JP2008203821A - 積層型回折光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高屈折低分散材料と、低屈折高分散材料とを、空間を設ける事無く積層した多層回折光学素子において、形状転写性も良好で、温度変化により透過率の変動を低減する。
【解決手段】 微粒子を分散した高屈折低分散材料と、微粒子を分散した低屈折高分散材料とを、空間を設ける事無く積層し、高屈折低分散材料のd線屈折率を1.54以上1.63以下、アッベ数を44以上57以下とし、低屈折高分散材料のd線屈折率を1.48以上1.57以下、アッベ数を14以上28以下とし、高屈折低分散材料と低屈折高分散材料とのd線屈折率の差0.024以上0.075以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低屈折光分散材料と高屈折低分散材料を空間無く積層してなる積層型回折光学素子に関するものである。
従来から光の屈折を利用した屈折光学系では、分散特性の異なる硝材からなるレンズを組み合わせることによって色収差を減らしている。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとし、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。しかしながら、レンズの構成や枚数が制限される場合や、使用される硝材が限られている場合などでは、色収差を十分に補正することが困難な場合があった。
非特許文献1には、屈折面を有する屈折光学素子と回折格子を有する回折光学素子とを組み合わせて用いることで、少ないレンズの枚数で色収差を抑制することが開示されている。
これは、光学素子としての屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対する色収差の発生する方向が、逆になるという物理現象を利用したものである。また回折光学素子に連続して形成された回折格子の周期を変化させることで、非球面レンズと同等の特性を発現することができる。
しかしながら、回折光学素子に入射した1本の光線は、回折作用により各次数の複数の光に分かれる。この時、設計次数以外の回折光は、設計次数の光線とは別な所に結像してしまいフレアの発生要因となってしまう。
特許文献1には、各光学素子の屈折率分散と、光学素子の境界面に形成される格子の形状を最適化することで、広波長範囲で高い回折効率を実現することが示されている。使用波長領域の光束を特定の次数(以後設計次数と言う)に集中させることで、それ以外の回折次数の回折光の強度を低く抑え、フレアの発生を防止している。
また、特許文献1には、広い波長範囲で高い回折効率を有する構成を得るために、相対的に屈折率分散の低い材料で形成された回折光学素子と、屈折率分散の高い材料で形成された回折光学素子を組み合わせて使用することも開示されている。
すなわち、屈折率分散の高い材料と低い材料との屈折率分散の差が大きいほど、構成される光学素子の回折効率は高くなり、光学素子の画角は広くなる。従って、色収差を高精度に補正するには、より屈折率分散の高い(アッベ数が小さい)材料及びより屈折率分散の低い(アッベ数が大きい)材料を使用する事が必要である。
特許文献2には、屈折率(nd)とアッベ数(νd)と関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、屈折率の2次分散(θg,F)とアッベ数(νd)と関係が、θg,F≦−2νd×10−3+0.59である光学材料が開示されている。これらの式を満足することで、可視領域全域における回折効率を向上させることができる。
また、特許文献2における光学材料は、屈折率分散が高く、2次分散特性の低い性質を示す透明導電性金属酸化物を、バインダー樹脂に微粒子として混合・分散させた複合材料である。また透明導電性金属酸化物としては、ITO、ATO、SnO2、ZnO等の透明導電性金属酸化物が開示されている。
特許文献3には、高屈折高分散の材料として樹脂に無機微粒子を分散させた例が示されている。具体的には、高屈折高分散材料として有機樹脂中にITO微粒子を分散した材料で、d線の屈折率nd=1.606〜1.648、アッべ数νd=13.3〜22.7の光硬化樹脂材料が記載されている。またこの時に低屈折低分散材料としてd線の屈折率nd=1.513、アッべ数νd=51.0の光硬化樹脂材料が記載されている。
また、特許文献3の実施例には、高屈折高分散の材料からなる回折光学素子と、低屈折低分散の材料からなる回折光学素子とを、空間を空けて対向して配置した積層型回折光学素子も記載されている。
特開平09−127322号(US5847877) 特開2001−74901号(US6059411) 特開2004−145273号(US7046445) A.D.Kathman and S.K.Pitalo、「Binary Optics in Lens Design」、International Lens Design Conference、1990、SPIE Vol.1354、p297−309
近年、光学素子を使用した光学機器においては、製品の小型化の要求が非常に高まってきている。そのため、光学素子の厚さを極力薄くするための開発が進められている。そこで、前述した(特許文献3)に示された、1層目回折光学素子と、2層目の回折光学素子の間に空間が存在する積層型回折光学素子ではなく、空間のないタイプの多層(multi−layer)回折光学素子を開発されてきている。
しかしながら、有機樹脂の線膨張係数はガラスや無機物を含む有機樹脂と比較するとはるかに大きい。このため、無機微粒子を分散した光学素子と、無機微粒子を分散していない光学素子を、空間のない状態で多層化した場合、光学素子の線膨張係数差に起因して、光学素子の内部に応力が蓄積され、光学素子の歪みが発生するといった問題があった。また、場合によっては、その歪により界面で剥離する可能性もあった。
また、線膨張係数の差は屈折率にも大きく影響する。すなわち、無機微粒子を分散した光学素子と、無機微粒子を分散していない光学素子とでは、温度変化による屈折率の変化量が大きく異なるため、環境変化や経時変化を考慮すると、光学設計が非常に困難になっていた。
また、無機微粒子を分散していない有機樹脂は、無機微粒子を分散した有機樹脂と比較して吸水率が大幅に高くなる。これは、無機微粒子を分散した有機樹脂の場合、浸入した水分が無機微粒子にブロックされて直進できず、浸入が抑制されるためである。このため、無機微粒子を分散していない有機樹脂からなる光学素子と、無機微粒子を分散した有機樹脂からなる光学素子とを空間のない状態で多層化した光学素子の場合、これらの有機樹脂の間で吸水率に差が発生してしまう。一般に、樹脂は吸水すると屈折率が低下するため、無機微粒子を分散していない有機樹脂と無機微粒子を分散した有機樹脂とは、屈折率の変化量が異なり、光学設計を困難にしていた。
そこで、本発明の目的は、多層回折光学素子において、界面応力による歪みが抑えられ、屈折率の変化や吸水率の変化による回折効率の低下を抑制した多層構成の回折光学素子を提供することにある。
本発明は透明基板の表面に、少なくとも片側に回折格子形状を有し相対的に高屈折低分散材料からなるの第1の層と、少なくとも片側に回折格子形状を有し相対的に低屈折高分散材料からなる第2の層とが空間無く積層して配置され、前記第1の層は第1の無機微粒子を含む有機樹脂からなり、前記第2の層は前記第1の無機微粒子とは異なる第2の無機微粒子を含む有機樹脂からなる多層回折光学素子を提供するものである。
前記高屈折低分散材料のd線屈折率を1.54以上1.63以下、アッベ数を44以上57以下とし、前記低屈折高分散材料のd線屈折率を1.48以上1.57以下、アッベ数を14以上28以下とし、高屈折低分散材料と低屈折高分散材料とのd線屈折率の差0.024以上0.075以下とするからなる多層回折光学素子を提供するものである。
本発明の光学素子は、無機微粒子を分散した高屈折率低分散の有機樹脂からなる光学素子と、無機微粒子を分散した低屈折率高分散の有機樹脂を、空間無く積層したものである。これにより、回折効率が高く、界面応力による歪みを抑制し、また吸水率差や線膨張係数の差による有機樹脂間の屈折率差の経時変化を極力減少させることが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[回折光学素子の説明]
本発明の回折光学素子の代表的な全体構成について図1を用いて説明する。
図1は多層回折光学素子100の模式図である。図1(a)は上面図、図1(b)は断面図である。この回折光学素子は、硝子やプラスチックからなる透明基板層3の上に、回折格子形状を有する高屈折低分散層2と低屈折高分散層1とが、空間無く積層された構成を有している。なお、低屈折高分散層1と、高屈折低分散層2の積層順は逆であってもかまわない。また、透明基板層3の両面は、平面であっても、球面形状であっても、非球面形状であってもよい。
光学素子の回折効率を向上させるためには、低屈折高分散層1のd線屈折率(nd1)は高屈折低分散層2のd線屈折率(nd2)よりも大きく、低屈折高分散層1のアッベ数(νd1)は、高屈折低分散層2のアッベ数(νd2)よりも小さいことが必要となる。なお、ここで言うアッベ数とは、可視光領域(468.1nm〜656.3nm)における屈折率の傾きを表す指標である。アッベ数(ν)は、以下の式(1)により算出される。
ν=(n−1)/(n−n) 式(1)
:d線(587.6nm)屈折率
:f線(486.1nm)屈折率
:c線(656.3nm)屈折率
[高屈折低分散層2の説明]
次に、本発明の光学回折素子における高屈折低分散層について説明する。
図2(a)は、高屈折低分散層2を示す断面図であり、有機樹脂4aに無機微粒子5aが分散している。有機樹脂4aは、透明性が高いことが好ましく、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂から選ばれる一種類以上の材料を用いることが好ましい。所望の特性を有する材料であれば、材料種の詳細については制限されず、材料単体またはその2種以上を組み合わせた混合物であってもよい。
有機樹脂4aの屈折率(n2d)は1.50以上、アッベ数(ν2d)は40以上であることが望ましい。屈折率やアッベ数が低すぎると、無機微粒子を入れても所望の屈折率とアッベ数にはならず、高屈折低分散層としての機能を発現できなくなる。
また簡易に硬化させるのであれば、エネルギー硬化型であることが望ましい。エネルギー硬化の方法としてはプラズマ処理、熱処理、放射性、紫外線等のエネルギーにより開始剤を刺激して重合させることが可能であるが、短時間で異形状のものを硬化する事を考えた場合、光硬化であることが好ましい。具体的に利用可能な光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ビス(2,46,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン等を好適なものとして挙げることができる。硬化した樹脂の透明性を考慮した場合、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを用いるのが好ましい。その際の光開始剤の濃度は、硬化効率と透明性を考慮した場合、0.2〜5w%である事が好ましい。
上記のモノマーとしては分子内に1個以上の2重結合や3重結合を有するものであれば、特に限定はされないが、その重合官能基が(メタ)アクリレートである事が好ましい。(メタ)アクリレートの重合官能基を有するのモノマー又はオリゴマーの具体的な例としては、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4,4−ジメチル−ヘプタ−1−エン−6−イン、ジビニルベンゼン、1,6−ジビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、エトキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、プロポキシ化ビスフェノールAジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、クリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
実験例には混合物の具体例として、トリス(2―アクリロキシエチル)イソシアヌレート25w%、ペンタエリスリトールトリアクリレート30w%、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート43w%、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物(硬化後の屈折率nd=1.53、νd=50)とトリシクロデカンジメタノールジアクリレート98w%と1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物(硬化後の屈折率nd=1.53、νd=52)を用いている。
無機微粒子5aは、平均粒径が1nm以上100nm以下であることが望ましい。平均粒径が1nmよりも小さいと、有機樹脂4aと混合した際に増粘が激しく成形しにくくなる。また平均粒径が100nmよりも大きいと、散乱が大きくなり所望の光学特性が得られなくなる。
また無機微粒子5aは、樹脂層の屈折率を高め、かつ低分散にする点から、d線の屈折率nが1.70以上2.5以下、且つ、アッベ数νが30以上90以下であるものが好ましい。また、Al、Zr、Y、Ga、La、それらの酸化物および複合物から選ばれるものであることが好ましく、これらの2種以上の混合物であってもよい。Al、Zr及びそれらの酸化物のナノ微粒子は、市販品も存在し、入手の容易さや製造コストの点でこれらの材料が好ましい。
また無機微粒子5aの形状は、球形であっても不定形であってもよく、所望の特性が得られる限り制限されないが、屈折率を向上させる点から、細孔の少ないものが好ましい。また、無機微粒子5aの表面は、分散性を高めるためのコーティングや分散剤処理などの表面処理がなされていてもよい。
有機樹脂4aに無機微粒子5aを分散させた高屈折低分散層2のd線の屈折率(n2d)は、1.57以上1.63以下であることが好ましい。また、可視域での波長分散を示すアッベ数(ν2d)は、44以上57以下の範囲にあることが好ましい。
高屈折低分散層2中の無機微粒子5aの含有率は、1vol.%以上30vol.%以下であることが好ましく、5vol.%以上26vol.%以下がより好ましい。この含有率が5vol.%よりも低すぎると所望の屈折率とアッベ数の制御が困難になり、26vol.%よりも高すぎると調製時に増粘が激しく成形が困難になる。
高屈折低分散層2の、波長400nm以上700nm以下の波長に対する平均透過率は、膜厚が30μm時に90%以上であることが望ましい。また、有機樹脂4aには、無機微粒子5aの分散性を向上させるために、任意の分散剤が含まれていてもよい。分散剤の含有量は、所望の分散効果が得られ、有機樹脂4aに求められる特性を阻害しない範囲にあることが好ましく、具体的には0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
[低屈折高分散層1の説明]
次に、本発明の光学回折素子における低屈折高分散層1について説明する。
図2(b)は、低屈折低分散層1を示す模式断面図であり、有機樹脂4bに無機微粒子5bが分散している。有機樹脂4bは、透明性が高く屈折率の低いものが好ましく、アクリル系、フッ化アクリル系、シリコーン系、フッ素樹脂から選ばれる一種類以上の材料を用いることが好ましい。所望の特性を有する材料であれば、材料種の詳細については制限されず、材料単体またはその2種以上を組み合わせた混合物であってもよい。
有機樹脂4aの屈折率(n1d)は1.53以下であることが望ましい。屈折率が高すぎると、無機微粒子を入れても所望の屈折率とアッベ数にはならず、低屈折低分散層としての機能を発現できなくなる。また簡易に硬化させるのであれば、紫外線硬化型であることが望ましい。
無機微粒子5bは、有機樹脂4bと混合して低屈折高分散にするため、できるだけ高分散であることが好ましい。無機微粒子5bの一例として、ITO、ATO、AZO、FZO、In、ZnO、SnO2、TiO、NB、Cr、BaTiOが挙げられる。特に回折効率の観点からは、ITO、ATO、AZO、FZO、In、ZnO、SnO2の様な透明導電性物質が好ましく、特に二次分散特性、透明性の観点からITOが最も好ましい。
無機微粒子5bは、平均粒径が1nm以上100nm以下であることが望ましい。平均粒径が小さすぎると微粒子表面の影響が微粒子内部まで至り、無機微粒子の光学特性が失われる。また、表面処理剤の増大にする事により、有機樹脂と混合した際に、増粘が激しく成形しにくくなる。平均粒径が大きすぎると散乱が大きくなり、所望の光学特性が得られなくなる。
低屈折高分散層1のd線の屈折率(n1d)は、1.48以上1.57以下であることが好ましい。また、可視域での波長分散を示すアッベ数(ν1d)は、14以上28以下の範囲にあることが好ましい。
また、無機微粒子5bの含有率は、1vol.%以上30vol.%以下であることが好ましく、5ol.%以上23vol.%以下がより好ましい。含有率が5vol.%よりも低すぎると所望の屈折率とアッベ数の制御が困難になり、23vol.%よりも高すぎると調製時に増粘が激しく成形が困難になる。
また、高屈折低分散層2の上に低屈折高分散層1を空間無く積層した場合、低屈折高分散層1のd線の屈折率(n2d)と高屈折低分散層2のd線の屈折率(n22)の差は、0.024以上であることが望ましい。0.024未満の場合、光学素子壁面等によりフレア率が増加することとなる。
[実験例]
[光学材料の調製と評価]
まず、本発明における高屈折低分散層2に使用する高屈折低分散材料、および低屈折高分散層1に使用する低屈折低高散材料は、以下の様にして製造した。
<高屈折低分散材料の調製>
まず、トルエン溶媒にジルコニアが10wt%分散したスラリー(平均粒径3nm)と、紫外線硬化型アクリル系樹脂として、トリス(2―アクリロキシエチル)イソシアヌレート25w%、ペンタエリスリトールトリアクリレート30w%、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート43w%、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物(硬化後の屈折率nd=1.53、νd=50)とを混合した。この混合溶液をエバポレーターに入れ、45℃、100ヘクトパスカルから徐々に圧力を下げ、最終的には2ヘクトパスカルとした。トルエン溶媒を12時間かけて十分に気散させ、高屈折低分散材料A1〜A5を作製した。なお、ジルコニアの粒径は、レーザー方式の粒度分布計(ELS:大塚電子)で測定を行った。
高屈折率低分散材料A1〜A5の無機微粒子の体積分率は、A1(23v%)、A2(20v%)、A3(18v%)、A4(10v%)、A5(6v%)であった。無機微粒子の体積分率を30v%の材料Z1も作製してみたが、溶媒除去途中で高粘度なり、溶媒を完全に除去することが出来なかった。
また、無機微粒子の種類を換え、上記と同様にして、高屈折低分散材料A6〜A8を作製した。無機微粒子は、高屈折低分散材料A6〜A8ではアルミナ(平均粒径20nm)を用い、紫外線硬化型アクリル系樹脂としてはトリシクロデカンジメタノールジアクリレート98w%と1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2w%の混合物(硬化後の屈折率nd=1.53、アッべ数νd=52)を用いた。
高屈折率低分散材料A6〜A8の無機微粒子の体積分率は、A6(26v%)、A7(15v%)、A8(7v%)、であった。こちらもジリコニア分散樹脂と同様に無機微粒子の体積分率を30v%の材料Z2も作製してみたが、溶媒除去途中で高粘度なり、溶媒を完全に除去することが出来なかった。表1に、高屈折低分散材料A1〜A9における、無機微粒子及び有機樹脂の材料、並びにそれらの混合比を示す。
<低屈折高分散材料の調製>
まず、キシレン溶媒にITO微粒子(15〜20nm)が10wt%分散したスラリーと、紫外線硬化型アクリル系樹脂(硬化後の屈折率nd=1.52、アッベ数νd=51)とを混合した。この混合溶液をエバポレーターに入れ、45℃、50ヘクトパスカルから徐々に圧力を下げ、最終的には2ヘクトパスカルとした。キシレン溶媒を16時間かけて十分に気散させ、高屈折低分散材料L1〜L9を作製した。
低屈折高分散材料L1〜L9の無機微粒子の体積分率は、L1(16.0v%)、L2(14.1v%)、L3(12.9v%)、L4(7.9v%)、L5(5.4v%)、L6(7.6v%)、L7(4.8v%)、L8(2.9v%)、L9(8.7v%)であった。表2に、低屈折高分散材料L1〜L9における、無機微粒子及び有機樹脂の材料、並びにそれらの混合比を示す。
また、前述の紫外線硬化型アクリル系樹脂(硬化後の屈折率nd=1.52、アッベ数νd=51)の替わりに、紫外線硬化型アクリル系樹脂(硬化後の屈折率nd=1.43、アッベ数νd=61)を使用し、高屈折低分散材料T1〜T6を作製した。
低屈折高分散材料T1〜T6の無機微粒子の体積分率は、T1(21.6v%)、T2(17.3v%)、T3(15.2v%)、T4(14.8v%)、T5(14.6v%)、T6(13.0v%)であった。表3に、低屈折高分散材料T1〜T6における、無機微粒子及び有機樹脂の材料、並びにそれらの混合比を示す。
[光学特性の評価]
次に、前述の高屈折低分散材料A1〜A9、及び低屈折高分散材料L1〜L9の光学特性の評価を行なった。各光学特性の評価は以下の様にして行なった。
<屈折率>
各光学素子の屈折率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
まず、図3に示すように、厚さ1mmの高屈折ガラス6の上に、厚さ50μmのスペーサー9と高屈折率低分散材料7(A1〜A9))を配置した。その上に厚みが1mmの合成石英8をスペーサー9を介して載せ、高屈折率低分散材料7を押し広げてサンプルとした。このサンプルに、20mW/cm、1000秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。硬化したサンプルは、屈折計(KPR−30、(株)島津製作所)を用いて、g線435.8nm、f線486.1nm、e線546.1nm、d線587.6nm、c線656.3nmの屈折率を測定した。また、測定した屈折率より、アッペ数を算出した。表1には、高屈折低分散材料A1〜A9の、屈折率及びアッペ数が示されている。表1に示すように、高屈折低分散材料A1〜A9の屈折率は1.54以上1.63以下であり、アッベ数は44以上57以下であった。
また低屈折率高分散材料L1〜L9に関しては、厚さ12.5μmのスペーサーを用いて、同様の条件にてサンプルを作成し、前述の屈折計にて屈折率を測定した。表2には、高屈折低分散材料L1〜L9の、屈折率及びアッペ数が示されている。表2に示すように、低屈折率高分散材料L1〜L9の屈折率は1.53以上1.57以下であり、アッベ数は19以上39以下であった。
<透過率>
各光学素子の透過率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
まず、図4に示すように、厚さ1mmのガラス基板6aの上に、厚さ30μmのスペーサー9と測定材料7(高屈折率低分散材料(A1〜A9)、低屈折光分散材料(L1〜L9、T1〜T6))を配置した。その上に厚みが1mmのガラス基板8aを載せ、高屈折率低分散材料7を押し広げてサンプルとした。このサンプルに、20mW/cm、1000秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。硬化したサンプルは、分光光度計(U4000、日立製作所)にて400nm〜800nmまで10nm間隔で透過率を測定し、その平均値を算出した。
表1には、高屈折低分散材料A1〜A9の透過率が示されている。表1に示すように、高屈折低分散材料A1〜A9の透過率は96%以上であり、良好な透過性を示した。通常、透過率が90%であれば良好な透過性を示していると言うことができる。また、低屈折率高分散材料L1〜L9、T1〜T6に関しては、光学素子として充分な透過率を有していた。
<形状転写性の評価>
各光学素子の形状転写性は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
図5は評価用金型12の断面の一部を拡大した模式図である。図5に示すように、評価用金型12は下地層である金型基材層11とその上層の格子形状を有するメッキ層10とから構成される。メッキ層10の形状は溝高さd=14μm、ピッチX=80μm、表面粗さがRaで2nm以下である。
図6に示すように、評価用金型12上に測定材料7(高屈折率低分散材料(A1〜A9)、低屈折光分散材料(L1〜L9、T1〜T6))を滴下し、その上に平板ガラス13をのせ、樹脂の総厚が30μmになるように押し広げてサンプルとした。このサンプルに、20mW/cm、1000秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。(図(a))硬化したサンプルは、図7(b)に示すように、離型治具14により平板ガラス13が水平面に平行に維持されるように硬化樹脂を離型し、そのエッジの形状を非接触3次元表面形状・粗さ測定機(New View5000、ザイゴ)にて観察した。
高屈折低分散材料A1〜A9およびZ1、2について、その転写形状を観察し、その結果を表1に示した。表1に示すように、高屈折低分散材料A1〜A9の全てのエッジ形状は良好に転写されていた。これに対し高屈折低分散材料Z1、Z2は、十分な転写性を得ることができなかった。また、低屈折率高分散材料L1〜L9、T1〜T6に関しても良好な転写性を得ることができた。
<線膨張係数の測定>
各光学素子の線膨張係数は、次のようにして測定した。透過率測定用のサンプルの基板を一部取り出し、TMA(パーキンエルマー社製)にて測定を行った。高屈折低分散材料A1〜A9の測定結果を表1に示した。
[多層回折光学素子100]
次に、高屈折低分散材料A1〜A9を使った回折光学素子及び低屈折率高分散材料L1〜L9、T1〜T6を使った光学素子を、空間を空ける事無く積層し多層回折光学素子を作成し、その評価を行なった。
表4に実施例1〜5及び比較例1〜4の多層回折光学素子の構成を示す。実施例1は高屈折低分散材料A1を使った回折光学素子と、低屈折率高分散材料L1を使った回折光学素子の多層回折光学素子である。同様に、実施例2はA2とL2、実施例3はA3とL3、実施例4はA4とL4、実施例5はA6とL6を使った多層回折光学素子である。また比較例1はA5とL5、比較例2はA7とL7、比較例3はA8とL8、比較例4はL−BAL35とL9を使った多層回折光学素子である。また実施例1〜5及び比較例1〜4における回折格子の形状(高さ、ピッチ幅)は表4に示すとおりである。
また、表5に実施例6〜11の多層回折光学素子の構成を示す。実施例6は高屈折低分散材料A3を使った回折光学素子と、低屈折率高分散材料T1を使った回折光学素子の多層回折光学素子である。同様に、実施例7はA4とT2、実施例8はA5とT3、実施例9はA6とT4、実施例10はA7とT5、実施例11はA8とT6を使った多層回折光学素子である。また実施例6〜11における回折格子の形状(高さ、ピッチ幅)は表5に示すとおりである。
<回折効率の評価>
各多層回折光学素子の回折効率は、次のようにしてサンプルを作製して測定した。
まず、図5〜図7を用いて説明した回折光学素子の製造方法と同様にして、高屈折低分散材料を使用した回折光学素子を作成した。ただし比較例4におけるL−BAL35硝子(オハラ社製)は切削研磨で同様な形状を作成した。
次に、平板ガラス13上に成形された高屈折低分散材料を、平板ガラス13とともに成形治具15にセットし、次いで高屈折低分散材料7上に低屈折高分散材料16を滴下した(図9(a))。その上に平板ガラス13をのせ、樹脂の厚みが格子の高さよりも10μm高くになるように押し広げサンプルとした。(図9(b))。このサンプルに、20mW/cm、1000秒の条件で高圧水銀ランプ(EXECURE250、HOYA CANDEO OPTRONICS(株))を照射し、サンプルを硬化した。硬化したサンプルを取り出し、25℃と60℃における回折効率を測定した。
回折効率は、回折光学素子と同一の樹脂で作られ、同一の膜厚を有する基板上の部材に、回折格子の設計次数の光量を照射した場合の透過率である。なお、回折光学素子と同一の膜厚とは、回折光学素子の平均膜厚である。実施例1〜5および比較例1〜4の結果を表4に示した。また実施例6〜11の結果を表5に示した。
<フレア率の測定>
各多層回折光学素子のフレア率は、次のようにして測定した。多層回折光学素子100に15°に傾けた光を入射させ、分光光度計(U4000、日立製作所)の積分球の後ろを外す事により、設計次数の回折光を通過させ、それ以外のフレア光を測定した。実施例1〜5および比較例1〜4の結果を表4に示した。また実施例6〜11の結果を表5に示した。
Figure 2008203821
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[測定及び評価結果]
(実施例1〜5)
表4から分るように、実施例1〜5における高屈折率低分散材料の屈折率nは、1.57以上1.63以下であり、アッペ数νは44以上57以下であった。また、低屈折率高分散材料の屈折率nは1.54以上1.57以下であり、且つ、アッペ数νは19以上28以下であった。また、高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料の屈折率差は、0.024以上0.051以下であった。
図9〜図13は、実施例1〜5における多層回折光学素子の、各波長における回折効率を示したグラフである。表4及び図9〜図13から分るように、実施例1〜5の回折効率は、23℃および60℃のいずれの場合も99%以上と非常に良好である。また表4に示したように、実施例1〜5のフレア率は1.1%以下であり。非常に良好である。
(比較例1〜3)
表4から分るように、比較例1〜3における高屈折率低分散材料の屈折率nは、1.54以上1.56以下であり、アッペ数νは47以上55以下であった。また、低屈折率高分散材料の屈折率nは1.53以上1.54以下であり、且つ、アッペ数νは32以上39以下であった。また、高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料の屈折率差は、いずれも0.011以上0.023以下であった。
図14〜図16は、比較例1〜3における多層回折光学素子の、各波長における回折効率を示したグラフである。比較例1〜3の回折効率は、23℃および60℃のいずれの場合も99%以上と非常に良好である。しかしながら表4に示したように、比較例1〜3のフレア率は2.2%以上となっており、良好とは言えない。
(比較例4)
表4から分るように、比較例4における高屈折率低分散材料であるL−BAL35の屈折率nは、1.589であり、アッペ数νは60.8である。また、低屈折率高分散材料の屈折率nは1.549であり、アッペ数νは26.5であった。また、高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料の屈折率差は0.040であった。
表1に示したように、比較例4の高屈折率低分散材料であるL−BAL35の線膨張係数は、7.0×10−6/℃と非常に小さい。そのため屈折率の温度依存性が低屈折率高分散L9と大きく異なる。図17は比較例4における多層回折光学素子の、各波長における回折効率を示したグラフである。比較例4の回折効率は、26℃では99%以上であるが、60℃では回折効率は75%と大きく低下している。
(実施例6〜11)
表5から分るように、実施例1〜5における高屈折率低分散材料の屈折率nは、1.54以上1.61以下であり、アッペ数νは44以上57以下であった。また、低屈折率高分散材料の屈折率nは1.48以上1.53以下であり、且つ、アッペ数νは14以上20以下であった。また、高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料の屈折率差は、いずれも0.053以上0.075以下であった。
図18〜図23は、実施例6〜11における多層回折光学素子の、各波長における回折効率を示したグラフである。実施例1〜5の回折効率は、23℃および60℃のいずれの場合も99%以上と非常に良好である。また表5に示したように、実施例1〜5のフレア率は0.4%以下であり。非常に良好である。
このような結果から、微粒子を分散した高屈折低分散材料と、微粒子を分散した低屈折高分散材料とを、空間を設ける事無く積層した多層回折光学素子に場合、高屈折低分散材料のd線屈折率を1.54以上1.63以下、アッベ数を44以上57以下とし、低屈折高分散材料のd線屈折率を1.48以上1.57以下、アッベ数を14以上28以下とし、高屈折低分散材料と低屈折高分散材料とのd線屈折率の差0.024以上0.075以下とすることで、回折効率が99%以上であり、形状転写性も良好で、温度変化により透過率の変動の少ない多層回折光学素子とすることがわかる。
回折光学素子の模式的図である。 (a)は高屈折低分散層の有機樹脂と無機微粒子の混合状態を示す模式図である。(b)は低屈折高分散層の有機樹脂と無機微粒子の混合状態を示す模式図である。 屈折率測定用サンプルの作製方法を示す模式図である。 透過率測定用サンプルの作製方法を示す模式図である。 評価用金型の断面の一部を拡大した模式図である。 形状転写性の評価用サンプルの作製方法を示す模式図である。 形状転写性の評価用サンプルの離型方法を示す模式的である。 回折効率の評価用サンプルの作製方法を示す模式図である。 実施例1回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例2回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例3回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例4回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例5回折効率の測定結果を示すグラフである。 比較例1回折効率の測定結果を示すグラフである。 比較例2回折効率の測定結果を示すグラフである。 比較例3回折効率の測定結果を示すグラフである。 比較例4回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例6回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例7回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例8回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例9回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例10回折効率の測定結果を示すグラフである。 実施例11回折効率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 低屈折高分散層
2 高屈折低分散層
3 透明基板層
4a、4b 有機樹脂
5a、5b 無機微粒子
6 高屈折ガラス
7 高屈折低分散材料
6a、8、8a ガラス基板
9 スペーサー
10 メッキ層
11 金型基材層
12 評価用金型
13 平板ガラス
14 離型治具
15 成形治具
16 低屈折高分散材料
100 積層型回折光学素子

Claims (9)

  1. 透明基板の表面に、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有し相対的に高屈折低分散材料からなるの第1の層と、少なくとも片側の表面に回折格子形状を有し相対的に低屈折高分散材料からなる第2の層とが、お互いの回折格子形状が対向するように積層され、前記第1の層は第1の無機微粒子を含む第1の有機樹脂からなり、前記第2の層は前記第1の無機微粒子とは異なる第2の無機微粒子を含む第2の有機樹脂からなる事を特徴とする多層回折光学素子。
  2. 前記高屈折低分散材料のd線屈折率を1.54以上1.63以下、アッベ数を44以上57以下とし、前記低屈折高分散材料のd線屈折率を1.48以上1.57以下、アッベ数を14以上28以下とし、高屈折低分散材料と低屈折高分散材料とのd線屈折率の差0.024以上0.075以下とすることを特徴とする請求項1に記載の多層回折光学素子。
  3. 前記無機微粒子の平均粒径が1nm以上100nm以下である請求項1又は2に記載の多層回折光学素子。
  4. 前記第1の無機微粒子は、Al、Zr、Y、Ga、La、それらの酸化物および複合物から選ばれる少なくとも一種からなり、そのd線屈折率は1.70以上2.5以下であり、アッベ数は30以上90以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の多層回折光学素子。
  5. 前記第1の層における前記第1の無機微粒子の体積含有率が1〜29vol.%である材料あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の多層回折光学素子。
  6. 前記第2の無機微粒子は、透明導電性物質である請求項1乃至5のいずれかに記載の多層回折光学素子。
  7. 透明導電性物質が、ITOである請求項6に記載の多層回折光学素子。
  8. 前記第1及び第2の層を構成する有機樹脂が、それぞれ、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂から選ばれる少なくとも一種からなる請求項1乃至5のいずれかに記載の多層回折光学素子。
  9. 前記第1及び第2の層を構成する有機樹脂が、紫外線硬化型樹脂からなる請求項1乃至8のいずれかに記載の多層回折光学素子。
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