリマー)
バインダーポリマーとしては、分子内に炭素−炭素不飽和結合をもつポリマーを好適に用いることができる。該炭素−炭素不飽和結合は、ポリマーの主鎖、側鎖のいずれかに存在すればよく、双方に存在していてもよい。以下、炭素−炭素不飽和結合を単に「不飽和結合」と称することがあり、また、主鎖或いは側鎖末端に存残する炭素−炭素不飽和結合を「重合性基」と称することがある。
炭素−炭素不飽和結合をポリマーの主鎖に有する場合、ポリマー主鎖の片末端、両末端、主鎖中のいずれに有してもよい。また、炭素−炭素不飽和結合をポリマーの側鎖に有する場合、該不飽和結合は主鎖構造に直接結合してもよく、適切な連結基を介して結合していてもよい。
主鎖に炭素−炭素不飽和結合を含むポリマーとしては、例えば、SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
側鎖に炭素−炭素不飽和結合をもつポリマーとして、メタクリロイル基のような反応性の高い重合性不飽和基を有するポリマーを用いた場合、極めて機械的強度の高い被膜を作製することができる。特にポリウレタン系、ポリエステル系熱可塑性エラストマーでは、比較的簡単に分子内に反応性の高い重合性不飽和基を導入することが可能である。
バインダーポリマー中に不飽和結合或いは重合性基を導入する際には、重合性基に保護基を結合させてなる重合性基前駆体を有する構造単位をポリマーに共重合させ、保護基を脱離させて重合性基とする方法、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する高分子化合物を作製し、その後、上記反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば、水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて、高分子反応により、重合性基を導入する方法など、公知のいずれの方法をとることができる。これらの方法によれば、高分子化合物中への不飽和結合、重合性基の導入量を制御することができる。
このような不飽和結合を有するポリマーは、不飽和結合を有さないポリマーと併用することも好ましい。即ち、上記炭素−炭素不飽和結合を有するポリマーのオレフィン部分に水素を付加させて得られるポリマーや、オレフィン部分に水素添加したモノマー、例えば、ブタジエンやイソプレン等に水素添加したモノマーを原料としてポリマーを形成して得られるポリマーなどは、相溶性に優れることから併用し、バインダーポリマーが有する不飽和結合の量を調整することもできる。
これらを併用する場合、不飽和結合を有さないポリマーは、不飽和結合をもつポリマー100質量部に対して、一般的に1質量部〜90質量部、好ましくは5質量部〜80質量部の割合で用いることができる。
なお、後述するように、他の重合性化合物を併用する場合など、バンダーポリマーに硬化性を必要としない態様では、バインダーポリマーに不飽和結合は必ずしも必須ではなく、不飽和結合を有しない各種ポリマーのみをバインダーポリマーとして用いることもできる。そのような場合の不飽和結合を有しないポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、などが好ましく挙げられる。
本発明に用いうる不飽和結合を有する、或いは、有しないバインダーポリマーの数平均分子量は、0.1万から100万の範囲が好ましい。より好ましい範囲としては、0.5万から50万である。数平均分子量が0.1万から100万の範囲であれば、形成される被膜の機械的強度を確保することができる。数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品に対して評価したものである。
本発明におけるバインダーポリマーの重量平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算)は、0.5万〜50万が好ましい。重量平均分子量が0.5万以上であれば、単体樹脂としての形態保持性に優れ、50万以下であれば、水など溶媒に溶解しやすくレーザー彫刻用樹脂組成物を調製するのに好都合である。バインダーポリマーの重量平均分子量は、より好ましくは1万〜40万、特に好ましくは1.5万〜30万である。
バインダーポリマーの含有量は、レーザー彫刻用樹脂組成物の固形分全質量に対し15質量%〜79質量%が好ましく、30質量%〜65質量%がより好ましい。
例えば、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物をレリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した場合、親水性ポリマーの含有量を15質量%以上とすることで、得られたレリーフ印刷版を印刷版として使用するに足る耐刷性が得られ、また、79質量%以下とすることで、他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版をフレキソ印刷版とした際においても印刷版として使用するに足る柔軟性を得ることができる。
本発明においては、(A)含硫黄多官能モノマーと、ポリ乳酸等のポリ(ヒドロキシカルボン酸)エステルと、を併用した際に、彫刻感度をより向上させることができる。これは、前述の如く、ポリ乳酸の解重合の際、発生する活性種が(A)含硫黄多官能モノマーに求核攻撃することにより、該モノマーの分解も促進するためと考えられる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、必須成分として上述した(A)含硫黄多官能モノマー及び(B)バインダーポリマーと共に、光熱変換剤、重合開始剤、可塑剤等の任意成分を含むことが好ましい。以下、これらの各成分について詳述する。
<(C)光熱変換剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、700nm〜1300nmの光を吸収可能な光熱変換剤を含有することが好ましい。即ち、本発明における光熱変換剤は、700nm〜1300nmに極大吸収波長を有する化合物である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を、700nmから1300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、赤外線吸収剤として光熱変換剤が用いられる。光熱変換剤は、レーザー光を吸収し、発熱して該樹脂組成物の熱分解を促進する。本発明において使用される光熱変換剤は、波長700nmから1300nmに吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の光熱変換剤の好ましい他の例としては、特開2002−278057号に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましい。
本発明において、好適に用いることのできるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638号の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360号の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
下記一般式(6)で表される色素、及び一般式(7)で表される色素は、光熱変換性の観点から好ましい。
Figure 0005322575
一般式(6)中、R16〜R19は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R20及びR21は、各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは、各々独立に、0〜4の整数を示す。R16とR17、又はR18とR19はそれぞれ結合して環を形成してもよく、また、R16及び/又はR17はR20と、また、R18及び/又はR18はR21と結合して環を形成してもよく、更に、R20或いはR21が複数存在する場合に、R20同士或いはR21同士は互いに結合して環を形成してもよい。X01及びX02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X01及びX02の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。A は対アニオンを示す。ただし、一般式(6)で示される色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはA は必要ない。好ましいA は、レーザー彫刻用樹脂組成物の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(6)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0005322575
Figure 0005322575
一般式(7)中、R22〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示し、これらの基に置換基が導入可能な場合は、置換基を有してもよい。Mは、2つの水素原子、金属原子、ハロメタル基、又はオキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(7)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 0005322575
Figure 0005322575
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μmから10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μmから1μmの範囲にあることが更に好ましく、特に0.1μmから1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径を0.01μm以上にすると、塗布液中での分散安定性が増し、また、10μm以下にすると樹脂組成物から形成された層の均一性が良好になる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
本発明における光熱変換剤の好適な態様の1つは、彫刻感度が高い点から、シアニン系化合物及びフタロシアニン系化合物から選択される少なくとも1種の化合物である。更に、これらの光熱変換剤の熱分解温度が、バインダーポリマーとして好適な親水性ポリマーの熱分解温度同等以上という組み合わせ(条件)で使用する場合に更に彫刻感度が高くなる傾向であり好ましい。
本発明で用いうる光熱変換剤の具体例としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、インドリウム系色素、ベンズインドリウム系色素、ベンゾチアゾリウム系色素、キノリニウム系色素、顕色剤と反応させたフタリド化合物等のうち、700nm〜1300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられる。置換基の種類及び分子内での位置、共役結合の数、対イオンの種類、色素分子の存在する周囲の環境などにより、光吸収特性が極めて大きく変化する。
また、一般に市販されているレーザー色素、過飽和吸収色素、近赤外線吸収色素を使用することもできる。例えば、レーザー色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)の商標「ADS740PP」、「ADS745HT」、「ADS760MP」、「ADS740WS」、「ADS765WS」、「ADS745HO」、「ADS790NH」、「ADS800NH」、株式会社林原生物化学研究所社製の商標「NK−3555」、「NK−3509」、「NK−3519」を挙げることができる。また、近赤外線吸収色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)商標「ADS775MI」、「ADS775MP」、「ADS775HI」、「ADS775PI」、「ADS775PP」、「ADS780MT」、「ADS780BP」、「ADS793EI」、「ADS798MI」、「ADS798MP」、「ADS800AT」、「ADS805PI」、「ADS805PP」、「ADS805PA」、「ADS805PF」、「ADS812MI」、「ADS815EI」、「ADS818HI」、「ADS818HT」、「ADS822MT」、「ADS830AT」、「ADS838MT」、「ADS840MT」、「ADS845BI」、「ADS905AM」、「ADS956BI」、「ADS1040T」、「ADS1040P」、「ADS1045P」、「ADS1050P」、「ADS1060A」、「ADS1065A」、「ADS1065P」、「ADS1100T」、「ADS1120F」、「ADS1120P」、「ADS780WS」、「ADS785WS」、「ADS790WS」、「ADS805WS」、「ADS820WS」、「ADS830WS」、「ADS850WS」、「ADS780HO」、「ADS810CO」、「ADS820HO」、「ADS821NH」、「ADS840NH」、「ADS880MC」、「ADS890MC」、「ADS920MC」、山本化成株式会社製、商標「YKR−2200」、「YKR−2081」、「YKR−2900」、「YKR−2100」、「YKR−3071」、有本化学工業株式会社製、商標「SDO−1000B」、株式会社林原生物化学研究所社製、商標「NK−3508」、「NKX−114」を挙げることができる。ただし、これらのみに限定されるものではない。
また、顕色剤と反応させたフタリド化合物は、特許第3271226号公報に記載されているものを用いることもできる。また、リン酸エステル金属化合物、例えば特開平6−345820号公報、WO99/10354号パンフレットに記載のあるリン酸エステルと銅塩との複合体を用いることもできる。更に、近赤外線領域に光吸収特性を有する数平均粒子径が好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.08μm以下の超微粒子を用いることもできる。例えば、酸化イットリウム、酸化錫及び/又は酸化インジウム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、或いは金、銀、パラジウム、白金等の金属などを挙げることもできる。更に、数平均粒子径が5μm以下、より好ましくは1μm以下の、ガラス等の微粒子中に銅、錫、インジウム、イットリウム、クロム、コバルト、チタン、ニッケル、バナジウム、希土類元素のイオン等の金属イオンを添加したものを用いることもできる。また、他の成分と反応し光吸収波長が変化するような色素の場合、マイクロカプセル中に含有させることもできる。その場合、カプセルの数平均粒子径は、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。イオン交換体微粒子に銅、錫、インジウム、イットリウム、希土類元素等の金属イオンを吸着させたものを用いることもできる。イオン交換体微粒子としては、有機系樹脂微粒子であっても無機系微粒子であっても構わない。無機系微粒子としては、例えば非晶質リン酸ジルコニウム、非晶質ケイリン酸ジルコニウム、非晶質ヘキサメタリン酸ジルコニウム、層状リン酸ジルコニウム、網状リン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、ゼオライト等を挙げることができる。有機系樹脂微粒子としては、通常使用されているイオン交換樹脂、イオン交換セルロース等を挙げることができる。
本発明における光熱変換剤の他の好適な態様は、カーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。好適なカーボンブラックの例は、Printex(登録商標)U、Printex(登録商標)A又はSpezialschwarz(登録商標)4(Degussaより)を含む。
本発明に適用しうるカーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が少なくとも150m/g及びDBP数が少なくとも150ml/100gである、伝導性カーボンブラックが好ましい。
この比表面積は好ましくは、少なくとも250、特に好ましくは少なくとも500m/gである。DBP数は好ましくは少なくとも200、特に好ましくは少なくとも250ml/100gである。上述したカーボンブラックは酸性の又は塩基性のカーボンブラックであってよい。カーボンブラックは、好ましくは塩基性のカーボンブラックである。異なるバインダーの混合物も当然に、使用され得る。
約1500m/gにまで及ぶ比表面積及び約550ml/100gにまで及ぶDBP数を有する適当な伝導性カーボンブラックが、例えば、Ketjennlack(登録商標)EC300J、Ketjennlack(登録商標)EC600J(Akzoより)、Prinrex(登録商標)XE(Degussaより)又はBlack Pearls(登録商標)2000(Cabotより)、ケッチェンブラック(ライオン(株)製)の名称で、商業的に入手可能である。
レーザー彫刻用樹脂組成物中おける光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、該樹脂組成物の固形分全質量の0.01質量%〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05質量%〜10質量%、特に好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲である。
<(D)重合開始剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue, 93, 435 (1993) やR.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A:Chemistry,73.81 (1993); J.P.Faussier, “Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications”:Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998); M.Tsunooka et al., Prog.Polym.Sci., 21, 1 (1996)等に多く記載されている。また、F.D.Saeva, Topics in Current Chemistry, 156, 59 (1990); G.G.Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993); H.B.Shuster et al,JACS, 112,6329 (1990); I.D.F.Eaton et al, JACS, 102, 3298 (1980)等に記載されているような、酸化的若しくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
以下、好ましい重合開始剤の具体例に関し、光及び/又は熱のエネルギーによってラジカルを発生し、(A)含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物と重合反応を開始、促進させる化合物であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)芳香族ケトン類
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(a)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0005322575
中でも、特に好ましい(a)芳香族ケトン類の例としては、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 0005322575
(b)オニウム塩化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(b)オニウム塩化合物としては、下記一般式(8)〜(10)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 0005322575
一般式(8)中、ArとArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下のアリール基を示す。
(Zはハロゲンイオン、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
一般式(9)中、Arは、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下のアリール基を示す。
(Zは(Zと同義の対イオンを表す。
一般式(10)中、R37、R38、及びR39は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。
(Zは(Zと同義の対イオンを表す。
本発明において、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、本出願人が先に提案した特開2001−133969号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものや特開2001−343742号公報の段落番号[0015]〜[0046]に記載されたもの、また、特開2002−148790号公報、特開2001−343742号公報、特開2002−6482号公報、特開2002−116539号公報、特開2004−102031号公報記載の特定の芳香族スルホニウム塩化合物などを挙げることができる。
(c)有機過酸化物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3’4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ
−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
中でも、3,3’4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(d)チオ化合物
本発明で用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(d)チオ化合物としては、下記一般式(11)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0005322575
一般式(11)中、R40は、アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、R41は、水素原子、又はアルキル基を示す。また、R40とR41は、互いに結合して酸素、硫黄及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
上記一般式(11)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すR40及びR41を有する化合物等が挙げられる。
Figure 0005322575
(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(f)ケトオキシムエステル化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(f)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(g)ボレート化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(g)ボレート化合物の例としては、下記一般式(12)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005322575
一般式(12)中、R42、R43、R44、及びR45は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアルキニル基、又は置換若しくは非置換の複素環基を示し、R42、R43、R44、及びR45はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R42、R43、R44、及びR45のうち、少なくとも1つは置換若しくは非置換のアルキル基である。(Zはアルカリ金属カチオン又は第4級アンモニウムカチオンを示す。
一般式(12)で示される化合物例として、具体的には、米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物、及び以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 0005322575
(h)アジニウム化合物
本発明に用いられるラジカル重合開始剤として好ましい(h)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号並びに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(i)メタロセン化合物
本発明に用いられるラジカル重合開始剤として好ましい(i)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物並びに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−4−トリル−スルホニル)アミノ〕フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−オキサヘプチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ〕フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロベンゾイル)アミノ〕フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−クロロベンゾイル)アミノ〕フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕
チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、等を挙げることができる。
(j)活性エステル化合物
本発明に用いられるラジカル重合開始剤として好ましい(j)活性エステル化合物としては、特公昭62−6223記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物
本発明に用いられるラジカル重合開始剤として好ましい(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、下記一般式(13)〜(19)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005322575
一般式(13)中、Xは、ハロゲン原子を表し、Yは、−C(X、−NH、−NHR47、−NR47、又は−OR47を表し、R46は、−C(X、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、又は置換アルケニル基を表す。R47は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表す。
Figure 0005322575
一般式(14)中、R48は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコキシル基、ニトロ基、又はシアノ基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表す。
Figure 0005322575
一般式(15)中、R49は、アリール基又は置換アリール基を表し、R50は、以下に示す基、又はハロゲン原子を表し、Zは、−C(=O)−、−C(=S)−、又は−SO−を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは1又は2を表す。
Figure 0005322575
51、R52は、それぞれ、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基又は置換アリール基であり、R53は一般式(13)中のR46と同じである。
Figure 0005322575
一般式(16)中、R54は置換されていてもよいアリール基又は複素環基を表し、R55は炭素原子1〜3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケニル基を表し、pは1、2、又は3を表す。
Figure 0005322575
一般式(17)は、トリハロゲノメチル基を有するカルボニルメチレン複素環式化合物を表す。
一般式(17)中、Lは、水素原子、又は、−CO−(R56(CXで表される基を表し、Qは、硫黄原子、セレン原子、酸素原子、ジアルキルメチレン基、アルケン−1,2−イレン基、1,2−フェニレン基、又は−N−R(Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)基を表し、Mは、置換又は非置換の、アルキレン基又はアルケニレン基であるか、1,2−アリーレン基を表し、R57は、アルキル基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基であり、R56は、炭素環式又は複素環式の2価の芳香族基を表し、Xは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、q=0及びr=1であるか、q=1及びr=1又は2である。
Figure 0005322575
一般式(18)は、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチルフェニル)オキサゾール誘導体を表す。
一般式(18)中、Xはハロゲン原子を表し、tは1〜3の整数を表し、sは1〜4の整数を表し、R58は、水素原子、又は−CH(3−t)(Xで表される基を表し、R59はs価の置換されていてもよい不飽和有機基を表す。
Figure 0005322575
一般式(19)は、2−(ハロゲノメチルフェニル)−4−ハロゲノオキサゾール誘導体を表す。
一般式(19)中、Xはハロゲン原子を表し、vは1〜3の整数を表し、uは1〜4の整数を表し、R60は、水素原子、又は−CH(3−v)(Xで表される基を表し、R61はu価の置換されていてもよい不飽和有機基を表す。
このような炭素−ハロゲン結合を有する化合物の具体例としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2’,4’−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、下記化合物等を挙げることができる。或いは更にM.P.Hutt、E.F.Elslager及びL.M.Herbel著「Journalof Heterocyclic chemistry」第7巻(No.3)、第511頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができる次のような化合物群、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
Figure 0005322575
Figure 0005322575

(l)アゾ系化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明においては、(A)含硫黄多官能モノマーと組み合わせる重合開始剤の好ましい例としては、上述の(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(i)メタロセン化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物を挙げることができ、感度と、レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
通常、レリーフのエッジ形状を良化させるべく硬度を上げると彫刻感度が下がるが、(A)含硫黄多官能モノマーと上記のような好ましい重合開始剤とを用いることで、彫刻感度を下げることなくエッジ形状を良化させることができる。これはおそらく、重合開始剤中の酸素原子や窒素原子が(A)含硫黄多官能モノマーの硫黄原子との相互作用を形成し、両成分が近接して存在することで重合度が上がり硬度が上がるため、エッジ形状が良化すると共に、また、(A)含硫黄多官能モノマーの低温熱分解特性により、重合度が上がることによる感度の低下を抑制しているものと予想される。
本発明における重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
重合開始剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは0.01質量%〜10質量%、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の割合で添加することができる。
<(F)可塑剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、メチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等がある。また、可塑剤として、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)がある。
可塑剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物により形成された膜を柔軟化する作用を有するものであり、バインダーポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。一般に、バインダーポリマーに対しては、親水性の高い化合物が相溶性が良好である。親水性の高い化合物の中でも、例えば、直鎖にヘテロ原子を含むエーテル化合物や2級アミンなどの親水性基と疎水性基が交互に続く構造をとるものが好ましく用いられる。−O−や−NH−のような親水性基の存在がPVA及びその誘導体との相溶性を発現し、それ以外の疎水性基がPVA及びその誘導体の分子間力を弱めて柔軟化に働くためである。
また、可塑剤としては、PVA及びその誘導体との間に水素結合を形成しうる水酸基の少ない化合物が好ましく用いられる。このような化合物に該当するのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びこれらの二量体、三量体、及び四量体以上の単独多量体や共多量体、ジエタノールアミン、ジメチロールアミンのような2級アミン類である。これらの中でも、立体障害が小さく相溶性にすぐれ、毒性が低いエチレングリコール類(単量体、二量体、三量体、多量体)が可塑剤として特に好ましく用いられる。
エチレングリコール類は、その分子量により3種類に大別される。第一に単量体であるエチレングリコール、第二に二量体であるジエチレングリコールと三量体であるトリエチレングリコール、第三に四量体以上のポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは、分子量200〜700の液状ポリエチレングリコールと分子量1000以上の固体ポリエチレングリコールに大別され、語尾に平均分子量をつけた名称で市販されているものを用いてもよい。
可塑剤の分子量が低分子であるほど、樹脂を柔軟化する効果が高いことから、可塑剤のとして特に好ましく用いられるのは、第一のグループであるエチレングリコール、第二のグループであるジエチレングリコール及びトリエチレングリコール、第三のグループに含まれるテトラエチレングリコール(四量体)であるが、中でも、毒性が低く、樹脂組成物中からの抽出がなく取り扱い性に優れる点で、より好ましく用いられる可塑剤は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールである。また、これらの2種以上の混合物も好ましく用いられる。
可塑剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物の固形分全質量に対し30質量%以下の範囲で添加することができる。
<彫刻感度向上のための添加剤>
−ニトロセルロース−
彫刻感度向上のための添加剤として、ニトロセルロースを加えることがより好ましい。ニトロセルロースは自己反応性化合物であるため、レーザー彫刻時、自身が発熱し、共存する親水性ポリマー等のバインダーポリマーの熱分解をアシストする。その結果、彫刻感度が向上すると推定される。
ニトロセルロースの種類は、熱分解可能である限り特に制限されず、RS(regular soluble)タイプ,SS(spirit soluble)タイプ及びAS(alcohol soluble)タイプのいずれであってもよい。ニトロセルロースの窒素含量は、通常、10質量%〜14質量%程度、好ましくは11質量%〜12.5質量%、更に好ましくは11.5質量%〜12.2質量%程度である。ニトロセルロースの重合度も、例えば、10〜1500程度の広い範囲で選択できる。好ましいニトロセルロースの重合度は、例えば、10〜900、特に15〜150程度である。好ましいニトロセルロースには、JIS K6703「工業用ニトロセルロース」(ハーキュレスパウダー社の粘度表示法)による溶液粘度が20秒〜1/10秒、好ましくは10秒〜1/8秒程度のニトロセルロースが含まれる。ニトロセルロースとしては、溶液粘度5秒〜1/8秒、特に1秒〜1/8秒程度のニトロセルロースを用いることができる。
なお、レーザー彫刻用樹脂組成物が含有しうるニトロセルロースとしては、酢酸エチルなどのエステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンやセロソルブなどのエーテル類に可溶なRSタイプのニトロセルロース(例えば、窒素含量11.7%〜12.2%程度のニトロセルロース)を用いることができる。
ニトロセルロースは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。ニトロセルロースの含有量は、レーザー彫刻用樹脂組成物の感度を低下させない範囲で選択でき、例えば、(B)バインダーポリマー及び(A)含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物100質量部に対して、5質量部〜300質量部、好ましくは20質量部〜250質量部、更に好ましくは50質量部〜200質量部であり、40〜200質量部であることが好ましい。
−高熱伝導性物質−
彫刻感度向上のための添加剤として、熱伝達を補助する目的で、高熱伝導性物質を加えることがより好ましい。
高熱伝導性物質としては、例えば、金属粒子等の無機化合物、導電性ポリマー等の有機化合物が挙げられる。
金属粒子としては、粒径がマイクロメートルオーダーから数ナノメートルオーダーの、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子が好ましい。
導電性ポリマーとしては、一般に知られる導電性ポリマーを好適に用いることができる。導電性ポリマーの中でも、特に共役ポリマーが好ましく、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアセチレン及びこれらの誘導体が好ましく、高感度であるという点でポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体が更に好ましく、特に好ましくはポリアニリンである。ポリアニリンを用いる場合、エメラルディンベース又はエメラルディン塩のどちらの形態で添加してもよいが、熱伝達効率が高い点でエメラルディン塩であることが好ましい。
金属粒子及び導電性ポリマーとしては、アルドリッチ社、和光純薬(株)、東京化成工業(株)、三菱レイヨン(株)、Panipol社などから提供される市販品を用いることもできる。例えば、熱伝達効率向上の点で最も好ましいのは、「aquaPASS−01x」(三菱レイヨン(株)製)、「Panipol−W」(Panipol社製)、「Panipol−F」(Panipol社製)である。
導電性ポリマーを用いる場合には、水分散液或いは水溶液の形態で樹脂組成物に添加することが好ましい。その理由は、前述のように、本発明におけるバインダーポリマーの好ましい態様として、親水性ポリマー及び親アルコール性ポリマーが挙げられ、かかるポリマーを用いる場合、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製する際の溶媒は水やアルコール系溶媒になることから、導電性ポリマーを水分散液或いは水溶液の形態で添加することで、親水性又は親アルコール性ポリマーとの相溶性が良好になり、延いては、レーザー彫刻用樹脂組成物により形成される膜の強度を高め、かつ熱伝達効率向上に由来する彫刻感度を向上させうるためである。
<共増感剤>
共増感剤を用いることで、レーザー彫刻用樹脂組成物を光硬化させる際の感度を更に向上させることができる。その作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、重合開始剤により開始される光反応とそれに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(i)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(ii)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(iii)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、若しくは連鎖移動剤として作用するものに分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては通説がない場合も多い。
本発明に適用しうる共増感剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(i)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂して、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂して、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、ヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂して、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂して、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(ii)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂して、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には、例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂して、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げることができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等を挙げることができる。
(iii)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、若しくは連鎖移動剤として作用する化合物
このような化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンゾオキサゾール類、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例としては、例えば、特開平9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されており、それらを本発明においても適用することができる。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。なお、下記具体例中、−TMSはトリメチルシリル基を表す。
Figure 0005322575
共増感剤に関しても、先の光熱変換剤と同様、更に、レーザー彫刻用樹脂組成物の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、(A)含硫黄多官能モノマーや光熱変換剤、その他のパートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
共増感剤は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。
レーザー彫刻用樹脂組成物中における共増感剤の含有量は、(A)含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物100質量部に対し、0.05質量部〜100質量部が好ましく、より好ましくは1質量部〜80質量部、更に好ましくは3質量部〜50質量部の範囲である。
<重合禁止剤>
本発明においては、組成物の製造中或いは保存中において(A)含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。
適当な熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、レーザー彫刻用樹脂組成物の全質量に対して0.01質量%〜5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を禁止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の0.5質量%〜10質量%が好ましい。
<着色剤>
更に、レーザー彫刻用樹脂組成物の着色を目的として染料若しくは顔料等の着色剤を添加してもよい。これにより、画像部の視認性や、画像濃度測定機適性といった性質を向上させることができる。
着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。着色剤の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
<その他の添加剤>
更に、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化皮膜の物性を改良するために充填剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
充填剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛、シリカ、アルミナ、アルミニウム、炭酸カルシウムなどが挙げられ、単独又はこれらの混合物として用いられる。
[画像形成材料]
本発明の画像形成材料は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなることを特徴とする。
このような、本発明の画像形成材料は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物をレーザー彫刻することで、2次元や3次元の画像の画像を形成しうるものであれば特に制限されず、後述するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版をはじめ、3次元造形物、印章、アブレーションマスク層、凹版印刷版等に適用することができる。
[レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版]
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。このレリーフ形成層は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を光及び/又は熱により架橋してなるレリーフ形成層であってもよい。
なお、レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、必要により更に、支持体とレリーフ形成層との間に接着層を、また、レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
<レリーフ形成層>
レリーフ形成層は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、架橋性を有する層である。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版によるレリーフ印刷版の作製態様としては、レリーフ形成層を架橋させ、次いでレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してレリーフ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するレリーフ印刷版を得ることができる。
レリーフ形成層中のバインダーポリマーの含有量は、レリーフ形成層の固形分全質量に対し30質量%〜80質量%が好ましく、40質量%〜70質量%がより好ましい。バインダーポリマーの含有量を30質量%以上とすることで原版のコールドフローを防止することが可能で、80質量%以下とすることで他の成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
レリーフ形成層中の重合開始剤の含有量は、レリーフ形成層の固形分全質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量を0.01質量%以上とすることで架橋性レリーフ形成層の架橋が速やかに行われ、10質量%以下とすることで他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
レリーフ形成層中の重合性化合物の含有量は、レリーフ形成層の固形分全質量に対し10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜40質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量を10質量%以上とすることでレリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られ、60質量%以下とすることでレリーフ印刷版として使用するに足る強度が得られるためである。
レリーフ形成層は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を、シート状或いはスリーブ状に成形することで形成することができる。
<支持体>
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版に使用しうる支持体について説明する。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版に支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET、PBT、PAN)やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
<接着層>
レリーフ形成層と支持体の間には、両層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用しうる材料は、レリーフ形成層が架橋された後において接着力を強固にするものであればよく、レリーフ形成層が架橋される前も接着力が強固であることが好ましい。ここで、接着力とは支持体/接着層間及び接着層/レリーフ形成層間の接着力の両者を意味する。
支持体/接着層間の接着力は、支持体/接着層/レリーフ形成層からなる積層体から接着層及びレリーフ形成層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上又は剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上又は剥離不能であることがより好ましい。
接着層/レリーフ形成層の接着力は、接着層/レリーフ形成層から接着層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上又は剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上又は剥離不能であることがより好ましい。
接着層に使用しうる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
<保護フィルム、スリップコート層>
レリーフ形成層は、レーザー彫刻後レリーフが造形される部分(レリーフ層)となり、そのレリーフ層表面はインキ着肉部として機能する。架橋後のレリーフ形成層は架橋により強化されているので、レリーフ形成層表面に印刷に影響を及ぼすほどの傷や凹みが発生することはほとんどない。しかし、架橋前のレリーフ形成層は強度が不足している場合が多く、表面に傷や凹みが入りやすい。かかる観点からは、レリーフ形成層表面への傷・凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。
保護フィルムは、薄すぎると傷・凹み防止の効果が得られず、厚すぎると取り扱いが不便になり、コスト高にもなる。よって、保護フィルムの厚さは25μm〜500μmが好ましく、50μm〜200μmがより好ましい。
保護フィルムは、印刷版の保護フィルムとして公知の材質、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はプレーンでもよいし、マット化されていてもよい。
レリーフ形成層上に保護フィルムを設ける場合、保護フィルムは剥離可能でなければならない。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。
スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。これらの中で、粘着性の面から、鹸化度60モル%〜99モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール、アルキル基の炭素数が1〜5のヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。
レリーフ形成層(及びスリップコート層)/保護フィルムから保護フィルムを200mm/分の速度で剥離する時、1cm当たりの剥離力が5mN/cm〜200mN/cmであることが好ましく、10mN/cm〜150mN/cmが更に好ましい。5mN/cm以上であれば、作業中に保護フィルムが剥離することなく作業でき、200mN/cm以下であれば無理なく保護フィルムを剥離することができる。
−レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の作製方法−
次に、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の作製方法について説明する。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レリーフ形成層用塗布液組成物(レーザー彫刻用樹脂組成物)を調製し、このレリーフ形成層用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。或いはレリーフ形成層用塗布液組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して塗布液組成物から溶媒を除去する方法でもよい。
その後、必要に応じてレリーフ形成層の上に保護フィルムをラミネートしてもよい。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶媒を含浸させたレリーフ形成層に保護フィルムを密着させることよって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
レリーフ形成層用塗布液組成物は、例えば、バインダーポリマー、及び、任意成分として、光熱変換剤、可塑剤を適当な溶媒に溶解させ、次いで、含硫黄多官能ポリマーをはじめとする重合性化合物及び重合開始剤を溶解させることによって製造できる。
溶媒成分のほとんどは、レリーフ印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶媒としては揮発しやすい低分子アルコール(例えば、エタノール)等を用い、かつ溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。系を高温にすることで、溶媒の添加量を抑制することができるが、温度が高すぎると重合性化合物が重合反応し易くなるため、重合性化合物及び/又は重合開始剤の添加後の塗布液組成物の調製温度は30℃〜80℃が好ましい。
ここで、本発明において、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版といった場合、レリーフ形成層が架橋された状態までを指す。レリーフ形成層を架橋する方法には、後述の本発明のレリーフ印刷版の製造方法における(1)工程を用いればよい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
[レリーフ印刷版及びその製造]
本発明のレリーフ印刷版の製造方法は、(1)本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層を活性光線の照射及び/又は加熱により架橋する工程、及び(2)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことを特徴とする。本発明のレリーフ印刷版の製造方法により、支持体上にレリーフ層を有する本発明のレリーフ印刷版を製造することができる。
本発明のレリーフ印刷版の製造方法は、工程(2)に次いで、更に、必要に応じて下記工程(3)〜工程(5)を含んでもよい。
工程(3): 彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程(リンス工程)。
工程(4): 彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程(乾燥工程)。
工程(5): 彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程(後架橋工程)。
工程(1)におけるレリーフ形成層の架橋は、活性光線の照射、及び/又は、熱により行われる。
工程(1)レリーフ形成層の架橋において、光により架橋する工程と、熱により架橋する工程とが併用される場合には、これらの工程は、互いに同時工程でも別時工程としてもよい。
工程(1)は、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層を、光及び/又は熱により架橋する工程である。
レリーフ形成層は、好ましくは、含硫黄多官能ポリマーをはじめとする重合性化合物、バインダーポリマー、光熱変換剤、及び重合開始剤を含むものであり、工程(1)は重合開始剤の作用で重合性化合物をポリマー化し架橋を形成する工程である。
重合開始剤はラジカル発生剤であることが好ましく、該ラジカル発生剤は、ラジカルを発生するきっかけが光か熱かによって、光重合開始剤と熱重合開始剤に大別される。
レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光線をレリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる(光により架橋する工程)。
活性光線の照射は、レリーフ形成層全面に行うのが一般的である。活性光線としては可視光、紫外光或いは電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ形成層の支持体側を裏面とすれば、表面に活性光線を照射するだけでもよいが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムならば、更に裏面からも活性光線を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、架橋性レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
レリーフ形成層が熱重合開始剤を含有する場合には(上記の光重合開始剤が熱重合開始剤にもなりえる)、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱により架橋する工程)。加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
工程(1)が、光により架橋する工程である場合は、活性光線を照射する装置が比較的高価であるものの、印刷版原版が高温になることがないので、印刷版原版の原材料の制約がほとんどない。
工程(1)が、熱により架橋する工程である場合には、特別高価な装置を必要としない利点があるが、印刷版原版が高温になるので、高温で柔軟になる熱可塑性ポリマーは加熱中に変形する可能性がある等、使用する原材料は慎重に選択する必要がある。
熱架橋の際には、熱重合開始剤を加え得る。熱重合開始剤としては、遊離基重合(free radical polymerization)用の商業的な熱重合開始剤として使用され得る。このような熱重合開始剤としては、例えば、適当な過酸化物、ヒドロペルオキシド又はアゾ基を含む化合物が挙げられる。代表的な加硫剤も架橋用に使用できる。熱架橋性(heat−curable)の樹脂、例えばエポキシ樹脂、を架橋成分として層に加えることにより熱架橋も実施され得る。
工程(1)におけるレリーフ形成層の架橋方法としは、レリーフ形成層を表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋の方が好ましい。
レリーフ形成層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。未架橋のレリーフ形成層をレーザー彫刻すると、レーザー照射部の周辺に伝播した余熱により、本来意図していない部分が溶融、変形しやすく、シャープなレリーフ層が得られない場合がある。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、即ち粘着性が強くなる傾向がある。レリーフ形成層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる傾向がある。低分子である重合性化合物は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
工程(2)では、架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋されたレリーフ形成層に対して形成したい画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成する。好ましくは、形成したい画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、レリーフ形成層に対して走査照射する工程が挙げられる。赤外レーザーが照射されると、レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、レリーフ形成層中の分子は分子切断或いはイオン化されて選択的な除去、即ち彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は浅く或いはショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも光熱変換剤の極大吸収波長に対応した赤外レーザーで彫刻する場合に、より高感度かつシャープなレリーフ層が得られる。
彫刻表面に彫刻カスが付着している場合は、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流す工程(3)を追加してもよい。リンスの手段として、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式或いは搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスする工程(3)を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる工程(4)を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる工程(5)を追加してもよい。追加の架橋工程(5)を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
以上のようにして、支持体上にレリーフ層を有する、本発明のレリーフ印刷版が得られる。
レリーフ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々のフレキソ印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上0.3mm以下である。
また、レリーフ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。
レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明の方法で製造されたレリーフ印刷版は、凸版用印刷機による油性インキやUVインキでの印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM1の合成〕
撹拌羽及び冷却管をつけた500mLの3つ口フラスコ中に、3,3’−チオジプロピオン酸(和光純薬製、89.05g)、メタクリル酸グリシジル(和光純薬製、156.26g)、1−メトキシ−2−プロパノール(日本乳化剤(株)製、27.78g),テトラエチルアンモニウムブロミド(東京化成製、4.20g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、0.50g)を入れて、80℃で4時間撹拌した。この溶液に、水(500g)と酢酸エチル(500g)を加え分液ロートに移して激しく撹拌した後、水層を除去した、続いて、飽和炭酸ナトリウム水溶液(200g)を加え激しく撹拌した後、水層を除去した。続いて、飽和食塩水(200g)を加え激しく撹拌した後、水層を除去した。有機層を1Lのエルレンマイヤーフラスコに移した後、硫酸マグネシウム(100g)を加え乾燥させた。濾過により硫酸マグネシウムを除き、減圧下で酢酸エチルを除去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM1(233.04g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM1の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM2、M3、及びM7の合成〕
下記構造の含硫黄多官能モノマーM2、M3、及びM7は、前記含硫黄多官能モノマーM1と同様の合成法を適用し、「3,3’−チオジプロピオン酸」を、それぞれ、「3,3’−ジチオジプロピオン酸」、「2,2’−ジチオジグリコール酸」、「ビス(4−ヒドロキシ)スルホン」に代えて、合成した。得られた含硫黄多官能モノマーM2、M3、及びM7の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM4の合成〕
撹拌子を入れた200mLの1つ口ナスフラスコ中に、2,2’−ジチオジエタノール(東京化成製、10.00g)、カレンズMOI(昭和電工製、20.12g),2−ブタノン(脱水、和光純薬製、30.12g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、60.2mg)、及びネオスタン U−600(日東化成製、0.05g)を入れて75℃で1時間撹拌した、反応終了後、2−ブタノンを留去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM4(30.05g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM4の構造は、H NMRにより同定した.
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM5の合成〕
撹拌子を入れた100mLの1つ口ナスフラスコ中に、1,4−フェニレンジイソチオシアナート(東京化成製、3.00g)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(東京化成製、4.06g)、2−ブタノン(脱水、和光純薬製、7.06g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、14.1mg)、及びトリエチルアミン(関東化学製、0.05g)を入れて60℃で8時間撹拌した。反応終了後、2−ブタノンを留去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM5(7.03g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM5の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM6の合成〕
撹拌羽及び冷却管をつけた100mLの3つ口フラスコ中に、チオグリコール酸(東京化成製、6.35g)、トリエチルアミン(関東化学製、0.09g)を入れ、2,4−トリレンジイソシアナート(東京化成製、6.00g)を室温下で滴下した。60℃に昇温し4時間撹拌した後、室温に戻し、1−メトキシ−2−プロパノール(日本乳化剤(株)製、12.35g)、メタクリル酸グリシジル(和光純薬製、9.80g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、44.3mg)、及びテトラエチルアンモニウムブロミド(東京化成製、0.30g)を入れて、80℃で5時間撹拌した。この溶液に、水(100g)と酢酸エチル(100g)を加え分液ロートに移して激しく撹拌した後、水層を除去した。続いて、飽和炭酸ナトリウム水溶液(50g)を加え激しく撹拌した後、水層を除去した。続いて、飽和食塩水(50g)を加え激しく撹拌した後、水層を除去した。有機層を300mLのエルレンマイヤーフラスコに移した後、硫酸マグネシウム(30g)を加え乾燥させた。濾過により硫酸マグネシウムを除き、減圧下で酢酸エチルを除去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM6(22.13g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM6の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM8の合成〕
下記構造の含硫黄多官能モノマーM8は、前記含硫黄多官能モノマーM6と同様の合成法を適用し、「2,4−トリレンジイソシアナート」を「1,4−フェニレンジイソチオシアナート」に代えて、合成した。得られた含硫黄多官能モノマーM8の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM9の合成〕
下記構造の含硫黄多官能モノマーM9は、前記含硫黄多官能モノマーM1と同様の合成法を適用し、「メタクリル酸グリシジル」を「アリルグリシジルエーテル」に代えて、合成した。得られた含硫黄多官能モノマーM9の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM10の合成〕
下記構造の含硫黄多官能モノマーM10は、前記含硫黄多官能モノマーM4と同様の合成法を適用し、「カレンズMOI」を「イソシアン酸3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル」に代えて、合成した。得られた含硫黄多官能モノマーM10の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM11の合成〕
下記構造の含硫黄多官能モノマーM11は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルと3,3’−チオジプロピオン酸とのエステル化反応により合成した。得られた含硫黄多官能モノマーM11の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM12の合成〕
撹拌羽をつけた2Lの3つ口フラスコ中に3,6−ジチオ−1,8−オクタンジオール(東京化成工業製、150.00g)、トリエチルアミン(関東化学製、279.03g)、N,N−ジアミノピリジン(和光純薬製、183.15g)、トルエン(和光純薬製、300mL)を入れ、水浴につけて室温で撹拌した。この溶液にメタクリル酸無水物(アルドリッチ製、279.03g)を1時間かけて滴下した後、更に1時間撹拌した。この溶液に水(200mL)を加え分液ロートに移して激しく撹拌した後、水層を除去した。続いて、2M塩酸(20mL)を加え激しく攪拌した後、水層を除去した。続いて、有機層をエルレンマイヤーフラスコに移した後、硫酸マグネシウム(150g)を加えて乾燥させた。濾過により硫酸マグネシウムを除き、減圧下でトルエンを除去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM12(1000.38g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM12の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM13の合成〕
撹拌羽及びディーン・スターク装置をつけた1Lの3つ口フラスコ中に3,6−ジチオ−1,8−オクタンジオール(東京化成工業製、469.19g)、メタクリル酸メチル(和光純薬製、1537.80g)、チタンテトライソプロポキシド(和光純薬製、43.66g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、1.40g)を入れて、反応中に生成したメタノールを留去しながら、120℃で2時間撹拌した。この溶液に、メタクリル酸メチル(和光純薬製、384.45g)を追加して120℃で2時間撹拌した後、窒素ガスを流し、過剰量のメタクリル酸メチルを留去した。得られた粗生成物に水(90g)、アセトン(200mL)を加え、室温で30分撹拌した後、硫酸マグネシウム(150g)を加え、室温で30分撹拌した。濾過により不溶物を除き、減圧下でアセトンを除去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM13(988.38g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM13の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:含硫黄多官能モノマーM14の合成〕
撹拌羽及び冷却管をつけた1Lの3つ口フラスコ中に、ビスムチオール(東京化成工業製、194.2g)、臭化テトラエチルアンモニウム(東京化成工業製、2.717g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成製、1.205g)、エタノール(650g)を入れて、氷浴につけて5℃まで冷却した。メタクリル酸グリシジル(和光純薬製、404.3g)を反応液の温度が15℃を超えないように、2時間かけて滴下した。続いて60℃で3時間撹拌した後、減圧下でエタノールを除去することで、下記構造の含硫黄多官能モノマーM14(608.52g)を得た。得られた含硫黄多官能モノマーM14の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
〔合成例:比較用多官能モノマーC1の合成〕
下記構造の比較用多官能モノマーC1は、前記含硫黄多官能モノマーM1と同様の合成法を適用し、「3,3’−チオジプロピオン酸」を「ピメリン酸」に代えて、合成した。得られた比較用多官能モノマーC1の構造は、H NMRにより同定した。
Figure 0005322575
[実施例1]
1.レーザー彫刻用樹脂組成物の調製
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、バインダーポリマーとしてゴーセナールT−215(日本合成化学工業(株)製、PVA誘導体)40g、光熱変換剤としてケッチェンブラックEC600JD(カーボンブラック、ライオン(株)製)を0.75g、可塑剤としてジエチレングリコール20g、溶媒として水35g及びエタノール12gを入れ、撹拌しながら70℃で120分間加熱しポリマーを溶解させた。更に、前述のようにして合成した含硫黄多官能モノマーM1を28g、重合開始剤としてパーブチルZ(日本油脂(株)製)を1.6g添加して30分間撹拌し、流動性のあるレーザー彫刻用樹脂組成物1(レリーフ形成層用塗布液組成物)を得た。
2.レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の作製
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、上記より得られたレーザー彫刻用樹脂組成物1をスペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、70℃のオーブン中で3時間乾燥させて、厚さが凡そ1mmのレリーフ形成層を設けた。
得られたレリーフ形成層を、100℃で2.5時間加熱してレリーフ形成層を熱架橋し、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版1を得た。
3.レリーフ印刷版の作製
架橋後のレリーフ形成層に対し、近赤外レーザー彫刻機として、最大出力16Wの半導体レーザー(レーザー発振波長840nm)を装備した“FD−100”((株)東成エレクトロビーム製)を用い、彫刻条件を、レーザー出力:15W、走査速度:100mm/秒、ピッチ間隔:0.15mmに設定し、2cm四方のベタ部分を彫刻することにより、レリーフ層を形成し、レリーフ印刷版1を得た。
レリーフ印刷版1が有するレリーフ層の厚さは1.25mmであった。
また、レリーフ層のショアA硬度を、前述の測定方法により測定したところ、65°であった。なお、レリーフ層のショア硬度Aの測定は、後述する各実施例及び比較例においても同様に行った。
[実施例2〜15、比較例1、2]
実施例1で用いた「含硫黄多官能モノマーM1」を、下記の多官能モノマーに変更してレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製した後、該レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版からレリーフ印刷版2〜15、C1、C2を作製した。
実施例2 :含硫黄多官能モノマーM2
実施例3 :含硫黄多官能モノマーM3
実施例4 :含硫黄多官能モノマーM4
実施例5 :含硫黄多官能モノマーM5
実施例6 :含硫黄多官能モノマーM6
実施例7 :含硫黄多官能モノマーM7
実施例8 :含硫黄多官能モノマーM8
実施例9 :含硫黄多官能モノマーM9
実施例10 :含硫黄多官能モノマーM10
実施例11 :含硫黄多官能モノマーM11
実施例12 :含硫黄多官能モノマーM1とメタクリル酸グリシジルとの質量比1:1の混合物
実施例13 :含硫黄多官能モノマーM12
実施例14 :含硫黄多官能モノマーM13
実施例15 :含硫黄多官能モノマーM14
比較例1 :比較用多官能モノマーC1
比較例2 :1,3−ジメタクリル酸グリセロール(和光純薬製)C2
ここで、実施例2〜15で用いた含硫黄多官能モノマー、比較例1で用いた比較用多官能モノマーは、前述の合成例にて合成された化合物である。
得られたレリーフ印刷版2〜15、C1、C2が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表1に示す通りである。
[実施例16]
実施例1で用いた「バインダーポリマーであるゴーセナールT−215」を、「AauaPASS−01x(三菱レイヨン製)」に変更してレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製した後、該レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版からレリーフ印刷版16を作製した。
得られたレリーフ印刷版16が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表1に示す通りである。
[実施例17]
実施例1で用いた「光熱変換剤であるケッチェンブラックEC600JD(カーボンブラック)」を、「ADS820HO(シアニン化合物、アメリカン・ダイ・ソース社製)」に変更してレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製した後、該レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版からレリーフ印刷版17を作製した。
得られたレリーフ印刷版17が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表1に示す通りである。
[実施例18]
実施例1で用いた「光熱変換剤であるケッチェンブラックEC600JD(カーボンブラック)」を、「D99−009(フタロシアニン化合物、山本化成製)」に変更してレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製した後、該レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版からレリーフ印刷版18を作製した。
得られたレリーフ印刷版18が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表1に示す通りである。
[実施例19]
実施例1で用いた「重合開始剤であるパーブチルZ」を、「V−30(アゾ系化合物、和光純薬製)」に変更してレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製した後、該レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版からレリーフ印刷版19を作製した。
得られたレリーフ印刷版19が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表1に示す通りである。
[実施例20〜38、比較例3、4]
実施例1〜19、及び比較例1、2において、レリーフ印刷版の作製の際に使用した「近赤外レーザー彫刻機」を、「下記の炭酸ガスレーザー彫刻機」に変え、下記のようにしてレーザー彫刻を行った以外は、実施例1〜19、及び比較例1、2とそれぞれ同様にして、レリーフ印刷版20〜38、C3、C4を作製した。
即ち、炭酸ガスレーザー彫刻機として、最大出力30Wの炭酸ガスレーザーを装備した“COレーザーマーカーML−Z9500”((株)キーエンス製)を用いた。彫刻条件は、レーザー出力:15W、走査速度:100mm/秒、ピッチ間隔:0.15mmに設定し、2cm四方のベタ部分を彫刻し、レリーフ印刷版を得た。
ここで、得られたレリーフ印刷版20〜38、C3、C4が有するレリーフ層の厚さ、及びショアA硬度は、下記表2に示す通りである。
<評価>
−彫刻深さ−
レリーフ印刷版1〜38、C1〜C4が有するレリーフ層の「彫刻深さ」を、以下のように測定した。ここで、「彫刻深さ」とは、レリーフ層の断面を観察した場合の、彫刻された位置(高さ)と彫刻されていない位置(高さ)との差をいう。本実施例における「彫刻深さ」は、レリーフ層の断面を、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察することにより測定した。彫刻深さが大きいことは、彫刻感度が高いことを意味する。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005322575
Figure 0005322575
表1及び表2に示されるように、含硫黄多官能モノマーを含有するレーザー彫刻用樹脂組成物を用いて作製された実施例のレリーフ印刷版は、含硫黄多官能モノマーを用いなかった比較例のレリーフ印刷版よりも、彫刻深さが大きいことが分かる。このことにより、実施例にて調製したレーザー彫刻用樹脂組成物は、彫刻感度が高いことが確認できた。

Claims (11)

  1. (A)2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する多官能重合性化合物、及び、(B)バインダーポリマーを少なくとも含有するレーザー彫刻用樹脂組成物。
  2. 前記(A)多官能重合性化合物において、炭素−硫黄結合が、−C−S−、−C−SS−、−NH(C=S)O−、−NH(C=O)S−、−NH(C=S)S−、及び−C−SO−から選択される少なくとも1つのユニットである請求項1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  3. (C)700nm〜1300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を更に含有する請求項1又は請求項2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる画像形成材料。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物を光及び/又は熱により架橋してなるレリーフ形成層を有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
  7. (1)請求項5に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋する工程、及び、
    (2)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、
    を含むレリーフ印刷版の製造方法。
  8. 前記(1)工程が、前記レリーフ形成層を熱により架橋する工程である請求項7に記載のレリーフ印刷版の製造方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のレリーフ印刷版の製造方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版。
  10. 前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である請求項9に記載のレリーフ印刷版。
  11. 前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である請求項9又は請求項10に記載のレリーフ印刷版。
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