JP5101790B2 - ポリマー‐無機粒子ブレンドを一体化させる構造体 - Google Patents

ポリマー‐無機粒子ブレンドを一体化させる構造体 Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本特許出願は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「ナノ‐ポリマー複合体への屈折率エンジニアリング」なる発明の名称のKambeらに対する同時係属米国仮特許出願シリアル番号60/309,887に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、当該粒子および当該ポリマーの間に結合を持つポリマー‐無機粒子複合体を含む、ポリマー‐無機粒子ブレンドで形成された構造体に関する。本発明は、さらに、ポリマー‐無機粒子ブレンドからの構造体の形成のための、自己‐組立のごとき加工アプローチに関する。加えて、本発明は、フォトン結晶のごとき、ポリマー‐無機粒子ブレンドから形成されたデバイス、特に、光学デバイスに関する。
発明の背景
種々の分野における進歩は、多くのタイプの新しい材料について用途を作り出してきた。特に、種々の化学粉末は多くの異なる加工の意味で用いることができる。無機粉末は所望の機能を種々の意味において導入することができる。同様に、ポリマーを用いて多くの分野で種々のデバイスを形成することができる。適当な適用のための特性および/または機能性を供するために、ならびに処理において融通性を供するために種々のポリマーが入手できる。
さらに、技術的な進歩は、処理パラメーターについて厳格な許容性を持って改良された材料処理において興味を増大させた。さらに小型化が継続するにつれ、材料パラメーターはより厳格な許容性に入ることが必要とされるであろう。
現在の集積回路技術は、既に、サブミクロンスケールの処理寸法についての許容性を要求する。機械的、電気的および光学的成分を集積デバイスに強化または一体化することは、材料処理に対するさらなる拘束を生じた。複合材料を用いて、異なる材料の所望の特性および/または処理能力を組み合わせて、改良された材料および性能を得ることができる。
インターネットベースのシステムを含めた通信および情報技術の爆発は、光通信ネットワークを行なって、光通信システムで利用できる大きなバンド幅を利用するという世界的努力を動機付けた。光通信システムは伝達のために光ファイバーを取り込み、それは、例えば、より小さな電波カバー区域において光シグナルを操作するための平面光学構造体を含み得る。光学デバイスの形成は、別法として、シリカガラスのごときポリマーまたは無機材料に基づいてきた。
発明の概要
第1の態様において、本発明は、その各々がポリマーを含む第1の光学材料および第2の光学材料の間の界面を含む光学構造体に関する。該第1の光学材料はポリマー‐無機粒子ブレンドを含み、ここに、該ブレンドは、単離された場合に、電気的絶縁体または電気的導電体である無機粒子を含む。
もう1つの態様において、本発明は、その各々がポリマーを含む第1の材料および第2の材料の間の界面を含む構造体に関する。該第1の材料はポリマー‐無機粒子複合体を含む。該複合体は、電気的半導体または電気的導電体である無機粒子を含み、該無機粒子は約1ミクロン以下の平均粒子サイズを有する。
さらなる態様において、本発明は、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む材料に関する。該ブレンドは電気導電性である無機粒子を含み、該ブレンドは100ミクロンの厚みにおいて可視光線に対して透明である。
さらなる態様において、本発明は、ポリマー‐無機粒子ブレンド内に分散した液晶を含む反射ディスプレイに関する。ポリマー‐無機粒子ブレンドは光学材料である。
さらに、本発明は、第1の光学チャネル、第2の光学チャネルおよび該第1の光学チャネルおよび該第2の光学チャネルを光学的に連結する光学インターコネクトを含む相互結合した光学構造に関する。該光学インターコネクトはポリマー‐無機粒子ブレンドを含む。
また、本発明は、ほぼ周期的な屈折率変化を含む周期的構造体に関する。該構造体は第1のポリマー‐無機粒子ブレンドおよび該ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む領域の間に散在する第2の光学材料を含む。該第2の光学材料は第2のポリマー‐無機粒子ブレンド、ポリマーおよび非−ポリマー無機粒子材料よりなる群から選択される。
他の態様において、本発明は、光学材料と共に散在するポリマー‐無機粒子ブレンドの周期的アレイを含むフォトン結晶構造体に関する。
さらなる具体例において、本発明は、均一な光学無機材料および光学ポリマー‐無機粒子ブレンドの間の界面を含む光学構造体に関する。該ブレンドは、電気的絶縁体または電気的導電体である無機粒子を含む。
加えて、本発明は、ディスプレイの可視部分を形成する光学ポリマー‐無機粒子ブレンドの相を含むディスプレイデバイスに関する。該ブレンドは、電気的絶縁体または電気的導電体である無機粒子を含む。
さらなる態様において、本発明は、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む光学デバイスに関し、ここに、該ブレンドは、非線形光学特性を有する無機粒子を含む。
さらに、本発明は、第1の電極および周期的構造体に配置されたポリマー‐無機粒子ブレンドを含む光吸収デバイスに関する。該周期的構造体は所望の周波数において電磁波放射を吸収する。
また、本発明は、電極の対およびポリマー‐無機粒子複合体を含む電気機械的構造体に関する。電圧の電極への印加の結果、電気機械的構造体の1部がたわむ。
他の態様において、本発明は、各材料がポリマーを含み、当該材料の少なくとも1つがポリマー‐無機粒子ブレンドを含む第1の材料および第2の材料の間に界面を生じさせる方法に関する。該方法は、第1の光学材料を第2の光学材料と接触させて共押出して、第1の材料および第2の材料の間に界面を形成することを含む。
さらなる態様において、本発明は、各材料がポリマーを含み、当該材料の少なくとも1つがポリマー‐無機粒子ブレンドを含む第1の材料および第2の材料の間に界面を生じさせる方法に関する。該方法は第2の材料の層の頂部に第1の材料をスピン‐コーティングして、第1の材料および第2の材料の間に界面を形成することを含む。該第1の材料はスピンコーティングプロセスの間に第2の材料を溶解させない。
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも約0.005だけ相互の間で屈折率の値が異なる2つの光学材料の間に界面を生じさせる方法に関する。該方法はポリマー/無機粒子ブレンドで自己‐組立プロセスを行なって、第1の光学材料を形成し、第2の光学材料を該ブレンドと接触させて位置させて、界面を形成することを含む。
発明の詳細な記載
多様な材料および構造体は、ポリマーおよび無機粒子を含むブレンドから形成することができる。特に、ポリマー‐無機粒子ブレンドを、もう1つのブレンドであってもなくてもよいもう1つの材料と組み合わせて、異なる材料な間に適当な界面を持つ構造体を形成することができる。無機粉末および対応するポリマー‐無機粒子ブレンドは、平坦なパネルディスプレイ、電子回路、光学およびエレクトロオプティカル材料、光デバイスおよび集積光学回路のごときデバイスの製造で用いることができる。いくつかの具体例において、ポリマーおよび無機粒子は化学的に結合させて、得られる複合体を安定化させる。光学材料および光学構造体の形成のためには、ポリマー‐無機粒子ブレンド材料は、光学材料の成分に基づく光学特性を有する。一般に、組成および粒子負荷を選択することによって、ブレンドの光学特性のごとき特性を対応して選択することができる。望ましい光学構造体は、ポリマー/無機‐粒子ブレンドと、もう1つのポリマー‐無機粒子ブレンドのごときもう1つのポリマー材料、または光学ガラスのごとき均一な無機材料との間に界面を含むことができる。具体的には、光学構造体は、一般に、異なる光学特性、例えば、屈折率を持つ光学材料の間の界面を含む。種々の処理アプローチを効果的に用いて、所望の光学構造体を形成することができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドを一体化させた光学および非−光学デバイスを有利には形成することができる。注目するいくつかの構造体は、ポリマー‐無機粒子ブレンドである1以上の材料にて材料中に周期変化を有する。
ポリマー‐無機粒子ブレンドを用いて、屈折率のごとき広い範囲の特性を持つ処理可能な材料を作成することができる。機能的特性に関する多様性を有することに加え、ポリマー‐無機粒子ブレンドは耐久性のごとき望ましい機械的特性を有することができる。ポリシロキサンのごとき、有機ポリマーおよび無機ポリマー双方を含めたある範囲のポリマーが複合体への一体化に適している。無機粒子は、一般に、その元素形態または化合物において金属またはメタロイド元素を含む。具体的には、無機粒子は、例えば、元素金属または元素メタロイド、すなわち、非イオン化元素、金属/メタロイド酸化物、金属/メタロイド窒化物、金属/メタロイド炭化物、金属/メタロイド硫化物、金属/メタロイドシリケート、金属/メタロイドホスフェートまたはその組合せを含むことができる。本明細書中で用いるごとく、無機粒子はフレーレン、カーボンブラック、黒鉛およびその組合せのごとき炭素粒子を含む。炭素粒子を排除する無機粒子は非−炭素無機粒子ということができる。メタロイドは、金属および非金属の間の、またはそれを含む中間の化学的特性を有する元素である。メタロイド元素はケイ素、ホウ素、ヒ素、アンチモンおよびテルルを含む。リンは金属元素近くで周期表に位置するが、それは一般にはメタロイド元素とは考えられていない。しかしながら、P2O5およびP2O5のドープされた形態はいくつかのメタロイド酸化物と同様の良好な光学材料であり、例えば、P2O5の形態のリンをドープした他の光学材料は望ましい光学特性を有することができる。便宜には、請求の範囲を含めた本明細書中で用いるごとく、リンはメタロイド元素とも考えられる。
無機粒子はある範囲の負荷にてブレンドに一体化させることができる。約50重量%以上までの高い無機粒子負荷はよく分散された粒子で達成することができる。加えて、化学的に結合した複合体を含む具体例において、無機粒子に結合したリンカー化合物の量は、ポリマーで得られる架橋の程度を変化させるように調整することができる。
本発明のいくつかの態様において、ポリマー無機粒子ブレンドは、無機粒子およびポリマーの間の化学的結合を持つポリマー‐無機粒子複合体を含む。他の具体例において、ブレンドは無機粒子およびポリマーの混合物を含む。ブレンドの成分の組成および成分の相対量は、光学特性のごとき所望の特性を得るように選択することができる。
ポリマーおよび無機粒子の間に化学結合を含むポリマー‐無機粒子ブレンドの具体例において、適当な官能基を含めて、無機粒子またはリンカー化合物の官能基と化学的に結合するようにポリマーを選択または修飾する。リンカー化合物は得られた複合体の形成を容易とすることができる。具体的には、これらの具体例において、複合体はモノマー/ポリマー成分、無機粒子、および無機粒子およびモノマー/ポリマーを架橋させるリンカー化合物を含む。リンカー化合物に連結しているモノマー単位の場合には、ポリマーは複合体の形成と共に形成される。概念上単純性については、リンカーと接合し、複合体に組み立てられたモノマー/ポリマー単位は一般にはポリマーというが、いくつかの場合には、ユニットは、ダイマー、トリマーまたはより大きなポリマー構造のごときモノマーまたはポリマーであり得ると認識されている。ポリマーの分子量は、得られた複合体の特性を変化させるようにできる。
いくつかの具体例において、約500ナノメートル(nm)未満の平均直径を有する無機粒子のコレクションを用いるのが有利であろう。適当なナノ粒子は、例えば、火炎合成、燃焼、またはゾルゲルアプローチによって形成することができる。特定の高い均一性を持つ無機粒子を合成する方法は、強い放射線源からの光が粒子を形成するように反応を駆動する放射線‐ベースの熱分解/レーザー熱分解を含む。便宜には、この適用は放射線‐ベースの熱分解およびレーザー熱分解を相互交換的にいう。というのは、電磁波放射の適当な強度源をレーザーの代わりに用いることができるからである。レーザー熱分解は、組成、結晶化度およびサイズが高度に均一な粒子の形成で有用である。
ポリマー/無機粒子ブレンド内でのナノスケールの粒子の使用は、いくつかの適用のために、改良されたおよび/または所望の特性を付与することができる。特に、光学材料の形成では、ナノ粒子は、一般的に低下した散乱のごとき望ましい光学特性のため望ましい光学性能を供することができる。高品質ナノ粒子は、よく規定された光学特性を持つ均一に混合されたナノ粒子‐ポリマーブレンドの創製で望ましい。具体的には、一次粒子を効果的に分散させて複合体を形成するように、一次粒子が凝集しない粒子を有するのが望ましい。ナノ複合体を形成するための高品質ナノ粒子は、ここに、出典明示して本明細書の一部とみなす「化学反応による粒子の効果的な製造」なる発明の名称のBiらに対する米国特許第5,958,348号に記載されているごとく、かつ後にさらに記載するごとく、商業的規模で製造することができる。
広い範囲の無機粒子およびポリマーを本明細書に記載した複合体に一体化させることができるので、該複合体は広い範囲の適用で適している。具体的には、本明細書中に記載する材料および構造は、例えば、構造的適用、エレクトロニクス適用および光学適用を含めた適用に適している。全ての適用が、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む改良された構造で考えられるが、光学適用をより詳細にここに記載する。ポリマー‐無機粒子ブレンドの使用からの1つの重要な利点は、広い範囲にわたるフォトンまたは電子パラメーターのごとき物理的特性を制御する能力である。例えば、もし無機粒子が高い屈折率を有するならば、広い範囲および制御可能な値の屈折率にわたって、種々の光学デバイスまたは光学コーティングを形成することができる。光増殖を制御するには、高い屈折率の材料が望ましい。複合体の屈折率は、粒子負荷を調整することによって制御することができる。
屈折率を制御する能力は、ナノ粒子‐ポリマー複合体のフォトン/光学特性の研究を通じて証明されてきた。例えば、材料またはデバイス構造体内での光の増殖を決定する屈折率は、ブレンドのパラメーターの関数として研究することができる。ポリマー‐無機ナノ粒子複合体からの光学観察は後に実施例で提示する。特に、個々のナノ‐TiO2粒子の構造および光学特性は、ナノ粒子および引き続いてのナノ複合体の特性の間で相関を示すようにも記載されている。ナノ‐TiO2−ベースのポリマー複合体での光学測定は、高い屈折率ポリマー‐無機粒子ブレンドを得る能力を確認する。
屈折率(n)の制御された管理はフォトンデバイス適用で重要である。本明細書中に記載する屈折率エンジニアリングは、所望の屈折率を持つ材料の形成および光学構造体における界面での隣接材料の屈折率とのそのコントラストを含む。外部場による屈折率の変調を達成することもできる。
一般に、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、組成および対応する特性に関するかなりの多様性ならびに簡単ないし複雑な範囲の構造の形成についての処理多様性双方を提供する。光学適用では、屈折率は、ブレンドの成分の対応する選択および粒子負荷を通じて選択することができる。慣用的なシリカガラスは、ドーパントおよびドーピングのレベルに応じてn〜1.45を呈する。該範囲の他端においては、InPのごとき化合物半導体はn〜3.4を有する。2つの領域の間には大きなギャップがあり、これは存在する材料系によって適切にカバーされていない。たとえギャップが多数の材料によってカバーされたとしても、それらの間の実行可能な界面を形成するためのかなりの挑戦がある。対照的に、ナノ粒子のごとき無機粒子、およびポリマーマトリックスで形成されたポリマー‐無機粒子ブレンドは、屈折率の特定の望まれる値を選択する能力を提供する。一旦高屈折率粒子、特に、ナノ粒子およびポリマーホスト材料が選択されたならば、ナノ粒子の負荷レベルは全複合体の屈折率を直接的に決定することが判明した。
その1以上がポリマー‐無機粒子ブレンドである複数の材料を組み合わせることによって、全特性および/または機能性が望まれる特徴を有するように構造体内の材料間に界面を形成することができる。光学適用では、光学界面は、異なる材料の間の選択された屈折率差を持つ光学材料を含むことができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドを用いて屈折率を作成することができ、これは、光学成分のサイズを低下させるのに用いることができる。特に、光学界面における高屈折率コントラストを用いて、デバイスのサイズを低下させることができる(すなわち、小型化)。
加えて、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、特定の適用で設計されたヘテロ構造体に形成することができる。いくつかの光学適用では、ポリマー‐無機粒子ブレンドは周期的構造体に形成することができる。周期的構造体の形成は、例えば、周期的に変調された屈折率を持つ構造体の形成のための光学構造体で特に有利であり得る。屈折率の周期的な変化を持つ光学材料を用いて、回折格子またはフォトン結晶を形成することができる。周期性は、一次元、二次元または三次元で拡大することができる。
ポリマー‐無機粒子ブレンドを用い、高屈折率ブレンドを、粒子負荷を持たないポリマーのごとき低屈折率材料と組み合わせて形成することができる。これらの関連材料では、界面は、界面における2つの材料の間の屈折率の大きな変化を伴って形成することができる。屈折率のこの大きな変化は、有利には、光の反射および/または光の材料内への閉じ込めで用いることができる。特に、これらの大きな屈折率変化を、有利には、ディスプレイおよび他の光学デバイスの形成で用いることができる。
特に、ポリマー/無機粒子複合体の使用は、選択された誘電定数/屈折率を持つデバイスの形成に特に適当である。屈折率エンジニアリングを通じて、材料は、屈折率の対応する選択を介して特定の適用のために具体的に設計することができる。屈折率の適当な選択は、電気的または光学的材料いずれかの調製で重要であり得る。屈折率のエンジニアリングが誘電定数のエンジニアリングに対応するように、光学的な損失がない場合には、屈折率は誘電定数のほぼ二乗根である。かくして、屈折率/誘電定数は、特定の材料の光学的および電気的応答の双方に関連する。屈折率エンジニアリングは、光学的または電気的インターコネクトの設計で特に有利であり得る。例えば、自己‐組立アプローチを含めた本明細書中に記載した処理アプローチを用いて、デバイスを形成する材料をドメインサイズおよび/または材料組成/屈折率の周期性を制御することができる。構造直径および周期性はサブミクロンスケールで得ることができる。望ましいサイズおよび/または周期性長さスケールは、一般に、光の波長に依存する。加えて、もし屈折率の値が界面においてより大きな量だけ変化するならば、小さなサイズ/周期性スケールを用いることができる。ナノ粒子の使用および/またはサブミクロンスケール構造を形成する能力は、量子効果デバイスを形成する能力を提供する。
ポリマー‐無機粒子ブレンドは、多くの標準的なポリマー‐処理アプローチを用いて処理することができる。特に適当なアプローチは、一般に、形成すべき特異的構造に依存する。しかしながら、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび他の材料の間の界面の形成において、ある種のアプローチが特に適切であり得る。例えば、溶媒和ブレンドをシリコンウエハーのごとき基材にスピンコーティングすることによって均一な層を適用することができる。該層は、材料を順次にスピンコーティングすることによってスタックとすることができる。1つの層の適用の間に用いる溶媒が先に適用した層を溶解させないように溶媒を選択することができる。加えて、溶媒和ブレンドまたは溶融体の押出を用いて、界面を形成することができる。複数の層は共押出されてもされなくても良い。カレンダリングを用いて、界面の質を改良することができる。他の成形およびコーティングアプローチを用いることもできる。一般に、ポリマー‐無機粒子ブレンドの処理は基材を含んでも含まなくても良い。
加えて、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、周期的構造体を形成するための自己‐組立技術を用いて処理することができる。特に、いくつかの光学適用では、自己−組立技術を用いて、2つの材料の間の屈折率の値の差がある2つの材料の間の周期的界面を持つ周期的光学構造体を形成することができる。一般に、周期的構造体は、一次元、二次元または三次元において、周期的構造体における周期的に変化する材料の1つまたは双方としてポリマー‐無機粒子ブレンドを含む。屈折率の二次元的変化を用いて、二次元フォトン結晶を構築することができる。同様に、屈折率の三次元的変化を用いて、三次元フォトン結晶を構築することができる。三次元フォトン結晶を用いて、フォトンバンドギャップにより天然発光のない理想的な固体状態レーザーを形成することができる。他方、二次元フォトン結晶は、波長−分裂−マルチプレキサーを形成するための表面発光デバイスおよび導波管の一体化に至り得る。
ポリマー‐無機粒子ブレンドは、有利には、種々のデバイス、特に光学デバイスに一体化させることができる。関連デバイスは、例えば、光学減衰器、光学スプリッター/カプラー、光学スイッチ、モジュレーター、インターコネクト、光学絶縁体、光学アッド−ドロップマルチプレキサー(OADM)、光学増幅器、光学偏光子、光学サーキュレーター、相シフター、光学ミラー/リフレクター、光学相−リターダー、光学ディテクター、ディスプレイ、マイクロ−電気機械構造体(MEMS)、チューナブルフィルター、光学スイッチ、ブラッグ回折格子、ミラー、バンドパスフィルター、アレイド導波管回折格子(AWG)、レーザー、フォトン結晶および準結晶を含む。該デバイスは光ファイバー内に、または平面光学構造体上に置くことができる。特に、平面光学構造体内では、デバイスは集積光学デバイスを備えた平面光学回路の一部であり得る。
ポリマー‐無機粒子ブレンド
粒子‐無機粒子ブレンドは、得られるブレンドが無機粒子およびポリマー双方の態様を一体化させるように、ポリマーマトリックス全体に分布した無機粒子を含む。無機粒子はポリマーに化学的に結合してもしなくてもよい。無機粒子のポリマーへの結合は、ポリマーとの結合のために無機粒子の表面を活性化するのに用いられるリンカーを含み得る。適当なブレンドは、特定の適用に応じて、低い粒子負荷または高い粒子負荷いずれかを含むことができる。同様に、ポリマー成分および無機粒子成分の組成物は、得られるブレンド゛の所望の特性を達成するように選択することができる。ブレンド、特にポリマー‐無機粒子複合体は組み合わされた成分の相乗効果を表わすことができる。
無機粒子はある範囲の負荷にて複合体に一体化させることができる。低い粒子負荷を持つ複合体は高い均一性でもって製造することができる。1または2%以下のごとき低い負荷はいくつかの適用で望ましくあり得る。加えて、高い無機粒子負荷はよく分散した粒子で達成することができる。加えて、約80重量%以上までの高い無機粒子負荷はよく分散された粒子で達成することができる。一般に、無機粒子負荷は約0.1重量%ないし約90重量%であり、他の具体例においては、約1重量%ないし約85重量%であり、さらなる具体例においては、約3重量%ないし、約80重量%であり、追加の具体例においては、約5重量%ないし約65重量%であり、いくつかの具体例においては、約10ないし50重量%である。当業者であれば、これらの明示的範囲内の他の範囲が考えられ、本開示内にあることを認識するであろう。加えて、無機粒子に結合したリンカー化合物の量を調節して、ポリマーで得られる架橋の程度を変化させることができる。
前記したごとく、ポリマー‐無機粒子ブレンドは無機粒子およびポリマーの間に化学結合を含むことができる。便宜には、無機粒子およびポリマーの少なくとも一部の間に化学結合を有するブレンドはポリマー‐無機粒子複合体と呼ばれる。化学結合は、部分的イオン結合特徴を持つまたは持たないいくつかの共有結合特徴を持つ結合を広くカバーすること考えられ、リガンド‐金属結合の特性を有することができる。他の具体例において、無機粒子は、マトリックスの物理的特性によってポリマーマトリックス内に簡単に包埋される。便宜には、無機粒子およびポリマーマトリックスの間に化学結合を含まないブレンドはポリマー‐無機粒子混合物と呼ばれる。もちろん、ポリマー‐無機粒子混合物は、一般に、ポリマーおよび無機粒子の間のファンデルワールス相互作用のごとき非‐結合静電的相互作用を含む。
混合物は多くの局面で適当であるが、ポリマー‐無機粒子複合体の形成は、ブレンドの安定性および均一性に関して有利を有することができる。具体的には、高粒子負荷は粒子の凝集なくして複合体で達成することができるが、但し、粒子は、容易にはそれ自体に結合しない基で官能化されるものとし、その結果、硬い凝集体が形成され得る。加えて、関連する具体例においては、無機粒子に結合したリンカー化合物の量は、ポリマーで得られる架橋の程度を変化させるように調整することができる。
ポリマーおよび粒子の間の結合を持つ複合体はモノマー/ポリマー成分、無機粒子、および該無機粒子および該モノマー/ポリマーを架橋するリンカー化合物を含む。リンカー化合物に連結されるべきモノマーユニットの場合には、ポリマーは複合体の形成で形成される。表示の単純性のために、リンカーと結合し、かつ複合体に組み立てられたモノマー/ポリマーユニットを一般にポリマーというが、ある場合には、ユニットはダイマー、トリマーまたはより大きなポリマー構造のごときモノマーまたはポリマーであり得る。
リンカー化合物は2以上の官能基を有する。リンカーの1つの官能基は、無機粒子への化学結合に適するものである。化学結合は、極性結合を含むまたは含まないいくつかの共有結合特徴を持つ結合を広くカバーすると考えられ、種々の程度のイオン結合と共にリガンド‐金属結合の特徴を有することができる。官能基は無機粒子の組成に基づいて選択される。リンカーのもう1つの官能基は、ポリマーとの共有結合に適するものである。共有結合とは、シグマ結合、パイ結合、他の非局在共有結合および/または他の共有結合タイプを持つ共有結合を広くいい、イオン結合成分等を含むまたは含まない分極化結合であり得る。便宜なリンカーは官能性化有機分子を含む。
種々の構造体は、化学的に結合されたポリマー/無機粒子複合体を形成する基本的概念に基づいて形成され得る。得られる構造は、一般に、ポリマー/モノマー、リンカーおよび無機粒子の相対的な量ならびに合成プロセスそれ自体に依存するであろう。リンカーはカップリング剤または架橋剤としても同定され得る。さらに、ある具体例においては、ポリマー‐無機粒子複合体、ならびにポリマー‐無機粒子ブレンドは複数の異なるポリマーおよび/または複数の異なる無機粒子を含むことができる。同様に、もしポリマー‐無機粒子ブレンドが複数の異なるポリマーおよび/または複数の異なる無機粒子を含むならば、ポリマーおよび/または無機粒子の全ては複合体内で化学的に結合でき、あるいはポリマーおよび無機粒子のある割合のみが複合体内で化学的に結合することができる。もしポリマーおよび/または無機粒子のある割合のみが化学的に結合すれば、結合した割合は全ポリマー/または無機粒子のランダム部分または特異的部分であり得る。
所望の複合体を形成するためには、無機粒子は、1以上のリンカー分子に化学的に結合させることによってそれらの表面を修飾することができる。無機粒子に対するリンカー組成物の比率は、無機粒子当たり少なくとも1つのリンカー分子であり得る。リンカー分子の表面は無機粒子を修飾し、すなわち無機粒子を官能性化する。リンカー分子は、無機粒子に結合することができるが、それらは、ポリマーへの結合に先立って無機粒子に結合することができるが、必ずしもそうとは限らない。それらはまずポリマーに結合することができ、次いで粒子に結合することができるに過ぎない。あるいは、それらは同時に2つの種に結合することができる。
いくつかの具体例においてリンカーを適用して、粒子の表面に少なくともかなりの分率の単層を形成する。特に、例えば、単層の少なくとも約20%が粒子に適用することができ、他の具体例においては、単層の少なくとも約40%を適用することができる。粒子の測定されたBET表面積に基づき、リンカーの量は、リンカーの単層に対する粒子表面の約1/2、1および2を被覆するまで対応して用いることができる。当業者であれば、これらの明示的範囲内の他の範囲が考えられ、それは本開示内にあることを認識するであろう。単層は粒子の測定された表面積、および原子半径の認められた値に基づくリンカーの分子半径の見積もりに基づいて計算される。リンカーの全てが結合するのではなく、かつリンカー試薬のある程度の自己−重合が起こり得るので、過剰のリンカー試薬を添加することができる。被覆を計算するために、リンカーは、表面にとって通常の粒子に結合すると仮定することができる。この計算は被覆の見積もりを供する。実験により、より高い被覆はこれらの計算から見積もられたよりも粒子の表面に置くことができることが判明した。これらの高いリンカー被覆でもって、リンカーは、おそらくは、ポリマーを含む高度に架橋した構造体を形成する。各無機粒子においては、多数分岐した架橋構造体が形成される。
無機粒子はリンカー化合物を介してポリマー化合物に結合させることができるか、あるいはポリマーはポリマー側鎖基にグラフトすることができる。結合した無機粒子は、ほとんどの具体例においては、ポリマーを架橋することができる。具体的には、ほとんどの具体例は、いくつかのポリマー基での単一無機粒子の顕著な架橋を含む。複合体の構造は、一般に、リンカーの密度、リンカーの長さ、カップリング反応の化学的反応性、ポリマー上の反応性基の密度ならびに粒子の負荷およびポリマーの分子量範囲(すなわち、モノマー/ポリマーユニット)によって制御することができる。別の具体例において、ポリマーは、末端部位または側鎖基いずれかにおいて、無機粒子と直接結合する官能基を有する。これらの別の具体例において、ポリマーは、無機粒子への結合のために、適当なリンカー官能基に匹敵する官能基を含む。
限定されるものではないが、有機ポリマー、ポリシロキサンのごとき無機ポリマーまたその組合せおよび共重合体を含めたある範囲のポリマーが、複合体への一体化に適当である。もし官能性化無機粒子との反応に先立ってポリマーが形成されれば、ポリマーの分子量は、得られる複合体の特性を変化させるように選択することができる。ポリマーは、リンカー化合物の官能基と共有結合する適当な官応基を含むように選択されるか、またはそのように合成される。
官能基を支持するリンカーのフレームは一般には有機化合物であるが、それはシリルおよび/またはシロキシ部位を含むこともできる。有機リンカーフレームは、例えば、直鎖状または分岐鎖炭素鎖、環状炭素部位、飽和炭素部位、不飽和炭素部位、芳香族炭素ユニット、ハロゲン化炭素基および/その組合せを含めたいずれの合理的な有機部位も含むことができる。リンカーの構造は、複合体の望ましい特性を生じるように選択することができる。例えば、リンカーのサイズは、複合体の周期性および自己−組織化特性に影響し得る制御パラメーターである。
多くの異なるタイプのポリマーは、それらがリンカーと結合することができる末端基および/または好ましくは側鎖基を有するかぎり適当である。適当な有機ポリマーは、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリイミド、ポリカルボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、複素環ポリマー、ポリエステル、修飾されたポリオレフィンおよびその共重合体およびその混合物を含む。ナイロンポリマー、すなわち、ポリアミド、および無機ナノ粒子とで形成された複合体はナノナイロンTMと呼ぶことができる。適当なポリマーはポリアセチレンのごとき、ポリマー骨格内の共役ポリマー、およびポリ(p−フェニレン)、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリアミリン、ポリチオフェン、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリピロールおよびその共重合体および誘導体のごときポリマー骨格内の芳香族ポリマーを含む。いくつかのポリマーは官能的側鎖基においてリンカーに結合することができる。ポリマーは固有には所望の官能基を含むことができ、所望の官能基を導入するように化学的に修飾することができるか、あるいはモノマーユニットと共重合して、所望の官能基の一部を導入することができる。同様に、いくつかの複合体は、複合体に結合した単一のポリマー/モノマー組成物を複合体を含むに過ぎない。架橋した構造体内ではポリマーは、それらが反復する側鎖基または少なくとも約50炭素の炭素結合を鎖内に有するのでなければ、ポリマーと考えられない炭化水素鎖を除き、鎖に沿った3以上の反復単位によって同定することができる。
好ましいケイ素‐ベースのポリマーはポリシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)のごときポリシロキサン(シリコーン)ポリマーおよびその共重合体および混合物ならびに有機ポリマーとの共重合体および混合物を含む。グラフト無機粒子との複合体を形成するには、ポリシロキサンが特に適切である。これらのグラフト複合体を形成するには、ポリシロキサンはアミノ酸および/またはカルボン酸基で修飾するごとができる。ポリシロキサンは、可視光線および紫外光に対するその透明性、高い熱安定性、酸化的分解に対する抵抗性およびその疎水性のため望ましいポリマーである。他の無機ポリマーは、例えば、ホスファゼンポリマー(ホスホニトリルポリマー)を含む。
ポリマーとの結合のための適切な官能基は、ポリマーの官能性に依存する。一般に、ポリマーおよびリンカーの官能基は、公知の結合特性に基づいて適切に選択することができる。例えば、カルボン酸基はチオール、アミン(第一級アミンおよび第二級アミン)およびアルコール基に共有結合する。特別の例として、ナイロンはリンカーに共有結合する適当な形態である未反応カルボン酸基、アミン基またはその誘導体を含むことができる。加えて、アクリルポリマーへの結合のためには、アクリル酸のカルボン酸がリンカーのアミン(第一級アミンおよび第二級アミン)、アルコールまたはチオールと結合することができるように、ポリマーの一部はアクリル酸またはその誘導体から形成することができる。リンカーの官能基は、特定の組成を持つ粒子および/または特定の官能基を持つポリマーのみのいずれかへの選択的結合を供することができる。リンカーのための他の適当な官能基は、例えば、ハロゲン、シリル基(‐SiR3-xx)、イソシアネート、シアネート、チオシアネート、エポキシ、ビニルシリル、水素化シリル、シリルハロゲン、モノ−、ジ−およびトリハロオルガノシラン、ホスホネート、有機金属カルボキシレート、ビニル基、アリル基および、一般には、R'およびR''がこの構造内で結合するいずれかの基であるいずれかの不飽和炭素基(‐R'‐C=C‐R'')を含む。選択的結合は、自己−組織化を呈する複合体構造を形成するにおいて有用であり得る。
ポリマー官能基とリンカー官能基の反応に際して、初期の官能基の同一性は、結合した構造体における得られたまたは生成物官能基に融合される。ポリマーから延びる結合が形成される。ポリマーから延びる該結合は例えば、有機部位、シロキシ部位、スルフィド部位、スルホネート部位、ホスホネート部位、アミン部位、カルボニル部位、ヒドロキシ部位、またはその組合せを含むことができる。元の官能基の同一性は、得られた官能基に依存して明らかであってもなくてもよい。得られた官能基は、一般には、例えば、エステル基、アミド基、酸無水物基、エーテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、アルコキシ基、ヒドロカルビル基、ウレタン基、アミン基、オルガノシラン基、ヒドリドシラン基、シラン基、オキシシラン基、ホスホネート基、スルホネート基、またはその組合せであり得る。
もしリンカー化合物を用いれば、1つの得られた官能基が一般に形成され、ここに、該ポリマーはリンカーに結合し、第2の得られた官能基が形成され、ここに、リンカーは無機粒子に結合する。無機粒子においては、官能基の同一性は特定の原子が粒子と会合しているか、または官能基と会合しているかに依存し得る。これは丁度命名法の問題であり、当業者であれば、官能基に対する原子の特定の割当についての関心なくして得られた構造を同定することができる。例えば、カルボン酸と無機粒子との結合の結果、粒子の非金属/メタロイド原子との結合を含む基を得ることができ;しかしながら、オキソ基は一般には、粒子の組成に拘わらず得られた官能基に存在する。結局は、結合は金属/メタロイド原子まで延びる。
無機粒子への結合のための適当な官能基は、無機粒子の特性に依存する。ここに引用して本明細書の一部とみなす「表面修飾酸化物粒子およびポリマー材料における充填剤および修飾剤としてのその使用」なる発明の名称のKinkelらに対する米国特許第5,494,949号は、金属/メタロイド酸化物粒子への結合のためのシリル化剤の使用を記載する。該粒子は粒子への結合のためにアルコキシ修飾シランを有する。例えば、金属/メタロイド酸化物粒子への結合のための好ましいリンカーは、R1、R2、R3が加水分解し、粒子と結合することができるアルコキシ基であって、R4がポリマーへの結合に適した基であるR123‐Si‐R4を含む。トリクロロシリケート(‐SiCl3)官能基は、縮合反応によって金属酸化物粒子表面のヒドロキシル基と反応することができる。
一般に、チオール基を用いて、金属スルフィド粒子、および金、銀、カドミウムおよび亜鉛のごとき、ある種の金属粒子に結合させることができる。カルボキシル基はアルミニウム、チタン、ジルコニウム、ランタンおよびアクチニチムのごとき他の金属粒子に結合することができる。同様に、アミンおよび水酸化物基は、金属酸化物粒子および金属窒化物粒子、ならびに鉄、コバルト、パラジウムおよび白金のごとき遷移金属原子に結合すると予測される。
無機粒子と結合するリンカー官能基の同一性は、無機粒子との結合の特徴のため修飾することもできる。無機粒子の1以上の原子はリンカーおよび無機粒子の間の結合を形成するのに関与する。もし得られた結合における原子がリンカー化合物または無機粒子に由来するならば、それは曖昧であろう。いずれの場合にも、得られたまたは生成物官能基はリンカー分子および無機粒子に結合して生成される。得られた官能基は、例えば、リンカーのポリマーへの結合に由来する前記した官能基の1つであり得る。無機粒子における官能基は結局は、1以上の金属/メタロイド原子に結合する。
いくつかの具体例において、ポリマーは無機粒子をポリマーネットワークに一体化させる。これは、リンカー化合物の官能基をポリマー分子の末端基と反応させることによって行なうことができる。別法として、官能性化無機粒子がポリマー構造体が形成されるにつれてそれに直接一体化されるように、重合プロセスの間に無機粒子は存在し得る。他の具体例において、無機粒子は、リンカー官能基とポリマー側鎖基上の官能基と反応することによって、無機粒子をポリマーにグラフトする。これらの具体例のいずれにおいても、表面修飾/官能性化無機粒子は、もし充分なリンカー分子があれば、すなわち、エネルギーバリアーを克服し、ポリマーに対して少なくとも2以上の結合したリンクを形成するのに充分であれば、ポリマーを架橋させることができる。一般に、無機粒子は粒子と会合した多くのリンカーを有するであろう。かくして、現実的には、架橋は、ポリマー‐粒子の配置、分子ダイナミクスおよび化学的キネティックスと組み合わせた2つの架橋基の統計学的相互作用に依存する。
いくつかの具体例において、複合体は、自己−組立によって局所化された構造体に形成される。複合体の組成および/または構造は、複合体それ自体の自己−組織化を促進するように選択することができる。例えば、ポリマーの異なるブロックが分離するようにブロック共重合体を用いることができ、これは多くのブロック共重合体の標準的な特性である。適当なブロック共重合体は、例えば、ポレスチレン‐ブロック‐ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン‐ブロック‐ポリアクリルアミド、ポリシロキサン‐ブロック‐ポリアクリレートおよびその混合物を含む。これらのブロック共重合体は、リンカーと結合させるために適切な官能基を含むように修飾することができる。例えば、ポリアクリレートを加水分解し、または部分的に加水分解して、カルボン酸基を形成することができるか、あるいは、もし、酸基が重合に干渉しないならば、ポリマー形成の間に、アクリル酸部位でアクリレートの全部または一部を置換することができる。別法として、アクリレート中のエステル基は、官能基の1つがリンカーとの結合のために残るように、ジアミンを持つエステル結合ないしジオールまたはアミノ酸結合で置換することができる。他の数のブロックおよび他のタイプのポリマー組成物とのブロック共重合体を用いることができる。
分離ブロック共重合体内のそのポリマー組成物と共に無機粒子が分離されるように、無機粒子はブロック内のポリマー組成物の1つのみと会合することができる。例えば、ABジ‐ブロック共重合体はブロックA内のみの無機粒子を含むことができる。無機粒子の分離は、無機粒子の特性の利用に関して機能的利点を有することができる。同様に、もし無機粒子および対応するポリマーが異なる溶媒和特性を有するならば、連結された無機粒子は、ブロック共重合体の異なるブロックと同様にポリマーに対して分離され得る。加えて、ナノ粒子それ自体はポリマーに対して分離されて、自己−組織化構造を形成することができる。
他の秩序立った共重合体は、例えば、グラフト共重合体、コーム共重合体、スター‐ブロック共重合体、デンドリマー、その混合物などを含む。全てのタイプの秩序立った共重合体は、ポリマー構成要素が化学的に相互に結合したポリマーブレンドと考えることができる。物理的ポリマーブレンドを用いることもでき、後の実施例に記載するごとく、自己−組織化を呈することもできる。ポリマーブレンドは化学的に区別されるポリマーの混合物を含む。無機粒子は、ブロック共重合体について前記したごとく、ポリマー種のサブセットのみに結合することができる。物理的ポリマーブレンドはブロック共重合体と同様な自己−組織化を呈することができる。無機粒子の存在は、ポリマーと無機粒子との相互作用が天然ポリマー単独とは異なって他のポリマー種と物理的に相互作用するという複合体の特性を充分に修飾することができる。特に、ポリマー‐無機粒子ブレンド内のナノ粒子の存在の結果、小さな粒子サイズのため弱い場に感受性であるブレンドが得られる。この感度は、有利には、デバイスの形成で用いることができる。小さな粒子を用いるプロセスは、一般に、柔軟物質アプローチと言うことができる。
自己−組織化メカニズムにも拘わらず、いくつかの自己−組織化複合体は、超構造または超結晶構造において周期性を持って整列したナノ粒子、すなわち、結晶性粒子の周期的アレイを含む。粒子はそれ自体が結晶性であってもなくてもよいが、それは、粒子の秩序立った構造のため特性を呈するであろう。フォトン結晶は、後にさらに記載するごとく、これらの結晶超構造を利用する。
ポリマー−無機粒子複合体の例示的な具体例は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「ポリマー−無機粒子複合体」なる発明の名称のKambeらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/818,141にさらに記載されている。
無機粒子
一般にいずれかの合理的な無機粒子を用いて、ブレンドを形成することができる。いくつかの具体例において、粒子は約1ミクロン以下の平均直径を有する。注目するいくつかの適用では、粒子の組成は、複合体に所望の特性を付与するように選択される。かくして、例えば、光学材料の形成においては、ポリマーおよび無機粒子双方の光学特性は重要であり得る。複合体材料の屈折率は、おおまか、かなり高い粒子重量負荷に対する無機粒子およびポリマーの屈折率の重量比率に基づく線形組合せであると予測される。
適当なナノ粒子が、例えば、レーザー熱分解、火炎合成、燃焼、またはゾルゲルアプローチによって形成することができる。特に、レーザー熱分解は、組成、結晶化度およびサイズがかなり均一である粒子の形成で有用である。レーザー熱分解は、反応を駆動して粒子を形成する強い光源からの光を含む。レーザー熱分解は選択された組成および平均粒子直径の狭い分布を持つ広い範囲のナノスケール粒子を効果的に製造するための優れたアプローチである。別法として、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「ナノスケールセラミック粒子を製造するための装置」なる発明の名称のHelbleらに対する米国特許第5,447,708号に記載された装置のごとき火炎製造装置を用いてサブミクロン粒子を製造することができる。さらに、サブミクロン粒子は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「金属酸化物の超微細球状粒子およびその製造方法」なる発明の名称のInoueらに対する米国特許第4,842,832号に記載されている装置のごとき熱反応チャンバーで製造することができる。加えて、ゾルゲル技術のごとき種々の溶液‐ベースのアプローチを用いて、サブミクロン粒子を製造することができる。
高度に均一な粒子は、種々の選択可能な組成でもって極端に均一な特性を持つサブミクロン粒子を形成するのに用いることができる。放射線ベースの熱分解、例えば、レーザー熱分解によって形成することができる。便宜には、放射線ベースの熱分解はレーザー熱分解という。というのは、この用語は放射線源としてのレーザーの便宜性を反映しているからである。ここに記載するレーザー熱分解アプローチは、所望の元素をフロー流に導入するために蒸気、エアロゾルまたはその組合せを含むことができる反応体流を取り込む。蒸気および/またはエアロゾル前駆体で反応体流を生じさせる多様性は、広い範囲の潜在的組成を持つ粒子の創製を提供する。
小さな粒子は、小さな構造および平滑な表面を形成することに関して加工の利点を供することができる。加えて、小さな粒子は、例えば、より低い散乱喪失をもたらすシフトした吸収スペクトルおよび低下した散乱を含めた光学適用のための望ましい特性を有する。かくして、小さな粒子は、対応するポリマー‐無機粒子ブレンドの光学特性に影響し得る、その小さなサイズによる観察可能な量子効果を呈する。
サブミクロン/ナノスケール粒子のコレクションは、約500nm未満、好ましくは約2nmないし約100nm、別法として約2nmないし約75nm、または約2nmないし約50nmの一次粒子についての平均直径を有することができる。当業者であれば、これらの具体的範囲内の他の範囲はここでの開示によってカバーされることを認識するであろう。粒子の直径は透過型電子顕微鏡によって評価される。
一次粒子はおおまか球形の肉眼での外観を有することができるか、あるいはそれはロッド形状、プレート形状または他の非球形形状を有することができる。綿密に調べると、結晶性粒子は、一般に下に存在する結晶格子に対応する面を有する。アモルファス粒子は、一般に、球形態様を有する。非対称の粒子についての直径測定は、粒子の主軸に沿っての長さ測定の平均に基づく。
その小さなサイズのため、一次粒子は、近くの粒子の間のファンデルワールスおよび他の電磁力により緩い凝集体を形成する傾向がある。この凝集体は一次粒子に基づいてかなりの程度まで分散体中に分散することができ、いくつかの具体例においては、実質的に完全に分散した一次粒子を形成することができる。分散した粒子のサイズは二次粒子サイズということができる。平均二次粒子サイズが好ましくはほぼ平均一次粒子サイズとなるように、一次粒子サイズは、もちろん、粒子の特定のコレクションについての二次粒子サイズのより低い制限である。二次または凝集した粒子のサイズは、その最初の形成に続く粒子の引き続いての加工および粒子の組成および構造に依存するであろう。いくつかの具体例においては、二次粒子は約1000nm以下、追加の具体例においては、約500nm以下、さらなる具体例においては約2nmないし約300nm、他の具体例においては約2nmないし約100nm、別法として約2nmないし約50nmの平均直径を有する。当業者であれば、これらの特定の範囲内の他の範囲が考えられ、それは本開示のものであることを認識するであろう。液体分散体内の二次粒子サイズは、動的光散乱のごとき確立されたアプローチによって測定することができる。適当な粒子サイズアナライザーは、例えば、動的光散乱に基づくHoneywellからのMicrotrac UPA装置、日本のHoribaからのホリバ粒子サイズアナライザーおよびフォトン相関分光学に基づくMalvernからの装置のZetaSizerシリーズを含む。液体中での粒子サイズ測定についての動的光散乱の原理はよく確立されている。
たとえ粒子が緩い凝集体を形成したとしても、一次粒子のナノメートルスケールは粒子の透過型電子顕微鏡写真で明瞭に観察することができる。粒子は、一般に、顕微鏡写真で観察されるナノメートルスケールの粒子に対応する表面積を有する。さらに、その小さなサイズ、および材料の重量当たりの大きな表面積のためユニークな特性を発現することができる。例えば、結晶性でナノスケールのTiO2粒子の吸収スペクトルは後の実施例に記載するごとくシフトする。
サイズにおいて、一次粒子は高度な均一性を有することができる。レーザー熱分解は、一般に、非常に狭い範囲の粒子直径を有する粒子をもたらす。さらに、適当に温和な条件下での熱処理は粒子直径の非常に狭い範囲を変更させない。レーザー熱分解のための反応体のエアロゾルデリバリーに関しては、粒子直径の分布は反応条件に対して特に感受性である。それにも拘わらず、もし反応条件が適切に制御されたならば、粒子直径の非常に狭い分布がエアロゾルデリバリーシステムで得ることができる。透過型電子顕微鏡写真の調査から判断するごとく、一次粒子は、一般に、一次粒子の少なくとも約95%、好ましくは99%が平均直径の約40%より大で、平均直径の約160%未満の直径を有するようなサイズの分布を有する。好ましくは、一次粒子は、一次粒子の少なくとも約95%、さらに好ましくは99%が平均直径の約60%を超え、かつ平均直径の約140%未満である直径を有するような直径の分布を有する。当業者であれば、これらの具体的範囲内の他の範囲はこの開示によってカバーされることを認識するであろう。
さらに、好ましい具体例において、平均直径の約4倍を超え、好ましくは平均直径の3倍を超え、さらに好ましくは平均直径の2倍を超える平均直径を有する一次粒子はない。換言すれば、粒子サイズ分布は、効果的には、かなり大きなサイズを持つ少数の粒子を示すテイルを有しない。これは、粒子の小さな反応領域および対応する迅速なクエンチの結果である。サイズ分布のテイルにおける効果的なカットオフは、106中の約1未満の粒子が平均直径を超える特定のカットオフ値よりも大きな直径を有することを示す。高い粒子均一性は種々の適用で開発することができる。特に、高い粒子均一性はよく制御された光学特性に至り得る。
加えて、ブレンドへの一体化のためのナノ粒子は非常に高い純度レベルを有することができる。さらに、レーザー熱分解によって製造されるもののごとき結晶性ナノ粒子は高度な結晶化度を有することができる。同様に、レーザー熱分解によって製造された結晶性ナノ粒子は、引き続いて、加熱処理して、結晶化度および/または特定の結晶構造を改良および/または修飾することができる。粒子の表面にある不純物は、粒子を加熱して、高い結晶純度のみならず高い総じての純度を達成することによって除去することができる。
望ましい無機ナノ粒子の製造のためのレーザー熱分解の成功した適用の基本的特徴は、1以上の金属/メタロイド前駆体化合物を含む反応体流、放射線吸収体および、いくつかの具体例においては、二次反応体の創製である。二次反応体は、所望の生成物に必要な酸素のごとき非金属/メタロイド原子の源であり得、および/または所望の生成物の形成を駆動するための酸化剤または還元剤であり得る。もし前駆体が強い光照射下で望まれる生成物まで分解すれば、二次反応体は必要ない。同様に、もし金属/メタロイド前駆体および/または二次反応体が適当な光照射を吸収するならば、別々の放射線吸収体は必要ない。反応体流の反応は光ビーム、例えば、レーザービームのごとき強い放射線ビームによって駆動される。反応体流が放射線ビームを離れるにつれて、粒子は迅速にクエンチされる。
レーザー熱分解による商業的量の粒子の製造に適したレーザー熱分解装置は、レーザービームの経路に沿った方向でかなり細長い反応体流入口を用いて開発されている。この高用量レーザー熱分解装置、例えば、一時間当たり1キログラム以上は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「化学反応による粒子の効果的な製造」なる発明の名称の米国特許第5,958,348号に記載されている。レーザー熱分解による粒子の商業的生産のためのエアロゾル前駆体のデリバリー用のアプローチは、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「反応体デリバリー装置」なる発明の名称のGardnerらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許第6,193,936号に記載されている。
一般に、レーザー熱分解によって製造されたナノ粒子はさらなる処理に付して、組成および/または結晶性のごとき粒子の性質を改変することができる。例えば、ナノ粒子は、使用に先立って、ガス雰囲気中での加熱処理に付すことができる。適当に温和な条件下で、加熱処理は、初期粒子のナノスケールサイズまたは狭い粒子サイズ分布を破壊することなく粒子の特徴を修飾するのに効果的である。例えば、サブミクロンの酸化バナジウムの粒子の熱処理は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「熱での酸化バナジウム粒子の処理」なる発明の名称のBiらに対する米国特許第5,989,514号に記載されている。
広い範囲の単純なおよび複雑なサブミクロンおよび/またはナノスケール粒子は、さらなる熱処理の有りまたは無しにてレーザー熱分解によって製造されてきた。ポリマー‐無機粒子ブレンドの形成のための特に注目する具体例において、無機粒子が、一般に、その元素形態または化合物にての金属またはメタロイド元素を含む。具体例には、無機粒子は、例えば、銀およびケイ素、金属/メタロイド酸化物、金属/メタロイド窒化物、金属/メタロイド炭化物、金属/メタロイド硫化物またはその組合せのごとき元素金属または元素メタロイド、すなわち、非‐イオン化元素を含むことができる。加えて、ナノ粒子状炭素材料製造に対するキャパシティーがある。三元および四元化合物の複雑な系も作成されている。加えて、これらの高い品質の材料の均一性は実質的である。これらの粒子は、一般に、前記したごとき非常に狭い粒子サイズ分布を有する。複数タイプのナノ粒子の入手可能性は、ナノ粒子およびポリマーの間の潜在的組合せのかなりの増加を供する。
粒子の電気的特性に関しては、粒子が電気的導電性、電気的絶縁体または電気的半導体となるような組成をいくつかの粒子が含む。適当な電気的導電体は、例えば、元素金属およびいくつかの金属組成物を含む。金属のごとき電気的導電体は、一般に、約1×10-3オーム‐cm以下の室温抵抗性を有する。電気的絶縁体は、一般に、少なくとも約1×105オーム‐cmの室温抵抗性を有する。電気的半導体は、例えば、ケイ素、CdSおよびInPを含む。半導性結晶はいわゆるII‐VI化合物、III‐V化合物およびIV族化合物を含むように分類することができ、ここに、該数字は周期表における族をいう。半導体は、純粋な形態における温度に従う導電性の大きな増加、および電気的に活性な不純物でドーピングした際の数桁の大きさだけの電気導電率の増加によって特徴付けられる。半導体は、一般に、観察された導電性挙動をもたらすバンドギャップを有する。室温においては、半導体の導電率は、一般に、金属および良好な電気的絶縁体のそれの間にある。
いくつかの異なるタイプのナノスケール粒子がレーザー熱分解によって製造されてきた。本明細書中で用いるごとく、無機粒子はフレーレン、黒鉛およびカーボンブラックのごとき炭素質固体としての炭素粒子を含む。光反応蒸着用のそのようなナノスケール粒子は、一般に、変化する相対的割合で存在する多数の異なる元素を持つ組成物を含むものとして特徴付けることができ、ここに、該数および該相対的割合はナノスケール粒子についての適用に基づいて選択される。(恐らくは、熱処理のごときさらなる処理で)製造されてきた、あるいはレーザー熱分解による生産につき詳細に記載されてきた材料は、例えば、炭素粒子、ケイ素、アモルファスSiO2、ドープされたSiO2、結晶性二酸化ケイ素、チタン酸化物(アナターゼおよびルチルTiO2)、MnO、Mn23、Mn34、Mn58、酸化バナジウム、酸化バナジウム銀、酸化マグネシウムリチウム、酸化アルミニウム(γ‐Al23、デルタ‐Al23およびシータ‐Al23)、ドープされた結晶性およびアモルファスアルミナ、酸化スズ、酸化亜鉛、希土類金属酸化物粒子、希土類のドープされた金属/メタロイド酸化物粒子、希土類金属/メタロイド硫化物、希土類のドープされた金属/メタロイド硫化物、銀金属、鉄、酸化鉄、炭化鉄、硫化鉄(Fe1-xS)、酸化セリウム、酸化ジリコニウム、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ケイ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化ケイ素、チッ化ケイ素、および錯体アニオン、例えば、ホスフェート、シリケートおよびスルフェートとの金属/メタロイド化合物を含む。特に、光学材料の製造に適した多くの材料はレーザー熱分解によって製造することができる。ある範囲の組成を有するコーティングとしてのレーザー熱分解および対応する蒸着による粒子の製造は、さらに、ここに、出典明示して本明細書の一部とみなす「光学構造体の三次元エンジニアリング」なる発明の名称のBiらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願10/027,906に記載されている。
サブミクロンおよびナノスケール粒子は、レーザー熱分解および他の流動リアクターシステムを用いて選択されたドーパントで製造することができる。アモルファス粉末および結晶性粉末は、複数の選択されたドーパントを含む錯体組成物で形成することができる。該粉末は、光学材料等を形成するのに用いることができる。希土類ドーパントおよび/または他の金属ドーパントのごときドーパントでのアモルファスサブミクロンおよびナノスケール粉末は、さらに、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「ドープされたガラス材料」なる発明の名称のHorneらに対する同時係属し共通に譲渡された米国仮特許出願シリアル番号60/313,588号に記載されている。希土類ドーパントのごときドーパントでの結晶性サブミクロンおよびナノスケール粒子は、さらに、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「高ルミネセンスリン光粒子」なる発明の名称のKumarらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/843,195に記載されている。
該ドーパントは、反応体流の組成を変化させることによって所望の量で導入することができる。ドーパントは、反応体流の組成および処理条件を適切に選択されることによって、適当なホスト材料に導入される。かくして、例えば、希土類ドーパントおよび/またはドーパント組成物の複雑なブレンドを含めた選択されたドーパントにてホスト組成物として1以上の金属またはメタロイド元素を一体化させるサブミクロン粒子を形成することができる。ホスト材料が酸化物である具体例では、酸素源も反応体流に存在されるべきである。これらの具体例では、リアクターでの条件は酸化物材料を製造するために充分に酸化性であるべきである。
さらに、ドーパントを導入して、得られた粒子の特性を変化させることができる。例えば、ドーパントを導入して、引き続いて、ポリマー‐無機粒子ブレンドに一体化される粒子の屈折率を変化させることができる。光学適用では、屈折率を変化させて、選択された波長範囲の光で作動する特定の光学デバイスを形成することができる。また、ドーパントを導入して、材料の処理特性を改変することもできる。さらに、ドーパントは材料内で相互作用することもできる。例えば、いくつかのドーパントは、他のドーパントの溶解性を増加させるために導入される。
いくつかの具体例において、該1または複数のドーパントは、希土類金属、あるいは1以上の他のドーパント元素を含む希土類金属である。希土類金属は、周期表の第IIIb族の遷維金属を含む。具体的には、希土類元素はSc、Yおよびランタニド系列を含む。他の適当なドーパントはアクチニド系列の元素を含む。光学ガラスでは、ドーパントとしての特に注目する希土類金属は、例えば、Ho、Eu、Ce、Tb、Dy、Er、Yb、Nd、La、Y、PrおよびTmを含む。一般に、注目する希土類イオンは+3イオン化状態を有するが、Eu+2およびCe+4も注目される。希土類ドーパントは光学吸収特性に影響することができ、これは、光学増幅器および他の光学デバイスの製造用の材料の適用を改変することができる。光学ガラスのための適当な非希土類金属ドーパントは、例えば、Bi、Sb、Zr、Pb、Li、Na、K、Ba、B、Ge、W、Ca、Cr、Ga、Al、Mg、Sr、Zn、Ti、Ta、Nb、Mo、Th、CdおよびSnを含む。
加えて、光学ガラス形成用の酸化アルミニウムのための適当な金属酸化物ドーパントは酸化セシウム(Cs2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)、酸化タリウム(Tl2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)および酸化バリウム(BaO)を含む。酸化アルミニウムドーパントは、例えば、屈折率、団結温度および/またはガラスの多孔性に影響し得る。赤外線エミッターのための適当な金属酸化物ドーパントとは、例えば、酸化コバルト(Co34)、Er23,CrO2、Tm23、Nd23、Yb23、Pr23、Dy23およびHo23を含む。
前記したごとく、レーザー熱分解は、ある範囲の粉末組成物を製造するのに用いられてきた。該組成物は複数の金属/メタロイド元素を含むことができる。これらの粉末材料のいくつかに関連する文献の代表的な例を示す。
ナノ粒子製造の最初の例として、酸化ケイ素ナノ粒子の製造は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「酸化ケイ素粒子」なる発明の名称のKumarらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/085,514に記載されている。この特許出願はアモルファスSiO2の製造を記載する。炭化ケイ素およびチッ化ケイ素のレーザー熱分解による合成は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「粒子分散体」なる発明の名称の、1999年11月5日出願されたReitzらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/433,202に記載されている。レーザー熱分解によるケイ素粒子の製造は、出典明示して本明細書の一部とみなす「レーザー/駆動反応からの焼結可能なセラミック粒子:II、粉末の特徴および製造の変数」なる表題のJ. of the American Ceramic Society,Vol.65,No.7,PP.330‐335(1982)の論文においてCannonらによって記載されている。
酸化チタンナノ粒子および結晶性二酸化ケイ素ナノ粒子の製造は、出典明示して本明細書の一部とみなす「金属(ケイ素)酸化物/炭素複合体」なる発明の名称のBiらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/123,255に記載されている。特に、この出願はアナターゼおよびルチルTiO2の製造を記載する。酸化アルミニウムナノ粒子の製造は、出典明示して本明細書の一部とみなす「酸化アルミニウム粒子」なる発明の名称のKumarらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/136,483に記載されている。特に、この出願はγ‐Al23の製造を開示する。ガス状デリバリーの充分な蒸気圧を持つ適当な液体状のアルミニウム前駆体は、例えば、アルミニウムs‐ブトキサイド(Al(OC493)を含む。また、多数の適当な固体状のアルミニウム前駆体化合物が入手でき、これは、例えば、塩化アルミニウム(AlCl3)、アルミニウムエトキシド(Al(OC253)およびアルミニウムイソプロポキシド(AL[OCH(CH323)を含む。
さらに、混合された金属酸化物ナノ粒子は、その全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「複合体金属酸化物粒子」なる発明の名称のKumarらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/188,768、「三元粒子を製造するための反応方法」なる発明の名称のKumarらに対する09/334,203、および「酸化マグネシウムリチウムおよび電池」なる発明の名称のHorneらに対する米国特許第6,136,287号に記載されているごとく、引き続いての熱処理有りまたは無しでのレーザー熱分解によって製造されてきた。錯体アニオンを含む金属/メタロイド化合物を含むサブミクロンおよびナノスケール粒子の形成は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「粉末組成物および錯体アニオンで粒子を形成する方法」なる発明の名称のChaloner‐Gillらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/845,985に記載されている。適当な錯体アニオンは、例えば、ホスフェート、シリケートおよびスルフェートを含む。
ポリマー/無機粒子ブレンドの形成
ブレンドの形成は、得られたブレンドが単一の材料を形成するように、ポリマー材料内に粒子を分配することを含む。粒子をポリマー材料と組み合わせる前にあるいは無機粒子またはそのいくつかの組合せの存在下で、重合プロセスを行なうことができる。特定のブレンドを形成するための方法は、一般に、粒子が混合物としてポリマーマトリックスバインダー内に簡単に分散されるか否か、あるいは粒子の少なくともいくらかが複合体としてポリマーに共有結合するか否かに依存する。ブレンドを形成する方法は、特に複合体の形成のために無機粒子を分散させることを含むことできる。もし複合体が形成されれば、リンカー分子を用いて、ポリマーおよび無機粒子を連結されることができる。リンカー、無機粒子およびポリマーを結合させる順序は、便利なプロセスが得られるように選択することができる。
粒子分散体の形成は、粒子が得られたブレンド内に充分に分散できるような粒子の分離を供する。分散体の使用の結果、ブレンドを通じてほぼ均一に分散した粒子を含むより均一なブレンドを得ることができる。溶媒、pH、イオン強度および添加剤は、粒子の分散を改良するように選択することができる。粒子のより大きな分散および分散体の安定性は、得られたブレンドにおける粒子の凝集を低下させるのを助ける。
しかしながら、別の具体例においては、粉末をポリマーと共に粉砕するか、またはそうでなければそれと直接混合して、粒子をポリマーを通じて分散させることができる。混合は、溶媒/分散剤の存在の有りまたは無しにて行なうことができる。例えば、市販のミキサーまたはグラインダーを用いて、粒子‐ポリマー混合物を形成することができる。熱、圧力および/または溶媒/分散剤の除去を用いて、ポリマーがバインダーとして機能するポリマー混合物内に粒子を結合させることができる。混合物中の高い粒子負荷におけるにも拘らず、恐らくはもし粒子が混合物の形成に先立ってまたは形成の間に充分に分散するのでなければ、粒子は高度に凝集しかねない。
いくつかの具体例において、粒子分散体の形成は該プロセスの区別される工程であり得る。好ましくは、粒子、例えば、ナノ粒子のごとき粒子のコレクションは、ポリマーブレンド、例えば、複合体への均一な導入のために充分に分散させる。液相粒子分散体は、望ましいブレンド構造体の形成で用いることができる小さな二次粒子の源を供することができる。望ましい量の無機粒子の液状分散は、一般に、粒子の濃度、分散体の組成および分散体の形成に依存する。具体的には、分散の程度は、固有には、粒子間相互作用、粒子と液体との相互作用および粒子の表面化学に依存する。適当な分散体は、例えば、水、アルコールおよび炭化水素のごとき有機溶媒、およびその組合せを含む。適当な分散剤/溶媒の選択は、一般に、粒子の特性に依存する。分散の程度および分散体の安定性は、かなり凝集した粒子からの大きな影響なくして均一な複合体を製造するための重要な特徴であり得る。
一般に、液状分散体とは、約80重量%以下の粒子濃度を有する分散体をいう。粒子分散体の形成には、特定の粒子濃度は選択された適用に依存する。約50重量%を超える濃度では、より希薄な粒子分散体を特徴付けるパラメーターに対して得られた粘性ブレンドの形成および特徴付けに関して、異なる因子が重要であり得る。粒子の濃度は粘度に影響し、分散プロセスの効率に影響し得る。特に、高い粒子濃度は粘度を増加させることができ、粒子を分散させて、小さな二次粒子サイズを達成するのを困難とするが、剪断の適用は粒子分散を助けることができる。
多くのポリマーが有機溶媒に可溶性であるので、多くの具体例は非水性分散体の形成を含む。加えて、水ベースの分散体は、界面活性剤、緩衝液および塩のごときさらなる組成物を含むことができる。特定の粒子では、分散体の特性は、pHおよび/またはイオン強度を変化させることによって調整することができる。イオン強度は、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のごとき不活性な塩の添加によって変化させることができる。リンカーの存在は、分散体の特性および安定性に影響し得る。pHは、一般に、分散した粒子の表面荷電に影響する。液体は、溶媒和‐タイプの相互作用の形態の物理的/化学的力を粒子に加えることができ、これは、粒子の分散において助けとなり得る。溶媒和‐タイプの相互作用は性質がエネルギー的および/またはエントロピー的であり得る。
分散体の質は、一般に、分散体の形成用のプロセスに依存する。分散体においては、分散体における分散剤および他の化合物によって適用される化学的/物理的力以外に、機械的力を用いて、隣接する粒子の間にファンデルワールス力および他の短い範囲の電磁力によって一緒に保持される一次粒子を分離することができる。特に、分散体に適用される機械的力の強度および持続は、分散体の特性に有意に影響する。機械力は、溶媒中への分散に先立って粉末に適用することができる。別法として、剪断応力のごとき機械力は、粉末または複数粉末および液体または複数液体を合わせた後に、混合、攪拌、ジェット流衝突および/または音波処理として適用することができる。もし一次粒子の間に凝集力のより大きな破壊があれば、より小さな二次粒子のサイズが得られる。
例えば、一次粒子サイズに近い小さな二次粒子サイズの存在の結果、均一な特性を有するブレンドの形成のための分散体の適用においてかなりの利点を得ることができる。例えば、より小さな二次粒子サイズ、および一般的に小さな一次粒子サイズは、ブレンドを用いるより平滑なおよび/またはより小さくかつより均一な構造体の形成を助けることができる。コーティングの形成において、より薄くかつ平滑なコーティングは、より小さな二次粒子を有する無機粒子分散体で形成されたブレンドで形成することができる。
一旦分散体が形成されれば、分散体は、継続した機械的攪拌または掻き混ぜなくして容器の底に粒子が集められるように結局は分離し得る。安定した分散体は、分散体から分離しない粒子を有する。異なる分散体は異なる安定性の程度を有する。分散体の安定性は粒子の特性、分散体における他の組成物、分散体の形成するのに用いる処理および安定化剤の存在に依存する。適当な安定化剤は、例えば、界面活性剤を含む。いくつかの具体例において、ブレンドを形成するための適当な処理を一定攪拌などに関連して用いて、粒子分散体の分離を防止することができるが、引き続いてのブレンドを形成する処理工程の間に有意な分離なくして分散体を用いることができるように、分散体は合理的に安定である。
複合体の形成には、粒子分散体の形成の間、またはその形成の後に、分散体はリンカー分子および/またはポリマーと相互作用する。所望の複合体を形成するには、1以上のリンカー分子への化学的結合によって、無機粒子をその表面を修飾することができる。一般に、リンカーを含む具体例においては、溶液から結合する場合にリンカーが実質的に均質に溶解するように、リンカーは、無機粒子分散体および/またはポリマー分散体を形成するのに用いる液体に可溶性である。組み合わせた粒子分散体およびポリマー分散体/溶液についての条件は、リンカー、無機粒子およびポリマーの間の結合の形成に適したものとすることができる。リンカーを無機粒子およびポリマーに添加する順序は、所望の処理効率を達成するように選択することができる。一旦、複合体の成分の間の結合を完了するのに充分な時間が過ぎれば、複合体はさらに処理することができる。
無機粒子に対するリンカー組成物の比率は、好ましくは、無機粒子当たり少なくとも1つのリンカー分子である。リンカー分子の表面は無機粒子を修飾し、すなわち、無機粒子を官能性化する。リンカー分子は無機粒子に結合するが、それは、ポリマーへの結合に先立って無機粒子に必ずしも結合するのではない。それはまずポリマーに結合することができ、次いで、粒子に結合できるに過ぎない。あるいは、リンカーおよび2つの種の間の結合が同時に起こるように成分をブレンドすることができる。
リンカー化合物およびポリマー/モノマー成分は、同時に、または順次に、粒子分散体と共に液体に添加することができる。種々の構成要素を組み合わせる順序は、所望の結果が得られるように選択することができる。液体内での条件は、好ましくは、リンカーとの結合形成および、恐らくは、ポリマー/モノマー構成要素に関する他の結合形成に適したものである。一旦複合体が形成されれば、液体を除去し、または固化させて、複合体を形成させる構造を離れさせることができる。
ポリマー/モノマー組成物は、無機粒子分散体への添加に先立って、溶液/分散体に形成することができるか、あるいはポリマー/モノマーを固体として粒子分散体に添加することができる。好ましい具体例において、ポリマー/モノマー組成物は、粒子分散体を形成するのに用いる液体に可溶性である。もしポリマー/モノマーが粒子分散体に可溶性/分散性でなければ、混合して反応を行ないつつ、ポリマー/モノマー溶液または粒子分散体いずれかをゆっくりと他方に添加する。ポリマー/モノマーをまず可溶化させて、無機粒子分散体から分離するか否かは、ポリマー/モノマー可溶化のキネティックスおよび種々の溶液/分散体の所望の濃度に依存し得る。同様に、結合キネティックスは、混合手法の順序および詳細に影響し得る。
いくつかの具体例において、反応条件および/または触媒等の存在が、リンカーと無機粒子および/またはポリマー/モノマーとの反応を開始するのに必要である。これらの具体例において、成分は、触媒の添加の反応条件の調整に先立って混合することができる。かくして、反応条件の調整またはより均一な複合体を形成するための触媒の添加に先立って、よく混合された溶液/分散体を形成することができる。
ポリマー‐無機粒子ブレンドを一体化させた構造体
ブレンドはそれ自体で独立している構造体に形成できるが、注目する構造体は、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよびもう1つの材料の間に界面を含むことができる。界面における他の材料はそれ自体がポリマー‐無機粒子ブレンドであってもなくてもよい。界面は、平らな表面に沿って、拡大された材料のエッジに沿って、および/または他のタイプの表面(単純または複雑)に沿ってとすることができる。注目するいくつかの具体例において、ポリマー‐無機粒子ブレンドは光学材料である。これらの具体例において、他の材料は、界面が光学界面であるような光学材料とすることもできる。界面を特定の構造体に一体化させて、注目するデバイスを形成することができる。
図1を参照すると、構造体100はポリマー‐無機粒子ブレンドの第1の層102および第2の材料の第2の層104を含む。第1の層102は界面106において第2の層104に接触している。この具体例において、単純なまたは複雑な幾何学の他の非平面界面を形成することができるが、界面106は平面状である。さらなる層を、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび/または他の材料から形成することができる。具体的には、構造体は、同一または異なる組成を有する隣接する層を持つ3以上の層を含むことができる。もし隣接する層が共にポリマー‐無機粒子ブレンドであれば、該層はポリマー、無機粒子および/または粒子負荷に関して異なり得る。特に、隣接する層は、隣接する材料の間の屈折率の差を調整するために異なる粒子負荷を有することができる。層内の光学特性は、屈折率、ならびに例えば厚みを含めた寸法に依存する。図1に示したごとき平面状構造体は、少なくとも1桁の大きさ、すなわち、2つの拡大された寸法に垂直な寸法に沿った厚みよりも10のファクターだけより大きい2つの寸法の長さを有する。
図2を参照すると、構造体112は、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび第2の材料116を含む第1の材料114を有する。第1の材料114および第2の材料116はエッジに沿った界面118を形成する。エッジは、構造体の拡大された長さ寸法よりも少なくとも1桁の大きさだけ小さな少なくとも1つの寸法を有する。より複雑な構造体は図3に示される。構造体124は、ポリマー‐無機粒子ブレンド、第2の材料128および第3の材料130を含む第1の材料126を含む。第1の材料126、第2の材料128および第3の材料130は、界面132、134、136、138において相互に接触する。ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む種々の他の構造体を形成することができ、これは、例えば、隣接する材料間に対応する複雑な界面を持つより複雑な構造体および/または構造体を介して光学経路を形成することができる界面のネットワークを持つ構造体を含む。
一般に、注目する構造体内の材料の1つは、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む。ブレンドの成分の適当な相対的割合および組成は前記にて詳細に記載した。具体的な組成は、構造体内の材料の屈折率のごとき所望の特性に基づいて選択することができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドは混合物または複合体であり得る。適当なプロセスを用いて複合体を形成すると仮定すれば、ポリマー‐無機粒子複合体は、一般には、より安定であって、混合物と比較してより分散した無機粒子を有する。加えて、ポリマー‐無機粒子ブレンド材料は、さらに、例えば、有機または無機ポリマー粒子のごとき他のポリマーおよび/または非ポリマー、非粒子状特性改質剤、例えば、粘度改質剤、抗酸化剤、可塑剤、色素等を含むことができる。また、ポリマー‐無機粒子複合体は、無機ポリマーに結合していないか、あるいは無機粒子に結合したポリマーに架橋していないポリマーに含むことができる。これらの非結合ポリマーは、複合体の無機粒子に結合したポリマーと同一の化学的組成を有しても有していなくてもよい。同様に、ポリマー‐無機粒子複合体は結合した無機粒子に加えて非結合無機粒子を含むことができる。非結合無機粒子は、結合粒子と同一の、組成、結晶化度、平均サイズおよびサイズの分布のごとき特性を有していても有していなくても良い。
構造体における他の材料(類)は、ポリマー‐無機粒子ブレンドを有していても有していなくてもよい。例えば、他の材料はポリマーまたは非ポリマー無機材料であり得る。具体的には、ポリマーは、隣接するポリマー‐無機粒子ブレンドで用いるのと同一のポリマーであってもなくてもよい。構造体への一体化に適したポリマーは、例えば、前記したごとく、ブレンドに一体化させることができるポリマーを含むことができる。ブレンドに形成されないこれらのポリマーは、粘度改質剤、可塑剤、抗酸化剤、色素等のごとき添加剤と組み合わせることができる。これらのポリマーはポリマー‐無機粒子ブレンドに隣接させておいた場合、隣接する層におけるポリマーおよび無機粒子の性質は、一般に、界面の性質を決定する。界面における他の材料に関しては、適当な非ポリマー‐無機材料は、例えば、元素金属、金属合金、金属/メタロイド組成物、黒鉛およびアモルファス炭素のごとき炭素材料等を含む。非ポリマー無機材料は、線状ポリマー単位に共有結合していない結晶性およびアモルファス組成物を含む。光学構造体の形成では、適当な無機粒子は、例えば、TiO2、SiO2、GeO2、Al23、P25、B23、TeO2、およびその組み合わせ、混合物およびドープされたバージョンを含む。酸化亜鉛、KTaO3、K(Ta,Nb)O3、YVO4、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、リン化インジウム(InP)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、およびチタン酸バリウム(BaTiO3)のごとき非線形光学材料を光学構造体内で用いて、いくつかの光学デバイスでは望ましくあり得る、非線形出力応答から得られる光出力の関数として、入射光線の、および/または光双安定またはスイッチ機能のために、波長を変調し、例えば、調波を生じさせることができる。ドーパントを用いて、非線形光学材料の性能を増加させることができる。レーザー熱分解装置へのエアロゾルのデリバリーのための適当なカドミウム前駆体は、例えば、CdCl2およびCd(NO32を含み、レーザー熱分解装置へのエアロゾルデリバリーのための適当なインジウム前駆体は、例えば、三塩化インジウム(InCl3)を含む。加えて、小さな結晶性ナノ粒子、例えば、約20nm以下の粒子は、逆転非対照の喪失をもたらす不完全性のため非線形特性を呈し得る。これらの対照性を破壊する効果は、小さな粒子サイズのため増強される。かくして、結晶性ケイ素のごとき小さなナノ粒子を用いて、非線形光学効果を利用することができる。光学適用では、より大きな光学非線形効果を得るためには、大きな二次および/または三次の電気磁化率(χ(2)およびχ(3))を持つ材料を有するのが望ましい。
構造体内の1以上の材料は光学材料であり得る。特に、1以上の光学材料は、構造体が光学構造体であるように、構造体内に一体化させることができる。光学構造体は、構造体内で光を伝達し、および/または操作することができる1以上の光学デバイスを一体化させることができる。本明細書中で用いるごとく、光学材料は、選択された波長にて、散乱および吸収による低い喪失でもって、光を伝達することができる材料を含むことができる。特に、伝達適用では、望ましい材料はかなり低い伝搬喪失を有するが、光学材料は、1センチメートルを約20%以下だけ超える赤外線、可視光線または紫外線における特定の波長での伝搬喪失を有する。有用な光学材料は、いくつかの波長において吸収でき、他の波長において伝達できる。例えば、増幅器材料は紫外線において吸収でき、および/または可視光線または赤外線において目に見え、かつ伝達できる。他の具体例においては、光学材料は、吸収または電気的刺激による励起に際して所望の周波数において発光する。かくして、燐光体等をポリマー‐無機粒子ブレンドに一体化させることができる。ナノ粒子燐光体は、さらに、ここに出典明示して、「高ルミネセント燐光体」なる発明の名称のKumarらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/843,195に記載されている。いくつかの具体例において、燐光体はホスト結晶またはマトリックスおよび少量の活性化物質を含む。燐光体の形成のための適当なホスト材料は、例えば、ZnO、ZnS、Zn2SiO4,SrS、YBO3、Y23、Al23、Y3Al512およびBaMgAl1423を含む。一般に、重金属イオンまたは希土類イオンを活性化物質として用いる。
特に、注目するいくつかの具体例においては、ポリマー‐無機粒子ブレンドは光学材料である。一般に、ポリマーおよび無機粒子の組成は、所望の光学特性を持つ光学材料を形成するように適切に選択される。同様に、粒子負荷は、得られたブレンドの所望の光学特性が得られるように選択される。好ましい具体例においては、ブレンドは、所望の構造体への加工の間に高い粒子負荷において所望の程度の安定性を供するための複合体である。
ポリマー‐無機粒子ブレンドは、広い範囲にわたって屈折率の継続的選択を提供する。ブレンドの屈折率は、一般には、無機粒子およびポリマーの屈折率の重量比率によってほぼ直線的組合せであることが予測される。粒子負荷の関数としての屈折率の依存性におけるいずれの非線形も、屈折率の測定に経験的に基づいて説明することができる。高い屈折率の材料を形成するには、高屈折率で対応して選択されるべき無機粒子では、高い粒子負荷が一般的に用いられる。かくして、純粋なポリマーは、一般に、ブレンドのための屈折率に対する下限に供するであろう。粒子負荷の関数としてのブレンドのための屈折率の上限は、最も高い粒子負荷における指標値であろう。具体的には、TiO2は、一般に、約2.5ないし約2.9の範囲の値を持つ高屈折率を有する。InPおよび他のリン化物は、例えば、3を超える屈折率を有する。SiO2は、一般には、約1.45ないし約1.5の比較的低い屈折率を有する。適当なポリマーは、一般に、約1.3ないし約1.6の低い屈折率を有する。かくして、ポリマー‐無機粒子ブレンドは約2.7以上の屈折率を持つものとして形成することができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドおよびポリマーまたはもう1つのポリマー‐無機粒子ブレンドの間の界面では、屈折率の差は望むごとく小さくできるか、あるいはある具体例においては、0.001ないし約1.5以上とすることができる。
ブレンド内でのナノ粒子の使用は、より大きな無機粒子を用いる場合に、対応するブレンドの光学特性に対してより高い透明性および光の低下した散乱の光学材料についての利点を有する。ナノ粒子は、約0.8ミクロンないし約5.0ミクロンの波長を含めた電磁波スペクトルの赤外部分における散乱を低下させるのに特に効果的である。かくして、ナノ粒子で形成されたポリマー‐無機粒子ブレンドは、対応して、より低い散乱を有するであろう。
ポリマー‐無機粒子材料が光学材料である具体例では、界面における隣接材料は、光学的界面が形成されるような光学材料とすることもできる。界面における他の光学材料はポリマー、ポリマー‐無機粒子ブレンドまたは均一な無機材料とすることができる。特に、低い屈折率の材料を形成するために、ポリマーを用いることができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドを用いて、界面にある材料の間に所望の屈折率の差を入れ込み、所望の光学特性を第2の材料に与えることができる。適当な均一な無機粒子は、例えば、シリカガラスおよびドープされたシリカガラスのごとき光学ガラス、および水晶のごとき結晶性または多結晶性材料を含む。
界面における2つの材料の間の屈折率の差が、一般には、当該構造体を一体化させた所望のデバイスを形成するように選択される。一般に、屈折率の差は少なくとも約0.0025であり、他の具体例においては、少なくとも約0.005であり、さらなる具体例においては、少なくとも約0.01である。いくつかの具体例においては、比較的小さな差が、光を閉じ込め、伝搬モードを制御するのに充分である。別の具体例においては、屈折率の大きな差を用いて、所望の機能性を得る。かくして、少なくとも約0.05、さらなる具体例においては少なくとも約0.1、他の具体例においては約0.2ないし約0.5、さらなる具体例においては約0.5ないし約2.0の2つの材料の間の屈折率の値の差を有するのが望ましいであろう。当業者であれば、これらの明示的差の間の屈折率の値の差についての他の値が考えられ、それは、本開示内のものであることを認識するであろう。
異なる屈折率を持つ2つの材料の間の転移は、材料間の漸次のまたは連続的変化を持つものとして形成することができる。反射は、界面にある2つの材料の間の屈折率の差の関数である。異なる屈折率を持つ2つの光学材料の間の界面における伝達および反射の評価は、よく知られた光学式を用いて計算することができる。該関数は屈折率に関して非線形、すなわち、二次であるので、界面における反射による喪失は減少させることができるか、または無くすることができる。反射におけるこの低下は、2つの材料の間の屈折率の大きな差を持つ材料間の転移で特に重要であり得る。
光学的界面を用いて、単純なまたは複雑な構造および/または機能性を持つ光学デバイスを形成することができる。例えば、ポリマー‐無機粒子ブレンドを用いて、導波管/光学チャネルおよびカプラー/スプリッター等のごとき受動的光学デバイスを形成することができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドを、デバイスのコアおよび/またはクラッドで用いることができる。例えば、導波管等は、光ファイバー内で、または平坦な光学構造体上に置くことができる。図4を参照すると、導波管140は、クラッド144によって囲まれたコア142を有する。一般には、コア142は、全内部反射によって光がコア内に閉じ込められるように、クラッド144よりも高い屈折率を有する。屈折率の差は、特定の波長における光の伝達モードを制限するように選択することができる。もしコアおよびクラッドが共にポリマー‐無機粒子ブレンドから形成されれば、粒子負荷、ポリマーおよび/または組成物の組成および無機粒子の他の特性を選択することによって、屈折率の差を合わせることができる。図5および6を参照すると、クラッド150によって囲まれたコア材料148を持つカプラー/スプリッター146が示される。伝播方向に対して直角のコアの適当な寸法は、屈折率および光の波長に依存する。しかしながら、一般に、導波管の断面を横切る寸法は、光の波長のオーダーの大きさ内にある。かくして、ほとんどの光学適用では、光チャネルは約10ミクロン未満の寸法を有する。
光学構造体の平面的な具体例においては、図4ないし6におけるごとき導波管および匹敵するエレメントは、一般には基材上に層状構造を有する。これらの具体例において、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、コアの頂部のオーバークラッドおよび/またはシリカガラスのごとき均一な無機光学材料のアンダークラッドとして用いて、非熱的導波管を形成することができる。特に、ポリマー‐無機粒子ブレンドの存在は、もしポリマー‐無機粒子ブレンドの屈折率が熱的応力の存在のため構造体における屈折率変化を説明するように選択されれば、構造体内における熱的応力を補うことができる。
ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび第2の材料との対応する界面は注目するデバイスに一体化させることができる。適当なデバイスは光学デバイスであり得る。ポリマー‐無機粒子ブレンドで形成することができるデバイスは、例えば、インターコネクト、リフレクター、ディスプレイ、マイクロ‐電気機械的構造体(MEMS)、チューナブルフィルターおよび光スイッチを含む。MEMS構造体は光学デバイスに一体化させて、例えば、成分の間の距離を調整することができる。注目する他のデバイスは後記するごとき屈折率の周期的変化を有する。
低喪失インターコネクトを図7Aおよび7Bに示す。図7Aを参照すると、インターコネクト151はクラッド153内にコア152を含む。コア152は第1の高屈折率材料154を第2の低屈折率材料155と連結する。コア152は、さらに、インターコネクト転移156を含む。インターコネクト転移156は、第1の材料154および第2の材料155の屈折率の間の中間の屈折率を持つ1以上の層157を含む。層157は、第1の材料154に向かうより高い屈折率および第2の材料155に向かうより低い屈折率を持つ屈折率の漸次の単調な転移を有する。層の厚みおよび数は、第1の材料154および第2の材料155の間を伝達される光の反射による喪失を任意に小さな値まで低下させるように選択することができる。層をより小さくし、層の数を増加させることによって、インターコネクト転移は、喪失がゼロに近づく屈折率における連続的転移を近似することができる。インターコネクト転移157は、ポリマー‐無機粒子ブレンドから形成することができる。屈折率は、ポリマーおよび/または無機粒子の組成を変化させることによって改変することもできるが、屈折率は、粒子負荷を変化させることによって便宜には段階的にあるいは連続的に変化させることができる。第1の材料154および第2の材料155は、各々、光学ポリマー、ポリマー‐無機粒子ブレンド、またはドープされた酸化ケイ素ガラスのごとき、密な無機光学材料とすることができる。
屈折率の変化でもって、導波管(繊維状または平面状)のコア領域の適当な断面積は、光の伝搬を変化させることなく改変することができる。特に、屈折率の増加を持って、コアはより薄くおよび/またはより狭くすることができる。次いで、インターコネクトは、それに従い、屈折率の変化でもってサイズを徐々にまたは段階的に変化させることができる。図7Bを参照すると、インターコネクトコア131は高屈折率コア133および低屈折率コア135の間を連結する。図7Bに示すごとく、インターコネクトコア131は、より薄い寸法の隣接する高屈折率コア133から厚みにおいて徐々にテーパーを付し、これは、より厚い寸法の隣接する低屈折率コア135に対して、低屈折率コア133よりも対応してより薄い。屈折率は連続的にまたは段階的に変化させることができる。同様に、別の具体例において、インターコネクトコア131の厚みは段階的に変化させることができる。インターコネクトクラッド137、より薄いクラッド139およびより厚いクラッド141は、全て、同一屈折率を持つ同一材料から、あるいは対応して異なる屈折率をもつ異なる材料から形成することができる。インターコネクトクラッド137は、段階的にまたは連続的に厚みおよび/または屈折率を変化させることができる。
加えて、ポリマー‐無機粒子ブレンドは2つの他の光学材料の間の接着剤として用いることができる。重合および/または架橋は、2つの材料の間のインターコネクトとしてのブレンドの適用に続いて完了させることができる。重合/架橋の完了は物理的に2つの材料を連結させ、連結的光路を供することができる。ポリマー/無機粒子ブレンドの屈折率は、前記したごとく、他の材料にほぼマッチさせて、損失を低下させるように選択することができる。高い利用可能な粒子負荷のため、光学接着剤は高い屈折率を有することができる。ポリマー単独またはより低い屈折率のポリマー‐無機粒子ブレンドをクラッドとして加えることができ、これは、材料の物理的結合をさらに助けるための適用に続く完了まで重合または架橋する。そのような具体例は図8に示される。コア接着剤161およびクラッド接着剤163は第1の光学導管165および第2の光学導管167を連結する。コア接着剤161は、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含む。
コアは周囲のクラッドよりも高い屈折率を有するので、光は、内部全反射により導波管を通って一般には伝達される。損失は、もしコアおよびクラッドの間の屈折率が、曲げにおける入射角においてコア内に光を封じ込めるのに充分に大きくなければ、コアの曲げにより損失が起こり得る。もしコアおよびクラッドの間の屈折率の差がより大きければ、光学伝達において損失を蒙ることなく、コアにおいてより鋭い曲げを作成することができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドは、コアおよびクラッドの間の屈折率のより大きな差が形成できるように、前記したごとく、比較的高い屈折率でもって形成することができる。適当な程度の曲げは、慣用的な光学処方を用いて評価することができる。かくして、より大きな角度を持つ曲げは、より低い達成可能な屈折率を持つ材料が関係する曲げに対して達成することができる。曲げは図9に示される。コア171はクラッド173によって囲まれる。曲げ175における角度は、損失または許容されるほど小さな損失を生じないように、屈折率の差に基づいて選択することができる。より鋭い角度でのリフレクター/曲げを用いて、より小さなフットプリントにおいて光学デバイスを形成することができる。
適当なディスプレイは、例えば、反射型ディスプレイを含む。いくつかの具体例において、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、ポリマー‐分散液晶ディスプレイ内の慣用的ポリマーを置き換えることができる。ポリマー‐無機粒子ブレンドについての所望の屈折率を選択することによって、より小さな望まない反射しか起こらないように、屈折率を隣接する材料と良好にマッチさせることができる。望ましくない反射を少なくして、ディスプレイエレメントはより鋭いイメージを有することができる。ポリマー‐分散液晶ディスプレイの一般的な特徴は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「ポリマー‐分散液晶組成物および該組成物を用いる液晶ディスプレイエレメント」なる発明の名称のFukaoらに対する米国特許第6,211,931号にさらに記載されている。
ポリマー‐分散液晶ディスプレイの具体例の一部を図10に示す。ディスプレイ160は第1のエレメント162および第2のエレメント164を有する。各エレメントは、間隔を設けた立体配置にて、透明な電極166および透明な対電極168を有する。透明電極は、例えば、酸化スズインジウムから形成することができる。外側透明カバー170はディスプレイ160の観察側をカバーする。黒色吸収層172は、透明カバー170と反対のディスプレイ160の側に透明対電極168を過ぎて位置する。ポリマー‐無機粒子ブレンド174は透明電極166および透明対電極168の間に位置する。液晶液滴176はブレンド172内に分散される。液晶液滴176はマイクロカプセルとすることができるか、あるいはブレンド中のボイド内に位置させることができる。液晶液滴は、シアノビフェニル‐ベースの液晶(Merck Corp.によって生産)のごとき液晶を含むことができ、および色素を含むことができる。
電極166、168は電極166、168への電流の選択的適用のために制御回路178に連結し、それにより、透明な電極166および透明な対電極168の間に電場を生じさせる。電流を適用しなければ、透明カバー170を通って侵入する光が散乱し、かつエレメント162が色素に基づく色を有するように、エレメント162に示すごとく、液晶はランダムに配向する。電場を適用すると、より多くの光が黒色吸収層172に伝達され、エレメントが暗く見えるかまたはオフとされるように、エレメント164に示すごとく、液晶は整列する。かくして、電気が印加されない場合、ディスプレイは全てのエレメントからの反射から白色に見える。もしポリマー−無機粒子ブレンドが液晶液滴の屈折率に近い屈性率を有すれば、オフとされたエレメントがより暗くなり、すなわち、オンおよびオフエレメントの間のコントラストがより大きくなれるように、電気を印加した場合、より多量の光が黒色吸収層に伝達され得る。
非光学適用も考えられるが、ポリマー‐無機粒子ブレンドは、特に光学適用のために、マイクロ‐電気機械的システム(MEMS)に一体化させることができる。便宜なマイクロ‐電気機械的システムは、一般には、ミクロンスケールのシステムおよびサブミクロンスケールのシステム、ナノ電気‐機械的システム双方をいうのに用いられる。MEMSシステムは、一般には、電場、磁場、または熱的変化のごとき適用された刺激に応答してたわむことができるマイクロアクチュエーターを含む。例えば、圧電性結晶は、電場の大きさに関連する変形が得られるように電場を印加した場合、歪みを受ける。適当な圧電性材料は、例えば、水晶、チタン酸バリウム、ジルコン酸鉛‐チタン酸鉛およびフッ化ポリビニリデンを含む。同様に、電磁石からのごとき、磁場でたわむように設計することができる常磁性材料を用いることができる。熱‐ベースのアクチュエーターは、熱膨張係数の差を持つ材料間の界面から形成することができる。
ポリマー‐無機粒子ブレンドはアクチュエーターエレメントに、および/または望ましい光学特性のごとき機能的特性を持つアクチュエーターからの延長に一体化させることができる。特に、ポリマー‐無機粒子ブレンドを含むエレメントはMEMSアクチュエーターから延長することができ、ここに、該エレメントはミラーまたはレンズとして機能する。アクチュエーター‐ベースの光学エレメントは、チューナブルフィルターおよび/またはチューナブルレーザーのごとき光学デバイスに一体化することができる。これらの構造は、以下の書面の関係でさらに議論する。アクチュエーターエレメントそれ自体への一体化に関しては、ポリマーおよび/または無機粒子はアクチュエーターの機能性に関して活性であり得る。具体的には、ポリマーおよび/または無機粒子は圧電材料、常磁性材料または所望の熱膨張係数を持つ材料であり得る。同様に、材料は、移動可能な光学エレメントとしての光学デバイスへの一体化のために所望の光学特性を有することができる。
チューナブル垂直キャビティー表面‐発光レーザー(VCSEL)を図11に示す。レーザー190は、底部ミラー194を持つ基材192を含む。頂部ミラー196は、圧電性材料から形成することができる膜198上に設けられる。膜198はポスト200上に設けられる。電極202は基材192の頂部表面に沿って位置する。膜198および電極202は適当な電源204および可変抵抗206に連結される。膜198および電極202は、チューナブルレーザーに一体化されたMEMSデバイスの一部を形成する。ミラー194、196の間の距離はレーザーの周波数を決定する。頂部ミラー196の位置は、可変抵抗206を用いて選択量の電流を供することによって調整される。膜198は圧電性材料から形成されるので、適用された電流の量に従って膜198は特定の量だけ変形する。頂部ミラー196を介してポンプパルスをレーザーキャビティーに供給することができる。底部ミラー194を通る対応する発光の波長は、頂部ミラー196の位置に依存する。モードmについてのレーザー発振波長はλm=2nL/mによって与えれ、ここに、nはレーザー発振キャビティー内の屈折率であって、Lはミラー間の距離である。ピーク利得もまたミラーの間の距離の関数である。VCSELの一般的構造は、例えば、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「半導体レーザーデバイスおよび製造方法」なる発明の名称のKielyらに対する米国特許第6,160,830号にさらに記載されている。
チューナブル垂直キャビティ表面−発光レーザー190において、1以上の構成要素はポリマー−無機粒子ブレンドから形成することができる。特に、膜198および/または頂部ミラー196は本明細書中に記載するブレンドから形成することができる。頂部ミラー196の屈折率は、所望の光学特性を得るように選択することができる。さらに、膜198は、ポリマーおよび/または無機粒子が、電流の電極への印加の結果、膜198が変形するように圧電特性を有するポリマー−無機粒子ブレンドから形成することができる。加えて、あるいは別法として、レーザー190の1以上の他の構成要素はブレンドから形成することができる。
波長選択的構成要素は、ネットワーク内で波長分割多重化を行なってバンド幅を増加させるのに有用である。適当な分散性エレメントは、例えば、回折格子、プリズムなどを含む。アレイド導波管格子は注目するもう1つの波長選択的構成要素である。アレイド導波管格子は2つのカプラーおよび導波管チャネルのアレイを含み、1つのカップリング導波管チャネルのアレイの各側にある。アレイド導波管格子の一般的原理は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「光学マルチプレキサー/デマルチプレキサー」なる発明の名称のDragoneに対する米国特許第5,002,350号にさらに記載されている。
アレイド導波管格子の具体例を図12に示す。アレイド導波管格子210はカプラー212、214および導波管216のアレイを含む。カプラー212は入力シグナルのアレイ216へのカップリングを供する。カプラー212において、アレイ216の導波管は強くカップリングする。カプラー212は、さらに、入力導波管218に連結される。1つの具体例において、カプラー212は、アレイ216および入力導波管218双方の各導波管コアの物理的拡大、およびシグナルが幾何学からカップリングするような、入力導波管218および均一な屈折率を持つアレイ導波管216の間のギャップであり得る。いくつかの具体例において、カプラー212は、アレイ216の各導波管に至る拡大された光学チャネル220を含む。
導波管アレイ216は、相互に異なる長さを持つ複数の導波管226を含む。長さの差の結果、導波管を通じて伝達される光シグナルの相がシフトする。長さの差は、カプラー214における特定波長の光の間の所望の干渉が得られるように選択することができる。カプラー214における干渉の結果、異なる波長の光が空間的に分離され得る。光の異なる波長は、異なる空間的に置き換えられた出力導波管224に向けることができる。
特に、アレイ216の導波管はカプラー214において強くカップリングする。カプラー214は、アレイ216の導波管から導かれる拡大された光学チャネル222を含むことができる。拡大された光学チャネル222は、各導波管からのシグナルに干渉するように円弧上に配置することができる。カプラー214は、さらに、空間的に置き換えられた出力導波管224を含むことができ、空間的分離は、異なる出力導波管224を通じて伝達するアレイ216からの干渉シグナルからのスペクトルの異なる周波数部分を担う。
図12における具体例は示された5つの導波管を有するが、他の数の導波管を用いることができる。導波管の数および導波管の長さの差は、一般に、波長スプリットシグナルのスペクトル分解を決定する。活性エレメントをアレイド導波管格子に一体化させて、スペクトルデカップリングをチューニングすることができる。例えば、電気的活性材料および対応する電極を、アレイ216の導波管の1以上内に導入することができる。アレイド導波管格子内での活性エレメントの使用は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「チューナブルケイ素ベースの光学ルーター」なる発明の名称のStoneに対する米国特許第5,515,460号にさらに記載されている。アレイド導波管格子のエレメントの1以上は無機粒子ブレンドを含むことができる。例えば、導波管アレイの導波管のコアはポリマー−無機粒子ブレンドとすることができる。屈折率は、便宜な光路長差が導波管アレイに導入されるように選択することができる。
同様に、光学スイッチを、ポリマー−無機粒子ブレンドで形成することができる。3つの光学スイッチ232を持つ平面光学構造体230を図13および14に示す。少数の光学スイッチさらなる光学スイッチおよび/または他の集積光学デバイスを、所望であれば、構造体に一体化させることができる。便宜のため、クラッドレーザーは示さない。光学スイッチ232はコア234およびスイッチエレメント236を含む。スイッチエレメント236は熱光学性であるポリマー−無機粒子を含む。図13に示すごとく、スイッチエレメント236の温度は、導波管における光が伝達されず、スイッチが閉じられるように、ポリマー−無機粒子ブレンドの屈折率を調整するように設定される。一般に、スイッチエレメント236の温度は、スイッチを開閉し、スイッチを通る光伝達を制御するように選択することができる。図14に示すごとく、抵抗ヒーターまたは冷却エレメントのごとき熱的エレメント238をスイッチエレメント236近くに配置する。熱的エレメント238を用いて、隣接スイッチエレメント236の温度を制御して、スイッチエレメント236の屈折率を制御することによってスイッチューナブルを開閉する。スイッチエレメント236内のポリマー−無機粒子ブレンドは、熱光学性であるポリマーおよび/または無機粒子を含むことができる。いくつかのポリマーは温度の上昇に応答して屈折率の大きな負の変化を有する。適当なポリマーは、例えば、ハロゲン化ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリアミドおよびポリカルボネートを含む。適当な熱光学性無機材料は、例えば、水晶を含む。
交差接続光学スイッチを図15に示す。図15に示すごとく、交差接続光学スイッチ250は2つのスイッチエレメント250を有する。さらなるスイッチエレメントおよび/または他の光学デバイスとの一体化、所望により構造体内に含めることができる。スイッチエレメント250は熱−光学、電気−光学または磁気−光学材料を含むことができる。適当な電極、電磁石または熱的エレメントは、適当には、隣接するスイッチエレメント252に適切において、スイッチエレメント250の屈折率を制御することができる。光路はある角度にてスイッチエレメント250に当たる。各スイッチエレメントの屈折率は、所望により、光のほとんどを伝達または反射するように選択することができる。
いくつかの具体例においては、構造体は、ポリマー−無機粒子複合体のごときポリマー−無機粒子ブレンドを一体化させる周期的形成を有する。構造体は、一次元、二次元または三次元にて、組成および/または光学特性のごとき特性において周期性を有することがてきる。図16を参照すると、構造体254は、ポリマー−無機粒子ブレンドの4つの周期的に間隔を設けたバー258を持つ基材256を有する。バー258が光学材料である具体例では、周期的に間隔を設けたバー258の結果、屈折率が周期的に変化する。一般に、別の具体例を後記するが、バー258は、それらが相互と同一な屈折率を有するように同一な物質を含む。図16に示すごとく、空気または他のガスが第2の材料としてバー258の間の空間を充填し、その結果、ポリマー−無機粒子基材およびガスの間に周期的な界面を生じる。
一般に、光学伝達の制御は、周期的光学材料をより大きな構造内に埋め込むことによって得られる。図17を参照すると、三層光学構造体260が示され、ここに、相の隠れた構造はダッシュ線で示させる。構造体260は第一の層262、第二の層264および第三の層266を含む。第二の層264は、ポリマー−無機粒子ブレンドを含む光学材料268の周期的に間隔を設けたセクションを含む。別の光学材料270を周期的セクション268の間に位置させる。点線で概略を示す光学チャネル272、274は、周期的に間隔を設けたセクションからいずれかの方向に延びる。光学材料270は、光学チャネル272、274内の光学材料と同一の材料であってもなくてもよい。光学チャネル272、274は、セクション268の周期に対して法線の軸にほぼ沿って配向する。光学チャネル272、274は導波管などとして機能することができる。材料の全ての屈折率は、周期的セクション268、270および光学チャネル272、274の所望の機能に基づいて選択することができる。
図18を参照すると、光学構造体280は交互に光学エレメント284、286の二次元周期的アレイ282を有する。少なくとも、光学エレメント284はポリマー−無機粒子ブレンを含む。図18に示すごとく、もう1つの凝縮相光学材料288、例えば、周囲コア材料が光学エレメント284、286の間に位置する。いくつかの具体例において、光学エレメント286および/または光学材料288はガスであり得る。エレメント286の光学材料は光学材料288と同一、あるいは異なるものとすることができる。注目するいくつかの具体例において、光学構造体280はさらなる材料を持つより大きな超構造および/または3つの層262、264、266および光学チャネル270を持つ構造体260のごとき特徴内に埋め込むことができる。同様に、三次元周期性を持つ光学構造体290を図19に示す。光学構造体290は、光学エレメント292、294の三次元周期的アレイを有する。少なくとも光学エレメント292はポリマー−無機粒子2ブレンドを含む。光学エレメント294は、屈折率の周期的変化の結果、三次元がもたらされるように、光学エレメント292の間、およびその周りに位置する。光学エレメント294は、光学エレメント292における材料とは、または異なるタイプの光学材料とは異なるポリマー−無機粒子ブレンドから形成することができる。光学エレメント294は、周期光学構造290が埋め込まれたより大きな光学構造に周期的光学構造を一体化させる周囲光学材料と同一の光学材料から形成することができる。
便宜のため、図16ないし19における周期的構造体は、周期的構造対中の3つまたは4つのエレメントを有する供に示す。さらなる具体例において、周期的構造体の各次元におけるエレメントの数は、所望の光学効果が得られるように選択することができる。周期的構造体の光学効果は、一般的に周期的構造体内の材料の光学特性、特に、周期的構造体のエレメントの界面における屈折率の差に依存する。特に、周期的構造体の光学的特性は、ポリマー−無機粒子材料を含む周期的エレメントの間の屈折率の差、およびポリマー−無機粒子ブレンドを含むエレメントの間の材料に依存するが、周期的構造体中の交互光学材料の双方は、異なる組成および/または粒子負荷を有する隣接エレメントと共にポリマー−無機粒子ブレンドを含むことができる。一般に、周期的構造体は、周期中に少なくとも2つのエレメント、さらなる具体例においては周期中に少なくとも約3つのエレメント、他の具体例においては、周期中に少なくとも5つのエレメント、さらなる具体例においては2つのエレメントないしは約1000のエレメント、追加の具体例においては10のエレメントないし約250のエレメント、さらに他の具体例においては20のエレメントないし100のエレメントを有する。当業者であれば、これらの明示的範囲内の他の範囲が考えられ、それは本開示内のものであることを認識するであろう。一般に、注目するデバイスのいくつかでは、光学界面において屈折率のより大きな差を有する、屈折率の周期的変化を持つ構造の結果、構造中のより少数の周期的エレメントが所望の光学効果を達成する必要がある。周期が反復する距離は、一般に、少なくとも約10nmであり、さらなる具体例においては少なくとも約20nmであり、他の具体例においては少なくとも約50nmであり、追加の具体例においては約20nmないし約10ミクロンであり、他の具体例においては約50nmないし約1ミクロンである。当業者であれば、これらの明示的範囲内のさらなる範囲が考えられ、それは本開示内のものであることを認識するであろう。
図16ないし19に示すごとく、屈折率は、周期的構造内で1つの値からもう1つの値へと段階的に変化する。しかしながら、粒子負荷を変化させることにって、および/または無機粒子の異なる組成を用いることによって、屈折率の連続的または漸次の段階的変化を達成することができる。屈折率の漸次の段階的変化は、屈折率の上限および下限の間の段階的変化に対して望ましい光学特性を有することができる。屈折率選択におけるそのような可溶性を用いて、例えば、周期的構造内の複数の段階的変化を用いることによって、距離の関数として屈折率の所望の連続的機能を近似することができる。特に、屈折率のほぼ正弦波変化を有するのが望ましいであろう。そのような構造は、いずれの高次の調波の存在もなくして単一反射ピークを生起すると予測される。少数の(好ましくは単一の)調波よりなる屈折率プロフィールを持つ実際の空間構造の結果、少数のまたは好ましくは単一のピークのみを含むに過ぎない反射スペクトルが得られる。屈折率の正弦波変化の振幅および波長のチューニングは、各々、光のスタック(構造)との相互作用の強さならびにスタックと相互作用する光の波長に影響する。
図20を参照すると、周期的構造体296は、屈折率の段階的変化と共に屈折率の周期的変化を有する。段階的変化は屈折率の正弦波変化を近似する。周期性および段階的変化は、図21中の構造体に沿った距離「d」の関数としての屈折率(n)のプロットで見ることができる。各周期における段階の数および周期の数は、所望の光学効果を達成できるように選択できる。所望ならば、構造体296はより大きな超構造体に一体化させることができる。加えて、屈折率における同様の段階的変化を二次元および三次元周期的構造体に導入することができる。
光学構造体内の屈折率の周期的変化は格子(一次元)またはフォトン結晶(一次元、二次元または三次元)とすることができる。これらのデバイスを用いて、種々の光学デバイスを形成することができる。かくして、屈折率のこれらの周期的変化を形成する能力は、集積光学デバイスの形成に対して便宜なアプローチを提供する。屈折率の差を選択する能力を有することは、デバイス設計において増大した柔軟性を供する。特に、便宜的な処理アプローチ、屈折率の増大した差を持つ界面を用いて形成できることは、より小さなデバイスの形成を可能とする。
一次元における周期的屈折率を用いて、例えば、種々の光学適用を有するブラッグ格子を形成することができる。特に、ブラッグ格子を用いて、例えば、光学ミラーおよび光学バンドパスフィルターまたは干渉フィルターを形成することができる。一般に、光学材料を通って伝達された光が屈折率の変化に遭遇すると、光の一部は伝達され、光の一部は反射される。もし屈折率の変化が周期的であると、伝達されおよび反射された光の相対的量は屈折率の差、周期的エレメントの数および光の波長に依存する。屈折率の差および周期的エレメントの数の調整を用いて、スペクトルの所望の部分を伝達し、反射させることができる。ミラーはスペクトルの所望の部分を反射させる。格子を、レーザーなどのごとき他の構造体に一体化させることができる。
ブラッグ格子は、格子エレメントの数および格子のエレメントの間の屈折率の差に応じて光波長を選択的に伝達する。ブラッグ格子は、他の周波数を伝達しつついくつかの周波数を反射する。ポリマー−無機粒子ブレンドは、格子の1以上の構成要素で用いることができる。電場または温度に依存する屈折率を持つブレンドを一体化させることによって、フィルターをチューナブルとすることができる。格子パラメーターの関数としての伝達および反射波長の間の関係は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「非対称低分散ブラッグ格子フィルター」なる発明の名称のDongに対する米国特許第6,278,817号にさらに記載されている。
ポリマー−無機粒子ブレンドを含むチューナブルブラッグ格子光学フィルターの具体例を図22に示す。フィルター310は、低屈性率材料314を散在させたポリマー−無機粒子ブレンドの3つの層312を含む。層312におけるポリマー−無機粒子ブレンドは、屈折率が電場の印加と共に変化する電気−光学材料として機能する。低屈折率材料314は空気、低屈折率ポリマー、低屈折率ポリマー−無機粒子ブレンドまたは他の低屈折率材料であり得る。透明基材316を用いて所望であればフィルターを支持することができる。いくつかの具体例において、スペーサー318を用いて層312を分離することができる。電極320、322を用いて、電場を供給することができる。電極320、322は可変電圧を電極320、322に供して所望のチューナビリティーを供することができる電源324に連結される。特に、層312の屈折率は電場の印加と共に変化するが、フィルターの機能は層312の屈折率に依存する。図19に示す具体例は高/低屈折率を持つ3つの交互の屈折率エレメントを有するが、格子においてより多数のエレメントを用いて、所望の濾過特性を達成することができる。格子の高屈折率および低屈折率構成要素の間のより大きな屈折率の差の結果、フィルター内のより少数の格子エレメントが濾過において同等の分解を得る必要が生じる。
層312におけるポリマー−無機粒子ブレンドに関しては、ポリマーおよび/または無機粒子は電場に依存する屈折率を有することができる。適当な電気−光学無機材料は、例えば、ランタンをドープしたジルコン酸チタン酸多結晶鉛、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、KTaO3、LiTaO3、BaTiO3、AgGaS2、ZnGeP2およびその組合せおよびそのドープされた組成物を含む。適当な電気−光学ポリマーは、例えば、溶解したクロモフォアを含むポリイミドを含む。他の電気−光学ポリマーは、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「有機フォトクロミック組成物およびポリマー導波管の製法」なる発明の名称のChanらに対する米国特許第6,091,879号で議論されている。もし当該材料が対応して熱的に制御されるならば、同様のチューナビリティーが、ポリマー−無機粒子ブレンド内の熱−光学材料で得ることができる。
レーザーは、レーザーキャビティーの部分的ミラーを形成する2つのブラッグ格子を形成する。ポンプビームはレーザーを駆動させる。そのようなブラッグ格子レーザーは、光ファイバーにおいて、あるいは平面状光学構造体の一部として形成することができる。レーザーベースのブラッグ格子は、出典明示して本明細書の一部とみなす、「光ファイバーレーザーを含む製品」なる発明の名称のDiGiovanniらに対する米国特許第5,237,576号に記載されている。
ブラック格子で形成されたレーザーの具体例を図23に示す。レーザー340は、ブラッグ格子344、346、増幅材料348および二次光学経路350を持つ光学チャネル342を含む。光学チャネル342は、一般には、ファイバー中のまたは平面状構造体中のクラッドによって囲まれたコアである。ブラッグ格子344、346は屈折率の周期的変化を有し、前記したごとく、ポリマー−無機粒子ブレンドを一体化させることができる。格子の特徴は、レーザー機能のために特定の波長を反射し、伝達するように選択することができる。ブラッグ格子344、346はレーザーキャビティー352の境界を形成する。レーザーキャビティーのサイズは、レーザー発光のモード/波長を決定する。増幅材料348はレーザーキャビティー352内に位置する。増幅き器料348は二次光学経路350に光学的に連結されている。増幅器材料348は、レーザーの波長よりも短い波長を持つ増幅器波長において光を吸収する材料を含む。一般に、増幅器波長は紫外にある。適当な増幅器材料は、例えば、希土類のドープされたアモルファス粒子を含む。希土類のドープされたアモルファス粒子の製造は、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなす、「ドープされたガラス材料」なる発明の名称のHorneらに対する同時係属し、共通に譲渡された仮特許出願60/313,588号に記載されている。これらの粒子はポリマー−無機粒子ブレンドに一体化させることができる。
ポンプビームは、導波管342を通ってレーザーに向けられる。ポンプビームは、一般には、スペクトルの可視または赤外部分にある。ポンプビームの一部はレーザーキャビティーに入る。増幅ビームは、二次光学経路350を通って増幅材料348に向けられる。増幅ビームは、紫外線レーザーまたは非−レーザー光源のごとき紫外光原によって供給することができる。増幅ビームからのエネルギーは、ポンプビームによる増幅材料からの刺激された発光によるレーザー出力に向けられる。
一次元、二次元または三次元における屈折率の周期的変化を持つ格子は、フォトンバンドギャップ構造またはフォトン結晶という。フォトン結晶は電気的半導体のフォトンアナログとして記載されてきた。フォトン結晶は、自然発光を含めた、いずれの波動ベクトルについても、すなわち、いずれの方向にも伝搬できない電磁波放射のある範囲の周波数をカバーする周波数ギャップを供することができる。光は、ある角度で光を周期的格子に適用することによってフォトン結晶に導入することができる。周波数ギャップは、例えば、単位格子のサイズ、周期的構造の結晶学的向き、格子の異なる材料の間の屈折率の差を含めた屈折率および他の光学特性に依存する。一般に、フォトン結晶の周期的材料の間の屈折率の差は少なくとも約0.1屈折率単位、他の具体例において少なくとも約0.2屈折率単位、さらなる具体例においては、少なくとも約0.5屈折率単位、追加の具体例においては約0.2ないし約2屈折率単位、いくつかの他の具体例において約0.5ないし約1.5屈折率単位である。当業者であればこれらの明示的範囲内の更なる範囲が考えられ、それは本開示内のものであることを認識するであろう。一般に、フォトン結晶格子の寸法はバンドギャップ波長と同じオーダーの大きさである。
欠陥をフォトン結晶に導入して、禁制バンドギャップ内に電磁波伝播を供することができる。欠陥は破壊された対称性を導入する。これは周期性を中断させる。特に、欠陥は、エレメントのサイズ、位置および/または光学特性に関する周期的構造体の変化であり得る。適当な欠陥は波長の選択的伝搬を提供する。欠陥は処理アプローチの許容性に関する処理の制限に由来し得るか、それは故意に導入することができる。かくして、選択された欠陥を持つフォトン結晶は光学フィルター、スイッチ、増幅器、レーザーなどとして用いることができる。一般に、フォトン結晶は、2以上の屈折率単位の屈折率の差を含む。一次元フォトン結晶についてのフォトバンドギャップの評価は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「フォトン結晶を含む光学機能的エレメント」なる発明の名称のTodoriらに対する米国特許第6,002,522号で与えられる。ポリマー−無機粒子ブレンドは、格子の異なる材料の間の屈折率の大きな差を伴う周期的光学構造体に一体化させることができる。フォトン結晶を形成するための周期的光学構造体は本明細書中に記載するごとく形成することができる。欠陥は、周期的構造体を変化させることによって、導入することができる。特に、前記した周期的構造体は、もし屈折率の差が充分であれば、光学構造体内でフォトン結晶として用いることができる。
周期的構造体、例えば、フォトン結晶は、アンテナおよび太陽電池のごとき光吸収性構造体の形成で用いることができる。これらの構造体においては、ドープされたポリフェニレンビニレンのごとき光導電性ポリマーのような光吸収性電子供与体を、電子受取材料として機能する組成を有するポリマー−無機粒子ブレンドに隣接させて置くことができる。例えば、ブレンド内の無機粒子は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「サイズに従って物体を分類する装置」なる発明の名称のMathewsらに対する米国特許第5,413,226号にさらに記載されているごとく、フレーレン、他の炭素ナノ粒子、またはミクロサイズのミリコン粒子等の電子を受け取るための電子ホールを持つ半導体材料であり得る。電極は、電子供与および電子受取材料の周りに置かれる。もし1つの表面が電極で被覆されれば該電極は透明な電極、例えば、酸化スズインジウムであり得る。太陽電池構造体は、出典明示して本明細書の一部とみなす、「太陽電池」なる発明の名称のKambeらに対する米国特許第5,986,206号にさらに記載されている。
周期的構造体に加え、光学構造体は、準−周期的または準結晶性構造体を有するポリマー−無機粒子ブレンドで形成することができる。準結晶構造体は一次元、二次元、または三次元にて準周期性であり得る。準周期性一次元光学構造体は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「準−周期性層構造体」なる発明の名称のMerlinらに対する米国特許第4,955,692号に記載されている。これらの準周期性光学構造体において、異なる屈折率を持つ2つの異なる光学材料の層は、以下の順序A;AB;ABA;ABAAB;ABAABABA;ABAABABAABAABなどにてフィボナッチ系列に従って順序立てることができる。AおよびBは特定の光学層構造体を示す。フーリエスペクトルは得られた光学構造体のいずれかについて評価することができる。これらおよび他の順−周期性構造体では、光学デバイスの光学性能は、現存のコンピューターモデリング技術を用いて設計することができる。
複合体の構造体への加工
ポリマー−無機粒子ブレンドは、一般に、ポリマー加工のために開発された方法を用いて開発することができる。ブレンドについての加工アプローチを選択するにおいて、特定のブレンドの物理的特性ならびに得られた構造体の所望の形態に対して適切な考慮を払うことができる。関連する物理的特性は、例えば、粘度、溶解性、流動温度および安定性を含むが、特定の特性はある種の加工アプローチに関係するにすぎないであろう。特に、ポリマー−無機粒子ブレンドの形成の後にブレンドは、貯蔵および/または所望の構造体への形成のためにさらに加工することができる。その形成に続いてのブレンドのさらなる加工は溶媒中で行なっても行なわなくてもよい。ポリマー−無機粒子複合体の加工は、ポリマー−無機粒子混合物についての加工アプローチとは異なり得る。特に、複合体はより安定であるが、ポリマー−無機粒子混合物の加工は、ポリマー内の粒子の分布を維持するのに必要であろう。ポリマー−無機粒子ブレンドの加工には、界面の形成のための他の材料およびその中にポリマー−無機粒子ブレンドが一体化される構造体の他の構成要素についての加工アプローチを協調的に働かせることができる。
ブレンドは成形し、押出し、注型し、あるいはそうでなればポリマー加工技術を用いて処理して、種々の形状の材料を形成することができる。加えて、ブレンドを溶媒−ベースのスラリーからコーティングし、スピンコーティングなどして、複合体のコーティングを形成することができる。コーティングの形成に続いていずれかの溶媒を除去することができる。同様に溶媒/分散剤がコーティンぐプロセスで用いられるかに拘わらず、コーティングブレンドを架橋することができる。かくして、固化プロセスは溶媒/分散剤の除去および/または熱的架橋、紫外光または電子線での、またはラジカル開始剤を添加することによる架橋のごとき架橋を含むことができる。コーティングはマスク技術を用いて構築することができる。加えて、後にさらに記載するごとく、自己−組立技術は複合体の構成要素の特性を利用して、基材上での構造体、特に周期的構造体の形成を助けることができる。自己−組立を用いる程度まで自己−組立プロセスは、自己−組立アプローチについての境界としての鋳型を重ねる局所化アプローチと組合わせる。
ここに、便宜のために、ポリマー−無機粒子ブレンドを、溶液、分散体、溶融体、コーティングまたは固体形態であるかを問わず、結合したまたは結合していない無機粒子およびポリマー/モノマー材料をいう。例えば、ポリマー−無機粒子ブレンドを含有する濃度および溶媒組成物のごとき溶液/分散体の特性を修飾して、複合体の貯蔵および/または構造体の形成のためにさらなる処理を容易とすることができる。より希薄な溶液/分散体は、一般に、より低い粘度を有する。いくつかの加工アプローチにおいて、ポリマー−無機粒子複合体は溶融体として加工する。
複合体が形成される溶液/分散体は、さらなる加工のために直接的に用いることができる。別法として、複合体は液体から除去するか、または異なる液体に入れることができる。溶液/分散体の液体は、希釈、すなわち、異なる液体の溶液/分散体への添加によって、もし複合体が透析チュービングによって保持されるのに充分な分子量を有すれば、液体を置き換えるための透析によって、または液体を除去し、次いで、組成物を置換用液体で可溶化/分散させることによって変化させることができる。種々のポアサイズを持つ透析チュービングは商業的に入手可能である。液体を置き換えるためには、液体混合物を形成させることができ、引き続いて、蒸発によって元の液体を除去し、もし液体が共沸物を形成するならば、これは特に有用であり得る。ポリマー−無機複合体は、液体を蒸発させることによって、濾過または遠心によって複合体の分散体を分離することによって、または溶液/分散体のpH、液体組成またはイオン強度を変化させて液体から複合体の沈降を誘導することによって液体から除去することができる。
一般に、複合体は、熱加工および溶媒加工アプローチを含めた標準的なポリマー加工技術を用いて加工することができる。例えば、ポリマー/無機粒子複合体は、圧縮成形、射出成形、押出およびカレンダリングによって構造体に形成することができる。換言すれば、複合体は、シートのごとき自由構造体に形成することができる。同様に、複合体は、複合体の柔軟化形態を押出しまたは延伸するごとき技術を用いて繊維または繊維上の層に形成することができる。溶液/分散体はスピン注型および同様の方法によってフィルム/コーティングに形成することができる。コーティングは、例えば、約1ミクロン未満の厚みでの薄いコーティングを含めた種々のパラメーターにて形成することができる。
ポリマー/無機粒子ブレンドから構造体を形成するには、一般に、ブレンドを1以上のさらなる材料と共に加工して、所望の機能に基づいて構造体内に適当な界面を形成する。ポリマー/無機粒子ブレンドの加工は、さらに、構造体内の関連材料の特性に依存し得る。所望の構造に依存し、ポリマー/無機粒子ブレンドは、層または他の程度の構造体内のドメイン内に局所化してもしなくてもよい。
ポリマー/無機粒子ブレンドからの構造体の形成では、ブレンドを適当な領域に選択的に沈積させることができるか、あるいはブレンドを選択的に除去して所望の構造体を得る。ブレンドを選択的に沈積させるためには、例えば、印刷技術を用い、または鋳型を用い、ブレンドを沈積させることができる。ブレンドを印刷するに関しては、所望のパターンに沿ってブレンドを適当な溶媒/分散剤にて印刷するのに、インクジェット技術は適合し得る。
鋳型技術に関しては、フォトレジストマスクを用いる標準的なリソグラフィーアプローチがブレンドの沈積に適合し得る。例えば、ブレンドはフォトレジスト中のギャップ間に沈積させることができる。ギャップの外側の過剰のブレンドはフォトレジストと共に除去することができる。同様に、犠牲層を用いることができる。フォトレジスト材料のように犠牲層は、例えば、それが鋳型として機能した後に犠牲層を選択的に除去する化学化合物を用いて選択的にエッチングする。別法として、物理的マスクを用いることができる。物理的マスクは、輪郭を形成すべき表面に一体化された犠牲層およびフォトレジスト層とは対照的に、表面から離れた別々の構造を有する。物理的マスクは、マスキングプロセスが完了した後に物理的に除去することができ、いくつかの具体的においては、再使用することができる。物理的マスクは、例えば、セラミック材料または金属から、レーザーでエッチングするか、または切断することができる。
同様に、ポリマー−無機粒子粒子ブレンドのコーティングを沈積することができ、該ブレンドの選択された部分を除去してパターンを形成することができる。例えば、ドライエッチングのごときエッチングを用いて、ブレンドを選択的に除去することができる。反応性酸素エッチングのごとき反応性イオンエッチングは、一般に、ポリマー−無機粒子ブレンドの除去に適している。フォトレジストでのフォトリソグラフィーのごときリソグラフィー技術を用いて、エッチングプロセスの間にブレンドの一部を保護することができる。別法として、焦点を合わせたイオンまたは放射線を用いて、マスクの必要性なくしてエッチングを行なうことができる。
周期的構造体を形成するには、周期的パターンでの前記したパターンニングアプローチを用いて、ポリマー−無機粒子ブレンドを沈積させることができる。別法として、自己−組立アプローチを利用して組立プロセスを容易とすることによって、周期的なパターンを形成することができる。自己―組立プロセスは、分子配列および/または分子認識のため天然配列を利用する。ポリマー−無機粒子ブレンドは、自己−組立プロセスで開発することができる自己−組織化特性を呈することができる。
特に、局所化デバイスへの形成を容易とするために、ポリマーは、自己−組立を助ける自己−組織化特性につき選択することができる。自己−組織化特性は共重合体の特徴と関連し得るか、あるいは物理的ポリマーブレンドからのものであり得る。ポリマーのこれらの潜在的自己−組織化特性に基づき、ポリマー−無機粒子ブレンドは自己−組立を一体化させて、局所化構造体に形成することができる。自己−組立構造体は、ブレンド内のポリマーの1つまたはもう1つの相に分離した粒子での自己−組立から形成することができ、ここに、異なるポリマー相は自己−組織化のため同定可能である。特に、いくつかの自己−組立操作は、屈折率の周期的変化を形成するのに用いることができる周期的構造体を自然に形成する。
加えて、局所化構造体の形成は構造体についての境界の形勢も含む。一般に、自己−組立プロセスは秩序立ったネットワークを形成するが、局所化プロセスは自己−組立プロセスの境界を形成する。かくして、周期的構造体は周期性を課す自己−組立プロセスで形成することができるが、別々の局所化プロセスは周期的構造体の境界を形成する。
その例として、秩序立ったポリマーは、自己−組立フレームワークなくして開発することができる天然分離を促進することができる特性を有する。秩序立ったポリマーは、例えば、ブロック共重合体を含む。ブロック共重合体は、ポリマーの異なるブロックが分離するように用いることができ、これは、多くのブロック共重合体の標準的特性である。他の秩序立った共重合体は、例えば、グラフト共重合体、コーム共重合体、スター−ブロック共重合体、デンドリマー、その混合物等を含む。全てのタイプの秩序立った共重合体は、ポリマー構成要素が相互に化学的に結合したポリマーブレンドと考えることができる。また、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす「ポリマー−無機粒子複合体」なる発明の名称のKambeらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願09/818,141にさらに記載されているごとく、物理的ポリマーブレンドは秩序立ったポリマーとして用いることができ、また、自己−組織化を呈することもできる。物理的ポリマーブレンドは、化学的に区別されるポリマーの混合物を含む。
秩序立った共重合体を用い、ポリマー−無機粒子ブレンドの一部は、ブレンドの他の一部とは有意に異なる屈折率を有することができる。自己−組立技術を用い、異なる屈折率を持つブレンドの部分を配向させて、異なる屈折率を持つ物質の間に物理的界面を形成することができる。さらに、周期的構造体を用いて、屈折率の周期的変化を形成することができる。具体的には、屈折率の周期性は1を超える次元で作り出すことができる。屈折率の一次元および複数次元変化は、有利には、フォトン結晶を形成するのに用いることができる。
自己−組織化に適したブロック共重合体は、例えば、ポリスチレン−ブロック−ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン−ブロック−ポリアクリルアミド、ポリシロキサン−ブロック−ポリアクリレート、その適当な混合物等を含む。これらのブロック共重合体は、リンカーに結合するための適当な官能基を含むように修飾することができる。例えば、限定されるものではないが、ポリアクリレートを加水分解し、または部分的に加水分解して、カルボン酸基を形成することができるか、あるいはもし当該酸基が重合に干渉しないならば、アクリル酸部位をポリマー形成の間にアクリレートの全てまたは一部の代わりに置き換えることができる。別法として、アクリレート中のエステル基は、官能基の1つがリンカーとのエステル結合のために残るように、エステル結合ないしジオールまたはジアミンを持つアミド結合で置換することができる。他の数のブロックおよび他のタイプのポリマー組成を持つブロック共重合体を用いることができる。
無機粒子が分離ブロック共重合体内のそのポリマー組成物と一緒に分離するように、無機粒子はブロック内のポリマー組成物のうちの1つのみと会合させることができる。例えば、ABジ−ブロック共重合体はブロックA内のみの無機粒子を含むことができる。無機粒子の分離は、無機粒子の特性を利用するに関して機能的な利点を有することができる。同様に、もし無機粒子および対応するポリマーが異なる溶媒和特性を有するならば、ブロック共重合体の異なるブロックと同様に、連結された無機粒子はポリマーに対して分離することができる。加えて、ナノ粒子それ自体は、ポリマーに対して分離して、自己−組織化構造体を形成することができる。
ポリマーブレンドは、化学的に区別されるポリマーの混合物を含む。無機粒子は、ブロック共重合体について前記したごとく、ポリマー種のサブセットのみに結合することができる。物理的ポリマーブレンドは、ブロック共重合体と同様な自己−組織化を呈することができる。無機粒子の存在は、ポリマーと無機粒子との相互作用が、天然ポリマー単独とは異なる他のポリマー種と物理的に相互作用する複合体の特性を充分に修飾することができる。単一ポリマーであっても、もし粒子がポリマー内に均一に分布していないならば、より高い粒子負荷を持つポリマーはより低い粒子負荷を持つポリマー部分から分離して、自己−組立構造体を形成することができる。
自己−組織化機構にも拘らず、いくつかの自己−組織化ポリマー−無機粒子ブレンドは、超構造体または超結晶構造体中で周期性を持って整列したナノ粒子のごとき粒子を含む。該粒子はそれ自体が結晶性であってもなくてもよいが、それらは、粒子の秩序立った構造による特性を呈するであろう。フォトン結晶は、さらに後記するごとく、これらの結晶超構造体を用いる。
ポリマー−無機粒子ブレンドの自己−組織化能力は、有利には、基材表面での自己−組立構造体の形成で用いることができる。複合体を表面に結合させるためには、ポリマーは単純に表面にコーティングすることができるか、あるいは複合体は表面とで化学結合を形成することができる。例えば、限定されるものではないが、ポリマーは、表面の1以上の構造および/または1以上の材料に結合するさらなる官能基を含むことができる。これらのさらなる官能基は、自己−組立プロセスを助けるように選択された側鎖官能基であり得る。
別法として、ポリマーまたは無機粒子を介して複合体が表面と結合するように、基材表面は、ポリマーおよび/または無機粒子に結合する組成物、表面リンカーを有することができる。例えば、基材は、Brのごときハロゲン、CN、SCOCH3、SCN、COOMe、OH、COOH、SO3、COOCF3、ビニルのごときオレフィン性部位、アミン、チオール、ホスホン酸塩およびそのいずれかの2以上の適当な組合せのような1以上の官能基を持つ有機組成物を含むことができる。他の具体例において、表面リンカーは、ポリマー中の未反応官能基と反応する官能基を有する。ポリマーと結合すべき表面リンカー中の適当な官能基は、ポリマーと結合すべき複合体リンカー中の官能基と同等であり得る。
ナノ粒子のごとき粒子での自己組立を含むいくつかの具体例においては、基材表面の一部に、穴、窪み、キャビティー等であり得るポアを設ける。ポアは秩序立ったアレイまたはランダムな配置であり得る。ポアのサイズはナノ粒子のサイズよりも大きくあるべきである。ポアの好ましいサイズおよびポアの密度は得られるデバイスの特定の所望の性質に依存し得るが、ポアはミクロン未満の直径を有する。加えて、ポアの間の間隔は、ミクロンまたはサブミクロンスケールのオーダーで制御することができる。
ポア内にポリマー−無機粒子ブレンドを沈積させるためには、表面をブレンドの分散体と接触させる。次いで、例えば、ブレンドが表面におよびポアに沈降する傾向があるように、分散体はブレンドに対して脱安定化させる。pHを等電点に調整するごときpHを変化させることによって、界面活性剤を希釈することによって、あるいは低い安定な分散体をもたらす共溶媒を添加することによって、分散体は脱安定化させることができる。望ましい量のブレンドの沈積の後に、分散体を除去する。次いで、ポア中ではなく表面にあるブレンドを除去することができる。例えば、表面を分散剤で温和にすすいで、表面の複合体を除去することができる。別法として、機械的研磨または化学的−機械的研磨のごとき研磨によって、表面を平面化することができる。もし分散体がブレンドを分散させるのに余りにも効果的ではないように適切に選択されたならば、および該すすぎが過剰になされないならば、ブレンドをポア内に残しつつ、表面に沿ったブレンドを優先的に除去することができる。
多孔性構造体は、陽極酸化された酸化アルミニウムまたは他の金属酸化物を用いて形成することができる。陽極酸化された酸化アルミニウムは高度に配向し非常に均一なポアを形成する。ポアはアルミニウム陽極を硫酸、リン酸またはシュウ酸のごとき希酸の溶液中に入れることによって、陽極酸化アルミニウム中に形成される。アルミニウムが酸化されるにつれ、ポアを含む酸化アルミニウムが形成される。ポアの直径は少なくとも4nmおよび200nmの間で変化させることができる。ポアはミクロンスケールの深さを有する。多孔性の陽極酸化された酸化アルミニウムの形成は、例えば、その双方を出典明示して本明細書の一部とみなす、D.Al−Mawlawiら,「陽極酸化物ナノ鋳型で形成されたナノワイヤー」,J.Materials Research、9:1014−1018(1994)およびD.Al−Mawlawiら,「金属および半導体ナノワイヤーアレイの電気化学的製造」,Proc.Symp.Nanostructured Mater.Electrochem.,187th Meeting Electrochem.Soc.,Reno,NV,May21−26,1995,Electrochem.Soc.95(8):262−273(1995)に記載されている。シリカからポアの秩序立ったアレイを形成するためのブロック共重合体の使用およびフォトン結晶を形成するためのポアの充填は、出典明示して本明細書の1部とみなす、「三次元パターン化材料およびナノ粒子を用いるその製法」なる発明の名称のNorrisらに対する米国特許第6,139,626号に記載されている。
表面上での複数のデバイスの形成は、特定のデバイスに関連する所定の境界内にデバイスで活性な組成物を局所化することを必要とする。構造体を自己−組立によって所定の境界内に局所化させるためには、総じての手法は、一般に、構造体の境界を規定するプロセス、および化学的親和性を用いて、デバイスの組成物を境界内に会合させる別の自己−組立プロセスを共に必要とする。境界規定プロセスは、一般に、構造体の程度を規定するために外部力を利用する。自己−組立プロセスそれ自体は、一般に、構造体の境界を規定しない。自己−組立は、組成物/材料会合体として得られた構造体内に天然の秩序をもたらす組成物/材料の天然の感知機能に基づく。一般に、加工工程の性質は特定の順序を指令することができるが、局所化工程は自己−組立プロセスの前または後に行なうことができる。正味の効果の結果、境界内にポリマー/無機粒子複合体の対応する被覆、およびこの被覆を欠く境界の外側の領域を持つ自己−組立構造体が得られる。
別の境界規定プロセスは、境界内の自己−組立プロセスを活性化することによって、あるいは境界の外側の領域を脱活性化することによって、自己−組立のプロセスにカップリングさせる。一般に、外部力をかけて、活性化または脱活性化プロセスを行なう。局所化は、例えば、マスク等を用いて、あるいは電子線、イオンビームまたは光ビームのごとき焦点を合わせた放射線でのマスクレスリソグラフィーを用いて行なうことができる。
適当な活性化または脱活性化技術の同定は、用いる特定の自己−組立アプローチに依存することができる。局所化アプローチは、一般に、自己−組立構造体の設置用の領域を活性化すること、あるいは選択された位置とは別の位置を脱活性化することいずれかを含む。特に、局所化アプローチは、自己−組立構造体の形成用の領域を離す。適当な物理的力または化学的材料を適用して、活性化/脱活性化を行なう。
例えば、従来の集積エレクトロニクス回路加工アプローチを含めた種々のアプローチをこれらの目的で適合させることができる。具体的には、マスク技術を用いて、活性化/脱活性化プロセスの境界を離すことができる。放射線または化学的適用はマスクによって規定された領域で行なうことができる。同様に、焦点合わせしたビームを用いて、局所化を行なうことができる。表面修飾を達成するための適当な焦点合わせしたビームは、例えば、紫外光またはX−線、レーザービームのごとき光ビーム、電子ビームまたはイオンビームを含み、これらは、選択された領域に衝突するように焦点合わせして、活性化または脱活性化を行なうことができる。適当な焦点合わせアプローチは当該分野で知られている。
活性化プロセスは、所望の位置における特定の材料の形成、または所望の位置における自己−組立を阻害する材料または組成物の除去を含むことができる。具体的には、自己−組立プロセスが境界内で起こるようにする境界内で特定の材料を形成することができ、他方、境界の外側の表面材料は自己−組立プロセスを可能としない。例えば、化学的反応性の層は、ポリマーに結合する境界内で形成することができ、他方、境界の外側の基材表面は、ポリマーに結合しない異なる化学的官能性を有する。同様に、阻害性化合物の層を境界内の領域から除去して、表面リンカーのごとき、自己−組立プロセスに必要とされる化合物に結合する表面材料に暴露することができる。阻害性化合物は、ある場合には、表面を物理的にブロックし、自己−組立てプロセスの前または後に選択的に除去することができるフォトレジスト化合物であり得る。フォトレジストまたは他の阻害化合物の組成は、境界領域を囲む阻害化合物によって被覆された領域が、引き続いて、自己−組立プロセスに関与するようにならないように、自己−組立プロセスを阻害するように選択される。
同様に、境界領域の外側の領域は脱活性化することができる。例えば、自己−組立プロセスに関与する化合物に結合する組成物を全表面にわたって適応することができる。次いで、組成物を、自己−組立プロセスのために選択した境界領域の外側から除去することができる。次いで、自己−組立プロセスは境界領域内で起こるに過ぎない。加えて、自己−組立プロセスが、阻害性材料が除去されている結合領域内で起こるに過ぎないように、阻害剤材料を境界領域の外側に特異的に沈積させることができる。同様に、放射線を用いて、境界領域の外側の化合物を不活性化または解離させることができる。前記したマスクおよび/または焦点合わせしたビームアプローチを用いて、脱活性化プロセスを行なうことができる。前記したごとく、層または層状物を加工して、三次元集積構造体を得ることができる。
自己−組立と共に用いられる局所化プロセスは、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、「自己組立構造体」なる発明の名称のKambeらに対する同時係属し共通に譲渡された米国特許出願シリアル番号09/558,266号にさらに記載されている。
実施例1−酸化チタン粒子の形成
ルチルTiO2、アナターゼTiO2、および酸素欠乏青色TiO2粒子をレーザー熱分解によって製造した。反応は、図24ないし26に示したチャンバーに匹敵するチャンバー中で行なった。
図24ないし26を参照すると、熱分解反応システム400は反応チャンバー402、粒子収集システム404およびレーザー406を含む。反応チャンバー402は、そこで、反応体デリバリーシステム408が反応チャンバー402に連結する反応チャンバー402の底部に反応体流入口414を含む。この具体例においては、反応体は反応チャンバーの底部からデリバリーされ、他方、生成物は反応体チャンバーの頂部から収集される。
保護ガス導管416は、反応体流入口414の前面および裏面に位置する。不活性ガスがポート418を通って保護ガス導管416にデリバリーされる。保護ガス導管は、反応チャンバー402の壁に沿った保護ガスが、反応体ガスまたは生成物が壁と会合するのを阻害するように指令する。
反応チャンバー402は、「w」によって図24中に示される1つの次元に沿って細長い。レーザービーム経路420は、主要チャンバー426から中部424に沿って設置されたウインドウ422を通って反応チャンバーに入り、反応チャンバー402の長手方向に移動する。レーザービームはチューブレンド428を通過し、ウインドウ430から出る。1つの好ましい具体例において、チューブレンド424および428はウインドウ422および430を主要チャンバーから約11インチだけ変位させる。レーザービームはビームダンプ432において伝達される。操作において、レーザービームは反応体流入口414を通って生じた反応体流を横切る。
主要チャンバー426の頂部は粒子収集システム404へと開口する。粒子収集システム404が、主要チャンバー426からの流れを受け取るため、主要チャンバー426の頂部に連結された流出口ダクト434を含む。流出口ダクト434は、シリンダーフィルター436に至る反応体流の面からの生成物粒子を運ぶ。フィルター436は一端にキャップ438を有する。フィルター436の他端はディスク440に締め付けられている。ベント442はディスク440の中心に固定されて、フィルター436の中心へのアクセスを供する。ベント442はダクトによってポンプに結合されている。かくして、生成物粒子は、反応チャンバー402からポンプへの流れによってフィルター436に捕獲される。
室温にて容器中のTiCl4液体にArガスを通気することによって、四塩化チタン(Strem Chemical,Inc.,Newburyport,MA)前駆体蒸気を反応チャンバーに運んだ。C2H4ガスをレーザー吸収ガスとして用い、アルゴンを不活性ガスとして用いた。O2を酸素源として用いた。さらなるアルゴンを不活性希釈ガスとして添加した。TiCl4、Ar、O2およびC24を含有する反応体ガス混合物を、反応体チャンバーへの注入のために、反応体ガスノズルに導入した。
ルチルTiO2粒子およびアナターゼTiO2粒子の製造のための代表的な反応条件を表1に記載する。青色−酸素欠乏ルチルTiO2(TiO2−2)は、それらがそれ相応に粒子コレクターを位置させることによって反応ゾーン近くに収集した以外は、表1中のルチルTiO2粒子(TiO2−1)と同一の条件で得られた。低いチャンバー圧および酸素の低い分圧は、得られたTiO2中の酸素欠乏に寄与する。空気中で粒子を軽く熱すると、青色が失われ、ルチル構造が形成される。色の差についての理由は、酸素含有量のレベルによるものだけではなく、現在、完全には理解されていない。
Figure 0005101790
sccm=標準立法センチメートル/分
slm=標準リットル/分
Ar−Win=流入口490、492を通るアルゴン流
Ar−Sld=スロット554、556を通るアルゴン流
表1中の条件下で製造した生成物ナノ粒子のX−線回折図を図27に示す。試料TiO2−1はルチルTiO2に対応するX−線回折図を有した。試料TiO2−2は試料TiO2−1と同様なX−線回折図を有した。試料TiO2−3はアナターゼTiO2に対応するX−線回折図を有した。図27におけるピークの広さは、試料1が他の2つの試料よりも結晶性が低いことを示す。試料TiO2−1のスペクトル中のいくつかのピークはアモルファス相に由来するように見える。また、混合された相粒子も製造することができる。図28は、粒子の典型的な透過型電子顕微鏡写真(TEM)を表わす。平均粒子サイズΦavは10ないし20nm程度である。2Φavを超える粒子は実質的に無い。
0.003重量%の濃度のエタノール中の酸化チタン粒子につき、光学吸収スペクトルを得た。TiO2−3試料についてのスペクトルを図29に示す。比較のため、0.0003重量%の濃度のエタノールに分散させた市販のTiO2粉末につき同様のスペクトルが得られ、これを図30に示す。第2の市販の粉末はAldrich Chemical Company,Milwaukee,WIから入手し、それは、0.26ミクロンの平均粒子サイズを有していた。
図30におけるTiO2の吸収スペクトルはバルクTiO2の例であり、スペクトルの可視光線および紫外線部分に大きな吸収を伴う。対照的に、図29中の粉末の吸収スペクトルはスペクトルの可視光線および赤外線部分に非常に低下した吸収、および紫外線に増強された吸収を有した。吸収スペクトルのこのシフトおよび狭化は、粒子の低下したサイズによるものである。
実施例2−ナノポリマー複合体
ポリ(アクリル酸)およびTiO2−3粉末とシランベースのリンカーとでの複合体の形成を本実施例に記載する。
粒子をエタノールに充分に懸濁させた。粒子のほとんどは2週間後に懸濁したままであった。高レベルの粒子分散が達成され、これは、光学品質のナノ複合体を開発するのに重要であることが判明した。懸濁液中での二次粒子のサイズはHoriba粒子サイズアナライザー(Horiba,京都,日本)で評価した。粒子サイズアナライザーでの分析は、良好な分散/低い凝集を示した。
3つのタイプのTiO2粒子の表面処理は、シリル化剤としてアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を用いて行なった。APTESは、以下の反応式によって粒子に結合すると考えられる:
粒子−Ti−OH+(CH3CH2O)3−SiCH2CH2CH2NH2
粒子―Ti−O−Si(OCH2CH32CH2CH2CH2NH2
エトキシ基のさらなる連続的加水分解により、エーテル−タイプの結合を介する粒子に対するさらなるSi結合を形成することができる。シリル化試薬のいくらかの自己−重合は、特にもし過剰のシリル化試薬および水が存在すれば起こり得る。充分に懸濁されたAPTESを被覆したTiO2−3粒子は、溶媒/分散剤としてエタノールを用いて調製した。
ポリアクリル酸を機能性化粒子に付加した。一般に、いくつかの試料は、2,000ダルトンの平均分子量を有する低分子量ポリマーで調製したが、ポリアクリル酸は250,000ダルトンの平均分子量を有した。ポリアクリル酸は、カルボン酸基によってシリル化剤の第一級アミンと反応して、アミド結合を形成すると考えられる。表面処理粒子とポリマーとの最初の相互作用は、第一級アミンとでのカルボン酸の塩形成を含む。次いで、140#ないし160#の温度にて、塩単位は縮合して、アミド結合を形成する。この反応は模式的に以下のように示される:
ポリマー−COOH+H2N−...−Si−O−Ti−粒子→
ポリマー−CONH−...Si−O−Ti−粒子
複合体のフーリエ変換赤外スペクトルは、アミド結合に特徴的な周波数である1664cm−1における赤外吸収バンドを有した。走査型電子顕微鏡(SEM)イメージにより、TiO2−PAAナノ複合体の成功した合成が確認される。また、機能性化粒子から形成された複合体は、対応するポリ−無機粒子混合物よりも著しく高い熱安定性を呈した。
コーティングは、液滴を表面に置くことによって、得られた複合体で形成された。液滴は表面で広がり、乾燥させた。乾燥した複合体をさらに分析した。特に、かなり平滑な材料は、非機能性化粒子(ポリマー−無機粒子混合物)を用いるよりも機能性化粒子(ポリマー−無機粒子複合体)から形成した。
実施例3−PAAでの光学測定―チタニア複合体
ポリアクリル酸およびチタニア粒子で形成された複合体では、粒子負荷および光学損失の関数としての屈折率を評価した。
屈折率測定は、632.8nmで作動するGaertnerモデルL−16Cエリプソメーターを用いて行なった。異なるレベルのナノ粒子ドーピングを持つ試料をシリコンウエハー上に被覆した。屈折率測定は、50および70度の入射角で行なった。
図31は、ポリマー−無機粒子ブレンド、特に複合体についての、構成要素および粒子負荷の選択に基づいた、実質的範囲をカバーすることができる屈折率制御の証拠を示す。単に、PAAホスト(n2〜1.48)中のTiO2ナノ粒子で(アナターゼまたはルチルに応じてn1〜2.6ないし2.9)の負荷レベルを変化させることによって、屈折率は、PAAホストのそれに対して150%を超えるファクターだけ制御することができた。全ての屈折率値は632.8nmにおける光を参照とした。ナノ粒子(高い屈折率)およびポリマーホストの適当な選択は、屈折率の制御可能な範囲を増大させると予測される。
Hewlett Packardモデル8452A分光光度計を用い、光学吸光度を行った。試料をエタノールに懸濁させるか、あるいは融解シリカ基材上のフィルムとして調製した。測定は、1cmの光路長にて融解シリカキュベットで行なった。低い光学損失が広い範囲の粒子負荷にわたって維持された。50重量%の粒子負荷においても、複合体は、スペクトルの可視光線および赤外部分において高レベルの透明性を有することが判明した。この観察は、光学ネットワーク構成要素のための形成ブロックとしての複合体の適用に関して非常に重要である。
図29および図30は、各々、エタノール中の0.003重量%の双方の濃度におけるナノ−TiO2(Φav〜20nm)および市販のTiO2粒子(Φav〜700nm)についての光学吸収スペクトルを示す。後者はナノ粒子よりもはるかに可視光を散乱させ、それにより、より高いレベルの光学減衰を生じる。加えて、ナノ−TiO2は、量子−サイズ効果と考えられる紫外(UV)光吸収の有意な増加を占める。吸収スペクトルによるこのシフトは、有利には、可視光または赤外光を伝達するための光学材料として用いることができる。
本実施例は、粒子負荷の調整を通じてナノ粒子−ポリマー複合体の屈折率を制御する能力を証明する。予め形成されたナノ粒子の使用は、粒子負荷の調整を介して隣接材料間の大きな屈折率コントラストを可能としたが、他の材料の変化を用いて、ポリマー‐無機粒子ブレンドとの界面において大きな屈折率コントラストを確立することもできる。ナノ粒子における高レベルの均一性ならびにナノ粒子にわたる優れた分散および適当な表面修飾は、ナノ複合体のごときフォトンポリマー‐無機粒子ブレンドの成功した合成で有用である。
本明細書中で用いるごとく、用語「の範囲の」または「間」は、用語「の範囲の」または「間」の後にリストされた値によって規定された範囲、ならびにそのような範囲に含まれるいずれかのおよび全てのサブ範囲を含み、ここに、各そのようなサブ範囲は、そのような範囲のいずれかの値を第1の終点として、および第1の終点よりも大きく、かつそのような範囲にあるそのような範囲内のいずれかの値を第2の終点として規定する。
前記した具体例は、例示的なものであって、限定的なものではない。さらなる具体例は以下の請求の範囲内にある。本発明を特定の具体例を参照して記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変形を形態においておよび詳細に成すことができるのを認識するであろう。
図1は、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび第2の材料の間の平面状界面の模式的斜視図。 図2は、ポリマー‐無機粒子ブレンドおよび第2の材料の間のエッジに沿った界面の模式的斜視図である。 図3は、3つの材料の間の種々の界面を持つ構造体の模式的斜視図である。 図4は、代表的な導波管構造の斜視図である。 図5は、幽霊線で示した構造内の光学カプラー/スプリッターを持つ平面状光学構造体の頂面図である。 図6は、図5の光学構造体の側面図である。 図7Aは、屈折率の段階的変化を持つインターコネクトの断面図である。 図7Bは、第1の導波管および第2の導波管の間をネジでつなぐインターコネクトの断面図である。 図8は、2つの光学チャネルを連結するために光学接着剤として用いるポリマー‐無機粒子ブレンドの断面図である。 図9は、曲げを持つ光学チャネルの側面断面図である。 図10は、エレメントの中心を通って取られた断面で示された2つのディスプレイエレメントを持つ反射型のポリマー‐分散液晶ディスプレイデバイスの側面断面図である。 図11は、マイクロ‐電気機械的システムの後に設置される膜を通じて取られた断面でのマイクロ‐電気機械的システムを一体化させるチューナブル垂直キャビティー表面−発光レーザーの側面断面図である。 図12は、アレイド導波管格子の頂面図である。 図13は、ポリマー‐無機粒子ブレンドから形成された3つの光学スイッチを持つ光学構造体の頂部斜視図である。 図14は、断面が線13−13に沿った、図13の光学構造体の側面断面図である。 図15は、断面がスイッチエレメントを通る、交差‐接続光スイッチの側面断面図である。 図16は、ポリマー‐無機粒子ブレンドのバーの周期的アレイを持つ構造体の斜視図である。 図17は、光学構造体内のより高い屈折率の材料の周期的アレイを持つ光学構造体である。 図18は、より大きな光学構造体の一部であり得る、より高い屈折率の材料の二次元アレイを持つ光学構造体の斜視図である。 図19は、より大きな光学構造体の一部であり得る、より高い屈折率の材料の三次元アレイを持つ光学構造体の斜視図である。 図20は、屈折率の周期的変化を形成するための屈折率の段階的漸次の変化を持つ光学構造体の頂面図である。 図21は、図20の光学構造体についての距離の関数としての屈折率のプロットである。 図22は、断面がチューニング電極を通る、チューナブル光学フィルターの側面断面図である。 図23は、部分的ミラーとしての2つのブラッグ格子を持つレーザーの側面断面図である。 図24は、酸化チタンの製造で用いるレーザー熱分解装置の斜視図である。 図25は、図24のレーザー熱分解装置の切断側面図である。 図26は、図24の線26−26に沿った図24のレーザー熱分解装置の断面図である。 図27は、3つの異なるTiO2粉末試料の各々についての3つのX‐線回折図のプロットである。 図28は、レーザー熱分解によって形成された代表的な酸化チタンナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 図29は、エタノール中のTiO2‐3の0.003重量%分散体についての波長の関数としての任意単位で表わした吸収スペクトルのプロットである。 図30は、エタノール中の市販ブランドのTiO2の0.003重量%分散体についての波長の関数としての任意単位で表わした吸収スペクトルのプロットである。 図31は、ポリアクリル酸における酸化チタンナノ粒子についての粒子負荷の関数としての屈折率のプロットである。

Claims (10)

  1. 第1の光学材料と第2の光学材料とを含むと共に、周期的な構造を有する光学構造体であって、
    それぞれの光学材料はポリマーを含んでおり、前記第1の光学材料は前記第2の光学材料との界面を含み、前記第1の光学材料は第1のポリマー−無機粒子ブレンドを含み、前記第2の光学材料は第2のポリマー−無機粒子ブレンドを含み、それぞれのブレンドは無機粒子を含み、
    前記第1のポリマー−無機粒子ブレンド、及び/又は、前記第2のポリマー−無機粒子ブレンドが、無機粒子およびポリマーの少なくとも一部の間にリンカー化合物を介して化学結合を形成するポリマー−無機粒子複合体を含んでおり、
    前記ポリマー−無機粒子複合体に含まれるポリマーが、自己組織化するブロック共重合体であり、
    前記第1の光学材料は前記第2の光学材料とは異なる屈折率を有しており、本構造体の屈折率は、一次元で周期的に変動し、前記各ブレンドの屈折率は粒子負荷により、或いは無機粒子組成により、またはそれら両方により定まることを特徴とする光学構造体。
  2. 2つの光学材料の屈折率の差は少なくとも0.005であることを特徴とする請求項1記載の光学構造体。
  3. ポリマー‐無機粒子ブレンドは元素金属または元素メタロイド、すなわち、非イオン化元素、金属/メタロイド酸化物、金属/メタロイド窒化物、金属/メタロイド炭化物、金属/メタロイド硫化物またはそれらの組合せを含む無機粒子を含んでいることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の光学構造体。
  4. ポリマー‐無機粒子ブレンドはポリアミド(ナイロン)、ポリイミド、ポリカルボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、複素環ポリマー、ポリエステル、修飾されたポリオレフィン、ポリシラン、ポリシロキサン(シリコーン)ポリマー、およびそれらの共重合体および混合物よりなる群から選択されるポリマーを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学構造体。
  5. 第1の光学材料は少なくとも約10重量%の無機粒子を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学構造体。
  6. 無機粒子は略100nm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学構造体。
  7. 無機粒子は金属酸化物粒子を含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学構造体。
  8. 前記リンカー化合物は、2以上の官能基を有しており、当該リンカー化合物の1つの官能基は、無機粒子への化学結合に適するものであり、当該リンカー化合物のもう1つの官能基は、ポリマーとの共有結合に適するものである、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学構造体。
  9. 無機粒子は略1ミクロン以下の平均粒径を有しており、該平均粒径の略4倍を超える粒径を有した無機粒子は本質的には存在しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学構造体。
  10. 前記自己組織化するブロック共重合体は、
    ポリスチレン‐ブロック‐ポリ(メタクリル酸メチル)、
    ポリスチレン‐ブロック‐ポリアクリルアミド、及び、
    ポリシロキサン‐ブロック‐ポリアクリレート
    からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学構造体。
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