JP2005199114A - 触媒製造方法及びこれに用いる触媒調製用材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】担持基材上に触媒金属や助触媒成分を担持するに際して、これらを担持基材上にナノレベルで高分散させることができ、しかも触媒金属と助触媒成分とを密に接触させて触媒活性を向上させることができる触媒調製用材料と、このような調製用材料を用いた触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】配位結合によって金属イオンを分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を備えた粒状高分子体から成り、例えばヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基などの官能基を含有すると共に、当該官能基が、Pt、Pr、Rh、Ruなどの触媒金属と、La、Ce、Zrなどの助触媒金属を配位結合により保持している触媒調製用材料を使用し、当該材料中の上記金属成分を還元・固定化処理した後、この触媒調製用材料を担持基材に含浸させ、その後調製用材料の高分子部分を焼失させて触媒金属を助触媒金属と共に基材に担持させる。
【選択図】なし
【解決手段】配位結合によって金属イオンを分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を備えた粒状高分子体から成り、例えばヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基などの官能基を含有すると共に、当該官能基が、Pt、Pr、Rh、Ruなどの触媒金属と、La、Ce、Zrなどの助触媒金属を配位結合により保持している触媒調製用材料を使用し、当該材料中の上記金属成分を還元・固定化処理した後、この触媒調製用材料を担持基材に含浸させ、その後調製用材料の高分子部分を焼失させて触媒金属を助触媒金属と共に基材に担持させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、例えば自動車用の排ガス浄化装置や燃料改質装置を始めとする種々の化学装置に用いられる触媒の製造技術に係わり、とくに基材粒子上に触媒成分を担持するに際して、触媒金属や助触媒成分をナノレベルで高分散させることができ、触媒活性を充分に発揮させることができる触媒調製用材料と、このような調製用材料を用いた触媒の製造方法に関するものである。
従来、触媒金属をアルミナなどの基材粉末に担持するに際しては、触媒金属の塩を溶液として、これに基材粉末を浸漬することにより含浸させる方法が主流であり、例えば、特許文献1には、活性アルミナに貴金属と遷移金属を含む混合溶液を添加混合し、乾燥し焼成して得られた触媒組成物を水性媒体中に分散せしめ、これをハニカム担体に担持処理する排気ガス浄化用ハニカム触媒の製法が提案されている。
また、特許文献2には、有機溶媒などの非水溶媒中に金属微粒子を分散させた分散液を担体に接触させる金属粒子の担持方法が記載されている。
特開昭59−230639号公報
特開平06−269684号公報
また、特許文献2には、有機溶媒などの非水溶媒中に金属微粒子を分散させた分散液を担体に接触させる金属粒子の担持方法が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法においては、基材粉末に、貴金属と遷移金属を触媒金属として一緒に含浸させて担持するようにしているものの、担持した基材粒子内部においては、これら貴金属触媒と、助触媒としての遷移金属とが必ずしも同じ位置に担持されているとは限らず、充分な触媒活性が得られないという問題がある。
一方、特許文献2に記載された方法においては、せっかく微細な粒子を形成したとしても、これを担体の細孔内に入れることが難しく、これら金属粒子同士が担体の外表面上で凝集してしまうことから、触媒金属を十分に分散させることができないという問題があった。
一方、特許文献2に記載された方法においては、せっかく微細な粒子を形成したとしても、これを担体の細孔内に入れることが難しく、これら金属粒子同士が担体の外表面上で凝集してしまうことから、触媒金属を十分に分散させることができないという問題があった。
本発明は、触媒金属の溶液や分散液を用いた従来の触媒製造方法における上記課題に着目してなされたものであって、触媒金属や助触媒成分を担持基材上にナノレベルで高分散させることができ、しかも触媒金属と助触媒成分とを密に接触させて触媒活性を向上させることができる触媒調製用材料と、このような調製用材料を用いた触媒の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するため、担持基材や触媒金属塩の種類、使用する溶媒や分散媒などについて鋭意検討を重ねた結果、触媒成分と助触媒成分とのナノレベルでの複合物として、配位結合によって金属イオンを分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から放射状に延びる構造をなす粒状高分子材料に着目し、触媒金属と共に助触媒金属を配位結合させた粒状高分子体を触媒調製用材料として用いることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、上記知見に基づくものであって、本発明の触媒製造方法においては、配位結合によって金属イオンを分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を有する粒状高分子体であって、金属イオンを配位結合する官能基として、例えばヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(=CO)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO2)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、イミド基(−CO−NH−CO−)、イミノ基(=NH)及びスルフォン酸基(=SO2)から成る群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有し、これら官能基が、例えばPt(白金)、Pr(プラセオジム)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Ir(イリジウム)、Au(金)、Ag(銀)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Zn(亜鉛)及びCu(銅)から成る群から選ばれた少なくとも1種の触媒金属と、例えばLa(ランタン)、Ce(セリウム)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Mn、Fe、Ni、Co及びZnから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属であって、上記触媒金属以外の助触媒配金属を配位結合により分子中に保持している高分子体を使用し、当該高分子体に含まれる金属成分を還元・固定化処理した後、これを担持基材に含浸させ、さらに焼成することによって当該粒状高分子体に含まれる高分子部分を焼失させ、上記触媒金属を基材に助触媒金属と共に担持するようにしている。
また、本発明の触媒調製用材料は、上記の触媒製造方法に用いるものであって、上記のような粒状高分子体から成り、金属イオンを結合するための官能基としてヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基から成る群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有すると共に、当該官能基がPt、Pr、Pd、Rh、Ru、Ir、Au、Ag、Mn、Fe、Ni、Co、Zn及びCuから成る群から選ばれた少なくとも1種の触媒金属と、La、Ce、Zr、Ti、Al、Mn、Fe、Ni、Co及びZnから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属であって、上記触媒金属とは異なる助触媒金属を配位結合によって分子内に保持していることを特徴としている。
本発明の触媒調製用材料は、複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を有し、例えば10nm以下のナノオーダーの大きさの粒状高分子体から成るものであって、上記高分子鎖に備えた官能基を介した配位結合によって、個々の粒状高分子体の中に触媒金属と共に助触媒金属を保持していることから、このような触媒調製用材料を用いて触媒成分の含浸・担持を行うことにより、触媒金属及び助触媒金属をナノレベルで高分散させることができると共に、触媒金属と助触媒金属とを密な接触状態に担持することができ、触媒活性を充分に発揮させることができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
また、本発明による触媒製造方法においては、粒状高分子体から成る上記のような触媒調製用材料を使用するようにしており、当該触媒調製用材料(粒状高分子体)に配位結合している金属成分を還元・固定化処理した後、この調製用材料を担持基材に含浸させ、さらに焼成して当該調製用材料に含まれる高分子部分を焼失させることによって、上記触媒金属を助触媒金属と共に担持するようにしていることから、焼成時に触媒成分が移動したり、凝集したりすることがなく、これら触媒金属と助触媒金属とを密な接触状態に高分散させることができる。また、調製用材料の高分子部分が焼失しているので、触媒成分と反応成分との接触が妨げられることなく触媒性能を確保することができ、高性能の触媒を得ることができる。
以下、本発明の触媒製造方法と、これに用いる触媒調製用材料について、さらに詳細に説明する。
本発明の触媒製造方法においては、上記したように、官能基を備えた複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を有し、上記官能基が配位結合によって触媒金属と助触媒金属を分子内に保持する粒状高分子体を触媒調製用材料として使用することによって、触媒金属を担持基材の細孔表面に助触媒金属と共に担持するようにしており、その製造工程としては、
(1)触媒金属及び助触媒金属が配位結合した粒状高分子体の準備
(2)粒状高分子体中の触媒成分の固定化
(3)粒状高分子体の担持基材への含浸
(4)粒状高分子体の高分子部分の除去
の順序となる。
(1)触媒金属及び助触媒金属が配位結合した粒状高分子体の準備
(2)粒状高分子体中の触媒成分の固定化
(3)粒状高分子体の担持基材への含浸
(4)粒状高分子体の高分子部分の除去
の順序となる。
すなわち、図1は、本発明の触媒製造方法における製造手順の一例を示す概略工程図であって、まず最初に、希望する官能基を備えた複数の高分子鎖から成る粒状高分子体を含む溶液に、触媒金属塩と助触媒金属塩の混合液を投入し、これら触媒金属及び助触媒金属を高分子鎖内の極性官能基へ配位結合させる(1)。
このとき用いる触媒金属や助触媒金属の塩の種類としては、例えば、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、金属錯化合物等を挙げることができる。なお、上記粒状高分子体については、中心部から外側に向かって合成を進めるダイバージェント法や、末端官能基から内側に向かって合成を進めるコンバージェント法、あるいはこれらを組合せた方法などを用いることができ、これらの重合反応には、光や有機金属錯体触媒が用いられる。
このとき用いる触媒金属や助触媒金属の塩の種類としては、例えば、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、金属錯化合物等を挙げることができる。なお、上記粒状高分子体については、中心部から外側に向かって合成を進めるダイバージェント法や、末端官能基から内側に向かって合成を進めるコンバージェント法、あるいはこれらを組合せた方法などを用いることができ、これらの重合反応には、光や有機金属錯体触媒が用いられる。
次に、触媒金属及び助触媒金属を配位結合させた粒状高分子体を含む上記の溶液に、還元剤を投入して、上記触媒金属及び助触媒金属を固定化する(2)。
この固定化処理に用いる還元剤としては、水素ガス、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジン、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸などを使用することができ、上記粒状高分子体を含む溶液にこれら還元剤を添加することにより、固定化処理を実施することができる。このとき、還元剤の還元力に応じて還元温度を変更することによって、担持基材や触媒成分への不純物の残留などといった影響を及ぼすことなく、充分な還元処理を行うことができる。
この固定化処理に用いる還元剤としては、水素ガス、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジン、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸などを使用することができ、上記粒状高分子体を含む溶液にこれら還元剤を添加することにより、固定化処理を実施することができる。このとき、還元剤の還元力に応じて還元温度を変更することによって、担持基材や触媒成分への不純物の残留などといった影響を及ぼすことなく、充分な還元処理を行うことができる。
次いで、この固定化された触媒成分を有する粒状高分子体を含む混合溶液中に、アルミナやゼオライト粉末などの担持基材を浸漬し、当該基材に上記溶液を含浸させ(3)、この後、上記基材粉末を乾燥し、さらに400℃程度の温度で焼成し、粒状高分子体に含まれる高分子部分を焼失させることによって(4)、触媒金属と助触媒金属とが密接し、しかも高度に分散した状態に担持された触媒粉末が得られることになる。
このように、本発明においては、上記粒状高分子体を用いた触媒調製に際して、触媒成分を基材表面へ担持した後、そのまま焼成するのではなく、まず最初に触媒成分を還元処理などにより、固定化することが必要である。これは、このような固定化処理を施すことなく、後に続く焼成工程において高分子体の高分子部分を焼失除去させた場合には、担持基材の細孔内に歎じさせるべき触媒成分が移動や凝集を起してしまい、充分な触媒性能が得られなくなる可能性があることによる。
なお、最終工程を経て完成された触媒においては、上記粒状高分子体が焼成によって除去されていることから、触媒金属の反応成分との接触が妨げられるようなことはなく、充分な触媒性能が得られることになる。
上記触媒金属及び助触媒金属を配位結合するための官能基としては、上記したようにヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基を例示することができ、これらの2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
また、触媒金属としては、Pt、Pr、Pd、Rh、Ru、Ir、Au、Ag、Mn、Fe、Ni、Co、Zn若しくはCu、又はこれらの任意の組合せから成る金属、助触媒金属としては、触媒金属として選択されたもの以外の金属であって、La、Ce、Zr、Ti、Al、Mn、Fe、Ni、Co若しくはZn、又はこれらの任意の組合せから成る金属を適用することができる。
本発明の触媒製造方法においては、上記粒状高分子体の外周部に、予め担持基材に吸着し易い官能基を配置しておくことができ、このような基材表面との相互作用の強い官能基を選択的に配置させることによって、基材細孔内部にまで触媒成分を到達させることができ、より高分散化を図ることができる。
例えば、触媒成分を担持させるための基材として酸化アルミニウムを用いた場合、その表面には酸性質を示す酸点や塩基性を示す塩基点が共存するが、上記粒状高分子体の外周部にニトロ基などの官能基を配置させることによって、当該高分子体が上記基材の塩基点に選択的に担持されるようになり、高分子体の基材への吸着性が向上し、基材の細孔内部での吸着安定化が図れるようになる。
なお、粒状高分子体の外周部に任意の官能基を配置するには、粒状高分子体を合成した後、すなわち粒内部の側鎖が塞がった状態において、触媒等の共存下で所望の官能基を投入することによって行うことができる。
例えば、触媒成分を担持させるための基材として酸化アルミニウムを用いた場合、その表面には酸性質を示す酸点や塩基性を示す塩基点が共存するが、上記粒状高分子体の外周部にニトロ基などの官能基を配置させることによって、当該高分子体が上記基材の塩基点に選択的に担持されるようになり、高分子体の基材への吸着性が向上し、基材の細孔内部での吸着安定化が図れるようになる。
なお、粒状高分子体の外周部に任意の官能基を配置するには、粒状高分子体を合成した後、すなわち粒内部の側鎖が塞がった状態において、触媒等の共存下で所望の官能基を投入することによって行うことができる。
そして、本発明の触媒製造方法に用いる粒状高分子体の大きさとしては、平均粒子径が10nm以下であることが望ましく、このような粒径とすることによって、当該粒状高分子体を担持基材の有する細孔内部にまで充分に到達させることができるようになり、触媒金属及び助触媒金属を細孔内部の表面に担持させることが可能になる。
なお、粒状高分子体の平均粒子径の値は、本来、担持基材の有する細孔の平均径によっても左右されることになるが、いずれにしても10nmより大きい場合には、含浸溶液内の移動速度が遅くなり、調製に時間がかかるようになるなどの問題が生じる可能性がある。なお、粒状高分子体の粒子径については、例えば投入するモノマーや触媒の量、さらには重合時間などを選択することによって調製することができる。
なお、粒状高分子体の平均粒子径の値は、本来、担持基材の有する細孔の平均径によっても左右されることになるが、いずれにしても10nmより大きい場合には、含浸溶液内の移動速度が遅くなり、調製に時間がかかるようになるなどの問題が生じる可能性がある。なお、粒状高分子体の粒子径については、例えば投入するモノマーや触媒の量、さらには重合時間などを選択することによって調製することができる。
本発明の触媒調製用材料は、本発明の上記触媒製造方法に用いるものであって、配位結合によって金属イオンを分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を有する粒状高分子体から成り、上記のような官能基と、当該官能基に配位結合された上記のような触媒金属及び助触媒金属を分子内に有するものであって、このような材料を用いることによって、より微細な領域での触媒設計が可能となる。
粒状高分子体の高分子鎖に含まれる官能基は、上記したようにヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基からなる群から選択されるものであるが、これら官能基は、上記触媒成分を配位結合によって保持すること以外に、その外周部に露出した官能基について、担持基材との親和性に優れる官能基(例えば、基材表面が塩基性を示す基材に対しては、外周部に酸性質を示すニトロ基)を配置することによって、基材への担持性を向上させる機能をも発揮する。すなわち、当該触媒調製用材料が基材の細孔内部にまで到達して、上記触媒成分を安定に担持できるようになる。
粒状高分子体の高分子鎖に含まれる官能基は、上記したようにヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基からなる群から選択されるものであるが、これら官能基は、上記触媒成分を配位結合によって保持すること以外に、その外周部に露出した官能基について、担持基材との親和性に優れる官能基(例えば、基材表面が塩基性を示す基材に対しては、外周部に酸性質を示すニトロ基)を配置することによって、基材への担持性を向上させる機能をも発揮する。すなわち、当該触媒調製用材料が基材の細孔内部にまで到達して、上記触媒成分を安定に担持できるようになる。
上記粒状高分子体を重合反応により調製するに際しては、重合させる分子(モノマー)の選択によって、モノマー内に任意の官能基種を配置したり、官能基間の距離を変更したりすることができ、これにより、触媒金属種の選択的配位が可能となり、より微細な触媒設計が可能となる。
そして、上記高分子鎖内に含まれる官能基はその分子部に極性を有し、この極性を有したものであれば、触媒成分をイオンなどの形で充分に存在させることができる。
また、高分子鎖内に極性基を有することで、本来、疎水性である高分子鎖に親水性を持たせることができ、このことは、水溶媒内での触媒調製が容易になるということに繋がり、ハンドリング面でも有利なものとなる。
また、高分子鎖内に極性基を有することで、本来、疎水性である高分子鎖に親水性を持たせることができ、このことは、水溶媒内での触媒調製が容易になるということに繋がり、ハンドリング面でも有利なものとなる。
なお、このような触媒調製用材料を利用することによって得られた触媒は、例えば、排気ガス浄化用触媒、燃料電池の電極触媒、更には燃料改質触媒などに適用可能であるが、これらのみに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。なお、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
(発明例)
図1に示す工程にしたがって、触媒調製を行った。
先ず、側鎖にイミノ基(=NH)及びカルボニル基(=CO)、末端にニトロ基(−NO2)を有する平均粒径5nmの粒状高分子体を含む水溶液に、触媒金属塩としてのジニトロジアミン白金硝酸酸性水溶液と、助触媒金属塩としての硝酸セリウム水溶液の混合液を投入し、これら触媒金属及び助触媒金属を高分子鎖内の極性官能基へ配位結合させた。
図1に示す工程にしたがって、触媒調製を行った。
先ず、側鎖にイミノ基(=NH)及びカルボニル基(=CO)、末端にニトロ基(−NO2)を有する平均粒径5nmの粒状高分子体を含む水溶液に、触媒金属塩としてのジニトロジアミン白金硝酸酸性水溶液と、助触媒金属塩としての硝酸セリウム水溶液の混合液を投入し、これら触媒金属及び助触媒金属を高分子鎖内の極性官能基へ配位結合させた。
次いで、上記触媒金属及び助触媒金属を固定化するために、上記溶液中に還元剤としてヒドラジンを投入したのち、10%NH3水溶液を投入した。このときの溶液のpH値は、7.2であった。
さらに、この触媒成分含有粒状高分子体を含む混合溶液に、担持基材としてアルミナ粉末を浸漬し、当該基材に上記溶液を含浸させたのち乾燥した。
さらに、この触媒成分含有粒状高分子体を含む混合溶液に、担持基材としてアルミナ粉末を浸漬し、当該基材に上記溶液を含浸させたのち乾燥した。
次に、上記粒状高分子体に含まれる高分子成分を除去するため、空気気流中において、4℃/分の速度で昇温し、400℃において1時間焼成し、当該発明例に係わる触媒粉末を得た。
このとき、得られた触媒粉末内に含まれる白金(Pt)及びセリウム(Ce)の含有量は、それぞれ1.0%及び20.0%であった。
このとき、得られた触媒粉末内に含まれる白金(Pt)及びセリウム(Ce)の含有量は、それぞれ1.0%及び20.0%であった。
(比較例)
硝酸セリウム水溶液と、ジニトロジアミン白金硝酸酸性水溶液の混合液をアルミナ粉末に含浸したのち、150℃において20時間乾燥し、さらに400℃で1時間焼成することによって上記触媒成分をアルミナ基材に担持して、当該比較例に係わる触媒粉末を得た。
このとき、得られた触媒粉末内に含まれる白金及びセリウムの含有量については、それぞれ1.0%及び20.0%であった。
硝酸セリウム水溶液と、ジニトロジアミン白金硝酸酸性水溶液の混合液をアルミナ粉末に含浸したのち、150℃において20時間乾燥し、さらに400℃で1時間焼成することによって上記触媒成分をアルミナ基材に担持して、当該比較例に係わる触媒粉末を得た。
このとき、得られた触媒粉末内に含まれる白金及びセリウムの含有量については、それぞれ1.0%及び20.0%であった。
(触媒成分の分散性評価)
上記によって得られた触媒粉末をそれぞれ空気中において700℃で1時間焼成して、耐久試験を行った後、両触媒粉末に担持された触媒金属の粒径を測定した。
その結果、本発明の製造方法を適用した触媒粉末における白金の平均粒径が5nmであるのに対し、粒状高分子体から成る触媒調製用材料を用いることなく、金属塩溶液を含浸させることによって触媒成分を担持した比較例の触媒粉末においては、担持された白金の平均粒径が22nmであって、本発明の触媒製造方法によって、触媒金属を高度に分散させることができることが確認された。
上記によって得られた触媒粉末をそれぞれ空気中において700℃で1時間焼成して、耐久試験を行った後、両触媒粉末に担持された触媒金属の粒径を測定した。
その結果、本発明の製造方法を適用した触媒粉末における白金の平均粒径が5nmであるのに対し、粒状高分子体から成る触媒調製用材料を用いることなく、金属塩溶液を含浸させることによって触媒成分を担持した比較例の触媒粉末においては、担持された白金の平均粒径が22nmであって、本発明の触媒製造方法によって、触媒金属を高度に分散させることができることが確認された。
Claims (6)
- 金属イオンを配位結合によって分子内に保持する複数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造をなし、官能基と、該官能基に配位結合された触媒金属と助触媒金属を含有する粒状高分子体を用いる触媒の製造方法であって、
上記粒状高分子体に配位結合している金属成分を還元・固定化処理した後、当該高分子体を担持基材に含浸させ、その後高分子部分を焼失させて上記触媒金属と助触媒金属を担持することを特徴とする触媒製造方法。 - 上記粒状高分子体の外周部に、予め担持基材に吸着し易い官能基を配置しておくことを特徴とする請求項1に記載の触媒製造方法。
- 上記官能基がヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基から成る群より選ばれた少なくとも1種であって、当該官能基がPt、Pr、Pd、Rh、Ru、Ir、Au、Ag、Mn、Fe、Ni、Co、Zn及びCuから成る群から選ばれた少なくとも1種の触媒金属と共に、La、Ce、Zr、Ti、Al、Mn、Fe、Ni、Co及びZnから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属であって、上記触媒金属とは異なる助触媒金属を配位結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒製造方法。
- 上記粒状高分子体の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の触媒製造方法。
- 金属イオンを配位結合によって分子内に保持する復数の高分子鎖が中心から外周方向に放射状に伸びた構造を備えた粒状高分子体から成り、金属イオンを配位結合する官能基としてヒドロキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミド基、イミノ基及びスルフォン酸基から成る群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有すると共に、当該官能基がPt、Pr、Pd、Rh、Ru、Ir、Au、Ag、Mn、Fe、Ni、Co、Zn及びCuから成る群から選ばれた少なくとも1種の触媒金属と共に、La、Ce、Zr、Ti、Al、Mn、Fe、Ni、Co及びZnから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属であって、上記触媒金属とは異なる助触媒金属を配位結合により分子内に保持していることを特徴とする触媒調製用材料。
- 平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の触媒調製用材料。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100362682C (zh) * | 2006-01-12 | 2008-01-16 | 上海交通大学 | 质子膜燃料电池阴极催化剂的制备方法 |
JP2008055418A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-13 | Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America Inc | 制御された金属クラスターサイズを有する支持された触媒 |
JP2010215420A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Tohoku Univ | ミクロ空洞構造体、ならびにこれを備える水素生成装置 |
US8298984B2 (en) | 2007-12-28 | 2012-10-30 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Non-pyrophoric catalyst for water-gas shift reaction and method of preparing the same |
JP2013154261A (ja) * | 2012-01-26 | 2013-08-15 | Toyota Motor Corp | 排ガス浄化用助触媒及びその製造方法 |
CN114477088A (zh) * | 2020-10-26 | 2022-05-13 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种脱除co的方法 |
-
2004
- 2004-01-13 JP JP2004005035A patent/JP2005199114A/ja active Pending
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