JP2000279817A - 刺激応答性高分子を用いた金属含有高分散型触媒とその製造方法 - Google Patents

刺激応答性高分子を用いた金属含有高分散型触媒とその製造方法

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JP2000279817A
JP2000279817A JP11090984A JP9098499A JP2000279817A JP 2000279817 A JP2000279817 A JP 2000279817A JP 11090984 A JP11090984 A JP 11090984A JP 9098499 A JP9098499 A JP 9098499A JP 2000279817 A JP2000279817 A JP 2000279817A
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Kazuya Suzuki
和哉 鈴木
Takeshi Yumura
剛 湯村
Mitsuru Akashi
満 明石
Shiyuni Chin
春偉 陳
Hiroko Tanaka
裕子 田中
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Japan Chemical Innovation Institute
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属微粒子触媒は高い触媒活性を有するが、単
独では凝集が起こりやすい。そこで、表面積を大きくと
り基質との接触面積を増やし、反応効率をよくし、高分
子で保護することを行われてきた。しかし、これらは単
分散であるため、回収して再利用することが難しかっ
た。また、金属微粒子を担体に固定化する方法では、触
媒の回収は可能であるが、機械的強度等が低く、工業的
に使用する場所が限定されていた。 【解決手段】金属酸化物または珪酸化合物からなる担体
の表面に高分子をグラフト重合し、金属塩または錯体を
還元することにより金属微粒子を高分子で保護する高分
散型触媒の製造方法および高分散型触媒であって、高分
子が温度に応答する刺激応答性高分子またはpHに応答
する刺激応答性高分子とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物または
珪酸化合物からなる担体の表面に高分子をグラフト重合
し、金属塩または錯体を還元することにより金属微粒子
を高分子で保護した高分散型触媒に関するものであり、
更に詳しくは、有機合成、炭化水素の脱水素化、S
2 、CO、NO、NH3 等の酸化、水素化反応用触媒
であり、簡単に回収、再利用を行うことができ、反応温
度および水素イオン濃度の変化により触媒活性を制御す
ることが可能な高分散型触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】貴金属塩のアルコール還元法により得ら
れる金属微粒子触媒は水素化反応等の高い触媒活性を有
するが、単独では凝集が起こりやすい。そこで、表面積
を大きくとることにより基質との接触面積を増やし、反
応効率をよくするため、また、均一で安定した単分散を
作るために金属微粒子をポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチンなどの高分子で保護すること
を行われてきた。しかし、これらは単分散であるため、
回収して再利用することが難しかった。(触媒Vol.1,2
7,No.7,p488-494(1985)参照)
【0003】そこで、金属塩と架橋高分子樹脂を錯生成
させた後、金属塩を還元して高分子樹脂に固定化する方
法、または、直鎖状高分子に保護された金属微粒子を合
成後、架橋高分子樹脂と直鎖状高分子を高分子反応で化
学結合して固定化する方法等が行われ、触媒として利用
した後に簡単に回収することができるようになった。し
かし、これらの担体は有機物であり、機械的強度、耐溶
剤性、耐熱性等が低く、そのため工業的に用いるには使
用場所が限られていた。(超微粒子ハンドブックp711-7
17参照)
【0004】また、特許第2566753号公報におい
ては、反応性官能基を分子鎖中に持つ高分子物質と架橋
剤とを溶媒中にて混合して高分子物質を架橋結合し、次
にこの混合液を担体に塗布又は含浸した後乾燥し溶媒を
除去して前記高分子物質の高分子膜を形成し、次いでこ
の高分子膜に金属の錯化合物溶液を含浸させ高分子物質
の反応性官能基に錯化合物を結合させ、然る後錯化合物
を還元処理することを特徴とする高分散型触媒の製造方
法、が提案されているが、機械的強度がある高分散型触
媒はできるものの、担体と高分子の化学結合がないため
繰り返し利用することが出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の金属触
媒の欠点である再利用が不可能である点を改良し、容易
に回収することができ、繰り返し利用可能な金属微粒子
触媒の開発が課題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、金属酸化
物および珪酸化合物の表面に高分子をグラフト重合し、
金属塩または錯体を還元することにより、金属微粒子を
保護することを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、金属酸化物および珪酸化合物の1種または2種
からなる担体の表面に高分子をグラフト重合し、金属塩
または錯体を還元することにより金属微粒子を高分子で
保護したことを特徴とする高分散型触媒であって、高分
子が温度に応答する刺激応答性高分子またはpHに応答
する刺激応答性高分子であることが好ましく、温度に応
答する刺激応答性高分子にあっては、触媒活性に対して
温度刺激による制御機能を有し、pHに応答する刺激応
答性高分子にあっては、触媒活性に対してpH刺激によ
る制御機能を有する。触媒活性を制御する機能の模式図
を図1に示した。また、金属酸化物および珪酸化合物が
水酸基を有する物質であることが好ましく、金属微粒子
が貴金属微粒子であることが好ましい。
【0007】本発明の第二は、金属酸化物および珪酸化
合物の1種または2種からなる担体の表面に高分子をグ
ラフト重合し、金属塩または錯体を還元することにより
金属微粒子を高分子で保護することを特徴とする高分散
型触媒の製造方法であって、高分子が温度に応答する刺
激応答性高分子またはpHに応答する刺激応答性高分子
であることが好ましく、温度に応答する刺激応答性高分
子にあっては、触媒活性に対して温度刺激による制御機
能を有し、pHに応答する刺激応答性高分子にあって
は、触媒活性に対してpH刺激による制御機能を有す
る。また、金属酸化物および珪酸化合物が水酸基を有す
る物質であることが好ましく、金属微粒子が貴金属微粒
子であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にいう金属酸化物および珪
酸化合物は、触媒の担体としての機能を有し、表面に水
酸基を持つ金属酸化物あるいは珪酸化合物であり、分散
性をよくし触媒活性をあげるため、また、遠心分離等で
簡単に回収するためには1〜250μmの球形粒子であ
ることが望ましい。しかし、表面に水酸基を持つ金属酸
化物あるいは珪酸化合物であれば、その大きさや形状、
その種類は特にこだわらない。金属酸化物としてはシリ
カ、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、珪酸化合物は珪
酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、マイカ、
タルク、ウォラスナイト等が例示できる。
【0009】金属酸化物および珪酸化合物に高分子を修
飾するには担体である金属酸化物および珪酸化合物の表
面に反応基を導入する。例えば、アミノ基を持つ、アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(APS)、γ(2- ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ル基或いはメタクリル基を持つ、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(MPS)、チオール基を持
つ、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(PTT
S)、γメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等
のカップリング剤を用いる。カップリング剤の導入量は
担体に対して0.1〜30%が良い。導入量が多すぎる
とカップリング剤同士の凝集があり、また、少なすぎる
と高分子との反応性がよくないため、担体に対して10
〜15%が望ましい。APS等のアミノ基を導入した粒
子についてはさらに4,4’- アゾビス(4−シアノ吉
草酸)(ACVA)と反応させることにより、モノマー
との反応基を導入することができる。
【0010】本発明にいうグラフト重合する高分子は、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸等が例示でき、水溶性高分子であれば特に問わ
ない。温度応答性高分子としてはポリ(N−イソプロピ
ルアクリルアミド)等のポリアルキルアクリルアミドま
たはその共重合体等が例示できる。pH応答性高分子は
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン
等が例示できる。グラフト重合の方法を例示すれば、A
CVAを固定化した粒子は適当な溶媒に分散し、モノマ
ーを溶解して熱をかけることで、ACVAから発生した
ラジカルにより重合が開始される。MPSとPTTSを
処理した粒子は適当な溶媒中でモノマーと開始剤、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイ
ド、t−ブチルオキサイド、過硫酸アンモニウムなどの
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2
−アミジノプロパン)2塩酸塩などのアゾビス化合物、
パーオキサイド/アミン系などのレドックス系開始剤な
どが、存在下で熱をかけることでMPSは共重合、PT
TSはチオール基からラジカルが発生して重合する。重
合の方法については開始剤を使った方法に限定されず、
ラジカルを発生するものであれば特に問わない。導入量
は担体に対して0.5%以上であれば特に問わないが、
50%以上になると担体の大きさによっては担体同士の
凝集が起こり分散性が低下するため、10〜30%が望
ましい。
【0011】高分子をグラフト重合した担体と金属の水
溶性および有機溶媒可溶性の塩および錯体を還元剤を用
いて還元すると高分子に保護された金属微粒子ができ
る。この金属微粒子は、担体表面に担持されるため、金
属微粒子の凝集がほとんどなく5〜400Åの粒子とし
て存在している。
【0012】本発明の触媒に用いる金属としてはCo、
Ni、Cu等を例示でき、貴金属としては、Pd、P
t、Rh、Ru、Ir、Ag、Auを例示できる。金属
の水溶性および有機溶媒可溶性の塩および錯体として
は、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、
リン酸塩あるいはこれらの錯体を挙げることができる。
パラジウムを例に取れば、酢酸パラジウム、硫酸パラジ
ウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、リン酸パラジ
ウム、塩化パラジン酸、パラジウムベンゾトリル錯体、
パラジウムアセチルアセトナート錯体、パラジウムシク
ロオクタジエン錯体、パラジウムエチレンジアミン錯
体、パラジウムトリフェニルホスフィン錯体などを挙げ
ることができる。還元剤としては水素、二酸化硫黄、ア
ルコール、ヒドラジン、水素化硼素ナトリウム等が例示
できる。
【0013】
【実施例】本発明の高分散型触媒は基本的には以下の構
成からなる。すなわち、水酸基を持つ金属酸化物および
珪酸化合物をカップリング剤等を用いることで表面に高
分子との反応基を導入し、金属酸化物および珪酸化合物
に水溶性高分子をグラフト重合し、水溶性高分子で金属
微粒子を保護した担体を合成することからなる。
【0014】次に実施例により、具体的に本発明を説明
するが、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0015】(実施例1)(a)まず、担体にアミノ基
を導入した。担体は鈴木油脂工業(株)の粒径3〜5μ
mシリカ粒子、E−16Cを用いた。他の試薬は和光純
薬工業製を使用した。100gのシリカ粒子を脱気後ト
ルエンに溶解した142.3gのアミノプロピルトリエ
トキシシランを加え、110℃で24時間反応を行っ
た。濾過で粒子を回収し、120℃のオーブンで反応を
進行させた。その粒子を水で洗浄し、未反応物を完全に
除去した。次にラジカル開始剤である4,4’−アゾビ
ス(4- シアノ吉草酸)の固定化を行った。アミノ基を
導入したシリカ粒子20g、4,4’−アゾビス(4−
シアノ吉草酸)1g、テトラエチルアミン1156μ
l、クロロ炭酸エチル462μlをTHFに溶解し、0
℃で1時間撹拌した後、0℃で12時間反応を行った。
濾過で粒子を回収し、低温の水/メタノール混合溶媒で
洗浄、真空乾燥を行った。熱重量分析より4,4’−ア
ゾビス(4−シアノ吉草酸)がシリカ粒子に対して10
0mg/g導入されていることが分かった。
【0016】(b)担体とポリ(N−イソプロピルアク
リルアミド)のグラフト重合を行った。N−イソプロピ
ルアクリルアミドは(株)興人製を用いた。表面にラジ
カル開始剤を固定化したシリカ微粒子10g、N−イソ
プロピルアクリルアミドモノマー61gをヘキサンに溶
解し、10℃で30分窒素バブリングを行った。その後
70℃で24時間反応を行い。遠心分離で粒子を回収
し、真空乾燥を行った。ポリ(N−イソプロピルアクリ
ルアミド)のシリカに対するグラフト量は300mg/
gであった。
【0017】(c)ポリ(N−イソプロピルアクリルア
ミド)をグラフト重合したシリカ微粒子への白金微粒子
の固定化を行った。ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和
物155mgをフラスコに入れエタノール/蒸留水(6
/4)114mlで溶解した。そこに、ポリ(N-イソプ
ロピルアクリルアミド)をグラフト重合したシリカ粒子
1130mgを入れ分散し、90℃で2時間環流しなが
ら塩化白金酸のアルコール還元を行った。黒色に変化し
たのを確認し反応を終了して遠心分離で粒子を回収し
た。シリカ粒子表面の白金は透過型電子顕微鏡(TE
M)で確認した。図2にTEM写真を示した。白金は黒
点として確認でき、シリカ表面に5〜10ナノメートル
程度の微粒子として多数存在していることが分かる。
【0018】(比較例1)実施例1(a)で用いたシリ
カ粒子に直接白金を固定化した。固定化方法は実施例1
(c)と同様に行った。
【0019】次に本発明の触媒を用いて触媒活性を測定
した例を示す。 (実施例2) (a)アリルアルコールに対する水素化度を測定した。
18mlのエタノールに白金が0.004mmolにな
るように調整した担体を分散し、雰囲気を水素と置換し
た。25℃で1時間600rpmで撹拌し、白金に十分
水素を吸着させた後、1Mアリルアルコール2ml(ア
リルアルコール2mmol)を入れ、400rpmで撹
拌しながら水素化反応を行った。10分後の試料中のア
リルアルコール濃度をガスクロマトグラフィーで測定
し、アリルアルコールの水素化反応量を測定した。その
結果を図3に示した。ここで、Pt/NIPAM/Si
2は実施例1、Pt/SiO2 は比較例1、Pt/C
(白金/活性炭)は和光純薬製が市販されている。反応
後遠心分離で担体を回収し、触媒を再利用した際の活性
を調べるために用いた。比較例1の触媒は繰り返し使用
に耐えられなかったが、本発明の触媒の触媒活性は1、
2,3回目において多少の減少が見受けられたが、3回
目以降は触媒活性が維持され、白金- 活性炭と同程度の
水素化反応量があり、繰り返し使用可能な触媒であるこ
とが分かった。
【0020】(b)本発明触媒の温度に対するアリルア
ルコールの水素化度を測定した。測定中の温度を10、
20、30、40、60℃で行った。18mlの水に白
金が0.004mmolになるように調整した担体を分
散し、雰囲気を水素と置換した。1時間600rpmで
撹拌し、白金に十分水素を吸着させた後、1Mアリルア
ルコール2ml(アリルアルコール2mmol)を入
れ、400rpmで撹拌しながら水素化反応を行った。
10分後の試料中のアリルアルコール濃度をガスクロマ
トグラフィーで測定し、アリルアルコールの水素化反応
量を測定した。その結果を図4に示した。触媒活性は温
度に依存して高くなるが、本発明の触媒は40℃以上で
は急に活性が低くなった。これは、本例で用いた高分子
ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)は32℃以上
では相転移を起こし、水に不溶となるため、温度を高く
すると粒子同士の凝集または高分子が金属微粒子を包み
込む状態となり、活性が落ちる。本発明の触媒は触媒反
応中の反応槽の温度が上がりすぎたときに反応の暴走を
防ぐことが可能である。
【0021】(実施例3)次にpH応答性高分子を導入
した。実施例1(a)のラジカル開始剤を固定化したシ
リカ粒子とアクリル酸(和光純薬製)を用いた。表面に
ラジカル開始剤を固定化したシリカ粒子10g、アクリ
ル酸61gをベンゼンに溶解し、10℃で30分間窒素
バブリングを行った。その後70℃で24時間反応を行
い、遠心分離により粒子を回収し、真空乾燥を行った。
ポリアクリル酸のシリカに対するグラフト量は340m
g/gであった。
【0022】(b)ポリアクリル酸をグラフト化したシ
リカ微粒子への白金微粒子の固定化を行った。ヘキサク
ロロ白金(IV)酸六水和物155mgをフラスコに入
れ、エタノール/蒸留水(6/4)114mlで溶解し
た。そこに、ポリアクリル酸をグラフト重合したシリカ
粒子1130mgを入れ分散し、90℃で2時間還流し
ながら塩化白金酸のアルコール還元を行った。黒色に変
化したのを確認し、反応を終了して、遠心分離により粒
子を回収した。
【0023】(実施例4)本発明触媒のpHに対するア
リルアルコールの水素化度を測定した。測定中のpHを
塩酸又は水酸化ナトリウムで調整し、pH2、pH3、
pH4、pH5、pH6、pH7、pH8で行った。1
8mlの水に白金が0.004mmolになるように調
整した担体を分散し、雰囲気を水素と置換した。1時間
600rpmで撹拌し、白金に十分水素を吸着させた
後、1Mアリルアルコール2ml(アリルアルコール2
mmol)を入れ、400rpmで撹拌しながら水素化
反応を行った。10分後の試料中のアリルアルコール濃
度をガスクロマトグラフィーで測定し、アリルアルコー
ルの水素化反応量を測定した。その結果を図5に示し
た。pH4以下では急に触媒活性が低下した。これはポ
リアクリル酸がpH4以下では不溶化するため、粒子同
士の凝集または高分子が金属微粒子を包み込む状態とな
り、活性が落ちるので、本発明の触媒はpHに応答し、
触媒活性を制御することが可能である。
【0024】
【発明の効果】金属酸化物および珪酸化合物に水溶性高
分子をグラフト重合し、金属塩および金属錯体存在下で
還元することで担体表面に金属超微粒子を得ることがで
きる。これは従来の高分子樹脂に固定化した物と違い機
械的強度や耐溶剤性を有する。また、金属酸化物および
珪酸化合物に感熱応答性およびpH応答性を有する高分
子をグラフト重合し金属微粒子を保護することにより、
水系で用いれば温度、pHにより触媒活性を制御するこ
とが可能な高分散型触媒である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の刺激応答性高分子を用いた貴金属含有
高分散型触媒表面の模式図
【図2】白金を担持したシリカ微粒子表面の透過型電子
顕微鏡写真
【図3】本発明担体をアリルアルコールの水素化触媒と
して用いて再利用を行った結果
【図4】本発明の熱応答性高分子を用いた触媒を異なる
温度でアリルアルコールの水素化触媒として用いた結果
【図5】本発明のpH応答性高分子を用いた触媒を異な
るpHでアリルアルコールの水素化触媒として用いた結
【符号の説明】
1.貴金属微粒子 2.水溶性高分子または温度応答性高分子またはpH応
答性高分子 3.無機担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 51/10 C08L 51/10 (72)発明者 湯村 剛 兵庫県西宮市本町9−21−302 (72)発明者 明石 満 鹿児島県鹿児島市皇徳寺台2丁目14番6号 (72)発明者 陳 春偉 鹿児島県鹿児島市下荒田4−20−9−501 (72)発明者 田中 裕子 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02B BA27A BA27B BB04A BC75B BD04B BE06A BE08A BE38A CB02 CB07 4J002 BN191 DD076 DF036 DG046 DH046 EG046 EV236 4J026 AC00 AC22 AC23 AC26 BA13 BA22 BA25 BA39 BA40 CA02 CA04 CA05 DB09 DB12 DB14 DB15 DB16 GA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面に高分子をグラフト重合し、金
    属塩または錯体を還元することにより金属微粒子を高分
    子で保護したことを特徴とする高分散型触媒。
  2. 【請求項2】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面に温度に応答する刺激応答性高
    分子をグラフト重合し、金属塩または錯体を還元するこ
    とにより金属微粒子を高分子で保護し、触媒活性に対し
    て温度刺激による制御機能を有することを特徴とする高
    分散型触媒。
  3. 【請求項3】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面にpHに応答する刺激応答性高
    分子をグラフト重合し、金属塩または錯体を還元するこ
    とにより金属微粒子を高分子で保護し、触媒活性に対し
    てpH刺激による制御機能を有することを特徴とする高
    分散型触媒。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金
    属酸化物が水酸基を有する物質であることを特徴とする
    高分散型触媒。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の珪
    酸化合物が水酸基を有する物質であることを特徴とする
    高分散型触媒。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の金
    属微粒子が貴金属微粒子であることを特徴とする高分散
    型触媒。
  7. 【請求項7】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面に高分子をグラフト重合し、金
    属塩または錯体を還元することにより金属微粒子を高分
    子で保護することを特徴とする高分散型触媒の製造方
    法。
  8. 【請求項8】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面に温度に応答する刺激応答性高
    分子をグラフト重合し、金属塩または錯体を還元するこ
    とにより金属微粒子を高分子で保護することを特徴とす
    る触媒活性に対して温度刺激による制御機能を有する高
    分散型触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】金属酸化物および珪酸化合物の1種または
    2種からなる担体の表面にpHに応答する刺激応答性高
    分子をグラフト重合し、金属塩または錯体を還元するこ
    とにより金属微粒子を高分子で保護することを特徴とす
    る触媒活性に対してpH刺激による制御機能を有する高
    分散型触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項7乃至9のいずれか1項に記載の
    金属酸化物が水酸基を有する物質であることを特徴とす
    る高分散型触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項7乃至9のいずれか1項に記載の
    珪酸化合物が水酸基を有する物質であることを特徴とす
    る高分散型触媒の製造方法。
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