JP2006308792A - 光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系 - Google Patents

光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】広波長範囲で高い回折効率を発現する優れた光学特性を有する一方、格子形状保持特性や成型性においても実用上十分な光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系等を提供する。
【解決手段】不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有する多官能モノマーと、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有する単官能モノマーと、光重合開始剤及びインジウム錫酸化物微粒子と、を含有する光硬化型樹脂組成物を構成し、該光硬化型樹脂組成物により光学素子4を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系に関するものである。特に屈折率の波長分散性、2次分散性の優れた光硬化型樹脂組成物に関するものである。
従来より光の屈折のみによって構成される屈折光学系においては、屈折率の波長分散特性の異なる硝材を組み合わせることによって色収差を低減する手法が用いられている。このような手法によると、レンズの構成や枚数が制限される場合、あるいは使用される硝材が限られている場合などにおいて、色収差を十分に補正することがきわめて困難となる場合がある。
一方、非特許文献1には、レンズ面やあるいは光学系の一部に、回折格子を有する回折光学素子を用いることで、色収差を減じる方法が開示されている。これは、光学素子としての屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対する色収差の発生する方向が、逆になるという物理現象を利用したものである。さらに、このような回折光学素子は、その回折格子の周期的構造の周期を変化させることで、非球面レンズと同等の効果を持たせることができる。そのため、色収差の低減に関して非常に大きな効果を有している。
ところで、このような回折光学素子はその回折作用により入射した1本の光線が各次数の複数の光に分かれるため、回折光学素子の特長を充分に発揮させるためには、使用波長領域の光束を特定次数(以降設計次数と称す)に集中させなければならない。使用波長領域の光束が設計次数に集中している場合は、それ以外の回折次数の回折光強度は非常に低いものとなるため、設計次数以外の光線が設計次数の光線とは別な所に結像してしまうフレア光となることはない。
しかしながら、使用波長領域の光束を設計次数に集中させるためには、回折格子の格子構造と素子に用いられる材料の光学特性を最適に設計する必要がある。
このような光学特性を考慮した回折光学素子として、例えば、特許文献1、特許文献2では、複数の回折光学素子の組み合わせで構成されており、各光学素子の境界面に形成される格子の形状と各光学素子に用いられる材料の屈折率の波長分散および2次分散を最適に設計することで、広波長範囲で高い回折効率を有する回折光学素子が開示されている。これらの回折光学素子においては、広い波長範囲で高い回折効率を有する回折光学素子を得るために、屈折率とその波長分散(ν)、更にその2次分散(θg,F)に着目し、これらを最適とすることで広波長範囲での高い回折効率の実現が図られている。そのため、その最適な光学特性を具現化する光学材料として、バインダー(有機材料)中にインジウム錫酸化物(以降ITOと称す)微粒子を含有する光学材料を用いることが開示されている。
特開2004−78166号公報 特開2004−145273号公報 SPIE Vol.1354 International Lens Design Conference (1990)
しかしながら、上記従来例の特許文献1、特許文献2におけるバインダー中にITO微粒子を含有する光学材料は、広波長範囲で高い回折効率を発現する優れた光学特性を有しているが、高い回折効率を発現するための他の要素の一つである格子形状を所望の形状に保持する特性や、回折格子の格子構造を形成する際の成型性等において、実用上必ずしも十分であるとはいえない。
本発明は、上記課題に鑑み、広波長範囲で高い回折効率を発現する優れた光学特性を有する一方、格子形状保持特性や成型性においても実用上十分な光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系等を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を達成するため、つぎのように構成した光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系を提供するものである。
すなわち、本発明の光硬化型樹脂組成物は、不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有する多官能モノマーと、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有する単官能モノマーと、光重合開始剤及びインジウム錫酸化物微粒子と、を含有することを特徴としている。
また、本発明においては、前記光硬化型樹脂組成物に、さらに不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有するオリゴマー成分を含有させる構成を採ることができる。
また、本発明の光学素子は、上記したいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物により形成されたことを特徴としている。
また、本発明の回折光学素子は、上記した光学素子の表面に、回折形状が形成された回折面を有することを特徴としている。
また、本発明の積層型回折光学素子は、上記した回折光学素子と、該回折光学素子と異なる光学特性を有する回折光学素子とを、お互いの回折形状を有する面を対向させて組み合わせることにより構成されていることを特徴としている。
また、本発明の屈折光学素子は、上記した光学素子の表面に、屈折形状が形成された屈折面を有することを特徴としている。
また、本発明の光学系は、上記した光学素子、上記した回折光学素子、上記した積層型回折光学素子、上記した屈折光学素子のいずれかに記載のものを含むことを特徴としている。
また、本発明の光学系は、投影光学系であることを特徴としている。
また、本発明の光学系は、撮影光学系であることを特徴としている。
本発明によれば、広波長範囲で高い回折効率を発現する優れた光学特性を有する一方、格子形状保持特性や成型性においても実用上十分な光硬化型樹脂組成物、および該光硬化型樹脂組成物により形成された光学素子、回折光学素子、光学系等を提供することができる。
本発明は、上記構成により本発明の課題を達成することができるが、具体的にはつぎのような形態によることができる。その際、用いることのできるバインダーは所望の光学特性、形状特性、成型性等を満足するものである限り、特に限定されるものではないが、本実施の形態においては紫外線により硬化する光硬化型樹脂組成物を用いた。これによると成型時に熱処理を施す必要がある熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物と比較し、成型時の熱履歴による樹脂の光学特性の低下や熱収縮による寸法変化が少ないため、より効果的である。
また、本実施の形態で用いられる多官能モノマーは、金型成型時に所望の回折面および屈折面を有する金型に、この樹脂組成物を流延し光硬化した際、この光硬化型樹脂組成物成型体の形状経時変化を抑制させると共に、表面硬度を高くすることができる。
特に回折光学素子においては、回折格子の高さや回折面形状は高い回折効率の発現のために重要な要素となり、光硬化型樹脂組成物成型体を金型により成型するに際しては、所望の設計値に対して正確な形状を有し、かつ経時変化、特に温度、湿度の影響を受けないようにして、その形状を正確に保持する必要がある。具体的には回折格子の高さは所望の設計値に対して±0.5%程度の誤差範囲内に維持しなければならない。
以上の点で本実施の形態の多官能モノマーは、きわめて有効であるが、本発明者らは更に検討した結果、その含有量を光硬化型樹脂組成物の有機成分中において、20〜70wt%とすることで、更には30〜60wt%とすることで、光硬化型樹脂組成物成型体の形状経時変化を、より有効に抑制できることを見出した。
ここで、不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有する多官能モノマーにおいて、不飽和二重結合として(メタ)アクリレート基やビニル基等を2つ以上分子内に有している化合物を用いることができる。そのようなものとして、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アジピン酸ジビニル、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、等の1種または2種以上を用いることができる。
本実施の形態で用いられる単官能モノマーは、樹脂組成物の各波長における屈折率を調整し、かつ粘度を適度なものとすることができる。またその樹脂組成物はITO微粒子の導入によって、屈折率とその波長分散(ν)、更にその2次分散(θg,F)を有機物では得られない値とすることができる。しかしながら更に屈折率、波長分散(ν)、2次分散(θg,F)を調整する必要がある場合、適当な単官能モノマーを用いることで、所望の屈折率、波長分散(ν)、2次分散(θg,F)を得ることが可能となる。
また、一般に樹脂に添加する微粒子の導入量が大きくなると、当該樹脂粘度は増加傾向となる。粘度の上昇は成型性、特に金型に樹脂を流延する際の展開性を低下させる。展開性を十分に確保するために要求される粘度は、金型の形状、成型体の厚さ等の成型体の形状や成型条件に依存するが、一般に約50,000mPa・s以下であることが望まれる。
本発明者らが鋭意検討した結果、単官能モノマーの含有量を光硬化型樹脂組成物の有機成分中において、15〜65wt%とすることで、更には25〜55wt%とすることで、所望の屈折率、波長分散(ν)、2次分散(θg,F)、樹脂粘度が得られることを見出した。
ここで、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有する単官能モノマーにおいて、不飽和二重結合として(メタ)アクリレート基やビニル基等を分子内に1つ有している化合物を用いることができる。そのようなものとして、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジメチルアミノエチルジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、α−ナフチル(メタ)アクリレート、β−ナフチル(メタ)アクリレート、イミドアクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−ビニルイミダゾール、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、N−ビニルフタルイミド、等の1種または2種以上を用いることができる。
本実施の形態で用いられる光重合開始剤としては、例えばベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、アミノケトン類、アセトフェノンおよびその誘導体、ベンゾフェノンおよびその誘導体、ベンゾインおよびその誘導体、オキシム系化合物、等から選択された1種または2種以上を用いることができる。これらのうち、特に2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が好ましい。
本実施の形態で用いられるITO微粒子は、有機物では得られない屈折率とその波長分散(ν)、更にその2次分散(θg,F)を付与することができる。ただし、ITO微粒子添加による光散乱を実用上十分に低減する必要があるため、粒径は1から100nmであることがより好ましい。
本実施の形態で用いられるオリゴマーとしては、アクリル系、(不飽和)ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系アクリレート化合物、等から選択された1種または2種以上を用いることができる。
本実施の形態で用いられるオリゴマーは、ここでの光硬化型樹脂組成物に硬化時の低収縮性を付与し、光硬化型樹脂組成物成型体を強靭なものとする。オリゴマーの数平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、数平均分子量が1000よりも小さいと、硬化時の収縮量が大きく、成型体の形状精度が低下する。また、5000よりも大きいと本発明の光硬化型樹脂組成物の粘度が著しく増大してしまい、金型に本発明の光硬化型樹脂組成物を流延することが困難となる。同様に本発明の光硬化型樹脂組成物中に占めるオリゴマー成分の重量比が有機成分中30重量%以上となった場合も、粘度の著しい増大により成型性が低下する。
なお、本実施の形態の光硬化型樹脂組成物には、必要に応じて公知の重合促進剤、重合禁止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤等を添加することもできる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
(樹脂の成型)
以下の各実施例及び各比較例においては、図1に示す光学素子の成型プロセスを用いて回折光学素子を成型した。
各実施例において得られた光硬化型樹脂組成物2を用い、回折格子の高さが4.760μmとなるように設計された金型1上に流延し、OHRA株式会社製ガラスS−BSL7の平板3を、流延した樹脂に密着させながら展開し、HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製スポットUV光源装置EXECURE3000を用いて照射量3,000mJ/cmで光硬化2’した。その後、ガラス上に形成された成型体を金型より剥離することで、回折光学素子4を成型した。
(粘度の測定)
以下の各実施例において、樹脂粘度はつぎのようにして測定した。
株式会社トキメック製粘度計TV−20Hに1°34′×R24ローターを取り付け、樹脂粘度に応じたレンジに設定し、光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。
(格子高さの測定)
以下の各実施例において、格子高さはつぎのようにして測定した。
ZYGO社製三次元表面構造解析顕微鏡NewView5000を用いて樹脂成型体の格子高さを成型後、形状の保持特性を評価する為に60℃・90%RH環境下でそれぞれ250時間、500時間、1000時間後に測定した。
[実施例1]
ITO重量に対して20重量%の分散剤を含有する平均粒径10nmのITO微粒子5重量%を分散させたトルエン溶液375.14g中にペンタエリスリトールテトラアクリレート10.99g、シクロヘキシルアクリレート15.12g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン1.37gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
ITO重量に対して20重量%の分散剤を含有する平均粒径30nmのITO微粒子5重量%を分散させたメチルイソブチルケトン溶液488.10g中にエチレングリコールジメタクリレート3.11g、トリメチロールプロパントリアクリレート9.32g、ジシクロペンタニルアクリレート7.25g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.04gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
ITO重量に対して15重量%の分散剤を含有する平均粒径80nmのITO微粒子10重量%を分散させたトルエン溶液25.88g中に数平均分子量約3,000の日本化薬株式会社製ウレタンアクリレート カヤラッドUX−4101 9.40g、ネオペンチルグリコールジメタクリレート7.05g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート7.05g、イソブチルメタクリレート21.16g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.35gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
ITO重量に対して15重量%の分散剤を含有する平均粒径10nmのITO微粒子10重量%を分散させたキシレン溶液244.05g中に数平均分子量約1,000の日立化成工業株式会社製ポリエステルアクリレート ヒタロイド7841 3.29g、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート4.39g、ペンタエリスリトールトリアクリレート5.48g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート7.68g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.10gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
ITO重量に対して15重量%の分散剤を含有する平均粒径30nmのITO微粒子10重量%を分散させたトルエン溶液187.57g中にペンタエリスリトールテトラアクリレート11.37g、N−ビニルカプロラクタム4.26g、イソボルニルメタクリレート11.37g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン1.42gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
ITO重量に対して10重量%の分散剤を含有する平均粒径10nmのITO微粒子2.5重量%を分散させたクロロホルム溶液335.80g中にスチレン40.26g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.50gを添加し、減圧下クロロホルムを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。また、得られた樹脂を前述した成型法により光硬化型樹脂組成物成型体を作製し、格子高さを測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ITO重量に対して10重量%の分散剤を含有する平均粒径30nmのITO微粒子10重量%を分散させたトルエン溶液25.88g中に数平均分子量約3,000の日本化薬株式会社製ウレタンアクリレート カヤラッドUX−4101 11.75g、ネオペンチルグリコールジメタクリレート4.41g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4.41g、イソブチルメタクリレート7.34g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.47gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
ITO重量に対して15重量%の分散剤を含有する平均粒径10nmのITO微粒子10重量%を分散させたキシレン溶液244.05g中に数平均分子量約7,000の日本合成化学工業株式会社製ウレタンアクリレート 紫光UV−10 3.29g、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート4.39g、ペンタエリスリトールトリアクリレート5.48g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート7.68g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.10gを添加し、減圧下トルエンを留去することにより光硬化型樹脂組成物を得た。
前述した手法により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。
[評価結果]
以上のとおり、各実施例および比較例により得られた光硬化型樹脂組成物の粘度と、その光硬化型樹脂組成物成型体の回折格子高さを評価した結果、表1に示すとおりの結果が得られた。
粘度は成型性、特に金型に樹脂を流延する際の展開性を十分に確保するため、一般に約50,000mPa・s以下であることが望まれる。そのため表1には50,000mPa・s以下の粘度値を○、50,000mPa・s以上の粘度値を×と表記した。
粘度は実施例1〜5および比較例1において良好な値を示したが、比較例2および3は含有しているオリゴマー成分の重量比が有機成分中30重量%以上であったり、オリゴマー成分の数平均分子量が5,000以上である為、成形性を満足する樹脂粘度ではなかった。
回折格子高さは高い回折効率の発現の為に重要な要素であり、所望の設計値に対して正確な形状を有し、かつ経時変化、特に温度、湿度の影響によらずその形状を所望の設計値に対して±0.5%程度の誤差範囲内において正確に保持する必要がある。本実施例および比較例における所望の設計値は4.760μmであるため、回折格子高さは4.736〜4.784μmの範囲内である必要がある。比較例1は光硬化型樹脂組成物中のバインダー成分が本発明において開示している構成となっていない為、回折格子高さの保持能が低下していることがわかる。それに対して、実施例1〜5は本発明において開示している光硬化型樹脂組成物の構成を満足している為、十分な成形性、形状保持特性を有している。
なお、比較例2および3は樹脂粘度特性が不適のため、形状評価の対象から除外した。
Figure 2006308792
なお、以上の各実施例においては、光硬化型樹脂組成物により回折光学素子を形成した例について説明したが、本発明はこのようなものに限定されるものではない。例えば上記各実施例で成型された回折光学素子と、この回折光学素子と異なる光学特性を有する回折光学素子とを、お互いの回折形状を有する面を対向させて組み合わせた積層型回折光学素子や、光学素子の表面に屈折形状が形成された屈折面を有する屈折光学素子等の成型においても、好適に適用することができる。また、これらの光学素子を光学系に用い、優れた光学特性を有する投影光学系や撮影光学系等を構成することができる。
本発明の各実施例及び各比較例における回折光学素子の成型プロセスを説明するための断面図。
符号の説明
1:金型
2:光硬化型樹脂組成物
3:ガラス平板
4:回折光学素子

Claims (14)

  1. 不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有する多官能モノマーと、
    不飽和二重結合を有する官能基を1つ有する単官能モノマーと、
    光重合開始剤及びインジウム錫酸化物微粒子と、
    を含有することを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
  2. 前記多官能モノマーの含有量が、光硬化型樹脂組成物の有機成分中において20〜70wt%であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
  3. 前記単官能モノマーの含有量が、光硬化型樹脂組成物の有機成分中において15〜65wt%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光硬化型樹脂組成物。
  4. 前記光硬化型樹脂組成物に、さらに不飽和二重結合を有する官能基を少なくとも2つ以上有するオリゴマー成分を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  5. 前記オリゴマー成分の数平均分子量が、1000から5000であることを特徴とする請求項4に記載の光硬化型樹脂組成物。
  6. 前記光硬化型樹脂組成物中に占めるオリゴマー成分の重量比が、有機成分中30重量パーセント以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光硬化型樹脂組成物。
  7. 前記インジウム錫酸化物微粒子の粒子径が、1から100nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物により形成されたことを特徴とする光学素子。
  9. 請求項8記載の光学素子の表面に、回折形状が形成された回折面を有することを特徴とする回折光学素子。
  10. 請求項9に記載の回折光学素子と、前記回折光学素子と異なる光学特性を有する回折光学素子とを、お互いの回折形状を有する面を対向させて組み合わせることにより構成されていることを特徴とする積層型回折光学素子。
  11. 請求項8に記載の光学素子の表面に、屈折形状が形成された屈折面を有することを特徴とする屈折光学素子。
  12. 請求項8に記載の光学素子、請求項9に記載の回折光学素子、請求項10に記載の積層型回折光学素子、請求項11に記載の屈折光学素子のいずれか1項に記載のものを含むことを特徴とする光学系。
  13. 前記光学系が、投影光学系であることを特徴とする請求項12に記載の光学系。
  14. 前記光学系が、撮影光学系であることを特徴とする請求項12に記載の光学系。
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